玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

閨怨詩

12孫光憲《巻八36思帝鄉一首》『花間集』388全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7204

孫少監光憲詩 思帝  

如何?遣情情更多。永日水堂簾下,斂羞蛾。

六幅羅裙窣地,微行曳碧波。看盡滿地疎雨,打團荷。

(何人かの后妃は容姿と技芸の才能によって、寵愛を受けた。しかし、時が移り状況が変化し、また年をとってくると、容色が衰えて寵愛が薄れるという例えどおり、佳人、麗人が無数にいる宮廷で自分の地位を保持することはきわめて難しかった。いつしか、後宮から離宮に移り、春の日もただ一人過ごす。自分の歩く音が廊下に響き、池の浪が寂しく広がり、雨が、蓮の葉を敲く。)

なぜか、寵愛を失ってもあの頃を思い出すし、忘れようとすればするほど、ますます思いは募ってくる。春の日、日が少し傾いてきたので、離宮の水辺の座敷に簾垂れる、愁いに眉を曇らせる。六幅の長さで6本のプリーツのスカートは地を払い、離宮の欄干の廊下を忍びあるく、碧の波もしずかにひろがる。いつまでも離宮の広い庭園の一面に疎らにふる雨は、円い蓮の葉を打つ音だけがきこえてくる。

12孫光憲《巻八36思帝一首》『花間集』388全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7204

 

 
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花間集 教坊曲 『思帝』 四首

溫庭筠

巻二06思帝一首  花花,滿枝紅似霞。羅袖畫簾腸斷,卓香車。迴面共人閑語,戰篦金鳳斜。惟有阮郎春盡,不歸家。

韋莊

巻三15思帝二首其一  雲髻墜,鳳釵垂。髻墜釵垂無力,枕函欹。翡翠屏深月落,漏依依。盡人間天上,兩心知。

韋莊

巻三16思帝二首其二  春日遊,杏花吹滿頭。陌上誰家年少,足風流。妾擬將身嫁與,一生休。縱被無情棄,不能羞!

孫光憲

巻八36思帝一首  如何?遣情情更多。永日水堂簾下,斂羞蛾。六幅羅裙窣地,微行曳碧波。看盡滿地疎雨,打團荷。

 

 

思帝

(何人かの后妃は容姿と技芸の才能によって、寵愛を受けた。しかし、時が移り状況が変化し、また年をとってくると、容色が衰えて寵愛が薄れるという例えどおり、佳人、麗人が無数にいる宮廷で自分の地位を保持することはきわめて難しかった。いつしか、後宮から離宮に移り、春の日もただ一人過ごす。自分の歩く音が廊下に響き、池の浪が寂しく広がり、雨が、蓮の葉を敲く。)

如何?遣情情更多。

なぜか、寵愛を失ってもあの頃を思い出すし、忘れようとすればするほど、ますます思いは募ってくる。

永日水堂簾下,斂羞蛾。

春の日、日が少し傾いてきたので、離宮の水辺の座敷に簾垂れる、愁いに眉を曇らせる。

六幅羅裙窣地,微行曳碧波。

六幅の長さで6本のプリーツのスカートは地を払い、離宮の欄干の廊下を忍びあるく、碧の波もしずかにひろがる。

看盡滿地疎雨,打團荷。

いつまでも離宮の広い庭園の一面に疎らにふる雨は、円い蓮の葉を打つ音だけがきこえてくる。

 

(思帝

如何ぞ 情を遣るも 情 更に多し。

永日 水堂 簾 下し、差蛾を斂め。

六幅の羅裙 地を窣い、微行して碧波を曳き。

看尽くす 満池の疎雨、団荷を打つを。

 

 

『思帝』 現代語訳と訳註

(本文)

思帝

如何?遣情情更多。

永日水堂簾下,斂羞蛾。

六幅羅裙窣地,微行曳碧波。

看盡滿地疎雨,打團荷。

 

