張泌《寄人》 深情けは裏を返せば浮気心というけれど、それでもただ春の庭園の上に出ているのは月のようにしています。あなたは離れていっていますが、あなたのためにひとりでまっています、庭に散って落ちた花にはいまも月光が照らし続けているのです。
寄人 張泌【ちょうひつ】ⅩⅫ唐五代詞 Gs-361-7-#23 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3352
寄人
(愛しい人に詩をよせる。)
別夢依依到謝家, 小廊迴合曲闌斜。
夢の中で別れても名残が惜しくおもう、東晋の才媛・謝道韞のようなわたしがいるのです。いまは、建物の外側の小振りな廊下がぐるりととりまいて、まがった欄干は、斜めに続いているところにいるのです。
多情只有春庭月, 猶爲離人照落花。
深情けは裏を返せば浮気心というけれど、それでもただ春の庭園の上に出ているのは月のようにしています。あなたは離れていっていますが、あなたのためにひとりでまっています、庭に散って落ちた花にはいまも月光が照らし続けているのです。
(人に寄す)
夢に別れても依依として謝家に到り,小廊迴り合し 曲闌 斜めなり。
多情なるも只だ 春庭の月有り,猶お離人の爲に落花を照らす。
『寄人』 現代語訳と訳註
(本文)
寄人
別夢依依到謝家, 小廊迴合曲闌斜。
多情只有春庭月, 猶爲離人照落花。
(下し文)
(人に寄す)
夢に別れても依依として謝家に到り,小廊迴り合し 曲闌 斜めなり。
多情なるも只だ 春庭の月有り,猶お離人の爲に落花を照らす。
(現代語訳)
(愛しい人に詩をよせる。)
夢の中で別れても名残が惜しくおもう、東晋の才媛・謝道韞のようなわたしがいるのです。いまは、建物の外側の小振りな廊下がぐるりととりまいて、まがった欄干は、斜めに続いているところにいるのです。
深情けは裏を返せば浮気心というけれど、それでもただ春の庭園の上に出ているのは月のようにしています。あなたは離れていっていますが、あなたのためにひとりでまっています、庭に散って落ちた花にはいまも月光が照らし続けているのです。
(訳注)
寄人
(愛しい人に詩をよせる。)
・寄 手紙で送る。詩を手紙で差し出す。人 ここは、作者が客観的に待ち侘びる女のさまを詠ったもので、「少し年を取ったかもしれませんがあなただけを待ち続けているのです」と手紙を書くだろうという教坊の曲である。この頃の詩は今で云う「あるある」を宴席で披露するもので、涼州詩や塞上詩とおなじように、実体験のものである必要はないのである。
・張泌 唐末~五代・後蜀の詞人。唐末に進士となる。生没年不詳。出身地不詳。五代・後蜀の花間派(五代・『花間集』に掲載された詞人)たちの一。官は右諫議大夫史館修撰で終わる。
別夢依依到謝家, 小廊迴合曲闌斜。
夢の中で別れても名残が惜しくおもう、東晋の才媛・謝道韞のようなわたしがいるのです。いまは、建物の外側の小振りな廊下がぐるりととりまいて、まがった欄干は、斜めに続いているところにいるのです。
・別夢 遙かな昔、もはやぼんやりとした別れ。 ・依依:名残惜しく、離れにくいさま。また、細々と絶えないさま。
・謝家 恋人の女性側の家。謝は、東晋の才媛・謝道韞のことで彼女の姓。こよなく可愛い女性の意で使われている。謝道韞とは、魏晋時代随一の才女といわれた東晋・謝安の姪の謝道韞のこと。謝安は姪の謝道韞をこよなく可愛がったというが、謝安や謝靈運を云う場合もある。この頃は男が女の所へ通うか、女を囲うものであるから、女の家であろう。
温庭筠『更漏子』
柳絲長,春雨細,花外漏聲迢遞。
驚寒雁,起城烏,畫屏金遮鸪。
香霧薄,透簾幕,惆悵謝家池閣。
紅燭背,繡簾垂,夢長君不知。
『更漏子 一』温庭筠 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-15-15-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1676
韋荘『望遠行』
欲別無言倚畫屏、含恨暗傷情。
謝家庭樹錦鶏鳴、残月落邊城。
人欲別、馬頻噺、綠槐千里長堤。
出門芳草路萋萋、雲雨別來易東西。
不忍別君後、却入旧香閏。
