玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

五言古詩

遣懷 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-103-38-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2062

遣懷 魚玄機 

2013年3月13日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩陌上桑行 古詩漢楽府<55>古詩源 巻五 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩原鬼 韓愈(韓退之) <118-2>Ⅱ中唐詩615 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2059
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集春水 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 18)  杜甫 <423>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2060 杜甫詩1000-423-606/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集鄰里相送至方山 謝霊運<12> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2061 (03/13)
●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性遣懷 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-103-38-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2062
 
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於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

遣懷 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-103-38-#2   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2062

卷804_31 【遣懷】魚玄機


遣懷#1
閑散身無事,風光獨自遊。
暇でのんびりしている。別に何かをしなければならないというわけでもない。よい景色のなかで、ひとりで悠々自適に過ごす。
斷雲江上月,解纜海中舟。
雲の切れ間に明るい月が顔を出す、大江にかげをおとす。繋がれていた舟が、ともづなを解いて、海にむかって進む。
琴弄蕭梁寺,詩吟庾亮樓。
優雅に琴をきままにかなでるならば、南朝梁の時代に建てられた多くの寺であり、詩歌を吟ずるには南朝中原の名門貴族の家に生まれ、若い頃から美貌と威厳のある風格をそなえ、清談の名手としても名を知られていた庾亮の樓であろう。
叢篁堪作伴,片石好為儔。

しずかな竹林であれば一人でのびのびし散歩するものであり、庭の石をじっとめでるのは、こだわりやわずらわしさもないのがよいことだ。
#2
燕雀徒為貴,金銀誌不求。
つまらない男というものは、高い地位についたら、いたずらに権威を振りかざすもの、金銀だけを志とするものではない。
滿杯春酒綠,對月夜窗幽。
杯には、うまい上等の酒を満たし、月があかるく照っている夜などは、窓辺でしずかな夜のけはいを欒しむものだ。
繞砌澄清沼,抽簪映細流。
玄関敲きのまわりには、澄んだ水をたたえた沼池に清い小川が流れこむ。髪にさしたかんざしを細い流れにうつしてみる。
臥牀書冊遍,半醉起梳頭。
そんな中で、わたしは寝床のまわりには、一面に本がうず高くつんでいる。すこし酔っては、起きだして、髪を梳き、頭を整える。

懐を遣る
閑散 身に事無く、風光濁り自ら遊ぶ。
雲を断つ 江上の月、纜を解く 海中の舟。
琴は蕭梁の寺に弄し、詩は庚亮の樓に吟ず。
叢篁 伴を作すに堪え、片石 儔を為すに好し。

燕雀 徒に 貴と為し、金銀 志として 求めず。
杯に満せば 春酒 緑なり、月に封して 夜窗 幽なり。
砌を繞って 清沼 澄み、簪を抽いて 細流に映す。
臥牀 書冊偏く、半酔 起って 梳頭す。

美女画55101道観



















『遣懷』 現代語訳と訳註
(本文)

#2
燕雀徒為貴,金銀誌不求。
滿杯春酒綠,對月夜窗幽。
繞砌澄清沼,抽簪映細流。
臥牀書冊遍,半醉起梳頭。


(下し文)
燕雀 徒に 貴と為し、金銀 志として 求めず。
杯に満せば 春酒 緑なり、月に封して 夜窗 幽なり。
砌を繞って 清沼 澄み、簪を抽いて 細流に映す。
臥牀 書冊偏く、半酔 起って 梳頭す。


(現代語訳)
つまらない男というものは、高い地位についたら、いたずらに権威を振りかざすもの、金銀だけを志とするものではない。
杯には、うまい上等の酒を満たし、月があかるく照っている夜などは、窓辺でしずかな夜のけはいを欒しむものだ。
玄関敲きのまわりには、澄んだ水をたたえた沼池に清い小川が流れこむ。髪にさしたかんざしを細い流れにうつしてみる。
そんな中で、わたしは寝床のまわりには、一面に本がうず高くつんでいる。すこし酔っては、起きだして、髪を梳き、頭を整える。

