玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

女詩・女の生き方

17 毛熙震《巻十04定西番》『花間集』457全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7549

毛熙震  定西番

蒼翠濃陰滿院,鶯對語,蝶交飛,戲薔薇。

斜日倚欄風好,餘香出繡衣。未得玉郎消息,幾時歸。

(辺境の守りの舞台を指揮して出征した夫を愁いて詠ったもの)

あのお方を送りだした後の奥座敷の前庭に、青々としたみどり色の樹木の葉が茂って、濃い木陰を中庭いっぱいにしている。ここには今、ウグイスが、つがいでさえずり合っている。 ここには今、ウグイスが、つがいでさえずり合っている。そして、チョウチョ二匹が交叉して、ひらひら飛んでいて、バラの花にたわむれる。太陽が西に傾くと、心地よい風が吹いてくると窓辺に寄り添い、西の空を眺めながら、欄干に寄ってたつ。風でひるがえる刺繍が施された袂から、残り香が漂う。いまだ、愛しい彼の人からの便りたよりは得ていない。いつ、女性の許へ帰ってくるのだろうか。

《花間集》411巻十04

訴衷情五首其五

全詩訳注解説-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7549

(改訂版Ver.2.1

13 魏承班

前蜀の詞人

930年前後に在世

 

 

 

 

 
 2016年3月27日の紀頌之5つのBlog 
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花間集 教坊曲 《定西番》 七首

溫庭筠

巻一27定西番三首其一漢使昔年離別。攀弱柳,折寒梅,上高臺。千里玉關春雪,鴈來人不來。羌笛一聲愁,月徘徊。

溫庭筠

巻一28定西番三首其二海鷰欲飛調羽。萱草綠,杏花紅,隔簾櫳。雙鬢翠霞金縷,一枝春豔濃。樓上月明三五,鏁窗中。

溫庭筠

巻一29定西番三首其三細雨曉鶯春晚。人似玉,柳如眉,正相思。羅幕翠簾初捲,鏡中花一枝。腸斷塞門消息,鴈來稀。

牛嶠

巻四23定西番紫塞月明千里,金甲冷,戍樓寒,夢長安。思望中天闊,漏殘星亦殘。畫角數聲嗚咽,雪漫漫。

孫光憲

巻八29定西番二首 其一鷄祿山前游騎,邊草白,朔天明,馬蹄輕。鵲面弓離短韔,彎來月欲成。一隻鳴雲外,曉鴻驚。

孫光憲

巻八30定西番二首 其二帝子枕前秋夜,霜幄冷,月華明,正三更。何處戍樓寒笛,夢殘聞一聲。遙想漢關萬里,淚縱橫。

毛熙震

《巻十04定西番》  蒼翠濃陰滿院,鶯對語,蝶交飛,戲薔薇。斜日倚欄風好,餘香出繡衣。未得玉郎消息,幾時歸。

『花問集』には教坊曲『定西番』が七首、その内の毛熙震作が一首収められている。既に溫庭筠と牛嶠、孫光憲については掲載済みである。

 

                           毛熙震

定西番

(辺境の守りの舞台を指揮して出征した夫を愁いて詠ったもの)

蒼翠濃陰滿院,鶯對語,蝶交飛,戲薔薇。

あのお方を送りだした後の奥座敷の前庭に、青々としたみどり色の樹木の葉が茂って、濃い木陰を中庭いっぱいにしている。ここには今、ウグイスが、つがいでさえずり合っている。 ここには今、ウグイスが、つがいでさえずり合っている。そして、チョウチョ二匹が交叉して、ひらひら飛んでいて、バラの花にたわむれる。

斜日倚欄風好,餘香出繡衣。

太陽が西に傾くと、心地よい風が吹いてくると窓辺に寄り添い、西の空を眺めながら、欄干に寄ってたつ。風でひるがえる刺繍が施された袂から、残り香が漂う。

未得玉郎消息,幾時歸。

いまだ、愛しい彼の人からの便りたよりは得ていない。いつ、女性の許へ帰ってくるのだろうか。

 

(定西番)

蒼翠 滿院に 濃陰たり,鶯 對して語り,蝶 交り飛びて,薔薇に 戲る。

斜日 風好く 欄に倚る,餘香 綉衣を出づ。

未だ 玉郞の消息を得ざる,幾れの時にか 歸らん。

杏の花01
 

 

『定西番』 現代語訳と訳註

(本文)

定西番

蒼翠濃陰滿院,鶯對語,蝶交飛,戲薔薇。

斜日倚欄風好,餘香出繡衣。

未得玉郎消息,幾時歸。

 

(下し文)

(定西番)

蒼翠 滿院に 濃陰たり,鶯 對して語り,蝶 交り飛びて,薔薇に 戲る。

斜日 風好く 欄に倚る,餘香 綉衣を出づ。

未だ 玉郞の消息を得ざる,幾れの時にか 歸らん。

 

(現代語訳)

(辺境の守りの舞台を指揮して出征した夫を愁いて詠ったもの)

あのお方を送りだした後の奥座敷の前庭に、青々としたみどり色の樹木の葉が茂って、濃い木陰を中庭いっぱいにしている。ここには今、ウグイスが、つがいでさえずり合っている。 ここには今、ウグイスが、つがいでさえずり合っている。そして、チョウチョ二匹が交叉して、ひらひら飛んでいて、バラの花にたわむれる。

太陽が西に傾くと、心地よい風が吹いてくると窓辺に寄り添い、西の空を眺めながら、欄干に寄ってたつ。風でひるがえる刺繍が施された袂から、残り香が漂う。

いまだ、愛しい彼の人からの便りたよりは得ていない。いつ、女性の許へ帰ってくるのだろうか。

花間集 白梅
 

(訳注)

定西番

(辺境の守りの舞台を指揮して出征した夫を愁いて詠ったもの)

1 辺墓の防備に当たる高貴なもの正妻なのか、側室なのかは不明だが、心配しながら暮らすのを題材としている。士の内容からは、辺塞詩に出てくる、徴兵によって義務的に西域の守りに出たものとは異なる。司令官クラスの妻の事であろう。

 

2 構成  双調三十五字、前段十五字四句二平韻、後段二十字四句二平韻で、63③③/65⑥③の詞形をとる。

蒼翠濃陰滿院  鶯對語 蝶交  戲薔
斜日倚欄風好  餘香出繡
未得玉郎消息  幾時

△●○○●△  ○●● ●○○  △△○

○●△○△●  ○○●●△

●●●○○●  △○○

 

蒼翠濃陰滿院,鶯對語,蝶交飛,戲薔薇。

あのお方を送りだした後の奥座敷の前庭に、青々としたみどり色の樹木の葉が茂って、濃い木陰を中庭いっぱいにしている。ここには今、ウグイスが、つがいでさえずり合っている。 ここには今、ウグイスが、つがいでさえずり合っている。そして、チョウチョ二匹が交叉して、ひらひら飛んでいて、バラの花にたわむれる。

蒼翠濃陰滿院:

あのお方を送りだした後の奥座敷の前庭に、青々としたみどり色の樹木の葉が茂って、濃い木陰を中庭いっぱいにしている。 

3 蒼翠:あおみどり色。ここでは、樹木の緑色の葉が茂っている意で使われている。 

4 濃陰:濃い木陰を作っている。緑蔭。

5 滿院:庭いっぱいに。中庭一面に。

鶯對語

ここには今、ウグイスが、つがいでさえずり合っている。 

6 鶯:ウグイス。 

7 對語:二羽のつがいが、さえずり合っている。

蝶交飛

そして、チョウチョが二匹が交叉して、ひらひら飛んでいて、

8 蝶:チョウチョ。 

9 交飛:二匹が交叉して、ひらひら飛んでいる。

戲薔薇

チョウチョがバラの花にたわむれる。 

10戲:たわむれる。 

11薔薇:バラの花。

 

斜日倚欄風好,餘香出繡衣。

太陽が西に傾くと、心地よい風が吹いてくると窓辺に寄り添い、西の空を眺めながら、欄干に寄ってたつ。風でひるがえる刺繍が施された袂から、残り香が漂う。

斜日倚欄風好

太陽が西に傾くと、心地よい風が吹いてくると窓辺に寄り添い、西の空を眺めながら、欄干に寄ってたつ。 

12斜日:夕日。夕方。 

13倚欄:手すりに寄り添う。欄干に寄り添う。 

14風好:吹いてくる風が心地よい。

餘香出綉衣

残り香が刺繍が施された衣服から漂う。 

15餘香:残り香。染みついていたのこり香がにおうこと。 

16綉衣:刺繍が施された衣服。繍衣。

 

未得玉郎消息,幾時歸。

 いまだ、愛しい彼の人からの便りたよりは得ていない。いつ、女性の許へ帰ってくるのだろうか。

未得玉郞消息

いまだ、愛しい彼の人からの便りたよりは得ていない。  

17未得:まだ、得ていない。 

18玉郞:美男子であり、詩人であって名声がある。 ○郎について参考を添付した。したがって、、女の知らないうちに帰っても、他の女のもとに行っているのではないかと不安な気持ちを連想させるものである。

19消息:たより。

幾時歸

いつ、女性の許へ帰ってくるのだろうか。 

20幾時:いつ。 

21歸:ここでは、女性の許へ帰ってくる。

 

参考添付

○劉郎 別れ去る愛しい男。仙桃を味わった浦島太郎のような人物である劉晨=劉郎である夢心地の状態にある男、何年も訪れてくれなくなっているのでこのようにいう。12年もたっていることと、全く景色が変わって、ここにいる女を含めみんなが全く変わっていたというものだ。 劉禹錫『再遊玄都觀』「百畝庭中半是苔,桃花淨盡菜花開。種桃道士今何歸,前度劉郞今又來。」

○阮郎 別れ去って久しく帰らぬ愛しい男。後漢の劉展、阮肇は天台山に薬草を採りに入り、道に迷って仙女に出合い、しばらくともに暮らした。しかし家のことが思い起こされ、帰ってみると、既に数世が過ぎ、見知った人は誰もいなかった。そこで再び山に尋ね入ったが、仙女を探し当てられなかったと言う。以来、阮郎、劉部は、別れ去る男や別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を指すようになった。

檀郎/安仁/潘郎 晋の潘岳のあざな。彼は美男子であり、詩人であったが、妻の死にあい「悼亡」の詩三首を作った。後世、妻の死をなげいた模擬作が多く作られた。潘岳の幼名が檀奴だったので、「檀郎」は夫や恋い慕う男を意味する。・潘岳:安仁。滎陽(けいよう)中牟(河南省)の人。陸機と並ぶ美文の文学の大家で,錦を敷きのべたような絢爛(けんらん)たる趣をたたえられた。ことに人の死を悼む哀傷の詩文を得意とし,亡妻への尽きぬ思いをうたった〈悼亡詩(とうぼうし)〉3首はよく知られる。絶世の美男として,また権門の間を巧みに泳ぎまわる軽薄才子として,とかく話題にこと欠かなかった。八王の乱の渦中で悲劇的な刑死を遂げた。和凝『天仙子二首』其二「洞口春紅飛蔌蔌,仙子含愁眉黛綠。阮郎何事不歸來,懶燒金,慵篆玉。流水桃花空斷續。天仙子二首 其二  和學士凝(和凝【わぎょう】)二十首Ⅹ唐五代詞・「花間集」情けの強い男を「潘郎」といい、劉郞、阮郎、檀郎、安仁など色町の女が男をそう呼んだ。
紅梅003
 

11顧夐 (改)《巻六42河傳三首其三》『花間集』293全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6737

顧夐  河傳三首其三   

棹舉,舟去,波光渺渺,不知何處,岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。

天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰倚蘭橈,無憀。魂消,小爐香欲焦。

(池のほとりにある奥まったところにある御殿に、はるの景色は広がるが、寵愛を失った妃賓は酔いつぶれてしまっている、もう長いこと寵愛を受けることないので苦しく春の日を過ごす。)奥まったところの欄干に晩春の夕闇が迫っている。碧水は澄み緩やかに波紋が細やかにながれ広がり、緑のしだれ柳は柔らかに枝を揺らす。杏の花が露をためて鮮やかに映える。枝が茂れば、鶯は囀り、野の蕪はきれいに切りそろえた様に頭をそろえる。こんな人の世のことが天上でも行われている、そこでは遊び事であっても耐えるだけである。御殿に対面した池の堤防にびっしり春の草が生えていて、寵愛を失えばいつも酒に酔いつぶれた眼でいて、疑われるので屏風や障子や幔幕で仕切る。うららかな春の光がいっぱいなのに、閨で酔い潰れるのは惜しむべきことであり、花が咲けば咲くほどに思いは切なく下腹が痛くなるほどせつなく、何もかも全てのこと、ことごとくのものが狂っているとしか思えない。

11顧夐 (改)《巻六42河傳三首其三》『花間集』293全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6737

 

 

 
  2015年10月9日 の紀頌之5つのBlog  
  ●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場  
  Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
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李白324 《巻一47-《古風,五十九首之四十七 (桃花開東園)》324Index-23Ⅲ― 2-743年天寶二年43歳 94首-(5) <李白324> Ⅰ李白詩1637 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ6733  
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  ●唐を代表する 中唐 韓愈 全500首   
  Ⅱ中唐詩・晩唐詩
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韓愈92-#4《 巻二13合江亭【題合江亭寄刺史鄒君】》 #4 韓愈(韓退之) 805年貞元21年 38歳<1549> Ⅱ#4 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ6729  
  ・李商隠詩 (1) 136首の75首 ・李商隠詩 (2) 135首の61首 ●韓愈index-1 ・孟郊、張籍と交遊・汴州乱41首 ●韓愈詩index-2[800年 33歳~804年 37歳]27首 ●韓愈詩index-3 805年 38歳・]陽山から江陵府 36首 ●韓愈詩index-4 806年 39歳 江陵府・権知国子博士 51首(1)25首  
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  index-11 819年 52歳 ・『論佛骨表』左遷 38首 index-12 820年 53歳 ・9月國子祭酒に。18首 index-13 821年~822年 55歳 22首 index-14 823年~824年 57歳・病気のため退職。没す。 14首 韓愈 哲学・儒学「五原」 賦・散文・上奏文・碑文など  
  孟郊 張籍          
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  Ⅲ杜甫詩全1500首   LiveDoorBlog 766年-139杜甫 《1702中夜》 杜甫詩index-15-766年大暦元年55歲-139 <1011> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ6735  
  杜甫詩(1)736~751年 青年期・李白と交遊期・就活の詩 53首 杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73首(青年期・就活の詩)  杜甫詩(3)755年~756年、45歳 安史の乱に彷徨う 26首 杜甫詩(4)作時757年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺 43首 杜甫詩(5)758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷疎外、左遷 53首 杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 三吏三別 官を辞す 44首  
  杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首 杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首 杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首 杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首 杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首 杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首  
  ●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている  
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  ●花間集全詩●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集  
  Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoorBlog 11顧夐 (改)《巻六42河傳三首其三》『花間集』293全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6737  
  薛濤の全詩 花間集(1巻 花間集(2巻 花間集(3巻 花間集(4巻 花間集(5巻  
  魚玄機全詩 花間集(6巻 花間集(7巻 花間集(8巻 花間集(9巻 花間集10巻  
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  毛文錫31首 花間集5巻 牛希濟11首 花間集5巻 欧陽烱17首 花間集5・6巻 和凝20首 花間集6巻 顧夐56首 花間集6・7巻 孫光憲47首 花間集7・8巻  
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顧夐  河傳三首 其一

(その春に寵愛を受け、鴛鴦のように過ごしたが、秋には寵愛を失い、また春が来ても寵愛を受けることはなかったと詠う)

鷰颺,晴景。

春の盛りの景色、燕が舞い上がる季節が訪れる。

屏暖,鴛鴦交頸。

小さな高窓に日が射し、屏風の閨も暖かくなり、園内の池の鴛鴦が頭を交わして喜んでいる。

菱花掩卻翠鬟欹,慵整。海棠簾外影。

菱の花が垂れる簪が翠鬟に欹て、覆っている、物憂げに整えると、海棠の花が簾に、日影を落とす。

繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。

刺繍のとばりの閨にお香は断たれるも、金糸の鸂鶒が残される。いまも音沙汰なく、心に思うことは、その時の事が、空しく思い出す。

東風,春正濃。

また、春風が吹き始め、春はまさに緑濃くなっていく。

愁紅,淚痕衣上重。

また、悲愁の秋にその葉が赤く色づく、涙の後は頬に残り、流れた涙は上衣に重なって残る。

 

(河傳三首 其の一)

鷰颺【まいあが】り,景を晴らす。

は、屏は、暖かに,鴛鴦 頸を交わす。

菱花 卻を掩い翠鬟 欹【そばだ】つ,整を慵く。海棠 簾外の影。

繡幃 香斷し 金の鸂鶒【けいちょく】たり,消息無ければ,心事 空しく相い憶う。

東風あるも,春 正に濃ゆ。

紅に愁い,淚痕 衣の上 重る。

 

河傳三首 其二

曲檻,春晚。

碧流紋細,綠楊絲軟,露花,鮮杏,

枝繁鶯囀,野蕪似剪。

直是人間到天上,堪遊賞,

醉眼疑屏障,對池塘,

惜韶光,斷腸為花須盡狂。

(池のほとりにある奥まったところにある御殿に、はるの景色は広がるが、寵愛を失った妃賓は酔いつぶれてしまっている、もう長いこと寵愛を受けることないので苦しく春の日を過ごす。)

奥まったところの欄干に晩春の夕闇が迫っている。

碧水は澄み緩やかに波紋が細やかにながれ広がり、緑のしだれ柳は柔らかに枝を揺らす。杏の花が露をためて鮮やかに映える。

枝が茂れば、鶯は囀り、野の蕪はきれいに切りそろえた様に頭をそろえる。

こんな人の世のことが天上でも行われている、そこでは遊び事であっても耐えるだけである。

御殿に対面した池の堤防にびっしり春の草が生えていて、寵愛を失えばいつも酒に酔いつぶれた眼でいて、疑われるので屏風や障子や幔幕で仕切る。

うららかな春の光がいっぱいなのに、閨で酔い潰れるのは惜しむべきことであり、花が咲けば咲くほどに思いは切なく下腹が痛くなるほどせつなく、何もかも全てのこと、ことごとくのものが狂っているとしか思えない。

(河傳三首 其の二)

曲の檻,春の晚に。

碧の流れ 紋細やかに,綠の楊 絲軟らかに,露の花,鮮やかな杏に,

枝繁り 鶯囀く,野の蕪 剪に似る。

直ちに是れ人間 天上に到り,遊賞に堪える,

醉眼 屏障【びょうしょう】を疑い,池塘に對す,

韶光を惜み,花の為に斷腸し須らく盡く狂う。

 

河傳三首 其三

(港で見送る、船は天涯に消え、かわのながれ、泣き声に猿の鳴き声などが一緒になって響くと鷓鴣も飛び立って、それからは、もう何もする気にはなれないと詠う。)

棹舉,舟去,

棹を挙げて船で去って行く。

波光渺渺,不知何處,

波間に日が輝き、船は遠くはるかなさきにすすむ、舟が見えなくなり、その先どこに行くのかわかりはしない。

岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。

岸辺には花が咲いている、水際にまで草花が咲いてしなやかにゆれている、春の季節は変わりやすく小雨が降り始めて、鷓鴣が啼いて一斉に飛び立っていった。

天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰

天涯の地に離れた恨みは、大江の流れの聲は嗚咽と泣き声がまじっている。それに合わせて猿が泣くと切なさが増す。だからといって、別れたままの気持ちは誰に話したらいいのだろう。

倚蘭橈,無憀。

きれいなお蘭舟の船べりに倚りかかって、ボーっと立つ。

魂消,小爐香欲焦。

慕う気持ちも何も消え失せ、香炉のお香も消えかかっている、気持ちを切り替えてまた胸を焦がそうかと思う。

(河傳三首 其の三)

棹は舉ぐ,舟は去る,

波光 渺渺たり,何れの處を知らず,

岸の花と 汀の草 共に依依たり,雨微にして,鷓鴣 相い逐いて飛ぶ。

天涯 恨を離れ 江に聲して咽し,啼いて猿は切なし,此の意 誰に向いて

蘭橈に倚れば,無憀たり。

魂消れば,爐香を小くし焦さんと欲す。

 

 

『河傳三首』 現代語訳と訳註

(本文)

河傳三首 其三

棹舉,舟去,

波光渺渺,不知何處,

岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。

天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰

倚蘭橈,無憀。

魂消,小爐香欲焦。

 

(下し文)

(河傳三首 其の三)

棹は舉ぐ,舟は去る,

波光 渺渺たり,何れの處を知らず,

岸の花と 汀の草 共に依依たり,雨微にして,鷓鴣 相い逐いて飛ぶ。

天涯 恨を離れ 江に聲して咽し,啼いて猿は切なし,此の意 誰に向いてく。

蘭橈に倚れば,無憀たり。

魂消れば,爐香を小くし焦さんと欲す。

 

(現代語訳)

(港で見送る、船は天涯に消え、かわのながれ、泣き声に猿の鳴き声などが一緒になって響くと鷓鴣も飛び立って、それからは、もう何もする気にはなれないと詠う。)

棹を挙げて船で去って行く。

波間に日が輝き、船は遠くはるかなさきにすすむ、舟が見えなくなり、その先どこに行くのかわかりはしない。

岸辺には花が咲いている、水際にまで草花が咲いてしなやかにゆれている、春の季節は変わりやすく小雨が降り始めて、鷓鴣が啼いて一斉に飛び立っていった。

天涯の地に離れた恨みは、大江の流れの聲は嗚咽と泣き声がまじっている。それに合わせて猿が泣くと切なさが増す。だからといって、別れたままの気持ちは誰に話したらいいのだろう。

きれいなお蘭舟の船べりに倚りかかって、ボーっと立つ。

慕う気持ちも何も消え失せ、香炉のお香も消えかかっている、気持ちを切り替えてまた胸を焦がそうかと思う。

 

(訳注)

河傳三首其三

(港で見送る、船は天涯に消え、かわのながれ、泣き声に猿の鳴き声などが一緒になって響くと鷓鴣も飛び立って、それからは、もう何もする気にはなれないと詠う。)

 

『花間集』には顧夐の作が三首収められている。河傳三首 其三 双調五十一字、前段二十六字七句三平韻三仄韻、後段二十五字六句四平韻二仄韻で、❷❷⑦②⑤❼❸❺③②⑤の詞形をとる。

,舟

波光渺渺,不知何

岸花汀草共依,雨,鷓鴣相逐

天涯離恨江聲咽,啼猿,此意向誰

倚蘭,無

,小爐香欲

●●  ○●

○△●●  △○△●

●○△●△△△  ●○ ●○△●○

○○△●○○△ ○○●  ●●●○●

△○△  ○○

○○  ●○○●○

 

棹舉,舟去,

棹を挙げて船で去って行く。

棹舉 棹を挙げて出発する。李珣 《南子十首其二》「蘭棹舉,水紋開,競攜藤籠採蓮來。迴塘深處遙相見,邀同宴,淥酒一巵紅上面。」(蘭棹 舉げれば,水紋 開く,競うて藤籠を攜えて 蓮を採る來る。塘の深き處を迴り遙かに相い見て,同宴を邀え,淥酒 一巵 紅上の面。)

 

波光渺渺,不知何處,

波間に日が輝き、船は遠くはるかなさきにすすむ、舟が見えなくなり、その先どこに行くのかわかりはしない。

渺渺 果てしなく広いさま。遠くはるかなさま。

 

岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。

岸辺には花が咲いている、水際にまで草花が咲いてしなやかにゆれている、春の季節は変わりやすく小雨が降り始めて、鷓鴣が啼いて一斉に飛び立っていった。

依依 依依恋恋をいう。恋い慕うあまり離れられないさま。「依依」は、思い慕って離れにくいさま。 また、木の枝などがしなやかなさまを指す。 「恋恋」は、思い焦がれていつまでもあきらめきれないさま。

鷓鴣 『南越志』「常に日に向ひて飛ぶ。飛びて数ば月に随ふ。蓋し正月の如きは一飛して止む()。霜露を畏れ、早晩出づること稀なり。時有りて夜に飛ぶ。飛べば則ち木葉を以て自ら其の背を覆ふ。古牋に云ふ、偃鼠は河に飲むも腹を満たして止み、鷓鴣は葉を銜ふるも才かに能く身を覆ふとは、此れの謂ひなり。臆前に白円点文有り、多く対ひて啼く、志は常に南に嚮ひ、北に徂くを思はず。」、「鷓鴣は東西に回翔すと雖も、然れども開翅の始め必ず先づ南に翥ぶ」とは、亦胡馬は北に嘶くの義なり。『本草』「鷓鴣は形は母雞に似たり。鳴きて鉤輈格磔と云ふ」と。『嶺表異録』「肉は白くして脆なり。味は雞雉に勝る」と。

「早晩出づること稀なり」とあるのは餌をとる姿が観察されたためだろう。「時有りて夜に飛ぶ。飛べば則ち木葉を以て自ら其の背を覆ふ」とは、シャコの地上で生活し樹上で眠るという習性を指していると考えられるが、陸佃は『荘子』の言を引き、シャコの慎み深さを指していると考えている。ここでは、一羽が鳴きはじめると近くにいるものもすぐにこれに加わるというシャコの習性をいう。

 

天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰

天涯の地に離れた恨みは、大江の流れの聲は嗚咽と泣き声がまじっている。それに合わせて猿が泣くと切なさが増す。だからといって、別れたままの気持ちは誰に話したらいいのだろう。

天涯 1 空のはて。「彗星が―から来って」〈魯庵・社会百面相〉2 故郷を遠く離れた地。

 

倚蘭橈,無憀。

きれいなお蘭舟の船べりに倚りかかって、ボーっと立つ。

蘭橈 お舟。舟の美称。蘭舟。木蘭で作った、かぢ。

『竹枝』  劉禹錫「日出三竿春霧消,江頭蜀客駐蘭橈。憑寄狂夫書一紙,住在成都萬里橋。」(日は 三竿を出で春霧消え,江頭の蜀客 蘭橈を駐む。狂夫に憑りて 書一紙寄す,成都 萬里橋に  住みて在り。)

 

魂消,小爐香欲焦。

慕う気持ちも何も消え失せ、香炉のお香も消えかかっている、気持ちを切り替えてまた胸を焦がそうかと思う。

張泌《巻四35河傳 二首之一》『花間集』186全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6202

張泌  河傳二首 其一  

渺莽雲水,惆悵暮帆,去程迢遞。夕陽芳艸千里,萬里,鴈聲無限起。

夢魂悄斷煙波裡,心如醉。相見何處是,錦屏香冷無睡,被頭多少淚。

(旅立った人のことを思う女性の悲しみを詠う。)霞がかかってぼんやりとかすんでいて、遠くまで雲と水がひろがり、怨めしく悲しい思いの船が帆を挙げて舟が帰って來る。しかしあの人は行く手遙かなところにいるまま。きっとあの人は夕日照る草原にいて、千里万里の地、旅の空のもとにある、だから手紙を託せる雁の声は数知れず沸き起こっているだろうに。  

 

張泌《巻四35河傳 二首之一》『花間集』186全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6202

 
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(改訂版Ver.2.1

河傳二首 其一

(旅立った人のことを思う女性の悲しみを詠う。)

渺莽雲水,惆悵暮帆,去程迢遞。

霞がかかってぼんやりとかすんでいて、遠くまで雲と水がひろがり、怨めしく悲しい思いの船が帆を挙げて舟が帰って來る。しかしあの人は行く手遙かなところにいるまま。

夕陽芳艸千里,萬里,鴈聲無限起。

きっとあの人は夕日照る草原にいて、千里万里の地、旅の空のもとにある、だから手紙を託せる雁の声は数知れず沸き起こっているだろうに。  

夢魂悄斷煙波裡,心如醉。

船に乗り旅立つときのことを夢で追いかけるが、追い付く前に、途中の波間で目が覚めてしまったし、心は酒に酔っているよう。

相見何處是,錦屏香冷無睡,被頭多少

何処の地にいけば会えるのか、錦の屏風、お香もすでに消えてさめてしまったままであり、どんなにしても眠られず、掛け布団の襟は涙に濡れている。

 

 

河傳二首 其の一

渺莽【びょうぼう】たる雲水,惆悵【ちょうちょう】たる暮帆,去程 迢遞【ちょうてい】として。

夕陽【せきよう】芳艸【ほうそう】,千里萬里,鴈聲 無限に起る。

夢魂 悄【ひそ】かに斷ゆ 煙波の裡,心 醉うが如し。

相い見るは 何處か是れなる,錦屏【きんぺい】香 冷ややかに睡ること無く,被頭 多少の淚。

 

其二

紅杏,交枝相映,密密濛濛。

一庭濃豔倚東風,香融,透簾櫳。

斜陽似共春光語,蝶爭舞,更引流鶯妬。

魂銷千片玉樽前,神仙,瑤池醉暮天。

 

 

(改訂版Ver.2.1

『河傳二首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

河傳二首 其一

渺莽雲水,惆悵暮帆,去程迢遞。

夕陽芳艸千里,萬里,鴈聲無限起。

夢魂悄斷煙波裡,心如醉。

相見何處是,錦屏香冷無睡,被頭多少淚。

 

(下し文)

河傳二首 其の一

渺莽【びょうぼう】たる雲水,惆悵【ちょうちょう】たる暮帆,去程 迢遞【ちょうてい】として。

夕陽【せきよう】芳艸【ほうそう】,千里萬里,鴈聲 無限に起る。

夢魂 悄【ひそ】かに斷ゆ 煙波の裡,心 醉うが如し。

相い見るは 何處か是れなる,錦屏【きんぺい】香 冷ややかに睡ること無く,被頭 多少の淚。

 

(現代語訳)

(旅立った人のことを思う女性の悲しみを詠う。)

