玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

花間集 巻九 閻選

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

15閻選《巻九27河傳 一首》 》『花間集』429全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7409

閻選 河傳 一首

秋雨,秋雨,無晝無夜,滴滴霏霏。暗燈涼簟怨分離,妖,不勝悲。

西風稍急喧竹,停又續,膩臉懸雙玉。幾迴邀約鴈來時,違期,鴈歸,人不歸。

(船商人の富貴の者に身請けされたか、買斷された女妓が約束の「雁が帰る時期」を楽しみに、簟をかたづけずにまっているが、又ことしも帰ってこない、帰って来ることを頼りに生きて行く女を詠う)

秋雨がふる、今年もまた秋雨がふる、約束の秋に昼となく夜となくふりつづく、あの人は来なくて雨は降りやまずはげしく降り注ぐ。今夜も遅くなってもただひとり、灯火暗いままに、竹筵のシーツもこの季節で一人寝では超冷ややかなので、別れたままというのは恨めしさがます、こんなにも美しき女であっても、男の浮気心には愁いに堪えることにくるしむ。 秋の西風はやや強く窓辺の竹ざわめき、静まったかと思えばまた続く。美しい女の艶やかな頬にかかる二筋の真珠の涙がおちる。幾たびも約束した雁帰る時を迎えても、その約束は破られ、毎年雁は来るも人は帰ってこない。

《花間集》424巻九27

河傳 一首

全詩訳注解説-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7409

(改訂版Ver.2.1

14 閻選

後蜀の詞人

932年前後に在世

 

 

 
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              ID                     作品名    作者      

              ■ 閻處士選(閻選【えんせん】)八首                                                  

            1            九巻       虞美人二首,其一   閻選        

            2            九巻       虞美人二首,其二   閻選        

            3            九巻       臨江仙二首,其一   閻選        

            4            九巻       臨江仙二首,其二   閻選        

            5            九巻       浣溪紗一首,          閻選        

            6            九巻       八拍蠻二首,其一   閻選        

            7            九巻       八拍蠻二首,其二   閻選      

 

 

花間集  河傳 十八首

溫庭筠

《巻二09河傳三首其一》江畔,相喚。曉妝仙,仙景箇女採蓮。請君莫向那岸邊,少年,好花新滿舡。紅袖搖曳逐風暖,垂玉腕,腸向柳絲斷。浦南歸,浦北歸,莫知,晚來人已稀。

溫庭筠

《巻二10河傳三首其二》湖上,閑望。雨蕭蕭,煙浦花橋路遙。謝娘翠娥愁不消,終朝,夢魂迷晚潮。蕩子天涯歸棹遠,春已晚,鶯語空腸斷。若耶溪,溪水西,柳堤,不聞郎馬嘶。

溫庭筠

《巻二11河傳三首其三》同伴,相喚。杏花稀,夢裡每愁依違。仙客一去鷰已飛,不歸,淚痕空滿衣。天際雲鳥引晴遠,春已晚,煙靄渡南苑。雪梅香,柳帶長,小娘,轉令人意傷。

韋莊

《巻三05河傳三首其一》何處,煙雨,隋堤春暮。柳色葱蘢,畫橈金縷,翠旗高颭香風,水光融。青娥殿春粧媚,輕雲裡,綽約司花妓。江都宮闕,清淮月映迷樓,古今愁

韋莊

《巻三06河傳三首其二》春晚,風暖,錦城花滿。狂殺遊人,玉鞭金勒,尋勝馳驟輕塵,惜良晨。翠娥爭勸臨邛酒,纖纖手,拂面垂絲柳。歸時煙裏,鐘皷正是黃昏,暗銷魂。

韋莊

《巻三07河傳三首其三》錦浦,春女,繡衣金縷。霧薄雲輕,花深柳暗,時節正是清明,雨初晴。玉鞭魂斷煙霞路,鶯鶯語,一望巫山雨。香塵隱映,遙見翠檻紅樓,黛眉愁。

張泌

《巻四40河傳二首其一》渺莽雲水,惆悵暮帆,去程迢遞。夕陽芳艸,千里萬里,鴈聲無限起。夢魂悄斷煙波裡,心如醉。相見何處是,錦屏香冷無睡,被頭多少淚。

張泌

《巻四41河傳二首其二》紅杏,交枝相映,密密濛濛。一庭濃豔倚東風,香融,透簾櫳。斜陽似共春光語,蝶爭舞,更引流鶯妬。魂銷千片玉樽前,神仙,瑤池醉暮天。

顧夐

《巻六40河傳三首其一》鷰颺,晴景。小屏暖,鴛鴦交頸。菱花掩卻翠鬟欹,慵整。海棠簾外影。繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。東風,春正濃。愁紅,淚痕衣上重

顧夐

《巻六41河傳三首其二》曲檻,春晚。碧流紋細,綠楊絲軟,露花,鮮杏,枝繁鶯囀,野蕪似剪。直是人間到天上,堪遊賞,醉眼疑屏障,對池塘,惜韶光,斷腸為花須盡狂。

顧夐

《巻六42河傳三首其三》棹舉,舟去,波光渺渺,不知何處,岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰。倚蘭橈,無憀。魂消,小爐香欲焦

孫光憲

《巻七47河傳四首其一》太平天子,等閑遊戲,疏河千里。柳如絲,隈倚淥波春水,長淮風不起。如花殿三千女,爭雲雨,何處留人住?錦帆風,煙際紅,燒空,魂迷大業中

孫光憲

《巻七48河傳四首其二》柳拖金縷,着煙籠霧,濛濛落絮。鳳皇舟上楚女,妙舞,雷喧波上皷。龍爭虎戰分中土,人無主,桃葉江南渡。襞花牋,豔思牽。成篇,官娥相與傳。

孫光憲

《巻七49河傳四首其三》花落,煙薄,謝家池閣。寂寞春深,翠蛾輕斂意沉吟。沾襟,無人知此心。玉鑪香斷霜灰冷,簾鋪影,梁鷰歸紅杏。

孫光憲

《巻七50河傳四首其四》風颭,波斂。團荷閃閃,珠傾露點。木蘭舟上,何處娃越豔,藕花紅照臉。大堤狂殺襄陽客,煙波隔,渺渺湖光白。身已歸,心不歸。斜暉,遠汀鸂鶒飛

閻選

《巻九27河傳 一首》  秋雨,秋雨,無晝無夜,滴滴霏霏。暗燈涼簟怨分離,妖,不勝悲。西風稍急喧竹,停又續,膩臉懸雙玉。幾迴邀約鴈來時,違期,鴈歸,人不歸

李珣

《巻十49河傳二首其一》  去去,何處?迢迢巴楚,山水相連。朝雲暮雨,依舊十二峯前,猿聲到客舡。愁腸豈異丁香結?因離別,故國音書。想佳人花下,對明月春風,恨應同。

李珣

《巻十50河傳二首其二》  春暮,微雨。送君南浦,愁斂雙蛾。落花深處,啼鳥似逐離歌,粉檀珠淚和。臨流更把同心結,情哽咽,後會何時節?不堪迴首,相望已隔汀洲,艣聲幽。

 

 

河傳 一首

(船商人の富貴の者に身請けされたか、買斷された女妓が約束の「雁が帰る時期」を楽しみに、簟をかたづけずにまっているが、又ことしも帰ってこない、帰って来ることを頼りに生きて行く女を詠う)

秋雨,秋雨,無晝無夜,滴滴霏霏。

秋雨がふる、今年もまた秋雨がふる、約束の秋に昼となく夜となくふりつづく、あの人は来なくて雨は降りやまずはげしく降り注ぐ。

暗燈涼簟怨分離,妖,不勝悲。

今夜も遅くなってもただひとり、灯火暗いままに、竹筵のシーツもこの季節で一人寝では超冷ややかなので、別れたままというのは恨めしさがます、こんなにも美しき女であっても、男の浮気心には愁いに堪えることにくるしむ。 

西風稍急喧竹,停又續,膩臉懸雙玉。

秋の西風はやや強く窓辺の竹ざわめき、静まったかと思えばまた続く。美しい女の艶やかな頬にかかる二筋の真珠の涙がおちる。

幾迴邀約鴈來時,違期,鴈歸,人不歸。

幾たびも約束した雁帰る時を迎えても、その約束は破られ、毎年雁は来るも人は帰ってこない。

 

(河傳)

秋の雨,秋の雨に,晝と無く夜と無く,滴滴として霏霏たり。

燈暗く簟涼かにして 分離を怨み,妖,悲に勝えず。

西風 稍や急に 喧【かまびす】し,停み 又た續き,膩臉【じけん】雙玉に懸かり。

幾たび迴るも 約せし 鴈來る時を邀うるも,期に違い,鴈歸るも,人歸えらず。

三峡 巫山十二峰001
 

宮島(10)
 

『河傳 一首』 現代語訳と訳註

(本文)

秋雨,秋雨,無晝無夜,滴滴霏霏。

暗燈涼簟怨分離,妖,不勝悲。

西風稍急喧竹,停又續,膩臉懸雙玉。

幾迴邀約鴈來時,違期,鴈歸,人不歸。

 

(下し文)

(河傳)

秋の雨,秋の雨に,晝と無く夜と無く,滴滴として霏霏たり。

燈暗く簟涼かにして 分離を怨み,妖,悲に勝えず。

西風 稍や急に 竹喧【かまびす】し,停み 又た續き,膩臉【じけん】雙玉に懸かり。

幾たび迴るも 約せし 鴈來る時を邀うるも,期に違い,鴈歸るも,人歸えらず。

 

(現代語訳)

(船商人の富貴の者に身請けされたか、買斷された女妓が約束の「雁が帰る時期」を楽しみに、簟をかたづけずにまっているが、又ことしも帰ってこない、帰って来ることを頼りに生きて行く女を詠う)

秋雨がふる、今年もまた秋雨がふる、約束の秋に昼となく夜となくふりつづく、あの人は来なくて雨は降りやまずはげしく降り注ぐ。

今夜も遅くなってもただひとり、灯火暗いままに、竹筵のシーツもこの季節で一人寝では超冷ややかなので、別れたままというのは恨めしさがます、こんなにも美しき女であっても、男の浮気心には愁いに堪えることにくるしむ。 

秋の西風はやや強く窓辺の竹ざわめき、静まったかと思えばまた続く。美しい女の艶やかな頬にかかる二筋の真珠の涙がおちる。

幾たびも約束した雁帰る時を迎えても、その約束は破られ、毎年雁は来るも人は帰ってこない。

 

(訳注)

河傳 一首

(船商人の富貴の者に身請けされたか、買斷された女妓が約束の「雁が帰る時期」を楽しみに、簟をかたづけずにまっているが、又ことしも帰ってこない、帰って来ることを頼りに生きて行く女を詠う)

60【解説】雁が飛び帰る頃、秋雨の降ると船は航行されず、本当は浮気心の男なのに、雨や、風で帰れないと雨や風をを恨むことでまぎらわせる女性の心情を詠う。末尾、男は「雁が帰る頃旨分も戻って来る」と約束をしたが、何年も約束を破り、今年も雁は渡って来たが、あの人はまたも帰って来なかったと恨みを述べる。昼夜を分かたず降り続く雨、窓辺で風にざわめく竹は胸中の不安を示すと同時に、船が航行されないから帰ってこないと気持ちを雨と風に恨む気持ちを紛らわせる。でも帰ってきて肥満体の男は暑がりだから、簟のシーツを片付けることが出来ない女の思いやりをうたっている。

この時代に、若くして、愛妾とされ、身請けされ、買斷されるというのは女妓たちの憧れである。その憧れは同時に閨で、一人で過ごすということも意味している。李白の「江夏行」「長干行」などとこの詩は、シチュエーションが似ているということでより参考にすると味わいが深まる。

なおも夏用の竹筵を使っているのは、女が愁いと悲しみとのために何もする気になれず、竹筵をしまうのも面倒なためであるとする解説書もあるが、それでは意味が浅すぎる。

『花問集』には閣選の作が一首収められている。双調五十三字、前段二十四字七句二仄韻四平韻、後段二十九字六句三仄韻四平韻で、❷❷4④⑦②③/❼❸❺⑦②②③の詞形をとる。

   無晝無夜  滴滴霏
暗燈涼簟怨分   不勝

西風稍急喧 停又  膩臉懸雙
幾迴邀約鴈來  期   人不

○●  ○● ○●○●  ●●○○

●○△●△△△  ○○ △△○

○△●●○?● ○●●  ●△○○●

△△○●●△○  ○○ ●○  ○△○

 

秋雨,秋雨,無晝無夜,滴滴霏霏。

秋雨がふる、今年もまた秋雨がふる、約束の秋に昼となく夜となくふりつづく、あの人は来なくて雨は降りやまずはげしく降り注ぐ。

61 秋雨,秋雨 雨の日には船の航行が出来ないので、雨を恨む様子をいう。

62 霏霏 雨や雪の激しく降るさま。この四句は約束の時期に降る、秋の長雨を恨んでいる。

 

暗燈涼簟怨分離,妖,不勝悲。

今夜も遅くなってもただひとり、灯火暗いままに、竹筵のシーツもこの季節で一人寝では超冷ややかなので、別れたままというのは恨めしさがます、こんなにも美しき女であっても、男の浮気心には愁いに堪えることにくるしむ。 

63 涼簟 冷たい竹筵の高級ベッドシーツ。筆は竹皮で編んだ夏用の敷物。既に雁渡る秋に入っているので涼簟と言う。ベッドの情交の際、汗でぼと着くことが無い。閨で待ち続ける女の侘しさをイメージさせる。簟は高級なので男は富貴の者であることを意味する。

64 分離 ここでは男が別の女のもとに行っていることをイメージさせる、別れ別れになっていること。

65 妖姫 魅惑的な美女。女の良さをいうことは、男はそれに飽きたということを感じさせる。この三句は、男を待つ閨の様子と待つことに堪えなければいけないことをいう。

 

西風稍急喧竹,停又續,膩臉懸雙玉。

秋の西風はやや強く窓辺の竹ざわめき、静まったかと思えばまた続く。美しい女の艶やかな頬にかかる二筋の真珠の涙がおちる。

66 西風 西風が吹けば長江を遡上できなくて航行不能になる。

67 雙玉 二筋の真珠の涙がおちる双玉は双真珠の様な珠の涙がほほをつたう涙の玉。

 

幾迴邀約鴈來時,違期,鴈歸,人不歸。

幾たびも約束した雁帰る時を迎えても、その約束は破られ、毎年雁は来るも人は帰ってこない。

68 幾迴 何年も経過したこと。

 