(下し文)

(思帝

如何ぞ 情を遣るも 情 更に多し。

永日 水堂 簾 下し、差蛾を斂め。

六幅の羅裙 地を窣い、微行して碧波を曳き。

看尽くす 満池の疎雨、団荷を打つを。

 

(現代語訳)

(何人かの后妃は容姿と技芸の才能によって、寵愛を受けた。しかし、時が移り状況が変化し、また年をとってくると、容色が衰えて寵愛が薄れるという例えどおり、佳人、麗人が無数にいる宮廷で自分の地位を保持することはきわめて難しかった。いつしか、後宮から離宮に移り、春の日もただ一人過ごす。自分の歩く音が廊下に響き、池の浪が寂しく広がり、雨が、蓮の葉を敲く。)

なぜか、寵愛を失ってもあの頃を思い出すし、忘れようとすればするほど、ますます思いは募ってくる。

春の日、日が少し傾いてきたので、離宮の水辺の座敷に簾垂れる、愁いに眉を曇らせる。

六幅の長さで6本のプリーツのスカートは地を払い、離宮の欄干の廊下を忍びあるく、碧の波もしずかにひろがる。

いつまでも離宮の広い庭園の一面に疎らにふる雨は、円い蓮の葉を打つ音だけがきこえてくる。

曲院風荷01
 

 (訳注)

1.孫光憲 思帝

(もしかしたらあの人が帰って来た時の音かと思い、自分の歩く音でわからなくなると厭なので、ゆっくり歩く。するとその音は、雨音の聴覚的な余韻を残し、丸い蓮の葉を打つ雨音の一つ一つしかしない。)

【解説】 女性の愁いの情を詠う。詞の後半、彼女が忍び歩いたのは、もしかしたらあの人が帰って来た時の音かと思い、自分の歩く音でわからなくなると厭なので、ゆっくり歩く。するとその音は、雨音の聴覚的な余韻を残し、丸い蓮の葉を打つ雨音の一つ一つしかしない。彼女の傷心の心を打つ音でもあったに違いない。

『花間集』には孫光憲の作が一首収められている。単調三十六字、八句五平韻三仄韻で、②⑤❻③❻⑤❻③の詞形をとる。

思帝

?遣情情更

永日水堂簾,斂羞

六幅羅裙窣,微行曳碧

看盡滿地疎,打團

△△ ●○○△○

●●●○○● ●○△

●●○○●● ○△●●○

△●●●△● ●○△

2.  思帝郷

(一途に思う女心の詩)

長安と洛陽の宮殿にほど近い街区に、左右二つの芸妓養成のための外教坊が設けられた。ここでも多数の芸妓が養成されたが、この芸妓は宮廷の専用に充てられ、官官によって管理された。彼女たちが宮妓と異なるのは、宮中には住まず、必要な時に呼び出され宮中の御用に供された点にある。記録によれば、右教坊の芸妓の多くは歌がうまく、左教坊のものは舞いが上手だった。彼女たちは宮妓と同じょうに民間から選抜された技芸練達の人々であった。

3. 唐の妓優 玄宗は音楽、歌舞を特に愛好したので、彼の治世には宮妓の人数は大幅に増大し、教坊は隆盛を極めた。また玄宗は宮中に梨園、宜春院などを設け、特に才能のある芸妓を選りすぐり、宮中に入れて養成した。当時、宜春院に選抜された妓女は、「内人」とか、「前頭人」とよばれた。玄宗は常日頃、勤政楼の前で演芸会を開き、歌舞の楽妓は一度に数百人も出演することがあり、また縄や竹竿を使う、さまざまな女軽業師の演戯もあった。この後は、もうこれほどの盛況はなかったが、しかし教坊は依然として不断に宮妓を選抜して教坊に入れていた。憲宗の時代、教坊は皇帝の勅命だと称して「良家士人の娘及び衣冠(公卿大夫)の家の別邸の妓人を選び」内延に入れると宣言したので(『旧唐書』李緯伝)、人々は大いに恐れおののいた。そこで憲宗は、これは噂であると取り消さざるを得なかった。文宗の時代、教坊は一度に「霓裳羽衣」(開元、天宝時代に盛んに行われた楽曲)の舞いを踊る舞姫三百人を皇帝に献上したことがあった。