霞がかかってぼんやりとかすんでいて、遠くまで雲と水がひろがり、怨めしく悲しい思いの船が帆を挙げて舟が帰って來る。しかしあの人は行く手遙かなところにいるまま。

きっとあの人は夕日照る草原にいて、千里万里の地、旅の空のもとにある、だから手紙を託せる雁の声は数知れず沸き起こっているだろうに。  

船に乗り旅立つときのことを夢で追いかけるが、追い付く前に、途中の波間で目が覚めてしまったし、心は酒に酔っているよう。

何処の地にいけば会えるのか、錦の屏風、お香もすでに消えてさめてしまったままであり、どんなにしても眠られず、掛け布団の襟は涙に濡れている。

 

 

(訳注) (改訂版Ver.2.1

河傳二首 其一

(旅立った人のことを思う女性の悲しみを詠う。)

前段は、果てしない水平線の彼方に去ってゆったのを思い出し、帰り舟を漠然と見ている船を描写し、万里、千里の行先にはたくさんの雁が居るのに、その雁に「雁書」をたくしてくれない。後段は、今では私のことを夢見ることもないのか、おんなは夢でどこまで行けばあの人に会えるのかと問いかける。そして、床は冷たくて再び寝付けず、涙で布団の襟を濡らすことを詠む。「夕陽芳草千里、万里」の語は、実景であると同時に、男が帰って来ないのではないかという女の不安を示す。

花間集の「河傳」は以下の通り。

 

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲『河傳』十八首

 

 

溫助教庭筠

巻二

河傳三首其一(改訂)

曉妝仙,仙景箇

 

 

巻二

河傳三首其二(改訂)

雨蕭蕭,煙浦花

 

 

巻二

河傳三首其三(改訂)

杏花稀,夢裡每

 

 

韋相莊

巻二

河傳三首其一(改訂)

何處,煙雨,隋堤

 

 

巻二

河傳三首其二(改訂)

春晚,風暖,錦城

 

 

巻二

河傳三首其三(改訂)

錦浦,春女,繡衣

 

 

張舍人泌

巻五

河傳 二首之一

渺莽雲水,惆悵暮

 

 

巻五

河傳 二首之二

紅杏,交枝相映,

 

 

顧太尉

巻七

河傳三首 其一

鷰颺,晴景。小

 

 

巻七

河傳三首 其二

曲檻,春晚。

 

 

巻七

河傳三首 其三

棹舉,舟去,波光

 

 

孫少監光憲

巻七

河傳四首(1

太平天子,等閑遊

 

 

巻七

河傳四首(2

柳拖金縷,着煙籠

 

 

巻七

河傳四首(3

花落,煙薄,謝家

 

 

巻七

河傳四首(4

風颭,波斂。

 

 

閻處士選

巻九

河傳一首

秋雨,秋雨,

 

 

李秀才珣

巻十

河傳二首其一

朝雲暮雨,依舊

 

 

巻十

河傳二首其二

落花深處,啼鳥

 

 

 

 

 

 

 

「花間集』には張泌の作が二首収められている。双調五十一字、前段二十五字六句五仄韻、後段二十六字六句四仄韻で、❹4❹❻❷❺/❼❸5❻❺の詞形をとる。

河傳二首 其一

渺莽雲,惆悵暮帆,去程迢

夕陽芳艸千,萬,鴈聲無限

夢魂悄斷煙波,心如

相見何處是,錦屏香冷無,被頭多少

●●○●  ○●●△ ●○○●

●○○●○● ●●  ●○○●●

△○●●○○●  ○△●

△●△●●  ●△○△○● ●○○●●

 

渺莽雲水,惆悵暮帆,去程迢遞。

霞がかかってぼんやりとかすんでいて、遠くまで雲と水がひろがり、怨めしく悲しい思いの船が帆を挙げて舟が帰って來る。しかしあの人は行く手遙かなところにいるまま。

○渺莽 霞がかかって、河水が浩大なさま、はてしなく広いさま;

○惆悵 恨めしく思うこと。恨み嘆くこと。うらめしい。うらみがましい。温庭筠『更漏子 一』「惆悵謝家池閣」  謝女というのは晋の謝安が東山の彼を愛した故事から出たもの。過去女もそういう時期もあった。李白『送侄良攜二妓赴會稽戲有此贈』「攜妓東山去。 春光半道催。遙看若桃李。 雙入鏡中開。」送姪良携二妓赴会稽戯有此贈  李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -287
池閣は、謝霊運の「池塘生春草」謝霊運の「池塘生春草」にかけて、池堀に春草の生ずるようになったという春情にかける意がある。

○暮帆 夕ぐれに帰る舟。魚玄機『江陵愁望寄子安』「楓葉千枝復萬枝,江橋掩映暮帆遲。憶君心似西江水,日夜東流無歇時。」

○迢遞 遙遠的樣子。指路途遙遠。遙かに遠い。遠くに隔たる。遙か高く遠くに。

 

夕陽芳艸,千里萬里,鴈聲無限起。

きっとあの人は夕日照る草原にいて、千里万里の地、旅の空のもとにある、だから手紙を託せる雁の声は数知れず沸き起こっているだろうに。  

韋荘 『上行杯二首 其二

白馬玉鞭金轡。少年郎,離別容易。

迢遞去程千萬裏。

惆悵異雲水,滿酌一杯勸和淚。

須愧,珍重意,莫辭醉。

120上行杯 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-298-5-#52  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3037

○鴈聲無限起 「雁声無限に起こる」の語は、雁書を託せる雁は沢山いるはずなのになぜ音信がないのかという意味。

 

夢魂悄斷煙波裡,心如醉。

船に乗り旅立つときのことを夢で追いかけるが、追い付く前に、途中の波間で目が覚めてしまったし、心は酒に酔っているよう。

○夢魂情断煙波裏 女性は、船に乗り旅立っていった男を夢で追いかけて行くが、追い付く前に、途中の波間で目が覚めてしまったということ。夢魂は夢。

○心如酔 失意の余り、酔ったように虚ろになること。

 

相見何處是,錦屏香冷無睡,被頭多少淚。

何処の地にいけば会えるのか、錦の屏風、お香もすでに消えてさめてしまったままであり、どんなにしても眠られず、掛け布団の襟は涙に濡れている。

○被頭 布団の襟。

牛嶠《巻四12菩薩蠻七首 其二》『花間集』163全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6087

牛嶠  菩薩蠻七首 其二  

柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。

金鳳小簾開,臉波和恨來。

今宵求夢想,難到青樓上。

贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

菩薩蠻七首その二(別離し、この春、そのまま行楽に出かけられるのを見送るものの、これから違った生活をするどうにかして前向きに生きてゆくとを詠う。)柳絮が飛びが飛び交うところになり、晩春にうつっていくから鶯の啼き声さえ、どうやら急ぎ始めたようだ。暮れなずむ街、すっかり春の景色に満ち溢れ日には香をたきこめた御車の列が行楽の地に向かう。

 

牛嶠《巻四12菩薩蠻七首 其二》『花間集』163全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6087

 

 

 
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(改訂版Ver.2.1

菩薩蠻七首 其一

(寵愛を受ける時は短く、ツバメが来て、しばらくヒナがうるさくし始める頃にはすでに寵愛を失う。そのごは、毎日、寵愛を受けていた時と同じようにただ、待ち続ける毎日が繰り返される。まるでどこか北の遠くの遼陽に送り出した人を待つ寡婦と同じようになってしまうと詠う)

舞裙香暖金泥鳳,畫梁語鷰驚殘夢。

香炉の火が暖かく、香付の舞衣裳のスカートには金泥の鳳模様がきれいである、赤青の塗りの梁の上の燕が鳴き交わすと名残りの夢は破られてしまう。

門外柳花飛,玉郎猶未歸。

宮殿門の外は春もさかり、池端からの並木の柳絮の花が舞い飛ぶのが終わると約束の春は過ぎてしまう、愛しいひとはそれでも未だに帰って来ない。

愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。

妃嬪の憂いは、涙で頬紅と白粉がくずれてはなおしても崩れてしまう。眉は春山の翠のようにかいて整えたので涙で何もかも崩れてしまう。

何處是遼陽,錦屏春晝長。

待つのが定めというものの、ここの錦屏風の閨の内の、春の日の長い昼間に、怠惰になって何もする気になれない、ほんとに愛しの人は遼陽の様な遠方にでも行ったのかと感じられ、ほんとうは何処にいいているか。

(菩薩蠻七首 其の一)

舞裙 香 暖かく 金泥の鳳,畫梁【がりょう】語る 殘夢を驚く。

門外 柳花 飛,玉郎 猶お未だ歸らず。

愁は紅粉の淚を勻【あまね】し,眉は春山の翠を剪る。

何處か 是れ遼陽なる,錦屏 春晝 長し。

 

(改訂版Ver.2.1

菩薩蠻七首其二

菩薩蠻七首その二(別離し、この春、そのまま行楽に出かけられるのを見送るものの、これから違った生活をするどうにかして前向きに生きてゆくを詠う。)

柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。

柳絮が飛びが飛び交うところになり、晩春にうつっていくから鶯の啼き声さえ、どうやら急ぎ始めたようだ。暮れなずむ街、すっかり春の景色に満ち溢れ日には香をたきこめた御車の列が行楽の地に向かう。

金鳳小簾開,臉波和恨來。

金の鳳凰の刺繍の小窓のすだれを開いて見送ってから、清らかな目になにだの波をたたえて、恨む気持ちを和ませてやってくる。

今宵求夢想,難到青樓上。

今宵からは夢の中であのお方のことを思い浮かべるだけだ。青樓の高殿のあたりに行くこともかなわない。

贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

ここの場所だけは愁いを催すことはなく次第に前向きな気持ちになってゆくようだ、思うことは、「誰かが鴛鴦の布団に並んで頭を並べてくれるということ」と。

(其の二)

柳花 飛ぶ處 鶯聲急なり,暗き街 春色 香車立つ。

金鳳 小簾開き,臉波 和みて恨み來る。

今宵 夢想を求め,青樓の上に到れ難し。

贏得【えいとく】 一場愁い,鴛衾【おうきん】 誰ぞ頭を並べん。

 

其三

玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。

樓上望卿卿,寒新雨晴。

薰爐蒙翠被,繡帳鴛鴦睡。

何處有相知,羨他初畫眉。

 

其四

畫屏重疊巫陽翠,楚神尚有行雲意。

朝暮幾般心,向他情漫深。

風流今古隔,虛作瞿塘客。

山月照山花,夢迴燈影斜。

 

其五

風簾鷰舞鶯啼柳,粧臺約鬢低纖手。

釵重髻盤珊,一枝紅牡丹。

門前行樂客,白馬嘶春色。

故故墜金鞭,迴頭應眼穿。

 

其六

綠雲鬢上飛金雀,愁眉斂翠春煙薄。

香閣掩芙蓉,畫屏山幾重。

寒天欲曙,猶結同心苣。

啼粉羅衣,問郎何日歸。

 

其七

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。

柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。

須作一生拚,盡君今日歡。

 

(改訂版Ver.2.1

『菩薩蠻七首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

菩薩蠻七首 其二

柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。

金鳳小簾開,臉波和恨來。

今宵求夢想,難到青樓上。

贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

 

(下し文)

(其の二)

柳花 飛ぶ處 鶯聲急なり,暗き街 春色 香車立つ。

金鳳 小簾開き,臉波 和みて恨み來る。

今宵 夢想を求め,青樓の上に到れ難し。

贏得【えいとく】 一場愁い,鴛衾【おうきん】 誰ぞ頭を並べん。

 

(現代語訳)

菩薩蠻七首その二(別離し、この春、そのまま行楽に出かけられるのを見送るものの、これから違った生活をするどうにかして前向きに生きてゆくとを詠う。)

柳絮が飛びが飛び交うところになり、晩春にうつっていくから鶯の啼き声さえ、どうやら急ぎ始めたようだ。暮れなずむ街、すっかり春の景色に満ち溢れ日には香をたきこめた御車の列が行楽の地に向かう。

金の鳳凰の刺繍の小窓のすだれを開いて見送ってから、清らかな目になにだの波をたたえて、恨む気持ちを和ませてやってくる。

今宵からは夢の中であのお方のことを思い浮かべるだけだ。青樓の高殿のあたりに行くこともかなわない。

ここの場所だけは愁いを催すことはなく次第に前向きな気持ちになってゆくようだ、思うことは、「誰かが鴛鴦の布団に並んで頭を並べてくれるということ」と。

 

(訳注) (改訂版Ver.2.1

菩薩蠻七首 其二

(旅に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)その二

東門から旅出つ高官の男をみおくる女の情を詠う。末句は、遙かな男を忘れ、いっそほかの男に抱かれてしまおうかという思いを詠う。一夫多妻制のころである旅立つ男に、「早く帰ってくれなければ別の男に抱かれてしまいますよ」と云っているもの。

唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

菩薩蠻七首 其二

柳花飛處鶯聲,暗街春色香車

金鳳小簾,臉波和恨

今宵求夢,難到青樓

贏得一場,鴛衾誰並

●○○●○○●  ●○○●○○●

○●●○○  △○△●△

○○○△●  △●○○●

○●●○○  ○○○●○

 

柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。

柳絮が飛びが飛び交うところになり、晩春にうつっていくから鶯の啼き声さえ、どうやら急ぎ始めたようだ。暮れなずむ街、すっかり春の景色に満ち溢れ日には香をたきこめた御車の列が行楽の地に向かう。

・柳花飛處鶯聲急 柳絮は晩春にうつっていくから鶯の啼き声さえ、どうやら急ぎ始めたようだというほどの意。

・暗街 暗い街。くらがりの街。よるの街。くろずむ町、街の深いところ。暗に、ひそかに。ここは日が落ち、街を暗くして行くようすをいう。

・香車立 朝廷の高官の旅立ちの御車を云う。

 

金鳳小簾開,臉波和恨來。

金の鳳凰の刺繍の小窓のすだれを開いて見送ってから、清らかな目になにだの波をたたえて、恨む気持ちを和ませてやってくる。

小簾 車の小窓の簾。

臉波 清らかな目のような波。唐·白居易·《天津橋》詩:「眉月晚生神女浦,臉波春傍窈娘堤。」唐·韋莊·《漢州詩》:「十月醉眠金雁驛,臨岐無恨臉波橫。」張泌《巻五02江城子其二》浣花溪上見卿卿,臉波秋水明,黛眉輕。

和恨 うらむことをなごませる。

 

今宵求夢想,難到青樓上。

今宵からは夢の中であのお方のことを思い浮かべるだけだ。青樓の高殿のあたりに行くこともかなわない。

・青樓 青く塗った高殿で、身分に高い人の家。高貴な女性の住む家。遊女の入るところ。妓楼。

旅立つ人は東、青の門から出る。見送りはその門からさらに東にある高楼で最後の夜を過ごすのである。

 

贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

ここの場所だけは愁いを催すことはなく次第に前向きな気持ちになってゆくようだ、思うことは、「誰かが鴛鴦の布団に並んで頭を並べてくれるということ」と。

・贏得 利益を得ること。獲得すること。

・鴛衾 鴛鴦の模様の布団は一緒に過ごすベットに架けられている。

牛嶠《巻四10望江怨》『花間集』161全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6077

 

牛嶠  望江怨  

東風急,惜別花時手頻執。

羅幃愁獨入,馬嘶殘雨春蕪

倚門立,寄語薄情郎,粉香和淚泣。

(春に昇進して、赴任地に出発する頃は、花も咲き乱れ、女盛りのころだった、書簡を出しても音沙汰がなく、約束のころに門で待っても帰って来る気配はない、門に立つたびに化粧を整えるが涙で崩れてしまう。それでも女は、待っているだけしかないと詠う。)

 

牛嶠《巻四10望江怨》『花間集』161全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6077

 
 2015年5月30日の紀頌之5つのBlog 
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248 《巻22-18 春日獨酌二首 其一》Index-17 Ⅱ―12-737年開元二十五年37歳 <248> Ⅰ李白詩1498 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ6038 
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 ●花間集全詩●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集 
 Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoorBlog牛嶠《巻四10望江怨》『花間集』161全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6077 
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●作者  牛嶠 【花間集ID-5 牛嶠(生卒年未詳、)】字は松卿、また延峰という。隴西(甘粛省)の人。唐宰相牛僧孺の子孫にあたるという唐僖宗の乾符五年(878)の進士。唐朝に仕えて、拾遺・補闕・校書即の官を歴任した。王建が節度使となって蜀(四川)を鎮めたとき、招かれて判官となった。

 

王建が蜀国を建ててから、蜀に仕えて給事中の官を拝した。よって牛給事とよばれている。博学で文学をよくし、詩歌においてはとくに名があらわれていた。ひそかに李賀(長吉)の歌詩を慕って、筆をとればただちにその詩風にならうことが多かったといぅ。詞はとくにその長ずるところで、女冠子詞の「繍帯芙蓉帳、金紋芍薬花」とか、菩薩蛮詞の「山月照山花、夢回鐙影斜」などはかれの佳句として知られていたといぅ。いわゆる花間沢とよばれる一派のなかで、況庭箔の詞風をうけてその辞句の美しきや情味の深いことでとくにすぐれた詞人である。集三十巻歌詩三巻があったというが今わずかに一部分が伝わるだけである。詞は花間集に三十二首を収めている。

 

・白居易

《憶江南》

江南好,風景舊曾諳。 

日出江花紅勝火,春來江水綠如藍。

能不憶江南。」

(江南好し。風景 旧【もと】より 曽て諳【そら】んず、日出づれば 江花 紅きこと火に勝り。春来れば 江水 緑なること 藍の如し、能く 江南を 憶はざらんや。)江南は素晴らしい。その風景はずっと昔から私の記憶に焼きついている。太陽が昇ると江上の花は火のように真っ赤に見え、春が来れば江の水は藍のように緑色になる。どうして江南を慕わずにいれよう。「夢江南」と「憶江南」は同一詞調。

江南好  風景舊曾
日出江花紅勝火  春來江水綠如藍 能不憶江

○○●  △●●○○

●●○○○△●  ○△○●●△○  △△●○○

牛嶠

・『花間集』には牛嶠の作が二首収められている。単調二十七字、五句三平韻で、37⑦⑤の詞形をとる。

夢江南二首其一

㘅泥,飛到畫堂前。

占得杏梁安穩處,體輕唯有主人憐,堪羨好因緣。

其の一

泥を㘅【ふく】む【つばめ】,飛びて畫堂の前に到る。

占め得たり 杏梁【きょうりょう】の安穩【あんのん】の處,體 輕くして唯だ主人の憐れむ有り,羨やむに堪えたり 好き因緣を。

 

夢江南二首 其二

紅繡被,兩兩間鴛鴦。

不是鳥中偏愛爾,為緣交頸睡南塘,全勝薄情郎。

夢江南【ぼうこうなん】二首

其の二

紅 繡 被い,兩兩にして 鴛鴦を間にす。

鳥 中【あた】る是れならず 爾を偏愛し,交頸するを緣と為し 南塘に睡り,全ては薄き情郎に勝【たえ】ることなり。

 

牛嶠《夢江南二首其一》

㘅泥鷰、飛到畫堂
占得杏梁安穩處、體輕唯有主人憐、堪羨好因



 

牛嶠《望江怨》

東風  惜別花時手頻
羅幃愁獨  馬嘶殘雨春蕪
倚門  寄語薄情郎 粉香和淚

○△●  ●●○○●○●

○○○●●  ●○○●○○●

△○●  ●●●○○ ●○△●●

 

 

 

 

●花間集に《望江怨》は一首、旅の一夜を思い出して詠うもの。

(改訂版Ver.2.1

望江怨

東風急,惜別花時手頻執。

羅幃愁獨入,馬嘶殘雨春蕪

倚門立,寄語薄情郎,粉香和淚泣。

東風は春を知らせる強い風(春一番)、別れを惜んだのは花の時で、繰り返し手を握り交わしたものでした。

薄い肌襦袢にとばりは愁いを誘い、独り閨にはいるのです、あの人の乗る馬は嘶き、行ってしまうと名残りの雨に春草は濡れるのです。

きっと帰って来てくれると門口に佇んで、薄情もののあの人に言葉を寄せるのですが、涙が頬を濡らし、頬の白粉が溶ける日々が続くのです。

 

望江怨【ぼうこうえん】(改訂版Ver.2.1

東風 急なり,惜別 花の時 手頻に執る。

羅幃 愁いて獨り入れば,馬は殘雨に嘶きて 春蕪は【うるお】う

門に倚りて立ち,語を薄き情郎に寄せども,粉香 淚に和【まざ】りて泣く。

 

 

『望江怨』 現代語訳と訳註

(本文)

望江怨

東風急,惜別花時手頻執。

羅幃愁獨入,馬嘶殘雨春蕪

倚門立,寄語薄情郎,粉香和淚泣。

 

(下し文)

望江怨【ぼうこうえん】

東風 急なり,惜別 花は時に の手に頻りに執る。

羅幃に愁いて獨り入れば,馬は殘雨に嘶きて 春蕪は【うるお】う

門に倚りて立ち,語を薄き情郎に寄せれども,粉香 淚に和【まざ】りて泣く。

 

(現代語訳)

(春に昇進して、赴任地に出発する頃は、花も咲き乱れ、女盛りのころだった、書簡を出しても音沙汰がなく、約束のころに門で待っても帰って来る気配はない、門に立つたびに化粧を整えるが涙で崩れてしまう。それでも女は、待っているだけしかないと詠う。)

めでたい東風はが強くふきつける、別れを惜んで、繰り返し手を握り交わしたのはおんなも花の咲くさかりのころだった。

見送ってから、独り閨にはいると昨日の、薄い肌襦袢と、とばりが目に入り、心配な気持ちになったもの、名残りの雨は馬の嘶きがすぐ聞えなくなり、その雨はみちの春草をうるおしていく。

薄行の情夫に手紙を出しても音沙汰はないし、同心結して約束した秋になって、門口に佇んでみたもののかえってはこない、涙が頬を濡らし、頬の白粉が溶け、まじりあって流れ落ちる。(それでも待っているしかない)

 

(訳注) (改訂版Ver.2.1

望江怨

(春に昇進して、赴任地に出発する頃は、花も咲き乱れ、女盛りのころだった、書簡を出しても音沙汰がなく、約束のころに門で待っても帰って来る気配はない、門に立つたびに化粧を整えるが涙で崩れてしまう。それでも女は、待っているだけしかないと詠う。)

旅立ったまま帰らぬ男を恨む女の情を詠う。第一句から第四句までは、男の旅立ちを見送った時の回想をのべ、第五句から末句までは、男の帰りを待ちわびる女の心情を述べる。すべて男目線の女の情をのべるものである。

 

花間集には「望江怨」が牛嶠一首のみ所収。単調三十五字、七句六仄韻で、❸❼❺❼❸5❺の詞形をとる。

東風  惜別花時手頻
羅幃愁獨  馬嘶殘雨春蕪
倚門  寄語薄情郎 粉香和淚

○△●  ●●○○●○●

○○○●●  ●○○●○○●

△○●  ●●●○○ ●○△●●

 

東風急,惜別花時手頻執。

めでたい東風はが強くふきつける、別れを惜んで、繰り返し手を握り交わしたのはおんなも花の咲くさかりのころだった。

○東風 ①ひがしかぜ、こちかぜ。(めでたい生気をあおる風)李白《巻22-19 春日独酌二首其一》「東風扇淑氣,水木榮春暉。」②春風、《禮記、月令》(孟春之月東風解凍, 蟄蟲始振, 魚上冰, 獺祭魚, 鴻雁來。」③草の名。一に冬風に作る。東風菜。

○惜 別 別れを惜しむ。別れるのを名残惜しく思う。

○花 咲く花。女性を暗示しているようにも見える。

○手頻執 頻りに手に執る。頻執手:手をしきりに執る。

 

 

羅幃愁獨入,馬嘶殘雨春蕪

見送ってから、独り閨にはいると昨日の、薄い肌襦袢と、とばりが目に入り、心配な気持ちになったもの、名残りの雨は馬の嘶きがすぐ聞えなくなり、その雨はみちの春草をうるおしていく。

○羅幃 うすぎぬのとばり。うすぎぬの(ベッド)カーテン。ここでは薄絹の肌襦袢、帳を垂れた閏を指す。

愁獨入 (別れを)かなしんで、(ベッドカーテンの中へ)独りだけで入る。

馬嘶 馬がいななく。

殘雨 ひとしきり降った後の止みかけの雨。

春蕪 春の草。

濕 潤す。

 

倚門立,寄語薄情郎,粉香和淚泣。

薄行の情夫に手紙を出しても音沙汰はないし、同心結して約束した秋になって、門口に佇んでみたもののかえってはこない、涙が頬を濡らし、頬の白粉が溶け、まじりあって流れ落ちる。(それでも待っているしかない)

倚門立:門によってたちつくす。ここの「門」は女性のいる建物のかど口。

寄語:ことづてする。伝言をたのむ。=寄言。

○薄情郎 薄は薄行、情郎:いろおとこ。もておとこ。情夫。薄情郎 夢のような付き合いをしたのにもう心変わりをした情けの薄い男を云う。この時代の情けの強い男を「潘郎」といい、劉郞、阮郎、檀郎、安仁など色町の女が男をそう呼んだ。

巻四06夢江南二首其二「紅繡被,兩兩間鴛鴦。不是鳥中偏愛爾,為緣交頸睡南塘,全勝薄情郎。」

牛嶠《巻四02夢江南二首其二》『花間集』153全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6037

○粉香和涙泣 (おしろいの香は)涙と一緒になりながら、泣いた。流す涙に頬の白粉が溶けること。和:まぜあわす。

牛嶠《巻四09更漏子三首 其三》『花間集』160全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6072

牛嶠  更漏子三首 其三  

南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。

招手別,寸腸結,還是去年時節。書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。

(更漏子三首 其の三:城郭の南の渡し場の秋の風物詩である、男女の別離の風物詩、別離の夜から朝の時間経過と、そうした光景が去年も今年も来年もと続いてゆく時間経過を詠う。)

 

牛嶠《巻四09更漏子三首 其三》『花間集』160全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6072

 

 
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(改訂版Ver.2.1

更漏子三首 其一

(春の夜、少し離れた宮殿で夜通しの演舞が催されていて、眠りに付けず、寵愛を受け絶頂であった頃を思い浮かべる)

星漸稀,漏頻轉,何處輪臺聲怨。

今宵は眠れずうとうとしてまた起きて夜空を見れば、星屑の空もようやく疎らになってきて、漏刻の浮子ももしきりに転じている。どこの楼殿で演奏しているのか西域の輪臺曲の演奏の音が聴こえてくるのが寵愛を失った今、怨みに思う。

香閣掩,杏花紅,月明楊柳風。

きっとそこの閣殿にお香が被っているし、杏の花はこんな夜でも紅を保っている。月はここの庭だけでなく、すべてを明るく照らし、楊柳は風に吹かれてゆれている。

挑錦字,記情事,惟願兩心相似。

寂しくないように、すぐれて美しい詩句をかかげて示され、そして、心の思いを書き記してくれる。ただ、願うのは、二人の心に思うことが「同じことを思う」ということ。

收淚語,背燈眠,玉釵橫枕邊。

妃嬪は、涕と一緒にその言葉を収め、燈火を背に横になる。耀く簪も枕の傍においてしまっている。

 

(更漏子【こうろうし】三首 其の一)

星 漸【ようや】く稀れにして,漏 頻に轉じ,何處にか輪臺 聲怨す。

香 閣掩い,杏花の紅,月明く 楊柳 風す。

錦字を挑げ,情事を記し,惟だ願う 兩つながらの心 相い似る。

淚 語を收め,燈を背にして眠り,玉釵 枕邊に橫わる。

 

(改訂版Ver.2.1

更漏子三首 其二

(更漏子三首 其の二:春の短い夜に夢からさめ、『同心結』の約束を破られて、恨む気持ちになるけれど、天に聞いたら、やっぱり「待つ」ことが女の道であるという。)

春夜闌,更漏促,金燼暗挑殘燭。

春の夜は短く一番良い時もすぐ過ぎてしまう、本当に、時の流れははやく過ぎる、金で飾った燭台の灯芯の燃えさしを替える事は無く、かき立てるだけでよいほどだ。

驚夢斷,錦屏深,兩明月心。

あのひとの夢をみていてもすぐに覚めて現実におどろく、錦のきれいな屏風の奥の閏にも、同じ月明かりが照らしているはずなのに、離れ離れに暮らす二人の心は別々になったのだろう。

閨艸碧,望歸客,還是不知消息。

春も進み、閏から見える草木も緑が濃くなる、あの人は他郷の客、帰りを待ち望むだけ、しかし、今もなお消息さえ知れない。

辜負我,悔憐君,告天天不聞。

私との「同心結」を裏切ったあの人に、情を捧げていることを悔やまれるので、天にそれを告げてみたけれど天は答えてくれなくてなにも聞えない。待つことしかないと教えられる。

 

(更漏子【こうろうし】三首 其の二)

春夜 闌【たけなわ】は,更漏 促し,金燼【きんじん】暗く 殘燭を挑【かか】ぐ。

夢 斷えるを驚き,錦屏 深く,兩 明月の心。

閨艸 碧に,歸客を望むも,還た 是れ消息を知ることなし。

我を辜負【こふ】す,君を憐れみしを悔い,天に告ぐるも天は聞かず。

 

(改訂版Ver.2.1

更漏子三首 其三

(更漏子三首 其の三:城郭の南の渡し場の秋の風物詩である、男女の別離の風物詩、別離の夜から朝の時間経過と、そうした光景が去年も今年も来年もと続いてゆく時間経過を詠う。)

南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。

城郭の南の渡し場では、南に行く男と情を交わしての別離がある、その夜、女の涙は、頬紅も白粉もながし、そんな二人が、どうして、この二人の気持ちが落ち込んでゆくことを争うようにさらに落ち込んでしまうのだろう。

低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。

旅立ちの朝は、女は、不満や心配でみどりの眉が下がりっぱなしで、男は旅装を身に着け、馬が嘶くのが朝の空に響き、枯葉が空に舞う。(北西風を背に受けて南に出かける))

招手別,寸腸結,還是去年時節。

そして、男は最後の別れと手招きをし、つかの間の真心を結びあう。この光景は去年のこの時期もあったし、別れの風物詩である。

書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。

そんな女は、書簡を雁に託すものであり、夢にみるのは家に帰ってくることだ。そんなことばかり思っていても、春が来ても、夢が現実にならず、眠れぬ夜は過ぎてゆき、大江の上の月も西に傾いている。(女は死ぬまで待ち続けるのである。―女の方から男を棄てる、離婚するということはできない時代である)

