玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

花間集 巻五

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

(原文) 花間集 巻五 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5982

 

(原文) 花間集 巻五 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5982



 
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この花街にいても嫁ぎたいと夢を持っていたが、約束してくれたあの人は、はるか北の地遼陽に行ったままでそれ以来音信普通で夢は破れてしまった、どうしたってひとり、この寂しい閨を守っていくことに堪えねばならないのだ。

 
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9-441《河滿子一首》毛文錫唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-624-9-(441)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4667

 

 

長安の娼妓は、名儀上でも決してすべてが教坊に属していたのではない。『北里志』 の 「楊妙児」なる一節に記載されている妓女の王福娘は、人に身請けされることを願い、「私は幸いに教坊籍に入っていません。あなたにもし結婚の意志があるなら一、二百金のみですみます」といった。どうやら、教坊籍に入っていれば「官身」となり勝手に請け出されることはできないが、教坊籍に入っていないものは金を出し身請けする人がいればいつでも落籍できたようである。しかし、教坊籍に入っていない妓女も、やはり完全に官妓身分から脱していたというわけではなかった。「楊妙児」の一節によると、妓女たちがたとえ客から「買断」(特定の客が囲い独占すること)されても、いぜんとして彼女は「官使を免れず」、つまりこれまで通り官府への奉仕を免れることができなかったようである。また同書には、「およそ中央官僚の集まりや宴会には、役所から妓女を借り出す許可状をもらわねばならず、そうやって始めて彼女たちは他処に出ることができた」(『北里志』序)とある。
 

官僚が妓女を宴遊に呼ぶには官府の許可が必要だったということは、妓女が官妓の身分であったことを証明している。その他、平康里の妓女たちの中には「都知」と呼ばれるものがいて、妓女たちを分担管理しており、古株のものがその任に就いた。妓女にも一定の組織があり、完全に独立し自由というわけでなかったことが分かる。教坊籍に入っていない妓女は、当然長安の妓女の大多数を占めていたはずだが、彼女たちは一体どこの管轄下に属していたのだろうか。地方州府の制度に照らせば、京兆府の管轄下に属すのが当然と思われるが、いまだそうした記録を見出せないので、みだりに結論を出さないでおきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲『河滿子』六首

 

 

作者名/


初句

 

 

毛司徒文錫

巻五

河滿子一首

紅粉樓前月照

 

 

和學士凝(和凝)

巻六

河滿子二首 其一

正是破瓜年幾,

 

 

巻六

河滿子二首 其二

寫得魚牋無限,

 

 

孫少監光憲

巻八

河滿子

冠劍不隨君去,

 

 

毛秘書熙震

巻十

河滿子二首 其一

寂寞芳菲暗度,

 

 

巻十

河滿子二首 其二

無語殘粧澹薄,

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

河滿子

(鶯が啼き、迎えに来てくれると約束の春が来たが、ただ待つだけだけど、歳を重ねてきた妓女の気持ちを詠う。)

紅粉樓前月照,碧紗外鶯啼。

頬紅を付けて庭に出る高楼の前には月明かりが広がっている。緑色の枠にうす絹が張られている窓辺の外には鶯が啼いて春を告げ、ささやき合っている。

夢斷遼陽音信,那堪獨守空閨。

この世界にいても嫁ぎたいと夢を持っていたがはるか北の地遼陽に行ったままでそれ以来音信普通で夢は破れてしまった、どうしたってひとり、この寂しい閨を守っていくことに堪えねばならないのだ。

恨對百花時節,王孫綠草萋萋。

また、百花が花開く時期を迎えると、それを見るたびに恨む気持ちになってしまう、貴族の貴公子のあの人は緑の草草が成長する時期になったので、またどこかで、「嫁にするよ」と若草の様な娘に声をかけていることだろう。

 

(河滿子)

紅粉 樓前にあって 月照す,碧紗 外 鶯啼く。

夢斷 遼陽 音信,那ぞ獨り空閨を守るを堪えん。

恨むは百花時節に對し,王孫 綠草 萋萋たり。

banri04

 

『河滿子』 現代語訳と訳註

(本文)

河滿子

紅粉樓前月照,碧紗外鶯啼。

夢斷遼陽音信,那堪獨守空閨。

恨對百花時節,王孫綠草萋萋。

 

(下し文)

(河滿子)

紅粉 樓前にあって 月照す,碧紗 外 鶯啼く。

夢斷 遼陽 音信,那ぞ獨り空閨を守るを堪えん。

恨むは百花時節に對し,王孫 綠草 萋萋たり。

 

(現代語訳)

(鶯が啼き、迎えに来てくれると約束の春が来たが、ただ待つだけだけど、歳を重ねてきた妓女の気持ちを詠う。)

頬紅を付けて庭に出る高楼の前には月明かりが広がっている。緑色の枠にうす絹が張られている窓辺の外には鶯が啼いて春を告げ、ささやき合っている。

この世界にいても嫁ぎたいと夢を持っていたがはるか北の地遼陽に行ったままでそれ以来音信普通で夢は破れてしまった、どうしたってひとり、この寂しい閨を守っていくことに堪えねばならないのだ。

また、百花が花開く時期を迎えると、それを見るたびに恨む気持ちになってしまう、貴族の貴公子のあの人は緑の草草が成長する時期になったので、またどこかで、「嫁にするよ」と若草の様な娘に声をかけていることだろう。

 隋堤004
 

(訳注)

河滿子

(鶯が啼き、迎えに来てくれると約束の春が来たが、ただ待つだけだけど、歳を重ねてきた妓女の気持ちを詠う。)

富貴の貴公子は、妓女が求める「買断」をして、囲い独占して遊んだ。妓女は一時であっても安心できる条件を求めたのだ。うまくいけば妾の末席でも花街の将来はないので喜ばしいことであった。

唐の教坊曲、花間集には河滿子は五首あり、和凝は二首所収。単調三十六字、三平韻6⑥6⑥6⑥の詞形をとる。

紅粉樓前月照  碧紗窓外鶯
夢斷遼陽音信  那堪獨守空
恨對百花時節  王孫綠草萋

○●○○●●  ●○○●○○

△●○○○△  △○●●△○

●●●○○●  △○●●○○

 

紅粉樓前月照,碧紗外鶯啼。

頬紅を付けて庭に出る高楼の前には月明かりが広がっている。緑色の枠にうす絹が張られている窓辺の外には鶯が啼いて春を告げ、ささやき合っている。

 

夢斷遼陽音信,那堪獨守空閨。

この花街にいても嫁ぎたいと夢を持っていたが、約束してくれたあの人は、はるか北の地遼陽に行ったままでそれ以来音信普通で夢は破れてしまった、どうしたってひとり、この寂しい閨を守っていくことに堪えねばならないのだ。

遼陽 遼陽は古代より遼東における中華帝国の中心であった軍事上の重要都市である。

陽:1 日。日の光。「陽光/斜陽・春陽・夕陽・太陽・朝陽・落陽」2 ひなた。山の南側。川の北側。「山陽・洛陽(らくよう)3 明るく暖かい。「陽春」4 うわべをいつわる。
 

恨對百花時節,王孫綠草萋萋。

また、百花が花開く時期を迎えると、それを見るたびに恨む気持ちになってしまう、貴族の貴公子のあの人は緑の草草が成長する時期になったので、またどこかで、「嫁にするよ」と若草の様な娘に声をかけていることだろう。

