玉臺新詠集 巻四巻四-22 巻4•6-5.2. 雜詩六首其五〔二〕 代葛沙門妻郭小玉詩二首(君子將遙役)
訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog10996
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雜詩六首 |
〔鮑令暉〕 |
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巻四-18 |
其一 |
〔鮑令暉〕 |
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巻四-19 |
其二 |
〔鮑令暉〕 |
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巻四-20 |
其三 |
〔鮑令暉〕 |
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巻四-21 |
其四 |
〔鮑令暉〕 |
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巻四-21 |
其五 |
〔鮑令暉〕 |
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巻四-22 |
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〔鮑令暉〕 |
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雜詩六首其一 擬青青河畔草
裊裊臨窗竹,藹藹垂門桐。灼灼青軒女,泠泠高台中。
明志逸秋霜,玉顏艷春紅。人生誰不別,恨君早從戎。
鳴弦慚夜月,紺黛羞春風。
雜詩六首其二 擬客從遠方來
客從遠方來。贈我漆鳴琴。木有相思文。弦有別離音。
終身執此調。歲寒不改心。願作陽春曲。宮商長相尋。
雜詩六首其三 題書後寄行人
自君之出矣。臨軒不解顏。砧杵夜不發。高門晝常關。
帳中流熠耀。庭前華紫蘭。物枯識節異。鴻來知客寒。
遊用暮冬盡。除春待君還。
雜詩六首其四 古意贈今人
#1
寒鄉無異服。衣氈代文練。月月望君歸。年年不解綖。
荊揚春早和。幽冀猶霜霰。
#2
北寒妾已知。南心君不見。 誰為道辛苦。寄情雙飛燕。
形迫杼煎絲。顏落風催電。容華一朝盡。惟餘心不變。
雜詩六首其五
代葛沙門妻郭小玉詩二首
一
明月何皎皎。垂櫎照羅茵。若共相思夜。知同憂怨晨。
芳華豈矜貌。霜露不憐人。君非青雲逝。飄跡事咸秦。
妾持一生淚。經秋複度春。
二
君子將遙役。遺我雙題錦。臨當欲去時。複留相思枕。
題用常著心。枕以憶同寢。行行日已遠。轉覺心彌甚。
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巻四-22
6.鮑令暉 |
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巻4•6-5.2. 雜詩六首其五〔二〕 代葛沙門妻郭小玉詩二首(君子將遙役) |
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玉臺新詠集 訳注解説 |
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漢文委員会 紀頌之Blog10998 |
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雜詩六首其五
(僧侶の葛上人の妻の郭小玉が夫の葛上人に贈る詩を変わって作った)
其五 代葛沙門妻郭小玉詩二首 (葛沙門の妻郭小玉に代るの詩二首)
(一)〔妻の気持ちは明月のように、健やかで美しく輝いている気持ちを届け、いつまでもお待ちしている。〕
一
明月何皎皎、垂櫎照羅茵。
夫がいなくても明月のなんと白くあかるく輝いているのだろう。その光は高窓の垂れ幕を透かし、うすぎぬのしとねを照らしてくる。
若共相思夜、知同憂怨晨。
それは寝夜を共にすごし、夜をあかした時の月光のようでもあり、また憂えたり怨んだりして、夜明けを共に過ごしたあの夜が続いたことを思い知らせるようでもある。
芳華豈矜貌、霜露不憐人。
春に花が咲き香の頃をひとりで過ごしたけれど、わたしの容貌をあわれに思っては下さらなかったし、秋に露霜が置かれて寒くつらい日もわたしを気の毒がっては下さらなかった。
君非青雲逝、飄跡事咸秦。