 

(更漏子 三首 其の三)

南浦 情あり,紅粉 淚し,柰んぞ爭わん 兩人 意を深くするを。

翠黛を低くして,征衣を卷き,馬は嘶き 霜葉 飛ぶ。

手を招いて別れ,寸腸 結び,還た是こ去りて年も時節なり。

書 鴈に托し,夢 家に歸り,覺めて 月斜めになるも江に來る。

 

(改訂版Ver.2.1

『更漏子三首 其三』 現代語訳と訳註

(本文)

更漏子三首 其三

南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。

低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。

招手別,寸腸結,還是去年時節。

書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。

 

 

(下し文)

(更漏子 三首 其の三)

南浦 情あり,紅粉 淚し,柰を爭うて 兩人 意を深くす。

翠黛を低くして,征衣を卷き,馬は嘶き 霜葉 飛ぶ。

手を招いて別れ,寸腸 結び,還た是こ去りて年も時節なり。

書 鴈に托し,夢 家に歸り,覺めて 月斜めになるも江に來る。

 

 

(現代語訳)

(更漏子三首 其の三:城郭の南の渡し場の秋の風物詩である、男女の別離の風物詩、別離の夜から朝の時間経過と、そうした光景が去年も今年も来年もと続いてゆく時間経過を詠う。)

城郭の南の渡し場では、南に行く男と情を交わしての別離がある、その夜、女の涙は、頬紅も白粉もながし、そんな二人が、どうして、この二人の気持ちが落ち込んでゆくことを争うようにさらに落ち込んでしまうのだろう。

旅立ちの朝は、女は、不満や心配でみどりの眉が下がりっぱなしで、男は旅装を身に着け、馬が嘶くのが朝の空に響き、枯葉が空に舞う。(北西風を背に受けて南に出かける))

そして、男は最後の別れと手招きをし、つかの間の真心を結びあう。この光景は去年のこの時期もあったし、別れの風物詩である。

そんな女は、書簡を雁に託すものであり、夢にみるのは家に帰ってくることだ。そんなことばかり思っていても、春が来ても、夢が現実にならず、眠れぬ夜は過ぎてゆき、大江の上の月も西に傾いている。(女は死ぬまで待ち続けるのである。―女の方から男を棄てる、離婚するということはできない時代である)

 

(訳注) (改訂版Ver.2.1

更漏子三首 其三

(更漏子三首 其の三:城郭の南の渡し場の秋の風物詩である、男女の別離の風物詩、別離の夜から朝の時間経過と、そうした光景が去年も今年も来年もと続いてゆく時間経過を詠う。)

毎年、秋になって南浦で別離があり、駅亭での別れを惜しむ一夜を過ごし、翌朝、同心結を誓って別れてゆくという光景は、毎年同じようにあるし、春には帰ってくると、待っているが、待ち侘びて川辺に佇む女の光景もまたいつも通りである。。旅だった男を恨もうと、憎もうと、女は待っていなければ罪になる時代である。この詩は別離の夜から朝の時間経過と、そうした光景が去年も今年も来年もと続いてゆく時間経過を詠っている。

 

『花間集』には牛嶠の作が二首収められている。双調四十六字、前段二十三字六句二仄韻二平韻、後段二十三字六句三仄韻二平韻で、3❸❻3③⑤/❸❸❻3③⑤の詞形をとる。更漏子という題で、花間集には温庭筠、韋莊、牛嶠、毛文錫、孫光憲、毛熙震などの作が収録されている。

更漏子三首 其一

星漸稀,漏頻,何處輪臺聲

香閣掩,杏花,月明楊柳

挑錦,記情,惟願兩心相

收淚語,背燈,玉釵橫枕

○△○ ●○● △●○○○△

○●● ●○○ ●○○●△

△●● ●○● ○●●○△●

△●● ●○○ ●○△△○

双調四十六字、前段二十三字六句二仄韻に三平韻、後段二十三字六句二仄韻二平韻で、③❸❻3③⑤/3❸❻3③⑤の詞形をとる。

更漏子三首 其二

春夜,更漏,金燼暗挑殘

驚夢斷,錦屏,兩明月

閨艸碧,望歸,還是不知消

辜負我,悔憐,告天天不

○●○  △●●  ○●●△○●

○△●  ●△△  ●○○●○

○●●  △○●  ○●△○○●

○●●  ●○○  ●○○△△

双調四十六字、前段二十三字六句二仄韻二平韻、後段二十三字六句三仄韻二平韻で、3❸❻3③⑤/❸❸❻3③⑤の詞形をとる。

更漏子三首 其三

南浦情,紅粉,爭柰兩人深

低翠黛,卷征,馬嘶霜葉

招手,寸腸,還是去年時

書托鴈,夢歸,覺來江月

○●○  ○●●  ○●●○△●

○●●  △○△  ●○○●○

○●●  ●○●  ○●●○○●

○●●  △○○  ●△○●○

 

南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。

城郭の南の渡し場では、南に行く男と情を交わしての別離がある、その夜、女の涙は、頬紅も白粉もながし、そんな二人が、どうして、この二人の気持ちが落ち込んでゆくことを争うようにさらに落ち込んでしまうのだろう。

○南浦 南の入り江の津。船で行く男を見送る別離の場を象徴する。洛陽、成都、長江下流域の江南の港、武昌、武漢、襄陽、揚州などや、会稽、紹興をいう。北に入る女にとって東風か、南風の吹く季節でなければ帰ってこれないから、春が来ると帰還を胸躍らせるから、春から初夏への経過を感じさせ、夏が過ぎれば風が変わるので帰りは期待できない。すると、また歳を重ねるわけで、女盛りを過ぎようとする時間経過も感じさせる。下句の「西風」で完全に別れてしまったことを感じさせるものである。南の港から帰って来るのには春風、夏の南風で秋冬の風では帰れない。南浦情は有るから夏に帰ってきて逢えるということをこっころ情である。冬でも帰りを期待できるとすれば、洛陽ぐらいで、通常は、動かないものだ。

花間集 南浦 に関する詩

◍ 溫庭筠 巻二02清平樂二首其二「洛陽愁,楊柳花飄雪。終日行人爭攀折,橋下流水嗚咽。上馬爭勸離觴,南浦鶯聲斷腸。愁殺平原年少,迴首揮淚千行。」

◍ 溫庭筠 巻二16荷葉盃三首其三「楚女欲歸南浦,朝雨。濕愁紅。小船搖漾入花裏,波起。隔西風。」

◍ 牛嶠 巻四08感恩多二首其二「自從南浦別,愁見丁香結。近來情轉深,憶鴛衾。幾度將書托煙鴈,淚盈襟。淚盈襟,禮月求天,願君知我心。」

◍ 牛嶠 巻四13更漏子三首其三「南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。招手別,寸腸結,還是去年時節。書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。」

◍ 欧陽烱 巻六04子八首其四「洞口誰家,木蘭舡繫木蘭花。紅袖女郎相引去,游南浦,笑倚春風相對語。

◍ 和凝 巻六28春光好二首其二「蘋葉軟,杏花明,畫舡輕。雙浴鴛鴦出淥汀,棹歌聲。春水無風無浪,春天半雨半晴。紅粉相隨南浦晚,幾含情。」

柰 からなし、柰何:いかん、いかに、いかんぞ。

 

低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。

旅立ちの朝は、女は、不満や心配でみどりの眉が下がりっぱなしで、男は旅装を身に着け、馬が嘶くのが朝の空に響き、枯葉が空に舞う。(北西風を背に受けて南に出かける))

○低翠黛 不満や心配で眉が下がる。伏し目がちになる。白居易 琵琶行 「低眉信手續續彈,盡心中無限事。」(眉を低れ 手に信せて 續續と 彈き,説き盡くす 心中 無限の事。)眉を低くたれて、従順、柔和な表情で、手の動きに任せておもいのままに次から次へと弾く。心の中の限り無い多くの事がらを言い尽くす(かのようである)。・低眉:眉を低くたれて、努めて従順、柔和な表情をすること。 ・信手:おもいのままに。手当たり次第に。手の動きに任せて。 ・續續:次から次へと。

○征衣 1 旅に出るときの服装。旅装。2 兵士が戦争に行くときの服装。

 

招手別,寸腸結,還是去年時節。

そして、男は最後の別れと手招きをし、つかの間の真心を結びあう。この光景は去年のこの時期もあったし、別れの風物詩である。

招手別 招手:手で招く。さしまねく。

寸腸結 つかの間の真心で結ばれる。杜甫《贈特進汝陽王二十韻》「寸長堪繾綣,一諾豈驕矜。」(寸長繾綣に堪えたり 一諾 豈に驕矜せんや)その人物に一寸の長所があればそれと親密にし、いか そうとされる情合いがある、なにか人に頼みごとをしてやっても、それでいばったりする様なことはない。』

贈特進汝陽王二十韻  杜甫

 

書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。

そんな女は、書簡を雁に託すものであり、夢にみるのは家に帰ってくることだ。そんなことばかり思っていても、春が来ても、夢が現実にならず、眠れぬ夜は過ぎてゆき、大江の上の月も西に傾いている。(女は死ぬまで待ち続けるのである。―女の方から男を棄てる、離婚するということはできない時代である)

書托雁 書簡、書信を鴻雁に託すこと。《漢書·蘇武傳》「昭帝即位數年,匈奴與漢和親,漢求武等,匈奴詭言武死。後漢使複至匈奴,常惠請其守者與俱,得夜見漢使,具自陳道。教使者謂單于,言天子射上林中,得雁,足有絲帛書,言武等在某澤中。

牛嶠《巻四08更漏子三首 其二》『花間集』159全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6067

牛嶠《更漏子三首 其二》

春夜闌,更漏促,金燼暗挑殘燭。

驚夢斷,錦屏深,兩明月心。

閨艸碧,望歸客,還是不知消息。

辜負我,悔憐君,告天天不聞。

(更漏子三首 其の二:春の短い夜に夢からさめ、『同心結』の約束を破られて、恨む気持ちになるけれど、天に聞いたら、やっぱり「待つ」ことが女の道であるという。)私との「同心結」を裏切ったあの人に、情を捧げていることを悔やまれるので、天にそれを告げてみたけれど天は答えてくれなくてなにも聞えない。待つことしかないと教えられる。

牛嶠《巻四08更漏子三首 其二》『花間集』159全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6067


 
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(改訂版Ver.2.1

更漏子三首 其一

(春の夜、少し離れた宮殿で夜通しの演舞が催されていて、眠りに付けず、寵愛を受け絶頂であった頃を思い浮かべる)

星漸稀,漏頻轉,何處輪臺聲怨。

今宵は眠れずうとうとしてまた起きて夜空を見れば、星屑の空もようやく疎らになってきて、漏刻の浮子ももしきりに転じている。どこの楼殿で演奏しているのか西域の輪臺曲の演奏の音が聴こえてくるのが寵愛を失った今、怨みに思う。

香閣掩,杏花紅,月明楊柳風。

きっとそこの閣殿にお香が被っているし、杏の花はこんな夜でも紅を保っている。月はここの庭だけでなく、すべてを明るく照らし、楊柳は風に吹かれてゆれている。

挑錦字,記情事,惟願兩心相似。

寂しくないように、すぐれて美しい詩句をかかげて示され、そして、心の思いを書き記してくれる。ただ、願うのは、二人の心に思うことが「同じことを思う」ということ。

收淚語,背燈眠,玉釵橫枕邊。

妃嬪は、涕と一緒にその言葉を収め、燈火を背に横になる。耀く簪も枕の傍においてしまっている。

 

(更漏子【こうろうし】三首 其の一)

星 漸【ようや】く稀れにして,漏 頻に轉じ,何處にか輪臺 聲怨す。

香 閣掩い,杏花の紅,月明く 楊柳 風す。

錦字を挑げ,情事を記し,惟だ願う 兩つながらの心 相い似る。

淚 語を收め,燈を背にして眠り,玉釵 枕邊に橫わる。

 

(改訂版Ver.2.1

更漏子三首 其二

(更漏子三首 其の二:春の短い夜に夢からさめ、『同心結』の約束を破られて、恨む気持ちになるけれど、天に聞いたら、やっぱり「待つ」ことが女の道であるという。)

春夜闌,更漏促,金燼暗挑殘燭。

春の夜は短く一番良い時もすぐ過ぎてしまう、本当に、時の流れははやく過ぎる、金で飾った燭台の灯芯の燃えさしを替える事は無く、かき立てるだけでよいほどだ。

驚夢斷,錦屏深,兩明月心。

あのひとの夢をみていてもすぐに覚めて現実におどろく、錦のきれいな屏風の奥の閏にも、同じ月明かりが照らしているはずなのに、離れ離れに暮らす二人の心は別々になったのだろう。

閨艸碧,望歸客,還是不知消息。

春も進み、閏から見える草木も緑が濃くなる、あの人は他郷の客、帰りを待ち望むだけ、しかし、今もなお消息さえ知れない。

辜負我,悔憐君,告天天不聞。

私との「同心結」を裏切ったあの人に、情を捧げていることを悔やまれるので、天にそれを告げてみたけれど天は答えてくれなくてなにも聞えない。待つことしかないと教えられる。

 

(更漏子【こうろうし】三首 其の二)

春夜 闌【たけなわ】は,更漏 促し,金燼【きんじん】暗く 殘燭を挑【かか】ぐ。

夢 斷えるを驚き,錦屏 深く,兩 明月の心。

閨艸 碧に,歸客を望むも,還た 是れ消息を知ることなし。

我を辜負【こふ】す,君を憐れみしを悔い,天に告ぐるも天は聞かず。

 

 

其三

南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。

低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。

招手別,寸腸結,還是去年時節。

書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。

 

 

(改訂版Ver.2.1

『更漏子三首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

更漏子三首 其二

春夜闌,更漏促,金燼暗挑殘燭。

驚夢斷,錦屏深,兩明月心。

閨艸碧,望歸客,還是不知消息。

辜負我,悔憐君,告天天不聞。

 

 

(改訂版Ver.2.1

 (下し文)

其二

春夜 闌【たけなわ】,更漏 促し,金燼【きんじん】暗く 殘燭を挑【かか】ぐ。

驚夢 斷え,錦屏 深く,兩 明月の心。

閨艸 碧に,歸客を望み,還お 是れ消息を知らず。

我に辜負【こふ】す,君を憐れみしを悔い,天に告ぐるも天は聞かず。

 

 

(改訂版Ver.2.1

 (現代語訳)

(更漏子三首 其の二:春の短い夜に夢からさめ、『同心結』の約束を破られて、恨む気持ちになるけれど、天に聞いたら、やっぱり「待つ」ことが女の道であるという。)

春の夜は短く一番良い時もすぐ過ぎてしまう、本当に、時の流れははやく過ぎる、金で飾った燭台の灯芯の燃えさしを替える事は無く、かき立てるだけでよいほどだ。

あのひとの夢をみていてもすぐに覚めて現実におどろく、錦のきれいな屏風の奥の閏にも、同じ月明かりが照らしているはずなのに、離れ離れに暮らす二人の心は別々になったのだろう。

春も進み、閏から見える草木も緑が濃くなる、あの人は他郷の客、帰りを待ち望むだけ、しかし、今もなお消息さえ知れない。

私との「同心結」を裏切ったあの人に、情を捧げていることを悔やまれるので、天にそれを告げてみたけれど天は答えてくれなくてなにも聞えない。待つことしかないと教えられる。

 

(改訂版Ver.2.1

 (訳注)

更漏子三首 其二

(更漏子三首 其の二:春の短い夜に夢からさめ、『同心結』の約束を破られて、恨む気持ちになるけれど、天に聞いたら、やっぱり「待つ」ことが女の道であるという。)

前段は春の夜半過ぎに目が覚めた時の様子を詠じる。後段は夜明けの後、高殿から男の帰りを待ち望んでも消息知れずで、不安な男を愛したことを後悔し、天に男の不実を訴えるが、天はやっぱり「待つ」ことが女の道であるということで、耳を傾けてくれぬと、現状と道理を述べる。

『花間集』には牛嶠の作が二首収められている。双調四十六字、前段二十三字六句二仄韻二平韻、後段二十三字六句三仄韻二平韻で、3❸❻3③⑤/❸❸❻3③⑤の詞形をとる。更漏子という題で、花間集には温庭筠、韋莊、牛嶠、毛文錫、孫光憲、毛熙震などの作が収録されている。

更漏子三首 其一

星漸稀,漏頻,何處輪臺聲

香閣掩,杏花,月明楊柳

挑錦,記情,惟願兩心相

收淚語,背燈,玉釵橫枕

○△○ ●○● △●○○○△

○●● ●○○ ●○○●△

△●● ●○● ○●●○△●

△●● ●○○ ●○△△○

双調四十六字、前段二十三字六句二仄韻に三平韻、後段二十三字六句二仄韻二平韻で、③❸❻3③⑤/3❸❻3③⑤の詞形をとる。

更漏子三首 其二

春夜,更漏,金燼暗挑殘

驚夢斷,錦屏,兩明月

閨艸碧,望歸,還是不知消

辜負我,悔憐,告天天不

○●○  △●●  ○●●△○●

○△●  ●△△  ●○○●○

○●●  △○●  ○●△○○●

○●●  ●○○  ●○○△△

『花間集』全詩訳注解説(改訂版)-45韋荘123《巻3-23 更漏子一首》三巻23-〈123〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5817

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春夜闌,更漏促,金燼暗挑殘燭。

春の夜は短く一番良い時もすぐ過ぎてしまう、本当に、時の流れははやく過ぎる、金で飾った燭台の灯芯の燃えさしを替える事は無く、かき立てるだけでよいほどだ。

○春夜闌 春の真夜中過ぎ。春の一番良い時期を過ぎてしまうこと。闌は盛りを過ぎるの意。

○更漏促 春の夜は短く、その上時間が早く経過すること。更漏は水時計。ここでは時間、春が過ぎ去ることを意味する。

○金燼暗挑殘燭 暗くなった灯火の芯の燃えさしをかき立てる。挑はかき立てる。

 

驚夢斷,錦屏深,兩明月心。

あのひとの夢をみていてもすぐに覚めて現実におどろく、錦のきれいな屏風の奥の閏にも、同じ月明かりが照らしているはずなのに、離れ離れに暮らす二人の心は別々になったのだろう。

○驚夢断 寵愛を受け、良かったころを夢見ることから、はっと夢が覚め、現実に戻っておどろくこと。

〇両郷明月心 同じ月明かりが照らしているはずなのに、離れ離れに暮らす二人の心は別々になってしまったこと。去るもの日々に疎し。

 

閨艸碧,望歸客,還是不知消息。

春も進み、閏から見える草木も緑が濃くなる、あの人は他郷の客、帰りを待ち望むだけ、しかし、今もなお消息さえ知れない。

○閨艸碧 艸:1草本植物的總稱。2. 「竹」之異體。

○帰客 帰り来る旅人。ここでは女が帰りを待ちち望んでいる男を指す。

○還是 相変わらず、今もなお。

 

辜負我,悔憐君,告天天不聞。

私との「同心結」を裏切ったあの人に、情を捧げていることを悔やまれるので、天にそれを告げてみたけれど天は答えてくれなくてなにも聞えない。待つことしかないと教えられる。

○辜負 背く、裏切る。

○憐 愛惜を注ぐ。

○告天天不聞 天に告げてみたけれど天は答えてくれなくてなにも聞えない。どんなに恨んでも、どんなに二君でも、女としては待つことしかない。この表現と違った表現をしたのが、牛嶠《巻四06應天長二首其二》「莫信綵牋書裏,賺人腸斷字。」ただ、信じることはできないはずなのに、手紙の中の、愛妾のこころをたぶらかす「断腸」の文字はこころゆらせる。

ということで、牛嶠の比興手法ということである。

『花間集』全詩訳注解説(改訂版)-47韋荘125《巻3-25 木蘭花一首》三巻25-〈125〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5827

(改訂版)韋荘 木蘭花一首  京劇の「花木蘭」は男となって異郷にいったのだが、どこの女も、幾千の山を超えることも、万川をわたって行くこともない詞、思いを回らす夢見さえ叶わず、何を知りたく、何を求めていきていくのだろうか。

 

 
 2015年4月10日の紀頌之5つのBlog 
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218 《(改訂版) 巻4-12 襄陽曲,四首之一》Index-14 Ⅱ― 9-734年開元二十二年34歳 巻 李白と道教(7)襄陽曲四首之一<218> Ⅰ李白詩1454 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5818 
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59-#1 《補遺-02 海水》 -#1 韓愈(韓退之)ID 800年貞元16年 33歳<1368> Ⅱ韓昌黎集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5824 
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 index-5 806年39歳 50首の(2)25首index-6[807年~809年 42歳]20首index-7[810年~811年 44歳] 34首index-8 [812年~814年47歳]46首index-9[815年~816年 49歳] 57首index-10[817年~818年 51歳]・「平淮西碑」28首 
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 杜甫詩(1)736~751年 青年期・李白と交遊期・就活の詩 53首杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73首(青年期・就活の詩) 杜甫詩(3)755年~756年、45歳 安史の乱に彷徨う 26首杜甫詩(4)作時757年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺 43首杜甫詩(5)758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷疎外、左遷 53首杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 三吏三別 官を辞す 44首 
 杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首 
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『花間集』全詩訳注解説(改訂版)-47韋荘125《巻3-25 木蘭花一首》三巻25-125〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5827

 

 

化粧と美意識

 

◎ 1.胡装

胡服を着て胡帽を被る ー 「女が胡の婦と為り胡敏を学ぶ」(元横「法曲」)、これは唐代女性の特別の好みの一つであった。唐代の前期には、女性が馬に乗って外出する際に被った「帯解」(頭から全身をおおうスカーフ)は、「戎夷」(周辺の蛮族)から伝わった服装であった。また、彼女たちは袖が細く身体にぴったりした、左襟を折り返した胡服を好んで着た。盛唐時代(開元〜大暦の間)には、馬に乗る時に胡帽をかぶるのが一時流行した。胡服・胡帽の姿は絵画や彫刻、塑像の中で、随所に見ることができる。

彼女たちは、また胡人の化粧をも学んだ。ファッション

「新楽府」「其三十五 時世妝」 白居易

時世妝,時世妝,出自城中傳四方。

時世流行無遠近,腮不施朱面無粉。

烏膏注唇唇似泥,雙眉畫作八字低。

妍媸黑白失本態,妝成盡似含悲啼。

圓鬟無鬢堆髻樣,斜紅不暈赭面狀。

昔聞被發伊川中,辛有見之知有戎。

元和妝梳君記取,髻堆面赭非華風。

 

時世の妝 時世の妝、城中より出でて四方に傳はる。

時世の流行 遠近無し、腮に朱を施さず面に粉無し。

烏膏唇に注(つ)けて唇泥に似たり、雙眉畫きて八字の低を作す。

妍媸 黑白 本態を失し、妝成って盡く悲啼を含めるに似たり。

圓鬟(かん)鬢無く堆髻の樣、斜紅暈せず赭面の狀。

昔聞く 被髪伊川の中、辛有之を見て戎有るを知る。

元和の妝梳 君記取せよ、髻堆面赭は華風に非ず。

 

流行の化粧は、都会から出て四方に伝わる、時勢の流行には近在も遠方もない、頬紅をささず顔に白粉を塗らぬ、黒い油を口に塗って泥を見るようだ、眉を書けば八の字に垂れ下がって見苦しい(時世妝:流行の化粧法、腮:顎から頬にかけて)

美醜と黒白がひっくり返って、化粧した顔は泣きべそ顔だ、丸髷にはふくらみがなくさいづちまげのようだし、頬紅はぼかしてないのでまるで赤ら顔だ(妍媸:美醜、含悲啼:泣きべそ顔、圓鬟:丸髷、堆髻:さいづちまげ、胡人の女が結ぶ、斜紅:斜めに引いた頬紅、赭面:赤ら顔)

昔のことに、髪をふり乱した者たちが伊川で踊っているのを見て、辛有はその地が戎の地だといったというではないか、元和の流行の化粧について記録しておいてほしい、さいづちまげや赤ら顔は華風ではないと(被髪:髪を振り乱す、妝梳:化粧とヘアスタイルのこと)

 

 

◎ 2.戎装と男装

唐代の女性、とりわけ宮廷の女性は、常に戎装(軍装)と男装を美しいものと考えていた。高宗の時代、太平公主は武官の服装をして宮中で歌舞を演じたことがある。また、武宗の時代、王才人は武宗と同じ服を着て一緒に馬を駆って狩りをした。それで天子に上奏する人はいつもどちらが天子か見まちがったが、武宗はそれを面白がった。宮女たちが軍服を着たり、男装するのは全く普通のことだった。

男女が同じ服を着て、妻と夫の区別も無いとは、本当に平等な感じがする。こうした風潮が生れたのは、社会の開放性と尚武の気風があったからにはかならない。当時の若干の保守的な人々は、男女の服装に違いがなく、陰陽が逆さまになっている情況に頭を横に振りながら、「婦人が夫の姿になり、夫は妻の飾りとなっている。世の中の顛例でこれより甚だしいものはない」(『全唐文』巻三一五、李華「外孫雀氏二該に与うる書」)と慨嘆した。これぞまさしく、女性が男装する風潮は封建道徳の緩みであると説明する直接的表現ではないか。

 

 

◎ 3.時世粧

唐代の三百年間には、服装、装飾は何度も変化し、各時代にその時代の時世粧があった。「時世赦 時世赦、城中自り出でて四方に伝わる」、「小頭鞋履 窄衣裳……天宝末年の時世赦」(自居易「時世赦」、「上陽白髪人」)などと詩に書かれている。唐代の女性はファッションに大変に凝った。彼女たちはモダンなもの、新奇なものを追うのが大好きで、しばしば宮中から何か新しいファッションが伝わってくると、民間も競ってそれをまねたので、すぐ社会全体の流行になった。

。服装の変化のリズムは非常に速く、女性は目新しいモードを追いかけるのが大好きで、服装が流行に合っているかどうかを気にかけたが、それは何を意味していたのだろうか。人々は次のように言うかもしれない。どうせただ悠々と満ちたりた生活を送っていた貴婦人たちの、賛沢で退屈しのぎの表れであり、また妃嬢・姫妾・娼妓など色気で寵愛を求める者の、男を龍絡する手段にすぎないと。こういう説明は確かに誤りではない。しかし、別の角度から見れば、社会に新鮮な活力がみなぎっていた一つの表現であるとは言えるのである。

 

 

◎ 4.身体を露出するファッション

唐初、女性が騎馬で外出する時には、冪蘺を着用して頭から全身を蔽っていた。後世になると、冪蘺の代りに帷帽(山高帽のつばの左右と後部に首を隠す網が垂れているもの)をかぶった。帷帽から垂れている網は首まで覆うだけで、もう全身を覆うものではない。盛唐の開元年間に至ると、女性は騎馬で外出する時にはただ胡帽をかぶるだけで、顔も、甚だしい場合には頭髪さえも外に露出していた。

唐代の女性の服装は、まさに社会の風気が開放的になるに従って自由となり、益々拘束がなくなっていったのである。家庭での服装については、私たちは唐代の絵画の中に見ることができる。たとえば、有名な永泰公主の墓の壁画の中に見られる女性などは、たいてい上着も下着も太めにゆったり美しいが、しかし胸も乳も露わにされているのである。


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題酒家 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-278-5-#32  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2937

題酒家 韋荘 美味しい清酒は澄んで緑色で、花は、女は赤く咲くもの、この屋のお客は詩をこよなく愛している。しかし、もう晩春であり、花が散りゆく春の岸辺のこの酒屋、旗があるから立ち寄ってしまう。 


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題酒家

(酒屋で詩を作って壁に書きつける。)

酒綠花紅客愛詩,落花春岸酒家旗。

美味しい清酒は澄んで緑色で、花は、女は赤く咲くもの、この屋のお客は詩をこよなく愛している。しかし、もう晩春であり、花が散りゆく春の岸辺のこの酒屋、旗があるから立ち寄ってしまう。 

尋思避世爲逋客,不醉長醒也是癡。

いろいろと思いをめぐらすことがあって、世を避けて隠者となったのだが、世の中の人が皆酔ったら、それに合わせて酔ったままで居たいが、わたしは誰よりも真っ先に酔いが醒めてしまうことは、それはやっぱり愚かなことなのだろう。 

 

酒家に題す

酒は綠 花は紅 客は詩を愛す,落花 春岸 酒家の旗。

尋思【じんし】世を避け 逋客【ほかく】と爲す,

醉わずして 長【さき】に醒むるは 也【また】是(これ)癡【しれもの】ならん。

yayoipl05 




 

『題酒家』 現代語訳と訳註

(本文)

題酒家

酒綠花紅客愛詩,落花春岸酒家旗。

尋思避世爲逋客,不醉長醒也是癡。

 

 

(下し文)

酒家に題す

酒は綠 花は紅 客は詩を愛す,落花 春岸 酒家の旗。

尋思【じんし】世を避け 逋客【ほかく】と爲す,

醉わずして 長【さき】に醒むるは 也【また】是(これ)癡ならん。

 

 

紅梅0021(現代語訳)

(酒屋で詩を作って壁に書きつける。)

美味しい清酒は澄んで緑色で、花は、女は赤く咲くもの、この屋のお客は詩をこよなく愛している。しかし、もう晩春であり、花が散りゆく春の岸辺のこの酒屋、旗があるから立ち寄ってしまう。 

いろいろと思いをめぐらすことがあって、世を避けて隠者となったのだが、世の中の人が皆酔ったら、それに合わせて酔ったままで居たいが、わたしは誰よりも真っ先に酔いが醒めてしまうことは、それはやっぱり愚かなことなのだろう。 

 

 

(訳注)

題酒家

(酒屋で詩を作って壁に書きつける。)

