玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

花間集 巻六 顧夐

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

11顧夐 (改)《巻七08浣溪沙八首其八》『花間集』310全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6822

顧夐  浣溪沙八首其八

露白蟾明又到秋,佳期幽會兩悠悠,夢牽情役幾時休。

記得泥人微斂黛,無言斜倚小書樓,暗思前事不勝愁。

(仲秋の月が約束の日、カササギの橋を渡って牽牛が来てくれるが、又次の秋まで寂しい思いを過ごしてゆく、夢の中だけで愛を交わす愁いの日々にずっと堪えていくのかと詠う。)

仲秋の月が明るく照り、露が一面に降りて真っ白に広がる、また秋がきて、逢瀬の約束の日に静かな夜にひっそりと二人でいつまでもいっしょに過ごす。しかし、夢の一年一回でも牽牛のようにあの人と求め合っていたいが、次の秋まで、こんな思いをしないですむようになる日は何時くるのか。今は記憶の中のことが頭にこびりついてしまって、眉間にしわを寄せ、密かに眉曇らせてしまう。言葉もかわすこともなく書斎のある小楼に斜めに身を寄せて、思えば気持ちは暗くなり、あたまにうかぶのは過ぎた日の良い事ばかり、こんな愁いに堪えるいいことなどないのか。

11顧夐 (改)《巻七08浣溪沙八首其八》『花間集』310全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6822

 

 
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浣溪沙八首其一

(春は万物を成長させ、春の行楽は放蕩の情をさらに強くする。待つものは、柳の緑が濃くなるころ閨の中で待っているだけで、これからの人生、こんな生活を覚悟して生きていかないと詠う。)

春色迷人恨正,可堪蕩子不還家,細風輕露著梨花。

春の景色は人の心を浮かせ、迷わせて、人がどこにいるのかわからないので恨むことになるし、だから。放蕩のものが家に帰ってこないことには耐えるようにすべきであるし、そんな春の優しい風に当たり、軽やかな露に濡れた梨の花が色をはっきりとさせ、其処には人が集まる。

簾外有情雙鷰颺,檻前無力綠楊斜,小屏狂夢極天涯。

行楽の季節には、簾の外に情愛があるのであり、ツガイの燕が飛び上がるということがある、ただ閨だけで、待つだけで、檻の暮し、柳の緑も濃く、風に斜め払う、閨の寝牀横の小屏風の中で夢の中だけで狂うもの、そんな人生が一生続いて行く。

(浣溪沙八首其の一)

春色 人を迷わせ正に【はる】かにするを恨み,蕩子家に還らざるを堪る可し,細風 輕露 梨花に著わる。

簾外 情有り 雙鷰 颺【あが】り,檻前 無力 綠楊 斜めなり,小屏 狂夢 天涯に極む。

浣溪沙八首其二

浣溪沙その二(夏も過ぎ、秋になってもどこからも音沙汰がない、御殿の閨に何もせず、、ただ、寵愛を受ける準備だけは菅、使うことがないので、埃に汚れて居る)

紅藕香寒翠渚平,月籠虛閣夜蛩清,塞鴻驚夢兩牽情。

秋になりかけのころ蓮の花の香りを残したまま夕方の寒さを感じる。緑叢がいっぱいで渚に平らかに広がる。閨の高窓に見える月は輝き寂しい高閣を照らしし、すずむしがすがすがしく鳴いている。北方から南に向かう大雁は夢に驚き情に絡んで両手で引寄せて雁書を見たいと思う。

寶帳玉鑪,殘麝冷,羅衣金縷暗塵生,小孤燭淚縱橫。

宝飾で飾られたとばりが下がり、こがねに飾られた香炉には麝香は消えてそのままで冷たい、寵愛を受けていたときに着ていた薄絹の金の刺繍の着物にはチリが積もってうす汚れている。閨の小窓の手前にポツンと燭台があり、涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになる。

(浣溪沙八首其の二)

紅藕 香寒く 翠の渚 平かにし,月籠の虛閣 夜蛩 清かなり,塞鴻 夢に驚き 情に兩牽す。

寶帳 玉鑪あり,殘麝 冷かなり,羅衣 金縷 塵生に暗くす,小 孤燭 淚 縱橫たり。

 

浣溪沙八首其三

浣溪沙八首その三(若くして寵愛を失った妃賓は、瀟湘の后妃ように帝に先立たれのと同じで、一人で過ごすのは、残された思い出の部屋で泣きぬれて過ごすことなのである。)

荷芰風輕簾幕香,繡衣鸂鶒泳迴塘,小屏閑掩舊瀟湘。

蓮花と菱花は軽く風にのって簾や、幔幕にまでその香が届くと、刺繍の着物の妃賓は、鸂鶒が泳ぎながら堤の方へ進むのを見る。閨の低い屏風に静かに囲まれた中にいにしえの瀟湘曲が物悲しく聞こえてくる。

恨入空幃鸞影獨,淚凝雙臉渚蓮光,薄情年少每思量。

誰もいない鸞凰の刺繍の戸張の中には蝋燭の光にただ一人の影を映して、そこにはうらみだけがはいってくると、涙が止まらず、二筋の涙の痕が顔に残ってしまい、涙があふれて渚の蓮池に光るかのようである。愛情の薄い皇子は歳若くして死別したのかと、思う度にその思いの量は多くなっていく。

(浣溪沙八首其の三)

荷芰 風輕く 簾幕 香り,繡衣 鸂鶒泳いで塘を迴り,小屏 閑かに掩うは舊えの瀟湘。

空幃に恨入す 鸞影獨つ,淚 臉に雙つながらにして 渚の蓮光に凝し,薄情 年少なるも 每く思量す。

 

浣溪沙八首其四

浣溪沙八首その四(愛妾とされ、どんなに寵愛を受けていても、寵愛は失うもの、西王母のようであっても、巫山の瑤姫であっても、今はどうなるのかはわからない、いずれにしても耐えて生きていくことだけだ。)

惆悵經年別謝娘,月花院好風光,此時相望最情傷。

愛妾とされてもうどれだけ年数を重ねたのだろうか、それなのに別れて怨めしいと思うようになったが。高窓から入る月明かり、奥の中庭に咲く満開の花、春の盛りのこんなにもよい季節が来ても、またたがいにこの時を楽しく過ごしたいと思えば思うほど、またもっとも心が傷つくのである。

青鳥不來傳錦字,瑤何處鏁蘭房,忍教魂夢兩茫茫。

西王母の春の恋の使者として錦字を伝え持ってくるはずが一向に来なかったし、巫山の瑶女の身を揺らせてくれ、身も心も繋いでくれるというがその閨がどこにあるのか、いつも堪え、心の奥に忍ばせて、夢とするだけで、両頬に流れる涙は果てしなく流れてゆくのである。

浣溪紗八首其の四)

惆悵 經年 謝娘に別れ,月 花院 風光好く,此時 相い望む 最情の傷。

青鳥 來らず 錦字を傳う,瑤 何處にか 蘭房を鏁にし,魂夢を忍教して兩つながら茫茫たり。

 

浣溪紗八首,其五

(菊の花に夜露が下りる良い夜、思いもよらず寵愛を受けることになった、床をすごす共寝の夜が明けると、それからどうなるのかと恐れる女の情を詠う。)

庭菊飄黃玉露濃,冷莎隈砌隱鳴蛩,何期良夜得相逢。

風にゆれ動く庭に咲き誇る黄菊に玉の露に濡れて色を濃くする。秋の冷気に見向きもされない莎草はつめたく階の端に生えていて、その影でこおろぎが鳴いて秋の趣きを添え、思いがけないこの出会い、素晴らしい夜は思いもよらないことである。

背帳風搖紅滴,惹香暖夢繡衾重,覺來枕上怯晨鐘。

とばりを背にして、灯火の炎は揺れていて、蝋燭を滴らせるのも忘れるように時は過ぎる。香の香りに誘われ、重ねた肌に暖かに夢は掛け布団のうちでつづき、この素敵な時から目覚めること、枕辺にこのまま居たいと思うこと、夜明け前の鐘が鳴ればわかれなければいけない、それはとても恐いことなのだ。

浣溪紗八首,其の五)

庭菊 黃を飄し 玉露濃し,冷莎 砌に隈【よ】し 鳴蛩【めいきょう】 隱れ,何ぞ期せん 良夜 相う逢うを得るを。

帳を背に 風 搖がせ 紅【こうろう】 滴る,香に惹【ひか】るる暖かき夢 繡衾【しゅうきん】重なり,覺め來り 枕上 晨鐘に怯る。

 

浣溪沙八首其六

(秋までには来るよと約束していたが背いてこない人に対する女性の恨みを詠う。)

雲澹風高葉亂飛,小庭寒雨綠苔微,深閨人靜掩屏幃。

秋の空に雲が淡くうかぶ、風が高い所を抜けていき高木の上の方を揺らして枯れ葉が乱れ飛びかうけれど、暫くして降り出した晩秋の冷たい雨はく中庭の青苔のうえに微かに濡らしていて色を濃くする、それの向うの奥深いところの閏には妃嬪は独り屏風と戸張に囲まれ、身動きもせずにいる。

粉黛暗愁金帶枕,鴛鴦空繞畫羅衣,那堪辜負不思歸。

寵愛を失った妃賓であっても、秋になっても白粉をこくし、眉も画いて準備はちゃんとして、思い出の金帯の枕をならべて密かな期待は愁となる、鴛駕模様の衣裳も空しさだけがめぐる。約束に背いてこない、どうやってこの気持ちを抑えていけるというのだろうか。

(其の六)

雲は澹く 風は高くして 葉はれ亂飛ぶ,小庭は寒雨あり綠苔は微かなり,深い閨には 人靜まり 屏幃を掩う。

粉黛 暗く金帶の枕に愁う,鴛鴦 空しく畫羅の衣に繞り,那で堪えん 歸るを思わざるに辜負せんとを。

 

 

浣溪沙八首其七

浣溪沙八首その七(もう何度目の秋を一人で過ごすのか、雁書の雁も通り過ぎるだけだし、夢もやがて見なくなる。秋の夜長を一人過ごすのにいい方法がことがあろうかと詠う。)

鴈響遙天玉漏清,小紗外月朧明,翠幃金鴨炷香平。

秋の空高く雁が鳴き声を響かせながら飛んでゆく、遥かな先に消えると、静かな余韻の中に水時計の音が清らかに響いてくる。高窓の羅紗を張った小窓越に月がぼんやりと明るく照らしている。翡翠の飾りのついたとばりに金の鴨の刺繍があり、閨には香が焚き揺らせて平らかに漂っている。

何處不歸音信斷,良宵空使夢魂驚,簟涼枕冷不勝情。

どこかに行ってしまったのか、ここには帰ってこないばかりか、今では便りもないままだ。秋の宵がどんなに良くても空しさだけであり、夢を見ては心が驚かされる。夏には火照った体を冷やしてくれる簟の敷物はもう涼しすぎるし、一人寝の枕も冷たいばかり、こんな心持ちをいやしてくれるものがあるのだろうか。

(浣溪沙八首其の七)

鴈の響き遙かな天に 玉漏清きなり,小紗外は月朧明し,翠幃に金鴨ありて炷香平かなり。

何處にか歸らず 音信斷つ,良宵 空しく使わしむ夢魂驚き,簟涼 枕冷 情に勝てず。

浣溪沙八首其八

露白蟾明又到秋,佳期幽會兩悠悠,夢牽情役幾時休。

記得泥人微斂黛,無言斜倚小書樓,暗思前事不勝愁。

(仲秋の月が約束の日、カササギの橋を渡って牽牛が来てくれるが、又次の秋まで寂しい思いを過ごしてゆく、夢の中だけで愛を交わす愁いの日々にずっと堪えていくのかと詠う。)

仲秋の月が明るく照り、露が一面に降りて真っ白に広がる、また秋がきて、逢瀬の約束の日に静かな夜にひっそりと二人でいつまでもいっしょに過ごす。しかし、夢の一年一回でも牽牛のようにあの人と求め合っていたいが、次の秋まで、こんな思いをしないですむようになる日は何時くるのか。

今は記憶の中のことが頭にこびりついてしまって、眉間にしわを寄せ、密かに眉曇らせてしまう。言葉もかわすこともなく書斎のある小楼に斜めに身を寄せて、思えば気持ちは暗くなり、あたまにうかぶのは過ぎた日の良い事ばかり、こんな愁いに堪えるいいことなどないのか。

 

(浣溪沙八首 其の八)

露白く蟾 明くして又た秋到る,佳期 幽會にして兩つながら悠悠たり,夢牽の情の役するは幾時にか休まん。

記得は人に泥【まつ】わり微かに黛を斂め,無言 小書樓に斜倚し,前事を暗く思い 愁に勝【た】えず。

 

 

『浣溪沙八首其七』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙八首其八

露白蟾明又到秋,佳期幽會兩悠悠,夢牽情役幾時休。

記得泥人微斂黛,無言斜倚小書樓,暗思前事不勝愁。

 

(下し文)