(訳注)
・遣懷
 胸中のおもいを吐きだすことと云うことだが、この詩は二句、一聯ごとにテーマがあり、八つのテーマがある。
一聯:現在の生活   :閑散身無事,風光獨自遊。
二聯:遠望       :斷雲江上月,解纜海中舟。
三聯:風流(音楽・詩) 琴弄蕭梁寺,詩吟庾亮樓。
四聯:風流(散歩)   :叢篁堪作伴,片石好為儔。
五聯:男・大志     :燕雀徒為貴,金銀誌不求。
六聯:酒と月      滿杯春酒綠,對月夜窗幽。
七聯:風流(近景)   :繞砌澄清沼,抽簪映細流。
八聯:現在の生活   :臥床書冊遍,半醉起梳頭。
甘粛省-嘉峪関ということでこの詩は、やはり書斎で作られ、訪れる客に披露するために作られた現実性のない作品である。客観的にとらえていくとこれが事実である。李億との感情などどこにもないのである。


燕雀徒為貴,金銀誌不求。
つまらない男というものは、高い地位についたら、いたずらに権威を振りかざすもの、金銀だけを志とするものではない。
・燕雀 したがってつまらぬ人間、小者。曹植 魏詩『鰕鱓篇』「燕雀戲藩柴、安識鴻鵠游。」(燕や雀は桓根の内にたわむれているのだから、鴻や鵠のような大きな鳥のような遊びは知らない。)
李白『古風五十九首 之三十七』「梧桐巢燕雀。 枳棘棲鴛鸞。」
韓愈『贈崔立之評事』(崔斯立,字立之,博陵人)「走章馳檄在得賢,燕雀紛拏要鷹隼」
 

滿杯春酒綠,對月夜窗幽。
杯には、うまい上等の酒を満たし、月があかるく照っている夜などは、窓辺でしずかな夜のけはいを欒しむものだ。
・春酒綠 春酒は新種のこと、綠は、清酒の事で、上等の酒の場合につかう酒の形容。
・夜窗 窗は窓。夜は窓辺に。


繞砌澄清沼,抽簪映細流。
玄関敲きのまわりには、澄んだ水をたたえた沼池に清い小川が流れこむ。髪にさしたかんざしを細い流れにうつしてみる。
・繞砌 ・砌 庭へおりるポーチ。みぎり【砌】とは。意味や解説。《「水限(みぎり)」の意で、雨滴の落ちるきわ、また、そこを 限るところからという》1 時節。おり。ころ。
魚玄機『期友人阻雨不至』「近泉鳴砌畔,遠浪漲江湄。」
・清沼 きれいな水をたたえた沼池。
・簪 かんざし。おそらく金製であろう。


臥床書冊遍,半醉起梳頭。
そんな中で、わたしは寝床のまわりには、一面に本がうず高くつんでいる。すこし酔っては、起きだして、髪を梳き、頭を整える。
・臥床 寝床ベッド。
・遍 一面に。
・梳頭 髪にくしを入れること。

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遣懷 魚玄機

2013年3月12日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 


遣懷 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-102-38-#1   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2057

卷804_31 【遣懷】魚玄機


遣懷#1
閑散身無事,風光獨自遊。
暇でのんびりしている。別に何かをしなければならないというわけでもない。よい景色のなかで、ひとりで悠々自適に過ごす。
斷雲江上月,解纜海中舟。
雲の切れ間に明るい月が顔を出す、大江にかげをおとす。繋がれていた舟が、ともづなを解いて、海にむかって進む。
琴弄蕭梁寺,詩吟庾亮樓。
優雅に琴をきままにかなでるならば、南朝梁の時代に建てられた多くの寺であり、詩歌を吟ずるには南朝中原の名門貴族の家に生まれ、若い頃から美貌と威厳のある風格をそなえ、清談の名手としても名を知られていた庾亮の樓であろう。
叢篁堪作伴,片石好為儔。

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#2
燕雀徒為貴,金銀誌不求。
滿杯春酒綠,對月夜窗幽。
繞砌澄清沼,抽簪映細流。
臥牀書冊遍,半醉起梳頭。