王孫 1 帝王の子孫。また、貴族の子弟。2 ツクバネソウの別名。4枚の葉の中心部に黒い果実が付く様子を羽根つきの羽に例えたものであるが、ユリ科の植物としては似つかわしくない姿をしている。花の特徴: 茎先から花の柄を出し、先に淡い黄緑色の花を1つつける。 花には内花被片はなく、4枚の緑色の幅広い外花被片が垂れ下がる。 雄しべは8本である。 雌しべは1本で、先が4つに裂ける。

綠草萋萋 綠草は萌える愛という意味を持つ。萋萋:草木の茂っているさま。さいさい。ここでは数ある草草の中で選ばれ、嫁ぐ詩経のイメージを借り、どこかの娘にこえをかけているというほどの意味。

《詩経·周南·葛覃》

葛之覃兮、施于中谷。

維葉萋萋、黄鳥于飛。

集于灌木、其鳴嘴嘴。

葛の覃(の)びるや、中谷に施(うつ)る。

維(こ)れ葉 萋萋たり、黄鳥于(ここ)に飛ぶ。  

灌木に集(つど)ひ、其の鳴くこと嘴嘴(かいかい)たり。

 

葛之覃兮,旋于中谷。

維葉莫莫,是刈是煮。

為綺為谷,服之無厭。

葛の覃びるや、中谷に旋る。

維れ葉 莫莫たり、是れ刈り 是れ煮(に)て。

綺(ち)と為し谷(げき)と為し、之を服して厭(いと)ふことなし。

 

言告師氏,言告言歸。

薄汗我私,薄澣我衣。

害澣害否,歸寧父母。

言(われ)師氏に告げらる、言(ここ)に告げらる 言に歸(とつ)ぐと。

薄(しば)らく我が私を汗(あら)ひ、薄らく我が衣を澣(すす)がん。

害(いづ)れか澣(すす)ぎ 害れか否(しかせ)ざらん、歸(とつ)ぎて父母を寧(やす)んぜん。

 

葛のツルが伸びて、谷間を覆っている、その葉は青々として、黄鳥が飛んでくるや、灌木に群がっては、皆々として鳴く

 

葛のツルが伸びて、谷間を覆っている、その葉は生い茂り、刈り取って煮て、糸となしても衣となしても、あるいは食べても飽きることがない

 

 わたしは先生から告げられました、この家に嫁ぐのだと告げられました、だから身を洗い、着ている衣も洗いましょう、どれを洗いどれを洗わぬか良く考えましょう、立派な嫁になって両親を安心させてあげましょう

 

 

蓼花00

 

牛嶠 河滿子二首

(年増の芸妓が昔を思い出し、無邪気に遊ぶ少女を見て羨ましく詠う。)

河滿子二首 其一

正是破瓜年幾,含情慣得人饒。

桃李精神鸚鵡舌,可堪虛度良宵。

卻愛藍羅裙子,羨他長束纖腰。

 

河滿子二首 其二

寫得魚牋無限,其如花鏁春輝。

目斷巫山雲雨,空教殘夢依依。

卻愛熏香小鴨,羨他長在屏幃。

 

 

孫光憲 河滿子

(河に近接の花街の女妓が公用で旅に出るおとこと逢瀬を楽しむ夜を詠う)

冠劍不隨君去,江河還共恩深。

歌袖半遮眉黛慘,淚珠旋滴衣襟。

惆悵雲愁雨怨,斷魂何處相尋。

 

 

毛秘書熙震 河滿子二首

 

河滿子二首 其一

寂寞芳菲暗度,華如箭堪驚。

緬想舊歡多少事,轉添春思難平。

曲檻絲垂金柳,小絃斷銀箏。

深院空聞鷰語,滿園閑落花輕。

一片相思休不得,忍教長日愁生。

誰見夕陽孤夢,覺來無限傷情。

 

河滿子二首 其二

無語殘粧澹薄,含羞嚲袂輕盈。

幾度香閨眠曉,綺疎日微明。

雲母帳中惜,水精枕上初驚。

笑靨嫩疑花坼,愁眉翠斂山橫。

相望只教添悵恨,整鬟時見纖瓊。

獨倚朱扉閑立,誰知別有深情。

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彼女たちはいったん年老いて容色が衰え、婚期を逸すると、宮中を退いてから嫁に行くのは容易でなく、また芸を売るのはさらに難しかった。それでひじょうに多くの宮妓が尼か女道士となって、孤独と貧寒の中で残生のけりをつけなければならなかった。

 
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9-440《訴衷情二首其二》毛文錫唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-623-9-(440)  五巻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4662

 

 

教坊の曲の詩として宮女・妓優が恋心を抱いたこと、自由恋愛をイメージさせるものである。

 

宮妓は後代の娼妓を意味するものではなく、専門に宮廷に奉仕する女芸人であった。彼女たちは歌舞や楽器を習い、縄・竿・球・馬などを操る曲芸を学んだ。その職責は皇室が挙行する各種の祝祭・式典・宴会などの儀式に出演したり、また平生にあっては天子の耳目を楽しませることであった。

 

宮妓の大部分は直接民間から選抜された芸、容貌ともに秀でた楽戸、侶優などの女子、それに少数の一般平民出身の女子であった。

 

選ばれて宜春院に入った「内人」は身分が最も高かった。彼女たちが演舞する時に

は、雲藷院で訓練中の宮人とは衣服や装飾品に高低の区別があり、「内人」 には凧魚(五品以上の貴人が身に着けることを許されていた魚形のバッジ)が許されていた。

 

宮妓は芸術家であり、原則として芸は献じるが身は献じないということになっていたにせよ、そしてまた一般の宮人に比べれば高い礼遇を受けていたにせよ、所詮彼女たちも皇帝の慰み物にすぎず、その漁色の対象になるものも少なくなかった。

 

宮妓はまたしばしば皇帝の御下賜品として大臣や貴族に与えられた。唐の各時代に、某人に「女楽」幾組を下賜するといった記録があるが、この「女楽」とはよく訓練された宮中の楽妓のことである。

 

長く宮中に住む宮妓の他に、玄宗の時代から長安と洛陽の宮殿にほど近い街区に、左右二つの芸妓養成のための外教坊が設けられた。ここでも多数の芸妓が養成されたが、この芸妓は宮廷の専用に充てられ、官官によって管理された。彼女たちが宮妓と異なるのは、宮中には住まず、必要な時に呼び出され宮中の御用に供された点にある。

 

教坊妓は彼女たち独特の一風変った生活の仕方と考えを持っていた。彼女たちは仲間同士で意気投合すると、「香火兄弟」(神仏の前で香火をたき義姉妹の契りを結んだ仲)となった。多いものは十四、五人、少ないものでも八、九人がそれぞれ集団をつくった。もし、その中の一人が嫁に行くと、香火兄弟たちは彼女の夫を女仲間にみたてて、「媛捜」とか「新婦」などとよんだ。また同時にその夫に睦み親しむことができたが、妻となった妓は決して嫉妬することはなかった。彼女たちはそれを突蕨の習俗にならったものであるといっていた。

また、香火兄弟でない人々の間でも、男女関係は比較的自由であった。

 

彼女たちはいったん年老いて容色が衰え、婚期を逸すると、宮中を退いてから嫁に行くのは容易でなく、また芸を売るのはさらに難しかった。それでひじょうに多くの宮

妓が尼か女道士となって、孤独と貧寒の中で残生のけりをつけなければならなかった。

 

 

訴衷情二首

 

訴衷情二首其一

桃花流水漾縱橫,春晝彩霞明。

劉郎去,阮郎行,惆悵恨難平。

愁坐對雲屏,算歸程。

何時攜手洞邊迎,訴衷情。

(この詩は妓女の男に対する誠意を詠ったもの)