 泰山の夕日02

 


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15閻選《巻九26八拍蠻二首其二》『花間集』428全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7404

閻選 八拍蠻二首 其二

愁鏁黛眉煙易慘,淚飄紅臉粉難勻。

憔悴不知緣底事,遇人推道不宜春。

(春には逢えるはずと思って侘しく待つ女は、思い悩んで痩せてしまう女を詠う)

愁いは連鎖となってこの閨にあり、黛の緑が香の煙で暗く惨めな感じになる、涙が流れ、こぼれ落ちると紅の化粧はなおすのも難しい。なぜにこんなに痩せてしまったのか、そのわけがわからない人から、そのわけを尋ねられる、人に出逢えば決まってこう答える、{春がからだにあわず、苦手なんです}と言い訳をする。

《花間集》424巻九26

八拍蠻二首其二

全詩訳注解説-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7404

(改訂版Ver.2.1

14 閻選

後蜀の詞人

932年前後に在世

 

 

 

              ID                     作品名    作者      

              ■ 閻處士選(閻選【えんせん】)八首                                                  

            1            九巻       虞美人二首,其一   閻選        

            2            九巻       虞美人二首,其二   閻選        

            3            九巻       臨江仙二首,其一   閻選        

            4            九巻       臨江仙二首,其二   閻選        

            5            九巻       浣溪紗一首,          閻選        

            6            九巻       八拍蠻二首,其一   閻選        

            7            九巻       八拍蠻二首,其二   閻選      

 

 

孫光憲 《八拍蠻》

孔雀尾拖金線長,怕人飛起入丁香。

越女沙頭爭拾翠,相呼歸去背斜陽。

(八拍蠻)

孔雀の尾 金線の長きを抱き、人を怕れて 飛び起ちて丁香に入る。

越女 沙頭に 争いて翠を拾い、相い呼びて 帰り去りて斜陽を背にす。

(美人の中でも飛び切りの美女が次第に高貴な人に認められて行くが、初めは谷間の砂浜で翡翠の翅を競って取り合いをしていたのだと詠う。)

孔雀は金色の長い尾を引き、人に驚き飛び立ち丁香の茂みに隠れる。

美人が多い南国の女らは昼には競って岸辺に翡翠の羽を拾う、声を掛け合い、背に夕日を浴びて帰って行く。

 

 

 

閻選 八拍蠻二首 其一

(歓楽街の妓女は「買斷」により、他の客との接触はないままで、男を待つだけしか女妓は方法がなく心乱れた生活をっするだけだと詠う)

雲鏁嫩黃煙柳細,風吹紅蒂雪梅殘。

雲型に高く編み込み結った若く瑞々しい黒髪のようなくもに、若芽の葉を付けた柳の枝の様な細腰のおんなをおもわせる細柳の並木には霞が漂う、風が吹き抜けると柳の枝が払われ、紅の帯のように、雪の花のように梅の花が咲き残っている。

光影不勝閨閣恨,行行坐坐黛眉攢。

春の光は風光明媚にして行き、時は長閑に過ぎてゆくのだが、女の閨にも、樓閣にも男が訪れることが無く、あるのは恨みだけだし、行ったり戻ったり、立ったり座ったり、心に落ち着きがなく顔には、眉をしかめた顔になってしまっている。

(八拍蠻二首 其の一)

雲鏁 嫩黃【ぜんこう】 柳細に煙り,風吹 紅蒂 雪梅 殘る。

光影 閨閣の恨みを勝らず,行行と坐坐して黛眉攢す。

 

閻選 八拍蠻二首 其二

(春には逢えるはずと思って侘しく待つ女は、思い悩んで痩せてしまう女を詠う)

愁鏁黛眉煙易慘,淚飄紅臉粉難勻。

愁いは連鎖となってこの閨にあり、黛の緑が香の煙で暗く惨めな感じになる、涙が流れ、こぼれ落ちると紅の化粧はなおすのも難しい。

憔悴不知緣底事,遇人推道不宜春。

なぜにこんなに痩せてしまったのか、そのわけがわからない人から、そのわけを尋ねられる、人に出逢えば決まってこう答える、{春がからだにあわず、苦手なんです}と言い訳をする。

(八拍蠻二首 其二)

愁いは黛眉を鏁ざし 煙 慘み易く,淚は紅臉に飄り 粉 勻え難し。

憔悴 底事【なにごと】に緣るかを知らず,人に遇えば 推して道う 春に宜しからずと


興慶宮002
丁子001
 

『八拍蠻二首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

八拍蠻二首 其二

愁鏁黛眉煙易慘,淚飄紅臉粉難勻。

憔悴不知緣底事,遇人推道不宜春。

 

 

(下し文)

(八拍蠻二首 其二)

愁いは黛眉を鏁ざし 煙 慘み易く,淚は紅臉に飄り 粉 勻え難し。

憔悴 底事【なにごと】に緣るかを知らず,人に遇えば 推して道う 春に宜しからずと。

 

(現代語訳)

(春には逢えるはずと思って侘しく待つ女は、思い悩んで痩せてしまう女を詠う)

愁いは連鎖となってこの閨にあり、黛の緑が香の煙で暗く惨めな感じになる、涙が流れ、こぼれ落ちると紅の化粧はなおすのも難しい。

なぜにこんなに痩せてしまったのか、そのわけがわからない人から、そのわけを尋ねられる、人に出逢えば決まってこう答える、{春がからだにあわず、苦手なんです}と言い訳をする。

 

(訳注)

八拍蠻二首 其二

(春には逢えるはずと思って侘しく待つ女は、思い悩んで痩せてしまう女を詠う)

53 《八拍蛮》单调,二十八字,四句,二/三平韵。唐教坊曲名。白居易が始めた歌曲様式。本来は漢の鐃歌鼓吹曲で、唐の教坊曲。白居易は古い曲名を借りて新たな曲を作った、詩の形式は七言絶句体であるが、詞牌として数えられる。七言絶句の形式をした例外的な填詞。七言絶句形式や七言四句体をした填詞には他に《楊柳枝詞》《採蓮子》《陽関曲》《浪淘沙》《江南春》《阿那曲》《欸乃曲》《水調歌》《清平調》などがある。それぞれ七言絶句体と平仄や押韻が異なり、曲調も異なっている。

『花間集』にはこの詩題の閻選の作が二首収められている。単調二十八字、四句二平韻二仄韻で、❼⑦❼⑦の詞形をとる。

愁鏁黛眉煙易慘  淚飄紅臉粉難
憔悴不知緣底事  遇人推道不宜

○?●○○●●  ●○○△●△○

○●△○△●●  ●○○●△○○

閻處士選(閻選,生卒年不詳。為前蜀布衣,時稱閻處士。)

【解説】 基本的に宮女・教坊の妓優に関する詞である。春には逢えるはずと思って侘しく待つ女の心の様子を女の身近な変化でそれを詠う。

 

 

愁鏁黛眉煙易慘,淚飄紅臉粉難勻。

愁いは連鎖となってこの閨にあり、黛の緑が香の煙で暗く惨めな感じになる、涙が流れ、こぼれ落ちると紅の化粧はなおすのも難しい。

54  ①金属製の輪をつないだひも状のもの。②物と物とを結び付けているもの。きずな。戸・箱の蓋(ふた)などにつけて,自由に開閉できないようにする金具。

55 煙易惨 閨で準備のための香を焚き続け、煙でいぶされて黒ずんだこと。

56 粉難勻 涙でくずれた化粧は繕うことができ

ないほどである。

 

憔悴不知緣底事,遇人推道不宜春。

なぜにこんなに痩せてしまったのか、そのわけがわからない人から、そのわけを尋ねられる、人に出逢えば決まってこう答える、{春がからだにあわず、苦手なんです}と言い訳をする。

57 憔悴不知緣底事 人が女のやつれたのを見て、なぜやつれたのか理由が分からず、女にその訳を尋ねた、と解する。

58 推道 言い逃れる、言い訳をする。

59 不宜春 体が春にむいていない。

霓裳羽衣舞001

 

 


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15閻選《巻九25八拍蠻二首其一》『花間集』427全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7399

閻選  八拍蠻二首 其一

雲鏁嫩黃煙柳細,風吹紅蒂雪梅殘。

光影不勝閨閣恨,行行坐坐黛眉攢。

(歓楽街の妓女は「買斷」により、他の客との接触はないままで、男を待つだけしか女妓は方法がなく心乱れた生活をっするだけだと詠う)

雲型に高く編み込み結った若く瑞々しい黒髪のようなくもに、若芽の葉を付けた柳の枝の様な細腰のおんなをおもわせる細柳の並木には霞が漂う、風が吹き抜けると柳の枝が払われ、紅の帯のように、雪の花のように梅の花が咲き残っている。

春の光は風光明媚にして行き、時は長閑に過ぎてゆくのだが、女の閨にも、樓閣にも男が訪れることが無く、あるのは恨みだけだし、行ったり戻ったり、立ったり座ったり、心に落ち着きがなく顔には、眉をしかめた顔になってしまっている。

《花間集》 424巻九25

八拍蠻二首其一

全詩訳注解説-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7399

(改訂版Ver.2.1

14 閻選

後蜀の詞人

932年前後に在世

 

 
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              ID                     作品名    作者      

              ■ 閻處士選(閻選【えんせん】)八首                                                  

            1            九巻       虞美人二首,其一   閻選        

            2            九巻       虞美人二首,其二   閻選        

            3            九巻       臨江仙二首,其一   閻選        

            4            九巻       臨江仙二首,其二   閻選        

            5            九巻       浣溪紗一首,          閻選        

            6            九巻       八拍蠻二首,其一   閻選        

            7            九巻       八拍蠻二首,其二   閻選      

 

孫光憲 《八拍蠻》

孔雀尾拖金線長,怕人飛起入丁香。

越女沙頭爭拾翠,相呼歸去背斜陽。

(八拍蠻)

孔雀の尾 金線の長きを抱き、人を怕れて 飛び起ちて丁香に入る。

越女 沙頭に 争いて翠を拾い、相い呼びて 帰り去りて斜陽を背にす。

(美人の中でも飛び切りの美女が次第に高貴な人に認められて行くが、初めは谷間の砂浜で翡翠の翅を競って取り合いをしていたのだと詠う。)

孔雀は金色の長い尾を引き、人に驚き飛び立ち丁香の茂みに隠れる。

美人が多い南国の女らは昼には競って岸辺に翡翠の羽を拾う、声を掛け合い、背に夕日を浴びて帰って行く。

 

 

 

八拍蠻二首 其一

(歓楽街の妓女は「買斷」により、他の客との接触はないままで、男を待つだけしか女妓は方法がなく心乱れた生活をっするだけだと詠う)

雲鏁嫩黃煙柳細,風吹紅蒂雪梅殘。

雲型に高く編み込み結った若く瑞々しい黒髪のようなくもに、若芽の葉を付けた柳の枝の様な細腰のおんなをおもわせる細柳の並木には霞が漂う、風が吹き抜けると柳の枝が払われ、紅の帯のように、雪の花のように梅の花が咲き残っている。

光影不勝閨閣恨,行行坐坐黛眉攢。

春の光は風光明媚にして行き、時は長閑に過ぎてゆくのだが、女の閨にも、樓閣にも男が訪れることが無く、あるのは恨みだけだし、行ったり戻ったり、立ったり座ったり、心に落ち着きがなく顔には、眉をしかめた顔になってしまっている。

(八拍蠻二首 其の一)

雲鏁 嫩黃【ぜんこう】 柳細に煙り,風吹 紅蒂 雪梅 殘る。

光影 閨閣の恨みを勝らず,行行と坐坐して黛眉攢す。

 

八拍蠻二首 其二

愁鏁黛眉煙易慘,淚飄紅臉粉難勻。

憔悴不知緣底事,遇人推道不宜春。

(八拍蠻二首 其二)

愁いは黛眉を鏁ざし 煙 慘み易く,淚は紅臉に飄り 粉 勻え難し。

憔悴 底事【なにごと】に緣るかを知らず,人に遇えば 推して道う 春に宜しからずと

 

西湖十景 曲院風荷02
 

『八拍蠻二首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

八拍蠻二首 其一

雲鏁嫩黃煙柳細,風吹紅蒂雪梅殘。

光影不勝閨閣恨,行行坐坐黛眉攢。 

 

(下し文)

(八拍蠻二首 其の一)

雲鏁 嫩黃 柳細に煙り,風吹 紅蒂 雪梅 殘る。

光影 閨閣の恨みを勝らず,行行と坐坐して黛眉攢す。

 

(現代語訳)

(歓楽街の妓女は「買斷」により、他の客との接触はないままで、男を待つだけしか女妓は方法がなく心乱れた生活をっするだけだと詠う)

雲型に高く編み込み結った若く瑞々しい黒髪のようなくもに、若芽の葉を付けた柳の枝の様な細腰のおんなをおもわせる細柳の並木には霞が漂う、風が吹き抜けると柳の枝が払われ、紅の帯のように、雪の花のように梅の花が咲き残っている。

春の光は風光明媚にして行き、時は長閑に過ぎてゆくのだが、女の閨にも、樓閣にも男が訪れることが無く、あるのは恨みだけだし、行ったり戻ったり、立ったり座ったり、心に落ち着きがなく顔には、眉をしかめた顔になってしまっている。

 

隋堤002
 

(訳注)

八拍蠻二首 其一

(歓楽街の妓女は「買斷」により、他の客との接触はないままで、男を待つだけしか女妓は方法がなく心乱れた生活をっするだけだと詠う)

47 《八拍蛮》单调,二十八字,四句,二/三平韵。唐教坊曲名。白居易が始めた歌曲様式。本来は漢の鐃歌鼓吹曲で、唐の教坊曲。白居易は古い曲名を借りて新たな曲を作った、詩の形式は七言絶句体であるが、詞牌として数えられる。七言絶句の形式をした例外的な填詞。七言絶句形式や七言四句体をした填詞には他に《楊柳枝詞》《採蓮子》《陽関曲》《浪淘沙》《江南春》《阿那曲》《欸乃曲》《水調歌》《清平調》などがある。それぞれ七言絶句体と平仄や押韻が異なり、曲調も異なっている。

閻處士選(閻選,生卒年不詳。為前蜀布衣,時稱閻處士。)

『花間集』にはこの詩題の閻選の作が二首収められている。単調二十八字、四句二平韻二仄韻で、❼⑦❼⑦の詞形をとる。

雲鏁嫩黃煙柳,風吹紅蒂雪梅

光影不勝閨閣,行行坐坐黛眉

○?●○○●●  △△○●●○○

△●△△○●●  △△●●●○○

 

雲鏁嫩黃煙柳細,風吹紅蒂雪梅殘。

雲型に高く編み込み結った若く瑞々しい黒髪のようなくもに、若芽の葉を付けた柳の枝の様な細腰のおんなをおもわせる細柳の並木には霞が漂う、風が吹き抜けると柳の枝が払われ、紅の帯のように、雪の花のように梅の花が咲き残っている。

48 鏁・鎖・鏈【くさり】①. 金属製の輪をつないだひも状のもの。 「懐中時計の-」 -につながれた猛獣」. . 物と物とを結び付けているもの。きずな。

49 嫩 1(植物の芽・果実や人の肌などが)若い,柔らかい,みずみずしい.3.用例个姑娘 niang 皮很嫩。〔述〕=この娘は肌がみずみずしい.又白又嫩的小手=色白で柔らかい小さいこと

 

光影不勝閨閣恨,行行坐坐黛眉攢。

春の光は風光明媚にして行き、時は長閑に過ぎてゆくのだが、女の閨にも、樓閣にも男が訪れることが無く、あるのは恨みだけだし、行ったり戻ったり、立ったり座ったり、心に落ち着きがなく顔には、眉をしかめた顔になってしまっている。

50 光影 春の光は馬物を成長させ、風光明媚にしていく。

李白《越女詞其五》

鏡湖水如月,耶溪女似雪。

新妝蕩新波,光影兩奇絶。

鏡湖 水 如月のごとく,耶溪 女 雪のごとし。

新妝 新波に蕩ゆらめき,光影 兩つながら奇絶。

鏡湖は水が月光のようにすみ,耶溪は女むすめが雪のように色白。

初々しい化粧姿はすがすがしい波間にうつる,その光影はどちらも比べがたく素晴らしい。

51 攢 ()とは。意味や日本語訳。[]集める,集めまとめる攒钱金を集める. zǎn cuánjù[]群がる,密集する.