懐を遣る
閑散 身に事無く、風光濁り自ら遊ぶ。
雲を断つ 江上の月、纜を解く 海中の舟。
琴は蕭梁の寺に弄し、詩は庚亮の樓に吟ず。
叢篁 伴を作すに堪え、片石 儔を為すに好し。

燕雀 徒に 貴と為し、金銀 志として 求めず。
杯に満せば 春酒 緑なり、月に封して 夜窗 幽なり。
砌を繞って 清沼 澄み、簪を抽いて 細流に映す。
臥牀 書冊偏く、半酔 起って 梳頭す。

55moon

『遣懷』 現代語訳と訳註
(本文)
閑散身無事,風光獨自遊。
斷雲江上月,解纜海中舟。
琴弄蕭梁寺,詩吟庾亮樓。
叢篁堪作伴,片石好為儔。


(下し文)
懐を遣る
閑散 身に事無く、風光濁り自ら遊ぶ。
雲を断つ 江上の月、纜を解く 海中の舟。
琴は蕭梁の寺に弄し、詩は庚亮の樓に吟ず。
叢篁 伴を作すに堪え、片石 儔を為すに好し。

(現代語訳)
暇でのんびりしている。別に何かをしなければならないというわけでもない。よい景色のなかで、ひとりで悠々自適に過ごす。
雲の切れ間に明るい月が顔を出す、大江にかげをおとす。繋がれていた舟が、ともづなを解いて、海にむかって進む。
優雅に琴をきままにかなでるならば、南朝梁の時代に建てられた多くの寺であり、詩歌を吟ずるには南朝中原の名門貴族の家に生まれ、若い頃から美貌と威厳のある風格をそなえ、清談の名手としても名を知られていた庾亮の樓であろう。
しずかな竹林であれば一人でのびのびし散歩するものであり、庭の石をじっとめでるのは、こだわりやわずらわしさもないのがよいことだ。


oborotsuki04(訳注)
遣懷

・遣懷 胸中のおもいを吐きだすことと云うことだが、この詩は二句、一聯ごとにテーマがあり、八つのテーマがある。
一聯:現在の生活
二聯:遠望
三聯:風流(音楽・詩)
四聯:風流(散歩)


(一)
閑散身無事,風光獨自遊。
暇でのんびりしている。別に何かをしなければならないというわけでもない。よい景色のなかで、ひとりで悠々自適に過ごす。
・閑散 ひまで何するということもなくのんびりしていること。
・風光 風景。自然をともとして。


(二)
斷雲江上月,解纜海中舟。
雲の切れ間に明るい月が顔を出す、大江にかげをおとす。繋がれていた舟が、ともづなを解いて、海にむかって進む。
・江上 大江。


(三)
琴弄蕭梁寺,詩吟庾亮樓。
優雅に琴をきままにかなでるならば、南朝梁の時代に建てられた多くの寺であり、詩歌を吟ずるには南朝中原の名門貴族の家に生まれ、若い頃から美貌と威厳のある風格をそなえ、清談の名手としても名を知られていた庾亮の樓であろう。
・蕭梁の寺 
武帝は異常なほど仏教に傾倒し、後世からはこのために梁の亡国を招いたとして非難される一因となっている。まず武帝は在位中に4回も捨身を行なう異常ぶりで、さらに中国皇帝は国家儀礼は儒教に基づいて行なうのが当然なのだが武帝は仏教に基づいて行なっており、さらに大赦と改元を伴って行なうなど常識を逸脱する熱烈ぶりが目立つようになっている。ただし仏教が武帝や梁の民衆にここまで受け入れられたのは、後漢という長期政権の崩壊後、魏晋南北朝時代という動乱期で儒教の価値観が低下し自己の救済を仏教に求めたため、という側面もあった事を理解しておく必要がある。とはいえこのような異常ともいえる仏教傾倒は梁における仏教隆盛をもたらした反面で、皇帝や皇族の放恣や側近による専権、貴族層の実務忌避や寺院の建立による財政悪化による民衆の窮乏と社会不安の増大という国勢の衰退を助長した。
庾亮(ゆりょう、289年 - 340年)は、中国東晋の政治家。字は元規。潁川鄢陵(現河南省)の出身。庾琛の子で庾彬、庾羲の父。
西晋時代、中原の名門貴族の家に生まれ、若い頃から美貌と威厳のある風格をそなえ、清談の名手としても名を知られていた。当時の人々は彼を夏侯玄や陳羣になぞらえたという。八王の乱、永嘉の乱で中原が戦乱に見舞われると、父親に従い会稽に難を避ける。