桃の花が咲き誇り、落ちた花弁は流れに乗ってゆきゆらゆら揺れて流れてゆく。のんびりとした昼下がりをのんびりと過ごすと、夕焼けが明るく綺麗だ。

久しぶりに訪ねて来ていた劉郎は去ってしまい、一度出たら帰ってこない阮郎はいってしまう、恨み嘆いているばかりで、過去の失敗を和らげようとしてもまた失敗をしてしまった。

年を重ねるほどに、愁いはつのり、あの人と過ごした所縁の雲母の屏風の前に、いつも坐っている、あの人が帰って来るといった日を数えてみるばかり、唯繰り返すだけだ。

何時になったらこの手を携えて、この窟洞の前に身請けのためにきてくれたあのひとを迎えるのか、あの人を愛するうそいつわりのない心をわかってほしい。

 

(訴衷情二首其の一)

桃花 流水 縱橫に漾し,春晝 霞明を彩す。

劉郎去って,阮郎行き,惆悵して 難平を恨む。

愁坐して 雲屏に對し,歸程を算す。

何の時にか 手を攜えて 洞邊に迎わん,訴衷の情。

 

 

訴衷情二首其二

鴛鴦交頸繡衣輕,碧沼藕花馨。

隈藻荇,映蘭汀,和雨浴浮萍。

思婦對心驚,想邊庭。

何時解珮掩雲屏,訴衷情。

(どんなに楽しく過ごしていても、それは何時までも続くものではない。いったん離れていったものは戻って来ることはない。この時代の女妓、女性の定めを詠うもの)

鴛鴦の刺繍のかけ布団のなかでふたりはむすばれて、着ている衣も軽く薄いもの、その池のふちには緑の澄んだ水に浮ぶ蓮の葉のように揺れ、蓮の花が香りを満たした、

縁の奥まったところに浮ぶ水草とじゅんさいのように絡み合いうごめいた、水際の乱の花の様に水面に影を映していた。雨が降ってきてその場に調和し、二人は白蘋の様に水面に揺れた。

男が女を思う気持ちというのは長くは続かないという浮草のような心変わりがあってから初めて驚いた、思い出せば、鴛鴦が遊び蓮の葉のように揺れたあの庭出来事はどこかとおくにいってしまった。

何時まで待ったらまた佩びをといて、雲母の絵屏風に囲まれて過ごす青のひと時をできるのやら、あの人を愛するうそいつわりのない心をわかってほしい。

 

(訴衷情二首其二)

鴛鴦 交頸して 繡衣輕く,碧沼 藕花の馨。

藻荇を隈にし,蘭 汀に映し,雨に和して浮萍を浴す。

思婦 對心 驚き,邊庭を想う。

何時か 珮を解きて 雲屏に掩い,訴衷の情。

 采蓮003

 

『訴衷情二首』 現代語訳と訳註

(本文)

訴衷情二首其二

鴛鴦交頸繡衣輕,碧沼藕花馨。

隈藻荇,映蘭汀,和雨浴浮萍。

思婦對心驚,想邊庭。

何時解珮掩雲屏,訴衷情。

 

 

(下し文)

(訴衷情二首其二)

鴛鴦 交頸して 繡衣輕く,碧沼 藕花の馨。

藻荇を隈にし,蘭 汀に映し,雨に和して浮萍を浴す。

思婦 對心 驚き,邊庭を想う。

何時か 珮を解きて 雲屏に掩い,訴衷の情。

 

(現代語訳)

(どんなに楽しく過ごしていても、それは何時までも続くものではない。いったん離れていったものは戻って来ることはない。この時代の女妓、女性の定めを詠うもの)

鴛鴦の刺繍のかけ布団のなかでふたりはむすばれて、着ている衣も軽く薄いもの、その池のふちには緑の澄んだ水に浮ぶ蓮の葉のように揺れ、蓮の花が香りを満たした、

縁の奥まったところに浮ぶ水草とじゅんさいのように絡み合いうごめいた、水際の乱の花の様に水面に影を映していた。雨が降ってきてその場に調和し、二人は白蘋の様に水面に揺れた。

男が女を思う気持ちというのは長くは続かないという浮草のような心変わりがあってから初めて驚いた、思い出せば、鴛鴦が遊び蓮の葉のように揺れたあの庭出来事はどこかとおくにいってしまった。

何時まで待ったらまた佩びをといて、雲母の絵屏風に囲まれて過ごす青のひと時をできるのやら、あの人を愛するうそいつわりのない心をわかってほしい。

 

芍薬001
 

(訳注)

訴衷情二首其二

(どんなに楽しく過ごしていても、それは何時までも続くものではない。いったん離れていったものは戻って来ることはない。この時代の女妓、女性の定めを詠うもの)

『花間集』には毛文錫の作が二首収められている。単調四十一字、九句六平韻で、7⑤33⑤ ⑤③⑦③の詞形をとる。

鴛鴦交頸繡衣  碧沼藕花
隈藻荇  映蘭
和雨浴浮  思婦對心
想邊  何時解珮掩雲
訴衷



○○○△●△△  ●●●○○

△●●  ●○△ △●●○○ 

△●●○○   ●○○ 

△○●●●○△ ●△○

 

鴛鴦交頸繡衣輕,碧沼藕花馨。

鴛鴦の刺繍のかけ布団のなかでふたりはむすばれて、着ている衣も軽く薄いもの、その池のふちには緑の澄んだ水に浮ぶ蓮の葉のように揺れ、蓮の花が香りを満たした、

鴛鴦 鴛鴦の刺繍のかけ布団

交頸 首を交じらわせる。合体する、なかでふたりはむすばれる意。

繡衣輕 心地良く過ごすさまの表現。

碧沼藕花馨 二人が過す楽しいひと時のこと。

 

隈藻荇,映蘭汀,和雨浴浮萍。

縁の奥まったところに浮ぶ水草とじゅんさいのように絡み合いうごめいた、水際の乱の花の様に水面に影を映していた。雨が降ってきてその場に調和し、二人は白蘋の様に水面に揺れた。

隈藻荇,映蘭汀,和雨浴浮萍 この三句も、二人の閨の様子を表現するもの。

 

思婦對心驚,想邊庭。

男が女を思う気持ちというのは長くは続かないという浮草のような心変わりがあってから初めて驚いた、思い出せば、鴛鴦が遊び蓮の葉のように揺れたあの庭出来事はどこかとおくにいってしまった。

思婦 一夫多妻制、男尊女卑、性の道具としていたころの女性に対する思いと考え。

 

何時解珮掩雲屏,訴衷情。

何時まで待ったらまた佩びをといて、雲母の絵屏風に囲まれて過ごす青のひと時をできるのやら、あの人を愛するうそいつわりのない心をわかってほしい。

解珮 帯を解く。

掩雲屏 寝牀のまわりに屏風を立てること、性行為の別表現。
春水001
 


9-439《訴衷情二首其一》毛文錫Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-622-9-(439) 五巻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4657

妓女を身請けしたのは大部分が武将、下級官吏、商人たちであったが、身分が賎しいために、彼女たちが正妻になることはきわめて難しかった。一般には彼らの側室とか姫妾になったのである。妓女は身請けされた後でも、依然として家庭の中で賎民の地位を抜けたせず、また主人の中には彼女たちを人間扱いしない者もいた。


 
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音楽が盛り上がって来るに従い、酒宴は盛り上がり、歌は最盛期になる、やがて酒宴も終わりを迎えると、酒も歌も、その両方とも静かになってゆく。一人の宮女の微笑があの人の心をとらえ、動かしたのだ。