52 行行坐坐 心に落ち着きがなく、立ったり座ったり、行ったり戻ったりすること。

57moon

 


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15閻選《巻九24浣溪沙》 『花間集』426全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7394

閻選  浣溪沙

寂寞流蘇冷繡茵,倚屏山枕惹香塵,小庭花露泣濃香。

劉阮信非仙洞客,常娥終是月中人,此生無路訪東鄰。

(「買斷」の妓女は別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を待つだけの暮らしをするしかないと詠う。)

誰も来ない閨は寂寞として侘しさだけの房飾りの付いた戸帳りが垂れ、寝牀に敷かれたマットにも冷ややかなものになっている、屏風は傍らに立てかけたままだし。そのそばには、使わなくなった山形の枕があり、徴かな香りが残っている、閨から見える小さな庭の花は露に濡れていて、女は濡れることはない、色濃くなった春というのがまたすぎてゆくと思えば、なみだがあふれただ泣くだけである。あの人は、劉郎・阮郎の故事のように仙界の客ではなかったということだった、別れ去って久しく帰らない愛しい男の心は、この館の女の夫になりえなかったのであるし、このおんなは、この月の館の常蛾のように別世界の人となりだれともせっしょくなくくらすというものだし、この世に生を受けたものは、「東隣之佳人」であってもただ見ているだけだったように、もう彼女を訪ねて行くという路はないということなのだ。

《花間集》424巻九24

浣 溪 沙

全詩訳注解説-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7394

(改訂版Ver.2.1

14 閻選

後蜀の詞人

932年前後に在世

 

 

 
  2016年2月25日 の紀頌之5つのBlog  
  ●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、現在、李白詩全詩 訳注  
  Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
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743年(86)李太白集885巻二十三61詠槿  405Index-23Ⅲ-2-743年天寶二年43歳 94首-(86) Ⅰ李白詩1770 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ7390  
  孟浩然 詩 index 李白詩index 謝霊運 詩 index 司馬相如 《 子虛賦 ・上林賦 》 揚雄 《 甘泉賦 》  ●諸葛亮(孔明)出師表  
  曹植(曹子建)詩 65首 index 文選 賦)兩都賦序・西都賦・東都賦 (班固) 《李白 全詩》
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(1)漁父辞 屈原 『楚辞・九歌』東君 屈原 《楚辞 『九辯』》 宋玉  <案内>  
  ●唐を代表する 中唐 韓愈 全500首   
  Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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韓愈136-#2《 巻01-20秋懷詩,十一首之七 (秋夜不可晨,)》 韓愈(韓退之) 806年貞元22年 39歳-(8)<1683> Ⅱ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ7391  
  ・李商隠詩 (1) 136首の75首 ・李商隠詩 (2) 135首の61首 ●韓愈index-1 ・孟郊、張籍と交遊・汴州乱41首 ●韓愈詩index-2[800年 33歳~804年 37歳]27首 ●韓愈詩index-3 805年 38歳・]陽山から江陵府 36首 ●韓愈詩index-4 806年 39歳 江陵府・権知国子博士 51首(1)25首  
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  index-11 819年 52歳 ・『論佛骨表』左遷 38首 index-12 820年 53歳 ・9月國子祭酒に。18首 index-13 821年~822年 55歳 22首 index-14 823年~824年 57歳・病気のため退職。没す。 14首 韓愈 哲学・儒学「五原」 賦・散文・上奏文・碑文など  
  孟郊 張籍          
  ●杜甫の全作品1500首を訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"  
  Ⅲ杜甫詩全1500首   LiveDoorBlog 767年-23 本文#4杜少陵集 《20-99 觀公孫大娘弟子舞劍器行 本文#4》 杜甫詩index-15-1149 <1599> 767年大暦2年56歲-23本文#4 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ7392   
  杜甫詩(1)736~751年 青年期・李白と交遊期・就活の詩 53首 杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73首(青年期・就活の詩)  杜甫詩(3)755年~756年、45歳 安史の乱に彷徨う 26首 杜甫詩(4)作時757年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺 43首 杜甫詩(5)758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷疎外、左遷 53首 杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 三吏三別 官を辞す 44首  
  杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首 杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首 杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首 杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首 杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首 杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首  
  ●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている  
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  ●花間集全詩●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集  
  Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoorBlog 15閻選《巻九24浣溪沙》 『花間集』426全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7394  
  薛濤の全詩 花間集(1巻 花間集(2巻 花間集(3巻 花間集(4巻 花間集(5巻  
  魚玄機全詩 花間集(6巻 花間集(7巻 花間集(8巻 花間集(9巻 花間集10巻  
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  毛文錫31首 花間集5巻 牛希濟11首 花間集5巻 欧陽烱17首 花間集5・6巻 和凝20首 花間集6巻 顧夐56首 花間集6・7巻 孫光憲47首 花間集7・8巻  
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              ID                     作品名    作者      

              ■ 閻處士選(閻選【えんせん】)八首                                                  

            1            九巻       虞美人二首,其一   閻選        

            2            九巻       虞美人二首,其二   閻選        

            3            九巻       臨江仙二首,其一   閻選        

            4            九巻       臨江仙二首,其二   閻選        

            5            九巻       浣溪紗一首,          閻選        

            6            九巻       八拍蠻二首,其一   閻選        

            7            九巻       八拍蠻二首,其二   閻選      

凌波曲舞002
 

浣溪沙

(「買斷」の妓女は別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を待つだけの暮らしをするしかないと詠う。)

寂寞流蘇冷繡茵,倚屏山枕惹香塵,小庭花露泣濃香。

誰も来ない閨は寂寞として侘しさだけの房飾りの付いた戸帳りが垂れ、寝牀に敷かれたマットにも冷ややかなものになっている、屏風は傍らに立てかけたままだし。そのそばには、使わなくなった山形の枕があり、徴かな香りが残っている、閨から見える小さな庭の花は露に濡れていて、女は濡れることはない、色濃くなった春というのがまたすぎてゆくと思えば、なみだがあふれただ泣くだけである。

劉阮信非仙洞客,常娥終是月中人,此生無路訪東鄰。

あの人は、劉郎・阮郎の故事のように仙界の客ではなかったということだった、別れ去って久しく帰らない愛しい男の心は、この館の女の夫になりえなかったのであるし、このおんなは、この月の館の常蛾のように別世界の人となりだれともせっしょくなくくらすというものだし、この世に生を受けたものは、「東隣之佳人」であってもただ見ているだけだったように、もう彼女を訪ねて行くという路はないということなのだ。

(浣溪沙)

寂寞たる流蘇 繡茵冷やかに,屏に倚る山枕 香塵を惹き,小庭 花 露して濃香に泣く。

劉阮は信に仙洞の客に非らず,常娥は終に是れ月中の人,此の生 路の東鄰を訪う無し。

 

海棠花101
 

『浣溪沙』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙

寂寞流蘇冷繡茵,倚屏山枕惹香塵,小庭花露泣濃香。

劉阮信非仙洞客,常娥終是月中人,此生無路訪東鄰。

 

 

(下し文)

(浣溪沙)

寂寞たる流蘇 繡茵冷やかに,屏に倚る山枕 香塵を惹き,小庭 花 露して濃香に泣く。

劉阮は信に仙洞の客に非らず,常娥は終に是れ月中の人,此の生 路の東鄰を訪う無し。

 

 

(現代語訳)

(「買斷」の妓女は別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を待つだけの暮らしをするしかないと詠う。)

誰も来ない閨は寂寞として侘しさだけの房飾りの付いた戸帳りが垂れ、寝牀に敷かれたマットにも冷ややかなものになっている、屏風は傍らに立てかけたままだし。そのそばには、使わなくなった山形の枕があり、徴かな香りが残っている、閨から見える小さな庭の花は露に濡れていて、女は濡れることはない、色濃くなった春というのがまたすぎてゆくと思えば、なみだがあふれただ泣くだけである。

あの人は、劉郎・阮郎の故事のように仙界の客ではなかったということだった、別れ去って久しく帰らない愛しい男の心は、この館の女の夫になりえなかったのであるし、このおんなは、この月の館の常蛾のように別世界の人となりだれともせっしょくなくくらすというものだし、この世に生を受けたものは、「東隣之佳人」であってもただ見ているだけだったように、もう彼女を訪ねて行くという路はないということなのだ。

 

 

(訳注)

浣溪沙

(「買斷」の妓女は別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を待つだけの暮らしをするしかないと詠う。)

38 浣溪沙【解説】 女性に対する男の思慕の情を詠う。前段は、女のいない俺しい室内の模様を描き、我が身の悲しみを、深まる春、露に泣き濡れる花に重ねて詠じる。後段は、一度は女と情を交わし得たが、女は所詮別世界に住み、俗界の人間の私の手の届く人ではないのだと、この世において女を訪ねるすべのないことを言う。

『花間集』には開運の作が一首収められている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦の詞形をとる。

寂寞流蘇冷繡  倚屏山枕惹香 小庭花露泣濃

劉阮信非仙洞客 常娥終是月中  此生無路訪東

●●○○△●○  △△○△●○○ ●○○●●○○

○△△○○△● ○○○●●△○  ●△○●●○○

 

 

寂寞流蘇冷繡茵,倚屏山枕惹香塵,小庭花露泣濃香。

誰も来ない閨は寂寞として侘しさだけの房飾りの付いた戸帳りが垂れ、寝牀に敷かれたマットにも冷ややかなものになっている、屏風は傍らに立てかけたままだし。そのそばには、使わなくなった山形の枕があり、徴かな香りが残っている、閨から見える小さな庭の花は露に濡れていて、女は濡れることはない、色濃くなった春というのがまたすぎてゆくと思えば、なみだがあふれただ泣くだけである。

39 寂寞【せきばく】1 ひっそりとして寂しいさま。じゃくまく。2 心が満たされずにもの寂しいさま。

40 流蘇 房飾りの付いた帳、流蘇帳。流蘇:五色の糸を混ぜたふさで、幕や旗などの飾りに使う。流蘇帳は、ふさの飾りが付いた幕。華麗で艶めかしいベッド等の家具を連想させる働きがある。

韋莊『天仙子 其二』

深夜歸來長酩酊。扶入流蘇猶未醒。

醺醺酒気麝蘭和。

驚睡覚、笑呵呵。

長道人生能幾何。

(天仙子【てんせんし】 其の二)

深夜 歸り来たりて長く酩酊【めいてい】し、扶けられて流蘇【りゅうそ】に入るも 猶お未だ醒めず。

醺醺【くんくん】たる酒気、麝蘭【じゃらん】と和じる。

驚いて睡りより覚むれば 笑ふこと呵呵【かか】とし。

長んに道ふ人生能く幾何ぞと。

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の二 酒)

夜も更けてから帰ってゆく長い時間酩酊状態にあるようだ。万幕を張ったような流蘇樹の中に助けられて入っていったのだが、やっぱりまだ酔いがさめてはいないのだ。

酒に酔ってにこにこしている状態は続いているのにさらに酒を呑んでいるけれど、美人の蘭の香りや麝香の香りが和んでいる。

眠りから覚めて驚いたようで、次に大声で笑い始めている。

そして、何度も言うことは「人生というものはどれだけものであるか。」だからいまのこの時を愉しまないでどうするのか。

天仙子 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-271-5-#25  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2902

41 繡茵 刺繍の施された床敷(マットレス)。ここでは敷布団の意。

42 倚屏山枕 屏風は情事の際寝牀のまわりに置かれるがたたんで蒲に倚りかかったままということ。その傍らに置かれた枕。山枕は山形をした枕。真ん中が窪み、両端が高い凹形状のまくら。首筋に当てて寝ている時も髪型が崩れない様、動かないためのまくら。山は妓女という意味があり、妓女が使う枕である。ここの意味は、「買斷」で他の男とは接触がなく、その男が来ないので、ひとり暮らしをしていて、髪型を気にして寝ることが無くなったことを意味する。

43 惹香塵 枕に塵が積もる。香塵はここでは微かに女の香りを残す塵。

 

劉阮信非仙洞客,常娥終是月中人,此生無路訪東鄰。

あの人は、劉郎・阮郎の故事のように仙界の客ではなかったということだった、別れ去って久しく帰らない愛しい男の心は、この館の女の夫になりえなかったのであるし、このおんなは、この月の館の常蛾のように別世界の人となりだれともせっしょくなくくらすというものだし、この世に生を受けたものは、「東隣之佳人」であってもただ見ているだけだったように、もう彼女を訪ねて行くという路はないということなのだ。