(四)
叢篁堪作伴,片石好為儔。
しずかな竹林であれば一人でのびのびし散歩するものであり、庭の石をじっとめでるのは、こだわりやわずらわしさもないのがよいことだ。
・叢篁 むらがり生えている竹。しずかな竹林。

感懷寄人 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-99-35-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2042

感懷寄人 魚玄機 

2013年3月9日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩怨歌行 曹植 魏詩<53-#1>古詩源 巻五 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2033
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩原人 二段目 韓愈(韓退之) <117-2>Ⅱ中唐詩611 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2039
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Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集述祖徳詩 二首(2)其一 謝霊運<8> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2041 (03/09)
●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性感懷寄人 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-99-35-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2042
 
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安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 


感懷寄人 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-99-35-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2042

卷804_28 【感懷寄人】魚玄機


感懷寄人
(心に思うところをある人によせる。)
恨寄朱弦上,含情意不任。
心のなかの満たされない思いをあなたに寄せます、赤いこと糸の音にそれをのせています。その思い焦がれる気持ちをこらえています、思いのままにすることはできないことでございます。
早知雲雨會,未起蕙蘭心。
わたしのこの思いはもうご承知のことで、確かに雲雨のような二人の出会いがしたいのです。香しい蘭の花のような心を未だに起こしては折りません。
灼灼桃兼李,無妨國士尋。
わたくし、若くてつやつやしているあの桃や李の花のように咲きはこっています。国士とも申すべきりっぱなお方をおたずねくださっても、妨げるものはありません。
蒼蒼松與桂,仍羨世人欽。
あなたさまは隆々とした松、青々としげる桂なお方と存じ上げています。あなた様を押し対することは世間の人もとても羨んでいます
月色苔階凈,歌聲竹院深。
あなたがお渡りになる苔むしたきざはしであっても塵ひとつないことは、月の光にきれいに照らされればわかります。また歌聲は竹の庭の奥深くにあるものです。
門前紅葉地,不掃待知音。

門の前には、紅葉が散りしいております。わざと掃いたりしないので、「知音」のおかたとしてお待ちしております。

(感懷 人に寄す)
恨は寄す 朱弦の上、情を含むも 意 任せず。
早に雲雨の會を 知るも、未だ蕙蘭の心を起さず。
灼灼たり 桃と李と、國士の尋ぬるに 妨ぐるなし。
蒼蒼たり 松と桂と、仍は 世人の欽するを羨む。
月色 苔階 凈く、歌聲 竹院 深し。
門前 紅葉の地、掃ずして知音を待つ。

魚玄機が宮島に
『感懷寄人』 現代語訳と訳註
(本文)

恨寄朱弦上,含情意不任。
早知雲雨會,未起蕙蘭心。
灼灼桃兼李,無妨國士尋。
蒼蒼松與桂,仍羨世人欽。
月色苔階凈,歌聲竹院深。
門前紅葉地,不掃待知音。


(下し文)
(感懷 人に寄す)
恨は寄す 朱弦の上、情を含むも 意 任せず。
早に雲雨の會を 知るも、未だ蕙蘭の心を起さず。
灼灼たり 桃と李と、國士の尋ぬるに 妨ぐるなし。
蒼蒼たり 松と桂と、仍は 世人の欽するを羨む。
月色 苔階 凈く、歌聲 竹院 深し。
門前 紅葉の地、掃ずして知音を待つ。