 
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 杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首 
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9-438《戀情深二首其二》毛文錫唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-621-9-(438)  五巻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4652

 

 

戀情深二首

 

戀情深二首其一

(宮女は酒宴に酔いも進み、そして、この夜も深く愛されると詠う。)

滴滴銅壺塞漏咽,醉紅樓月。

ピタン、ピタン、銅製の壺の塞いだところから漏れてくる、それはむせび泣くような声である。紅樓にかかる月をながめて酒に酔う。 

宴餘香殿會鴛衾,蕩春心。

酒宴は遅くまで続いた後には、お香が一杯に焚かれた殿中に、鴛鴦のかけ布団のながですごすということになる。互に盛んに愛し合い、互いに揺らめいている。

真珠簾下曉光侵,鶯語隔瓊林。

真珠の珠の聯の下にはいつしか朝の光が差し込む、それでも二人は、睦ごとを語り合っていて、瓊林の屏風に隔てられたまま時は過ぎる。

寶帳欲開慵起,戀情深。

ようやく、宝飾に飾られたとばりを起き上がって明けようとする者のけだるさが残っている、こんなにも深く愛し合ったのだ。

戀情深二首其の一

滴滴 銅壺 塞ぐも漏れ咽【むせ】び,紅樓の月に醉う。

宴 餘り 香殿 鴛衾【えんきん】に會し,春心を蕩【とろか】す。

真珠の簾の下 曉光侵し,鶯語 瓊林を隔つ。

寶帳 慵起を開かんと欲す,戀情深し。

大毛蓼003
 

戀情深二首其二

(宮女は酒宴に酔いも進み、そして、この夜も深く愛されると詠う。)

玉殿春濃花爛熳,簇神仙伴。

耀けるその宮殿には春爛漫で花は色濃く咲き乱れ、仙郷の神々は宮女と共に集まってくる。

羅裙窣地縷黃金,奏清音。

宮女は、うす絹の巻きスカートで歩くと突然の地面には金の糸が途切れずに敷き詰められている、琴の清らかな音楽を奏でる。

酒闌歌罷兩沉沉,一笑動君心。

音楽が盛り上がって来るに従い、酒宴は盛り上がり、歌は最盛期になる、やがて酒宴も終わりを迎えると、酒も歌も、その両方とも静かになってゆく。一人の宮女の微笑があの人の心をとらえ、動かしたのだ。

永作鴛鴦伴,戀情深。

その夜から、長く鴛鴦が一緒にいるようになったのだ、こんなにも深く愛し合うようになったのだ。

戀情深二首其の二

玉殿 春濃く花爛熳なり,神仙簇り伴う。

羅裙 窣地 縷の黃金,清音を奏ず。

酒闌わ 歌罷めば兩 沉沉たり,一笑は君の心を動かす。

永作す 鴛鴦伴い,戀情深し。

 杏の花0055

『戀情深二首其二』 現代語訳と訳註

(本文)

戀情深二首其二

玉殿春濃花爛熳,簇神仙伴。

羅裙窣地縷黃金,奏清音。

酒闌歌罷兩沉沉,一笑動君心。

永作鴛鴦伴,戀情深。

 

(下し文)

戀情深二首其の二

玉殿 春濃く花爛熳なり,神仙簇り伴う。

羅裙 窣地 縷の黃金,清音を奏ず。

酒闌わ 歌罷めば兩 沉沉たり,一笑は君の心を動かす。

永作す 鴛鴦伴い,戀情深し。

 

(現代語訳)

(宮女は酒宴に酔いも進み、そして、この夜も深く愛されると詠う。)

耀けるその宮殿には春爛漫で花は色濃く咲き乱れ、仙郷の神々は宮女と共に集まってくる。

宮女は、うす絹の巻きスカートで歩くと突然の地面には金の糸が途切れずに敷き詰められている、琴の清らかな音楽を奏でる。

音楽が盛り上がって来るに従い、酒宴は盛り上がり、歌は最盛期になる、やがて酒宴も終わりを迎えると、酒も歌も、その両方とも静かになってゆく。一人の宮女の微笑があの人の心をとらえ、動かしたのだ。

その夜から、長く鴛鴦が一緒にいるようになったのだ、こんなにも深く愛し合うようになったのだ。

海棠花05
 

(訳注)

戀情深二首其二

(宮女は酒宴に酔いも進み、そして、この夜も深く愛されると詠う。)

『花間集』には孫光憲の作が二首収められている。双調四十六字、前段二十一字四句二平韻二仄韻、後段二十一字四句三平韻一仄韻で、74⑦③/⑦⑤6③の詞形をとる。

玉殿春濃花爛  簇神仙
羅裙窣地縷黃  奏清
酒闌歌罷兩沉  一笑動君
永作鴛鴦  戀情

●●○○○●●  ●○○●

○○●●●○○  ●○○

●○○△●○○  ●●●○○

●●○○●    ●○△

 

(1) 彼女たちはいったん年老いて容色が衰え、婚期を逸すると、宮中を退いてから嫁に行くのは容易でなく、また芸を売るのはさらに難しかった。それでほとんどの宮妓が尼か女道士となって、孤独と貧寒の中で残生のけりをつけなければならなかった。

宮廷の名妓粛煉師は寺観の中で一生を終えたし、有名な歌妓永新は当時皇帝から光栄ある寵愛をこうむっていたが、安史の乱の後、宮中を出て一人の読書人に付き従い、その読書人が死んだ後は母とともに長安に帰り、乱世の中で老いて死んだ(『楽府雑録』「歌」)。

(2) 古来、宮中にはいわゆる「内職」という制度があった。『礼記』「昏義」 に、「古、天子は、后に六宮、三夫人、九嬢、二十七世婦、八十一御妻を立て、以て天下の内治を聴く」とある。唐初の武徳年間(618626)に、唐は隋の制度を参照して完璧で精密な「内官」制度をつくった。その規定では、皇后一人、その下に四人の妃(貴妃、淑妃、徳妃、賢妃各一人)、以下順位を追って、九嬢(昭儀、昭容、昭嬢、修儀、修容、修嬢、充儀、充容、充媛各一人)、婕妤九人、美人九人、才人九人、宝林二十七人、御女二十七人、采女二十七人が配置される。上記のそれぞれの女性は官品をもち、合計で122人の多きに達した。皇后だけが正妻であり、その他は名義上はみな「妃嬢」 - 皇帝の妾とされた。

 

玉殿春濃花爛熳,簇神仙伴。

耀けるその宮殿には春爛漫で花は色濃く咲き乱れ、仙郷の神々は宮女と共に集まってくる。

玉殿 (1).殿美称。 (2).朝廷,天子のこと。 (3).伝説中天界神仙の殿。

 

羅裙窣地縷黃金,奏清音。

宮女は、うす絹の巻きスカートで歩くと突然の地面には金の糸が途切れずに敷き詰められている、琴の清らかな音楽を奏でる。

窣地 突然のように地面に。

縷[音]ル(呉)(漢)1 細々と連なる糸筋。「一縷」2 細く、途切れずに続くさま。こまごまとしたさま。「縷言・縷述・縷説・縷陳・縷縷」3 ぼろ。「襤縷(らんる)

 

酒闌歌罷兩沉沉,一笑動君心。

音楽が盛り上がって来るに従い、酒宴は盛り上がり、歌は最盛期になる、やがて酒宴も終わりを迎えると、酒も歌も、その両方とも静かになってゆく。一人の宮女の微笑があの人の心をとらえ、動かしたのだ。