(浣溪沙八首 其の八)

露白く蟾 明くして又た秋到る,佳期 幽會にして兩つながら悠悠たり,夢牽の情の役するは幾時にか休まん。

記得は人に泥【まつ】わり微かに黛を斂め,無言 小書樓に斜倚し,前事を暗く思い 愁に勝【た】えず。

 

(現代語訳)

(仲秋の月が約束の日、カササギの橋を渡って牽牛が来てくれるが、又次の秋まで寂しい思いを過ごしてゆく、夢の中だけで愛を交わす愁いの日々にずっと堪えていくのかと詠う。)

仲秋の月が明るく照り、露が一面に降りて真っ白に広がる、また秋がきて、逢瀬の約束の日に静かな夜にひっそりと二人でいつまでもいっしょに過ごす。しかし、夢の一年一回でも牽牛のようにあの人と求め合っていたいが、次の秋まで、こんな思いをしないですむようになる日は何時くるのか。

今は記憶の中のことが頭にこびりついてしまって、眉間にしわを寄せ、密かに眉曇らせてしまう。言葉もかわすこともなく書斎のある小楼に斜めに身を寄せて、思えば気持ちは暗くなり、あたまにうかぶのは過ぎた日の良い事ばかり、こんな愁いに堪えるいいことなどないのか。

 

 

(訳注)

浣溪沙八首其八

(仲秋の月が約束の日、カササギの橋を渡って牽牛が来てくれるが、又次の秋まで寂しい思いを過ごしてゆく、夢の中だけで愛を交わす愁いの日々にずっと堪えていくのかと詠う。)

【解説】 月が一番大きくなって蟾蜍が見える日が約束の日で、七夕の日だけ会える。それでも別れたら、来るかどうかとおもうことしかないと恨みを詠う。後段は、二人が愛をまつわりつかしているときのことが頭から離れない。満たされぬ日々に悲しみに顔を曇らせてしまう。又今日も楼閣の書斎に身を寄せて、過ぎ去った日々を思うと、わびしさに居たたまれぬことを述べる。男目線で、男を待つ年増になった妃嬪の哀れさを詠うものである。

 

唐の教坊の曲名。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦.の詞形をとる。韋荘ほか全員で十名が同名の詩合計57首、花間集の11.4%載せている。谷間の砂浜で早春の風物詩で、染め上げた沙羅を水で晒した後、並べて乾かすことをいう。独り者の女性だけで行ったことで、春と沙羅と女性ということで艶歌としてうたったものである。

浣溪沙八首其一

春色迷人恨正,可堪蕩子不還,細風輕露著梨

簾外有情雙鷰颺,檻前無力綠楊,小屏狂夢極天

○●○○●△○  ●○●●△○○ ●△△●△○○

○●●○○●△ ●○○●●○○  ●△△△●○○

浣溪沙八首其二  ⑦⑦⑦/4③⑦⑦

紅藕香寒翠渚,月籠虛閣夜蛩,塞鴻驚夢兩牽

寶帳玉鑪,殘麝,羅衣金縷暗塵,小孤燭淚縱

○●○○●●○  ●△○●●○○ ●△○△●△○

●●●○ ○●△  ○△○●●○△ ●?○●●△△

浣溪沙八首其三

荷芰風輕簾幕  繡衣鸂鶒泳迴塘 小屏閑掩舊瀟  

恨入空幃鸞影獨 淚凝雙臉渚蓮  薄情年少每思

△●△△○●○  ●△○?●△○ ●△○●●○○

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浣溪沙八首其四

惆悵經年別謝,月花院好風,此時相望最情

青鳥不來傳錦字,瑤何處鏁蘭,忍教魂夢兩茫

○●△○●●○  ●?○△●△△ ●○△△●○△

○●△△△●● ○○△●?○○  ●△○△●○○

浣溪紗八首,其五

庭菊飄黃玉露,冷莎隈砌隱鳴,何期良夜得相

背帳風搖紅滴,惹香暖夢繡衾,覺來枕上怯晨

○●○○●●○  △○△●●○○ △○○●●△○

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浣溪紗八首其六

雲澹風高葉亂,小庭寒雨綠苔,深閨人靜掩屏

粉黛暗愁金帶枕,鴛鴦空繞畫羅,那堪辜負不思

○△△○●●○  ●○○●●○○ △○○●●△○

●●●○○●△ ○○△●●○△  △○○●△△○

浣溪沙八首其七

鴈響遙天玉漏,小紗外月朧,翠幃金鴨炷香

何處不歸音信斷,良宵空使夢魂,簟涼枕冷不勝

●●○○●●○  ●○?●●○○ ●○○●●○○

△●△○○△● ○○△●△○○  ●△△△△△○浣溪沙八首其八

露白蟾明又到,佳期幽會兩悠,夢牽情役幾時

記得泥人微斂黛,無言斜倚小書,暗思前事不勝

●●○○●●○  ○○○●●○○ △△○●△○△

●●△○○●● ○○○△●○○  ●△○●△△○

 

露白蟾明又到秋,佳期幽會兩悠悠,夢牽情役幾時休。

仲秋の月が明るく照り、露が一面に降りて真っ白に広がる、また秋がきて、逢瀬の約束の日に静かな夜にひっそりと二人でいつまでもいっしょに過ごす。しかし、夢の一年一回でも牽牛のようにあの人と求め合っていたいが、次の秋まで、こんな思いをしないですむようになる日は何時くるのか。

○蟾明 蟾は月で月明と同じ意である。月に蟾蜍がいるという伝説による。〔広韻〕に「蟾、蝦蟆なり」とある。〔爾雅・釈魚〕の注に「蝦蟆に似て、陸地に居る」とある。韋莊『天仙子五首其三』

蟾彩霜華夜不分。天外鴻聾枕上聞。

綉衾香冷懶重燻。

入寂寂、葉紛紛。

纔睡依前夢見君。

天仙子 其三 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-272-5-#26  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2907

・蟾 1動物名。 ヒキガエルのこと。2 《西王母(せいおうぼ)の秘薬を盗んだ姮娥(嫦娥)が月に逃げてヒキガエルになったという「後漢書」の伝説から》月の中にいるというヒキガエル。転じて、月のこと。

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月は女性の姿をいい、妓女、美人のこという。

○佳期 男女が目時を約束して会ぅこと。

李白『大堤曲』

漢水臨襄陽。花開大堤暖。

佳期大堤下。淚向南云滿。

春風無復情。吹我夢魂散。

不見眼中人。天長音信斷。

李白53大堤曲 李白54怨情 李白55贈内

○幽會 年一回の逢瀬に静かな夜を過ごすというほどの意。

○兩悠悠 二人でいついつまでも一緒に過ごす。

○夢牽情役 牽牛のように一年に一回だが、夢の中ではいつも情を持って居続けるというほどの意。

 

記得泥人微斂黛,無言斜倚小書樓,暗思前事不勝愁。

今は記憶の中のことが頭にこびりついてしまって、眉間にしわを寄せ、密かに眉曇らせてしまう。言葉もかわすこともなく書斎のある小楼に斜めに身を寄せて、思えば気持ちは暗くなり、あたまにうかぶのは過ぎた日の良い事ばかり、こんな愁いに堪えるいいことなどないのか。

○泥人 人がべったりとまつわりつくこと。二人の情事のこと。

○小書樓 書斎のある小楼

○不勝愁 こんな愁いに堪えることはできない

11顧夐 (改)《巻七07浣溪沙八首其七》『花間集』309全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6817

顧夐  浣溪沙八首其七

鴈響遙天玉漏清,小紗外月朧明,翠幃金鴨炷香平。

何處不歸音信斷,良宵空使夢魂驚,簟涼枕冷不勝情。

浣溪沙八首その七(もう何度目の秋を一人で過ごすのか、雁書の雁も通り過ぎるだけだし、夢もやがて見なくなる。秋の夜長を一人過ごすのにいい方法がことがあろうかと詠う。)

秋の空高く雁が鳴き声を響かせながら飛んでゆく、遥かな先に消えると、静かな余韻の中に水時計の音が清らかに響いてくる。高窓の羅紗を張った小窓越に月がぼんやりと明るく照らしている。翡翠の飾りのついたとばりに金の鴨の刺繍があり、閨には香が焚き揺らせて平らかに漂っている。どこかに行ってしまったのか、ここには帰ってこないばかりか、今では便りもないままだ。秋の宵がどんなに良くても空しさだけであり、夢を見ては心が驚かされる。夏には火照った体を冷やしてくれる簟の敷物はもう涼しすぎるし、一人寝の枕も冷たいばかり、こんな心持ちをいやしてくれるものがあるのだろうか。

11顧夐 (改)《巻七07浣溪沙八首其七》『花間集』309全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6817

 

 
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浣溪沙八首其七

浣溪沙八首その七(もう何度目の秋を一人で過ごすのか、雁書の雁も通り過ぎるだけだし、夢もやがて見なくなる。秋の夜長を一人過ごすのにいい方法がことがあろうかと詠う。)

鴈響遙天玉漏清,小紗外月朧明,翠幃金鴨炷香平。

秋の空高く雁が鳴き声を響かせながら飛んでゆく、遥かな先に消えると、静かな余韻の中に水時計の音が清らかに響いてくる。高窓の羅紗を張った小窓越に月がぼんやりと明るく照らしている。翡翠の飾りのついたとばりに金の鴨の刺繍があり、閨には香が焚き揺らせて平らかに漂っている。

何處不歸音信斷,良宵空使夢魂驚,簟涼枕冷不勝情。

どこかに行ってしまったのか、ここには帰ってこないばかりか、今では便りもないままだ。秋の宵がどんなに良くても空しさだけであり、夢を見ては心が驚かされる。夏には火照った体を冷やしてくれる簟の敷物はもう涼しすぎるし、一人寝の枕も冷たいばかり、こんな心持ちをいやしてくれるものがあるのだろうか。

(浣溪沙八首其の七)

鴈の響き遙かな天に 玉漏清きなり,小紗外は月朧明し,翠幃に金鴨ありて炷香平かなり。

何處にか歸らず 音信斷つ,良宵 空しく使わしむ夢魂驚き,簟涼 枕冷 情に勝てず。

 

 

『浣溪沙八首其七』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙八首其七

鴈響遙天玉漏清,小紗外月朧明,翠幃金鴨炷香平。

何處不歸音信斷,良宵空使夢魂驚,簟涼枕冷不勝情。

 

 

(下し文)

(浣溪沙八首其の七)

鴈の響き遙かな天に 玉漏清きなり,小紗の外は月朧明し,翠幃に金鴨ありて炷香平かなり。

何處にか歸らず 音信斷つ,良宵 空しく使わしむ夢魂驚き,簟涼 枕冷 情に勝てず。

 

(現代語訳)

浣溪沙八首その七(もう何度目の秋を一人で過ごすのか、雁書の雁も通り過ぎるだけだし、夢もやがて見なくなる。秋の夜長を一人過ごすのにいい方法がことがあろうかと詠う。)

秋の空高く雁が鳴き声を響かせながら飛んでゆく、遥かな先に消えると、静かな余韻の中に水時計の音が清らかに響いてくる。高窓の羅紗を張った小窓越に月がぼんやりと明るく照らしている。翡翠の飾りのついたとばりに金の鴨の刺繍があり、閨には香が焚き揺らせて平らかに漂っている。

どこかに行ってしまったのか、ここには帰ってこないばかりか、今では便りもないままだ。秋の宵がどんなに良くても空しさだけであり、夢を見ては心が驚かされる。夏には火照った体を冷やしてくれる簟の敷物はもう涼しすぎるし、一人寝の枕も冷たいばかり、こんな心持ちをいやしてくれるものがあるのだろうか。

 

(訳注)

浣溪沙八首其七

浣溪沙八首その七(もう何度目の秋を一人で過ごすのか、雁書の雁も通り過ぎるだけだし、夢もやがて見なくなる。秋の夜長を一人過ごすのにいい方法がことがあろうかと詠う。)

 

唐の教坊の曲名。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦.の詞形をとる。韋荘ほか全員で十名が同名の詩合計57首、花間集の11.4%載せている。谷間の砂浜で早春の風物詩で、染め上げた沙羅を水で晒した後、並べて乾かすことをいう。独り者の女性だけで行ったことで、春と沙羅と女性ということで艶歌としてうたったものである。

