毛文錫 贊成功
海棠未坼,萬點深紅,香包緘結一重重。似含羞態,邀勒春風。蜂來蝶去,任遶芳叢。
昨夜微雨,飄灑庭中,忽聞聲滴井邊桐。美人驚起,坐聽晨鐘。快教折取,戴玉瓏璁。
(海棠花の蕾の様な年若い女性が妃嬪として後宮に入り寵愛を一手に受けていることを詠う。)海棠花はいまだ花を開いてはいないけれど庭には赤い蕾が転々として深紅にひろがっている。たくさんの蕾は包み込んではいるものの、持っている香りをほのかにするが、その花ビラを一重、一重と結んでしまいこんでいる。それは恥じらいのしぐさを含んでいるし、春風が強く吹いてくれば迎える様にして花を開く。そうして、やがて蜂が飛んでくれば、今度は蝶が飛び去ってゆく、自由に飛びかい芳しい香りの叢に入る。昨夜は、小雨が降ったので、寝殿前の庭中が潤い色を濃くしとてもきれいになってくる。暫くすると、たちまち井戸のまわりの梧桐の葉に雨が滴り堕ちる雨音がきこえてくる。美人妃は雨音に驚いて起き上がったが、落ち着き払って朝方の鐘の音を聞いている。海棠花というべき妃嬪は、いろんなことを教えられ、心地良い事を教えられ、折られ摘み取られて行く、宝玉を頂戴して、宝玉が清らかにあたって鳴って妃嬪は今が最盛期である。
7毛文錫《巻五09贊成功一首》『花間集』210全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6322
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