闌【酣/たけなわ】とは。行事・季節などが最も盛んになった時。盛りが極まって、それ以後は衰えに向かう時。また、そのようなさま。真っ盛り。真っ最中。

 

永作鴛鴦伴,戀情深。

その夜から、長く鴛鴦が一緒にいるようになったのだ、こんなにも深く愛し合うようになったのだ。

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宮妓は芸術家であり、原則として芸は献じるが身は献じないということになっていたにせよ、そしてまた一般の宮人に比べれば高い礼遇を受けていたにせよ、所詮彼女たちも皇帝の慰み物にすぎず、その漁色の対象になるものも少なくなかった。

 
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 魏承班15首 花間集8・9巻鹿虔扆6首 花間集9巻閻選8首 花間集9巻尹鶚6首 花間集9巻毛熙震29首 花間集9・10巻李珣39首 花間集10巻 
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9-437《戀情深二首其一》毛文錫唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-620-9-(437)  五巻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4647

 

 

 

花間集の中でも、特異な詩題であり、毛文錫だけが題している。教坊の曲の詩として宮女・妓優が恋心を抱いたこと、自由恋愛をイメージさせるものである。

 

宮妓は後代の娼妓を意味するものではなく、専門に宮廷に奉仕する女芸人であった。彼女たちは歌舞や楽器を習い、縄・竿・球・馬などを操る曲芸を学んだ。その職責は皇室が挙行する各種の祝祭・式典・宴会などの儀式に出演したり、また平生にあっては天子の耳目を楽しませることであった。

 

宮妓の大部分は直接民間から選抜された芸、容貌ともに秀でた楽戸、侶優などの女子、それに少数の一般平民出身の女子であった。

 

選ばれて宜春院に入った「内人」は身分が最も高かった。彼女たちが演舞する時に

は、雲藷院で訓練中の宮人とは衣服や装飾品に高低の区別があり、「内人」 には凧魚(五品以上の貴人が身に着けることを許されていた魚形のバッジ)が許されていた。

 

宮妓は芸術家であり、原則として芸は献じるが身は献じないということになっていたにせよ、そしてまた一般の宮人に比べれば高い礼遇を受けていたにせよ、所詮彼女たちも皇帝の慰み物にすぎず、その漁色の対象になるものも少なくなかった。

 

宮妓はまたしばしば皇帝の御下賜品として大臣や貴族に与えられた。唐の各時代に、某人に「女楽」幾組を下賜するといった記録があるが、この「女楽」とはよく訓練された宮中の楽妓のことである。

 

長く宮中に住む宮妓の他に、玄宗の時代から長安と洛陽の宮殿にほど近い街区に、左右二つの芸妓養成のための外教坊が設けられた。ここでも多数の芸妓が養成されたが、この芸妓は宮廷の専用に充てられ、官官によって管理された。彼女たちが宮妓と異なるのは、宮中には住まず、必要な時に呼び出され宮中の御用に供された点にある。

 

教坊妓は彼女たち独特の一風変った生活の仕方と考えを持っていた。彼女たちは仲間同士で意気投合すると、「香火兄弟」(神仏の前で香火をたき義姉妹の契りを結んだ仲)となった。多いものは十四、五人、少ないものでも八、九人がそれぞれ集団をつくった。もし、その中の一人が嫁に行くと、香火兄弟たちは彼女の夫を女仲間にみたてて、「媛捜」とか「新婦」などとよんだ。また同時にその夫に睦み親しむことができたが、妻となった妓は決して嫉妬することはなかった。彼女たちはそれを突蕨の習俗にならったものであるといっていた。

また、香火兄弟でない人々の間でも、男女関係は比較的自由であった。

 

彼女たちはいったん年老いて容色が衰え、婚期を逸すると、宮中を退いてから嫁に行くのは容易でなく、また芸を売るのはさらに難しかった。それでひじょうに多くの宮

妓が尼か女道士となって、孤独と貧寒の中で残生のけりをつけなければならなかった。

 

 

戀情深二首

 

戀情深二首其一

(宮女は酒宴に酔いも進み、そして、この夜も深く愛されると詠う。)

滴滴銅壺塞漏咽,醉紅樓月。

ピタン、ピタン、銅製の壺の塞いだところから漏れてくる、それはむせび泣くような声である。紅樓にかかる月をながめて酒に酔う。 

宴餘香殿會鴛衾,蕩春心。

酒宴は遅くまで続いた後には、お香が一杯に焚かれた殿中に、鴛鴦のかけ布団のながですごすということになる。互に盛んに愛し合い、互いに揺らめいている。

真珠簾下曉光侵,鶯語隔瓊林。

真珠の珠の聯の下にはいつしか朝の光が差し込む、それでも二人は、睦ごとを語り合っていて、瓊林の屏風に隔てられたまま時は過ぎる。

寶帳欲開慵起,戀情深。

ようやく、宝飾に飾られたとばりを起き上がって明けようとする者のけだるさが残っている、こんなにも深く愛し合ったのだ。

 

戀情深二首其一

滴滴 銅壺 塞ぐも漏れ咽【むせ】び,紅樓の月に醉う。

宴 餘り 香殿 鴛衾【えんきん】に會し,春心を蕩【とろか】す。

真珠の簾の下 曉光侵し,鶯語 瓊林を隔つ。

寶帳 慵起を開かんと欲す,戀情深し。

 

 

戀情深二首其二

玉殿春濃花爛熳,簇神仙伴。

羅裙窣地縷黃金,奏清音。

酒闌歌罷兩沉沉,一笑動君心。

永作鴛鴦伴,戀情深。

 

長安城皇城図
 

『戀情深二首其一』 現代語訳と訳註

(本文)

戀情深二首其一

滴滴銅壺塞漏咽,醉紅樓月。

宴餘香殿會鴛衾,蕩春心。

真珠簾下曉光侵,鶯語隔瓊林。

寶帳欲開慵起,戀情深。

 

 

(下し文)

戀情深二首其一

滴滴 銅壺 塞ぐも漏れ咽【むせ】び,紅樓の月に醉う。

宴 餘り 香殿 鴛衾【えんきん】に會し,春心を蕩【とろか】す。

真珠の簾の下 曉光侵し,鶯語 瓊林を隔つ。

寶帳 慵起を開かんと欲す,戀情深し

 

(現代語訳)

(宮女は酒宴に酔いも進み、そして、この夜も深く愛されると詠う。)

ピタン、ピタン、銅製の壺の塞いだところから漏れてくる、それはむせび泣くような声である。紅樓にかかる月をながめて酒に酔う。 

酒宴は遅くまで続いた後には、お香が一杯に焚かれた殿中に、鴛鴦のかけ布団のながですごすということになる。互に盛んに愛し合い、互いに揺らめいている。

真珠の珠の聯の下にはいつしか朝の光が差し込む、それでも二人は、睦ごとを語り合っていて、瓊林の屏風に隔てられたまま時は過ぎる。

ようやく、宝飾に飾られたとばりを起き上がって明けようとする者のけだるさが残っている、こんなにも深く愛し合ったのだ。

 

 紅梅00

(訳注)

戀情深二首其一

(宮女は酒宴に酔いも進み、そして、この夜も深く愛されると詠う。)

『花間集』には孫光憲の作が二首収められている。双調四十六字、前段二十一字四句二平韻、後段二十一字四句三平韻で、74⑦③/⑦⑤6③の詞形をとる。

滴滴銅壺塞漏  醉紅樓月
宴餘香殿會鴛  蕩春
真珠簾下曉光  鶯語隔瓊
寶帳欲開慵起  戀情

●●○○●●△  ●○○●

●○○●●○○  ●○○

○○○●●△△  ○●●○○

●●●○○●   ●○△

 