浣溪沙八首其一

春色迷人恨正,可堪蕩子不還,細風輕露著梨

簾外有情雙鷰颺,檻前無力綠楊,小屏狂夢極天

○●○○●△○  ●○●●△○○ ●△△●△○○

○●●○○●△ ●○○●●○○  ●△△△●○○

浣溪沙八首其二  ⑦⑦⑦/4③⑦⑦

紅藕香寒翠渚,月籠虛閣夜蛩,塞鴻驚夢兩牽

寶帳玉鑪,殘麝,羅衣金縷暗塵,小孤燭淚縱

○●○○●●○  ●△○●●○○ ●△○△●△○

●●●○ ○●△  ○△○●●○△ ●?○●●△△

浣溪沙八首其三

荷芰風輕簾幕  繡衣鸂鶒泳迴塘 小屏閑掩舊瀟  

恨入空幃鸞影獨 淚凝雙臉渚蓮  薄情年少每思

△●△△○●○  ●△○?●△○ ●△○●●○○

●●△○○●● ●△○△●△△  ●○○●●△△

浣溪沙八首其四

惆悵經年別謝,月花院好風,此時相望最情

青鳥不來傳錦字,瑤何處鏁蘭,忍教魂夢兩茫

○●△○●●○  ●?○△●△△ ●○△△●○△

○●△△△●● ○○△●?○○  ●△○△●○○

浣溪紗八首,其五

庭菊飄黃玉露,冷莎隈砌隱鳴,何期良夜得相

背帳風搖紅滴,惹香暖夢繡衾,覺來枕上怯晨

○●○○●●○  △○△●●○○ △○○●●△○

●●△○○●● ●○●△●○△  ●△△●●○○

浣溪紗八首其六

雲澹風高葉亂,小庭寒雨綠苔,深閨人靜掩屏

粉黛暗愁金帶枕,鴛鴦空繞畫羅,那堪辜負不思

○△△○●●○  ●○○●●○○ △○○●●△○

●●●○○●△ ○○△●●○△  △○○●△△○

浣溪沙八首其七

鴈響遙天玉漏清,小紗外月朧明,翠幃金鴨炷香平。

何處不歸音信斷,良宵空使夢魂驚,簟涼枕冷不勝情。

●●○○●●○  ●○?●●○○ ●○○●●○○

△●△○○△● ○○△●△○○  ●△△△△△○

 

鴈響遙天玉漏清,小紗外月朧明,翠幃金鴨炷香平。

秋の空高く雁が鳴き声を響かせながら飛んでゆく、遥かな先に消えると、静かな余韻の中に水時計の音が清らかに響いてくる。高窓の羅紗を張った小窓越に月がぼんやりと明るく照らしている。翡翠の飾りのついたとばりに金の鴨の刺繍があり、閨には香が焚き揺らせて平らかに漂っている。

○玉漏清 富貴の家の飾りに飾られた水時計(漏刻)の音が清らかに聞こえてくる。容器の底の穴から流出,あるいは容器に流入する水の量によって時間を測る時計。日時計の次に出現したもので,機械時計が普及するまで夜間,曇雨天用に使われた。ここでは雁が飛んで行ったあとには漏刻の水音だけが聞えてくるというもの。

○小紗 家妓か愛妾であろう。奥まったへやから出ることもなく毎日を過ごしている様子が覗える。

○炷香平 女一人の部屋の中で、香を焚くが、動くものがいないので煙が水平に広がる様子をいう。さびしさを際立たせる表現である。・炷の用語解説 - 1 香をひとたきくゆらせること。また、その香。2 1本の灯心。

○翠幃 翡翠によって飾られた戸張。

○月朧明 月はおぼろではあるが明るくなる。

 

何處不歸音信斷,良宵空使夢魂驚,簟涼枕冷不勝情。

どこかに行ってしまったのか、ここには帰ってこないばかりか、今では便りもないままだ。秋の宵がどんなに良くても空しさだけであり、夢を見ては心が驚かされる。夏には火照った体を冷やしてくれる簟の敷物はもう涼しすぎるし、一人寝の枕も冷たいばかり、こんな心持ちをいやしてくれるものがあるのだろうか。

簟涼枕冷 簟のベットシーツは汗ばむ時には最高のものだが、汗もかかない一人寝の秋には冷たすぎる。しかし、もしかしたら、又帰ってくれるかもしれない。その時にはこの敷物が無くてはならないという待つ身の女心をあらわす意味になる。

不勝情 「心情にまさるものなし。」寂しいおもいがすべての思いに勝つということである。

11顧夐 (改)《巻七06浣溪沙八首其六》『花間集』308全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6812

顧夐  浣溪沙八首其六

雲澹風高葉亂飛,小庭寒雨綠苔微,深閨人靜掩屏幃。

粉黛暗愁金帶枕,鴛鴦空繞畫羅衣,那堪辜負不思歸。

(秋までには来るよと約束していたが背いてこない人に対する女性の恨みを詠う。)

秋の空に雲が淡くうかぶ、風が高い所を抜けていき高木の上の方を揺らして枯れ葉が乱れ飛びかうけれど、暫くして降り出した晩秋の冷たい雨はく中庭の青苔のうえに微かに濡らしていて色を濃くする、それの向うの奥深いところの閏には妃嬪は独り屏風と戸張に囲まれ、身動きもせずにいる。寵愛を失った妃賓であっても、秋になっても白粉をこくし、眉も画いて準備はちゃんとして、思い出の金帯の枕をならべて密かな期待は愁となる、鴛駕模様の衣裳も空しさだけがめぐる。約束に背いてこない、どうやってこの気持ちを抑えていけるというのだろうか。

11顧夐 (改)《巻七06浣溪沙八首其六》『花間集』308全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6812

 

 
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  杜甫詩(1)736~751年 青年期・李白と交遊期・就活の詩 53首 杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73首(青年期・就活の詩)  杜甫詩(3)755年~756年、45歳 安史の乱に彷徨う 26首 杜甫詩(4)作時757年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺 43首 杜甫詩(5)758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷疎外、左遷 53首 杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 三吏三別 官を辞す 44首  
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浣溪沙八首其一

(春は万物を成長させ、春の行楽は放蕩の情をさらに強くする。待つものは、柳の緑が濃くなるころ閨の中で待っているだけで、これからの人生、こんな生活を覚悟して生きていかないと詠う。)

春色迷人恨正,可堪蕩子不還家,細風輕露著梨花。

春の景色は人の心を浮かせ、迷わせて、人がどこにいるのかわからないので恨むことになるし、だから。放蕩のものが家に帰ってこないことには耐えるようにすべきであるし、そんな春の優しい風に当たり、軽やかな露に濡れた梨の花が色をはっきりとさせ、其処には人が集まる。

簾外有情雙鷰颺,檻前無力綠楊斜,小屏狂夢極天涯。

行楽の季節には、簾の外に情愛があるのであり、ツガイの燕が飛び上がるということがある、ただ閨だけで、待つだけで、檻の暮し、柳の緑も濃く、風に斜め払う、閨の寝牀横の小屏風の中で夢の中だけで狂うもの、そんな人生が一生続いて行く。

(浣溪沙八首其の一)

春色 人を迷わせ正に【はる】かにするを恨み,蕩子家に還らざるを堪る可し,細風 輕露 梨花に著わる。

簾外 情有り 雙鷰 颺【あが】り,檻前 無力 綠楊 斜めなり,小屏 狂夢 天涯に極む。

浣溪沙八首其二

浣溪沙その二(夏も過ぎ、秋になってもどこからも音沙汰がない、御殿の閨に何もせず、、ただ、寵愛を受ける準備だけは菅、使うことがないので、埃に汚れて居る)

紅藕香寒翠渚平,月籠虛閣夜蛩清,塞鴻驚夢兩牽情。

秋になりかけのころ蓮の花の香りを残したまま夕方の寒さを感じる。緑叢がいっぱいで渚に平らかに広がる。閨の高窓に見える月は輝き寂しい高閣を照らしし、すずむしがすがすがしく鳴いている。北方から南に向かう大雁は夢に驚き情に絡んで両手で引寄せて雁書を見たいと思う。

寶帳玉鑪,殘麝冷,羅衣金縷暗塵生,小孤燭淚縱橫。

宝飾で飾られたとばりが下がり、こがねに飾られた香炉には麝香は消えてそのままで冷たい、寵愛を受けていたときに着ていた薄絹の金の刺繍の着物にはチリが積もってうす汚れている。閨の小窓の手前にポツンと燭台があり、涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになる。

(浣溪沙八首其の二)

紅藕 香寒く 翠の渚 平かにし,月籠の虛閣 夜蛩 清かなり,塞鴻 夢に驚き 情に兩牽す。

寶帳 玉鑪あり,殘麝 冷かなり,羅衣 金縷 塵生に暗くす,小 孤燭 淚 縱橫たり。

 

浣溪沙八首其三

浣溪沙八首その三(若くして寵愛を失った妃賓は、瀟湘の后妃ように帝に先立たれのと同じで、一人で過ごすのは、残された思い出の部屋で泣きぬれて過ごすことなのである。)

荷芰風輕簾幕香,繡衣鸂鶒泳迴塘,小屏閑掩舊瀟湘。

蓮花と菱花は軽く風にのって簾や、幔幕にまでその香が届くと、刺繍の着物の妃賓は、鸂鶒が泳ぎながら堤の方へ進むのを見る。閨の低い屏風に静かに囲まれた中にいにしえの瀟湘曲が物悲しく聞こえてくる。

恨入空幃鸞影獨,淚凝雙臉渚蓮光,薄情年少每思量。

誰もいない鸞凰の刺繍の戸張の中には蝋燭の光にただ一人の影を映して、そこにはうらみだけがはいってくると、涙が止まらず、二筋の涙の痕が顔に残ってしまい、涙があふれて渚の蓮池に光るかのようである。愛情の薄い皇子は歳若くして死別したのかと、思う度にその思いの量は多くなっていく。

(浣溪沙八首其の三)

荷芰 風輕く 簾幕 香り,繡衣 鸂鶒泳いで塘を迴り,小屏 閑かに掩うは舊えの瀟湘。

空幃に恨入す 鸞影獨つ,淚 臉に雙つながらにして 渚の蓮光に凝し,薄情 年少なるも 每く思量す。

 

浣溪沙八首其四

浣溪沙八首その四(愛妾とされ、どんなに寵愛を受けていても、寵愛は失うもの、西王母のようであっても、巫山の瑤姫であっても、今はどうなるのかはわからない、いずれにしても耐えて生きていくことだけだ。)

惆悵經年別謝娘,月花院好風光,此時相望最情傷。

愛妾とされてもうどれだけ年数を重ねたのだろうか、それなのに別れて怨めしいと思うようになったが。高窓から入る月明かり、奥の中庭に咲く満開の花、春の盛りのこんなにもよい季節が来ても、またたがいにこの時を楽しく過ごしたいと思えば思うほど、またもっとも心が傷つくのである。

青鳥不來傳錦字,瑤何處鏁蘭房,忍教魂夢兩茫茫。

西王母の春の恋の使者として錦字を伝え持ってくるはずが一向に来なかったし、巫山の瑶女の身を揺らせてくれ、身も心も繋いでくれるというがその閨がどこにあるのか、いつも堪え、心の奥に忍ばせて、夢とするだけで、両頬に流れる涙は果てしなく流れてゆくのである。

浣溪紗八首其の四)

惆悵 經年 謝娘に別れ,月 花院 風光好く,此時 相い望む 最情の傷。

青鳥 來らず 錦字を傳う,瑤 何處にか 蘭房を鏁にし,魂夢を忍教して兩つながら茫茫たり。

 

浣溪紗八首,其五

(菊の花に夜露が下りる良い夜、思いもよらず寵愛を受けることになった、床をすごす共寝の夜が明けると、それからどうなるのかと恐れる女の情を詠う。)

庭菊飄黃玉露濃,冷莎隈砌隱鳴蛩,何期良夜得相逢。

風にゆれ動く庭に咲き誇る黄菊に玉の露に濡れて色を濃くする。秋の冷気に見向きもされない莎草はつめたく階の端に生えていて、その影でこおろぎが鳴いて秋の趣きを添え、思いがけないこの出会い、素晴らしい夜は思いもよらないことである。

背帳風搖紅滴,惹香暖夢繡衾重,覺來枕上怯晨鐘。

とばりを背にして、灯火の炎は揺れていて、蝋燭を滴らせるのも忘れるように時は過ぎる。香の香りに誘われ、重ねた肌に暖かに夢は掛け布団のうちでつづき、この素敵な時から目覚めること、枕辺にこのまま居たいと思うこと、夜明け前の鐘が鳴ればわかれなければいけない、それはとても恐いことなのだ。

浣溪紗八首,其の五)

庭菊 黃を飄し 玉露濃し,冷莎 砌に隈【よ】し 鳴蛩【めいきょう】 隱れ,何ぞ期せん 良夜 相う逢うを得るを。

帳を背に 風 搖がせ 紅【こうろう】 滴る,香に惹【ひか】るる暖かき夢 繡衾【しゅうきん】重なり,覺め來り 枕上 晨鐘に怯る。

 

浣溪沙八首其六

雲澹風高葉亂飛,小庭寒雨綠苔微,深閨人靜掩屏幃。

粉黛暗愁金帶枕,鴛鴦空繞畫羅衣,那堪辜負不思歸。

(秋までには来るよと約束していたが背いてこない人に対する女性の恨みを詠う。)

秋の空に雲が淡くうかぶ、風が高い所を抜けていき高木の上の方を揺らして枯れ葉が乱れ飛びかうけれど、暫くして降り出した晩秋の冷たい雨はく中庭の青苔のうえに微かに濡らしていて色を濃くする、それの向うの奥深いところの閏には妃嬪は独り屏風と戸張に囲まれ、身動きもせずにいる。