(現代語訳)
(心に思うところをある人によせる。)
心のなかの満たされない思いをあなたに寄せます、赤いこと糸の音にそれをのせています。その思い焦がれる気持ちをこらえています、思いのままにすることはできないことでございます。
わたしのこの思いはもうご承知のことで、確かに雲雨のような二人の出会いがしたいのです。香しい蘭の花のような心を未だに起こしては折りません。
わたくし、若くてつやつやしているあの桃や李の花のように咲きはこっています。国士とも申すべきりっぱなお方をおたずねくださっても、妨げるものはありません。
あなたさまは隆々とした松、青々としげる桂なお方と存じ上げています。あなた様を押し対することは世間の人もとても羨んでいます
あなたがお渡りになる苔むしたきざはしであっても塵ひとつないことは、月の光にきれいに照らされればわかります。また歌聲は竹の庭の奥深くにあるものです。
門の前には、紅葉が散りしいております。わざと掃いたりしないので、「知音」のおかたとしてお待ちしております。


(訳注)
感懷寄人
(心に思うところをある人によせる。)
森取外はこの詩をその小説「魚玄機」のなかで咸宜観での作として、新しい男である陳へ、彼女が心を動かして、この詩を贈るとしている。
「陳は翌日、詩を得て、直ちに威宜観に来た。魚玄機は人をしりぞけて引見し、僮僕に客を謝することを命じた。魚玄機の書斎からは只微かに低語の聾が聞えるのみであった。初夜を過ぎて陳は辞し去った。これからは陳は姓名を通ぜずに玄機の書斎に入ることになり、玄機は陳を迎へる度に客を謝することになった。」
と記している。
・感懐(かんかい) 心に思うところ。胸の思い。


恨寄朱弦上,含情意不任。
心のなかの満たされない思いをあなたに寄せます、赤いこと糸の音にそれをのせています。その思い焦がれる気持ちをこらえています、思いのままにすることはできないことでございます。
・恨 満たされない思い。心に満足しえないでいるありさま。
・朱弦 朱い琴いと。


早知雲雨會,未起蕙蘭心。
わたしのこの思いはもうご承知のことで、確かに雲雨のような二人の出会いがしたいのです。香しい蘭の花のような心を未だに起こしてはおりません。
・雲雨會 男女の交情。雲は男性、雨が宋玉「高唐の賦」にある巫山神女の故事によるもので、懷王と交わった後、神女が「暮には行雨とならん」とどんな時でも一緒にいるといった意味を持つ雨である。
・蕙蘭 ともにかおり草。美人をさす。略に自己の巽しい恋心をいったものか。


灼灼桃兼李,無妨國士尋。
わたくし、若くてつやつやしているあの桃や李の花のように咲きはこっています。国士とも申すべきりっぱなお方をおたずねくださっても、妨げるものはありません。
・灼灼 桃の木の若くてつやつやしているさま。「詩経」の周南桃夭に、「灼々たりその華」の句がある。桃李の花をたとえたもの。曹植『雜詩六首 其四』「南國有佳人,容華若桃李。」南国に佳人有り、容華は桃李の若し。南の国には美しい人がいる。容貌の華やかなことは、桃や李の花のようである。

雜詩六首其四 曹植 魏詩<21>古詩源 巻三 女性詩647 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1805

 

蒼蒼松與桂,仍羨世人欽。
あなたさまは隆々とした松、青々としげる桂なお方と存じ上げています。あなた様を押し対することは世間の人もとても羨んでいます。
・蒼蒼(そうそう) 線の色をみせていきいきと生きている。
・松輿桂 ともにりっはな男性をたとえたもの。
○欽 うやまう。つつしむ。李白の「下邦杷橋に張子房を懐ふ」詩に、「我來圯橋上、懷古欽英風。」(我 圯橋(いきょう)の上に來り、古(いにしえ)を懐うて、英風を欽(しと)う。)經下邳圯橋懷張子房 #1 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -272


月色苔階凈,歌聲竹院深。
あなたがお渡りになる苔むしたきざはしであっても塵ひとつないことは、月の光にきれいに照らされればわかります。また歌聲は竹の庭の奥深くにあるものです。
・ここは奥の書斎で接待するということ、そこには誰も近づかないということを云う。