・題-:多くの場合酒屋の壁に画きつけることを題すという。もちろんその場で作った詩である。。こんな詩を書いてもらえば酒屋の主は大喜びだろう。 

・酒家:さかや。酒店。杜甫『飲中八仙歌』

杜甫『飲中八仙歌』

知章騎馬似乘船,眼花落井水底眠。

汝陽三鬥始朝天,道逢曲車口流涎,恨不移封向酒泉。』

左相日興費萬錢,飲如長鯨吸百川,銜杯樂聖稱避賢。

宗之瀟灑美少年,舉觴白眼望青天,皎如玉樹臨風前。

蘇晉長齋繡佛前,醉中往往愛逃禪。

李白一鬥詩百篇,長安市上酒家眠,

天子呼來不上船,自稱臣是酒中仙。

張旭三杯草聖傳,帽露頂王公前,揮毫落紙如雲煙。

焦遂五斗方卓然,高談雄辨驚四筵。

飲中八仙歌 杜甫

 

 

酒綠花紅客愛詩,落花春岸酒家旗。

美味しい清酒は澄んで緑色で、花は、女は赤く咲くもの、この屋のお客は詩をこよなく愛している。しかし、もう晩春であり、花が散りゆく春の岸辺のこの酒屋、旗があるから立ち寄ってしまう。 

・酒綠:清酒。大口の甕の中で黒く見えるが透明であること。清酒の美味さの表現。賢者・隠者は濁り水を飲んで清談をする。聖者は清酒を呑むもの。ここでは粋なものが飲むお酒は綠酒なのである。

・花紅:花は赤く咲いている。(美しい女性)。酒屋には娼婦がいた。 

・客:よそから来た人。旅人。 

・愛詩:詩を愛する。

・落花:花が散る。 

・旗:酒屋の目印の旗。酒旗。青旗。

 

 

尋思避世爲逋客,不醉長醒也是癡。

いろいろと思いをめぐらすことがあって、世を避けて隠者となったのだが、世の中の人が皆酔ったら、それに合わせて酔ったままで居たいが、わたしは誰よりも真っ先に酔いが醒めてしまうことは、それはやっぱり愚かなことなのだろう。 

・尋思:いろいろとおもいをめぐらす。 

・避世:世の中から避けて隠退する。

・爲:…となる。 

・逋客:世をのがれ避けている人。隠者。逋:のがれる。逃げる。かくれる。

・不醉:酔おうとしない。意志の否定である。 

・長醒:誰よりも先に酔いから醒めている。長:①ながい。②とこしえに。③たけ。④としうえ。⑤おさ。頭。⑥せいちょうする。⑦先に。先頭。 

・也是:…もまた。でもやはり。也:…もまた。文語の「亦」字と同様な働きをする。 

・癡:馬鹿者。おろか。痴(し)れ者。
 pla024

寄舊詩與元微之 薛濤  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-243-109-#99  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2597

薛濤《寄舊詩與元微之》  耀くブラッドストーンは誰にもわからない奥深い所に何時までも大事にしておくもの、女性の大切な物、たいせつな男には與えるもの、そして詩䇳に書きつける詩というものの全ては、大胆に思うままに、風流に詠うものです。

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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。 
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。 
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。 
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。 
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

寄舊詩與元微之 薛濤  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-243-109-#99   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2597


寄舊詩與元微之
(昔作った詩を元稹におくる。)
詩篇調態人皆有,細膩風光我獨知。
詩篇というものの形態・雰囲気は、人それぞれ違うものであるが、きめの細かさややわらかな自然のすがたについて、わたくしひとりだけが、よく知っているつもりでいます。
月下詠花憐暗淡,雨朝題柳為欹垂。
明月が影を落す時、花の趣きをうたうのは、その暗く静まりかえっているところを、こよなくうれしいと思って詠うものです。雨に煙る朝の柳のありさまを詩題に詠うと、その枝がまっすぐに垂れてしずかに動かない状景を、風流をとらえるのです。
長教碧玉藏深處,總向紅箋寫自隨。
耀くブラッドストーンは誰にもわからない奥深い所に何時までも大事にしておくもの、女性の大切な物、たいせつな男には與えるもの、そして詩䇳に書きつける詩というものの全ては、大胆に思うままに、風流に詠うものです。
老大不能收拾得,與君開似好男兒。
年をとるまでどんどん詩を作っていくと、作品を集めまとめることが、できないほどにもなってしまうでしょう。でも、そのときになったら、将来の夫と二人して、それを二人の間にできた息子に示し、詩のお手本にさせようというつもりでいるのです。

(舊詩【きゅうし】を寄せて元微之に與う)
詩篇の調態【ちょうたい】は 人 皆有るも、細膩【さいじ】の風光は 我 濁り知る。
月下に 花を詠じては暗淡を憐み、雨朝に 柳に題しては欹垂【きすい】を為【おも】う。
長へに 碧玉をして深處に蔵せしめ、總て 紅箋に向っては自隨を寫【しる】さん。
老大 收拾【しゅうしゅう】し得ること能はざらんも、君と與【とも】に 開き似【しめ】して 男兒【だんじ】に教へん。


『寄舊詩與元微之』 現代語訳と訳註
kagaribi00(本文)
詩篇調態人皆有,細膩風光我獨知。
月下詠花憐暗淡,雨朝題柳為欹垂。
長教碧玉藏深處,總向紅箋寫自隨。
老大不能收拾得,與君開似好男兒。


(下し文)
(舊詩【きゅうし】を寄せて元微之に與う)
詩篇の調態【ちょうたい】は 人 皆有るも、細膩【さいじ】の風光は 我 濁り知る。
月下に 花を詠じては暗淡を憐み、雨朝に 柳に題しては欹垂【きすい】を為【おも】う。
長へに 碧玉をして深處に蔵せしめ、總て 紅箋に向っては自隨を寫【しる】さん。
老大 收拾【しゅうしゅう】し得ること能はざらんも、君と與【とも】に 開き似【しめ】して 男兒【だんじ】に教へん。


(現代語訳)
(昔作った詩を元稹におくる。)
詩篇というものの形態・雰囲気は、人それぞれ違うものであるが、きめの細かさややわらかな自然のすがたについて、わたくしひとりだけが、よく知っているつもりでいます。
明月が影を落す時、花の趣きをうたうのは、その暗く静まりかえっているところを、こよなくうれしいと思って詠うものです。雨に煙る朝の柳のありさまを詩題に詠うと、その枝がまっすぐに垂れてしずかに動かない状景を、風流をとらえるのです。
耀くブラッドストーンは誰にもわからない奥深い所に何時までも大事にしておくもの、女性の大切な物、たいせつな男には與えるもの、そして詩䇳に書きつける詩というものの全ては、大胆に思うままに、風流に詠うものです。
年をとるまでどんどん詩を作っていくと、作品を集めまとめることが、できないほどにもなってしまうでしょう。でも、そのときになったら、将来の夫と二人して、それを二人の間にできた息子に示し、詩のお手本にさせようというつもりでいるのです。


(訳注)
寄舊詩與元微之
(昔作った詩を元稹におくる。)
・旧詩 旧作。処女時代の作品であろう。
・與元微之 元微之は元稹。元稹が監察使として蜀の地にあった頃、薛濤は厳司空(当時は東川節度使)の命によって、その旅情を慰むるために、身辺に侍した〔妓女であり、詩人であった彼女は、両方の意味で奉仕したのであろう。そこでふつうなれは、一贈」の字を使うべきところを、「与」の字を使ったのではないだろうか。もっとも年齢からいえば、辞藩の方が十二歳年長(薛濤が大暦三年に生まれたとして)であるが、身分の高い元稹に「与ふ」 の字を使ったのは、元稹から贈ったものとすれば当然であろう。

詩篇調態人皆有,細膩風光我獨知。
詩篇というものの形態・雰囲気は、人それぞれ違うものであるが、きめの細かさややわらかな自然のすがたについて、わたくしひとりだけが、よく知っているつもりでいます。
・調態 詩のふり。詩風。
・細膩 きめがこまかく、かつ光沢があること。
・風光 自然の姿。風や光のおもむき。
百舌鳥02
月下詠花憐暗淡,雨朝題柳為欹垂。
明月が影を落す時、花の趣きをうたうのは、その暗く静まりかえっているところを、こよなくうれしいと思って詠うものです。雨に煙る朝の柳のありさまを詩題に詠うと、その枝がまっすぐに垂れてしずかに動かない状景を、風流をとらえるのです。
・暗淡 あざやかでなく、うすぐろいさま。くらくてしずかなさま。
・爲 念う。
・欹垂 欹はそばだつ意。垂はたれる。まっすぐに条を垂れていること。

長教碧玉藏深處,總向紅箋寫自隨。
耀くブラッドストーンは誰にもわからない奥深い所に何時までも大事にしておくもの、女性の大切な物、たいせつな男には與えるもの、そして詩䇳に書きつける詩というものの全ては、大胆に思うままに、風流に詠うものです。
・碧玉 処女の語に対応する女性の局部を意味するもの。微細な石英の結晶が集まってできた鉱物(潜晶質石英)であり、宝石の一種。 不純物 を含んだ石英は種類が多く、それゆえに様々な呼び方がある。3月の誕生石になっているブラッドストーン(血玉髄)も碧玉の一つである。薛濤『上王尚書』(王尚書にたてまつる。)「碧玉雙幢白玉郎,初辭天帝下扶桑。手持云篆題新榜,十萬人家春日長。」(碧玉の雙幢【そうとう】白玉の郎、初めて天帝を辞して 扶桑に下る。手に雲篆【うんてん】を持して 新榜【しんぼう】に題す、十萬の人家 春 日長し。)
碧玉はエメラルド色の玉。尊いものを意味し、破瓜とあわせて、処女をいう。結句の「君」は、この孫絆の詩を踏んで、嫁いだ相手、すなわち将来の夫をさしていると思われ、男児は、従って夫婦の問に生まれた男の子の意であろう。
・紅偶 赤い色の詩儀。詩を書く囁く
・白随 自分の気まま。

老大不能收拾得,與君開似好男兒。
年をとるまでどんどん詩を作っていくと、作品を集めまとめることが、できないほどにもなってしまうでしょう。でも、そのときになったら、将来の夫と二人して、それを二人の間にできた息子に示し、詩のお手本にさせようというつもりでいるのです。
・君 将来の夫を指す。
・男兒 男の子。息子。ただしこの作を元稹のものとして、その方にも収めている「全唐詩」では、末句を、「君と与に間に好男児に似さん」となっている。
★この詩も中唐期の男性が艶閨詩で使う語で歌われており、薛濤の七言絶句では見られない表現であることから、元稹が薛濤に贈ったものと考えるのが妥当であろう。

浣花亭陪川主王播相公暨僚同賦早菊 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-150-22-#15  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2297

15薛濤 《浣花亭陪川主王播相公暨僚同賦早菊》 55
西方に慰問に行くご命令を終わるようなご命令をいただき、帰ってまいりました。東の垣根から再び太陽が上がり始めたことに感激いたしています。

2013年4月29日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩上責躬應詔詩表 曹植 魏詩<74-#3>文選 上 献詩 749 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2293
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩九辯 第九段―#7 宋玉  <00-#33>Ⅱもっとも影響を与えた詩文 662 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2294
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Ⅲ杜甫詩1000詩集逢唐興劉主簿弟 成都5-(17) 杜甫 <466>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2295 杜甫詩1000-466-653/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集入華子岡是麻源第三谷 謝霊運(康楽)<59> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2296 (04/29)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性浣花亭陪川主王播相公暨僚同賦早菊 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-150-22-#15  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2297
 
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

浣花亭陪川主王播相公暨僚同賦早菊 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-150-22-#15   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2297


浣花亭陪川主王播相公暨僚同賦早菊
(浣花亭において剣南西川節度使韋皐様に陪して王播相公さまと暨といわれる同行の方と同に「早菊」を賦す)
西陸行終令,東籬始再陽。
西方に慰問に行くご命令を終わるようなご命令をいただき、帰ってまいりました。東の垣根から再び太陽が上がり始めたことに感激いたしています。
綠英初濯露,金蕊半含霜。
緑の花が咲き、初めてこの花に涙の露をそそいだのです。金燈花の蕊には半分の露を落とし含んだのです。
自有兼材用,那同眾草芳。
私でよければなんにでも登用していただければと思っており、どうして一緒になって薫り高い草草を刈り集めることにかぎません。
獻酬樽俎外,寧有懼豺狼。
お酒を注いでいただいたり注がせていただく、ここの浣花亭の酒や料理の出る宴席でなくてもいいのです。むしろ今心配なのは豺狼などの異民族の脅威があるだけなのです。

(浣花亭、川主、王播相公、暨僚と陪し、同【とも】に「早菊」を賦す)
西陸 行 終ら令め,東籬 再び陽を始める。
綠英 初めて露を濯ぎ,金蕊 半ば霜を含む。
自ら兼材の用る有り,那ぞ同【とも】に草芳を眾す。
獻酬して樽俎の外,寧ろ豺狼を懼る有る。


『浣花亭陪川主王播相公暨僚同賦早菊』 現代語訳と訳註
(本文)

西陸行終令,東籬始再陽。
綠英初濯露,金蕊半含霜。
自有兼材用,那同眾草芳。
獻酬樽俎外,寧有懼豺狼。


(下し文)
(浣花亭、川主、王播相公、暨僚と陪し、同【とも】に「早菊」を賦す)
西陸 行 終ら令め,東籬 再び陽を始める。
綠英 初めて露を濯ぎ,金蕊 半ば霜を含む。
自ら兼材の用る有り,那ぞ同【とも】に草芳を眾す。
獻酬して樽俎の外,寧ろ豺狼を懼る有る。


(現代語訳)
(浣花亭において剣南西川節度使韋皐様に陪して王播相公さまと暨といわれる同行の方と同に「早菊」を賦す)
西方に慰問に行くご命令を終わるようなご命令をいただき、帰ってまいりました。東の垣根から再び太陽が上がり始めたことに感激いたしています。
緑の花が咲き、初めてこの花に涙の露をそそいだのです。金燈花の蕊には半分の露を落とし含んだのです。
私でよければなんにでも登用していただければと思っており、どうして一緒になって薫り高い草草を刈り集めることにかぎません。
お酒を注いでいただいたり注がせていただく、ここの浣花亭の酒や料理の出る宴席でなくてもいいのです。むしろ今心配なのは豺狼などの異民族の脅威があるだけなのです。


(訳注)
浣花亭 陪 川主 王播 相公 暨僚 同 賦 早菊

(浣花亭において剣南西川節度使韋皐様に陪して王播相公さまと暨といわれる同行の方と同に「早菊」を賦す)
・浣花亭 成都の中心と杜甫草堂の下流の中間地点に百花潭という淵がありその辺りに半官半隠の庵があったが、ここでは剣南西川節度使軍の營妓の高楼を云うものと思う。
・川主 剣南西川節度使、韋皐のこと。
・王播相公 王播(西元759年~西元830年),字明敭(同「揚」)。唐德宗貞元十年(西元791年) 王播考中進土,同年又應制舉賢良方正科,成績優異,曾任淮南節度使,至左僕射,在唐代是尚書省的長官,等同於宰相。唐 王播《題木蘭院》二首がある。
・暨僚 暨某という同行者。。僚とは1 同じ仕事や役目を持つ仲間。「僚艦・僚友/同僚」2 役人。つかさ。「下僚・官僚・属僚・幕僚(ばくりょう)・百僚」[名のり]あきら・とも
・早菊 初秋の菊。緑の花をつけて咲いてはいないもの。


西陸 行 終令,東籬 始 再 陽。
西方に慰問に行くご命令を終わるようなご命令をいただき、帰ってまいりました。東の垣根から再び太陽が上がり始めたことに感激いたしています。
・西陸・行 西の吐蕃国境恭州都護府の軍隊慰問旅行のこと。801年貞元17年松州方面への吐蕃の侵略があったころのこと。詩はその前年の作。罰をうけた原因については、「鑑戒録」には、彼女が有名になり、中央から遣わされてくる役人が、韋皐へ口効きをする。彼女を通じて韋皐の側近へ金品をとどけてもらったり、彼女自身に金品を贈ったりしたことがあった。薛濤33・34歳頃のことである。詩により名声が高くなるに伴い増加したとある。ここでいう罰はこの収賄により国境の軍隊慰問をさせられたということなのだ。
この2年後に薛濤を寵愛した剣南節度使韋皐は蜀の地で死んでいる。61歳であった。


綠英 初 濯露,金蕊 半 含霜。
緑の花が咲き、初めてこの花に涙の露をそそいだのです。金燈花の蕊には半分の露を落とし含んだのです。
・綠英 晩春から初夏に咲く花。早菊。
・濯露 花にかかるつゆ。
・金蕊 薛濤は『金燈花』という七言絶句を詠っている。
・含霜 花の蕊に露が残る。ここは男女の性行為の描写である。


自 有 兼材 用,那 同 眾 草芳。
私でよければなんにでも登用していただければと思っており、どうして一緒になって薫り高い草草を刈り集めることにかぎません。
・兼材 材を兼ねて登用する。


獻酬 樽俎 外,寧 有 懼 豺狼。
お酒を注いでいただいたり注がせていただく、ここの浣花亭の酒や料理の出る宴席でなくてもいいのです。むしろ今心配なのは豺狼などの異民族の脅威があるだけなのです。
・獻酬 酒杯をやりとりすること。
・樽俎/尊俎 【そんそ】とは。酒樽(さかだる)といけにえを載せる台。転じて、酒や料理の出る宴席。そんそせっしょう【樽俎折衝】宴席のなごやかな談笑のうちに話し合いを進め、交渉を有利に展開させること。外交上のかけひき。
・豺狼 1 やまいぬとおおかみ。 2 残酷で欲深い人。むごたらしいことをする人。ここは、薛濤が吐蕃国境の前線慰問を経験したことからいうのである。

贈薛濤 胡曾 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-132  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2207

贈薛濤 胡曾

2013年4月11日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

贈薛濤 胡曾 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-132   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2207   


贈薛濤
萬里橋邊薛校書,枇杷花下閉門居。
万里橋の周辺に薛濤校書官(軍営の芸妓)がいる。枇杷の花が咲く大きな木のもとに隠棲して棲んでいる。
掃眉才子知多少,管領春風總不如。

眉を奇麗に書いているとてもきれいな人であり、才能あふれる人であることは多くの人に知られている。穏やかな風のことから闘志いだいている者たちの心のすべてを管掌・領知する人といっても過言ではないのである。

(薛濤に贈る)
萬里の橋の邊り薛校書あり,枇杷【びわ】の花下 門を閉して居る。
掃眉【そうび】の才子 知る多少,春風を管領【】する 總て如かず。




李清照0055
『贈薛濤』 現代語訳と訳註
(本文)
萬里橋邊薛校書,枇杷花下閉門居。
掃眉才子知多少,管領春風總不如。


(下し文)
(薛濤に贈る)
萬里の橋の邊り薛校書あり,枇杷の花下 門を閉して居る。
掃眉の才子 知る多少,春風を管領する 總て如かず。


(現代語訳)
万里橋の周辺に薛濤校書官(軍営の芸妓)がいる。枇杷の花が咲く大きな木のもとに隠棲して棲んでいる。
眉を奇麗に書いているとてもきれいな人であり、才能あふれる人であることは多くの人に知られている。穏やかな風のことから闘志いだいている者たちの心のすべてを管掌・領知する人といっても過言ではないのである。


(訳注)
贈薛濤 胡曾

薛濤の死後30年、胡曾が路岩爲劍南西川節度使の初期としてむかえられ、成都に仕えた時に詠史詩の一つとして、贈形の詩として詠んだものである。
浣花峡556位置的なものをきちんと把握する事で随分理解は違ってくるものである。杜甫のブログで成都関連の詩を図示しているので、その地図に薛濤関連もプロットして行こう。
杜甫草堂の近くに百花潭があり、錦江の南側の地で隠棲したのであろうと思われ、薛濤の墓は成都の東南にある望高樓公園内にある。


萬里橋邊薛校書,枇杷花下閉門居。
万里橋の周辺に薛濤校書官(軍営の芸妓)がいる。枇杷の花が咲く大きな木のもとに隠棲して棲んでいる。
・萬里橋 ・南市 成都の南の船着き場は「万里橋」である。ここは三国時代、劉備がここから、呉の孫権征伐に出発したところだ。
・校書 韋皐により校書郎に推薦され、実現はしなかったがこのことから、芸妓の風流な呼び方とされた。
・枇杷花「温和」「治癒」「あなたに打ち明ける」
・閉門 閂で締め切って、訪問者を入れない隠棲生活を送ること。


掃眉才子知多少,管領春風總不如。
眉を奇麗に書いているとてもきれいな人であり、才能あふれる人であることは多くの人に知られている。穏やかな風のことから闘志いだいている者たちの心のすべてを管掌・領知する人といっても過言ではないのである。
・春風 穏やかな風。春の風。闘志いだきいていることをいう。
・管領 管掌・領知する意


『胡曽詩抄』(こそししょう)は、中国の晩唐の詩人胡曽が著した『詠史詩』の、日本における注釈書である。作者は、胡曽詩抄神宮本奥書や、『醍醐枝葉抄』、『智袋集』によると、玄恵とされている。成立は、『和漢朗詠集』の注釈書であり、応永12年(1405年)の年紀を持つ『和漢朗詠集和談鈔』に『胡曽詩抄』が引用されていることから、室町時代初期の応永12年(1405年)以前である。なお、『胡曽詩抄』の作者と思われる玄恵は、観応1年(1350年)に没しているため、さらに成立年代は遡ると考えられる。『胡曽詩抄』は、『三国伝記』などにも引用が確認でき、中世の説話に広く影響を与えた。

光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有。是作精醉儔難。謝家聯雪何以加、之有客自京師来者示予因次其韻 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-119-54-# 1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2142

魚玄機 光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。


2013年3月29日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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Ⅲ杜甫詩1000詩集江畔獨步尋花七絕句 其三 成都浣花渓 杜甫 <439>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2140 杜甫詩1000-439-622/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集登江中孤嶼 謝霊運<28> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2141 (03/29)
●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有。是作精醉儔難。謝家聯雪何以加、之有客自京師来者示予因次其韻 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-119-54-# 1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2142
 
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安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html
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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有。是作精醉儔難。謝家聯雪何以加、之有客自京師来者示予因次其韻 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-119-54-# 1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2142


光・威・裒、姉妹三人、小孤、而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。
(光・威・哀三姉妹は、小くして孤、而も始めて姸、乃ち是の作あり。精醉儔し難し。謝家の聯雪と雖も、何を以てか之に加へん。客の京師より來る者あり、予に示す。困って其の韻に次す。)



卷804_47 【光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。】魚玄機



光・威・裒、姉妹三人、小孤、而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。
昔聞南國容華少,今日東鄰姊妹三。
妝閣相看鸚鵡賦,碧窗應繡鳳凰衫。
紅芳滿院參差折,綠醑盈杯次第銜。
恐向瑤池曾作女,謫來塵世未為男。


文姬有貌終堪比,西子無言我更慚。
一曲艷歌琴杳杳,四弦輕撥語喃喃。
當臺競鬥青絲發,對月爭誇白玉簪。
小有洞中松露滴,大羅天上柳煙含。


但能為雨心長在,不怕吹簫事未諳。
阿母幾嗔花下語,潘郎曾向夢中參。
暫持清句魂猶斷,若睹紅顏死亦甘。
悵望佳人何處在,行雲歸北又歸南。

昔聞く南国には 容華 少なりと、今日東隣に 姉妹三たりあり。
妝閣相看る 鸚鵡の賦、碧窗応に繍すべし 鳳凰の衫。
紅芳 院に滞つれば 参差として折り、綠醑 杯に盈つれば 次第に銜む。
恐らくは 瑤池に向って曾つて女となり、謫せられて塵世に来って 未だ男と爲らざりしならん。


文姬には貌有り 終に比べるに堪ゆ,西子は言無く我更に慚づ。
一曲 艷歌 琴 杳杳【ようよう】,四弦 輕撥 語喃喃【なんなん】。
臺に當り競鬥して青絲の發,月に對し爭誇して白玉の簪。
小有 洞中 松露 滴り,大羅 天上 柳煙 含む。

但だ能く 雨と為る 心は 長へに在り、怕れず 簫を吹く 事 未だ諳んぜざるを。
阿母 幾たびか 花下に語るを 嗔り、潘郎 曾て 夢中に向って 参ず。
暫時の清句にも、魂 猶は断ゆ、若し 紅顔を睹なは 死もまた甘んぜん。
悵望す 佳人 何れの處にか 在る、行雲は 北に歸り 叉 南に歸る。


『光・威・裒、姉妹三人、小孤、而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。』 現代語訳と訳註
(本文)
光・威・哀、姉妹三人、小孤、而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。


(下し文)
(光・威・哀三姉妹は、小くして孤、而も始めて姸、乃ち是の作あり。精醉儔し難し。謝家の聯雪と雖も、何を以てか之に加へん。客の京師より來る者あり、予に示す。困って其の韻に次す。)

(現代語訳)
聯句を詠っている姉妹三人、光・威・裒のことである。
光・威・裏の三人の姉妹は、幼い時に父をうしない、年ごろになると、こんな詩を作っている。


(訳注)
光・威・裒、姉妹三人、
聯句を詠っている姉妹三人、光・威・裒のことである。
・光、威、裒 三人の姉妹の名。姓はあきらかでないが、魚玄機のこの作によって、南方の生まれと想像される。

小孤、而始姸乃有是作。
小さいころに父親と死別した。(十分に教育してくれる人もなかったであろうと思われるのに)しかも初めから美人であり、美しい詩を作る。すなわち、こんなに立派な詩を作っている。
・孤 父のないことをいう。現代のわが国では、父母のない場合にこの字を使っているが、それとことなることに注意。
・姸 女の美しいこと。古代においては、今の西安附近の方言であったらしいが、一般に使われるようになった。ここでは見目麗しいこと、詩文が立派であることをいう。
・是作 三姉妹の原作は、「全唐詩」の巻801におさめられている。
聯句 光威裒
朱樓影直日當午,玉樹陰低月已三【:光。】。
膩粉暗銷銀鏤合,錯刀閒翦泥金衫【:威。】。
繡床怕引烏龍吠,錦字愁教青鳥銜【:裒。】。
百味鍊來憐益母,千花開處鬥宜男【:光。】。
鴛鴦有伴誰能羨,鸚鵡無言我自慚【:威。】。
浪喜游蜂飛撲撲,佯驚孤燕語喃喃【:裒。】。
偏憐愛數蛓蛦掌,每憶光抽玳瑁簪【:光。】。
煙洞幾年悲尚在,星橋一夕帳空含【:威。】。
窗前時節羞虛擲,世上風流笑苦諳【:裒。】。
獨結香綃偷餉送,暗垂檀袖學通參【:光。】。
須知化石心難定,卻是為雲分易甘【:威。】。
看見風光零落盡,弦聲猶逐望江南【:裒。】。


精醉儔難。謝家聯雪何以加之。
まことにりっぱな作品で、これに匹敵するような作品は、見出せないようなりっぱなものである。昔、晋の謝安の家で集まりがあったときに、たまたま降ってきた雪に封して、娘の道韞がそれを詩に詠んで、風にふかれて飛んでいる柳のわたのようだといい、いまだに語り草としてもてはやされているが、それさえもこの作以上とは思われない。
・謝家聯雪 晋の謝道韞の雪のことをよんだ才の故事をいう。小女で詩才あることを褒める場合にこの故事をひく。「還有一年冬天,天空中雪花紛紛揚揚,謝家子弟正圍坐在火爐旁談詩論文。雪越下越大,謝安笑了笑問在座的侄兒侄女們:“白雪紛紛何所似(大雪紛紛而下像什麼樣子)?”
謝朗答道:“撒鹽空中差可擬(像是空中撒下的一把白花花的鹽)。”謝朗是謝安的二哥謝據的兒子,謝安聽了侄兒的回答後,沒置可否,只是默不作聲。
謝道韞隨即答道:“未若柳絮因風起(滿天飛舞的雪花就像春天隨風起舞的柳絮)。”聽了謝道韞的回答,謝安一面鼓掌,一面口中對謝道韞的才華贊賞不已。此後,人們稱有文學才能的女子為“詠絮之才”。」
魚玄機 卷804_46『和人次韻』
喧喧朱紫雜人寰,獨自清吟日色間。
何事玉郎搜藻思,忽將瓊韻扣柴關。
白花發詠慚稱謝,僻巷深居謬學顏。
不用多情欲相見,松蘿高處是前山。


和人次韻 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-118-53-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2137

有客自京師来者示予。因次其韻。
都の長安からやってきた旅の人が、こちらにきて、わたくしに見せてくれた。感心のあまり、次韻して、この詩を作ってみた。
・容華 容色の華麗なこと。美人をいう。
そうね曹植の詩に、「南國有佳人,容華若桃李。」(南国に佳人あり、容華、桃李の若し。)
『雜詩六首其四』「南國有佳人,容華若桃李。朝游江北岸,夕宿瀟湘沚。時俗薄朱顏,誰為發皓齒。俯仰歲將暮,榮耀難久恃。」(南国に佳人有り、容華 桃李の若し。朝に 江北の岸に遊び、夕に 瀟湘の沚に宿す。
時俗 朱顔を薄んず、誰が為にか皓歯を発かん。俯仰すれば 歳将に暮れんとす、栄耀 久しくは恃み難し。)




光・威・裒、姉妹三人、小孤、而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。
(光・威・哀三姉妹は、小くして孤、而も始めて姸、乃ち是の作あり。精醉儔し難し。謝家の聯雪と雖も、何を以てか之に加へん。客の京師より來る者あり、予に示す。困って其の韻に次す。)