44 劉阮信非仙洞客 後漢の劉展、阮肇は天台山に薬草を採りに入り、道に迷って仙女に出合い、しばらくともに暮らした。しかし家のことが思い起こされ、帰ってみると、既に数世が過ぎ、見知った人は誰もいなかった。そこで再び山に尋ね入ったが、仙女を探し当てられなかったと言う。以来、阮郎、劉部は、別れ去る男や別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を指すようになった。劉展、阮肇は、仙女に逢ったけれども、結局、仙女とは無縁の俗世の人間であった。ここではそれを借りて、自分は結局彼女と縁がなかった、と言ったもの。

45 常娥終是月中人 常蛾は結局月世界の人。常蛾は夫が西王母からもらった不老不死の薬を盗んで月に逃げた伝説上の月世界の神女。作中の男主人公が恋い慕う女性が、月世界の神女、常蛾にも等しい別世界の人であることを言ったもの。この句も自分は結局彼女と縁がなかったことを言う。

46 東鄰 「東隣之佳人」東鄰子 宋玉の賦の中に出てくる美人。司馬相如の「美人賦」に「臣之東隣有一女子」と言い、梁江淹の「麗色賦」に「東隣之佳人」と言うように、美人と言えば「東隣」の女として表現するのが漢籍の常で、文選の「好色賦」における「隣之女」「東家之子」や、玉台新詠の徐悱の詩に「東家」とあるのも、同様に理解される。ここでは、独り暮らしの女は、他の男性と接触を断っているということであるから、気軽に訪ねるわけにいかず見ているだけということ。

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15閻選《巻九23臨江仙二首其二》『花間集』425全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7389

閻選  臨江仙二首其二

十二高峯天外寒,竹梢輕拂仙壇。

寶衣行雨在雲端,畫簾深殿,香霧冷風殘。

欲問楚王何處去?翠屏猶掩金鸞。

猿啼明月照空灘,孤舟行客,驚夢亦艱難。

(三峡を下るとき、夢うつつで楚の懐王と神女の夢を見ていたということを詠っている。)

巫山の十二の高峰がつらなる峰々は天地に寒気に覆われている、幽靜な竹林の梢を台座にした佛と仙人が佇んでいる。

雲雨を待つ宝玉に飾られた着物をきた神女に行く雲と通り雨が降りかかり、思いが叶う、綺麗な絵が描かれた簾の奥に祠の宮殿がある、お香が霧がかかったように漂い、冷たい風景がそこには残っている。

楚の懐王は何処に行かれたのでしょうと問いかけてみたいと思う、翡翠の屏風は周りにあり、なお金の鸞鳳の絵に覆われているのでここにいらっしゃるのであろう。

猿が悲愴に叫び、秋の明月が明るく照らしているけれど巫峡の流れはやきがむなしくそこにある。驚いて夢から覚めて煮ればまたこれから次の急流が待っている

《花間集》424巻九23

臨江仙二首其二

全詩訳注解説-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7389

(改訂版Ver.2.1

14 閻選

後蜀の詞人

932年前後に在世

 

 
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              ID                     作品名    作者      

              ■ 閻處士選(閻選【えんせん】)八首                                                  

            1            九巻       虞美人二首,其一   閻選        

            2            九巻       虞美人二首,其二   閻選        

            3            九巻       臨江仙二首,其一   閻選        

            4            九巻       臨江仙二首,其二   閻選        

            5            九巻       浣溪紗一首,          閻選        

            6            九巻       八拍蠻二首,其一   閻選        

            7            九巻       八拍蠻二首,其二   閻選      

 

 

花間集 教坊曲 『臨江仙』 二十六首

張泌

巻四38臨江仙  煙收湘渚秋江靜,蕉花露泣愁紅。五雲雙鶴去無蹤,幾迴魂斷,凝望向長空。翠竹暗留珠淚怨,閑調寶瑟波中,花鬟月鬢綠雲重。古祠深殿,香冷雨和風。

毛文錫

巻五35臨江仙  暮蟬聲盡落斜陽,銀蟾影掛瀟湘。黃陵廟側水茫茫。楚山紅樹,煙雨隔高唐。岸泊漁燈風颭碎,白蘋遠散濃香。靈娥皷琴韻清商,朱絃淒切,雲散碧天長。

牛希濟

巻五36臨江仙七首其一  峭碧參差十二峯,冷煙寒樹重重。瑤宮殿是仙蹤,金鑪珠帳,香靄晝偏濃。一自楚王驚夢斷,人間無路相逢。至今雲雨帶愁容,月斜江上,征棹動晨鐘。

牛希濟

巻五37臨江仙七首其二  謝家仙觀寄雲岑,岩蘿拂地成陰。洞房不閉白雲深,當時丹竈,一粒化黃金。石壁霞衣猶半挂,松風長似鳴琴。時間唳鶴起前林,十洲高會,何處許相尋?

牛希濟

巻五38臨江仙七首其三  渭闕宮城秦樹凋,玉樓獨上無憀。含情不語自吹簫,調情和恨,天路逐風飄。何事乘龍入忽降,似知深意相招。三清攜手路非遙,世間屏障,彩筆劃嬌饒。

牛希濟

巻五39臨江仙七首其四  江繞黃陵春廟閑,嬌鶯獨語關關。滿庭重疊綠苔斑,陰雲無事,四散自歸山。簫鼓聲稀香燼冷,月娥斂盡彎環。風流皆道勝人間,須知狂客,判死為紅顏。

牛希濟

巻五40臨江仙七首其五  素洛春光瀲灩平,千重媚臉初生。淩波羅襪勢輕輕,煙籠日照,珠翠半分明。風引寶衣疑欲舞,鸞迴鳳翥堪驚。也知心許無恐成,陳王辭賦,千載有聲名。

牛希濟

巻五41臨江仙七首其六  柳帶搖風漢水濱,平蕪兩岸爭勻。鴛鴦對浴浪痕新。弄珠遊女,微笑自含春。輕步暗移蟬鬢動,羅裙風惹輕塵。水精宮殿豈無因?空勞纖手,解珮贈情人。

牛希濟

巻五42臨江仙七首其七  洞庭波浪颭晴天,君山一點凝煙。此中真境屬神仙,玉樓珠殿,相映月輪邊。萬里平湖秋色冷,星辰垂影參然。橘林霜重更紅鮮,羅浮山下,有路暗相連。

和凝

巻六16臨江仙二首其一  海棠香老春江晚,小樓霧縠濛。翠鬟初出繡簾中,麝煙鸞珮蘋風。碾玉釵搖鸂鶒戰,雪肌雲鬢將融。含情遙指碧波東,越王臺殿蓼花紅。

和凝

巻六17臨江仙二首其二  披袍窣地紅宮錦,鶯語時囀輕音。碧羅冠子穩犀簪,鳳皇雙颭步搖金。肌骨細勻紅玉軟,臉波微送春心。嬌羞不肯入鴛衾,蘭膏光裏兩情深。

顧夐

巻七32臨江仙三首其一  碧染長空池似鏡,倚樓閑望凝情,滿衣紅藕細香清。象床珍簟,山障掩,玉琴橫。暗想昔時懽笑事,如今贏得愁生。博山鑪暖澹煙輕。蟬吟人靜,殘日傍,小明。

顧夐

巻七33臨江仙三首其二  幽閨小檻春光晚,柳濃花淡鶯稀。舊歡思想尚依依,翠嚬紅斂,終日損芳菲。何事狂夫音信斷,不如梁鷰猶歸。畫意深處麝煙微,屏虛枕冷,風細雨霏霏。

顧夐

巻七34臨江仙三首其三  月色穿簾風入竹,倚屏雙黛愁時。砌花含露兩三枝,如啼恨臉,魂斷損容儀。香燼暗銷金鴨冷,可堪辜負前期。繡襦不整鬢鬟欹,幾多惆悵,情緒在天涯。

孫光憲

巻八15臨江仙二首其一  霜拍井梧幹葉墮,翠幃雕檻初寒。薄鈆殘黛稱花冠,含情無語,延佇倚欄干。杳杳征輪何處去,離愁別恨千般。不堪心緒正多端,鏡奩長掩,無意對孤鸞。

孫光憲

巻八16臨江仙二首其二  暮雨淒淒深院閉,燈前凝坐初更。玉釵低壓鬢雲橫,半垂羅幕,相映燭光明。終是有心投漢珮,低頭但理秦箏。鷰雙鸞耦不勝情,只愁明發,將逐楚雲行。

鹿虔扆

《巻九14臨江仙二首 其一》  重門荒苑靜,綺愁對秋空。翠華一去寂無蹤,玉樓歌吹,聲斷已隨風。煙月不知人事改,夜闌還照深宮。藕花相向野塘中,暗傷亡國,清露泣香紅

鹿虔扆

《巻九15臨江仙二首 其二》  無賴曉鶯驚夢斷,起來殘醉初醒。映絲柳煙青,翠簾慵卷,約砌杏花零。一自玉郎遊冶去,蓮凋月慘儀形。暮天微雨灑閑庭,手裙帶,無語倚雲屏

閻選

《巻九22臨江仙二首其一》  雨停荷逗濃香,岸邊噪垂楊。物華空有舊池塘,不逢仙子,何處夢襄王。珍簟對欹鴛枕冷,此來塵暗淒涼。欲憑危檻恨偏長,藕花珠綴,猶似汗凝粧

閻選

《巻九23臨江仙二首其二》  十二高峯天外寒,竹梢輕拂仙壇。寶衣行雨在雲端,畫簾深殿,香霧冷風殘。欲問楚王何處去?翠屏猶掩金鸞。猿啼明月照空灘,孤舟行客,驚夢亦艱難。

尹鶚

《巻九28臨江仙二首其一》  一番荷生池沼,檻前風送馨香。昔年於此伴蕭娘,相佇立,牽惹敘衷腸。時逞笑容無限態,還如菡萏爭芳。別來遣思悠,慵窺往事,金小蘭房

尹鶚

《巻九29臨江仙二首其二》  深秋寒夜銀河靜,月明深院中庭。西幽夢等閑成,逡巡覺後,特地恨難平。紅燭半條殘短,依稀暗背銀屏。枕前何事最傷情,梧桐葉上,點點露珠零

毛熙震

《巻九41臨江仙二首其一》  南齊天子寵嬋娟,六宮羅綺三千。潘妃嬌獨芳妍,椒房蘭洞,雲雨降神仙。縱態迷歡心不足,風流可惜當年。纖腰婉約金蓮,妖君傾國,猶自至今傳

毛熙震

《巻九42臨江仙二首其二》  幽閨欲曙聞鶯囀,紅月影微明。好風頻謝落花聲,隔幃殘燭,猶照綺屏箏。被錦茵眠玉暖,香斜煙輕。澹蛾羞斂不勝情,暗思閑夢,何處逐雲行

李珣

《巻十24臨江仙二首其一》  簾卷池心小閣虛,暫涼閑步徐徐。芰荷經雨半凋疎,拂堤垂柳,蟬噪夕陽餘。不語低鬟幽思遠,玉釵斜墜雙魚。幾迴看寄來書,離情別恨,相隔欲何如。

李珣

《巻十25臨江仙二首其二》  鶯報簾前暖日紅,玉鑪殘麝猶濃。起來閨思尚疎慵,別愁春夢,誰解此情悰。強整嬌姿臨寶鏡,小池一芙蓉。舊歡無處再尋蹤,更堪迴顧,屏畫九疑峯。

 

 

 

臨江仙二首

 

臨江仙二首其一

(年を重ねた妓優であったものが道女になり、男を待つが、多情ものの男は来ることはない。さびしく侘しい女を詠う)

雨停荷芰逗濃香,岸邊蟬噪垂楊。

降り続いていた雨が止んで、通観の池からそよ吹く風が蓮や菱の濃き香りを運んでくるのでしばらくその場に留まる、岸の柳に蝉の声が満ち、垂れた柳の枝がそよ風に揺れる。

物華空有舊池塘,不逢仙子,何處夢襄王。

この美しき景色にここにはだれもいないのであるが、ただこの前まで若草が芽吹いていた池堤があるばかり、雲雨に化身する仙女に逢うこともない、だから、何処で楚の裏王は夢にであった仙女に逢おうというのだろう。

珍簟對欹鴛枕冷,此來塵暗淒涼。

秋が来たというのに珍しい簟のシーツが敷かれたままで、屏風は壁にそばだてて、鴛鴦の枕の一つは使うこともないので冷ややかなままである、近頃は、塵積もるほどで寂しく、侘しい閑に包まれている。

欲憑危檻恨偏長,藕花珠綴,猶似汗凝粧。

高殿にのぼって手すりに倚りかかって都の方を眺めるだけで、恨みは尽きはしない、あの糸を引く蓮根には花が咲き、葉の上に露の珠が綴られている、それは、あの人と過ごした時の装える顔にふきでた汗のように見えて、またあの頃のことをおもいだしてしまう。

(臨江仙二首其の一)

雨停み 荷芰 濃香を逗め,岸邊 蟬噪して 楊を垂る。

物華空しく 舊き池塘有り,仙子に逢わず,何處にか襄王を夢みん。

珍簟 對して欹てて鴛枕冷やかなり,此來 塵暗く淒涼たり。

危檻に憑らんと欲すれども恨み偏長するばかり,藕の花 珠 綴り,猶お 汗 凝粧に似たり。

 

 

臨江仙二首其二

(三峡を下るとき、夢うつつで楚の懐王と神女の夢を見ていたということを詠っている。)

十二高峯天外寒,竹梢輕拂仙壇。

巫山の十二の高峰がつらなる峰々は天地に寒気に覆われている、幽靜な竹林の梢を台座にした佛と仙人が佇んでいる。

寶衣行雨在雲端,畫簾深殿,香霧冷風殘。

雲雨を待つ宝玉に飾られた着物をきた神女に行く雲と通り雨が降りかかり、思いが叶う、綺麗な絵が描かれた簾の奥に祠の宮殿がある、お香が霧がかかったように漂い、冷たい風景がそこには残っている。

欲問楚王何處去?翠屏猶掩金鸞。

楚の懐王は何処に行かれたのでしょうと問いかけてみたいと思う、翡翠の屏風は周りにあり、なお金の鸞鳳の絵に覆われているのでここにいらっしゃるのであろう。

猿啼明月照空灘,孤舟行客,驚夢亦艱難。

猿が悲愴に叫び、秋の明月が明るく照らしているけれど巫峡の流れはやきがむなしくそこにある。驚いて夢から覚めて煮ればまたこれから次の急流が待っている。

(臨江仙二首其の二)