寵愛を失った妃賓であっても、秋になっても白粉をこくし、眉も画いて準備はちゃんとして、思い出の金帯の枕をならべて密かな期待は愁となる、鴛駕模様の衣裳も空しさだけがめぐる。約束に背いてこない、どうやってこの気持ちを抑えていけるというのだろうか。

(其の六)

雲は澹く 風は高くして 葉はれ亂飛ぶ,小庭は寒雨あり綠苔は微かなり,深い閨には 人靜まり 屏幃を掩う。

粉黛 暗く金帶の枕に愁う,鴛鴦 空しく畫羅の衣に繞り,那で堪えん 歸るを思わざるに辜負せんとを。

 

《巻七07浣溪沙八首其七》  鴈響遙天玉漏清,小紗外月朧明,翠幃金鴨炷香平。何處不歸音信斷,良宵空使夢魂驚,簟涼枕冷不勝情

《巻七08浣溪沙八首其八》  露白蟾明又到秋,佳期幽會兩悠悠,夢牽情役幾時休。記得泥人微斂黛,無言斜倚小書樓,暗思前事不勝愁。

 

 

 

浣溪紗八首,其六』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪紗八首其六

雲澹風高葉亂飛,小庭寒雨綠苔微,深閨人靜掩屏幃。

粉黛暗愁金帶枕,鴛鴦空繞畫羅衣,那堪辜負不思歸。

 

 (下し文)

(其の六)

雲は澹く 風は高くして 葉はれ亂飛ぶ,小庭は寒雨あり綠苔は微かなり,深い閨には 人靜まり 屏幃を掩う。

粉黛 暗く金帶の枕に愁う,鴛鴦 空しく畫羅の衣に繞り,那で堪えん 歸るを思わざるに辜負せんとを。

 

(現代語訳)

(秋までには来るよと約束していたが背いてこない人に対する女性の恨みを詠う。)

秋の空に雲が淡くうかぶ、風が高い所を抜けていき高木の上の方を揺らして枯れ葉が乱れ飛びかうけれど、暫くして降り出した晩秋の冷たい雨はく中庭の青苔のうえに微かに濡らしていて色を濃くする、それの向うの奥深いところの閏には妃嬪は独り屏風と戸張に囲まれ、身動きもせずにいる。

寵愛を失った妃賓であっても、秋になっても白粉をこくし、眉も画いて準備はちゃんとして、思い出の金帯の枕をならべて密かな期待は愁となる、鴛駕模様の衣裳も空しさだけがめぐる。約束に背いてこない、どうやってこの気持ちを抑えていけるというのだろうか。

 

(訳注)

浣溪沙八首其六

(約束に背いて帰らぬ男に対する女性の恨みを詠う。)

【解説】 帰らぬ男に対する女性の恨みを詠う。前段一、二句は女性が目にした実景であると同時に、もう希望が持てないくらい時がたってしまったのに、約束の秋を迎えての女の気持ちをうたっている。また、後段、女性は、囲われ者、愛妾、家妓ということで、日がな一日何もしない、何処にも行けない、ただ待つだけなのである。帰って来てはくれないと思ってみても約束の秋になると期待してしまう。この時代の家妓の宿命ということか。どちらにしても、男目線であることは間違いない。

 

唐の教坊の曲名。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦.の詞形をとる。韋荘ほか全員で十名が同名の詩合計57首、花間集の11.4%載せている。谷間の砂浜で早春の風物詩で、染め上げた沙羅を水で晒した後、並べて乾かすことをいう。独り者の女性だけで行ったことで、春と沙羅と女性ということで艶歌としてうたったものである。

浣溪沙八首其一

春色迷人恨正,可堪蕩子不還,細風輕露著梨

簾外有情雙鷰颺,檻前無力綠楊,小屏狂夢極天

○●○○●△○  ●○●●△○○ ●△△●△○○

○●●○○●△ ●○○●●○○  ●△△△●○○

浣溪沙八首其二  ⑦⑦⑦/4③⑦⑦

紅藕香寒翠渚,月籠虛閣夜蛩,塞鴻驚夢兩牽

寶帳玉鑪,殘麝,羅衣金縷暗塵,小孤燭淚縱

○●○○●●○  ●△○●●○○ ●△○△●△○

●●●○ ○●△  ○△○●●○△ ●?○●●△△

浣溪沙八首其三

荷芰風輕簾幕  繡衣鸂鶒泳迴塘 小屏閑掩舊瀟  

恨入空幃鸞影獨 淚凝雙臉渚蓮  薄情年少每思

△●△△○●○  ●△○?●△○ ●△○●●○○

●●△○○●● ●△○△●△△  ●○○●●△△

浣溪沙八首其四

惆悵經年別謝,月花院好風,此時相望最情

青鳥不來傳錦字,瑤何處鏁蘭,忍教魂夢兩茫

○●△○●●○  ●?○△●△△ ●○△△●○△

○●△△△●● ○○△●?○○  ●△○△●○○

浣溪紗八首,其五

庭菊飄黃玉露,冷莎隈砌隱鳴,何期良夜得相

背帳風搖紅滴,惹香暖夢繡衾,覺來枕上怯晨

○●○○●●○  △○△●●○○ △○○●●△○

●●△○○●● ●○●△●○△  ●△△●●○○

浣溪紗八首其六

雲澹風高葉亂,小庭寒雨綠苔,深閨人靜掩屏

粉黛暗愁金帶枕,鴛鴦空繞畫羅,那堪辜負不思

○△△○●●○  ●○○●●○○ △○○●●△○

●●●○○●△ ○○△●●○△  △○○●△△○

 

雲澹風高葉亂飛,小庭寒雨綠苔微,深閨人靜掩屏幃。

秋の空に雲が淡くうかぶ、風が高い所を抜けていき高木の上の方を揺らして枯れ葉が乱れ飛びかうけれど、暫くして降り出した晩秋の冷たい雨はく中庭の青苔のうえに微かに濡らしていて色を濃くする、それの向うの奥深いところの閏には妃嬪は独り屏風と戸張に囲まれ、身動きもせずにいる。

○雲澹風高 雲は男、帰って来る時の雲ははっきり見えるもの。・風高:風が高いのは木枯らしの前兆。この雰囲気は「春に別れて初めての秋を迎え帰って来るのを待ち侘びる」というのではない。もう希望が持てないくらい時がたってしまったのに、約束の秋を迎えての女の気持ちをイメージされたい。

深閨人靜 

 

粉黛暗愁金帶枕,鴛鴦空繞畫羅衣,那堪辜負不思歸。

寵愛を失った妃賓であっても、秋になっても白粉をこくし、眉も画いて準備はちゃんとして、思い出の金帯の枕をならべて密かな期待は愁となる、鴛駕模様の衣裳も空しさだけがめぐる。約束に背いてこない、どうやってこの気持ちを抑えていけるというのだろうか。

○粉黛 白粉と眉墨。ここでは美人の意。

○金帯枕 金糸で帯状に飾った枕。

○辜負〔「辜」「負」はともにそむく意. そむくこと。一夫多妻制で、約束をしても守られないことが多い時代で、夫婦の倫理観が全く違う時代である。

このころの一般的な女子は機織り、そのための蚕、そのための桑を育てる、ということであるが、この詩の女性は、寵愛を失った妃賓、囲われ者、愛妾、家妓ということなので、日がな一日何もしない、何処にも行けない、ただ待つだけなのである。

11顧夐 (改)《巻七05浣溪沙八首其五》『花間集』307全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6807

顧夐  浣溪紗八首,其五   

庭菊飄黃玉露濃,冷莎隈砌隱鳴蛩,何期良夜得相逢。

背帳風搖紅滴,惹香暖夢繡衾重,覺來枕上怯晨鐘。

(菊の花に夜露が下りる良い夜、思いもよらず寵愛を受けることになった、床をすごす共寝の夜が明けると、それからどうなるのかと恐れる女の情を詠う。)

風にゆれ動く庭に咲き誇る黄菊に玉の露に濡れて色を濃くする。秋の冷気に見向きもされない莎草はつめたく階の端に生えていて、その影でこおろぎが鳴いて秋の趣きを添え、思いがけないこの出会い、素晴らしい夜は思いもよらないことである。とばりを背にして、灯火の炎は揺れていて、蝋燭を滴らせるのも忘れるように時は過ぎる。香の香りに誘われ、重ねた肌に暖かに夢は掛け布団のうちでつづき、この素敵な時から目覚めること、枕辺にこのまま居たいと思うこと、夜明け前の鐘が鳴ればわかれなければいけない、それはとても恐いことなのだ。

11顧夐 (改)《巻七05浣溪沙八首其五》『花間集』307全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6807

 

 
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浣溪沙八首其一

(春は万物を成長させ、春の行楽は放蕩の情をさらに強くする。待つものは、柳の緑が濃くなるころ閨の中で待っているだけで、これからの人生、こんな生活を覚悟して生きていかないと詠う。)

春色迷人恨正,可堪蕩子不還家,細風輕露著梨花。

春の景色は人の心を浮かせ、迷わせて、人がどこにいるのかわからないので恨むことになるし、だから。放蕩のものが家に帰ってこないことには耐えるようにすべきであるし、そんな春の優しい風に当たり、軽やかな露に濡れた梨の花が色をはっきりとさせ、其処には人が集まる。

簾外有情雙鷰颺,檻前無力綠楊斜,小屏狂夢極天涯。

行楽の季節には、簾の外に情愛があるのであり、ツガイの燕が飛び上がるということがある、ただ閨だけで、待つだけで、檻の暮し、柳の緑も濃く、風に斜め払う、閨の寝牀横の小屏風の中で夢の中だけで狂うもの、そんな人生が一生続いて行く。

(浣溪沙八首其の一)

春色 人を迷わせ正に【はる】かにするを恨み,蕩子家に還らざるを堪る可し,細風 輕露 梨花に著わる。

簾外 情有り 雙鷰 颺【あが】り,檻前 無力 綠楊 斜めなり,小屏 狂夢 天涯に極む。

浣溪沙八首其二

浣溪沙その二(夏も過ぎ、秋になってもどこからも音沙汰がない、御殿の閨に何もせず、、ただ、寵愛を受ける準備だけは菅、使うことがないので、埃に汚れて居る)

紅藕香寒翠渚平,月籠虛閣夜蛩清,塞鴻驚夢兩牽情。

秋になりかけのころ蓮の花の香りを残したまま夕方の寒さを感じる。緑叢がいっぱいで渚に平らかに広がる。閨の高窓に見える月は輝き寂しい高閣を照らしし、すずむしがすがすがしく鳴いている。北方から南に向かう大雁は夢に驚き情に絡んで両手で引寄せて雁書を見たいと思う。

寶帳玉鑪,殘麝冷,羅衣金縷暗塵生,小孤燭淚縱橫。

宝飾で飾られたとばりが下がり、こがねに飾られた香炉には麝香は消えてそのままで冷たい、寵愛を受けていたときに着ていた薄絹の金の刺繍の着物にはチリが積もってうす汚れている。閨の小窓の手前にポツンと燭台があり、涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになる。

(浣溪沙八首其の二)

紅藕 香寒く 翠の渚 平かにし,月籠の虛閣 夜蛩 清かなり,塞鴻 夢に驚き 情に兩牽す。

寶帳 玉鑪あり,殘麝 冷かなり,羅衣 金縷 塵生に暗くす,小 孤燭 淚 縱橫たり。

 

浣溪沙八首其三

浣溪沙八首その三(若くして寵愛を失った妃賓は、瀟湘の后妃ように帝に先立たれのと同じで、一人で過ごすのは、残された思い出の部屋で泣きぬれて過ごすことなのである。)

荷芰風輕簾幕香,繡衣鸂鶒泳迴塘,小屏閑掩舊瀟湘。

蓮花と菱花は軽く風にのって簾や、幔幕にまでその香が届くと、刺繍の着物の妃賓は、鸂鶒が泳ぎながら堤の方へ進むのを見る。閨の低い屏風に静かに囲まれた中にいにしえの瀟湘曲が物悲しく聞こえてくる。

恨入空幃鸞影獨,淚凝雙臉渚蓮光,薄情年少每思量。

誰もいない鸞凰の刺繍の戸張の中には蝋燭の光にただ一人の影を映して、そこにはうらみだけがはいってくると、涙が止まらず、二筋の涙の痕が顔に残ってしまい、涙があふれて渚の蓮池に光るかのようである。愛情の薄い皇子は歳若くして死別したのかと、思う度にその思いの量は多くなっていく。

(浣溪沙八首其の三)

荷芰 風輕く 簾幕 香り,繡衣 鸂鶒泳いで塘を迴り,小屏 閑かに掩うは舊えの瀟湘。

空幃に恨入す 鸞影獨つ,淚 臉に雙つながらにして 渚の蓮光に凝し,薄情 年少なるも 每く思量す。

 

