薛濤《牡丹》 昨年の春のこと、春も終わるころにぽとり、ぽとりとすべて花弁は散り落ちてしまった。あのとき、あなたと別れたことに、涙を流して泣き、紅い詩箋にうらむ歌をかきつけたものでした。
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牡丹 薛濤 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-244-110-#100 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2602
牡丹
去春零落暮春時,淚濕紅箋怨别離。
昨年の春のこと、春も終わるころにぽとり、ぽとりとすべて花弁は散り落ちてしまった。あのとき、あなたと別れたことに、涙を流して泣き、紅い詩箋にうらむ歌をかきつけたものでした。
常恐便同巫峽散,因何重有武陵期。
いつも心に思うのは、あの楚王と巫山の神女の一夜の契りのように、散り散りに別れることを心配していたものでした。どうしたわけだか、あの陶淵明の「桃花源記」に武陵の山間の桃花林をたずねた漁父が、そこを出ると二度とは行けなかったとあるように、二度と逢えると思っていなかったのに、花咲くころにどうしてあえたのでしょう!
傳情每向馨香得,不語還應彼此知。
愛の心は必ず伝わります。身につけているよい匂いというものがいつもその人がわかるというようにです。また、一言も彼の人は口に出してはいわぬが、心におもうことはよくわかるようにです。
隻欲欄邊安枕席,夜深閑共說相思。
一つの枕がこの欄干を通っていったあたりには寝台に置いてやすらぎます。夜がふけています、しずかに二人で、たがいの愛の思いを語りあかそうではありませんか。
(牡丹)
去春 零落【れいらく】す 暮春【ぼしゅん】の時、涙は紅箋【こうせん】を濕して 別離を怨む。
常に恐れぬ 便ち巫峡【ふきょう】と同じく散ぜんことを、何に因ってか重ねて武陵【ぶりょう】の期あらんとは。
情を傳ふるは 毎に馨香【けいこう】に向って得、語らざるも 遠 應に彼此【ひし】知るべし。
只 欄邊【らんへん】 枕席【ちんせき】に安きて、夜深うして 閒【しず】かに共に相思を説【い】はんと欲す。
『牡丹』 現代語訳と訳註
(本文)
去春零落暮春時,淚濕紅箋怨别離。
常恐便同巫峽散,因何重有武陵期。
傳情每向馨香得,不語還應彼此知。
隻欲欄邊安枕席,夜深閑共說相思。
(下し文)
(牡丹)
去春 零落【れいらく】す 暮春【ぼしゅん】の時、涙は紅箋【こうせん】を濕して 別離を怨む。
常に恐れぬ 便ち巫峡【ふきょう】と同じく散ぜんことを、何に因ってか重ねて武陵【ぶりょう】の期あらんとは。
情を傳ふるは 毎に馨香【けいこう】に向って得、語らざるも 遠 應に彼此【ひし】知るべし。
只 欄邊【らんへん】 枕席【ちんせき】に安きて、夜深うして 閒【しず】かに共に相思を説【い】はんと欲す。
(現代語訳)
昨年の春のこと、春も終わるころにぽとり、ぽとりとすべて花弁は散り落ちてしまった。あのとき、あなたと別れたことに、涙を流して泣き、紅い詩箋にうらむ歌をかきつけたものでした。
いつも心に思うのは、あの楚王と巫山の神女の一夜の契りのように、散り散りに別れることを心配していたものでした。どうしたわけだか、あの陶淵明の「桃花源記」に武陵の山間の桃花林をたずねた漁父が、そこを出ると二度とは行けなかったとあるように、二度と逢えると思っていなかったのに、花咲くころにどうしてあえたのでしょう。!
愛の心は必ず伝わります。身につけているよい匂いというものがいつもその人がわかるというようにです。また、一言も彼の人は口に出してはいわぬが、心におもうことはよくわかるようにです。
一つの枕がこの欄干を通っていったあたりには寝台に置いてやすらぎます。夜がふけています、しずかに二人で、たがいの愛の思いを語りあかそうではありませんか。
(訳注)
牡丹