十二の高峯 天外寒し,竹梢 輕やかに 拂仙の壇とす。

寶衣 行雨 雲端に在り,畫簾 深く殿し,香霧 冷やかに風 殘る。

楚王 何處に去らん?と問わんと欲せば、翠屏 猶の金鸞を掩う。

猿啼いて 明月 空灘を照らし,孤舟 行客,夢に驚き亦た艱難たり。

 

巫山十二峰002
 

『臨江仙二首其二』 現代語訳と訳註

(本文)

臨江仙二首其二

十二高峯天外寒,竹梢輕拂仙壇。

寶衣行雨在雲端,畫簾深殿,香霧冷風殘。

欲問楚王何處去?翠屏猶掩金鸞。

猿啼明月照空灘,孤舟行客,驚夢亦艱難。

 

 

(下し文)

(臨江仙二首其の二)

十二の高峯 天外寒し,竹梢 輕やかに 拂仙の壇とす。

寶衣 行雨 雲端に在り,畫簾 深く殿し,香霧 冷やかに風 殘る。

楚王 何處に去らん?と問わんと欲せば、翠屏 猶の金鸞を掩う。

猿啼いて 明月 空灘を照らし,孤舟 行客,夢に驚き亦た艱難たり。

 

(現代語訳)

(三峡を下るとき、夢うつつで楚の懐王と神女の夢を見ていたということを詠っている。)

巫山の十二の高峰がつらなる峰々は天地に寒気に覆われている、幽靜な竹林の梢を台座にした佛と仙人が佇んでいる。

雲雨を待つ宝玉に飾られた着物をきた神女に行く雲と通り雨が降りかかり、思いが叶う、綺麗な絵が描かれた簾の奥に祠の宮殿がある、お香が霧がかかったように漂い、冷たい風景がそこには残っている。

楚の懐王は何処に行かれたのでしょうと問いかけてみたいと思う、翡翠の屏風は周りにあり、なお金の鸞鳳の絵に覆われているのでここにいらっしゃるのであろう。

猿が悲愴に叫び、秋の明月が明るく照らしているけれど巫峡の流れはやきがむなしくそこにある。驚いて夢から覚めて煮ればまたこれから次の急流が待っている。

 

巫山十二峰004
花間集 白梅
 

(訳注)

臨江仙二首其二

(三峡を下るとき、夢うつつで楚の懐王と神女の夢を見ていたということを詠っている。)

『花間集』には閻選の作が八首、臨江仙は二首収められている。双調五十八字、前後段二十九字五句三平韻で、⑦⑥⑦4⑤/7⑥⑦4⑤の詞形をとる。

十二高峯天外  竹梢輕拂仙
寶衣行雨在雲  畫簾深殿 香霧冷風  

欲問楚王何處去 翠屏猶掩金
猿啼明月照空  孤舟行客 驚夢亦艱

●●○○○●○  ●△△●○○

●△△●●○○  ●○△● ○△△△○

●●●△△●● ●△△●○○

○○○●●△△  ○○△● ○△●○△

 

十二高峯天外寒,竹梢輕拂仙壇。

巫山の十二の高峰がつらなる峰々は天地に寒気に覆われている、幽靜な竹林の梢を台座にした佛と仙人が佇んでいる。

38 十二高峯 巫山(ふざん)は中国・重慶市巫山県と湖北省の境にある名山。長江が山中を貫流して、巫峡を形成。山は重畳して天日を隠蔽するという。巫山十二峰と言われ、その中で代表的なものに神女峰がある。

麻姑山仙壇記

建碑:唐・大暦6年(771年)顔眞卿は大暦3年に江南道の撫州刺史として、撫州に赴任した。仙女麻姑の伝承をもつ麻姑山は、この撫州に属する南城縣にあり、現在は、江西省の南昌から東南に旰江を遡ったところ、本碑は、麻姑が得道したと伝えられる土壇の傍に顔眞卿がその伝説や仙壇・祠堂の由来を書き記して、石に刻した。

巫山は四川盆地の東半部に多数平行して走る褶曲山脈の中でも最も大きく最も東にある山脈で、四川盆地の北東の境界に北西から南東へ走る褶曲山脈の大巴山脈へと合わさってゆく。長さは40km余り、主峰の烏雲頂は海抜2,400mに達する。

西から流れてきた長江は北西から南東方向へ向けて巫山山脈を貫き、高低差が高く幅の狭い巫峡になっている。また霧や雨が多く、長年の雨で浸食された石灰岩の峰が霧の中で奇怪な形でそそり立つ。

楚の懐王がみた夢を題材にした宋玉の「高唐賦」に登場する。その内容は巫山の神女が懐王と夢の中で出会い、親しく交わるというものである。なかでも、朝には雲に、夕方には雨になって会いたいという神女の言葉が有名となり、巫山雲雨や朝雲暮雨など男女のかなり親密な様子を表す熟語が生まれた。この故事を題材とした詩に劉禹錫の「巫山神女峰」がある。

 

寶衣行雨在雲端,畫簾深殿,香霧冷風殘。

雲雨を待つ宝玉に飾られた着物をきた神女に行く雲と通り雨が降りかかり、思いが叶う、綺麗な絵が描かれた簾の奥に祠の宮殿がある、お香が霧がかかったように漂い、冷たい風景がそこには残っている。

39 寶衣 ・寶衣 宝玉と絹の衣裳。

秦州抒情詩 杜甫《即時》

聞道花門破,和親事卻非。

人憐漢公主,生得渡河歸。

秋思雲髻,腰肢勝寶衣。

群凶猶索戰,回首意多違。

即事 杜甫 <290> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1337 杜甫詩 700- 410

 

欲問楚王何處去?翠屏猶掩金鸞。

楚の懐王は何処に行かれたのでしょうと問いかけてみたいと思う、翡翠の屏風は周りにあり、なお金の鸞鳳の絵に覆われているのでここにいらっしゃるのであろう。

40 楚王 楚王 春秋戦国時代の楚の王。古代の南部中国の帝王。靈王、襄王、懷王、莊王などか。ここでは、巫山の夢であるから、宋玉《高唐賦》懐王である。

司馬相如《子虛賦》「於是楚王乃登陽雲之臺,泊乎無為,澹乎自持,勺藥之和具而後御之。」(是に於て楚王 乃ち陽雲の臺に登りて,泊乎【はくこ】として為す無く,澹乎として自ら持す,勺藥【しゃくやく】の和を具【そな】わりて後に之を御す。)司馬相如 《子虚賦 》(19#8-1 文選 賦<109-#8-19分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩898 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3038

41 翠屏 翡翠の屏風で、男女まじわる際、寝牀のまわりに立てる。

42 金鸞 金の鸞鳳、鳳凰を屏風、とばりなどに、つがいで描く。

 

猿啼明月照空灘,孤舟行客,驚夢亦艱難。

猿が悲愴に叫び、秋の明月が明るく照らしているけれど巫峡の流れはやきがむなしくそこにある。驚いて夢から覚めて煮ればまたこれから次の急流が待っている。

43 孤舟行客 三峡、灔澦堆を下るのは命がけであったのでその前に港で女性と交わって次の日に下ってゆく。下る船の中で、昨晩のことと、楚王と神女のことがダブってしまい、夢が醒めると次の急流に向かう、というのがこの詩である。

劉禹錫《巫山神女廟》

巫山十二鬱蒼蒼,片石亭亭號女郎。

曉霧乍開疑卷幔,山花欲謝似殘妝。

星河好夜聞清佩,雲雨歸時帶異香。

何事神仙九天上,人間來就楚襄王。

(巫山の神女峰 劉禹錫)

巫山十二 鬱として蒼蒼、片石亭亭 女郎と号す

暁霧 乍ち開いて幔を巻けるかと疑い、山花 謝まんと欲して妝を残うに似たり

星河の好夜 清佩を聞き、雲雨 帰る時 異香を帯ぶ

何事ぞ 神仙 九天の上より、人間 来たりて 楚の襄王に就けり

 


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15閻選《巻九22臨江仙二首其一》『花間集』424全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7384

閻選  臨江仙二首其一

雨停荷芰逗濃香,岸邊蟬噪垂楊。物華空有舊池塘,不逢仙子,何處夢襄王。

珍簟對欹鴛枕冷,此來塵暗淒涼。欲憑危檻恨偏長,藕花珠綴,猶似汗凝粧。

(年を重ねた妓優であったものが道女になり、男を待つが、多情ものの男は来ることはない。さびしく侘しい女を詠う)

降り続いていた雨が止んで、通観の池からそよ吹く風が蓮や菱の濃き香りを運んでくるのでしばらくその場に留まる、岸の柳に蝉の声が満ち、垂れた柳の枝がそよ風に揺れる。この美しき景色にここにはだれもいないのであるが、ただこの前まで若草が芽吹いていた池堤があるばかり、雲雨に化身する仙女に逢うこともない、だから、何処で楚の裏王は夢にであった仙女に逢おうというのだろう。秋が来たというのに珍しい簟のシーツが敷かれたままで、屏風は壁にそばだてて、鴛鴦の枕の一つは使うこともないので冷ややかなままである、近頃は、塵積もるほどで寂しく、侘しい閑に包まれている。高殿にのぼって手すりに倚りかかって都の方を眺めるだけで、恨みは尽きはしない、あの糸を引く蓮根には花が咲き、葉の上に露の珠が綴られている、それは、あの人と過ごした時の装える顔にふきでた汗のように見えて、またあの頃のことをおもいだしてしまう。

《花間集》424巻九22

臨江仙二首其一

全詩訳注解説-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7384

(改訂版Ver.2.1

14 閻選

後蜀の詞人

932年前後に在世

 

 

 
  2016年2月23日 の紀頌之5つのBlog  
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              ID                     作品名    作者      

              ■ 閻處士選(閻選【えんせん】)八首                                                  

            1            九巻       虞美人二首,其一   閻選        

            2            九巻       虞美人二首,其二   閻選        

            3            九巻       臨江仙二首,其一   閻選        

            4            九巻       臨江仙二首,其二   閻選        

            5            九巻       浣溪紗一首,          閻選        

            6            九巻       八拍蠻二首,其一   閻選        

            7            九巻       八拍蠻二首,其二   閻選      

 

 

花間集 教坊曲 『臨江仙』 二十六首

張泌

巻四38臨江仙  煙收湘渚秋江靜,蕉花露泣愁紅。五雲雙鶴去無蹤,幾迴魂斷,凝望向長空。翠竹暗留珠淚怨,閑調寶瑟波中,花鬟月鬢綠雲重。古祠深殿,香冷雨和風。

毛文錫

巻五35臨江仙  暮蟬聲盡落斜陽,銀蟾影掛瀟湘。黃陵廟側水茫茫。楚山紅樹,煙雨隔高唐。岸泊漁燈風颭碎,白蘋遠散濃香。靈娥皷琴韻清商,朱絃淒切,雲散碧天長。

牛希濟

巻五36臨江仙七首其一  峭碧參差十二峯,冷煙寒樹重重。瑤宮殿是仙蹤,金鑪珠帳,香靄晝偏濃。一自楚王驚夢斷,人間無路相逢。至今雲雨帶愁容,月斜江上,征棹動晨鐘。

牛希濟

巻五37臨江仙七首其二  謝家仙觀寄雲岑,岩蘿拂地成陰。洞房不閉白雲深,當時丹竈,一粒化黃金。石壁霞衣猶半挂,松風長似鳴琴。時間唳鶴起前林,十洲高會,何處許相尋?

牛希濟

巻五38臨江仙七首其三  渭闕宮城秦樹凋,玉樓獨上無憀。含情不語自吹簫,調情和恨,天路逐風飄。何事乘龍入忽降,似知深意相招。三清攜手路非遙,世間屏障,彩筆劃嬌饒。

牛希濟

巻五39臨江仙七首其四  江繞黃陵春廟閑,嬌鶯獨語關關。滿庭重疊綠苔斑,陰雲無事,四散自歸山。簫鼓聲稀香燼冷,月娥斂盡彎環。風流皆道勝人間,須知狂客,判死為紅顏。

牛希濟

巻五40臨江仙七首其五  素洛春光瀲灩平,千重媚臉初生。淩波羅襪勢輕輕,煙籠日照,珠翠半分明。風引寶衣疑欲舞,鸞迴鳳翥堪驚。也知心許無恐成,陳王辭賦,千載有聲名。

牛希濟

巻五41臨江仙七首其六  柳帶搖風漢水濱,平蕪兩岸爭勻。鴛鴦對浴浪痕新。弄珠遊女,微笑自含春。輕步暗移蟬鬢動,羅裙風惹輕塵。水精宮殿豈無因?空勞纖手,解珮贈情人。

牛希濟

巻五42臨江仙七首其七  洞庭波浪颭晴天,君山一點凝煙。此中真境屬神仙,玉樓珠殿,相映月輪邊。萬里平湖秋色冷,星辰垂影參然。橘林霜重更紅鮮,羅浮山下,有路暗相連。

和凝

巻六16臨江仙二首其一  海棠香老春江晚,小樓霧縠濛。翠鬟初出繡簾中,麝煙鸞珮蘋風。碾玉釵搖鸂鶒戰,雪肌雲鬢將融。含情遙指碧波東,越王臺殿蓼花紅。

和凝

巻六17臨江仙二首其二  披袍窣地紅宮錦,鶯語時囀輕音。碧羅冠子穩犀簪,鳳皇雙颭步搖金。肌骨細勻紅玉軟,臉波微送春心。嬌羞不肯入鴛衾,蘭膏光裏兩情深。

顧夐

巻七32臨江仙三首其一  碧染長空池似鏡,倚樓閑望凝情,滿衣紅藕細香清。象床珍簟,山障掩,玉琴橫。暗想昔時懽笑事,如今贏得愁生。博山鑪暖澹煙輕。蟬吟人靜,殘日傍,小明。

顧夐

巻七33臨江仙三首其二  幽閨小檻春光晚,柳濃花淡鶯稀。舊歡思想尚依依,翠嚬紅斂,終日損芳菲。何事狂夫音信斷,不如梁鷰猶歸。畫意深處麝煙微,屏虛枕冷,風細雨霏霏。

顧夐

巻七34臨江仙三首其三  月色穿簾風入竹,倚屏雙黛愁時。砌花含露兩三枝,如啼恨臉,魂斷損容儀。香燼暗銷金鴨冷,可堪辜負前期。繡襦不整鬢鬟欹,幾多惆悵,情緒在天涯。

孫光憲

巻八15臨江仙二首其一  霜拍井梧幹葉墮,翠幃雕檻初寒。薄鈆殘黛稱花冠,含情無語,延佇倚欄干。杳杳征輪何處去,離愁別恨千般。不堪心緒正多端,鏡奩長掩,無意對孤鸞。