浣溪沙八首其四

浣溪沙八首その四(愛妾とされ、どんなに寵愛を受けていても、寵愛は失うもの、西王母のようであっても、巫山の瑤姫であっても、今はどうなるのかはわからない、いずれにしても耐えて生きていくことだけだ。)

惆悵經年別謝娘,月花院好風光,此時相望最情傷。

愛妾とされてもうどれだけ年数を重ねたのだろうか、それなのに別れて怨めしいと思うようになったが。高窓から入る月明かり、奥の中庭に咲く満開の花、春の盛りのこんなにもよい季節が来ても、またたがいにこの時を楽しく過ごしたいと思えば思うほど、またもっとも心が傷つくのである。

青鳥不來傳錦字,瑤何處鏁蘭房,忍教魂夢兩茫茫。

西王母の春の恋の使者として錦字を伝え持ってくるはずが一向に来なかったし、巫山の瑶女の身を揺らせてくれ、身も心も繋いでくれるというがその閨がどこにあるのか、いつも堪え、心の奥に忍ばせて、夢とするだけで、両頬に流れる涙は果てしなく流れてゆくのである。

浣溪紗八首其の四)

惆悵 經年 謝娘に別れ,月 花院 風光好く,此時 相い望む 最情の傷。

青鳥 來らず 錦字を傳う,瑤 何處にか 蘭房を鏁にし,魂夢を忍教して兩つながら茫茫たり。

 

浣溪紗八首,其五

(菊の花に夜露が下りる良い夜、思いもよらず寵愛を受けることになった、床をすごす共寝の夜が明けると、それからどうなるのかと恐れる女の情を詠う。)

庭菊飄黃玉露濃,冷莎隈砌隱鳴蛩,何期良夜得相逢。

風にゆれ動く庭に咲き誇る黄菊に玉の露に濡れて色を濃くする。秋の冷気に見向きもされない莎草はつめたく階の端に生えていて、その影でこおろぎが鳴いて秋の趣きを添え、思いがけないこの出会い、素晴らしい夜は思いもよらないことである。

背帳風搖紅滴,惹香暖夢繡衾重,覺來枕上怯晨鐘。

とばりを背にして、灯火の炎は揺れていて、蝋燭を滴らせるのも忘れるように時は過ぎる。香の香りに誘われ、重ねた肌に暖かに夢は掛け布団のうちでつづき、この素敵な時から目覚めること、枕辺にこのまま居たいと思うこと、夜明け前の鐘が鳴ればわかれなければいけない、それはとても恐いことなのだ。

浣溪紗八首,其の五)

庭菊 黃を飄し 玉露濃し,冷莎 砌に隈【よ】し 鳴蛩【めいきょう】 隱れ,何ぞ期せん 良夜 相う逢うを得るを。

帳を背に 風 搖がせ 紅【こうろう】 滴る,香に惹【ひか】るる暖かき夢 繡衾【しゅうきん】重なり,覺め來り 枕上 晨鐘に怯る。

 

《巻七06浣溪沙八首其六》  雲澹風高葉亂飛,小庭寒雨綠苔微,深閨人靜掩屏幃。粉黛暗愁金帶枕,鴛鴦空繞畫羅衣,那堪辜負不思歸。

《巻七07浣溪沙八首其七》  鴈響遙天玉漏清,小紗外月朧明,翠幃金鴨炷香平。何處不歸音信斷,良宵空使夢魂驚,簟涼枕冷不勝情

《巻七08浣溪沙八首其八》  露白蟾明又到秋,佳期幽會兩悠悠,夢牽情役幾時休。記得泥人微斂黛,無言斜倚小書樓,暗思前事不勝愁。

 

 

 

 

 

浣溪紗八首,其五』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪紗八首,其五

庭菊飄黃玉露濃,冷莎隈砌隱鳴蛩,何期良夜得相逢。

背帳風搖紅滴,惹香暖夢繡衾重,覺來枕上怯晨鐘。

 

(下し文)

(浣溪紗八首,其の五)

庭菊 黃を飄し 玉露濃し,冷莎 砌に隈【よ】し 鳴蛩【めいきょう】 隱れ,何ぞ期せん 良夜 相う逢うを得るを。

帳を背に 風 搖がせ 紅【こうろう】 滴る,香に惹【ひか】るる暖かき夢 繡衾【しゅうきん】重なり,覺め來り 枕上 晨鐘に怯る。

 

(現代語訳)

(菊の花に夜露が下りる良い夜、思いもよらず寵愛を受けることになった、床をすごす共寝の夜が明けると、それからどうなるのかと恐れる女の情を詠う。)

風にゆれ動く庭に咲き誇る黄菊に玉の露に濡れて色を濃くする。秋の冷気に見向きもされない莎草はつめたく階の端に生えていて、その影でこおろぎが鳴いて秋の趣きを添え、思いがけないこの出会い、素晴らしい夜は思いもよらないことである。

とばりを背にして、灯火の炎は揺れていて、蝋燭を滴らせるのも忘れるように時は過ぎる。香の香りに誘われ、重ねた肌に暖かに夢は掛け布団のうちでつづき、この素敵な時から目覚めること、枕辺にこのまま居たいと思うこと、夜明け前の鐘が鳴ればわかれなければいけない、それはとても恐いことなのだ。

 

(訳注)

浣溪沙八首其五

(菊の花に夜露が下りる良い夜、思いもよらず寵愛を受けることになった、床をすごす共寝の夜が明けると、それからどうなるのかと恐れる女の情を詠う。)

〔解説〕前段は花に露で潤うこと、後段は、紅蝋燭がしたたること、情事の描写し、連想を膨らませる。香の香り、布団の中で肌を重ね暖かき夢路が続くのであるが、男は日が昇るまでに役所に登朝しなければいけない。今まで掘っておかれたのに、思いもよらない訪問は、急に出征か、出張を命ぜられたことによるもので、だから一晩中肌を重ねたということを詠っている。

鐘が鳴ると旅に出るのである。以後、二度と逢えないのである。

 

唐の教坊の曲名。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦.の詞形をとる。

浣溪沙八首其一

春色迷人恨正,可堪蕩子不還,細風輕露著梨

簾外有情雙鷰颺,檻前無力綠楊,小屏狂夢極天

○●○○●△○  ●○●●△○○ ●△△●△○○

○●●○○●△ ●○○●●○○  ●△△△●○○

浣溪沙八首其二  ⑦⑦⑦/4③⑦⑦

紅藕香寒翠渚,月籠虛閣夜蛩,塞鴻驚夢兩牽

寶帳玉鑪,殘麝,羅衣金縷暗塵,小孤燭淚縱

○●○○●●○  ●△○●●○○ ●△○△●△○

●●●○ ○●△  ○△○●●○△ ●?○●●△△

浣溪沙八首其三

荷芰風輕簾幕  繡衣鸂鶒泳迴塘 小屏閑掩舊瀟  

恨入空幃鸞影獨 淚凝雙臉渚蓮  薄情年少每思

△●△△○●○  ●△○?●△○ ●△○●●○○

●●△○○●● ●△○△●△△  ●○○●●△△

浣溪沙八首其四

惆悵經年別謝,月花院好風,此時相望最情

青鳥不來傳錦字,瑤何處鏁蘭,忍教魂夢兩茫

○●△○●●○  ●?○△●△△ ●○△△●○△

○●△△△●● ○○△●?○○  ●△○△●○○

浣溪紗八首,其五

庭菊飄黃玉露,冷莎隈砌隱鳴,何期良夜得相

背帳風搖紅滴,惹香暖夢繡衾,覺來枕上怯晨

○●○○●●○  △○△●●○○ △○○●●△○

●●△○○●● ●○●△●○△  ●△△●●○○

韋荘ほか全員で十名が同名の詩合計57首、花間集の11.4%載せている。谷間の砂浜で早春の風物詩で、染め上げた沙羅を水で晒した後、並べて乾かすことをいう。独り者の女性だけで行ったことで、春と沙羅と女性ということで艶歌としてうたったものである。

 

 

庭菊飄黃玉露濃,冷莎隈砌隱鳴蛩,何期良夜得相逢。

風にゆれ動く庭に咲き誇る黄菊に玉の露に濡れて色を濃くする。秋の冷気に見向きもされない莎草はつめたく階の端に生えていて、その影でこおろぎが鳴いて秋の趣きを添え、思いがけないこの逢瀬、素晴らしい夜は思いもよらないことである。

庭菊瓢黄 庭に咲く菊は黄金色に咲き誇り、秋の風に揺れる。時間的に後に「玉露 濃く」と変化する。「庭の黄菊は露に濡れて咲き」と訳す。艶詩であるから情事の描写と考えれば理解は深まる。

 莎草。蚊帳吊草、莎草、学名: Cyperus microiria)は、カヤツリグサ科カヤツリグサ属の一年生植物。道端や田畑にも出現する雑草。マスクサ(枡草)ともいう。

隱鳴蛩 草の影でこおろぎが鳴く。

何期良夜 思いがけないこの出会いの素晴らしい夜。

得相逢 逢瀬という素晴らしい夜。

 

背帳風搖紅滴,惹香暖夢繡衾重,覺來枕上怯晨鐘。

とばりを背にして、灯火の炎は揺れていて、蝋燭を滴らせるのも忘れるように時は過ぎる。香の香りに誘われ、重ねた肌に暖かに夢は掛け布団のうちでつづき、この素敵な時から目覚めること、枕辺にこのまま居たいと思うこと、夜明け前の鐘が鳴ればわかれなければいけない、それはとても恐いことなのだ。

背帳 帳を背後にして。

 蝋燭を滴らせるのも忘れるように時は過ぎる。

怯晨鐘 晨の鐘を聞くのが恐ろしい。夜の明けるとともに愛人と別れねばならぬことを恐れた言葉。

11顧夐 (改)《巻七04浣溪沙八首其四》『花間集』306全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6802

顧夐  浣溪沙八首其四

惆悵經年別謝娘,月花院好風光,此時相望最情傷。

青鳥不來傳錦字,瑤何處鏁蘭房,忍教魂夢兩茫茫。

浣溪沙八首その四(愛妾とされ、どんなに寵愛を受けていても、寵愛は失うもの、西王母のようであっても、巫山の瑤姫であっても、今はどうなるのかはわからない、いずれにしても耐えて生きていくことだけだ。)

愛妾とされてもうどれだけ年数を重ねたのだろうか、それなのに別れて怨めしいと思うようになったが。高窓から入る月明かり、奥の中庭に咲く満開の花、春の盛りのこんなにもよい季節が来ても、またたがいにこの時を楽しく過ごしたいと思えば思うほど、またもっとも心が傷つくのである。西王母の春の恋の使者として錦字を伝え持ってくるはずが一向に来なかったし、巫山の瑶女の身を揺らせてくれ、身も心も繋いでくれるというがその閨がどこにあるのか、いつも堪え、心の奥に忍ばせて、夢とするだけで、両頬に流れる涙は果てしなく流れてゆくのである。

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浣溪沙八首其一

(春は万物を成長させ、春の行楽は放蕩の情をさらに強くする。待つものは、柳の緑が濃くなるころ閨の中で待っているだけで、これからの人生、こんな生活を覚悟して生きていかないと詠う。)

春色迷人恨正,可堪蕩子不還家,細風輕露著梨花。

春の景色は人の心を浮かせ、迷わせて、人がどこにいるのかわからないので恨むことになるし、だから。放蕩のものが家に帰ってこないことには耐えるようにすべきであるし、そんな春の優しい風に当たり、軽やかな露に濡れた梨の花が色をはっきりとさせ、其処には人が集まる。

簾外有情雙鷰颺,檻前無力綠楊斜,小屏狂夢極天涯。

行楽の季節には、簾の外に情愛があるのであり、ツガイの燕が飛び上がるということがある、ただ閨だけで、待つだけで、檻の暮し、柳の緑も濃く、風に斜め払う、閨の寝牀横の小屏風の中で夢の中だけで狂うもの、そんな人生が一生続いて行く。

(浣溪沙八首其の一)

春色 人を迷わせ正に【はる】かにするを恨み,蕩子家に還らざるを堪る可し,細風 輕露 梨花に著わる。

簾外 情有り 雙鷰 颺【あが】り,檻前 無力 綠楊 斜めなり,小屏 狂夢 天涯に極む。

浣溪沙八首其二

浣溪沙その二(夏も過ぎ、秋になってもどこからも音沙汰がない、御殿の閨に何もせず、、ただ、寵愛を受ける準備だけは菅、使うことがないので、埃に汚れて居る)

紅藕香寒翠渚平,月籠虛閣夜蛩清,塞鴻驚夢兩牽情。

秋になりかけのころ蓮の花の香りを残したまま夕方の寒さを感じる。緑叢がいっぱいで渚に平らかに広がる。閨の高窓に見える月は輝き寂しい高閣を照らしし、すずむしがすがすがしく鳴いている。北方から南に向かう大雁は夢に驚き情に絡んで両手で引寄せて雁書を見たいと思う。