昔聞南國容華少,今日東鄰姊妹三。
妝閣相看鸚鵡賦,碧窗應繡鳳凰衫。
紅芳滿院參差折,綠醑盈杯次第銜。
恐向瑤池曾作女,謫來塵世未為男。

文姬有貌終堪比,西子無言我更慚。
一曲艷歌琴杳杳,四弦輕撥語喃喃。
當臺競鬥青絲發,對月爭誇白玉簪。
小有洞中松露滴,大羅天上柳煙含。

但能為雨心長在,不怕吹簫事未諳。
阿母幾嗔花下語,潘郎曾向夢中參。
暫持清句魂猶斷,若睹紅顏死亦甘。
悵望佳人何處在,行雲歸北又歸南。


聯句 光威裒
朱樓影直日當午,玉樹陰低月已三【:光。】。
膩粉暗銷銀鏤合,錯刀閒翦泥金衫【:威。】。
繡床怕引烏龍吠,錦字愁教青鳥銜【:裒。】。
百味鍊來憐益母,千花開處鬥宜男【:光。】。
鴛鴦有伴誰能羨,鸚鵡無言我自慚【:威。】。
浪喜游蜂飛撲撲,佯驚孤燕語喃喃【:裒。】。
偏憐愛數蛓蛦掌,每憶光抽玳瑁簪【:光。】。
煙洞幾年悲尚在,星橋一夕帳空含【:威。】。
窗前時節羞虛擲,世上風流笑苦諳【:裒。】。
獨結香綃偷餉送,暗垂檀袖學通參【:光。】。
須知化石心難定,卻是為雲分易甘【:威。】。
看見風光零落盡,弦聲猶逐望江南【:裒。】。



寓言 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-111-46-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2102

寓言 魚玄機
「寓言」を内容を見ると「つれづれに」ということである。李億のもとめられる前、初期の作である。王維の田園楽の影響を受けて作ったものと思われる。


2013年3月21日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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寓言 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-111-46-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2102


卷804_39 【寓言】魚玄機
「寓言」を内容を見ると「つれづれに」ということである。李億のもとめられる前、初期の作である。王維の田園楽の影響を受けて作ったものと思われる。

寓言
紅桃處處春色,碧柳家家月明。
紅い桃の花がが、あちらでも、こちらでも、春景色にしてくれる。青色がましている柳のむこうに月の光にてらされた家々がある。
樓上新妝待夜,閨中獨坐含情。
高殿の上では、夜の新しい化粧も美しく待っている女がいる。その楼には部屋にひとりで、いつまでも坐ったきり、思わせぶりな態度の男を待っている。
芙蓉月下魚戲,螮蝀天邊雀聲。
月明かりのもとに池のはす葉、魚がたわむれて泳いでいる。大空に大きく虹がかかって、かささぎが聾をたてて、鳴いている。きっといいことがあるのでしょう。
人世悲歡一夢,如何得作雙成。
人世は、そのように、悲しみと喜びとが春の夜の夢ののようなもの。どうして、女が思う夢が、ふたつそろって遂げられないのでしょうか。
(寓言)
紅桃【こうとう】處處春色,碧柳【】家家月明。
樓上新妝【しんしょう】夜を待ち,閨中獨坐含情たり。
芙蓉月下魚戲れ,螮蝀【ていとう】天邊雀聲く。
人世 悲歡の一夢,如何んして雙成【そうせい】を作すを得ん。


『寓言』 現代語訳と訳註
美女画557(本文)
紅桃處處春色,碧柳家家月明。
樓上新妝待夜,閨中獨坐含情。
芙蓉月下魚戲,螮蝀天邊雀聲。
人世悲歡一夢,如何得作雙成。


(下し文) (寓言)
紅桃【こうとう】處處春色,碧柳【】家家月明。
樓上新妝【しんしょう】夜を待ち,閨中獨坐含情たり。
芙蓉月下魚戲れ,螮蝀【ていとう】天邊雀聲く。
人世 悲歡の一夢,如何んして雙成【そうせい】を作すを得ん。

(現代語訳)
紅い桃の花がが、あちらでも、こちらでも、春景色にしてくれる。青色がましている柳のむこうに月の光にてらされた家々がある。
高殿の上では、夜の新しい化粧も美しく待っている女がいる。その楼には部屋にひとりで、いつまでも坐ったきり、思わせぶりな態度の男を待っている。
月明かりのもとに池のはす葉、魚がたわむれて泳いでいる。大空に大きく虹がかかって、かささぎが聾をたてて、鳴いている。きっといいことがあるのでしょう。
人世は、そのように、悲しみと喜びとが春の夜の夢ののようなもの。どうして、女が思う夢が、ふたつそろって遂げられないのでしょうか。


(訳注)
寒梅901寓言

他の物事にことよせて意見や教訓を述べた言葉。 たとえ話。詩語としては「つれづれに」というところ。【寓言法】修辞法の一。言おうとすることを、比喩によって暗に悟ら せる手法。古代の哲学者荘子の寓言論にならって非論理の滑稽を事とする理論的に裏付けようと試みたもの。


紅桃處處春色,碧柳家家月明。
紅い桃の花がが、あちらでも、こちらでも、春景色にしてくれる。青色がましている柳のむこうに月の光にてらされた家々がある。
・紅桃・碧柳 王維の六言詩に、「桃紅復た村雨を含み 柳緑更に朝煩を帯ぷ」の句がある。作者はそれを想起しながら、この作を作ったのかもしれない。

田園楽 七首


樓上新妝待夜,閨中獨坐含情。
高殿の上では、夜の新しい化粧も美しく待っている女がいる。その楼には部屋にひとりで、いつまでも坐ったきり、思わせぶりな態度の男を待っている。
・新妝 新しく化粧すること。
・閨中 閑は女のへや。
・含情 風情のあること。感情を抑えて胸中に収めておく。思うことをそれとなくそぶるそぶりで見分けること。男の思わせぶりな態度ということ。


芙蓉月下魚戲,螮蝀天邊雀聲。
月明かりのもとに池のはす葉、魚がたわむれて泳いでいる。大空に大きく虹がかかって、かささぎが聾をたてて、鳴いている。きっといいことがあるのでしょう。
・芙蓉 蓮の異名。蓮の字は音レン、恋の音とおなじ。ここではその実の意味もふくめてよんでいる。
・螮蝀 虹のこと。あでやかな女性を云う。「詩経」の鄘風に野焼を題にした作があり、「蝃蝀在東,莫之敢指,女子有行,遠父母兄弟。」(螮蝀、東に在り、これを敦へて指さすなし。女子行有り,父母兄弟遠る。)とある。
・雀聲 かさきざが鳴くこという。前句の螮蝀により、喜び事が訪れる前ぶれの意。


人世悲歡一夢,如何得作雙成。
人世は、そのように、悲しみと喜びとが春の夜の夢ののようなもの。どうして、女が思う夢が、ふたつそろって遂げられないのでしょうか。
・悲歡 歓は、よろこび。
・雙成 女が思う夢が、ふたつそろって遂げられること。花街の女は、年をとっったらどうなるのか心配なのである。
・如何 どうして‥・.・・できようぞ。なんとかして……したいものだの意。



王維 六言詩  桃紅 碧柳
田園楽七首其六
桃紅復含宿雨、柳緑更帯春煙。
花落家童未掃、鶯啼山客猶眠。

桃は紅にして、復(ま)た宿雨(しゅくう)を含み、
柳は緑にして、更に春煙(しゅんえん)を帯ぶ。
花落ちて 家僮 未(いま)だ掃(は)らわず、
鶯啼いて 山客 猶(な)お 眠る。

桃紅

王 維    田園楽 七首

1千門

2再見

3採菱

4芳草

5山下

6桃紅

7酌酒


暮春即事 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-107-42-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2082

暮春即事 魚玄機
年を取ってきた芸妓のことをのべる。春も終わろうとしているのに年増の芸子にはお客もなじみもなくなってしまってどうしようもなくなる。同じ女としてのべたたものである。

2013年3月17日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性暮春即事 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-107-42-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2082
 
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

暮春即事 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-107-42-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2082

卷804_35 【暮春即事】魚玄機



暮春即事
深巷窮門少侶儔,阮郎唯有夢中留。
その女は路地の奥、あまりばっとしない小さな家に、誰も寄り付かないくらしをしている。パトロンの男は足もいつか遠のいて、泊ってくれるのは夢のなかでだけだという。
香飄羅綺誰家席,風送歌聲何處樓。
思えば、どこかの邸の宴席では、美しい衣裳の女たちが、香のにおいをただよわせながら、舞っているであろう。どこかの家の二階では、そこも宴席で、歌姫がうたう歌聾が、春の夜風にのって外に聞こえてくる。
街近鼓鼙喧曉睡,庭閑鵲語亂春愁。
すぐそこの大通りを楽隊が通るのか、やかましい音に、朝寝の目をさまされてしまう。静かなの庭で、こんどはかさきざのさわぐ聾がする。かささぎが騒げば、よいことがあるという。春に体を持て余している女にとっては気持ちをみだすことである。
安能追逐人間事,萬裏身同不系舟。
人間の行く末などというものは、どれほど思いめぐらしてもどうにかなるものではない。はてしもない川の流れに繋がれず浮んだまま流されてゆく、小舟のようなものである。

(暮春即事)
深巷 窮門 侶儔【りょちゅう】少き,阮郎 唯だ夢中に留まる有るのみ。
香 羅綺を飄えす 誰家の席,風 歌聲を送る 何處の樓。
街 近く 鼓鼙【こへい】曉睡【ぎょうすい】喧【かますび】しく,庭 閑か 鵲語【じゃくご】春愁を亂す。
安くんぞ能く 人間の事を 追逐せん、萬里 身は同じ 繋がざる舟に。


wakaba002『暮春即事』 現代語訳と訳註
(本文)
暮春即事
深巷窮門少侶儔,阮郎唯有夢中留。
香飄羅綺誰家席,風送歌聲何處樓。
街近鼓鼙喧曉睡,庭閑鵲語亂春愁。
安能追逐人間事,萬裏身同不系舟。


(下し文)
深巷 窮門 侶儔【りょちゅう】少き,阮郎 唯だ夢中に留まる有るのみ。
香 羅綺を飄えす 誰家の席,風 歌聲を送る 何處の樓。
街 近く 鼓鼙【こへい】曉睡【ぎょうすい】喧【かますび】しく,庭 閑か 鵲語【じゃくご】春愁を亂す。
安くんぞ能く 人間の事を 追逐せん、萬里 身は同じ 繋がざる舟に。


(現代語訳)
その女は路地の奥、あまりばっとしない小さな家に、誰も寄り付かないくらしをしている。パトロンの男は足もいつか遠のいて、泊ってくれるのは夢のなかでだけだという。
思えば、どこかの邸の宴席では、美しい衣裳の女たちが、香のにおいをただよわせながら、舞っているであろう。どこかの家の二階では、そこも宴席で、歌姫がうたう歌聾が、春の夜風にのって外に聞こえてくる。
すぐそこの大通りを楽隊が通るのか、やかましい音に、朝寝の目をさまされてしまう。静かなの庭で、こんどはかさきざのさわぐ聾がする。かささぎが騒げば、よいことがあるという。春に体を持て余している女にとっては気持ちをみだすことである。
人間の行く末などというものは、どれほど思いめぐらしてもどうにかなるものではない。はてしもない川の流れに繋がれず浮んだまま流されてゆく、小舟のようなものである。


(訳注)
暮春即事

・暮春 年を取ってきた芸妓のことをのべる。花街で、かこわれた女にとって年を取ることは堪えがたいこととして、多くの詩人に取り上げられている。李商隠は「無題」として、蝉その他、この類いの詩を二十首以上も読んでいる。

燕臺詩四首 其二 夏#1 李商隠130 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 130-1

無題(幽人不倦賞) 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集-91

無題(何處哀筝随急管) 李商隠21

・即事 その場の事柄、目の前のけしき・ようすを即興で詩にしたもの。
杜甫『即事』
聞道花門破,和親事卻非。
人憐漢公主,生得渡河歸。
秋思拋雲髻,腰肢勝寶衣。
群凶猶索戰,回首意多違。

即事 杜甫 <290> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1337 杜甫詩 700- 410

杜甫『草堂即事』
荒村建子月,獨樹老夫家。雪裡江船渡,風前竹徑斜。
寒魚依密藻,宿鷺起圓沙。蜀酒禁愁得,無錢何處賒?


深巷窮門少侶儔,阮郎唯有夢中留。
その女はろじの奥、あまりばっとしない小さな家に、誰も寄り付かないくらしをしている。パトロンの男は足もいつか遠のいて、泊ってくれるのは夢のなかでだけだという。
・深巻 人通りの少ないちまた。
・窮門 貧乏な家。
・侶儔 とも。伴侶。なかま。ともがら。
・阮郎 花街では桃源郷を花街とし、宮女に逢うことから、男性を呼ぶ場合阮肇の故事をもじってこう呼ぶ。『幽明録』にある民話では、漢の明帝の永平5年(62年)に剡県で、劉晨と阮肇が天台山で宮女に出会い、村へ帰ると七代後の子孫が住んでいた。この変形で「仙女の洞窟」という民話では、劉晨と阮肇が山で迷い込んだ洞窟で仙女が碁を打っていた。村へ帰ると4、500年が過ぎており、洞窟に戻ると扉が閉じていて、二人は頭を壁に打ちつけて死んでしまった。天はこれを哀れんで、二人を幸運の神と悪運の神に任命した。
魚玄機『聞李端公垂釣回寄贈』
無限荷香染暑衣,阮郎何處弄船歸。
自慚不及鴛鴦侶,猶得雙雙近釣磯。

聞李端公垂釣回寄贈 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-94-30-# 卷804_23 【聞李端公垂釣回寄贈】魚玄機  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2017


香飄羅綺誰家席,風送歌聲何處樓。
思えば、どこかの邸の宴席では、美しい衣裳の女たちが、香のにおいをただよわせながら、舞っているであろう。どこかの家の二階では、そこも宴席で、歌姫がうたう歌聾が、春の夜風にのって外に聞こえてくる。
・羅綺 薄物の美しい衣裳。


街近鼓鼙喧曉睡,庭閑鵲語亂春愁。
すぐそこの大通りを楽隊が通るのか、やかましい音に、朝寝の目をさまされてしまう。静かなの庭で、こんどはかさきざのさわぐ聾がする。かささぎが騒げば、よいことがあるという。春に体を持て余している女にとっては気持ちをみだすことである。
・街 巷に対してこれはメインストリート。大街。表通り。
・鼓鼙 鼓はつづみ。鼙は軍鼓。軍鼓は夜が明けるとたたき始める
・曉睡 朝のねむり。夜寝つけなくて、明け方にうとうととすること。
・鵠語 かさきざのなく声。朝、かさきざが騒がしく鳴くとその日よいことがある吉兆であるといわれる。
・春愁 春のものさびしさ。「阮郎唯有夢中留」に対する思い。


安能追逐人間事,萬裏身同不系舟。
人間の行く末などというものは、どれほど思いめぐらしてもどうにかなるものではない。はてしもない川の流れに繋がれず浮んだまま流されてゆく、小舟のようなものである。
・迫逐(ついちく) おっかける。
hinode0100

夏日山居 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-106-41-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2077

夏日山居 魚玄機


2013年3月16日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

夏日山居 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-106-41-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2077

卷804_34 【夏日山居】魚玄機


夏日山居
移得仙居此地來,花叢自遍不曾栽。
道女の住居を移したが、そこには一面に花さく場所である。しかしそれはわざわざここにきて植えたのではなく、自然にそうした土地なので、いっそううれしく趣きがある。
庭前亞樹張衣桁,坐上新泉泛酒杯。
庭の木の横枝は、自然に衣桁のかわりをつとめてくれるし、坐っている座席の近くに、小さな泉がわいている。それはまったく小さくてちょうど杯に酒をみたしたようである。
軒檻暗傳深竹徑,綺羅長擁亂書堆。
軒下のらんかんの奥は、深い竹の小みちに通じているし、部屋のなかの美しい衣裳の下は乱雑に積み重ねた書物が置きっぱなしにしたままなのだ。
閑乘畫舫吟明月,信任輕風吹卻回。
ひまにまかせて、畫舫で舟遊びをする。明月の下では詩を吟じる。もうこれからは軽く吹いてくる風に、すべてを任せて、生活をしていくのである
(夏日山居)
仙居を移し得て此の地に来る、花叢 自ら偏く曾て栽ゑず。
庭前の亞樹は衣を張るの桁、坐上の新泉は酒を浮ぶるの杯。
軒檻暗に傳く深竹径、綺羅 長に擁す亂書堆。
閑に畫舫に乘って明月に吟じ,信任するは輕風 吹いて卻回【きゃくかい】す。


嘉陵江111111
『夏日山居』 現代語訳と訳註
(本文)
夏日山居
移得仙居此地來,花叢自遍不曾栽。
庭前亞樹張衣桁,坐上新泉泛酒杯。
軒檻暗傳深竹徑,綺羅長擁亂書堆。
閑乘畫舫吟明月,信任輕風吹卻回。


(下し文)
仙居を移し得て此の地に来る、花叢 自ら偏く曾て栽ゑず。
庭前の亞樹は衣を張るの桁、坐上の新泉は酒を浮ぶるの杯。
軒檻暗に傳く深竹径、綺羅 長に擁す亂書堆。
閑に畫舫に乘って明月に吟じ,信任するは輕風 吹いて卻回【きゃくかい】す。


(現代語訳)
道女の住居を移したが、そこには一面に花さく場所である。しかしそれはわざわざここにきて植えたのではなく、自然にそうした土地なので、いっそううれしく趣きがある。
庭の木の横枝は、自然に衣桁のかわりをつとめてくれるし、坐っている座席の近くに、小さな泉がわいている。それはまったく小さくてちょうど杯に酒をみたしたようである。
軒下のらんかんの奥は、深い竹の小みちに通じているし、部屋のなかの美しい衣裳の下は乱雑に積み重ねた書物が置きっぱなしにしたままなのだ。
ひまにまかせて、畫舫で舟遊びをする。明月の下では詩を吟じる。もうこれからは軽く吹いてくる風に、すべてを任せて、生活をしていくのである。


(訳注)
夏日山居
愛衰えるにおよんで山に入り、西京の咸宜觀に隷して女遺士となる」と見えている。山は都の長安に在った。
宋・孫光憲『北夢瑣言
唐女道魚玄機字蕙蘭,甚有才思。
鹹通中,為李憶補闕執箕帚,
後愛衰,下山隸咸宜觀為女道士。

魚元機は晩唐の女道士であり、字を蕙蘭という。とても才能思想の持ち主である、
咸通元年、李億補闕の妻妾として仕えることとなる。

しかし、その後、夫李億の愛衰へ他の女のもとにいった、魚玄機は山を下り、咸宜観に隷して女道士となる。
北夢瑣言 孫光憲  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-67-3-# 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1884


移得仙居此地來,花叢自遍不曾栽。
道女の住居を移したが、そこには一面に花さく場所である。しかしそれはわざわざここにきて植えたのではなく、自然にそうした土地なので、いっそううれしく趣きがある。
・此地 ここ。おそらくそれは長安での移盾ではあるまい。女性に逢いを選べる時代ではなく、男に愛が衰えるとあとは一定のお金で済ますのである。旅の途中で捨てるとことはないはずである。


庭前亞樹張衣桁,坐上新泉泛酒杯。
庭の木の横枝は、自然に衣桁のかわりをつとめてくれるし、坐っている座席の近くに、小さな泉がわいている。それはまったく小さくてちょうど杯に酒をみたしたようである。
・花叢 花のくさむら。
・亞樹 亜字型にたった枝の出ている木。横に枝の出ている木。
・桁 衣桁。


軒檻暗傳深竹徑,綺羅長擁亂書堆。
軒下のらんかんの奥は、深い竹の小みちに通じているし、部屋のなかの美しい衣裳の下は乱雑に積み重ねた書物が置きっぱなしにしたままなのだ。
・軒檻 軒の下にある手すり。
・探竹裡 こんもりと竹を植えた間の暗い小みち。
・綺羅 美しい着物。
・書堆 積みかさねた書物。


閑乘畫舫吟明月,信任輕風吹卻回。
ひまにまかせて、畫舫で舟遊びをする。明月の下では詩を吟じる。もうこれからは軽く吹いてくる風に、すべてを任せて、生活をしていくのである。
・畫舫 湖や川のよどみに浮かべ、遊びの用に当てるきれいな舟。
・卻回 あともどりする。へさきの向きをかえる。
・信任 すっかりまかせる。
鶯00

遣懷 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-103-38-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2062

遣懷 魚玄機 

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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

遣懷 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-103-38-#2   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2062

卷804_31 【遣懷】魚玄機


遣懷#1
閑散身無事,風光獨自遊。
暇でのんびりしている。別に何かをしなければならないというわけでもない。よい景色のなかで、ひとりで悠々自適に過ごす。
斷雲江上月,解纜海中舟。
雲の切れ間に明るい月が顔を出す、大江にかげをおとす。繋がれていた舟が、ともづなを解いて、海にむかって進む。
琴弄蕭梁寺,詩吟庾亮樓。
優雅に琴をきままにかなでるならば、南朝梁の時代に建てられた多くの寺であり、詩歌を吟ずるには南朝中原の名門貴族の家に生まれ、若い頃から美貌と威厳のある風格をそなえ、清談の名手としても名を知られていた庾亮の樓であろう。
叢篁堪作伴,片石好為儔。

しずかな竹林であれば一人でのびのびし散歩するものであり、庭の石をじっとめでるのは、こだわりやわずらわしさもないのがよいことだ。
#2
燕雀徒為貴,金銀誌不求。
つまらない男というものは、高い地位についたら、いたずらに権威を振りかざすもの、金銀だけを志とするものではない。
滿杯春酒綠,對月夜窗幽。
杯には、うまい上等の酒を満たし、月があかるく照っている夜などは、窓辺でしずかな夜のけはいを欒しむものだ。
繞砌澄清沼,抽簪映細流。
玄関敲きのまわりには、澄んだ水をたたえた沼池に清い小川が流れこむ。髪にさしたかんざしを細い流れにうつしてみる。
臥牀書冊遍,半醉起梳頭。
そんな中で、わたしは寝床のまわりには、一面に本がうず高くつんでいる。すこし酔っては、起きだして、髪を梳き、頭を整える。

懐を遣る
閑散 身に事無く、風光濁り自ら遊ぶ。
雲を断つ 江上の月、纜を解く 海中の舟。
琴は蕭梁の寺に弄し、詩は庚亮の樓に吟ず。
叢篁 伴を作すに堪え、片石 儔を為すに好し。

燕雀 徒に 貴と為し、金銀 志として 求めず。
杯に満せば 春酒 緑なり、月に封して 夜窗 幽なり。
砌を繞って 清沼 澄み、簪を抽いて 細流に映す。
臥牀 書冊偏く、半酔 起って 梳頭す。

美女画55101道観



















『遣懷』 現代語訳と訳註
(本文)

#2
燕雀徒為貴,金銀誌不求。
滿杯春酒綠,對月夜窗幽。
繞砌澄清沼,抽簪映細流。
臥牀書冊遍,半醉起梳頭。


(下し文)
燕雀 徒に 貴と為し、金銀 志として 求めず。
杯に満せば 春酒 緑なり、月に封して 夜窗 幽なり。
砌を繞って 清沼 澄み、簪を抽いて 細流に映す。
臥牀 書冊偏く、半酔 起って 梳頭す。


(現代語訳)
つまらない男というものは、高い地位についたら、いたずらに権威を振りかざすもの、金銀だけを志とするものではない。
杯には、うまい上等の酒を満たし、月があかるく照っている夜などは、窓辺でしずかな夜のけはいを欒しむものだ。
玄関敲きのまわりには、澄んだ水をたたえた沼池に清い小川が流れこむ。髪にさしたかんざしを細い流れにうつしてみる。
そんな中で、わたしは寝床のまわりには、一面に本がうず高くつんでいる。すこし酔っては、起きだして、髪を梳き、頭を整える。

(訳注)
・遣懷
 胸中のおもいを吐きだすことと云うことだが、この詩は二句、一聯ごとにテーマがあり、八つのテーマがある。
一聯:現在の生活   :閑散身無事,風光獨自遊。
二聯:遠望       :斷雲江上月,解纜海中舟。
三聯:風流(音楽・詩) 琴弄蕭梁寺,詩吟庾亮樓。
四聯:風流(散歩)   :叢篁堪作伴,片石好為儔。
五聯:男・大志     :燕雀徒為貴,金銀誌不求。
六聯:酒と月      滿杯春酒綠,對月夜窗幽。
七聯:風流(近景)   :繞砌澄清沼,抽簪映細流。
八聯:現在の生活   :臥床書冊遍,半醉起梳頭。
甘粛省-嘉峪関ということでこの詩は、やはり書斎で作られ、訪れる客に披露するために作られた現実性のない作品である。客観的にとらえていくとこれが事実である。李億との感情などどこにもないのである。


燕雀徒為貴,金銀誌不求。
つまらない男というものは、高い地位についたら、いたずらに権威を振りかざすもの、金銀だけを志とするものではない。
・燕雀 したがってつまらぬ人間、小者。曹植 魏詩『鰕鱓篇』「燕雀戲藩柴、安識鴻鵠游。」(燕や雀は桓根の内にたわむれているのだから、鴻や鵠のような大きな鳥のような遊びは知らない。)
李白『古風五十九首 之三十七』「梧桐巢燕雀。 枳棘棲鴛鸞。」
韓愈『贈崔立之評事』(崔斯立,字立之,博陵人)「走章馳檄在得賢,燕雀紛拏要鷹隼」
 

滿杯春酒綠,對月夜窗幽。
杯には、うまい上等の酒を満たし、月があかるく照っている夜などは、窓辺でしずかな夜のけはいを欒しむものだ。
・春酒綠 春酒は新種のこと、綠は、清酒の事で、上等の酒の場合につかう酒の形容。
・夜窗 窗は窓。夜は窓辺に。


繞砌澄清沼,抽簪映細流。
玄関敲きのまわりには、澄んだ水をたたえた沼池に清い小川が流れこむ。髪にさしたかんざしを細い流れにうつしてみる。
・繞砌 ・砌 庭へおりるポーチ。みぎり【砌】とは。意味や解説。《「水限(みぎり)」の意で、雨滴の落ちるきわ、また、そこを 限るところからという》1 時節。おり。ころ。
魚玄機『期友人阻雨不至』「近泉鳴砌畔,遠浪漲江湄。」
・清沼 きれいな水をたたえた沼池。
・簪 かんざし。おそらく金製であろう。


臥床書冊遍,半醉起梳頭。
そんな中で、わたしは寝床のまわりには、一面に本がうず高くつんでいる。すこし酔っては、起きだして、髪を梳き、頭を整える。
・臥床 寝床ベッド。
・遍 一面に。
・梳頭 髪にくしを入れること。

遣懷 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-102-38-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2057

遣懷 魚玄機

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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 


遣懷 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-102-38-#1   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2057

卷804_31 【遣懷】魚玄機


遣懷#1
閑散身無事,風光獨自遊。
暇でのんびりしている。別に何かをしなければならないというわけでもない。よい景色のなかで、ひとりで悠々自適に過ごす。
斷雲江上月,解纜海中舟。
雲の切れ間に明るい月が顔を出す、大江にかげをおとす。繋がれていた舟が、ともづなを解いて、海にむかって進む。
琴弄蕭梁寺,詩吟庾亮樓。
優雅に琴をきままにかなでるならば、南朝梁の時代に建てられた多くの寺であり、詩歌を吟ずるには南朝中原の名門貴族の家に生まれ、若い頃から美貌と威厳のある風格をそなえ、清談の名手としても名を知られていた庾亮の樓であろう。
叢篁堪作伴,片石好為儔。

しずかな竹林であれば一人でのびのびし散歩するものであり、庭の石をじっとめでるのは、こだわりやわずらわしさもないのがよいことだ。
#2
燕雀徒為貴,金銀誌不求。
滿杯春酒綠,對月夜窗幽。
繞砌澄清沼,抽簪映細流。
臥牀書冊遍,半醉起梳頭。

懐を遣る
閑散 身に事無く、風光濁り自ら遊ぶ。
雲を断つ 江上の月、纜を解く 海中の舟。
琴は蕭梁の寺に弄し、詩は庚亮の樓に吟ず。
叢篁 伴を作すに堪え、片石 儔を為すに好し。

燕雀 徒に 貴と為し、金銀 志として 求めず。
杯に満せば 春酒 緑なり、月に封して 夜窗 幽なり。
砌を繞って 清沼 澄み、簪を抽いて 細流に映す。
臥牀 書冊偏く、半酔 起って 梳頭す。

55moon

『遣懷』 現代語訳と訳註
(本文)
閑散身無事,風光獨自遊。
斷雲江上月,解纜海中舟。
琴弄蕭梁寺,詩吟庾亮樓。
叢篁堪作伴,片石好為儔。


(下し文)
懐を遣る
閑散 身に事無く、風光濁り自ら遊ぶ。
雲を断つ 江上の月、纜を解く 海中の舟。
琴は蕭梁の寺に弄し、詩は庚亮の樓に吟ず。
叢篁 伴を作すに堪え、片石 儔を為すに好し。

(現代語訳)
暇でのんびりしている。別に何かをしなければならないというわけでもない。よい景色のなかで、ひとりで悠々自適に過ごす。
雲の切れ間に明るい月が顔を出す、大江にかげをおとす。繋がれていた舟が、ともづなを解いて、海にむかって進む。
優雅に琴をきままにかなでるならば、南朝梁の時代に建てられた多くの寺であり、詩歌を吟ずるには南朝中原の名門貴族の家に生まれ、若い頃から美貌と威厳のある風格をそなえ、清談の名手としても名を知られていた庾亮の樓であろう。
しずかな竹林であれば一人でのびのびし散歩するものであり、庭の石をじっとめでるのは、こだわりやわずらわしさもないのがよいことだ。


oborotsuki04(訳注)
遣懷

・遣懷 胸中のおもいを吐きだすことと云うことだが、この詩は二句、一聯ごとにテーマがあり、八つのテーマがある。
一聯:現在の生活
二聯:遠望
三聯:風流(音楽・詩)
四聯:風流(散歩)


(一)
閑散身無事,風光獨自遊。
暇でのんびりしている。別に何かをしなければならないというわけでもない。よい景色のなかで、ひとりで悠々自適に過ごす。
・閑散 ひまで何するということもなくのんびりしていること。
・風光 風景。自然をともとして。