孫光憲

巻八16臨江仙二首其二  暮雨淒淒深院閉,燈前凝坐初更。玉釵低壓鬢雲橫,半垂羅幕,相映燭光明。終是有心投漢珮,低頭但理秦箏。鷰雙鸞耦不勝情,只愁明發,將逐楚雲行。

鹿虔扆

《巻九14臨江仙二首 其一》  重門荒苑靜,綺愁對秋空。翠華一去寂無蹤,玉樓歌吹,聲斷已隨風。煙月不知人事改,夜闌還照深宮。藕花相向野塘中,暗傷亡國,清露泣香紅

鹿虔扆

《巻九15臨江仙二首 其二》  無賴曉鶯驚夢斷,起來殘醉初醒。映絲柳煙青,翠簾慵卷,約砌杏花零。一自玉郎遊冶去,蓮凋月慘儀形。暮天微雨灑閑庭,手裙帶,無語倚雲屏

閻選

《巻九22臨江仙二首其一》  雨停荷逗濃香,岸邊噪垂楊。物華空有舊池塘,不逢仙子,何處夢襄王。珍簟對欹鴛枕冷,此來塵暗淒涼。欲憑危檻恨偏長,藕花珠綴,猶似汗凝粧

閻選

《巻九23臨江仙二首其二》  十二高峯天外寒,竹梢輕拂仙壇。寶衣行雨在雲端,畫簾深殿,香霧冷風殘。欲問楚王何處去?翠屏猶掩金鸞。猿啼明月照空灘,孤舟行客,驚夢亦艱難。

尹鶚

《巻九28臨江仙二首其一》  一番荷生池沼,檻前風送馨香。昔年於此伴蕭娘,相佇立,牽惹敘衷腸。時逞笑容無限態,還如菡萏爭芳。別來遣思悠,慵窺往事,金小蘭房

尹鶚

《巻九29臨江仙二首其二》  深秋寒夜銀河靜,月明深院中庭。西幽夢等閑成,逡巡覺後,特地恨難平。紅燭半條殘短,依稀暗背銀屏。枕前何事最傷情,梧桐葉上,點點露珠零

毛熙震

《巻九41臨江仙二首其一》  南齊天子寵嬋娟,六宮羅綺三千。潘妃嬌獨芳妍,椒房蘭洞,雲雨降神仙。縱態迷歡心不足,風流可惜當年。纖腰婉約金蓮,妖君傾國,猶自至今傳

毛熙震

《巻九42臨江仙二首其二》  幽閨欲曙聞鶯囀,紅月影微明。好風頻謝落花聲,隔幃殘燭,猶照綺屏箏。被錦茵眠玉暖,香斜煙輕。澹蛾羞斂不勝情,暗思閑夢,何處逐雲行

李珣

《巻十24臨江仙二首其一》  簾卷池心小閣虛,暫涼閑步徐徐。芰荷經雨半凋疎,拂堤垂柳,蟬噪夕陽餘。不語低鬟幽思遠,玉釵斜墜雙魚。幾迴看寄來書,離情別恨,相隔欲何如。

李珣

《巻十25臨江仙二首其二》  鶯報簾前暖日紅,玉鑪殘麝猶濃。起來閨思尚疎慵,別愁春夢,誰解此情悰。強整嬌姿臨寶鏡,小池一芙蓉。舊歡無處再尋蹤,更堪迴顧,屏畫九疑峯。

 

 

 

臨江仙二首

 

臨江仙二首其一

(年を重ねた妓優であったものが道女になり、男を待つが、多情ものの男は来ることはない。さびしく侘しい女を詠う)

雨停荷芰逗濃香,岸邊蟬噪垂楊。

降り続いていた雨が止んで、通観の池からそよ吹く風が蓮や菱の濃き香りを運んでくるのでしばらくその場に留まる、岸の柳に蝉の声が満ち、垂れた柳の枝がそよ風に揺れる。

物華空有舊池塘,不逢仙子,何處夢襄王。

この美しき景色にここにはだれもいないのであるが、ただこの前まで若草が芽吹いていた池堤があるばかり、雲雨に化身する仙女に逢うこともない、だから、何処で楚の裏王は夢にであった仙女に逢おうというのだろう。

珍簟對欹鴛枕冷,此來塵暗淒涼。

秋が来たというのに珍しい簟のシーツが敷かれたままで、屏風は壁にそばだてて、鴛鴦の枕の一つは使うこともないので冷ややかなままである、近頃は、塵積もるほどで寂しく、侘しい閑に包まれている。

欲憑危檻恨偏長,藕花珠綴,猶似汗凝粧。

高殿にのぼって手すりに倚りかかって都の方を眺めるだけで、恨みは尽きはしない、あの糸を引く蓮根には花が咲き、葉の上に露の珠が綴られている、それは、あの人と過ごした時の装える顔にふきでた汗のように見えて、またあの頃のことをおもいだしてしまう。

(臨江仙二首其の一)

雨停み 荷芰 濃香を逗め,岸邊 蟬噪して 楊を垂る。

物華空しく 舊き池塘有り,仙子に逢わず,何處にか襄王を夢みん。

珍簟 對して欹てて鴛枕冷やかなり,此來 塵暗く淒涼たり。

危檻に憑らんと欲すれども恨み偏長するばかり,藕の花 珠 綴り,猶お 汗 凝粧に似たり。

 

臨江仙二首其二

十二高峯天外寒,竹梢輕拂仙壇。

寶衣行雨在雲端,畫簾深殿,香霧冷風殘。

欲問楚王何處去?翠屏猶掩金鸞。

猿啼明月照空灘,孤舟行客,驚夢亦艱難。

 

Flower1-008
 

『臨江仙二首其一』 現代語訳と訳註

(本文)

臨江仙二首其一

雨停荷芰逗濃香,岸邊蟬噪垂楊。

物華空有舊池塘,不逢仙子,何處夢襄王。

珍簟對欹鴛枕冷,此來塵暗淒涼。

欲憑危檻恨偏長,藕花珠綴,猶似汗凝粧。

 

(下し文)

(臨江仙二首其の一)

雨停み 荷芰 濃香を逗め,岸邊 蟬噪して 楊を垂る。

物華空しく 舊き池塘有り,仙子に逢わず,何處にか襄王を夢みん。

珍簟 對して欹てて鴛枕冷やかなり,此來 塵暗く淒涼たり。

危檻に憑らんと欲すれども恨み偏長するばかり,藕の花 珠 綴り,猶お 汗 凝粧に似たり。

 

(現代語訳)

(年を重ねた妓優であったものが道女になり、男を待つが、多情ものの男は来ることはない。さびしく侘しい女を詠う)

降り続いていた雨が止んで、通観の池からそよ吹く風が蓮や菱の濃き香りを運んでくるのでしばらくその場に留まる、岸の柳に蝉の声が満ち、垂れた柳の枝がそよ風に揺れる。

この美しき景色にここにはだれもいないのであるが、ただこの前まで若草が芽吹いていた池堤があるばかり、雲雨に化身する仙女に逢うこともない、だから、何処で楚の裏王は夢にであった仙女に逢おうというのだろう。

秋が来たというのに珍しい簟のシーツが敷かれたままで、屏風は壁にそばだてて、鴛鴦の枕の一つは使うこともないので冷ややかなままである、近頃は、塵積もるほどで寂しく、侘しい閑に包まれている。

高殿にのぼって手すりに倚りかかって都の方を眺めるだけで、恨みは尽きはしない、あの糸を引く蓮根には花が咲き、葉の上に露の珠が綴られている、それは、あの人と過ごした時の装える顔にふきでた汗のように見えて、またあの頃のことをおもいだしてしまう。

紅梅004
 

(訳注)

臨江仙二首其一

(年を重ねた妓優であったものが道女になり、男を待つが、多情ものの男は来ることはない。さびしく侘しい女を詠う)

27 【解説】 正妻に認められず道女となって、男を毎日待っている女性を詠う。前段は、かつてあの人と共に遊んだ池塘にはくさがおいしげり、男は行方は知れず、せめて夢の中に男に逢おうとしても、女には待つことだけが許されている。一夫多妻制、通い婚が基本の時代、再会を果たせぬ悲しみを述べる。後段は、この頃は簟もそのまま、枕にも塵が積もったままの侘しい限りで、高殿に身を寄せて遥かに男を偲べば、恨みは尽きることなく、露置く蓮の花に、在りし日の汗した男の顔を思い浮かべると、男への思慕の情を綴る。

妓女は、「買斷」の場合、娼屋の離れ、房に囲われ、そこで一生男を待つ、身請けをして妾となる場合、正妻が家妓を認めない場合の多くは、道女となって道観の離れで男を待つということが多かった。いずれにしても、こうした女性は、若い間に「離れ」「奥座敷」に住まわれるように努力をすることが一番であった。

『花間集』には閻選の作が八首、臨江仙は二首収められている。双調五十八字、前後段二十九字五句三平韻で、⑦⑥⑦4⑤/⑦⑥⑦4⑤の詞形をとる。

雨停荷芰逗濃香  岸邊蟬噪垂
物華空有舊池塘 不逢仙子 何處夢襄

珍簟對欹鴛枕 此來塵暗淒

欲憑危檻恨偏長 藕花珠綴  猶似汗凝

●○△●●○○  ●○○●○○

●△△●●○○  △○○● △●△○△ 

○●●○○△△ ●△○●○△ 

●○○●●△△ ●○○●  △●△△?

 

雨停荷芰逗濃香,岸邊蟬噪垂楊。

降り続いていた雨が止んで、通観の池からそよ吹く風が蓮や菱の濃き香りを運んでくるのでしばらくその場に留まる、岸の柳に蝉の声が満ち、垂れた柳の枝がそよ風に揺れる。

28 芰荷 .蓮の葉。菱と蓮。《楚辞·離騒7段「製芰荷以衣兮,集芙蓉以裳。」(芰と荷を製して以て衣と爲し,集芙蓉以裳。菱と蓮の葉を裁縫して上衣とし、蓮の花を集めて袴とする。

29 逗 (1) からかう,かまう,あやす.(2) 誘う,招く。逗人笑人を笑わせる.(3) 《方》笑わせる。(4)留まる.

30 蟬噪 せんそう【蝉噪・蟬噪・蝉騒・蟬騒】. . (せみ)がさわがしく鳴くこと。 . 多くの人がさわがしく言い立てること。

 

物華空有舊池塘,不逢仙子,何處夢襄王。

この美しき景色にここにはだれもいないのであるが、ただこの前まで若草が芽吹いていた池堤があるばかり、雲雨に化身する仙女に逢うこともない、だから、何処で楚の裏王は夢にであった仙女に逢おうというのだろう。

31 物華 美しい風物。

32 旧池塘 今は初夏で草が茂るだけだが、少し前には春の息吹、若草が一面に生えていて、行楽でにぎわった「池塘」である。謝靈運《登池上樓》「初景革緒風,新陽改故陰。池塘生春草,園柳變鳴禽。」(初景【はつはる】は緒風を革【あらた】め、新陽は故き蔭【ふゆ】を改む。池の塘【つつみ】は春の草生じ、園の柳に鳴く禽【とり】も変りぬ。)

初春の景色は去年の秋冬の名残の風を改めている、新しい日の光が照り、去年の冬の名残りの陰気はすっかり改まっている。

昔なじみのある池。旧は以前から知っている、の意もあるが、ここはこの池塘で行楽での男女が遊んでいたところという意味である。そうでなければ、後ろ二句に宋玉の《高都賦》を持ってきた意味が淡泊なことになり、それでは味わい深くない。

33 仙子 仙女。ここでは仙女のように美しい女の意。おそらく道女であろう。

34 何処夢襄王 襄王はどこで夢に仙女と逢ったらよいのか。押韻のために「何処襄王夢」の語順が変わったもの。楚の襄王が高唐に遊び夢の中で巫山の神女と情を交わした故事に基づく。ここではこの故事を借りて、かつて睦み合った道女にせめて夢の中で逢いたいが、どこを尋ねたらよいのか、という意味。

 

珍簟對欹鴛枕冷,此來塵暗淒涼。

秋が来たというのに珍しい簟のシーツが敷かれたままで、屏風は壁にそばだてて、鴛鴦の枕の一つは使うこともないので冷ややかなままである、近頃は、塵積もるほどで寂しく、侘しい閑に包まれている。

35 鴛枕冷 オシドリの刺繍のある枕は冷たい。独り寝の催しさを言ったもの。

36 此来 近頃。

 

欲憑危檻恨偏長,藕花珠綴,猶似汗凝粧。

高殿にのぼって手すりに倚りかかって都の方を眺めるだけで、恨みは尽きはしない、あの糸を引く蓮根には花が咲き、葉の上に露の珠が綴られている、それは、あの人と過ごした時の装える顔にふきでた汗のように見えて、またあの頃のことをおもいだしてしまう。

37 危檻 高所の手すり、高殿の手すり。

 

 

 

花間集 閻選 虞美人二首 臨江仙二首【字解】

 

1 粉融 おしろいがとけてくずれる。

2 蓮房綻 蓮の花の花弁はほころびる、縫い目がほどける。破れる。

3 紅膩 頬を赤くし顔が油出て驅。

4 蓮房綻 宮女の閨に鍵をかける。

5 臉動 顔が動く。

6 雙波慢 二つの波がゆっくりと動く。慢【まん】[常用漢字][音]マン(呉)1 心がゆるんで締まりがない。「怠慢」2 速度や進行がだらだらと遅い。「慢性/緩慢」3 他をみくびっておごる。

7 小魚 この句は情事の性描写で訳しにくいこと。

8 鬢釵橫 簪を髪につけて横たわっている

9 石榴 赤身ザクロのほかに、白い水晶ザクロや果肉が黒いザクロなどがあり、アメリカ合衆国ではワンダフル、ルビーレッドなど、中国では水晶石榴、剛石榴、大紅石榴などの品種が多く栽培されている。

10 轉娉婷 【へいてい】.ひたすら、婦人の姿や振舞いが優雅な,美しい.

11  なおざりの時期。一時のがれを約束する。

12 夢雲兼雨 雲雨は情交、高唐賦、朝雲暮雨、男女が愛し合い、片時も離れていられないほどの深い仲であることのたとえ。男女の情交のことも。楚(そ)の懐王(かいおう)が夢の中で情を交わした女神が立ち去る時に、「朝は雲に、日暮れには雨となり、朝な夕なあなたのそばにおります」といったことから。

13 臂留 あの方の腕の中の温もりが残る。

14 檀印 閨の寝牀にはお香の香りが残る。檀:寝牀。檀香。 前蜀休《桐江居》之三:「静室焚檀印,深炉烧铁瓶。...