寶帳玉鑪,殘麝冷,羅衣金縷暗塵生,小孤燭淚縱橫。

宝飾で飾られたとばりが下がり、こがねに飾られた香炉には麝香は消えてそのままで冷たい、寵愛を受けていたときに着ていた薄絹の金の刺繍の着物にはチリが積もってうす汚れている。閨の小窓の手前にポツンと燭台があり、涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになる。

(浣溪沙八首其の二)

紅藕 香寒く 翠の渚 平かにし,月籠の虛閣 夜蛩 清かなり,塞鴻 夢に驚き 情に兩牽す。

寶帳 玉鑪あり,殘麝 冷かなり,羅衣 金縷 塵生に暗くす,小 孤燭 淚 縱橫たり。

 

浣溪沙八首其三

浣溪沙八首その三(若くして寵愛を失った妃賓は、瀟湘の后妃ように帝に先立たれのと同じで、一人で過ごすのは、残された思い出の部屋で泣きぬれて過ごすことなのである。)

荷芰風輕簾幕香,繡衣鸂鶒泳迴塘,小屏閑掩舊瀟湘。

蓮花と菱花は軽く風にのって簾や、幔幕にまでその香が届くと、刺繍の着物の妃賓は、鸂鶒が泳ぎながら堤の方へ進むのを見る。閨の低い屏風に静かに囲まれた中にいにしえの瀟湘曲が物悲しく聞こえてくる。

恨入空幃鸞影獨,淚凝雙臉渚蓮光,薄情年少每思量。

誰もいない鸞凰の刺繍の戸張の中には蝋燭の光にただ一人の影を映して、そこにはうらみだけがはいってくると、涙が止まらず、二筋の涙の痕が顔に残ってしまい、涙があふれて渚の蓮池に光るかのようである。愛情の薄い皇子は歳若くして死別したのかと、思う度にその思いの量は多くなっていく。

(浣溪沙八首其の三)

荷芰 風輕く 簾幕 香り,繡衣 鸂鶒泳いで塘を迴り,小屏 閑かに掩うは舊えの瀟湘。

空幃に恨入す 鸞影獨つ,淚 臉に雙つながらにして 渚の蓮光に凝し,薄情 年少なるも 每く思量す。

 

浣溪沙八首其四

浣溪沙八首その四(愛妾とされ、どんなに寵愛を受けていても、寵愛は失うもの、西王母のようであっても、巫山の瑤姫であっても、今はどうなるのかはわからない、いずれにしても耐えて生きていくことだけだ。)

惆悵經年別謝娘,月花院好風光,此時相望最情傷。

愛妾とされてもうどれだけ年数を重ねたのだろうか、それなのに別れて怨めしいと思うようになったが。高窓から入る月明かり、奥の中庭に咲く満開の花、春の盛りのこんなにもよい季節が来ても、またたがいにこの時を楽しく過ごしたいと思えば思うほど、またもっとも心が傷つくのである。

青鳥不來傳錦字,瑤何處鏁蘭房,忍教魂夢兩茫茫。

西王母の春の恋の使者として錦字を伝え持ってくるはずが一向に来なかったし、巫山の瑶女の身を揺らせてくれ、身も心も繋いでくれるというがその閨がどこにあるのか、いつも堪え、心の奥に忍ばせて、夢とするだけで、両頬に流れる涙は果てしなく流れてゆくのである。

 

(其の四)

惆悵 經年 謝娘に別れ,月 花院 風光好く,此時 相い望む 最情の傷。

青鳥 來らず 錦字を傳う,瑤 何處にか 蘭房を鏁にし,魂夢を忍教して兩つながら茫茫たり。

 

 

《巻七05浣溪沙八首其五》  庭菊飄黃玉露濃,冷莎隈砌隱鳴蛩,何期良夜得相逢。背帳風搖紅滴,惹香暖夢繡衾重,覺來枕上怯晨鐘

《巻七06浣溪沙八首其六》  雲澹風高葉亂飛,小庭寒雨綠苔微,深閨人靜掩屏幃。粉黛暗愁金帶枕,鴛鴦空繞畫羅衣,那堪辜負不思歸。

《巻七07浣溪沙八首其七》  鴈響遙天玉漏清,小紗外月朧明,翠幃金鴨炷香平。何處不歸音信斷,良宵空使夢魂驚,簟涼枕冷不勝情

《巻七08浣溪沙八首其八》  露白蟾明又到秋,佳期幽會兩悠悠,夢牽情役幾時休。記得泥人微斂黛,無言斜倚小書樓,暗思前事不勝愁。

 

 

『浣溪沙八首其四』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙八首其四

惆悵經年別謝娘,月花院好風光,此時相望最情傷。

青鳥不來傳錦字,瑤何處鏁蘭房,忍教魂夢兩茫茫。

 

(下し文)

(浣溪沙八首其の四)

惆悵 經年 謝娘に別れ,月 花院 風光好く,此時 相い望む 最情の傷。

青鳥 來らず 錦字を傳う,瑤 何處にか 蘭房を鏁にし,魂夢を忍教して兩つながら茫茫たり。

 

(現代語訳)

浣溪沙八首その四(愛妾とされ、どんなに寵愛を受けていても、寵愛は失うもの、西王母のようであっても、巫山の瑤姫であっても、今はどうなるのかはわからない、いずれにしても耐えて生きていくことだけだ。)

愛妾とされてもうどれだけ年数を重ねたのだろうか、それなのに別れて怨めしいと思うようになったが。高窓から入る月明かり、奥の中庭に咲く満開の花、春の盛りのこんなにもよい季節が来ても、またたがいにこの時を楽しく過ごしたいと思えば思うほど、またもっとも心が傷つくのである。

西王母の春の恋の使者として錦字を伝え持ってくるはずが一向に来なかったし、巫山の瑶女の身を揺らせてくれ、身も心も繋いでくれるというがその閨がどこにあるのか、いつも堪え、心の奥に忍ばせて、夢とするだけで、両頬に流れる涙は果てしなく流れてゆくのである。

 

(訳注)

浣溪沙八首其四

浣溪沙八首その四(愛妾とされ、どんなに寵愛を受けていても、寵愛は失うもの、西王母のようであっても、巫山の瑤姫であっても、今はどうなるのかはわからない、いずれにしても耐えて生きていくことだけだ。)

 

唐の教坊の曲名。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦.の詞形をとる。韋荘ほか全員で十名が同名の詩合計57首、花間集の11.4%載せている。谷間の砂浜で早春の風物詩で、染め上げた沙羅を水で晒した後、並べて乾かすことをいう。独り者の女性だけで行ったことで、春と沙羅と女性ということで艶歌としてうたったものである。

浣溪沙八首其一

春色迷人恨正,可堪蕩子不還,細風輕露著梨

簾外有情雙鷰颺,檻前無力綠楊,小屏狂夢極天

○●○○●△○  ●○●●△○○ ●△△●△○○

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浣溪沙八首其二  ⑦⑦⑦/4③⑦⑦

紅藕香寒翠渚,月籠虛閣夜蛩,塞鴻驚夢兩牽

寶帳玉鑪,殘麝,羅衣金縷暗塵,小孤燭淚縱

○●○○●●○  ●△○●●○○ ●△○△●△○

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浣溪沙八首其三

荷芰風輕簾幕  繡衣鸂鶒泳迴塘 小屏閑掩舊瀟  

恨入空幃鸞影獨 淚凝雙臉渚蓮  薄情年少每思

△●△△○●○  ●△○?●△○ ●△○●●○○

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浣溪沙八首其四

惆悵經年別謝,月花院好風,此時相望最情

青鳥不來傳錦字,瑤何處鏁蘭,忍教魂夢兩茫

○●△○●●○  ●?○△●△△ ●○△△●○△

○●△△△●● ○○△●?○○  ●△○△●○○

 

惆悵經年別謝娘,月花院好風光,此時相望最情傷。

愛妾とされてもうどれだけ年数を重ねたのだろうか、それなのに別れて怨めしいと思うようになったが。高窓から入る月明かり、奥の中庭に咲く満開の花、春の盛りのこんなにもよい季節が来ても、またたがいにこの時を楽しく過ごしたいと思えば思うほど、またもっとも心が傷つくのである。

・惆悵:うらめしい。うらみがましい。

『淸平樂』

野花芳草,  寂寞關山道。

柳吐金絲鶯語早,惆悵香閨暗老。

羅帶悔結同心, 獨凭朱欄思深。

夢覺半床斜月, 小窗風觸鳴琴。

淸平樂 (二) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-261-5-#15  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2687

『荷葉杯』

記得那年花下。 深夜。

初識謝娘時。

水堂西面畫簾垂。 攜手暗相期。

惆悵曉鶯殘月。 相別。

從此隔音塵。

如今倶是異鄕人。 相見更無因。

荷葉杯 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-258-5-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2672

『應天長 之二』韋莊

別来半歳青書絶、一寸離腸千萬結。

難相見。易相別、又是玉楼花似雪。

暗相思、無虚説、惆悵夜来煙月。

想得此時情切、 涙沾紅袖

小樓高閣謝娘家。

暗想玉容何所似、一枝春雪凍梅花、

應天長 二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-257-5-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2667

『歸國遙』 韋荘

春欲暮、 滿地落花紅帶雨。

惆悵玉籠鸚鵡、單棲無伴侶。

南望去程何許、問花花不語。

早晩得同歸去、恨無雙翠羽。

歸國遙 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-252-5-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2642

韋荘『菩薩蠻 一』

紅樓別夜堪惆悵。 香燈半捲流蘇帳。

殘月出門時。美人和涙辭。

琵琶金翠羽。絃上黄鶯語。

勸我早歸家。綠窗人似花。

菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617

謝娘 女や妓女、あるいは愛妾の棲む家。唐の李徳祐が豪邸を築いて謝秋娘を池のほとりの楼閣に住まわせたことによる。比喩する相手が特定される場合は、晋の謝安であったり、謝靈運、謝朓を示す場合もある。

・月 閨の高窓。小窗。

・花院 奥の中庭。

 

青鳥不來傳錦字,瑤何處鏁蘭房,忍教魂夢兩茫茫。

西王母の春の恋の使者として錦字を伝え持ってくるはずが一向に来なかったし、巫山の瑶女の身を揺らせてくれ、身も心も繋いでくれるというがその閨がどこにあるのか、いつも堪え、心の奥に忍ばせて、夢とするだけで、両頬に流れる涙は果てしなく流れてゆくのである。

・青鳥 青色は五行思想方位で東に当たる。春の神を青帝ともいう。また靑鳥は天上の女神西王母の侍女でもある。そこでここは、青い鳥が春の使者として訪れたことをいうのであろう。恋の使者(青鳥 仙界とのなかだちをするという青い鳥、恋の使者である。この島に棲む青い鳥が使者である。仙女西王母の使いの鳥。杜甫「麗人行」にもある。お誘いの手紙を届けるものを指す。)

『女冠子 其三』牛嶠

星冠霞帔,住在蘂珠宮裏。佩叮

明翠搖蟬翼,纖珪理宿粧。

醮壇春艸綠,藥院杏花香。

青鳥傳心事,寄劉郎。

女冠子四首 其三 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-316-5-#57-7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3127

錦字 (錦書ともいう)錦に織りこんだ手紙、妻よりの手紙。思いをしたためた文、手紙。 

李白『秋浦寄

我今尋陽去。辭家千里余。結荷倦水宿。卻寄大雷書。

雖不同辛苦。愴離各自居。我自入秋浦。三年北信疏。

紅顏愁落盡。白發不能除。有客自梁苑。手攜五色魚。

開魚得錦字。歸問我何如。江山雖道阻。意合不為殊。

・瑶 是は中国古代神中に登する女神であり、巫山神女をいう。「旦為朝雲,暮為行雨」である。

 

  楚の懐王が高唐(建物の名)に遊び、疲れて昼寝をした時、夢に神女と交わった。去るに臨んで神女は、自分は巫山に住む者で、旦(あした)には朝雲となり、暮には通り雨となって、朝な夕なここに参りましょうと言った

・鏁 ① 金属製の輪をつないだひも状のもの。  ② 物と物とを結び付けているもの。きずな。

蘭房 女性の美しい寝室。また、美人の閨房(けいぼう)

・茫茫1 広々としてはるかなさま。「―とした大海原」「―たる砂漠」 2 ぼんやりかすんではっきりしないさま。「―たる記憶」「―と暗路(やみじ)に物を探るごとく」〈露伴・五重塔〉 3 草・髪などが伸びて乱れている。

11顧夐 (改)《巻七03浣溪沙八首其三》『花間集』305全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6797

顧夐  浣溪沙八首其三

荷芰風輕簾幕香,繡衣鸂鶒泳迴塘,小屏閑掩舊瀟湘。

恨入空幃鸞影獨,淚凝雙臉渚蓮光,薄情年少每思量。

浣溪沙八首その三(若くして寵愛を失った妃賓は、瀟湘の后妃ように帝に先立たれのと同じで、一人で過ごすのは、残された思い出の部屋で泣きぬれて過ごすことなのである。)