(二)
斷雲江上月,解纜海中舟。
雲の切れ間に明るい月が顔を出す、大江にかげをおとす。繋がれていた舟が、ともづなを解いて、海にむかって進む。
・江上 大江。


(三)
琴弄蕭梁寺,詩吟庾亮樓。
優雅に琴をきままにかなでるならば、南朝梁の時代に建てられた多くの寺であり、詩歌を吟ずるには南朝中原の名門貴族の家に生まれ、若い頃から美貌と威厳のある風格をそなえ、清談の名手としても名を知られていた庾亮の樓であろう。
・蕭梁の寺 
武帝は異常なほど仏教に傾倒し、後世からはこのために梁の亡国を招いたとして非難される一因となっている。まず武帝は在位中に4回も捨身を行なう異常ぶりで、さらに中国皇帝は国家儀礼は儒教に基づいて行なうのが当然なのだが武帝は仏教に基づいて行なっており、さらに大赦と改元を伴って行なうなど常識を逸脱する熱烈ぶりが目立つようになっている。ただし仏教が武帝や梁の民衆にここまで受け入れられたのは、後漢という長期政権の崩壊後、魏晋南北朝時代という動乱期で儒教の価値観が低下し自己の救済を仏教に求めたため、という側面もあった事を理解しておく必要がある。とはいえこのような異常ともいえる仏教傾倒は梁における仏教隆盛をもたらした反面で、皇帝や皇族の放恣や側近による専権、貴族層の実務忌避や寺院の建立による財政悪化による民衆の窮乏と社会不安の増大という国勢の衰退を助長した。
庾亮(ゆりょう、289年 - 340年)は、中国東晋の政治家。字は元規。潁川鄢陵(現河南省)の出身。庾琛の子で庾彬、庾羲の父。
西晋時代、中原の名門貴族の家に生まれ、若い頃から美貌と威厳のある風格をそなえ、清談の名手としても名を知られていた。当時の人々は彼を夏侯玄や陳羣になぞらえたという。八王の乱、永嘉の乱で中原が戦乱に見舞われると、父親に従い会稽に難を避ける。


(四)
叢篁堪作伴,片石好為儔。
しずかな竹林であれば一人でのびのびし散歩するものであり、庭の石をじっとめでるのは、こだわりやわずらわしさもないのがよいことだ。
・叢篁 むらがり生えている竹。しずかな竹林。

訪趙煉師不遇 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-101-37  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2052

訪趙煉師不遇 魚玄機


2013年3月11日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集隴西行 謝霊運<10> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2051 (03/11)
●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性訪趙煉師不遇 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-101-37  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2052
 
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

訪趙煉師不遇 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-101-37   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2052

卷804_30 【訪趙煉師不遇】魚玄機



訪趙煉師不遇
(趙煉師を訪ねて遇はず)
何處同仙侶,青衣獨在家。
お友だちの道士の方と、どこか行かれたらしい。青衣の下女がひとりでお留守番をしていた。
暖爐留煮藥,鄰院為煎茶。
出掛けられて間もないのか、爐があたたかであり、仙薬が煎じられている。庭の向こう隣りから、お茶をたててきて、もてなしてくれる。
畫壁燈光暗,幡竿日影斜。
祭壇のある壁画壁のある部屋には、燈火がついているが薄暗い。それと反対に明るい庭の方に建っているはたをかかげる竹竿には、午後の日が斜めにあたっている。
殷勤重回首,墻外數枝花。
歸りかけておもむろに後ろをふりかえると、かきねの外にまで何本か出ている枝に花が咲いている。


美女画555
(趙煉師を訪ねて遇はず)
何れの處にか仙侶【せんりょ】を同じうす、青衣【せいい】獨り家に在り。
暖爐【だんろ】留めて 薬を煮、鄰院【りんいん】爲めに 茶を煎ず。
畫壁【がへき】燈光【とうこう】暗く、幡竿【ばんかん】日影【にちえい】斜なり。
殷勤【いんぎん】重ねて首を回らせば、墻外【しょうがい】數枝の花。


『訪趙煉師不遇』 現代語訳と訳註
(本文)
訪趙煉師不遇
何處同仙侶,青衣獨在家。
暖爐留煮藥,鄰院為煎茶。
畫壁燈光暗,幡竿日影斜。
殷勤重回首,墻外數枝花。


(下し文)
(趙煉師を訪ねて遇はず)
何れの處にか仙侶【せんりょ】を同じうす、青衣【せいい】獨り家に在り。
暖爐【だんろ】留めて 薬を煮、鄰院【りんいん】爲めに 茶を煎ず。
畫壁【がへき】燈光【とうこう】暗く、幡竿【ばんかん】日影【にちえい】斜なり。
殷勤【いんぎん】重ねて首を回らせば、墻外【しょうがい】數枝の花。


(現代語訳)
(趙煉師を訪ねて遇はず)
お友だちの道士の方と、どこか行かれたらしい。青衣の下女がひとりでお留守番をしていた。
出掛けられて間もなおのか爐があたたかであり、仙薬が煎じられていた。庭の向こう隣りから、お茶をたててきて、もてなしてくれる。
祭壇のある壁画壁のある部屋には、燈火がついているが薄暗い。それと反対に明るい庭の方に建っているはたをかかげる竹竿には、午後の日が斜めにあたっている。
祭壇のある壁画壁のある部屋には、燈火がついているが薄暗い。それと反対に明るい庭の方に建っているはたをかかげる竹竿には、午後の日が斜めにあたっている。


(訳注)
訪趙煉師不遇

妓女である魚玄機が趙煉師ということは三国時代孫権が最も寵愛した夫人のことであり、花街の女が官僚の女になったものの互いに呼び合った名前である。森鴎外は小説の中で「かねて交っていた道士趙錬師を招待して、魚玄機の身の上を託した。玄機が咸宜観に入って女道士になったのは、かうした因縁であった。」とかいている。この詩が根拠ということなのである。
 妓女から役人の妻へ、そして、おそらく道士趙錬師はまさに魚玄機があこがれていた女性でもあったのではないだろうか。
少なくとも、この詩でわかるように、魚玄機は道士への憧れを持っていた。この詩はその気持ちを詠ったものである。
李白『訪載天山道士不遇』、賈島「尋隠者不遇」柳宗元、韋応物など多くの詩人が詩題にしている。
この詩が役人の妻という実績が出来、そして道観に隠遁するという、当時の妓女のステータスであったのである。したがって、魚玄機の李億に対する未練のかけらもないことを示す詩なのである。そういう意味でこの詩は重要なものである。おそらく、この詩も、書斎の中で作られたものであろう。


何處同仙侶,青衣獨在家。
お友だちの道士の方と、どこか行かれたらしい。青衣の下女がひとりでお留守番をしていた。
・仙侶 仙は道士、侶は仲間。同じ道士のひとと。仙侶、錬師は、女性であったのであろう。
・青衣 下女のこと。昔、身分のいやしい者が、青衣を着たことから、婦女・給仕の者を、青衣というようになった。


暖爐留煮藥,鄰院為煎茶。
出掛けられて間もないのか、爐があたたかであり、仙薬が煎じられている。庭の向こう隣りから、お茶をたててきて、もてなしてくれる。
・煮藥 道士は薬草を煎じるというのも常套である。
・鄰院 隣の中庭のあるブロック。


畫壁燈光暗,幡竿日影斜。
祭壇のある壁画壁のある部屋には、燈火がついているが薄暗い。それと反対に明るい庭の方に建っているはたをかかげる竹竿には、午後の日が斜めにあたっている。
・畫壁 壁画のある壁。
・幡 はた。仏寺や道観にたてられているはた。


殷勤重回首,墻外數枝花。
歸りかけておもむろに後ろをふりかえると、かきねの外にまで何本か出ている枝に花が咲いている。
・殷勤 ねんごろ、ていねい。この場合、ていねいにまたふりかえってみたこと。
・墻 土塀の垣根。

寒梅002



李白「訪載天山道士不遇」
犬吠水声中、桃花帯露濃。
樹深時見鹿、渓午不聞鐘。
野竹分青靄、飛泉挂碧峰。
無人知所去、愁倚両三松。

犬は吠ゆ水声の中、桃花は露を帯びて濃やかなり。
樹は深くして時に鹿を見、渓は午にして鐘を聞かず。
野竹は青靄を分け、飛泉は碧峰に挂かる。
人の去く所を知る無し、愁えて倚る両三松。


・不遇
六朝の末ごろから詠い出されたこのテーマは、いないことによって却って隠者の縹渺(ひょうびょう)たる風趣が漂う、ことを狙いとする」韋応物(いおうぶつ)の「休日 人を訪ねて遇(あ)わず」の詩。昔の官吏は九日働いて一日休み、という過酷な勤め。折角の休みに隠者に会うべく山中に尋ねてきたが、留守で会えない。「六朝の末ごろから詠い出されたこのテーマは、いないことによって却って隠者の縹渺(ひょうびょう)たる風趣が漂う、ことを狙いとする」と解説される。


・錬師 
花街の女が官僚の女になったものの互いに呼び合った名前らしい。孫権の歩夫人にあやかっての呼び合っていたのであろう。ちなみに歩夫人は徐州臨淮郡淮陰(現在の江蘇省淮安市)の出身。呉に仕えた歩隲の同族。諱は「練師」だった(『建康実録』)。史書に名前が残る孫権の妻の一人。戦乱を避けて母と共に江東に移住した所、孫権に見初められて夫人となった。嫉妬しない性格だったため孫権が最も寵愛した夫人となった。孫権が皇帝に即位すると内心歩夫人を皇后にしようと考えていたが、皇太子の孫登や群臣達は孫登の養母である徐夫人を皇后にすることを望んでいた。しかし孫権は徐夫人の立后を拒否し、歩夫人もまた皇后につこうとせず238年に没した。
孫権はあらためて歩夫人に皇后の位を追贈し、孫権死後に陵墓である「蒋陵」に一緒に葬られることになった。

早秋 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-98-34-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2037

早秋 魚玄機

2013年3月8日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩怨歌行 曹植 魏詩<53-#1>古詩源 巻五 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2033
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩原人 韓愈(韓退之) <117-1>Ⅱ中唐詩610 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2034
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Ⅲ杜甫詩1000詩集水檻遣心二首其二 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 13)  杜甫 <418>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2035 杜甫詩1000-418-601/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性早秋 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-98-34-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2037
 
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

早秋 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-98-34-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2037

卷804_27 【早秋】魚玄機


早秋
嫩菊含新彩,遠山閑夕煙。
秋になったのだろう菊が新しいつぼみをつけている。はるか遠い山のあたりには、日が短くなり始めて夕もやにかすんでいる。
涼風驚綠樹,清韻入朱弦。
これまでになかった涼しい風が吹いてきて、緑の葉が茂る木々がおどろいている。風が通り過ぎるその音に朱い琴から奏でる音が、すみきった空に響きあう。
思婦機中錦,征人塞外天。
この家では、妻が夫を思い慕ったことばを回文で織り込んでいる。国境の塞を守る夫も、とりでの辺りの空もたかくなってこごえるようになってきたことだろう。
雁飛魚在水,書信若為傳。

雁足の雁が飛び、魚尺の魚が水の中にいる。たよりを運ぶということは聞いているが、それは故事でいうことであって現実問題として、どうしたらいいのだろう。

早秋
嫩菊【どんぎく】新彩を含み,遠山【えんざん】夕煙閑【しず】かなり。
涼風綠樹【りょくじゅ】驚かし,清韻【せいいん】朱弦に入る。
思婦【しふ】機中の錦,征人【せいじん】塞外の天。
雁は飛び、魚は水に在り,書信 若為【いかに】か傳えん。


『早秋』魚玄機#34 現代語訳と訳註
(本文)
早秋
嫩菊含新彩,遠山閑夕煙。
涼風驚綠樹,清韻入朱弦。
思婦機中錦,征人塞外天。
雁飛魚在水,書信若為傳。


(下し文) 早秋
嫩菊【どんぎく】新彩を含み,遠山【えんざん】夕煙閑【しず】かなり。
涼風綠樹【りょくじゅ】驚かし,清韻【せいいん】朱弦に入る。
思婦【しふ】機中の錦,征人【せいじん】塞外の天。
雁は飛び、魚は水に在り,書信 若為【いかに】か傳えん。


(現代語訳)
秋になったのだろう菊が新しいつぼみをつけている。はるか遠い山のあたりには、日が短くなり始めて夕もやにかすんでいる。
これまでになかった涼しい風が吹いてきて、緑の葉が茂る木々がおどろいている。風が通り過ぎるその音に朱い琴から奏でる音が、すみきった空に響きあう。
この家では、妻が夫を思い慕ったことばを回文で織り込んでいる。国境の塞を守る夫も、とりでの辺りの空もたかくなってこごえるようになってきたことだろう。
雁足の雁が飛び、魚尺の魚が水の中にいる。たよりを運ぶということは聞いているが、それは故事でいうことであって現実問題として、どうしたらいいのだろう。

魚玄機550033
(訳注)
早秋

・早秋 初秋。秋三秋(初秋・仲秋・晩秋)前半【首聯】【頷聯】で、初秋から仲秋を詠い、後半【頸聯】【尾聯】で晩秋を詠う。


嫩菊含新彩,遠山閑夕煙。
秋になったのだろう菊が新しいつぼみをつけている。はるか遠い山のあたりには、日が短くなり始めて夕もやにかすんでいる
・嫩 1 発芽して最初に出る葉。双子葉植物で2枚出る。《季 春》2 人間の幼少のころ。また、物事の初め。「栴檀(せんだん)は―より芳(かんば)し」3 名香の一。伽羅(きゃら)で香味は苦甘。羅国。ふたばあおい双葉葵。
・新彩 彩はいろどり。ここは花。
・閑夕煙 夕靄がかすんで静かなかんじにひたっている。


涼風驚綠樹,清韻入朱弦。
これまでになかった涼しい風が吹いてきて、緑の葉が茂る木々がおどろいている。風が通り過ぎるその音に朱い琴から奏でる音が、すみきった空に響きあう。
・涼風 秋になってまもない頃の涼しい秋かぜ。
・清韻 韻はひびき。清らかな風の音と琴の音かからみあうこと。


思婦機中錦,征人塞外天。
この家では、妻が夫を思い慕ったことばを回文で織り込んでいる。国境の塞を守る夫も、とりでの辺りの空もたかくなってこごえるようになってきたことだろう。
・思婦 旅に出た夫のことを思っている妻。この句から晩秋となる。
・機中錦 錦を織る。夫を思い慕ったことばを回文で織り込む。この句は李白『烏夜啼』に基づいている。
黄雲城辺烏欲棲、帰飛唖亜枝上啼。
機中織錦秦川女、碧紗如煙隔窓語。
停梭悵然憶遠人、独宿弧房涙如雨。
「機中織錦秦川女」織機(はた)を前に 錦を織っている長安の女。 ・機中:機(はた)で織り込む。 ・機:はた。はたおる。 ・織錦:錦を織る。夫を思い慕ったことばを回文で織り込む。 ・秦川女:蘇蕙(蘇若蘭)のこと。この句は『晋書・列伝第六十六・列女・竇滔妻蘇氏』砂漠方面に流された夫を思う妻の典型を引用。秦川は長安地方を指す。夫が秦川刺史であったことによるための言い方。回文の錦を織った妻のことで竇滔とうとうの妻の蘇蕙(蘇若蘭)のこと。回文:順序を逆に読めば、別の意味になる文のこと。
・征人 国境守備の夫。
・塞 邊塞、とりで。国境にある。
謝惠連『擣衣』

擣衣 謝惠連 詩<83-#1>Ⅱ李白に影響を与えた詩513 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1356

搗衣(擣衣) 杜甫 <295> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1352 杜甫詩 700- 415


雁飛魚在水,書信若為傳。
雁足の雁が飛び、魚尺の魚が水の中にいる。たよりを運ぶということは聞いているが、それは故事でいうことであって現実問題として、どうしたらいいのだろう。
・雁飛魚在 雁は雁書。○雁足 蘇武の故事。妻からの手紙をいう。蘇武が漢の使となって匈奴に捕えられていたとき、漢より別の使者がいって匈奴をあざむいていうのに、天子が上林中において弓を射て雁を得たところ、雁の足に帛書が繋いであった「蘇武は大沢の中にある」により蘇武の所在がわかり、救出できた。○鴻魚尺素 鯉素 (故事). 手紙のこと。「鯉魚尺素」の略。鯉の腹の中から白絹(=素)に書かれた手紙が出てきた故事による。 「古楽府」飲馬長城窟行の「客従遠方来、遺我双鯉魚、呼児烹鯉魚、中有尺素書。
終南山06

題隱霧亭 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-96-32-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2027

題隱霧亭 魚玄機


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題隱霧亭 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-96-32-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2027

卷804_25 【題隱霧亭】魚玄機


題隱霧亭
春花秋月入詩篇,白日清宵是散仙。
春に咲く花、秋の名月、季節の事が詩に読み込まれるものである。夏の日は朝からま昼の太陽もおおぞらもよし、清々しい夕方まで一日の事も結構で、わたしは無官仙人になったようである。
空卷珠簾不曾下,長移一榻對山眠。
雪の日は山を見るにすだれはまきあげたまま、こんなに景色のよい所だと一度もおろしすことなどないでしょう、長椅子をそのすだれの下に移して、山を見ながら、春夏秋冬寝てしまうことでしょう。

(隱霧亭に題す)
春花 秋月 詩篇に入り,白日 清宵 是れ散仙。
空しく珠簾を卷いて 曾て下さず,長に一榻【とう】を移して 山に對して眠る。


魚玄機が宮島に







『題隱霧亭』 
現代語訳と訳註
(本文)

題隱霧亭
春花秋月入詩篇,白日清宵是散仙。
空卷珠簾不曾下,長移一榻對山眠。


(下し文)
(隱霧亭に題す)
春花 秋月 詩篇に入り,白日 清宵 是れ散仙。
空しく珠簾を卷いて 曾て下さず,長に一榻【とう】を移して 山に對して眠る。


(現代語訳)
春に咲く花、秋の名月、季節の事が詩に読み込まれるものである。夏の日は朝からま昼の太陽もおおぞらもよし、清々しい夕方まで一日の事も結構で、わたしは無官仙人になったようである。
雪の日は山を見るにすだれはまきあげたまま、こんなに景色のよい所だと一度もおろしすことなどないでしょう、長椅子をそのすだれの下に移して、山を見ながら、春夏秋冬寝てしまうことでしょう。


(訳注)
題隱霧亭

隱霧とは道家の好む語である。
魚玄機の詩は場所の特定季節の特定が難しいものがある。この詩もどこであってもおかしくない。実態感がないのである。お座敷で「お題」があったものと考えてもおかしくない。実際の景色を見て、作ったものとは思えない雰囲気を捨てきれない。『1.賦得江邊柳』「翠色連荒岸,煙姿入遠樓。影鋪秋水面,花落釣人頭。根老藏魚窟,枝低繫客舟。蕭蕭風雨夜,驚夢復添愁。」の雰囲気に類似している。


春花秋月入詩篇,白日清宵是散仙。
春に咲く花、秋の名月、季節の事が詩に読み込まれるものである。夏の日は朝からま昼の太陽もおおぞらもよし、清々しい夕方まで一日の事も結構で、わたしは無官仙人になったようである。
・入詩篇 詩のなかへよみこむ。これはこの詩全体にかかる語である。
・白日 太陽の輝いている昼間。この語は真夏の日中。
・散仙 道家では、仙人にも官職があることになっており、その官職についていない仙人のことを散仙という。


空卷珠簾不曾下,長移一榻對山眠。
雪の日は山を見るにすだれはまきあげたまま、こんなに景色のよい所だと一度もおろしすことなどないでしょう、長椅子をそのすだれの下に移して、山を見ながら、春夏秋冬寝てしまうことでしょう。
・珠簾 簾はすたれ、珠は玉であるが、冬の季語、詩語として冠らせたもの。白居易『香爐峰下、新卜山居、草堂初成、偶題東壁
日高睡足猶慵起、小閣重衾不怕寒。
遺愛寺鐘欹枕聽、香爐峰雪撥簾看。
匡廬便是逃名地、司馬仍爲送老官。
心泰身寧是歸處、故郷何獨在長安。
日高く睡り足るも、なお起くるにものうし、小閣にしとねを重ねて寒さをおそれず。
遺愛寺の鐘は枕をそばだてて聴き、香爐峰の雪は簾をかかげてみる。
匡廬(きょうろ)はすなわちこれ名を逃るるの地、司馬はなお老を送るの官たり。
心やすく身やすきは是帰処、故郷何ぞ独り長安にのみ在らんや。

此の句によってこの絶句の中に春夏秋冬」揃うわけである。
・長 長時間。こんな景色だと春夏秋冬長い時間景色を見ていることが出来る。
・榻 長いこしかけ、ソファーに寝るようにこれに身を横たえて寝ることもある。



この詩は、「春夏秋冬」を歌いこみ、「仙人」を詠い、「隱霧」と語をうまく詠いあげている。季節感、実感のない詩であるということではなかろうか。魚玄機の詩はその使われた獄によって分析するのは意味のない作業のように思われる。おそらく森鴎外は魚玄機は旅行の旅には出ていないと感じていたのではなかろうか。


1.賦得江邊柳
翠色連荒岸,煙姿入遠樓。
影鋪秋水面,花落釣人頭。
根老藏魚窟,枝低繫客舟。
蕭蕭風雨夜,驚夢復添愁。

もう春の盛りを過ぎるころとなり、柳の葉の緑も色濃く、荒れてものさびしい岸辺にずっとつづいてそよいでいます。春霞も遠く霞んだ柳の並木の彼方に高楼が目に入いります。
秋水を思わせる清らかに澄んだ水面に、はっきりと柳の木の影がうつっています。柳絮の綿帽子が花びらが落ちるようにふわりふわりと、河の岸で釣りをしている人の頭のうえに飛んでいます。
日も落ちてさびしい雨と風の夜になって柳の木の枝がざわざわと騒がしい音がしています。風雨の音に驚いて夢からさめ、今日も来なかったあの人をおもい、またひとしおさびしいに引き入れられるのです。

(江連の柳を賦し得たり)
翠色 荒岸に連り、煙姿 遠樓に入る。
影は鋪く秋水の面,花は落つ釣人の頭。
根老いて 魚窟を藏し、枝垂れて 客舟を繋ぐ。
蕭蕭たる風雨の夜には、夢を驚かし また愁を添ふ。

題任處士創資福寺 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-95-31-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2022


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女性詩人
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孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 





題任處士創資福寺 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-95-31-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2022 

卷804_24 【題任處士創資福寺】魚玄機


題任處士創資福寺
(世にかくれた彿教信者の任處士というお方が、ここにすはらしい寺の資福寺を創建されたので題します)
幽人創奇境,遊客駐行程。
世俗を離れたお方がこのように凡俗でない場所とお寺を開山された。見物の御客や旅人も旅の皇帝を変えてでもここを見るために留まっている。
粉壁空留字,蓮宮未有名。
まっ白く塗りたての壁に、詩を題している者がある。しかしまだ寺院全体の正式名称もきまっていないといとのことのよう。
鑿池泉自出,開徑草重生。
池にしようと掘ってみたら自然に水が頂き出たというし、小路を開いてみたら、すぐ草が生い茂ってくるという。
百尺金輪閣,當川豁眼明。
高さが百尺もある金輸のある塔があり、渭水に面して目を見張るようにはっきりとそびえている。

(任處士の資福寺を創むるに題す)
幽人奇境【ききょう】を創【はじ】め、遊客 行程を駐む。
粉壁【ふんへき】空しく字を留め、蓮宮 未だ名有らず。
池を鑿【うが】てば 泉 自ら出で、径を開けば 草 重ねて生ず。
百尺の 金輪閣、川に當って 眼を豁【ひら】きて 明らかなり。


女性詩人0053



『題任處士創資福寺』 現代語訳と訳註
(本文)

題任處士創資福寺
幽人創奇境,遊客駐行程。
粉壁空留字,蓮宮未有名。
鑿池泉自出,開徑草重生。
百尺金輪閣,當川豁眼明。


(下し文)
(任處士の資福寺を創むるに題す)
幽人奇境【ききょう】を創【はじ】め、遊客 行程を駐む。
粉壁【ふんへき】空しく字を留め、蓮宮 未だ名有らず。
池を鑿【うが】てば 泉 自ら出で、径を開けば 草 重ねて生ず。
百尺の 金輪閣、川に當って 眼を豁【ひら】きて 明らかなり。


(現代語訳)
(世にかくれた彿教信者の任處士というお方が、ここにすはらしい寺の資福寺を創建されたので題します)
世俗を離れたお方がこのように凡俗でない場所とお寺を開山された。見物の御客や旅人も旅の皇帝を変えてでもここを見るために留まっている。
まっ白く塗りたての壁に、詩を題している者がある。しかしまだ寺院全体の正式名称もきまっていないといとのことのよう。
池にしようと掘ってみたら自然に水が頂き出たというし、小路を開いてみたら、すぐ草が生い茂ってくるという。
高さが百尺もある金輸のある塔があり、渭水に面して目を見張るようにはっきりとそびえている。

柳絮02
(訳注)
題任處士創資福寺

世にかくれた彿教信者の任處士というお方が、ここにすはらしい寺の資福寺を創建されたので題します
長安渭水の傍であろうか、建てられたばかりの新しい資福寺が、視覚的によくとらえられている。
・任處士 処士は、官吏とならず民間にいる人。任が姓。名はわからない。
・資福寺 この創始された寺が、長安にあったとは思われない。
詩の雰囲気からすると長安の東㶚水の益を過ぎたあたりではなかろうか。


幽人創奇境,遊客駐行程。
世俗を離れたお方がこのように凡俗でない場所とお寺を開山された。見物の御客や旅人も旅の皇帝を変えてでもここを見るために留まっている。
・幽人(ゆうじん) 世をのがれている人。隠者。ここは任処士をさす。
・奇境 凡俗でない場所。ここは資福寺の境内をいう。
・遊客(ゆうかく) ゆさんの旅人。
・行程(こうてい) 旅程。旅の足をの意。


粉壁空留字,蓮宮未有名。
まっ白く塗りたての壁に、詩を題している者がある。しかしまだ寺院全体の正式名称もきまっていないといとのことのよう。
・粉壁 白い土で染ったかべ。
・蓮宮 蓮舎におなじ。寺院。


鑿池泉自出,開徑草重生。
池にしようと掘ってみたら自然に水が頂き出たというし、小路を開いてみたら、すぐ草が生い茂ってくるという。
・径 こみち。


百尺金輪閣,當川豁眼明。
高さが百尺もある金輸のある塔があり、渭水に面して目を見張るようにはっきりとそびえている。
・金輪閣 仏教の格調。尾根の頂上に七輪か五輪の金色の光飾があるもの。
・當川 㶚水、渭水の川面にうつして。
豁眼 パッと大きく眼を開くこと。陶淵明「桃花源記」に「行くこと数十歩、豁然として開朗」とある。
杜甫『北征』「蓋棺事則已,此誌常覬豁。」(棺【かん】を蓋【おお】えば事は則ち已【や】むも、此の志  常に豁【ひら】けむことを覬【ねが】う)

愁思 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-90-26-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1997

愁思 魚玄機

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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首   
 

愁思 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-90-26-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1997

卷804_20 【愁思】魚玄機


愁思
(いろんな思い)
落葉紛紛暮雨和,朱絲獨撫自清歌。
庭に落ちた木の葉が風に舞いさらさら音を立て、夕方の時雨がその子の葉に降る音で和ませてくれます。そしたら、清廉なことを示すまっすぐな朱き琴に信頼の絲、それでも一人で弾いていると自然にすがすがしいうたを歌います。
放情休恨無心友,養性空拋苦海波。
うすい思いやりの心に対して憾むことなんかもうやめていますし単なる友人としても、もうありえないのです。それは人の性、道を修養することであり、裏切りや強欲に苦しむことの人間世界から離れて修業することは確かに難しいものです。
長者車音門外有,道家書卷枕前多。
社会的に、勉学にもたけておられるお方がこの道観を訪ねられてもこちらには入ってこられることはないのです。私の枕元には道教を修学するための書籍でいっぱいなのです。
布衣終作雲霄客,綠水青山時一過。

私ももう着飾った着物を着たいとは思はないし、普通の着物を着て修業を積んで仙人のようなところまで到達したいと思っています。そうなれば、透き通った水に、はるか遠くの山を望そんなひと時を過ごすことになることでしょう。
落葉 紡紛として暮雨に和す、朱絲 獨り撫でて自ら清歌す。
情を放ち恨を休み友に心すること無し,性を養い拋うつこと空し海波に苦しむ。
長者車音は門外に有り,道家書卷は枕前に多し。
布衣 終に作る雲霄の客,綠水青山 時に一過す。

yamanoki01
『愁思』 現代語訳と訳註
(本文)

落葉紛紛暮雨和,朱絲獨撫自清歌。
放情休恨無心友,養性空拋苦海波。
長者車音門外有,道家書卷枕前多。
布衣終作雲霄客,綠水青山時一過。


(下し文)
落葉 紡紛として暮雨に和す、朱絲 獨り撫でて自ら清歌す。
情を放ち恨を休み友に心すること無し,性を養い拋うつこと空し海波に苦しむ。
長者車音は門外に有り,道家書卷は枕前に多し。
布衣 終に作る雲霄の客,綠水青山 時に一過す。


 (現代語訳)
(いろんな思い)

庭に落ちた木の葉が風に舞いさらさら音を立て、夕方の時雨がその子の葉に降る音で和ませてくれます。そしたら、清廉なことを示すまっすぐな朱き琴に信頼の絲、それでも一人で弾いていると自然にすがすがしいうたを歌います。
うすい思いやりの心に対して憾むことなんかもうやめていますし単なる友人としても、もうありえないのです。それは人の性、道を修養することであり、裏切りや強欲に苦しむことの人間世界から離れて修業することは確かに難しいものです。
社会的に、勉学にもたけておられるお方がこの道観を訪ねられてもこちらには入ってこられることはないのです。私の枕元には道教を修学するための書籍でいっぱいなのです。
私ももう着飾った着物を着たいとは思はないし、普通の着物を着て修業を積んで仙人のようなところまで到達したいと思っています。そうなれば、透き通った水に、はるか遠くの山を望そんなひと時を過ごすことになることでしょう。