15 齒痕香 キスマークにも香りが残る。

16 楚腰 楚の細腰

17 蠐領 首はすく蟲のよう。木の中に巣食うスクモ蟲のようにしろくてながく、ほっそりしている首筋。《詩経衛風碩人》「手如柔荑,膚如凝脂,領如蝤蠐,齒如瓠犀,螓首蛾眉。」(領は蝤蠐【しゅうせい】の如し)手は初めて伸びた柔らかい荑のようで、しなやかである。肌は凝り固まった脂肪のように白くてこってりと引き締まって清く、首筋のしなやかであるのは、木の中に巣食うスクモ蟲のようにしろくてながく、ほっそりしている。

18 蠐螬  地中にいる昆虫。コガネムシ類の幼虫を主にいう。地虫(じむし)。せいそう。《季 秋》

19 團 1 まるい。まるくまとまる。「団扇(だんせん)・団団・団欒(だんらん)/大団円」2 ひとかたまりに集まったもの。「団塊・団結・団地/一団・星団・船団・寒気団・原子団」3 同類の人の集まり。人が集まってつくる組織。「団員・団体・団長/楽団・球団・教団・結団・公団・集団・退団・入団・兵団」4 「団体」の略。「団交/経団連」〈トン〉まるい。まるいもの。「団栗(どんぐり)/金団・水団・炭団(たどん)・蒲団(ふとん)」[名のり]あつ・まどか・まる

20 月蛾 月に上った嫦娥のように美しい。嫦娥(じょうが、こうが)は、中国神話に登場する人物。后羿の妻。姮娥とも表記する。『淮南子』覧冥訓によれば、もとは仙女だったが地上に下りた際に不死でなくなったため、夫の后羿が西王母からもらい受けた不死の薬を盗んで飲み、月に逃げ、蝦蟇になったと伝えられる。別の話では、后羿が離れ離れになった嫦娥をより近くで見るために月に向かって供え物をしたのが、月見の由来だとも伝えている。道教では、嫦娥を月神とみなし、「太陰星君」さらに「月宮黄華素曜元精聖後太陰元君」「月宮太陰皇君孝道明王」と呼び、中秋節に祀っている。「嫦」は「姮」の異体字で同じ意味である。前漢の文帝の名が「恒」であるため、字形のよく似た「姮」を避諱して「嫦」を用いるようになった。日本では百姓読みにより旁の「常」から「じょう」と読まれるようになったが、本来の読み通りに「こう」と読む場合もある。

21 笑微 麗しの傾国の美女の微笑。美しすぎるとその美しさに一人だけ寵愛すると天下の平穏が乱され、国を傾けることになる。唐の宣宗の事例がある。穏健な抑制政策を採用するなどの社会の安定を図ったので聖帝とされたが、献上された美女を数日寵愛し、その後後宮から追放しても朕の思いが残るだけと「沈毒盃」により葬った。

22 勻 読み:イン訓読み:すくない、 ひとしい。

23 水紋簟 晩春から初秋まで寝牀のシーツとして敷かれる高価なもの。

24 青紗帳 春に垂らされたうす絹のとばり、夏を過ぎると、白絹に替えられるものである。

25 霧罩 霧が大地にかぶさる

  この二句は、宮女への寵愛は亡くなってしまった様子をいう。水紋簟・青紗帳・霧罩・秋波、一人の寂しさ、侘しさをいう語である。

26 忡忡 憂い悲しむさま。気が気でないさま.

15閻選《巻九21虞美人二首其二》『花間集』423全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7379

閻選  虞美人二首其二

楚腰蠐領團香玉,鬢疊深深綠。月蛾星眼笑微嚬,柳妖桃豔不勝春,晚粧勻。

水紋簟映青紗帳,霧罩秋波上。一枝嬌臥醉芙蓉,良宵不得與君同,恨忡忡。

(あれほどに美しいお方でも寵愛を受ける期間というのは、わずかの間でしかない、その後は、その時の思い出で生きていくしかないと詠う)その二

楚の国で美しい細腰の宮女はスクモ蟲のようにしろくてながく、ほっそりしている首筋で、薫り高く宝玉のような輝きを集めたようだ。髪型は高く重ねられ、緑の黒髪は深く深く黒い。

月に棲む嫦娥の美しさはほしのかがやきをもつひとみで、ほんの少し微笑むだけで美しい、柳の枝のようにしなやかで、桃のみのように妖艶で春けしと雖もこの美しさに勝てるはずもない。晩になると夜の化粧を施せばここまで述べたすべての美しさに等しくなる。

それが秋になっても水紋模様の天の敷物はそのまま寝牀に牽かれたままであり、春に垂らされたうす絹のとばりもそのままで、霧が大地にかぶさるように秋の気配にここのすべてはおおい尽くされてしまう。

あの柳の一枝の艶めかしさが横になり、芙蓉の花は酒に酔い潰れ、こんなに素敵な夜が訪れてもあのおかたとはもういっしょでいることはない、憂い悲しむ生活を恨むことしかないのだ。

《花間集》422巻九21

虞美人二首其二

全詩訳注解説-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7379

(改訂版Ver.2.1

14 閻選

後蜀の詞人

932年前後に在世

 

 

 
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             ID         
           作品名    作者      

              ■ 閻處士選(閻選【えんせん】)八首                                                  

            1            九巻       虞美人二首,其一   閻選        

            2            九巻       虞美人二首,其二   閻選        

            3            九巻       臨江仙二首,其一   閻選        

            4            九巻       臨江仙二首,其二   閻選        

            5            九巻       浣溪紗一首,          閻選        

            6            九巻       八拍蠻二首,其一   閻選        

            7            九巻       八拍蠻二首,其二   閻選      

 

閻處士選 虞美人二首

間選(生卒年末詳〔約932年前後在世〕)は、後蜀の詞人。字、裡、出身地も未詳。生涯、平民で過ごしたので、人々は閣処士と呼んだ(処士とは無官の意)。『花間集』 には八首の詞が収められている。

 

 

虞美人二首其一

(寵愛を受ける期間というのは、わずかの間でしかない、その後は、その時の思い出で生きていくしかないと詠う)

粉融紅膩蓮房綻,臉動雙波慢。

二人がずっと愛し合って、白粉が崩れ始め、頬を赤くして顔にはあぶら汗でテカっている、蓮の花の花弁ははじめてほころびうけいれる。顏は動き、二つの体は波のようにゆっくりと動く。

小魚銜玉鬢釵橫,石榴裙染象紗輕,轉娉婷。

宮女は小魚の玉を口に含み、そして簪を髪につけて横たわっている、スカートが石榴の柄にそまって、薄絹が軽やかに、愛そのものに形作られている、ひたすら、宮女の姿や振舞いが優雅で美しい。

期錦浪荷深處,一夢雲兼雨。

一時のがれの約束事ではあるが、錦の波が続き、蓮は奥深い所に咲いたのだ、それは、一つの夢であった、それは《高唐賦》の「朝雲暮雨」のようであった。

臂留檀印齒痕香,深秋不寐漏初長,盡思量。

あの方の腕の中の温もりが残り、閨の寝牀にはお香の香りが残る、そして、キスマークにも香りが残るけれども、もう秋も深まるというのに、寵愛もなく、眠りにつけず、夜明けまえの漏刻を聞くながい夜を過ごしている。これからはなにごとも慮って生きていく。

(虞美人二首其の一)

粉融 紅膩 蓮房の綻,臉動き 雙の波慢す。

小魚玉を銜み 鬢釵橫わる,石榴 裙染 象 紗輕す,轉た娉婷【へいてい】。

期 錦浪 荷 深き處,一たびの夢 雲と雨とを兼ぬ。

臂留 檀印 齒痕の香,深秋 不寐し 漏 初めて長し,盡く思量す。

 

虞美人二首其二

(あれほどに美しいお方でも寵愛を受ける期間というのは、わずかの間でしかない、その後は、その時の思い出で生きていくしかないと詠う)その二

楚腰蠐領團香玉,鬢疊深深綠。

楚の国で美しい細腰の宮女はスクモ蟲のようにしろくてながく、ほっそりしている首筋で、薫り高く宝玉のような輝きを集めたようだ。髪型は高く重ねられ、緑の黒髪は深く深く黒い。

月蛾星眼笑微嚬,柳妖桃豔不勝春,晚粧勻。

月に棲む嫦娥の美しさはほしのかがやきをもつひとみで、ほんの少し微笑むだけで美しい、柳の枝のようにしなやかで、桃のみのように妖艶で春けしと雖もこの美しさに勝てるはずもない。晩になると夜の化粧を施せばここまで述べたすべての美しさに等しくなる。

水紋簟映青紗帳,霧罩秋波上。

それが秋になっても水紋模様の天の敷物はそのまま寝牀に牽かれたままであり、春に垂らされたうす絹のとばりもそのままで、霧が大地にかぶさるように秋の気配にここのすべてはおおい尽くされてしまう。

一枝嬌臥醉芙蓉,良宵不得與君同,恨忡忡。

あの柳の一枝の艶めかしさが横になり、芙蓉の花は酒に酔い潰れ、こんなに素敵な夜が訪れてもあのおかたとはもういっしょでいることはない、憂い悲しむ生活を恨むことしかないのだ。

(虞美人二首其の二)

楚腰 蠐領【せいりょう】香玉を團【まと】め,鬢疊 深深として綠なり。

月蛾 星眼 笑微 嚬【ひそ】め,柳妖 桃豔 春も勝らず,晚粧 勻し。

水紋の簟映し 青紗の帳,霧罩 秋波上【くわわ】る。

一枝 嬌臥し 芙蓉を醉わす,良宵 君と與に同じゅうするを得ず,忡忡を恨む。

 

芍薬001
 

『虞美人二首其二』 現代語訳と訳註

(本文)

虞美人二首其二

楚腰蠐領團香玉,鬢疊深深綠。

月蛾星眼笑微嚬,柳妖桃豔不勝春,晚粧勻。

水紋簟映青紗帳,霧罩秋波上。

一枝嬌臥醉芙蓉,良宵不得與君同,恨忡忡。

 

(下し文)

(虞美人二首其の二)

楚腰 蠐領【せいりょう】香玉を團【まと】め,鬢疊 深深として綠なり。

月蛾 星眼 笑微 嚬【ひそ】め,柳妖 桃豔 春も勝らず,晚粧 勻し。

水紋の簟映し 青紗の帳,霧罩 秋波上【くわわ】る。

一枝 嬌臥し 芙蓉を醉わす,良宵 君と與に同じゅうするを得ず,忡忡を恨む。

 

(現代語訳)

(あれほどに美しいお方でも寵愛を受ける期間というのは、わずかの間でしかない、その後は、その時の思い出で生きていくしかないと詠う)その二

楚の国で美しい細腰の宮女はスクモ蟲のようにしろくてながく、ほっそりしている首筋で、薫り高く宝玉のような輝きを集めたようだ。髪型は高く重ねられ、緑の黒髪は深く深く黒い。

月に棲む嫦娥の美しさはほしのかがやきをもつひとみで、ほんの少し微笑むだけで美しい、柳の枝のようにしなやかで、桃のみのように妖艶で春けしと雖もこの美しさに勝てるはずもない。晩になると夜の化粧を施せばここまで述べたすべての美しさに等しくなる。

それが秋になっても水紋模様の天の敷物はそのまま寝牀に牽かれたままであり、春に垂らされたうす絹のとばりもそのままで、霧が大地にかぶさるように秋の気配にここのすべてはおおい尽くされてしまう。

あの柳の一枝の艶めかしさが横になり、芙蓉の花は酒に酔い潰れ、こんなに素敵な夜が訪れてもあのおかたとはもういっしょでいることはない、憂い悲しむ生活を恨むことしかないのだ。

 

 

(訳注)

虞美人二首其二

唐の教坊の曲名。『花間集』には十四首所収。閻選の詩は二首収められている。双調五十八字、前後段五句二十九字三平韻で、75⑦⑦③/75⑦⑦③の詞形をとる。

楚腰蠐領團香玉 鬢疊深深
月蛾星眼笑微 柳妖桃豔不勝 晚粧

水紋簟映青紗 霧罩秋波

 一枝嬌臥醉芙 良宵不得與君  恨忡

●○○●○○●  ●●△△●

●△○●●○○  ●○○●△△○ ●?○

●○●●○○● △●○○●

●○△●●○○ ○○△●△○○  ●○○

 

楚腰 蠐領 團香玉,鬢疊 深深綠。

楚の国で美しい細腰の宮女はスクモ蟲のようにしろくてながく、ほっそりしている首筋で、薫り高く宝玉のような輝きを集めたようだ。髪型は高く重ねられ、緑の黒髪は深く深く黒い。

16 楚腰 楚の細腰

17 蠐領 首はすく蟲のよう。木の中に巣食うスクモ蟲のようにしろくてながく、ほっそりしている首筋。《詩経衛風碩人》「手如柔荑,膚如凝脂,領如蝤蠐,齒如瓠犀,螓首蛾眉。」(領は蝤蠐【しゅうせい】の如し)手は初めて伸びた柔らかい荑のようで、しなやかである。肌は凝り固まった脂肪のように白くてこってりと引き締まって清く、首筋のしなやかであるのは、木の中に巣食うスクモ蟲のようにしろくてながく、ほっそりしている。

18 蠐螬  地中にいる昆虫。コガネムシ類の幼虫を主にいう。地虫(じむし)。せいそう。《季 秋》

19 團 1 まるい。まるくまとまる。「団扇(だんせん)・団団・団欒(だんらん)/大団円」2 ひとかたまりに集まったもの。「団塊・団結・団地/一団・星団・船団・寒気団・原子団」3 同類の人の集まり。人が集まってつくる組織。「団員・団体・団長/楽団・球団・教団・結団・公団・集団・退団・入団・兵団」4 「団体」の略。「団交/経団連」〈トン〉まるい。まるいもの。「団栗(どんぐり)/金団・水団・炭団(たどん)・蒲団(ふとん)」[名のり]あつ・まどか・まる

 

月蛾 星眼 笑微嚬,柳妖 桃豔 不勝春,晚粧勻。

月に棲む嫦娥の美しさはほしのかがやきをもつひとみで、ほんの少し微笑むだけで美しい、柳の枝のようにしなやかで、桃のみのように妖艶で春けしと雖もこの美しさに勝てるはずもない。晩になると夜の化粧を施せばここまで述べたすべての美しさに等しくなる。