それでもあなたは青空の雲をめざして進まれる野心だけというのでなく、ただ咸陽や長安のほとりをぶらつくように私の元を離れることもなくいて居られる。
妾持一生淚、經秋複度春。
だから、帰るところは私のところ、わたしは生涯、涙を流しながらでも、秋を過ごし、そして、春をまたすごしてもひたすら待ち続けるのです。
二
(二)〔出立の時に夫から贈られた鴛鴦の枕、同心結、褥の刺繍に思いを寄せ夫に伝えたいと願う。〕
君子將遙役、遺我雙題錦。
夫ははるばる北方の地へつとめにでかけるにあたり、わたしにおしどり紋様を題した錦を下さった。
臨當欲去時、複留相思枕。
そして、いよいよ出立に合わせて、また 同心結ともいえる恋枕を残してゆかれた。
題用常著心、枕以憶同寢。
わたしは鴛鴦の紋様のところをいつも胸にあて、枕をする時は共寝のことを思い起こしています。
行行日已遠、轉覺心彌甚。
夫の旅路は日に日に遠ざかって行かれている、だから、思いはますますつのるはかりです。
(葛沙門の妻郭小玉に代るの詩二首)
(一)
明月 何ぞ皎皎たる、垂櫎 羅茵を照す。
相思の夜を共のするが若し、憂怨の晨を同じくするを知る。
芳華 豈に貌を矜れまんや、霜露 人を憐れまず。
君は青雲の逝くに非ず、飄跡 咸秦を事とす。
妾は 一生の淚を持して、秋を經 複た 春を度る。
二
君子 將に遙かに役せんとし、我に雙題の錦を遺る。
去らんと欲するの時に臨當し、複た相思の枕を留む。
題は用て常に心に著け、枕は以て同寢を憶う。
行き行きて日に已に遠し、轉た心の彌いよ甚しきを覺ゆ。
《雜詩六首其五》代葛沙門妻郭小玉詩二首 現代語訳と訳註解説
(本文)
雜詩六首其五
代葛沙門妻郭小玉詩二首
二
君子將遙役、遺我雙題錦。
臨當欲去時、複留相思枕。
題用常著心、枕以憶同寢。
行行日已遠、轉覺心彌甚。
(下し文)
(葛沙門の妻郭小玉に代るの詩二首)
(二)
君子 將に遙かに役せんとし、我に雙題の錦を遺る。
去らんと欲するの時に臨當し、複た相思の枕を留む。
題は用て常に心に著け、枕は以て同寢を憶う。
行き行きて日に已に遠し、轉た心の彌いよ甚しきを覺ゆ。
(現代語訳)
(僧侶の葛上人の妻の郭小玉が夫の葛上人に贈る詩を変わって作った)
(二)〔出立の時に夫から贈られた鴛鴦の枕、同心結、褥の刺繍に思いを寄せ夫に伝えたいと願う。〕
夫ははるばる北方の地へつとめにでかけるにあたり、わたしにおしどり紋様を題した錦を下さった。
そして、いよいよ出立に合わせて、また 同心結ともいえる恋枕を残してゆかれた。
わたしは鴛鴦の紋様のところをいつも胸にあて、枕をする時は共寝のことを思い起こしています。
夫の旅路は日に日に遠ざかって行かれている、だから、思いはますますつのるはかりです。
(訳注解説)
雜詩六首其五
代葛沙門妻郭小玉詩二首
(僧侶の葛上人の妻の郭小玉が夫の葛上人に贈る詩を変わって作った)
(二)〔出立の時に夫から贈られた鴛鴦の枕、同心結、褥の刺繍に思いを寄せ夫に伝えたいと願う。〕
「沙門」は僧侶の称である。葛という人が僧籍にあったのか否かほ詳かでない。その妻郭小玉が夫に贈る詩に代わって作ったのである。
二 君子將遙役 (君子 將に遙かに役せんとす)
君子將遙役、遺我雙題錦。
夫ははるばる北方の地へつとめにでかけるにあたり、わたしにおしどり紋様を題した錦を下さった。
君子 夫を指していう。
双題錦 つがいの鴛鴦(オシドリ)などの模様を織り込んだ錦である。夫婦の使用するものには、鴛鴦の詩集は多く施された。
臨當欲去時、複留相思枕。
そして、いよいよ出立に合わせて、また 同心結ともいえる恋枕を残してゆかれた。
相思枕 共寝の枕、長枕であろうが、別離のとき、堅く解けない結び方。また、そのもの。相愛の意を象徴し、夫婦の堅い誓いにたとえていう「同心結」で結んだひもの飾りの二人用の長尺の枕を贈ったのであろう。
題用常著心、枕以憶同寢。
わたしは鴛鴦の紋様のところをいつも胸にあて、枕をする時は共寝のことを思い起こしています。
常著心 夫に対する思い、執着心のことを言うが、ここでは鴛鴦の刺繍の個所に胸を当てて思いを通わせるという意。
行行日已遠、轉覺心彌甚。
夫の旅路は日に日に遠ざかって行かれている、だから、思いはますますつのるはかりです。
行行日 遠い旅に出ている夫を慕う妻の気持ちをいう。『文選』巻二十九、『先秦漢魏晋南北朝詩』漢詩巻十二、「行行重行行」
どんどんと遠くへ行ってしまう。今日も明日も旅を続けている。「行行」は「行く」という動作が何度も繰り返されることを示す。

