滴滴 銅壺 塞漏咽,醉紅樓月。

ピタン、ピタン、銅製の壺の塞いだところから漏れてくる、それはむせび泣くような声である。紅樓にかかる月をながめて酒に酔う。 

滴滴 ① 水などのしたたり。点々と落ちるしずく。② 点々とあるようす。

銅壺 銅板などでかまど形につくったもの。内部を空洞にしてあるので,そこへ水を満たし,空洞の中に排水を落とし、その音が地上に聞こえるように設計され、水位に倚り、時刻を計る。この時、排水は滴水化して落とす。具体的な過程としては、縦穴を伝って流れ落ちた水が水滴となって空洞の底面に溜まった水に落ち、その際に発せられた音が縦穴を通して外部に漏れる。この原理は、水琴窟に発展する。

 

宴餘 香殿 會鴛衾,蕩春心。

酒宴は遅くまで続いた後には、お香が一杯に焚かれた殿中に、鴛鴦のかけ布団のながですごすということになる。互に盛んに愛し合い、互いに揺らめいている。

鴛衾 鴛鴦のかけ布団。一夜を共にする。

蕩【とう】1 揺れ動く。ゆらゆら動かす。「蕩揺/漂蕩」2 酒色などにおぼれる。締まりがない。「蕩児/淫蕩(いんとう)・放蕩・遊蕩」3 豊かに広がっている。

 

真珠 簾下 曉光侵,鶯語 隔瓊林。

真珠の珠の聯の下にはいつしか朝の光が差し込む、それでも二人は、睦ごとを語り合っていて、瓊林の屏風に隔てられたまま時は過ぎる。

瓊林 隋から唐の時代、「瓊花(チウンホア)」は「玉蘂」とも呼ばれ、その芳香のある黄白色の花が愛でられたと玉のように美しい瓊樹の林。その花を食べると長寿になる。ここでは、その木々が描かれた屏風、何時までも二人で過ごす、仲睦まじい様子が続くというほどの意味。

 

寶帳 欲開慵起,戀情深。

ようやく、宝飾に飾られたとばりを起き上がって明けようとする者のけだるさが残っている、こんなにも深く愛し合ったのだ。

慵起 けだるく起きるのも億劫であること。
花蕊夫人006
 

9-436《月宮春一首》毛文錫Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-619-9-(436) 五巻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4642

(神仙の居所を訪ね歩き水の精が現れ歓迎してくれ、やかて玉皇大帝が親しみを持って現れてくれたと詠う。)飛散する水珠が輝く水の妖精が生まれ出る水の宮殿の庭には桂の花が開いている。神仙を訪ねてもうどれくらいあちこちに行っただろうか、ここにやっと見つけた。

 
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毛司徒文錫三十一首

 

 

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酒泉子一首

 

 

喜遷鶯一首

贊成功一首

西溪子一首

 

 

中興樂一首

更漏子一首

接賢賓一首

 

 

贊浦子一首

甘州遍二首其一

甘州遍二首其二

 

 

紗窗恨二首 其一

恨二首 其

柳含煙四首其一

 

 

柳含煙四首其二

柳含煙四首其三

柳含煙四首其四

 

 

酔花間 二首 其一

酔花間 二首其二

浣紗溪一首

 

 

浣溪沙一首

月宮春一首

戀情深二首其一

 

 

戀情深二首其二

訴衷情二首其一

訴衷情二首其二

 

 

應天長一首

何滿子一首

巫山一段雲一首

 

 

臨江仙一首

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月宮春

水精宮裡桂花開,神仙探幾迴。

紅芳金蘂繡重臺,低傾馬瑙盃。

玉兔銀蟾爭守護,姮娥女戲相隈。

遙聽鈞天九奏,玉皇親看來。

(神仙の居所を訪ね歩き水の精が現れ歓迎してくれ、やかて玉皇大帝が親しみを持って現れてくれたと詠う。)

飛散する水珠が輝く水の妖精が生まれ出る水の宮殿の庭には桂の花が開いている。神仙を訪ねてもうどれくらいあちこちに行っただろうか、ここにやっと見つけた。

紅く芳しい芍薬が咲いていて、刺繍のとばりが幾重にも垂れている高台があり、瑪瑙の盃を何度も繰り返して飲み干した。

すると遙か先から聞こえてくるのは、神仙においての最高神の居所から、あらゆる音楽器で奏でられる音楽である。玉皇大帝が元宵節には現れると聞いてはいたが、まさに親しみを持って、ここに現れたのである。

 

月宮春

水精宮の裡 桂花開き,神仙 探ねて幾か迴る。

紅芳 金蘂 繡の重臺,低く傾く 馬瑙の盃を。

玉兔 銀蟾 守護を爭い,姮娥 女 戲れて相い隈す。

遙に聽く 鈞天の九奏,玉皇 親しく看來す。
十三夜月
kairo10681

 

 

『月宮春』 現代語訳と訳註

(本文)

月宮春

水精宮裡桂花開,神仙探幾迴。

紅芳金蘂繡重臺,低傾馬瑙盃。

玉兔銀蟾爭守護,姮娥女戲相隈。

遙聽鈞天九奏,玉皇親看來。

 

 

(下し文)

月宮春

水精宮の裡 桂花開き,神仙 探ねて幾か迴る。

紅芳 金蘂 繡の重臺,低く傾く 馬瑙の盃を。

玉兔 銀蟾 守護を爭い,姮娥 女 戲れて相い隈す。

遙に聽く 鈞天の九奏,玉皇 親しく看來す。

 

(現代語訳)

(神仙の居所を訪ね歩き水の精が現れ歓迎してくれ、やかて玉皇大帝が親しみを持って現れてくれたと詠う。)

飛散する水珠が輝く水の妖精が生まれ出る水の宮殿の庭には桂の花が開いている。神仙を訪ねてもうどれくらいあちこちに行っただろうか、ここにやっと見つけた。

紅く芳しい芍薬が咲いていて、刺繍のとばりが幾重にも垂れている高台があり、瑪瑙の盃を何度も繰り返して飲み干した。

すると遙か先から聞こえてくるのは、神仙においての最高神の居所から、あらゆる音楽器で奏でられる音楽である。玉皇大帝が元宵節には現れると聞いてはいたが、まさに親しみを持って、ここに現れたのである。

miyajima594
 

 

(訳注)

月宮春

(神仙の居所を訪ね歩き水の精が現れ歓迎してくれ、やかて玉皇大帝が親しみを持って現れてくれたと詠う。)

皇帝の後宮、あるいは、離宮かもしれないが、そこを神仙と見立て、そこに宮女たちが歌い、演奏し、踊るのを詠ったものである。訪ね歩くとあるので、どこかの離宮を不思議さを込めて詠ったものである。

『花間集』には毛文錫の作が三十一首収められている。「教坊曲」『月宮春』一首所収されている。双調四十二字、前段二十六字四句三平韻一仄韻、後段二十五字四句二平韻で、⑦⑥❼⑥/7⑦6⑤の詞形をとる。

水精宮裡桂花  神仙探幾
紅芳金蘂繡重  低傾馬瑙
玉兔銀蟾爭守護  女戲
遙聽鈞天九奏  玉皇親看

⑦⑥❼⑥―7⑦6⑤

●△○●●○○  ○○△△△

○○○●●△○  ○○●●○

●●○○○●●  ○○●●△△△

○△○○△●  ●○△△△

 