牡丹の花を、たくみに擬人法をもって、愛人のようにうたって
去春零落暮春時,淚濕紅箋怨别離。
昨年の春のこと、春も終わるころにぽとり、ぽとりとすべて花弁は散り落ちてしまった。あのとき、あなたと別れたことに、涙を流して泣き、紅い詩箋にうらむ歌をかきつけたものでした。
・零落 落ち散る。
・紅箋 詩などを書く紅色の紙。箋は儀
に同じ。
・津(うるおす) 湿の本字。
・第二句は、机の上にひろげていた紅色の詩箋の上に涙を落としたといっているが、別離をうらんで、その怨みごとの詩を涙で紅色の詩箋の上に書きつづったというところまで突っこんで考えたい。
常恐便同巫峽散,因何重有武陵期。
いつも心に思うのは、あの楚王と巫山の神女の一夜の契りのように、散りじりに別れることを心配していたものでした。どうしたわけだか、あの陶淵明の「桃花源記」に武陵の山間の桃花林をたずねた漁父が、そこを出ると二度とは行けなかったとあるように、二度と逢えると思っていなかったのに、花咲くころにどうしてあえたのでしょう。!
・巫峡 「巫山繭に謁す」を見よ。巫暁は三峡の一つで、上に巫山廟がある。
・武陵 湖南省武陵県にあるいわゆる桃源郷。晋の陶潜に、「桃花源記」がある。ここでは牡丹を女性自身としている。漁父が掃ってから太守がそこを探らせたが、二度と尋ねあてることができなかったということ強調。
傳情每向馨香得,不語還應彼此知。
愛の心は必ず伝わります。身につけているよい匂いというものがいつもその人がわかるというようにです。また、一言も彼の人は口に出してはいわぬが、心におもうことはよくわかるようにです。
・馨香 よい匂い。
・彼此 おたがいに。
隻欲欄邊安枕席,夜深閑共說相思。
一つの枕がこの欄干を通っていったあたりには寝台に置いてやすらぎます。夜がふけています、しずかに二人で、たがいの愛の思いを語りあかそうではありませんか。
・隻 ① 比較的大きい船を数えるのに用いる。② 屏風など対(つい)になっているものの片方を数えるのに用いる。③ 魚・鳥・矢などを数えるのに用いる。
・欄 おはしま。廊下の手すり。
・相思 相愛の心。恋心。
薛能 牡丹四首
第一首原詩:
異色稟陶甄,常疑主者偏。眾芳殊不類,一笑獨奢妍。
顆折羞含懶,叢虛隱陷圓。亞心堆勝被,美色艷于蓮。
品格如寒食,精光似少年。種堪收子子,價合易賢賢。
迥秀應無妒,奇香稱有仙。深陰宜映幕,富貴助開筵。
蜀水爭能染,巫山未可憐。數難忘次第,立困戀傍邊。
逐日愁風雨,和星祝夜天。且從留盡賞,離此便歸田。
第二首原詩:
萬朵照初筵,狂遊憶少年。曉光如曲水,顏色似西川。
白向庚辛受,朱從造化研。眾開成伴侶,相笑極神仙。
見焰寧勞火,聞香不帶煙。自高輕月桂,非偶賤池蓮。
影接雕盤動,叢遭惡草偏。招歡憂事阻,就臥覺情牽。
四面宜綈錦,當頭稱管弦。泊來鶯定憶,粉擾蝶何顛。
蘇息承朝露,滋榮仰霽天。壓欄多盡好,敵國貴宜然。
未落須迷醉,因茲任病纏。人誰知極物,空負感麟篇。
第三首原詩:
去年零落暮春時,淚濕紅箋怨別離。
常恐便隨巫峽散,何因重有武陵期。
傳情每向馨香得,不語還應彼此知。
欲就欄邊安枕席,夜深閒共說相思。
第四首原詩:
牡丹愁為牡丹饑,自惜多情欲瘦羸。
濃艷冷香初蓋後,好風幹雨正開時。
吟蜂遍坐無閒蕊,醉客曾偷有折枝。
京國別來誰佔玩,此花光景屬吾詩。
(本文)
・巫山(ふざん)は中国・重慶市巫山県と湖北省の境にある名山。長江が山中を貫流して、巫峡を形成。山は重畳して天日を隠蔽するという。巫山十二峰と言われ、その中で代表的なものに神女峰がある。

韓愈
摩訶池の宴
春山古寺繞滄波,石磴盤空鳥道過。
百丈懐海がこの山で悟りを開いて禅宗のもとを作られた。岩にたくさんの窪みを刻んで灯篭を設置して、山の緑つたかずらがのびてくるのを寺とを隔てている。

(本文) 其二









曾睹夭桃想玉姿,帶風楊柳認蛾眉。
『暮春即事』 現代語訳と訳註





