20 月蛾 月に上った嫦娥のように美しい。嫦娥(じょうが、こうが)は、中国神話に登場する人物。后羿の妻。姮娥とも表記する。『淮南子』覧冥訓によれば、もとは仙女だったが地上に下りた際に不死でなくなったため、夫の后羿が西王母からもらい受けた不死の薬を盗んで飲み、月に逃げ、蝦蟇になったと伝えられる。別の話では、后羿が離れ離れになった嫦娥をより近くで見るために月に向かって供え物をしたのが、月見の由来だとも伝えている。道教では、嫦娥を月神とみなし、「太陰星君」さらに「月宮黄華素曜元精聖後太陰元君」「月宮太陰皇君孝道明王」と呼び、中秋節に祀っている。「嫦」は「姮」の異体字で同じ意味である。前漢の文帝の名が「恒」であるため、字形のよく似た「姮」を避諱して「嫦」を用いるようになった。日本では百姓読みにより旁の「常」から「じょう」と読まれるようになったが、本来の読み通りに「こう」と読む場合もある。

21 笑微 麗しの傾国の美女の微笑。美しすぎるとその美しさに一人だけ寵愛すると天下の平穏が乱され、国を傾けることになる。唐の宣宗の事例がある。穏健な抑制政策を採用するなどの社会の安定を図ったので聖帝とされたが、献上された美女を数日寵愛し、その後後宮から追放しても朕の思いが残るだけと「沈毒盃」により葬った。

22 勻 読み:イン訓読み:すくない、 ひとしい。

 

水紋 簟映 青紗帳,霧罩 秋波上。

それが秋になっても水紋模様の天の敷物はそのまま寝牀に牽かれたままであり、春に垂らされたうす絹のとばりもそのままで、霧が大地にかぶさるように秋の気配にここのすべてはおおい尽くされてしまう。

23 水紋簟 晩春から初秋まで寝牀のシーツとして敷かれる高価なもの。

24 青紗帳 春に垂らされたうす絹のとばり、夏を過ぎると、白絹に替えられるものである。

25 霧罩 霧が大地にかぶさる

  この二句は、宮女への寵愛は亡くなってしまった様子をいう。水紋簟・青紗帳・霧罩・秋波、一人の寂しさ、侘しさをいう語である。

 

一枝 嬌臥 醉芙蓉,良宵 不得與君同,恨忡忡。

あの柳の一枝の艶めかしさが横になり、芙蓉の花は酒に酔い潰れ、こんなに素敵な夜が訪れてもあのおかたとはもういっしょでいることはない、憂い悲しむ生活を恨むことしかないのだ。

26 忡忡 憂い悲しむさま。気が気でないさま.

大毛蓼003
 

 

 

虞美人二首 【字解】

 

1 粉融 おしろいがとけてくずれる。

2 蓮房綻 蓮の花の花弁はほころびる、縫い目がほどける。破れる。

3 紅膩 頬を赤くし顔が油出て驅。

4 蓮房綻 宮女の閨に鍵をかける。

5 臉動 顔が動く。

6 雙波慢 二つの波がゆっくりと動く。慢【まん】[常用漢字][音]マン(呉)1 心がゆるんで締まりがない。「怠慢」2 速度や進行がだらだらと遅い。「慢性/緩慢」3 他をみくびっておごる。

7 小魚 この句は情事の性描写で訳しにくいこと。

8 鬢釵橫 簪を髪につけて横たわっている

9 石榴 赤身ザクロのほかに、白い水晶ザクロや果肉が黒いザクロなどがあり、アメリカ合衆国ではワンダフル、ルビーレッドなど、中国では水晶石榴、剛石榴、大紅石榴などの品種が多く栽培されている。

10 轉娉婷 【へいてい】.ひたすら、婦人の姿や振舞いが優雅な,美しい.

11  なおざりの時期。一時のがれを約束する。

12 夢雲兼雨 雲雨は情交、高唐賦、朝雲暮雨、男女が愛し合い、片時も離れていられないほどの深い仲であることのたとえ。男女の情交のことも。楚(そ)の懐王(かいおう)が夢の中で情を交わした女神が立ち去る時に、「朝は雲に、日暮れには雨となり、朝な夕なあなたのそばにおります」といったことから。

13 臂留 あの方の腕の中の温もりが残る。

14 檀印 閨の寝牀にはお香の香りが残る。檀:寝牀。檀香。 前蜀休《桐江居》之三:「静室焚檀印,深炉烧铁瓶。...

15 齒痕香 キスマークにも香りが残る。

15閻選《巻九20虞美人二首其一》『花間集』422全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7374

閻選  虞美人二首其一

粉融紅膩蓮房綻,臉動雙波慢。小魚銜玉鬢釵橫,石榴裙染象紗輕,轉娉婷。

期錦浪荷深處,一夢雲兼雨。臂留檀印齒痕香,深秋不寐漏初長,盡思量。

(寵愛を受ける期間というのは、わずかの間でしかない、その後は、その時の思い出で生きていくしかないと詠う)

二人がずっと愛し合って、白粉が崩れ始め、頬を赤くして顔にはあぶら汗でテカっている、蓮の花の花弁ははじめてほころびうけいれる。顏は動き、二つの体は波のようにゆっくりと動く。宮女は小魚の玉を口に含み、そして簪を髪につけて横たわっている、スカートが石榴の柄にそまって、薄絹が軽やかに、愛そのものに形作られている、ひたすら、宮女の姿や振舞いが優雅で美しい。一時のがれの約束事ではあるが、錦の波が続き、蓮は奥深い所に咲いたのだ、それは、一つの夢であった、それは《高唐賦》の「朝雲暮雨」のようであった。あの方の腕の中の温もりが残り、閨の寝牀にはお香の香りが残る、そして、キスマークにも香りが残るけれども、もう秋も深まるというのに、寵愛もなく、眠りにつけず、夜明けまえの漏刻を聞くながい夜を過ごしている。これからはなにごとも慮って生きていく。

《花間集》422巻九20

虞美人二首其一

全詩訳注解説-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7374

(改訂版Ver.2.1

14 閻選

後蜀の詞人

932年前後に在世

 

 
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              ID                     作品名    作者      

              ■ 閻處士選(閻選【えんせん】)八首                                                  

            1            九巻       虞美人二首,其一   閻選        

            2            九巻       虞美人二首,其二   閻選        

            3            九巻       臨江仙二首,其一   閻選        

            4            九巻       臨江仙二首,其二   閻選        

            5            九巻       浣溪紗一首,          閻選        

            6            九巻       八拍蠻二首,其一   閻選        

            7            九巻       八拍蠻二首,其二   閻選      

 

閻處士選 虞美人二首

間選(生卒年末詳〔約932年前後在世〕)は、後蜀の詞人。字、裡、出身地も未詳。生涯、平民で過ごしたので、人々は閣処士と呼んだ(処士とは無官の意)。『花間集』 には八首の詞が収められている。

 

 

虞美人二首其一

(寵愛を受ける期間というのは、わずかの間でしかない、その後は、その時の思い出で生きていくしかないと詠う)

粉融紅膩蓮房綻,臉動雙波慢。

二人がずっと愛し合って、白粉が崩れ始め、頬を赤くして顔にはあぶら汗でテカっている、蓮の花の花弁ははじめてほころびうけいれる。顏は動き、二つの体は波のようにゆっくりと動く。

小魚銜玉鬢釵橫,石榴裙染象紗輕,轉娉婷。

宮女は小魚の玉を口に含み、そして簪を髪につけて横たわっている、スカートが石榴の柄にそまって、薄絹が軽やかに、愛そのものに形作られている、ひたすら、宮女の姿や振舞いが優雅で美しい。

期錦浪荷深處,一夢雲兼雨。

一時のがれの約束事ではあるが、錦の波が続き、蓮は奥深い所に咲いたのだ、それは、一つの夢であった、それは《高唐賦》の「朝雲暮雨」のようであった。

臂留檀印齒痕香,深秋不寐漏初長,盡思量。

あの方の腕の中の温もりが残り、閨の寝牀にはお香の香りが残る、そして、キスマークにも香りが残るけれども、もう秋も深まるというのに、寵愛もなく、眠りにつけず、夜明けまえの漏刻を聞くながい夜を過ごしている。これからはなにごとも慮って生きていく。

(虞美人二首其の一)

粉融 紅膩 蓮房の綻,臉動き 雙の波慢す。

小魚玉を銜み 鬢釵橫わる,石榴 裙染 象 紗輕す,轉た娉婷【へいてい】。

期 錦浪 荷 深き處,一たびの夢 雲と雨とを兼ぬ。

臂留 檀印 齒痕の香,深秋 不寐し 漏 初めて長し,盡く思量す。

虞美人二首其二

楚腰蠐領團香玉,鬢疊深深綠。

月蛾星眼笑微嚬,柳妖桃豔不勝春,晚粧勻。

水紋簟映青紗帳,霧罩秋波上。

一枝嬌臥醉芙蓉,良宵不得與君同,恨忡忡。

花間集 白梅
 

 

『虞美人二首其一』 現代語訳と訳註

(本文)

虞美人二首其一

粉融紅膩蓮房綻,臉動雙波慢。

小魚銜玉鬢釵橫,石榴裙染象紗輕,轉娉婷。

期錦浪荷深處,一夢雲兼雨。

臂留檀印齒痕香,深秋不寐漏初長,盡思量。

 

(下し文)

(虞美人二首其の一)

粉融 紅膩 蓮房の綻,臉動き 雙の波慢す。

小魚玉を銜み 鬢釵橫わる,石榴 裙染 象 紗輕す,轉た娉婷【へいてい】。

期 錦浪 荷 深き處,一たびの夢 雲と雨とを兼ぬ。

臂留 檀印 齒痕の香,深秋 不寐し 漏 初めて長し,盡く思量す。

 

(現代語訳)

(寵愛を受ける期間というのは、わずかの間でしかない、その後は、その時の思い出で生きていくしかないと詠う)

二人がずっと愛し合って、白粉が崩れ始め、頬を赤くして顔にはあぶら汗でテカっている、蓮の花の花弁ははじめてほころびうけいれる。顏は動き、二つの体は波のようにゆっくりと動く。

宮女は小魚の玉を口に含み、そして簪を髪につけて横たわっている、スカートが石榴の柄にそまって、薄絹が軽やかに、愛そのものに形作られている、ひたすら、宮女の姿や振舞いが優雅で美しい。

一時のがれの約束事ではあるが、錦の波が続き、蓮は奥深い所に咲いたのだ、それは、一つの夢であった、それは《高唐賦》の「朝雲暮雨」のようであった。

あの方の腕の中の温もりが残り、閨の寝牀にはお香の香りが残る、そして、キスマークにも香りが残るけれども、もう秋も深まるというのに、寵愛もなく、眠りにつけず、夜明けまえの漏刻を聞くながい夜を過ごしている。これからはなにごとも慮って生きていく。

紅梅202
 

(訳注)

虞美人二首其一

(寵愛を受ける期間というのは、わずかの間でしかない、その後は、その時の思い出で生きていくしかないと詠う)

唐の教坊の曲名。『花間集』には十四首所収。閻選の詩は二首収められている。双調五十八字、前後段五句二十九字三平韻で、75⑦⑦③/75⑦⑦③の詞形をとる。

粉融紅膩蓮房  臉動雙波
小魚銜玉鬢釵  石榴裙染象紗 轉娉

期錦浪荷深處 一夢雲兼雨 

臂留檀印齒痕香 深秋不寐漏初  盡思

●○○●△○●  △●○○●

●○○●●○△  ●○○●●○△ ●●○

○○●△△△● ●△○△●

●△○●●○○ △○△●●○△  ●△△

 

粉融紅膩蓮房綻,臉動雙波慢。

二人がずっと愛し合って、白粉が崩れ始め、頬を赤くして顔にはあぶら汗でテカっている、蓮の花の花弁ははじめてほころびうけいれる。顏は動き、二つの体は波のようにゆっくりと動く。

1 粉融 おしろいがとけてくずれる。

2 蓮房綻 蓮の花の花弁はほころびる、縫い目がほどける。破れる。

3 紅膩 頬を赤くし顔が油出て驅。

4 蓮房綻 宮女の閨に鍵をかける。

5 臉動 顔が動く。

6 雙波慢 二つの波がゆっくりと動く。慢【まん】[常用漢字][音]マン(呉)1 心がゆるんで締まりがない。「怠慢」2 速度や進行がだらだらと遅い。「慢性/緩慢」3 他をみくびっておごる。

 

小魚銜玉鬢釵橫,石榴裙染象紗輕,轉娉婷。

宮女は小魚の玉を口に含み、そして簪を髪につけて横たわっている、スカートが石榴の柄にそまって、薄絹が軽やかに、愛そのものに形作られている、ひたすら、宮女の姿や振舞いが優雅で美しい。

7 小魚 この句は情事の性描写で訳しにくいこと。

8 鬢釵橫 簪を髪につけて横たわっている

9 石榴 赤身ザクロのほかに、白い水晶ザクロや果肉が黒いザクロなどがあり、アメリカ合衆国ではワンダフル、ルビーレッドなど、中国では水晶石榴、剛石榴、大紅石榴などの品種が多く栽培されている。

10 轉娉婷 【へいてい】.ひたすら、婦人の姿や振舞いが優雅な,美しい.

 

期錦浪荷深處,一夢雲兼雨。

一時のがれの約束事ではあるが、錦の波が続き、蓮は奥深い所に咲いたのだ、それは、一つの夢であった、それは《高唐賦》の「朝雲暮雨」のようであった。

11  なおざりの時期。一時のがれを約束する。

12 夢雲兼雨 雲雨は情交、高唐賦、朝雲暮雨、男女が愛し合い、片時も離れていられないほどの深い仲であることのたとえ。男女の情交のことも。楚(そ)の懐王(かいおう)が夢の中で情を交わした女神が立ち去る時に、「朝は雲に、日暮れには雨となり、朝な夕なあなたのそばにおります」といったことから。

 

臂留檀印齒痕香,深秋不寐漏初長,盡思量。

あの方の腕の中の温もりが残り、閨の寝牀にはお香の香りが残る、そして、キスマークにも香りが残るけれども、もう秋も深まるというのに、寵愛もなく、眠りにつけず、夜明けまえの漏刻を聞くながい夜を過ごしている。これからはなにごとも慮って生きていく。

13 臂留 あの方の腕の中の温もりが残る。

14 檀印 閨の寝牀にはお香の香りが残る。檀:寝牀。檀香。 前蜀休《桐江居》之三:「静室焚檀印,深炉烧铁瓶。...

15 齒痕香 キスマークにも香りが残る。

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