蓮花と菱花は軽く風にのって簾や、幔幕にまでその香が届くと、刺繍の着物の妃賓は、鸂鶒が泳ぎながら堤の方へ進むのを見る。閨の低い屏風に静かに囲まれた中にいにしえの瀟湘曲が物悲しく聞こえてくる。誰もいない鸞凰の刺繍の戸張の中には蝋燭の光にただ一人の影を映して、そこにはうらみだけがはいってくると、涙が止まらず、二筋の涙の痕が顔に残ってしまい、涙があふれて渚の蓮池に光るかのようである。愛情の薄い皇子は歳若くして死別したのかと、思う度にその思いの量は多くなっていく。

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  2015年10月21日 の紀頌之5つのBlog  
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  ●杜甫の全作品1500首を訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"  
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浣溪沙八首其一

(春は万物を成長させ、春の行楽は放蕩の情をさらに強くする。待つものは、柳の緑が濃くなるころ閨の中で待っているだけで、これからの人生、こんな生活を覚悟して生きていかないと詠う。)

春色迷人恨正,可堪蕩子不還家,細風輕露著梨花。

春の景色は人の心を浮かせ、迷わせて、人がどこにいるのかわからないので恨むことになるし、だから。放蕩のものが家に帰ってこないことには耐えるようにすべきであるし、そんな春の優しい風に当たり、軽やかな露に濡れた梨の花が色をはっきりとさせ、其処には人が集まる。

簾外有情雙鷰颺,檻前無力綠楊斜,小屏狂夢極天涯。

行楽の季節には、簾の外に情愛があるのであり、ツガイの燕が飛び上がるということがある、ただ閨だけで、待つだけで、檻の暮し、柳の緑も濃く、風に斜め払う、閨の寝牀横の小屏風の中で夢の中だけで狂うもの、そんな人生が一生続いて行く。

(浣溪沙八首其の一)

春色 人を迷わせ正に【はる】かにするを恨み,蕩子家に還らざるを堪る可し,細風 輕露 梨花に著わる。

簾外 情有り 雙鷰 颺【あが】り,檻前 無力 綠楊 斜めなり,小屏 狂夢 天涯に極む。

浣溪沙八首其二

浣溪沙その二(夏も過ぎ、秋になってもどこからも音沙汰がない、御殿の閨に何もせず、、ただ、寵愛を受ける準備だけは菅、使うことがないので、埃に汚れて居る)

紅藕香寒翠渚平,月籠虛閣夜蛩清,塞鴻驚夢兩牽情。

秋になりかけのころ蓮の花の香りを残したまま夕方の寒さを感じる。緑叢がいっぱいで渚に平らかに広がる。閨の高窓に見える月は輝き寂しい高閣を照らしし、すずむしがすがすがしく鳴いている。北方から南に向かう大雁は夢に驚き情に絡んで両手で引寄せて雁書を見たいと思う。

寶帳玉鑪,殘麝冷,羅衣金縷暗塵生,小孤燭淚縱橫。

宝飾で飾られたとばりが下がり、こがねに飾られた香炉には麝香は消えてそのままで冷たい、寵愛を受けていたときに着ていた薄絹の金の刺繍の着物にはチリが積もってうす汚れている。閨の小窓の手前にポツンと燭台があり、涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになる。

(浣溪沙八首其の二)

紅藕 香寒く 翠の渚 平かにし,月籠の虛閣 夜蛩 清かなり,塞鴻 夢に驚き 情に兩牽す。

寶帳 玉鑪あり,殘麝 冷かなり,羅衣 金縷 塵生に暗くす,小 孤燭 淚 縱橫たり。

 

浣溪沙八首其三

浣溪沙八首その三(若くして寵愛を失った妃賓は、瀟湘の后妃ように帝に先立たれのと同じで、一人で過ごすのは、残された思い出の部屋で泣きぬれて過ごすことなのである。)

荷芰風輕簾幕香,繡衣鸂鶒泳迴塘,小屏閑掩舊瀟湘。

蓮花と菱花は軽く風にのって簾や、幔幕にまでその香が届くと、刺繍の着物の妃賓は、鸂鶒が泳ぎながら堤の方へ進むのを見る。閨の低い屏風に静かに囲まれた中にいにしえの瀟湘曲が物悲しく聞こえてくる。

恨入空幃鸞影獨,淚凝雙臉渚蓮光,薄情年少每思量。

誰もいない鸞凰の刺繍の戸張の中には蝋燭の光にただ一人の影を映して、そこにはうらみだけがはいってくると、涙が止まらず、二筋の涙の痕が顔に残ってしまい、涙があふれて渚の蓮池に光るかのようである。愛情の薄い皇子は歳若くして死別したのかと、思う度にその思いの量は多くなっていく。

(浣溪沙八首其の三)

荷芰 風輕く 簾幕 香り,繡衣 鸂鶒泳いで塘を迴り,小屏 閑かに掩うは舊えの瀟湘。

空幃に恨入す 鸞影獨つ,淚 臉に雙つながらにして 渚の蓮光に凝し,薄情 年少なるも 每く思量す。

 

《巻七04浣溪沙八首其四》  惆悵經年別謝娘,月花院好風光,此時相望最情傷。青鳥不來傳錦字,瑤何處鏁蘭房,忍教魂夢兩茫茫

《巻七05浣溪沙八首其五》  庭菊飄黃玉露濃,冷莎隈砌隱鳴蛩,何期良夜得相逢。背帳風搖紅滴,惹香暖夢繡衾重,覺來枕上怯晨鐘

《巻七06浣溪沙八首其六》  雲澹風高葉亂飛,小庭寒雨綠苔微,深閨人靜掩屏幃。粉黛暗愁金帶枕,鴛鴦空繞畫羅衣,那堪辜負不思歸。

《巻七07浣溪沙八首其七》  鴈響遙天玉漏清,小紗外月朧明,翠幃金鴨炷香平。何處不歸音信斷,良宵空使夢魂驚,簟涼枕冷不勝情

《巻七08浣溪沙八首其八》  露白蟾明又到秋,佳期幽會兩悠悠,夢牽情役幾時休。記得泥人微斂黛,無言斜倚小書樓,暗思前事不勝愁。

  

 

『浣溪沙八首其三』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙八首其三

荷芰風輕簾幕香,繡衣鸂鶒泳迴塘,小屏閑掩舊瀟湘。

恨入空幃鸞影獨,淚凝雙臉渚蓮光,薄情年少每思量。

 

(下し文)

(浣溪沙八首其の三)

荷芰 風輕く 簾幕 香り,繡衣 鸂鶒泳いで塘を迴り,小屏 閑かに掩うは舊えの瀟湘。

空幃に恨入す 鸞影獨つ,淚 臉に雙つながらにして 渚の蓮光に凝し,薄情 年少なるも 每く思量す。

 

(現代語訳)

浣溪沙八首その三(若くして寵愛を失った妃賓は、瀟湘の后妃ように帝に先立たれのと同じで、一人で過ごすのは、残された思い出の部屋で泣きぬれて過ごすことなのである。)

蓮花と菱花は軽く風にのって簾や、幔幕にまでその香が届くと、刺繍の着物の妃賓は、鸂鶒が泳ぎながら堤の方へ進むのを見る。閨の低い屏風に静かに囲まれた中にいにしえの瀟湘曲が物悲しく聞こえてくる。

誰もいない鸞凰の刺繍の戸張の中には蝋燭の光にただ一人の影を映して、そこにはうらみだけがはいってくると、涙が止まらず、二筋の涙の痕が顔に残ってしまい、涙があふれて渚の蓮池に光るかのようである。愛情の薄い皇子は歳若くして死別したのかと、思う度にその思いの量は多くなっていく。

 

(訳注)

浣溪沙八首其三

浣溪沙八首その三(若くして寵愛を失った妃賓は、瀟湘の后妃ように帝に先立たれのと同じで、一人で過ごすのは、残された思い出の部屋で泣きぬれて過ごすことなのである。)

谷間の砂浜で早春の風物詩で、染め上げた沙羅を水で晒した後、並べて乾かすことをいう。独り者の女性だけで行ったことで、春と沙羅と女性ということで艶歌としてうたったものである。

 

 

 

 

 

 

韋荘(韋相莊)

浣溪紗五首

 

 

薛昭蘊(薛侍郎昭蘊)

浣溪紗八首

 

 

張泌(張舍人泌)

浣溪紗十首

 

 

毛文錫(毛司徒文錫)

浣紗溪一首

 

 

欧陽烱(歐陽舍人烱)

浣溪紗四首

 

 

(顧太尉

浣溪紗八首

 

 

孫光憲(孫少監光憲)

浣溪紗九首

 

 

閻選(閻處士選)

浣溪紗一首

 

 

毛熙震(毛秘書熙震)

浣溪紗七首

 

 

李絢(李秀才珣)

浣溪紗四首

 

 

 

 

 

 

 

唐の教坊の曲名。韋荘ほか全員で十名が同名の詩合計57首、花間集の11.4%載せている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦.の詞形をとる。

浣溪沙八首其一

春色迷人恨正,可堪蕩子不還,細風輕露著梨

簾外有情雙鷰颺,檻前無力綠楊,小屏狂夢極天

○●○○●△○  ●○●●△○○ ●△△●△○○

○●●○○●△ ●○○●●○○  ●△△△●○○

浣溪沙八首其二  ⑦⑦⑦/4③⑦⑦

紅藕香寒翠渚,月籠虛閣夜蛩,塞鴻驚夢兩牽

寶帳玉鑪,殘麝,羅衣金縷暗塵,小孤燭淚縱

○●○○●●○  ●△○●●○○ ●△○△●△○

●●●○ ○●△  ○△○●●○△ ●?○●●△△

浣溪沙八首其三

荷芰風輕簾幕  繡衣鸂鶒泳迴塘 小屏閑掩舊瀟  

恨入空幃鸞影獨 淚凝雙臉渚蓮  薄情年少每思

△●△△○●○  ●△○?●△○ ●△○●●○○

●●△○○●● ●△○△●△△  ●○○●●△△

 

荷芰風輕簾幕香,繡衣鸂鶒泳迴塘,小屏閑掩舊瀟湘。

蓮花と菱花は軽く風にのって簾や、幔幕にまでその香が届くと、刺繍の着物の妃賓は、鸂鶒が泳ぎながら堤の方へ進むのを見る。閨の低い屏風に静かに囲まれた中にいにしえの瀟湘曲が物悲しく聞こえてくる。

荷芰 菱花,1 ヒシの花。2 《裏面に多くヒシの花を鋳るところから》金属製の鏡。菱花鏡。荷花](1) ハス.(2) ハスの花。楚辭·屈原·離騷:「製芰荷以為衣兮,集芙蓉以為裳。」採蓮、採芰は秋の行事。《採蓮曲》「若耶溪傍採蓮女,笑隔荷花共人語。日照新妝水底明,風飄香袂空中舉。岸上誰家遊冶郎,三三五五映垂楊。紫騮嘶入落花去,見此踟躕空斷腸。」(若耶【じゃくや】渓の傍り 採蓮の女、笑って荷花【かか】を隔てて人と共に語る。日は新粧を照らして水底明らかに、風は香袖を飄して空中に挙がる。岸上  誰が家の遊冶郎【ゆうやろう】ぞ、三三、五五、垂楊に映ず。紫騮【しりゅう】落花に嘶【いなな】きて入りて去り、此れを見て踟蹰【ちちゅう】して空しく断腸。)

顧夐

巻七03浣溪沙八首其三荷芰風輕簾幕香,繡衣鸂鶒泳迴塘,小屏閑掩舊瀟湘。恨入空幃鸞影獨,淚凝雙臉渚蓮光,薄情年少每思量。

閻選

《巻九22臨江仙二首其一》  雨停逗濃香,岸邊噪垂楊。物華空有舊池塘,不逢仙子,何處夢襄王。珍簟對欹鴛枕冷,此來塵暗淒涼。欲憑危檻恨偏長,藕花珠綴,猶似汗凝粧

尹鶚

《巻九28臨江仙二首其一》  一番生池沼,檻前風送馨香。昔年於此伴蕭娘,相佇立,牽惹敘衷腸。時逞笑容無限態,還如菡萏爭芳。別來遣思悠,慵窺往事,金小蘭房

毛熙震

《巻十12菩薩蠻三首 其二》  繡簾高軸臨塘看,雨飜荷芰真珠散。殘暑晚初涼,輕風渡水香。無憀悲往事,爭那牽情思。光影暗相催,等閑秋又來。

 

簾幕香 簾や、幔幕にまでその香が届く。

・鸂鶒 (オシドリに似た水鳥)が描かれている。オスは凛とした様子で岸辺に立ち、メスは地面に伏せている。風に揺れるガマの葉、枯れて萎びた蓮、水面にうっすらと影が映っていることを連想させる。

瀟湘 琴曲。中国湖南省、瀟水と湘水が洞庭湖に注ぐあたりの地方。瀟洒 すっきりとあか抜けしているさま。俗っぽくなくしゃれているさま。

『瀟湘神』劉禹錫 

斑竹枝,斑竹枝,涙痕點點寄相思。

楚客欲聽瑤瑟怨,瀟湘深夜月明時。

(斑竹枝,斑竹枝,涙痕 點點 相思を寄す。楚客 聽かんと欲す瑤瑟の怨を,瀟湘の深夜 月明の時。)