水精宮裡桂花開,神仙探幾迴。

飛散する水珠が輝く水の妖精が生まれ出る水の宮殿の庭には桂の花が開いている。神仙を訪ねてもうどれくらいあちこちに行っただろうか、ここにやっと見つけた。

○○水精宮 飛散する水珠が輝く水の妖精が生まれ出る水の宮殿。

杜甫『曲江對酒』「苑外江頭坐不歸,水精宮殿轉霏微。」(苑外江頭に坐して帰らず、水精の宮殿 転【うたた】霏微【ひび】たり。)春景色に誘われ、わたしはこの芙蓉苑の外、曲江の池畔で官舎に帰らないままにすわりこんであたりをながめる、水の妖精が生まれ出て水の宮殿がその光を輝かせ、霧のように飛散する水珠も輝く。

曲江封酒 杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 246

 

紅芳金蘂繡重臺,低傾馬瑙盃。

紅く芳しい芍薬が咲いていて、刺繍のとばりが幾重にも垂れている高台があり、瑪瑙の盃を何度も繰り返して飲み干した。

金蘂 1.金色花蕊。 元稹 《紅芍薬詩「繁滋蹙金蕊,高燄当鑪火。」2. 菊的异名。 欧陽脩 《希真堂東手种菊花十月始弄》詩「君看金蕊正芬敷,日浮霜相照耀。

瑙盃 自然資源、玉石、瑪瑙で作られた盃。メノウは、縞状の玉髄の一種で、オパール、石英、玉髄が、層状に岩石の空洞中に沈殿してできた、鉱物の変種である。

杜甫《鄭駙馬宅宴洞中

主家陰洞細煙霧,留客夏簟青瑯玕。

春酒杯濃琥珀薄,冰漿碗碧瑪瑙寒。

悞疑茅屋過江麓,已入風磴霾雲端。

自是秦樓壓鄭穀,時聞雜佩聲珊珊。

玉兔銀蟾爭守護,姮娥女戲相隈。

 

遙聽鈞天九奏,玉皇親看來。

すると遙か先から聞こえてくるのは、神仙においての最高神の居所から、あらゆる音楽器で奏でられる音楽である。玉皇大帝が元宵節には現れると聞いてはいたが、まさに親しみを持って、ここに現れたのである。

鈞天 天の中央。転じて、天子の居所。ここでは神仙においての最高神の居所。

九奏 各種の楽器で奏でられること。笙笛、横笛、瑟、箏、琴、胡弓、鼓など教坊の曲を奏でる。

玉皇大帝、玉皇上帝、あるいは玉皇、玉帝、天公は、中国道教における事実上の最高神で、天界の支配者でありその下の地上・地底に住むあらゆるものの支配者でもある。

道観には「玉皇殿」など玉皇大帝を祀る殿閣がある。旧暦19日は「玉皇誕」とされ、玉皇大帝の誕生の日として祭祀が行われる。旧暦115日に行われる元宵節の由来にも、玉皇大帝は登場する。

天帝崇拝は存在したが、玉皇大帝が記録の中に現れるのは後漢以後のことで、道教の体系化に伴い三清・四御などの説が整えられ天帝とみなされるようになった。宋の時代に幾人かの皇帝が玉皇大帝を重視し強く崇拝したことから庶民の中でも崇拝されるようになり、道教の中でも重要な存在となった。
DCF00212
 

杜甫『曲江對酒』
苑外江頭坐不歸,水精宮殿轉霏微。桃花細逐楊花落,黃鳥時兼白鳥飛。
縱飲久判人共棄,懶朝真與世相違。吏情更覺滄洲遠,老大悲傷未拂衣。
(曲江にて酒に對す)
苑外江頭に坐して帰らず、水精の宮殿 転【うたた】霏微【ひび】たり。桃花【とうか】細【こまや】かに梨花を逐うて落ち、黄鳥【こうちょう】時兼【とも】にして白鳥と飛ぶ。
飲を縦【ほしいまま】にし久しく判して人共に棄つ、朝するに懶【ものうし】く真に世と相違【たご】う。吏情【りじょう】更に覚ゆ滄洲【そうしゅう】の遠きを、老大【ろうだい】徒【いたずらに】に傷む未だ衣を払わざるを。
春景色に誘われ、わたしはこの芙蓉苑の外、曲江の池畔で官舎に帰らないままにすわりこんであたりをながめる、水の妖精が生まれ出て水の宮殿がその光を輝かせ、霧のように飛散する水珠も輝く。
それから桃の花は微細に落ちち、やなぎの花、柳絮の散るあとを追いかけて落ちてまた落ちる、黄色の鳥たちは時を同じにして一斉に白色の鳥たちと飛びたつ。
勝手きままにすきなだけ酒を呑んで長いあいだ自暴自棄になり人も相手をしてくれない、参朝することが億劫になってしまい、世間の人皆から見放されてしまっている、実際自分も世の人とは違背しているのである。
官吏としての今の心持は、これまでよりももっと滄洲の仙境と隔たりができた様な気がするばかりで、こんなに年を取ってからでは衣を払って仙境に向って去って行けないことを傷み悲しむだけなのである。

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9-435《浣溪沙一首》毛文錫Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-618-9-(435) 五巻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4637

その度ごとに恨みを遺す、生命はニイニイゼミのように短いし須女という名の機織り娘も憐れなのである。幾たびか行き帰るうちに鴛鴦の旗織りの方に下っていくのを見て嫉妬したからだ。でも今宵だけは、素敵な出会いであるから二人とも、しなやかな、名残惜しい時を過ごすのだ。


 
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 ●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場 
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 曹植(曹子建)詩 65首 index文選 賦)兩都賦序・西都賦・東都賦 (班固)《李白 全詩》
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 杜甫詩(1)736~751年 青年期・李白と交遊期・就活の詩 53首杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73首(青年期・就活の詩) 杜甫詩(3)755年~756年、45歳 安史の乱に彷徨う 26首杜甫詩(4)作時757年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺 43首杜甫詩(5)758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷疎外、左遷 53首杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 三吏三別 官を辞す 44首 
 杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首 
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 Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor9-435《浣溪沙一首》毛文錫Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-618-9-(435) 五巻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4637 
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9-435《浣溪沙一首》毛文錫唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-618-9-(435)  五巻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4637

 

 

浣溪沙一首

(七夕以外の日は他の機織りの娘の所に行く彦星であったが、今宵だけは二人良い出会いを過すと詠う。)
七夕年年信不違,銀河清淺白雲微,蟾光鵲影伯勞飛。

天の川に隔てられた彦星と織姫が、年に一度だけ会う日が来たというのに年々歳を重ねて信頼は違うことはない、銀河の清らかな流れの浅瀬に彦星の訪問を示す白雲がかすかにひろがる。月の光が明るくなるとカササギが橋を造る影が出来て、百舌鳥がとんでゆく。

每恨蟪蛄憐婺女,幾迴嬌妬下鴛機,今宵嘉會兩依依。

その度ごとに恨みを遺す、生命はニイニイゼミのように短いし須女という名の機織り娘も憐れなのである。幾たびか行き帰るうちに鴛鴦の旗織りの方に下っていくのを見て嫉妬したからだ。でも今宵だけは、素敵な出会いであるから二人とも、しなやかな、名残惜しい時を過ごすのだ。

 

浣溪沙一首

七夕 年年 信 違わず,銀河 清淺 白雲 微かなり,蟾光 鵲影とし 伯勞 飛ぶ。

每に 蟪蛄を恨む 婺女を憐み,幾び 嬌妬を迴る 鴛機に下るを,今宵の嘉會は兩つながら依依たり。

 