門前紅葉地,不掃待知音。
門の前には、紅葉が散りしいております。わざと掃いたりしないので、「知音」のおかたとしてお待ちしております。
・紅葉(こうよう) かえでの葉とはかぎらない。あかくなった木の葉。出入りの様子が残るようなことをしないというほどの意味。
魚玄機550034・知音 自分の心を知るしたしい友人。○知音 知己。自分の琴の演奏の良さを理解していくれる親友のこと。伯牙は琴を能くしたが、鍾子期はその琴の音によって、伯牙の心を見抜いたという。転じて自分を理解してくれる知人。
『列子、湯問』「伯牙善鼓琴。鐘子期善聽。伯牙鼓琴。志在登高山。鐘子期曰。善哉。巍巍兮若泰山。志在流水。鍾子期曰。善哉。洋洋兮若江河。伯牙所念。鐘子期必得之。伯牙游於泰山之陰。卒逢暴雨。止於巖下心悲。乃援琴而鼓之。初為霖雨之操。更造崩山之音。曲毎奏。鐘子期輒窮其趣。伯牙乃舍琴而嘆曰。善哉善哉。子之聽。夫志想象。猶吾心也。吾於何逃聲哉。」 
(下し文)
伯牙善く琴を鼓し、鍾子期善く聴く。
伯牙琴を鼓し、志泰山登るに在り、鍾子期曰く、善い哉、巍巍兮として泰山の若し、と。
志流水に在らば、鍾子期曰く、 善い哉、琴を鼓する、洋洋兮として江河の若し、と。
伯牙の念ふ所、鐘子期必ず之を得。
伯牙、泰山の陰に遊び、卒に暴雨に逢ふ。
巖下に止まりて心悲しみ、乃ち琴を援りて之を鼓す。
初め「霖雨の操」を為し、更に「崩山の音」を造す。
曲奏する毎に、鐘子期輒ち其の趣きを窮む。
伯牙乃ち琴を舎きて嘆じて曰く、善い哉、善い哉、子の聴く。
夫れ志を想像する、猶ほ吾が心のごときなり。
吾れ何に於いて声を逃れんや、と。

寄劉尚書 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-73-9-#五言古詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1908

寄劉尚書 魚玄機

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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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寄劉尚書 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-73-9-#五言古詩   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1908
卷804_5 【寄劉尚書】魚玄機


寄劉尚書
八座鎮雄軍,歌謠滿路新。
八座の長官が、勇猛果敢の強い軍隊を統轄、おかげで民は、どこもかしこも今さらのように平和の歌を楽しんでいます。
汾川三月雨,晉水百花春。
汾水流域は三月の長雨、晋水の辺には百花繚乱、昭義軍のおかげで、平和そのものの自然があふれています。
囹圄長空鎖,幹戈久覆塵。
犯罪をおかす者などもなく、長い間獄舎が空いたままという。戦乱もなく、兵器も、武器庫の中で塵をかぶったままという。
儒僧觀子夜,羈客醉紅茵。
儒者や僧侶までが宴席で「子夜歌」歌います。高貴な旅人が赤い毛氈の上で舞う妓女をみてよわれています。
筆硯行隨手,詩書坐繞身。
みごとな文章や詩歌を、どこにいってもつくられると。詩書を座右にして手放すことはないという文人と聞き及んでいます。
小材多顧盼,得作食魚人。

わたしのようなわずかな才能の者でも、よく引立てくださいます。中流の食生活のものたちは皆、心からありがたく思っております。

劉尚書に寄す
八座 雄軍を鎮し、歌謠 路に満ちて 新なり。
汾川 三月の雨,晉水 百花の春。
囹圄 長く空鎖し,幹戈 久しく覆塵す。
儒僧 子夜を觀,羈客 紅茵の醉う。
筆硯 行くに手に隨い,詩書 坐するに身を繞る。
小材 多く顧盼し,魚食をう人と作る得。


『寄劉尚書』 現代語訳と訳註
(本文)

寄劉尚書
八座鎮雄軍,歌謠滿路新。汾川三月雨,晉水百花春。
囹圄長空鎖,幹戈久覆塵。儒僧觀子夜,羈客醉紅茵。
筆硯行隨手,詩書坐繞身。小材多顧盼,得作食魚人。


(下し文)
劉尚書に寄す
八座 雄軍を鎮し、歌謠 路に満ちて 新なり。
汾川 三月の雨,晉水 百花の春。
囹圄 長く空鎖し,幹戈 久しく覆塵す。
儒僧 子夜を觀,羈客 紅茵の醉う。
筆硯 行くに手に隨い,詩書 坐するに身を繞る。
小材 多く顧盼し,魚食をう人と作る得。