(訳注)
愁思

いろんなおもい(愁うことと思うこと)
杜甫『喜達行在所三首 其二』 
愁思胡笳夕,淒涼漢苑春。
生還今日事,間道暫時人。
司隸章初睹,南陽氣已新。
喜心翻倒極,鳴咽淚沾巾。
この詩も漢詩大系15(P109-110)の訳詩と解説はひどすぎる(どうかしている)。女心も人の心もわかっていない。すべての出来事を「馬鹿男の李億に棄てられた」ことに関連図けていること、閨情詩に使う語句についても、李億をわすれられないことに結び付け、満たされない性に結び付けている。全くの間違いである。魚玄機は男に生れたかったということについても、そうすれば「男に棄てられることはなかった」という低次元の解釈をしているのだ。魚玄機の初期の作品の語句の使用法と晩年の使用法の中にこそ、語句、文法、押韻・・・・すべて自由に使用できる男性を羨んだのである。大系15ではこの詩は男が居なくて身もだえをする女性として解釈をしているというのは、あたかもその解釈は女性蔑視ですべてを性の対象として見る「李億そのもの」の視点であるということである。このブログで魚玄機の詩を全て訳した後は全く違った魚玄機の女性像が見えてくるはずである。


落葉紛紛暮雨和,朱絲獨撫自清歌。
庭に落ちた木の葉が風に舞いさらさら音を立て、夕方の時雨がその子の葉に降る音で和ませてくれます。そしたら、清廉なことを示すまっすぐな朱き琴に信頼の絲、それでも一人で弾いていると自然にすがすがしいうたを歌います。
・落葉 落ち葉の音は昔は男が来てくれる時の音だった。
・暮雨和 そんな男を待つ生活は雨で流し、落ち葉にあたる雨音はことwpつま弾く気分にさせてくれる。
・朱絲 杜甫『寄岳州賈司馬六丈、巴州嚴八使君兩閣老五十韻』  -#7「貝錦無停織,朱絲有斷弦。」(讒人は織物女工がたえず貝錦の紋を織りつづけ止めることがないように粛宗皇帝に耳元でささやき続けたし、清廉なことを示すまっすぐな朱き琴糸も裏切りに遭えば信頼の絲は断ちきられるものである。)


放情休恨無心友,養性空拋苦海波。
うすい思いやりの心に対して憾むことなんかもうやめていますし単なる友人としても、もうありえないのです。それは人の性、道を修養することであり、裏切りや強欲に苦しむことの人間世界から離れて修業することは確かに難しいものです。
・放情 情を放棄する。人に対する思いやりの心を棄てること。うす情け。
・休恨 憾むことを止めることにより、きれいな心を取り戻すこと。
・無心友 心に思う友となるべきおとこはいらない。
・養性 性、道の修養をすること。
・空拋 俗世界から離れることがなかなか難しい。
・苦海波 裏切りや強欲に苦しむこと


長者車音門外有,道家書卷枕前多。
社会的に、勉学にもたけておられるお方がこの道観を訪ねられてもこちらには入ってこられることはないのです。私の枕元には道教を修学するための書籍でいっぱいなのです。
・長者 富貴の人、社会的に、勉学にもたけているひと。
・車音 遠くに聞こえる道観に來る来観者の車の音。
・門外有 富貴のものが道観の傍を通る。今の自分には全く関係ないことであるということを云う。
・道家 道教を勉強、修養するもの。
・書卷 道教に関する書籍。
・枕前多 寝床枕元一派にに書籍にかこまれていて、他には誰も入ってこないこと。


布衣終作雲霄客,綠水青山時一過。
私ももう着飾った着物を着たいとは思はないし、普通の着物を着て修業を積んで仙人のようなところまで到達したいと思っています。そうなれば、透き通った水に、はるか遠くの山を望む、そんな春の行楽と関係のない清々しいひと時を過ごすことになることでしょう。
・布衣 粗末な着物。冠位のない人。杜甫『秋雨嘆三首  其三』「長安布衣誰比數,反鎖衡門守環堵。」(私はだれからも相手にされない長安の一市民。門を閉ざし、土塀で囲まれた家の中でじっとしている。)
・雲霄客 仙人。高士。低次元の人間でないこと。
・綠水 清らかに澄んだ水。
・青山 はるかに見える春の山々。
「布衣」「雲霄」「綠水」「青山」「一過」こうした語句はつまらぬ男との決別していることを著したいと思う語句であろう。
魚玄機が宮島に

賣殘牡丹 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-75--# 卷804_7 【賣殘牡丹】魚玄機  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1916



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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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賣殘牡丹 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-75--#  卷804_7 【賣殘牡丹】魚玄機  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1916


卷804_7 【賣殘牡丹】魚玄機

 
賣殘牡丹
臨風興嘆落花頻,芳意潛消又一春。
春の突風が牡丹の花に吹き付ける晩秋の季節には咲き誇っていた牡丹の花もなげきをともなって落ちている。かぐわしい花の香りが漂っていたのに知らぬまに、この盛春、そしてまた、晩春と過ぎていこうとしている。
應為價高人不問,卻緣香甚蝶難親。
私には小金が出来ているので安く自分を売ろうとは全く思っていない。そして女としての香り(プライド)、詩文にする才能があるいので、大抵の男は近寄っては来れないのだ。
紅英只稱生宮裏,翠葉那堪染路塵。
この私の性的な魅力は九重の奥深い所に大切にしている。孫蜍そこらの男ならその男に染められるほどにはならないしそこらあたりの路傍にあっても構わない。
及至移根上林苑,王孫方恨買無因。
若しあんな程度のところでなくて、高貴なところに植えられたものであったなら、もっとお金をもらうことが出来ていて貴人の子弟程度のものに買ってもらおうとする恨み言はなかったのだ。
賣残の牡丹
風に臨んで落花の頻なるを興嘆し、芳意又一春潜に消ゆ。
應に價高きが為に人 問はざるなるべし、却て香甚だしきに練って 蝶 親しみ難し。
紅英只稱ふ 宮裏に生まるるに、翠葉那んぞ堪えん 路塵に染まるに。
根を上林苑に移すに至るに及んで、王孫方に恨まん 買ふに困なきを。

美女画555













『賣殘牡丹』 現代語訳と訳註
(本文)

臨風興嘆落花頻,芳意潛消又一春。
應為價高人不問,卻緣香甚蝶難親。
紅英只稱生宮裏,翠葉那堪染路塵。
及至移根上林苑,王孫方恨買無因。


(下し文)
賣残の牡丹

風に臨んで落花の頻なるを興嘆し、芳意又一春潜に消ゆ。
應に價高きが為に人 問はざるなるべし、却て香甚だしきに練って 蝶 親しみ難し。
紅英只稱ふ 宮裏に生まるるに、翠葉那んぞ堪えん 路塵に染まるに。
根を上林苑に移すに至るに及んで、王孫方に恨まん 買ふに困なきを。


(現代語訳)
春の突風が牡丹の花に吹き付ける晩秋の季節には咲き誇っていた牡丹の花もなげきをともなって落ちている。かぐわしい花の香りが漂っていたのに知らぬまに、この盛春、そしてまた、晩春と過ぎていこうとしている。
私には小金が出来ているので安く自分を売ろうとは全く思っていない。そして女としての香り(プライド)、詩文にする才能があるいので、大抵の男は近寄っては来れないのだ。
この私の性的な魅力は九重の奥深い所に大切にしている。孫蜍そこらの男ならその男に染められるほどにはならないしそこらあたりの路傍にあっても構わない。
若しあんな程度のところでなくて、高貴なところに植えられたものであったなら、もっとお金をもらうことが出来ていて貴人の子弟程度のものに買ってもらおうとする恨み言はなかったのだ。


(訳注)
賣殘牡丹

この詩は、作者が、李億に捨てられて長安に締り、威宜観にはいってから綠翹を殺すにいたるまでの問の作と思われる。牡丹に自己を喩えたもので、この時代、いずれの時期には棄てられるのは覚悟の上の事なので、自分の気持ちを率直に述べるというのは中国の歴史の中で目を見張らせるものがある。この詩を以て憐れと感じて解釈するのは間違いである。芸妓のプライドは愛より、金であるということだ。詩には嘆くとか憾むとか入っているが棄てられた女というより強く生き行く抜くことを感じる。この時代にしたたかに生きていくたくましい女性である。


臨風興嘆落花頻,芳意潛消又一春。
春の突風が牡丹の花に吹き付ける晩秋の季節には咲き誇っていた牡丹の花もなげきをともなって落ちている。かぐわしい花の香りが漂っていたのに知らぬまに、この盛春、そしてまた、晩春と過ぎていこうとしている。
・興嘆 興は心の動くこと。嘆はなげく。
・落花(らくか)
・芳意(ほうい) 花の、花としての誇らしい心。
・一春 春は早春、盛春、晩春の三春であり、その内の一春、盛春、そしてまた、晩春と過ぎていくというほどの意味である。


應為價高人不問,卻緣香甚蝶難親。
私には小金が出来ているので安く自分を売ろうとは全く思っていない。そして女としての香り(プライド)、詩文にする才能があるいので、大抵の男は近寄っては来れないのだ。
・香(こう) かおり。におい。よい詩も作れるほどの教養をさす。魚玄機にこの詩人としての矜持があるから長安に戻ってきたのである。
・蝶(ちょう) 男性をさす。


紅英只稱生宮裏,翠葉那堪染路塵。
この私の性的な魅力は九重の奥深い所に大切にしている。孫蜍そこらの男ならその男に染められるほどにはならないしそこらあたりの路傍にあっても構わない。
・紅英 英は花びら。花。女性の局所を指す
・翠葉(すいよう) 緑の葉。男性精気を示す。


及至移根上林苑,王孫方恨買無因。
若しあんな程度のところでなくて、高貴なところに植えられたものであったなら、もっとお金をもらうことが出来ていて貴人の子弟程度のものに買ってもらおうとする恨み言はなかったのだ。
・上林苑 「史記」の「始皇紀」に、「朝官を沼南の上林苑中につくり、まづ前殿阿房をつくる」とある。それ以来、天子の御苑を一般に上林苑という。
王孫(おうそん) 貴人の子弟。貴公子。「史記」の推陰侯伝に、「吾、王孫を哀んで食を進む」とある。「楚辞・招隠士」 「王孫遊兮不帰、春草生兮萋萋」(王孫遊びて帰らず、春草生じて萋萋たり)・・王孫 楊 王孫(よう おうそん、生没年不詳)は、前漢の武帝の時代の人。自らを裸葬にさせた。 黄老の術を学び、家は千金を生む仕事を行っていた。
謝靈運『登池上樓』「池塘生春草,園柳變鳴禽。」登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  詩集 395 kanbuniinkai紀 頌之漢詩ブログ1002
謝霊運『悲哉行』
萋萋春草生,王孫遊有情,差池鷰始飛,夭裊桃始榮,
灼灼桃悅色,飛飛燕弄聲,檐上雲結陰,澗下風吹清,
幽樹雖改觀,終始在初生。
悲哉行 謝霊運(康楽) 詩<76-#1>Ⅱ李白に影響を与えた詩502 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1323
買無因 もはや買う方法がない。多くの詩人が詠う語である。

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登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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寄國香 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-71-7-#五言律詩   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1900



寄國香
旦夕醉吟身,相思又此春。
朝晩、酒宴にでて詩詞を作り、吟じています。思いを寄せていたあの人とではなく、ただ春の思いをしているだけなのです。
雨中寄書使,窗下斷腸人。
春の長雨の中あなたからの手紙を持ってきた使いの人が来てくれたのです。わたしは窓の下でいくら待っても来ない男を待つだけのひとでいます。
山捲珠簾看,愁隨芳草新。
ここは隠霧亭のある山があり、ここからも玉すだれをかかげて山を望みます。愁いの気持ちはこの春の新しく芽を出した芳草を見て沈んだ心になります。
別來清宴上,幾度落梁塵。
別離のための立派な宴会があるでしょう、わたしたち女は幾たびもあの部屋の梁の上に降り重なり塵埃のように同じことの繰り返しを経験していくのです。

國香に寄す
旦夕酔吟の身、相思何れの虞にか申べん。
雨中書を寄する使、窗下腸を断つの人。
山は珠簾を捲いて 看る、愁は芳草に随って 新なり。
別来清宴の上、幾度か 梁塵を落したまひしならん。

菜の花mm










『寄國香』 現代語訳と訳註
(本文)

寄國香
旦夕醉吟身,相思又此春。
雨中寄書使,窗下斷腸人。
山捲珠簾看,愁隨芳草新。
別來清宴上,幾度落梁塵。


(下し文)
國香に寄す
旦夕酔吟の身、相思何れの虞にか申べん。
雨中書を寄する使、窗下腸を断つの人。
山は珠簾を捲いて 看る、愁は芳草に随って 新なり。
別来清宴の上、幾度か 梁塵を落したまひしならん。


(現代語訳)
朝晩、酒宴にでて詩詞を作り、吟じています。思いを寄せていたあの人とではなく、ただ春の思いをしているだけなのです。
春の長雨の中あなたからの手紙を持ってきた使いの人が来てくれたのです。わたしは窓の下でいくら待っても来ない男を待つだけのひとでいます。
ここは隠霧亭のある山があり、ここからも玉すだれをかかげて山を望みます。愁いの気持ちはこの春の新しく芽を出した芳草を見て沈んだ心になります。
別離のための立派な宴会があるでしょう、わたしたち女は幾たびもあの部屋の梁の上に降り重なり塵埃のように同じことの繰り返しを経験していくのです。

美女画555




(訳注)
寄國香

図香というのは、歌妓(垂者)の名であろう。彼女が李億の妾となる前から、長安で親しかった歌枝で、それがはるばる今彼女のいる鄂州へ便りをくれたことに対し、返事した詩である。
この詩では李億に捨てられたことは芸妓の身である以上裂離ということを覚悟をしているのだ。





旦夕醉吟身,相思又此春。
朝晩、酒宴にでて詩詞を作り、吟じています。思いを寄せていたあの人とではなく、ただ春の思いをしているだけなのです。
・旦夕 朝・晩。
・酔吟 酔って詩や歌を口ずさむこと。


雨中寄書使,窗下斷腸人。
春の長雨の中あなたからの手紙を持ってきた使いの人が来てくれたのです。わたしは窓の下でいくら待っても来ない男を待つだけのひとでいます。
・寄書使 国香からの手紙をもってきた使者。


山捲珠簾看,愁隨芳草新。
ここは隠霧亭のある山があり、ここからも玉すだれをかかげて山を望みます。愁いの気持ちはこの春の新しく芽を出した芳草を見て沈んだ心になります。
・山捲珠簾看 白居易『香炉峰下新卜山居 草堂初成偶題東壁』(香炉峰の雪は簾を撥かかげて看る、隠棲した後ゆっくりとしたした気持ちを云う。)に基づいている。


別來清宴上,幾度落梁塵。
別離のための立派な宴会があるでしょう、わたしたち女は幾たびもあの部屋の梁の上に降り重なり塵埃のように同じことの繰り返しを経験していくのです。
・清宴 官僚が列席した立派な宴会。魚玄機たちは官妓であった。中央政府の道教観や州府の管轄に置かれた。実際は、妓楼や酒楼は個別に運営されており、唐代・長安の北里にあった。
・梁塵 寝牀に寝て見えるのが梁や天井であることから男と寝牀を共にすることを意味し、男女の別れを意味している。

唐才子傳 辛文房  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-70-6-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1897

辛文房『唐才子傳』卷八

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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。



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http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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唐才子傳 辛文房  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-70-6-#2   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1897


辛文房『唐才子傳』卷八

魚玄機,長安人,女道士也。
魚玄機は、長安の人であり、女道士である。
性聰慧,好讀書,尤工韻調,情致繁縟。
性格は、聡慧であり、読書を好み、尤も詩詞の韻調に技巧に卓越しており、詩のおもむきはまつわりつきわずらわしいものである。
咸通中及笄,為李億補闕侍寵。
咸通中、金が支払われ、魚玄機は李億補閥にかこわれ妻となって行動を共にしたのだ。
夫人妒,不能容,億遣隸咸宜觀披戴。
しかし李億夫人の嫉妬によって、同居することはできなかった。そして、李億は他の女と手に取って赴任先に向かった。李億は、咸宜觀に金を払い魚玄機はそこにはいった。
有怨李詩云:“易求無價寶,難得有心郎。”
李公を怨むという詩『贈鄰女』があって日っているのは、「どんな高価な賓でも求めるということになれば、人間の力で求められないことはないのです。けれども、眞心でもって愛してくださる殿方にめぐり会うということはありえない難しいことなのです。」と。
與李郢端公同巷,居止接近,詩筒往反。
李郢端公の詩に言う「一場春夢」と春の夜に見るひとときだけの短い夢と巷でいうことと同じのことであった。李億の住居と離れたとろろが選ばれた。書簡のやり取りはできたのである。
復與溫庭筠交游,有相寄篇什。
しかし、復た温庭筠とは交遊したのである、特に詩篇什を相互に寄せていたのである。
嘗登崇真觀南樓,睹新進士題名,

かつて崇真観の南樓に登り、三月、及第した新進士が壁に題名を書いているのを見た。

賦詩曰:
魚玄機の絶句の詩にいっている、
“云峰滿目放春情,歷歷銀鉤指下生。
 自恨羅衣掩詩句,舉頭空羨榜中名。”
「見渡す彼方には雲の峯が。くっきりとした晴れた春の日が目にいっぱいに入り高楼の上で春を感じるのです。壁に画かれたお名前を一つ一つを指でさしてみているのです。そこには達筆で書かれた新しく及第した進士の人の名前なのです。
だけど私が女であるためどんなに上手に詩詞を作っても及第進士の方に加わることはできないのです。音に生れていればなあと思うのです。」と。

觀其志意激切,使為一男子,
この詩を見るように魚玄機の気性はかなり強く激しいものであることがわかる。男子と生まれていればなあということだ。
必有用之才,作者頗賞憐之。
若し男であったなら必らず有用有能な人材になったであろうと思う。魚玄機の作った詩はひとかどのものならだれもが賞賛し女であることを哀れんだものなのである。
時京師諸宮宇女郎,皆清俊濟楚,
この時、彼女は長安城内の官妓娼家の芸妓であった。だれも皆が清俊にして秀美であるとおもったものである。
簪星曳月,惟以吟詠自遣,
一時期は星を簪にし月を曳くほどの勢いを持っていた。それも、惟だ、吟詠をすれば誰もが自然と心惹かれていくものであった
玄機杰出,多見酬酢云。
魚玄機は傑出したそんざいであったことはまちがいない。一度に多く酒を酌(く)み交わすことで接客ができたという。
有詩集一卷,今傳。
詩集一巻あり、これは今に伝えられて残っている。

魚玄機は、長安の人、女道士なり。
性、聡慧にして、読書を好み、尤も韻調に工に、情致緊縟なり。
咸通中、笄に及び、李億補閥のために寵に侍す。
夫人妒にして、容るること能はず。
億、咸宜觀に隷して披戴せしむ。
李を怨むの詩あって云ふ、「無価の宝を求むることは易きも、有心の郎を得ることは難し。」と。
李郢端公と巷を同じうし、居接近を止み、詩筒往反す。
復た温庭筠と交遊し、篇什を相寄するあり。
嘗て崇真観の南樓に登り、新進士の題名を睹、

詩を賦して日く、「雲峯満目春情を放つ、歴歴銀鉤指下に生ず、自ら恨む羅衣の詩句を掩ふを、頭を挙げて空しく羨む榜中の名。」と。
その志意の激切なるを観る、男子と作らしめば、必らず有用の才となりしならん。識者頗る之を賞憐す。
時に京師の諸官宇の女郎、皆清俊にして秀美、
星を簪にし月を曳き、惟、吟詠を以て懐を迫る。
玄機は杰出し、多く酬酢を見ると云ふ、
詩集一巻あり、今に伝ふと。


李清照0055










『唐才子傳』卷八 辛文房 現代語訳と訳註
 (本文)
賦詩曰:“云峰滿目放春情,歷歷銀鉤指下生。
自恨羅衣掩詩句,舉頭空羨榜中名。”
觀其志意激切,使為一男子,
必有用之才,作者頗賞憐之。
時京師諸宮宇女郎,皆清俊濟楚,
簪星曳月,惟以吟詠自遣,
玄機杰出,多見酬酢云。
有詩集一卷,今傳。


(下し文)
詩を賦して日く、
「雲峯満目春情を放つ、歴歴銀鉤指下に生ず。
自ら恨む羅衣の詩句を掩ふを、頭を挙げて空しく羨む榜中の名。」と。
その志意の激切なるを観る、男子と作らしめば、必らず有用の才となりしならん。識者頗る之を賞憐す。
時に京師の諸官宇の女郎、皆清俊にして秀美、
星を簪にし月を曳き、惟、吟詠を以て懐を迫る。
玄機は杰出し、多く酬酢を見ると云ふ、
詩集一巻あり、今に伝ふと。


(現代語訳)
魚玄機の絶句の詩にいっている、「見渡す彼方には雲の峯が。くっきりとした晴れた春の日が目にいっぱいに入り高楼の上で春を感じるのです。壁に画かれたお名前を一つ一つを指でさしてみているのです。そこには達筆で書かれた新しく及第した進士の人の名前なのです。
だけど私が女であるためどんなに上手に詩詞を作っても及第進士の方に加わることはできないのです。音に生れていればなあと思うのです。」と。
この詩を見るように魚玄機の気性はかなり強く激しいものであることがわかる。男子と生まれていればなあということだ。
若し男であったなら必らず有用有能な人材になったであろうと思う。魚玄機の作った詩はひとかどのものならだれもが賞賛し女であることを哀れんだものなのである。
この時、彼女は長安城内の官妓娼家の芸妓であった。だれも皆が清俊にして秀美であるとおもったものである。
一時期は星を簪にし月を曳くほどの勢いを持っていた。それも、惟だ、吟詠をすれば誰もが自然と心惹かれていくものであった
魚玄機は傑出したそんざいであったことはまちがいない。一度に多く酒を酌(く)み交わすことで接客ができたという。
詩集一巻あり、これは今に伝えられて残っている。


(訳注)
辛文房『唐才子傳』卷八

・唐才子傳 元の辛文房の撰。唐代詩人の伝記集で、278人(付伝を含めると398人)の小伝を載せる。『唐書』に伝記があるものは百人余りに過ぎないので、本書の価値は高い。この書は、中国では完本が伝わらず、日本で出版された「佚存叢書」によって逆輸入された。
・辛文房 元の西域人1324年)官居省郎之職能诗﹐与王执谦﹑杨载齐名。


賦詩曰:
“云峰滿目放春情,歷歷銀鉤指下生。
 自恨羅衣掩詩句,舉頭空羨榜中名。”
魚玄機の絶句の詩にいっている、「見渡す彼方に雲の峯がみえますが、くっきりとした晴れた春の日が目にいっぱいに入り高楼の上で春を感じるのです。壁に達筆で書かれたお名前を一つ一つを指でさしてみているのです。そこには達筆で書かれた新しく及第した進士の人の名前なのです。
だけど私が女であるためどんなに上手に詩詞を作っても及第進士の方に加わることはできない、男に生れていればなあと思うのです。」
・辛文房は魚玄機の若いころの作で『游崇真觀南樓覩新及第題名處』の詩をここにあげた。李に聘ぜられる前の事である。崇真觀に行った魚玄機は南楼の壁に状元以下の及第した進士が名を掻きつけたのを見て書いた詩がこの絶句である。訳注解説については後日のブログに掲載する。


觀其志意激切,使為一男子,
この詩を見るように魚玄機の気性はかなり強く激しいものであることがわかる。男子と生まれていればなあということだ。


必有用之才,作者頗賞憐之。
若し男であったなら必らず有用有能な人材になったであろうと思う。魚玄機の作った詩はひとかどのものならだれもが賞賛し女であることを哀れんだものなのである。


時京師諸宮宇女郎,皆清俊濟楚,
この時、彼女は長安城内の官妓娼家の芸妓であった。だれも皆が清俊にして秀美であるとおもったものである。
・諸宮宇 官妓娼家。節婦 囲われている女性(民妓)だが、節操の正しい婦人。貞節な女性。貴族は側室として芸妓を迎え入れている。後ろに参考までに芸妓の概略を示す。


簪星曳月,惟以吟詠自遣,
一時期は星を簪にし月を曳くほどの勢いを持っていた。それも、惟だ、吟詠をすれば誰もが自然と心惹かれていくものであった。


玄機杰出,多見酬酢云。
魚玄機は傑出したそんざいであったことはまちがいない。一度に多く酒を酌(く)み交わすことで接客ができたという。
・杰出 傑出した,とび抜けた.
・酬酢 (1)主人と客が互いに酒を酌(く)み交わすこと。 (2)応対すること。


有詩集一卷,今傳。
詩集一巻あり、これは今に伝えられて残っている。


宮島(9)








芸妓について

妓女(ぎじょ)は、中国における遊女もしくは芸妓のこと。娼妓、娼女という呼称もある。歌や舞、数々の技芸で人々を喜ばせ、時には宴席の接待を取り持つこともあった。娼婦を指すこともある。また、道教の寺観にも娼婦に近い巫女がいた。この時代において、女性が男性と対等にできる唯一の場所であった。
もともとは国家による強制的な徴発と戦時獲得奴隷が主な供給源だったと考えられるが、罪人の一族を籍没(身分を落とし、官の所有とする制度)する方法が加わった。また、民間では人身売買による供給が一般的であった。区分すると以下の通り。
(1.宮妓 2.家妓 3.営妓、4.官妓、5.民妓、6.道妓)

1 宮妓
皇帝の後宮に所属。籍没された女性や外国や諸侯、民間から献上された女性。后妃とは別に、後宮に置かれ、後宮での業務をし、技芸を学び、皇帝を楽しませた。道教坊で技芸を習得した女性もこれに含まれる。班婕妤・趙飛燕や上官婉児などのように后妃に取り立てられるものもいた。


2 家妓
高官や貴族、商人の家に置かれ、家長の妾姫となった。主人だけではなく、客を歓待する席でも技芸により、これをもてなす役目があった。官妓から、臣下に下賜されて家妓になるものもいた。始皇帝の母にあたる呂不韋の愛人や、西晋の石崇の愛妾である緑珠が有名。


3営妓
軍隊の管轄に置かれ、軍営に所属する官人や将兵をその技芸で楽しませた。蘇小小。唐代女流詩人の薛濤が有名。

4官妓
中央政府の道教観や州府の管轄に置かれた。実際は、妓楼や酒楼は個別に運営されており、唐代・長安の北里、明代・南京の旧院は、その代表的な色町である。唐代の天宝年間以降に彼女らを題材にして、多くの士大夫が詩文にうたい、妓女となじんだという記録が盛んになる。唐代はその活動は最大なものであった。
唐代女流詩人の魚玄機、明代の陳円円、李香君、柳如是が有名。


5民妓
民営の妓楼に所属した。売春だけを目的とした女性も含まれる。明代以降、官妓が衰退した後、大きな役割を果たすようになった。清代は上海に多くの民妓がいた。宋代の李師師が有名。

6.道妓
道教の祠に学問等していない娼婦に近いものが多かった。



妓館には、花や植物が植えられ、狆や鸚鵡が飼われ、香炉が置かれ、また、雲母屏風、山水画や骨董が飾られているところが多く、庭園風になっているものもあった。妓館は、互いに奇をてらい合い、提供される様々な香りが数里先まで漂ったと伝えられる。さらに、厨女(女料理人)が働いており、彼女らが料理する山海の珍味がすぐに作れるように準備されていた。旧院には商店もあり、客が妓女に贈るための高級品が置かれていた。また、茶を専門とする茶坊もあった。夜には、妓女による音楽が奏でられ、芝居が上演された。妓館の額もまた、名人の手になるものがいくつもあった。妓館には、他に下働きの下女と男衆が別にいた。

妓女の部屋もまた、趣味がよく風雅であり、文人の書斎風になっているものもあった。李白の作品、李商隠の作品で登場する部隊はここの琴である。

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唐才子傳 辛文房

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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。



李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
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辛文房『唐才子傳』卷八

魚玄機,長安人,女道士也。
魚玄機は、長安の人であり、女道士である。
性聰慧,好讀書,尤工韻調,情致繁縟。
性格は、聡慧であり、読書を好み、尤も詩詞の韻調に技巧に卓越しており、詩のおもむきはまつわりつきわずらわしいものである。
咸通中及笄,為李億補闕侍寵。
しかし李億夫人の嫉妬によって、同居することはできなかった。そして、李億は他の女と手に取って赴任先に向かった。李億は、咸宜觀に金を払い魚玄機はそこにはいった。
夫人妒,不能容,億遣隸咸宜觀披戴。
しかし李億夫人の嫉妬によって、同居することはできなかった。そして、李億は他の女と手に取って赴任先に向かった。李億は、咸宜觀に金を払い魚玄機はそこにはいった。
有怨李詩云:“易求無價寶,難得有心郎。”
李公を怨むという詩『贈鄰女』があって日っているのは、「どんな高価な賓でも求めるということになれば、人間の力で求められないことはないのです。けれども、眞心でもって愛してくださる殿方にめぐり会うということはありえない難しいことなのです。」と。
與李郢端公同巷,居止接近,詩筒往反。
李郢端公の詩に言う「一場春夢」と春の夜に見るひとときだけの短い夢と巷でいうことと同じのことであった。李億の住居と離れたとろろが選ばれた。書簡のやり取りはできたのである。
復與溫庭筠交游,有相寄篇什。
しかし、復た温庭筠とは交遊したのである、特に詩篇什を相互に寄せていたのである。
嘗登崇真觀南樓,睹新進士題名,

かつて崇真観の南樓に登り、三月、及第した新進士が壁に題名を書いているのを見た。

賦詩曰:“云峰滿目放春情,歷歷銀鉤指下生。
自恨羅衣掩詩句,舉頭空羨榜中名。”
觀其志意激切,使為一男子,
必有用之才,作者頗賞憐之。
時京師諸宮宇女郎,皆清俊濟楚,
簪星曳月,惟以吟詠自遣,
玄機杰出,多見酬酢云。
有詩集一卷,今傳。