温庭筠は『瑤瑟怨』

冰簟銀床夢不成,碧天如水夜雲輕。

雁聲遠過瀟湘去,十二樓中月自明。

舜帝の妃・娥皇と女英の二人は舜帝を慕って湘水に身を投じて、川の湘靈、湘神となったという故事。舜帝が蒼梧(現在の江西省蒼梧)で崩じた時に、娥皇と女英の二人の妃がここに来て深く嘆き悲しみ、流した涙が竹に滴り、その痕(あと)が竹に斑斑と残ったことから「斑竹」と謂われた。或いは、九嶷山で亡くなり、二人の妃が三日三晩泣き続けたが、やがて九嶷山に血涙の痕があるような竹が生えだしたという。瑟曲「瀟湘曲」湘妃の奏でる瑤瑟の凄艶さ、もの悲しさをいう。

 

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・空幃鸞影獨 誰もいない鸞凰の刺繍の戸張の中には蝋燭の光に、ただ一人の影を映す。

・渚蓮光 渚の蓮が光る。(涙が瞼にたまっていることを言う。)

・薄情年少 愛情の薄い皇子。

・每思量 思う度にその思いの量は多くなっていく。

11顧夐 (改)《巻七02浣溪沙八首其二》『花間集』304全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6792

顧夐  浣溪沙八首其二

紅藕香寒翠渚平,月籠虛閣夜蛩清,塞鴻驚夢兩牽情。

寶帳玉鑪,殘麝冷,羅衣金縷暗塵生,小孤燭淚縱橫。

浣溪沙その二(夏も過ぎ、秋になってもどこからも音沙汰がない、御殿の閨に何もせず、ただ、寵愛を受ける準備だけは菅、使うことがないので、埃に汚れて居る)

秋になりかけのころ蓮の花の香りを残したまま夕方の寒さを感じる。緑叢がいっぱいで渚に平らかに広がる。閨の高窓に見える月は輝き寂しい高閣を照らしし、すずむしがすがすがしく鳴いている。北方から南に向かう大雁は夢に驚き情に絡んで両手で引寄せて雁書を見たいと思う。宝飾で飾られたとばりが下がり、こがねに飾られた香炉には麝香は消えてそのままで冷たい、寵愛を受けていたときに着ていた薄絹の金の刺繍の着物にはチリが積もってうす汚れている。閨の小窓の手前にポツンと燭台があり、涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになる。

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  孟郊 張籍          
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浣溪沙八首其一

(春は万物を成長させ、春の行楽は放蕩の情をさらに強くする。待つものは、柳の緑が濃くなるころ閨の中で待っているだけで、これからの人生、こんな生活を覚悟して生きていかないと詠う。)

春色迷人恨正,可堪蕩子不還家,細風輕露著梨花。

春の景色は人の心を浮かせ、迷わせて、人がどこにいるのかわからないので恨むことになるし、だから。放蕩のものが家に帰ってこないことには耐えるようにすべきであるし、そんな春の優しい風に当たり、軽やかな露に濡れた梨の花が色をはっきりとさせ、其処には人が集まる。

簾外有情雙鷰颺,檻前無力綠楊斜,小屏狂夢極天涯。

行楽の季節には、簾の外に情愛があるのであり、ツガイの燕が飛び上がるということがある、ただ閨だけで、待つだけで、檻の暮し、柳の緑も濃く、風に斜め払う、閨の寝牀横の小屏風の中で夢の中だけで狂うもの、そんな人生が一生続いて行く。

(浣溪沙八首其の一)

春色 人を迷わせ正に【はる】かにするを恨み,蕩子家に還らざるを堪る可し,細風 輕露 梨花に著わる。

簾外 情有り 雙鷰 颺【あが】り,檻前 無力 綠楊 斜めなり,小屏 狂夢 天涯に極む。

浣溪沙八首其二

浣溪沙その二(夏も過ぎ、秋になってもどこからも音沙汰がない、御殿の閨に何もせず、、ただ、寵愛を受ける準備だけは菅、使うことがないので、埃に汚れて居る)

紅藕香寒翠渚平,月籠虛閣夜蛩清,塞鴻驚夢兩牽情。

秋になりかけのころ蓮の花の香りを残したまま夕方の寒さを感じる。緑叢がいっぱいで渚に平らかに広がる。閨の高窓に見える月は輝き寂しい高閣を照らしし、すずむしがすがすがしく鳴いている。北方から南に向かう大雁は夢に驚き情に絡んで両手で引寄せて雁書を見たいと思う。

寶帳玉鑪,殘麝冷,羅衣金縷暗塵生,小孤燭淚縱橫。

宝飾で飾られたとばりが下がり、こがねに飾られた香炉には麝香は消えてそのままで冷たい、寵愛を受けていたときに着ていた薄絹の金の刺繍の着物にはチリが積もってうす汚れている。閨の小窓の手前にポツンと燭台があり、涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになる。

(浣溪沙八首其の二)

紅藕 香寒く 翠の渚 平かにし,月籠の虛閣 夜蛩 清かなり,塞鴻 夢に驚き 情に兩牽す。

寶帳 玉鑪あり,殘麝 冷かなり,羅衣 金縷 塵生に暗くす,小 孤燭 淚 縱橫たり。

 

 

『浣溪沙八首其二』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙八首其二

紅藕香寒翠渚平,月籠虛閣夜蛩清,塞鴻驚夢兩牽情。

寶帳玉鑪,殘麝冷,羅衣金縷暗塵生,小孤燭淚縱橫。

 

(下し文)

(浣溪沙八首其の二)

紅藕 香寒く 翠の渚 平かにし,月籠の虛閣 夜蛩 清かなり,塞鴻 夢に驚き 情に兩牽す。

寶帳 玉鑪あり,殘麝 冷かなり,羅衣 金縷 塵生に暗くす,小 孤燭 淚 縱橫たり。

 

(現代語訳)

浣溪沙その二(夏も過ぎ、秋になってもどこからも音沙汰がない、御殿の閨に何もせず、、ただ、寵愛を受ける準備だけは菅、使うことがないので、埃に汚れて居る)

秋になりかけのころ蓮の花の香りを残したまま夕方の寒さを感じる。緑叢がいっぱいで渚に平らかに広がる。閨の高窓に見える月は輝き寂しい高閣を照らしし、すずむしがすがすがしく鳴いている。北方から南に向かう大雁は夢に驚き情に絡んで両手で引寄せて雁書を見たいと思う。

宝飾で飾られたとばりが下がり、こがねに飾られた香炉には麝香は消えてそのままで冷たい、寵愛を受けていたときに着ていた薄絹の金の刺繍の着物にはチリが積もってうす汚れている。閨の小窓の手前にポツンと燭台があり、涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになる。

 

(訳注)

浣溪沙八首其二

浣溪沙その二(夏も過ぎ、秋になってもどこからも音沙汰がない、御殿の閨に何もせず、、ただ、寵愛を受ける準備だけは菅、使うことがないので、埃に汚れて居る)

 

谷間の砂浜で早春の風物詩で、染め上げた沙羅を水で晒した後、並べて乾かすことをいう。独り者の女性だけで行ったことで、春と沙羅と女性ということで艶歌としてうたったものである。

 

 

 

 

 

 

韋荘(韋相莊)

浣溪紗五首

 

 

薛昭蘊(薛侍郎昭蘊)

浣溪紗八首

 

 

張泌(張舍人泌)

浣溪紗十首

 

 

毛文錫(毛司徒文錫)

浣紗溪一首

 

 

欧陽烱(歐陽舍人烱)

浣溪紗四首

 

 

(顧太尉

浣溪紗八首

 

 

孫光憲(孫少監光憲)

浣溪紗九首

 

 

閻選(閻處士選)

浣溪紗一首

 

 

毛熙震(毛秘書熙震)

浣溪紗七首

 

 

李絢(李秀才珣)

浣溪紗四首

 

 

 

 

 

 

 

唐の教坊の曲名。韋荘ほか全員で十名が同名の詩合計57首、花間集の11.4%載せている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦.の詞形をとる。

浣溪沙八首其一

春色迷人恨正,可堪蕩子不還,細風輕露著梨

簾外有情雙鷰颺,檻前無力綠楊,小屏狂夢極天

○●○○●△○  ●○●●△○○ ●△△●△○○

○●●○○●△ ●○○●●○○  ●△△△●○○

浣溪沙八首其二  ⑦⑦⑦/4③⑦⑦

紅藕香寒翠渚,月籠虛閣夜蛩,塞鴻驚夢兩牽

寶帳玉鑪,殘麝,羅衣金縷暗塵,小孤燭淚縱

○●○○●●○  ●△○●●○○ ●△○△●△○

●●●○ ○●△  ○△○●●○△ ●?○●●△△

 

紅藕香寒翠渚平,月籠虛閣夜蛩清,塞鴻驚夢兩牽情。

秋になりかけのころ蓮の花の香りを残したまま夕方の寒さを感じる。緑叢がいっぱいで渚に平らかに広がる。閨の高窓に見える月は輝き寂しい高閣を照らしし、すずむしがすがすがしく鳴いている。北方から南に向かう大雁は夢に驚き情に絡んで両手で引寄せて雁書を見たいと思う。

紅藕香寒 秋になりかけのころ蓮の花の香りを残したまま夕方の寒さを感じる。寵愛を受けていた女性が、その魅力を残しつつ寵愛を失うというほどの意味を示す。【植】レンコン.《成》(レンコンはちぎっても糸がつながっている>)(男女が)別れたのになお関係を断ち切れ ずにいる.レンコンの澱粉.・香寒 寒気の中に香りが届いてくる。

翠渚平 緑叢がいっぱいで渚に平らかに広がる。

・塞鴻 北方から南に向かう大雁。・:辺塞。(北方の)国境付近。長城付近。「塞」は、本来は北方の夷狄の侵攻を防ぐ出城。ここでは、敵地に隣接しているところの意で、陳子華の赴く方を実際には指している。当時の南宋の北方の国境は長城よりも遙か南の淮河であって、黄河流域(この詞で「兩河」「京東」といわれているところ。「神州」「中原」はもっと広くを指すが、やはり重なっている、漢民族の故地)は、全て金国のものであった。・ 大型の雁の一種。ヒシクイ。ヌマタロウ。暖かくなると北方へ渡っていく冬鳥。

 

寶帳玉鑪,殘麝冷,羅衣金縷暗塵生,小孤燭淚縱橫。

宝飾で飾られたとばりが下がり、こがねに飾られた香炉には麝香は消えてそのままで冷たい、寵愛を受けていたときに着ていた薄絹の金の刺繍の着物にはチリが積もってうす汚れている。閨の小窓の手前にポツンと燭台があり、涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになる。

 香炉。たたら。足踏み式の鞴などを用いた製鉄法。別名 踏鞴。日本古来の代表的な製鉄方法。粘土でつくられた高さの低い角形の炉で,木炭を燃料として砂鉄を製錬する原始的なものであるが,日本刀の素材である玉鋼(たまはがね)はこの方法でつくられていた。ここでは香炉とする。

寶帳玉鑪 宝飾で飾られたとばりが下がり、こがねに飾られた香炉がある

殘麝冷 麝香は消えてそのままで冷たい、

羅衣金縷 薄絹の金の刺繍の着物

暗塵生 チリが積もってうす汚くなっている。

孤燭 小窓の手前にポツンと燭台がある

淚縱橫 涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになる。・縱橫【しょうおう】①たてとよこ。南北と東西。②四方八方。いたるところ。③自分の思いどおりに振る舞う・こと(さま)。④合従【がつしよう】と連衡。

11顧夐 (改)《巻七01浣溪沙八首其一》『花間集』303全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6787

顧夐  浣溪沙八首其一》  春色迷人恨正,可堪蕩子不還家,細風輕露著梨花。簾外有情雙鷰颺,檻前無力綠楊斜,小屏狂夢極天涯

(春は万物を成長させ、春の行楽は放蕩の情をさらに強くする。待つものは、柳の緑が濃くなるころ閨の中で待っているだけで、これからの人生、こんな生活を覚悟して生きていかないと詠う。)春の景色は人の心を浮かせ、迷わせて、人がどこにいるのかわからないので恨むことになるし、だから。放蕩のものが家に帰ってこないことには耐えるようにすべきであるし、そんな春の優しい風に当たり、軽やかな露に濡れた梨の花が色をはっきりとさせ、其処には人が集まる。行楽の季節には、簾の外に情愛があるのであり、ツガイの燕が飛び上がるということがある、ただ閨だけで、待つだけで、檻の暮し、柳の緑も濃く、風に斜め払う、閨の寝牀横の小屏風の中で夢の中だけで狂うもの、そんな人生が一生続いて行く。

11顧夐 (改)《巻七01浣溪沙八首其一》『花間集』303全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6787

 

 

 
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