 銀河002

『浣溪沙一首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙一首

七夕年年信不違,銀河清淺白雲微,蟾光鵲影伯勞飛。

每恨蟪蛄憐婺女,幾迴嬌妬下鴛機,今宵嘉會兩依依。

 

 

(下し文)

浣溪沙一首

七夕 年年 信 違わず,銀河 清淺 白雲 微かなり,蟾光 鵲影とし 伯勞 飛ぶ。

每に 蟪蛄を恨む 婺女を憐み,幾び 嬌妬を迴る 鴛機に下るを,今宵の嘉會は兩つながら依依たり。

 

(現代語訳)

(七夕以外の日は他の機織りの娘の所に行く彦星であったが、今宵だけは二人良い出会いを過すと詠う。)

天の川に隔てられた彦星と織姫が、年に一度だけ会う日が来たというのに年々歳を重ねて信頼は違うことはない、銀河の清らかな流れの浅瀬に彦星の訪問を示す白雲がかすかにひろがる。月の光が明るくなるとカササギが橋を造る影が出来て、百舌鳥がとんでゆく。

その度ごとに恨みを遺す、生命はニイニイゼミのように短いし須女という名の機織り娘も憐れなのである。幾たびか行き帰るうちに鴛鴦の旗織りの方に下っていくのを見て嫉妬したからだ。でも今宵だけは、素敵な出会いであるから二人とも、しなやかな、名残惜しい時を過ごすのだ。

 

 十三夜月

(訳注)

毛文錫 

毛文錫(生卒年未詳)、字を平珪と言い、南陽(今の河南省南陽)の人。十四歳で進士に及第し、前蜀の王建に仕え、司徒に任じられ、毛司徒と呼ばれた。その後、前覇が亡びると、後主の王衍に従って後唐に降り、さらに後蜀に仕え、欧陽烱、閻選、鹿虔扆、韓琮らと詞をもって後蜀の孟昶に奉仕し「五鬼」と称された。著書に『前局紀事』二巻、『茶譜』一巻がある。毛文錫の詞は大多数が男女の離別の情や傷惜春の情を詠ったものであるが、中には功名富貴を主張したものや、辺境の戦を詠ったものもある。『花間集』には三十一首の詞が収められている。

 

 

 

 

 

 

毛司徒文錫三十一首

 

 

虞美人二首 其一

虞美人二首 其二

酒泉子一首

 

 

喜遷鶯一首

贊成功一首

西溪子一首

 

 

中興樂一首

更漏子一首

接賢賓一首

 

 

贊浦子一首

甘州遍二首其一

甘州遍二首其二

 

 

紗窗恨二首 其一

恨二首 其

柳含煙四首其一

 

 

柳含煙四首其二

柳含煙四首其三

柳含煙四首其四

 

 

酔花間 二首 其一

酔花間 二首其二

浣紗溪一首

 

 

浣溪沙一首

月宮春一首

戀情深二首其一

 

 

戀情深二首其二

訴衷情二首其一

訴衷情二首其二

 

 

應天長一首

何滿子一首

巫山一段雲一首

 

 

臨江仙一首

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浣溪沙一首

 

『花間集』には毛文錫の作が三十一首収められている。この詞調の「教坊曲」『浣溪紗』五十六首に毛文錫の一首は所収されている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦の詞形をとる。

七夕年年信不  銀河清淺白雲微 蟾光鵲影伯勞  

每恨蟪蛄憐婺女 幾迴嬌妬下鴛  今宵嘉會兩依

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七夕年年信不違,銀河清淺白雲微,蟾光鵲影伯勞飛。

天の川に隔てられた彦星と織姫が、年に一度だけ会う日が来たというのに年々歳を重ねて信頼は違うことはない、銀河の清らかな流れの浅瀬に彦星の訪問を示す白雲がかすかにひろがる。月の光が明るくなるとカササギが橋を造る影が出来て、百舌鳥がとんでゆく。

七夕 陰暦七月七日の夜、天の川に隔てられた彦星と織姫が、年に一度だけ会うという伝説にちなむ年中行事。五節句のひとつ。《古詩十九首之十》(無名氏)「迢迢牽牛星  皎皎河漢女」(迢迢【ちょうちょう】たる牽牛星、皎皎【こうこう】たる河漢の女。)天の川を隔ててはるかかなたには彦星がいて、こちらにはこうこうと白くかがやく天の川の織姫がいる。

古詩十九首之十 (10) 漢詩<97>Ⅱ李白に影響を与えた詩529 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1404

清淺 清んだ浅瀬。謝靈運《從斤竹澗越嶺溪行詩》「蘋萍泛沉深。菰蒲冒清淺。」(蘋萍【ひんべい】は沈深【ちんしん】に泛び、菰蒲【こほ】は清淺【せいせん】を冒【おお】えり。)浮草が深い淵にただよい集まり、まこもやがまは清んだ浅瀬を蔽って生えている。従斤竹澗超嶺渓行 謝霊運(康楽) 詩<57-#2>Ⅱ李白に影響を与えた詩448 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1161

蟾光 つきあかり。李白《古朗月行》「蟾蜍蝕圓影、大明夜已殘。」(蟾蜍(せんじょ)は 円影を蝕し、大明 夜已に残く。)月の中にはヒキガエルがすんでいて、月のまるい影を食べている。月明かりが大きく照らさている夜があり、欠けてしまって夜の明りがのこる。古朗月行 #2 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集 265350

鵲 陰暦七月七日の夜、牽牛、織女の二星の、年に一度の逢瀬のために、鵲は翼をならべて天の川に橋をつくる。男女の契りの橋渡しをするという。

伯勞 鳥類スズメ目の科である。モズと呼ばれるが、狭義にはその1種がモズと呼ばれる。 杜甫《百舌》は(この頃の口先だけの者たちを詠う)ものである。

廣徳2764-75 《百舌》 杜甫<751 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4085 杜甫詩1500-751-988/250039

 

每恨蟪蛄憐婺女,幾迴嬌妬下鴛機,今宵嘉會兩依依。

その度ごとに恨みを遺す、生命はニイニイゼミのように短いし須女という名の機織り娘も憐れなのである。幾たびか行き帰るうちに鴛鴦の旗織りの方に下っていくのを見て嫉妬したからだ。でも今宵だけは、素敵な出会いであるから二人とも、しなやかな、名残惜しい時を過ごすのだ。

蟪蛄 蟪蛄けいこ(にいにいぜみ)生命の短いたとえ。人生のはかないことのたとえ。また、見識や経験の狭いことのたとえ。 小さなセミは夏の間だけしか生きないので、春と秋を知らない意から。「朝菌ちょうきんは晦朔かいさくを知らず、蟪蛄は春秋を知らず」から。「朝菌」は朝生えて晩には枯れるというキノコ。一説に、朝生まれて晩には死ぬ虫。

婺女 1須女という名の機織り娘。玄武の亀身あるいは蛇身。.星宿名,即女宿。又名女,女。二十八宿之一,玄武七宿之第三宿,有星四稽古始め・お披露目に吉。訴訟・結婚・葬式に凶

嘉會 ① めでたい会合。 風流な会合。素敵な出会い。

依依 枝などがしなやかである。名残り惜しく思うさま。
DCF00212
 


9-434《浣沙溪一首》毛文錫Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-617-9-(434) 五巻漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4632

うす絹の靴下をはいている年を重ねた宮女は俗塵から選定された者たちが出てくれば、遊女としていくことになる。そこに来る人は、逢瀬をし、春心をあらわして、珠の女妓たちと戯れて帰っていく。

 
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