(現代語訳)
八座の長官が、勇猛果敢の強い軍隊を統轄、おかげで民は、どこもかしこも今さらのように平和の歌を楽しんでいます。
汾水流域は三月の長雨、晋水の辺には百花繚乱、昭義軍のおかげで、平和そのものの自然があふれています。
犯罪をおかす者などもなく、長い間獄舎が空いたままという。戦乱もなく、兵器も、武器庫の中で塵をかぶったままという。
儒者や僧侶までが宴席で「子夜歌」歌います。高貴な旅人が赤い毛氈の上で舞う妓女をみてよわれています。
みごとな文章や詩歌を、どこにいってもつくられると。詩書を座右にして手放すことはないという文人と聞き及んでいます。
わたしのようなわずかな才能の者でも、よく引立てくださいます。中流の食生活のものたちは皆、心からありがたく思っております。


(訳注)
寄劉尚書

劉尚書は、劉瞻をいう。河東の節度使であった当時、その徳をたたえて贈ったもの。
・劉尚書(りゅうしょ・つし上) 尚書は官名。尚書省の六曹(六部)の長官をいう。劉は劉階。


八座鎮雄軍,歌謠滿路新。
八座の長官が、勇猛果敢の強い軍隊を統轄、おかげで民は、どこもかしこも今さらのように平和の歌を楽しんでいます。
・八座 節度使の下にあった八つの部署。ふつうには左右僕射とその下の總吏部、禮部、兵部、都官、度支、工部等六部の長官をあわせて八座という。
・雄軍 勇猛果敢の強い軍隊。
・歌謠 平和なうた。政治のよさをうたったもの。


汾川三月雨,晉水百花春。
汾水流域は三月の長雨、晋水の辺には百花繚乱、昭義軍のおかげで、平和そのものの自然があふれています。
・汾川 山西省にある河。扮水。低くてしめりけの多い地。『詩経、魏風、汾沮洳』「彼汾沮洳、言采其莫」(彼の. 汾(汾水という川)の沮洳、言に其の莫. (野菜の一種)を采る)とある。「集伝」で. は、この「沮洳」を「水浸処、下湿之地」. という。
・百花(ひゃくか) あらゆる花。いろいろの花が咲き乱れること。転じて、秀でた人物が多く出て、すぐれた立派な業績が一時期にたくさん現れること。
・晉水 山西省にある河。澤州に李億の故郷に同行したことでこのちにくわしいのである。
汾水、晋水は昭義軍の本拠地である。


唐宋時代鄴城05




















囹圄長空鎖,幹戈久覆塵。
犯罪をおかす者などもなく、長い間獄舎が空いたままという。戦乱もなく、兵器も、武器庫の中で塵をかぶったままという。
・囹圄 囚人を拘禁しておく獄舎。
・幹戈(かんか) 武器。
・覆塵 塵をかぶっていること。武器を動かさない、つかわないから。覆はおおうの意。音フウ。


儒僧觀子夜,羈客醉紅茵。
儒者や僧侶までが宴席で「子夜歌」歌います。高貴な旅人が赤い毛氈の上で舞う妓女をみてよわれています。
・子夜 晋の時代の有名な歌姫の名。楽府に多くの子夜歌が伝えられている。ここではひろく歌妓をいう。
・羈客 馬で旅をする旅人。
・紅茵 赤い敷き物。その上で女が舞をまう。


筆硯行隨手,詩書坐繞身。
みごとな文章や詩歌を、どこにいってもつくられると。詩書を座右にして手放すことはないという文人と聞き及んでいます。


小材多顧盼,得作食魚人。
わたしのようなわずかな才能の者でも、よく引立てくださいます。中流の食生活のものたちは皆、心からありがたく思っております。
・小材 少しばかり才能のある者。
顧盼 ふりかえって見る。目にかける。世話をしてひきたてる。
食魚人(うおをくらうひと) 貧乏人でなく、中流の食生活のできる人。貧乏人は玉やその他の野菜はかり食べる。
女性詩人0053

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