魚玄機は、長安の人、女道士なり。
性、聡慧にして、読書を好み、尤も韻調に工に、情致緊縟なり。
咸通中、笄に及び、李億補閥のために寵に侍す。
夫人妒にして、容るること能はず。
億、咸宜觀に隷して披戴せしむ。
李を怨むの詩あって云ふ、「無価の宝を求むることは易きも、有心の郎を得ることは難し。」と。
李郢端公と巷を同じうし、居接近を止み、詩筒往反す。
復た温庭筠と交遊し、篇什を相寄するあり。
嘗て崇真観の南樓に登り、新進士の題名を睹、

詩を賦して日く、「雲峯満目春情を放つ、歴歴銀鉤指下に生ず、自ら恨む羅衣の詩句を掩ふを、頭を挙げて空しく羨む榜中の名。」と。
その志意の激切なるを観る、男子と作らしめば、必らず有用の才となりしならん。識者頗る之を賞憐す。
時に京師の諸官宇の女郎、皆清俊にして秀美、
星を簪にし月を曳き、惟、吟詠を以て懐を迫る。
玄機は杰出し、多く酬酢を見ると云ふ、
詩集一巻あり、今に伝ふと。

女性詩人0053














『唐才子傳』卷八 辛文房 現代語訳と訳註
(本文)

魚玄機,長安人,女道士也。
性聰慧,好讀書,尤工韻調,情致繁縟。
咸通中及笄,為李億補闕侍寵。
夫人妒,不能容,億遣隸咸宜觀披戴。
有怨李詩云:“易求無價寶,難得有心郎。”
與李郢端公同巷,居止接近,詩筒往反。
嘗登崇真觀南樓,睹新進士題名,


(下し文)
魚玄機は、長安の人、女道士なり。
性、聡慧にして、読書を好み、尤も韻調に工に、情致緊縟なり。
咸通中、笄に及び、李億補閥のために寵に侍す。
夫人妒にして、容るること能はず。
億、咸宜觀に隷して披戴せしむ。
李を怨むの詩あって云ふ、「無価の宝を求むることは易きも、有心の郎を得ることは難し。」と。
李郢端公と巷を同じうし、居接近を止み、詩筒往反す。
復た温庭筠と交遊し、篇什を相寄するあり。
嘗て崇真観の南樓に登り、新進士の題名を睹、


(現代語訳)
魚玄機は、長安の人であり、女道士である。
性格は、聡慧であり、読書を好み、尤も詩詞の韻調に技巧に卓越しており、詩のおもむきはまつわりつきわずらわしいものである。
しかし李億夫人の嫉妬によって、同居することはできなかった。そして、李億は他の女と手に取って赴任先に向かった。李億は、咸宜觀に金を払い魚玄機はそこにはいった。
李公を怨むという詩『贈鄰女』があって日っているのは、「どんな高価な賓でも求めるということになれば、人間の力で求められないことはないのです。けれども、眞心でもって愛してくださる殿方にめぐり会うということはありえない難しいことなのです。」と。
李郢端公の詩に言う「一場春夢」と春の夜に見るひとときだけの短い夢と巷でいうことと同じのことであった。李億の住居と離れたとろろが選ばれた。書簡のやり取りはできたのである。
しかし、復た温庭筠とは交遊したのである、特に詩篇什を相互に寄せていたのである。
かつて崇真観の南樓に登り、三月、及第した新進士が壁に題名を書いているのを見た。

華山000
(訳注)
辛文房『唐才子傳』卷八

・唐才子傳 元の辛文房の撰。唐代詩人の伝記集で、278人(付伝を含めると398人)の小伝を載せる。『唐書』に伝記があるものは百人余りに過ぎないので、本書の価値は高い。この書は、中国では完本が伝わらず、日本で出版された「佚存叢書」によって逆輸入された。
辛文房 元の西域人1324年)官居省郎之職能诗﹐与王执谦﹑杨载齐名。


魚玄機,長安人,女道士也。
魚玄機は、長安の人であり、女道士である。


性聰慧,好讀書,尤工韻調,情致繁縟。
性格は、聡慧であり、読書を好み、尤も詩詞の韻調に技巧に卓越しており、詩のおもむきはまつわりつきわずらわしいものである。
・情致 おもむき。風情。情緒。情趣。
・緊縟 まつわりつきわずらわしいもの。


咸通中及笄,為李億補闕侍寵。
咸通中、金が支払われ、魚玄機は李億補閥にかこわれ妻となって行動を共にしたのだ。
・笄 1 髪をかき上げるのに使った、箸(はし)に似た細長い道具。銀・象牙などで作る。2 女性の髷(まげ)に横に挿して飾りとする道具。ここでは、見受けをしたということ。


夫人妒,不能容,億遣隸咸宜觀披戴。
しかし李億夫人の嫉妬によって、同居することはできなかった。そして、李億は他の女と手に取って赴任先に向かった。李億は、咸宜觀に金を払い魚玄機はそこにはいった。
・妒 ねたむ、 そねむ、 つもる、 ふさぐ。
・李億 魚玄機の夫。
・咸宜觀 長安の道教、咸宜観で李は玄機に大金を残したため、玄機 はのんびり暮らせた。彼女はいつも作 詩したり本を読んだりして、たまにやや 文字を識る士人が来て詩を乞(こ)い書 を求めることをして愉しんだ。


有怨李詩云:“易求無價寶,難得有心郎。”
李公を怨むという詩『贈鄰女』があって日っているのは、「どんな高価な賓でも求めるということになれば、人間の力で求められないことはないのです。けれども、眞心でもって愛してくださる殿方にめぐり会うということはありえない難しいことなのです。」と。

贈隣女
羞日遮羅袖、愁春懶起粧。
易求無價宝、難得有心郎。
枕上潜垂涙、花間暗断腸。
自能窺宋玉、何必恨王昌
贈鄰女 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-66-2-#五言律詩  2.贈鄰女 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1880

與李郢端公同巷,居止接近,詩筒往反。
李郢端公の詩に言う「一場春夢」と春の夜に見るひとときだけの短い夢と巷でいうことと同じのことであった。李億の住居と離れたとろろが選ばれた。書簡のやり取りはできたのである。
・李郢端公 盧延譲「李郢端公を哭こくす」・一場春夢(いちじょうしゅんむ・いちじょうのしゅんむ) 《四熟》 春の夜に見るひとときだけの短い夢。人の栄華が、極めて儚(はかな)く消えてしまうことの喩え。 類:●一場の夢●一炊之夢●邯鄲之夢●黄粱一炊●盧生之夢 出典:盧延譲の詩「哭李郢端公」「詩侶酒徒消散盡、一場春夢越王城」


復與溫庭筠交游,有相寄篇什。
しかし、復た温庭筠とは交遊したのである、特に詩篇什を相互に寄せていたのである。
溫庭筠 このブログで60首の訳註解説している。晩唐の大詞人。詩人でもある。花間集では彼の作品が一番多く、六十六首も採用されており、このことから花間鼻祖とも称されている。


嘗登崇真觀南樓,睹新進士題名,
かつて崇真観の南樓に登り、三月、及第した新進士が壁に題名を書いているのを見た。
・この句は森鴎外の小説のもとになった文である。ある日玄機は崇真観(しゅうしんかん)に往って、南楼に状元(じょうげん)以下の進士等が名を題したのを見て、慨然として詩を賦(ふ)した。

北夢瑣言 孫光憲  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-68-4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1888


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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。


李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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北夢瑣言 孫光憲  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-68-4   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1888


北夢瑣言 卷九
唐女道魚玄機字蕙蘭,甚有才思。
魚元機は晩唐の女道士であり、字を蕙蘭という。とても才能思想の持ち主である、
鹹通中,為李憶補闕執箕帚,
咸通元年、李億補闕の妻妾として仕えることとなる。
後愛衰,下山隸咸宜觀為女道士。
しかし、その後、夫李億の愛衰へ他の女のもとにいった、魚玄機は山を下り、咸宜観に隷して女道士となる。

有怨李公詩曰:“易求無價寶,難得有心郎。”
李公を怨むという詩『贈鄰女』があっていっているのは、「どんな高価な賓でも求めるということになれば、人間の力で求められないことはないのです。けれども、眞心でもって愛してくださる殿方にめぐり会うということはありえない難しいことなのです。」と。
又雲:“蕙蘭銷歇歸春浦,楊柳東西伴客舟。”
又別の詩『寄子安』に言う、「香りのよい蘭の花も色あせ香しい香りも消え失せて春浦の街に帰るのです、ここには柳が植えられた岸辺、男と女、楊と柳とが東と西にわかれるあなたの舟をつないでいます。」と。
自是縱懷,乃娼婦也,
こういうことでこの日から自由勝手に男の人を好きになれることになった。すなわちそれは娼婦に戻るということである。
竟以殺侍婢為京兆尹溫璋殺之。有集行於世。

そんなことがあって竟に魚玄機は召使の女を殺してしまうのであり、長安の市長 溫璋 は魚玄機に死罪を与えた。魚玄機の詩集は発行され世に広まったのである。

唐の女道、魚元機、字を蕙蘭という。甚だ才思あり。
咸通中、李億補闕のために箕帚を執る。
後、愛衰へて、山を下り、咸宜観に隷して女道士となる。
李公を怨むの詩あって日う、「無価の宝を求むることは易きも、有心の郎を得ることは難し。」と。
又云ふ、「蕙蘭銷歇して春浦に帰り、楊柳東西に客舟を伴(絆)ぐ。と。是れより縦懐、乃ち娼婦なり。竟に、侍婢を殺すを以て、京兆の尹温璋、之を殺すところとなる。集ありて世に行はる。


美女画555















『北夢瑣言』 現代語訳と訳註
(本文)

有怨李公詩曰:“易求無價寶,難得有心郎。”
又雲:“蕙蘭銷歇歸春浦,楊柳東西伴客舟。”
自是縱懷,乃娼婦也,
竟以殺侍婢為京兆尹溫璋殺之。有集行於世。


(下し文)
李公を怨むの詩あって日う、「無価の宝を求むることは易きも、有心の郎を得ることは難し。」と。
又云ふ、「蕙蘭銷歇して春浦に帰り、楊柳東西に客舟を伴(絆)ぐ。と。是れより縦懐、乃ち娼婦なり。竟に、侍婢を殺すを以て、京兆の尹温璋、之を殺すところとなる。集ありて世に行はる。
 

(現代語訳)
李公を怨むという詩『贈鄰女』があっていっているのは、「どんな高価な賓でも求めるということになれば、人間の力で求められないことはないのです。けれども、眞心でもって愛してくださる殿方にめぐり会うということはありえない難しいことなのです。」と。
又別の詩『寄子安』に言う、「香りのよい蘭の花も色あせ香しい香りも消え失せて春浦の街に帰るのです、ここには柳が植えられた岸辺、男と女、楊と柳とが東と西にわかれるあなたの舟をつないでいます。」と。
こういうことでこの日から自由勝手に男の人を好きになれることになった。すなわちそれは娼婦に戻るということである。
そんなことがあって竟に魚玄機は召使の女を殺してしまうのであり、長安の市長 溫璋 は魚玄機に死罪を与えた。魚玄機の詩集は発行され世に広まったのである。


(訳注)
北夢瑣言【ほくぼうさげん】 逸話集。宋の孫光憲著。20巻。唐以降の逸話類を記したもの。光憲は夢沢の北に住んだので「北夢」と言った。
・孫光憲(?~968?)  字は孟文、号は葆光子。貴平の人。農家に生まれたが、学問を好んだ。後唐に仕えて陵州判官となった。のちに江陵に居を移し、高季興に仕えた。高季興が楚と決戦しようとしたのを諫めて止めさせたという。荊南三代に仕えて、荊南節度副使・検校秘書少監を歴任した。乾徳元年(963)、高継冲に勧めて、領土を宋の太祖に献じさせた。この功績で黄州刺史に任ぜられた。


有怨李公詩曰:“易求無價寶,難得有心郎。”
李公を怨むという詩『贈鄰女』があって日っているのは、「どんな高価な賓でも求めるということになれば、人間の力で求められないことはないのです。けれども、眞心でもって愛してくださる殿方にめぐり会うということはありえない難しいことなのです。」と。
・易求無價寶,難得有心郎。
魚玄機『贈鄰女』
羞日遮羅袖、愁春懶起粧。
易求無價宝、難得有心郎。
枕上潜垂涙、花間暗断腸。
自能窺宋玉、何必恨王昌。


自能窺宋玉、何必恨王昌。
どんな高価な賓でも求めるということになれば、人間の力で求められないことはないのです。けれども、眞心でもって愛してくださる殿方にめぐり会うということはありえない難しいことなのです。
・有心郎(ゆうしんのろう) ほんとうに心から自分を愛してくれる男。


又雲:“蕙蘭銷歇歸春浦,楊柳東西伴客舟。”
又別の詩『寄子安』に言う、「香りのよい蘭の花も色あせ香しい香りも消え失せて春浦の街に帰るのです、ここには柳が植えられた岸辺、男と女、楊と柳とが東と西にわかれるあなたの舟をつないでいます。」と。
魚玄機『寄子安』
醉別千卮不浣愁,離腸百結解無由。
蕙蘭銷歇歸春圃, 楊柳東西絆客舟。
聚散已悲雲不定,恩情須學水長流。
有花時節知難遇,未肯厭厭醉玉樓。


自是縱懷,乃娼婦也,
こういうことでこの日から自由勝手に男の人を好きになれることになった。すなわちそれは娼婦に戻るということである。
・縱懷 思いをほしいままにする。自由勝手に男の人を好きになれること。


竟以殺侍婢為京兆尹溫璋殺之。有集行於世。
そんなことがあって竟に魚玄機は召使の女を殺してしまうのであり、長安の市長 溫璋 は魚玄機に死罪を与えた。魚玄機の詩集は発行され世に広まったのである。
終南山06

北夢瑣言 孫光憲  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-67-3-# 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1884

北夢瑣言 卷九


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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。


李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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北夢瑣言 孫光憲  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-67-3-# 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1884


北夢瑣言 卷九
唐女道魚玄機字蕙蘭,甚有才思。
魚元機は晩唐の女道士であり、字を蕙蘭という。とても才能思想の持ち主である、
鹹通中,為李憶補闕執箕帚,
咸通元年、李億補闕の妻妾として仕えることとなる。
後愛衰,下山隸咸宜觀為女道士。
しかし、その後、夫李億の愛衰へ他の女のもとにいった、魚玄機は山を下り、咸宜観に隷して女道士となる。

有怨李公詩曰:“易求無價寶,難得有心郎。”
又雲:“蕙蘭銷歇歸春浦,楊柳東西伴客舟。”
自是縱懷,乃娼婦也,
竟以殺侍婢為京兆尹溫璋殺之。有集行於世。


唐の女道、魚元機、字を蕙蘭という。甚だ才思あり。
咸通中、李億補闕のために箕帚を執る。
後、愛衰へて、山を下り、咸宜観に隷して女道士となる。
李公を怨むの詩あって日う、「無価の宝を求むることは易きも、有心の郎を得ることは難し。」と。
又云ふ、「蕙蘭銷歇して春浦に帰り、楊柳東西に客舟を伴(絆)ぐ。と。是れより縦懐、乃ち娼婦なり。竟に、侍婢を殺すを以て、京兆の尹温璋、之を殺すところとなる。集ありて世に行はる。

女性詩人0053














『北夢瑣言』 現代語訳と訳註
(本文)

唐女道魚玄機字蕙蘭,甚有才思。鹹通中,為李憶補闕執箕帚,後愛衰,下山隸咸宜觀為女道士。
有怨李公詩曰:“易求無價寶,難得有心郎。”又雲:“蕙蘭銷歇歸春浦,楊柳東西伴客舟。”自是縱懷,乃娼婦也,竟以殺侍婢為京兆尹溫璋殺之。有集行於世。


(下し文)
唐の女道、魚元機、字を蕙蘭という。甚だ才思あり。
咸通中、李億補闕のために箕帚を執る。
後、愛衰へて、山を下り、咸宜観に隷して女道士となる。
李公を怨むの詩あって日う、「無価の宝を求むることは易きも、有心の郎を得ることは難し。」と。
又云ふ、「蕙蘭銷歇して春浦に帰り、楊柳東西に客舟を伴(絆)ぐ。と。是れより縦懐、乃ち娼婦なり。竟に、侍婢を殺すを以て、京兆の尹温璋、之を殺すところとなる。集ありて世に行はる。


(現代語訳)
魚元機は晩唐の女道士であり、字を蕙蘭という。とても才能思想の持ち主である、
咸通元年、李億補闕の妻妾として仕えることとなる。
しかし、その後、夫李億の愛衰へ他の女のもとにいった、魚玄機は山を下り、咸宜観に隷して女道士となる。



(訳注)
・北夢瑣言【ほくぼうさげん】 逸話集。宋の孫光憲著。20巻。唐以降の逸話類を記したもの。光憲は夢沢の北に住んだので「北夢」と言った。
・孫光憲(?~968?)  字は孟文、号は葆光子。貴平の人。農家に生まれたが、学問を好んだ。後唐に仕えて陵州判官となった。のちに江陵に居を移し、高季興に仕えた。高季興が楚と決戦しようとしたのを諫めて止めさせたという。荊南三代に仕えて、荊南節度副使・検校秘書少監を歴任した。乾徳元年(963)、高継冲に勧めて、領土を宋の太祖に献じさせた。この功績で黄州刺史に任ぜられた。


唐女道魚玄機字蕙蘭,甚有才思。
魚元機は晩唐の女道士であり、字を蕙蘭という。とても才能思想の持ち主である、


鹹通中,為李憶補闕執箕帚,
咸通元年、李億補闕の妻妾として仕えることとなる。
・鹹通中 咸通年間中(860 ~873年)のこと。ここは元年。
・李億補闕 魚玄機の夫。
・箕帚 【きそう】ちりとりと、ほうき。また、掃除をすること。きしゅう。箕帚を執る掃除する。また、妻妾として仕える。
森鴎外の「魚玄機」には次のように書いている。
温庭筠の友に李億と云う素封家があった。年は温より十ばかりも少くて頗る詞賦を解していた。
咸通元年の春であった。久しく襄陽に往っていた温が長安に還ったので、李がその寓居を訪ねた。襄陽では、温は刺史徐商の下で小吏になって、やや久しく勤めていたが、終に厭倦【えんけん】を生じて罷めたのである。
温の机の上に玄機の詩稿があった。李億はそれを見て
歎称した。そしてどんな女かと云った。温は三年前
から詩を教えている、花の如き少女だと告げた。それ
を聞くと、李億は精【くわ】しく魚家のある街を問うて、何か思うことありげに、急いで座を起った。
李は温の所を辞して、径【ただ】ちに魚家に往って、玄機を納【い】れて側室にしようと云った。玄機の両親は幣の厚いのに動された。
玄機は出でて李と相見た。今年はもう十八歳になっている。その容貌の美しさは、温の初て逢った時の比ではない。李もまた白皙【はくせき】の美丈夫である。李は切に請い、玄機は必ずしも拒まぬので、約束は即時に成就して、数日の後に、李は玄機を城外の林亭に迎え入れた。
 こうして李億の妻になったのである。


後愛衰,下山隸咸宜觀為女道士。
しかし、その後、夫李億の愛衰へ他の女のもとにいった、魚玄機は山を下り、咸宜観に隷して女道士となる。

寒梅002

贈鄰女 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-66-2-#五言律詩 2.贈鄰女 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1880

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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。


李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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贈鄰女 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-66-2-#五言律詩  2.贈鄰女 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1880






贈隣女
羞日遮羅袖、愁春懶起粧。
 今朝方まで眠れず、今、真昼のあかるい日ざしが眩しく、化粧も直していなくて、お日さまにはずかしい。うすものの袖で、顔と胸もとをおおってしまうのです。窓の外に、小鳥がさえずりが聞こえてきます。
易求無價宝、難得有心郎。
どんな高価な賓でも求めるということになれば、人間の力で求められないことはないのです。けれども、眞心でもって愛してくださる殿方にめぐり会うということはありえない難しいことなのです。
枕上潜垂涙、花間暗断腸。
わたしはやはり宋玉のような、美しいお方でりっはな詩人のかたを好きになってこの身をささげたいとおもいます。だからどんなことがあっても「王昌」の故事のように「東家の人」が良かったなんてどうして憾むことなんかすることなどないのです。
自能窺宋玉、何必恨王昌。

わたしはやはり宋玉のような、美しいお方でりっはな詩人のかたを好きになってこの身をささげたいとおもいます。だからどんなことがあっても「王昌」の故事のように「東家の人」が良かったなんてどうして憾むことなんかすることなどないのです。
(獨憐無限思、吟罷亜枝松。)
日を羞じて羅袖【らしゅう】を遮り、春を愁いて 起きて粧するに懶【】うし。
無價【むか】の宝を求むることは易すきも、有心の郎を得ることは難し。
枕の上に潜【ひそ】かに涙を垂れ、花の間に暗して腸を。断る
自ら能く宋玉を窺い、何ぞ必ず王昌を恨まん。

(限ることの無い思い獨り憐み、枝松に亜ぎんことに吟ずること罷む。)

曉鶯005



2.『贈隣女』 現代語訳と訳註
(本文)
贈鄰女
羞日遮羅袖、愁春懶起粧。
易求無價宝、難得有心郎。
枕上潜垂涙、花間暗断腸。
自能窺宋玉、何必恨王昌。


(下し文)
日を羞じて羅袖【らしゅう】を遮り、春を愁いて 起きて粧するに懶【】うし。
無價【むか】の宝を求むることは易すきも、有心の郎を得ることは難し。
枕の上に潜【ひそ】かに涙を垂れ、花の間に暗して腸を。断る
自ら能く宋玉を窺い、何ぞ必ず王昌を恨まん。
(限ることの無い思い獨り憐み、枝松に亜ぎんことに吟ずること罷む。)


(現代語訳)
今朝方まで眠れず、今、真昼のあかるい日ざしが眩しく、化粧も直していなくて、お日さまにはずかしい。うすものの袖で、顔と胸もとをおおってしまうのです。窓の外に、小鳥がさえずりが聞こえてきます。
どんな高価な賓でも求めるということになれば、人間の力で求められないことはないのです。けれども、眞心でもって愛してくださる殿方にめぐり会うということはありえない難しいことなのです。
枕の上に涙を垂れるのも毎日のことになってしまい、行楽の季節になっても男女が花の間で睦み合うのに私は下腹に疼きを感じるだけなのです。
わたしはやはり宋玉のような、美しいお方でりっはな詩人のかたを好きになってこの身をささげたいとおもいます。だからどんなことがあっても「王昌」の故事のように「東家の人」が良かったなんてどうして憾むことなんかすることなどないのです。

botan00














(訳注)
2. 贈鄰女

この詩について、解釈と時期について諸説ある。何度読み返しても森鴎外の解釈が理にかなっているように思える。ここでは、その論争の仲間入りをする気はないので、中國の女性史の中でもはっきりと主張できた女性として解釈して訳し文を書いた。


羞日遮羅袖、愁春懶起粧。
今朝方まで眠れず、今、真昼のあかるい日ざしが眩しく、化粧も直していなくて、お日さまにはずかしい。うすものの袖で、顔と胸もとをおおってしまうのです。窓の外に、小鳥がさえずりが聞こえてきます。
この春も、一日ごとに過ぎてまた青春がひとつ過ぎ去るのです。とてもさびしくて、寢牀から起き出して化粧をするのも面倒です。

・羅袖(らしゅう) うすものの袖。
・起粧(妝) 起きあがってお化粧すること。


易求無價宝、難得有心郎。
どんな高価な賓でも求めるということになれば、人間の力で求められないことはないのです。けれども、眞心でもって愛してくださる殿方にめぐり会うということはありえない難しいことなのです。
・有心郎(ゆうしんのろう) ほんとうに心から自分を愛してくれる男。


枕上潜垂涙、花間暗断腸。
枕の上に涙を垂れるのも毎日のことになってしまい、行楽の季節になっても男女が花の間で睦み合うのに私は下腹に疼きを感じるだけなのです。
・花間(かかん)春の行楽。


自能窺宋玉、何必恨王昌。
わたしはやはり宋玉のような、美しいお方でりっはな詩人のかたを好きになってこの身をささげたいとおもいます。だからどんなことがあっても「王昌」の故事のように「東家の人」が良かったなんてどうして憾むことなんかすることなどないのです。
・宋玉 戦国の末、紀元前三世紀ごろの楚の国の詩人。美男子で、隣の女がのぞき見したという。
・何必恨王昌 梁武帝(蕭衍)『河中水歌』 
「河中之水向東流,洛陽女兒名莫愁。莫愁十三能織綺,十四採桑南陌頭,十五嫁為盧家婦,十六生兒字阿侯。盧家蘭室桂為梁,中有鬱金蘇合香。頭上金釵十二行,足下絲履五文章。珊瑚挂鏡爛生光,平頭奴子擎履箱。人生富貴何所望。恨不早嫁東家王。」

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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
女性詩人0053











1. 賦得江邊柳
翠色連荒岸,煙姿入遠樓。
もう春の盛りを過ぎるころとなり、柳の葉の緑も色濃く、荒れてものさびしい岸辺にずっとつづいてそよいでいます。春霞も遠く霞んだ柳の並木の彼方に高楼が目に入いります。
影鋪秋水面,花落釣人頭。
秋水を思わせる清らかに澄んだ水面に、はっきりと柳の木の影がうつっています。柳絮の綿帽子が花びらが落ちるようにふわりふわりと、河の岸で釣りをしている人の頭のうえに飛んでいます。
根老藏魚窟,枝低繫客舟。
古い大きな柳の木の根もとの土手の土が崩れて出来たほら穴が魚どものよい住み家になっているようです。垂れさがった柳の木の枝には、旅の舟がつないであります。
蕭蕭風雨夜,驚夢復添愁。

日も落ちてさびしい雨と風の夜になって柳の木の枝がざわざわと騒がしい音がしています。風雨の音に驚いて夢からさめ、今日も来なかったあの人をおもい、またひとしおさびしいに引き入れられるのです。

(江連の柳を賦し得たり)
翠色 荒岸に連り、煙姿 遠樓に入る。
影は鋪く秋水の面,花は落つ釣人の頭。
根老いて 魚窟を藏し、枝垂れて 客舟を繋ぐ。
蕭蕭たる風雨の夜には、夢を驚かし また愁を添ふ。

柳絮01






1.『賦得江邊柳』 魚玄機 現代語訳と訳註
(本文)
賦得江邊柳
翠色連荒岸,煙姿入遠樓。
影鋪秋水面,花落釣人頭。
根老藏魚窟,枝低繫客舟。
蕭蕭風雨夜,驚夢復添愁。


(下し文)
(江連の柳を賦し得たり)
翠色 荒岸に連り、煙姿 遠樓に入る。
影は鋪く秋水の面,花は落つ釣人の頭。
根老いて 魚窟を藏し、枝垂れて 客舟を繋ぐ。
蕭蕭たる風雨の夜には、夢を驚かし また愁を添ふ。


(現代語訳)
もう春の盛りを過ぎるころとなり、柳の葉の緑も色濃く、荒れてものさびしい岸辺にずっとつづいてそよいでいます。春霞も遠く霞んだ柳の並木の彼方に高楼が目に入いります。
秋水を思わせる清らかに澄んだ水面に、はっきりと柳の木の影がうつっています。柳絮の綿帽子が花びらが落ちるようにふわりふわりと、河の岸で釣りをしている人の頭のうえに飛んでいます。
古い大きな柳の木の根もとの土手の土が崩れて出来たほら穴が魚どものよい住み家になっているようです。垂れさがった柳の木の枝には、旅の舟がつないであります。
日も落ちてさびしい雨と風の夜になって柳の木の枝がざわざわと騒がしい音がしています。風雨の音に驚いて夢からさめ、今日も来なかったあの人をおもい、またひとしおさびしいに引き入れられるのです。


 (訳注)
賦得江邊柳

魚玄機:晩唐時代の女流詩人。「長安の花街の娘」が定説とされている。明治の文豪・森鴎外に「魚玄機」が有り夙に知られる。“愛する男性を、侍女から奪われたと思い、咄嗟に殺した。” 強烈な性格は芸者屋の金と色の世界で養育された、とばかりとは言えない。詩にも個性が現れ、唐詩の中でも一閃光る、存在感充分である。
・賦得 「江辺の柳」という題で作ったという意味。題があたえられて作った詩である。


翠色連荒岸,煙姿入遠樓。
もう春の盛りを過ぎるころとなり、柳の葉の緑も色濃く、荒れてものさびしい岸辺にずっとつづいてそよいでいます。春霞も遠く霞んだ柳の並木の彼方に高楼が目に入いります。
・翠色 翠は濃い緑。盛春から晩春にかけての柳葉とかんがえる。青に近い。
・荒岸 (こうがん) さびしい岸べ。
・煙姿 もやにかすんだ柳の木の姿。


影鋪秋水面,花落釣人頭。
秋水を思わせる清らかに澄んだ水面に、はっきりと柳の木の影がうつっています。柳絮の綿帽子が花びらが落ちるようにふわりふわりと、河の岸で釣りをしている人の頭のうえに飛んでいます。
・秋水  1 秋のころの澄みきった水。秋の水。《季 秋》「―に石の柱や浮見堂/虚子」 2 曇りのない、よく研ぎ澄ました刀。
・花 柳絮の種子のわたがとぶさま。晩春。
・釣人(ちようじん) 釣りをしている人。


根老藏魚窟,枝低繫客舟。
古い大きな柳の木の根もとの土手の土が崩れて出来たほら穴が魚どものよい住み家になっているようです。垂れさがった柳の木の枝には、旅の舟がつないであります。
・魚窟 魚の住む穴。


蕭蕭風雨夜,驚夢復添愁。
日も落ちてさびしい雨と風の夜になって柳の木の枝がざわざわと騒がしい音がしています。風雨の音に驚いて夢からさめ、今日も来なかったあの人をおもい、またひとしおさびしいに引き入れられるのです。
・蕭蕭 (しょうしょう) ざわざわと騒がしい音の形容
・愁 さびしさ。
柳絮02

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