100 望遠行 韋荘 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-285-5-#39 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2972
薛濤『酬郭簡州寄柑子』「霜規不讓黃金色,圓質仍含御史香。何處同聲情最異,臨川太守謝家郎。」
酬郭簡州寄柑子 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-192-58-#52 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2507
・小廊 小振りな渡り廊下。小振りなまわり廊下。建物(=正房)の両外側の廊下。
・迴合 周囲をめぐる。周りをとりまく。
・曲闌 まがった手すり。まがった欄干。
○この二句は、女性が女妓であり、めぐり廻ってゆきつくことを意味し、いろんな女性の所に行くことを連想させ、次の「多情」につながり深い情けが浮気の心につながる。
多情只有春庭月, 猶爲離人照落花。
深情けは裏を返せば浮気心というけれど、それでもただ春の庭園の上に出ているのは月のようにしています。あなたは離れていっていますが、あなたのためにひとりでまっています、庭に散って落ちた花にはいまも月光が照らし続けているのです。
・多情:深情け。情愛が深く感じやすいこと。
韋荘『天仙子 其一』
惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。
露桃花裏小腰肢。
眉眼細、鬢雲垂。唯有多情宋玉知。
天仙子 其一 ~ 其五 其一 韋荘 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-270-5-#24 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2897
魚玄機『和人次韻』
喧喧朱紫雜人寰,獨自清吟日色間。
何事玉郎搜藻思,忽將瓊韻扣柴關。
白花發詠慚稱謝,僻巷深居謬學顏。
不用多情欲相見,松蘿高處是前山。
和人次韻 魚玄機 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-118-53-# 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2137
・只有 ただ…だけがある。ただ…よりほかはない。
・春庭月 また来た春の庭園の上に出ている月。春は眠っている性の情が戻ってくる季節である。春庭は行楽を云う。
・離人 直近まで一緒にいたが別れていった人。離れていった過去の恋人。薛濤『送鄭資州』「雨暗眉山江水流,離人掩袂立高樓。雙旌千騎駢東陌,獨有羅敷望上頭。」
送鄭資州 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-194-60-#54 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2517
・照 てらしだす。
・落花 散って落ちた花。また、花が散り落ちる女のことで、年増になった女を云う。





(
待ち侘びた春のあかるい月の夜に窓の外は、ほととぎすが、血を吐くように時々悲しい叫びをあげて啼いています。ひとりぼっちの胸の思いは、夜が長く耐えがたく淋しくさせられるものなのです。

余貞元二十一年爲屯田員外郎時,此觀未有花。是歳出牧連州,尋貶朗州司馬。居十年,召至京師,人人皆言,有道士手植仙桃,滿觀如紅霞,遂有前篇以志一時之事。旋又出牧,今十有四年,復爲主客郞中。重遊玄都觀,蕩然無復一樹,唯兔葵燕麥動搖於春風耳。因再題二十八字,以俟後遊,時太和二年三月。

劉賓客の玉蕣【ぎょくしゅん】に和す
什」(西川の李尚書の『孔雀を傷む』および薛濤の什に和す)と題したつぎの詩は、注意されなければなるまい。





(本文) 
(本文)




消瘦翻堪見令公,落花無那恨東風。
上王尚書
・前溪・後溪 谷川の向こう側とこちら側。
芙蓉新落蜀山秋,錦字開緘到是愁。
(本文) 贈遠二首 其一 


李郎中に別る

(現代語訳)
上川主武元衡相國二首 其一

(本文)


