4. 梨園、宜春院 玄宗は長安の禁苑中に在る梨園に子弟三百人を選んで江南の音曲である法楽を学はせ、また宮女数百人を宜春北院に置いて梨園の弟子とした。

5. 霓裳羽衣 【げいしょううい】開元、天宝時代に盛んに行われた大人数の舞い踊りの楽曲。

詩人に詠まれた名歌妓の念奴、「凌波曲」(玄宗が夢の中で龍宮の女に頼まれて作ったといわれる詩曲)をよく舞った新豊の女芸人謝阿蛮(『明皇雑録』補遺)、『教坊記』に記載されている歌舞妓の顔大娘、鹿三娘、張四娘、裳大娘、それに竿木妓の王大娘、および、杜甫の「公孫大娘が弟子の剣器を舞うを観る行」という詩に出てくる、剣舞の名手公孫大娘などは、みな長安の外教坊に所属する芸妓であったらしい。というのは、記録によると彼女たちは一般に長く宮中に留まることはなく、行動は比較的自由だったし、特に男女関係は比較的自由であった。これらを題材にしたものが、思帝郷である。

 

『花間集』全詩訳注解説(改訂版)-1溫庭筠56《巻2-06 思帝郷一首》溫庭筠66首巻二6-〈56〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5477

思帝郷

花花、満枝紅似霞。

羅袖画簾腸断、阜香車。

廻面共入閑語、戦箆金鳳斜。

唯有阮郎春尽、不帰家。

(思帝郷)

花花、満枝 紅 霞に似たり。

羅袖 画簾 腸 断ゆ、香車を早め。

面を遅らして 人と共に閑かに語る、戦える箆 金鳳 斜めなり。

唯だ阮郎の 春 尽きるも、「家に帰らざる」有り。

【解説】

 春が尽きても遠い旅に出て帰らぬ男を思う女の情を詠う。女は待つことしか選択肢がない時代の歌である。第二.句、着物の袖と車の帳の画模様が胸を引き裂くのは、着物の袖や帳に、男女和合の象徴である番の鳥の絵模様があしらわれていたことによる。続く句は、知人の車を認めたのであろう、車を停めて、髪に斜めに挿した簪の金の鳳の飾り括らしながら、何の屈託もないかのように語り合うさまを述べる。最後の「もう若くないということなのでしょうか、今の私にとっては、もう春が終わろうとしていて、家に帰らぬ愛しの人だけ」と言うのは、はた目には幸せそうに見えながら、実は孤蘭を守る口々に、腸が引き千切られるほどの思いをしていることを訴え、もうあきらめなければならないのかということである。

 

如何?遣情情更多。

なぜか、寵愛を失ってもあの頃を思い出すし、忘れようとすればするほど、ますます思いは募ってくる。

 6. 遣情 遣懐。こころをやる。杜甫《巻七67 遣懐》昔のことを思い出して述べる。

 

永日水堂簾下,斂羞蛾。

春の日、日が少し傾いてきたので、離宮の水辺の座敷に簾垂れる、愁いに眉を曇らせる。

7. 永日 1 日中がながく感じられる春の日。春の日なが。永き日。《季 春》2 《いずれ日ながの折にゆっくり会おうの意から、別れのあいさつや手紙の結びに用いる語。

8. 水堂 離宮の水辺の建物や座敷部屋。

9. 斂羞蛾 女性の羞じらいを含んだ眉。蛾は蛾の触角に似せて措いた眉。美しい曲線を描いた女性の眉を言う。命婦、妃嬪、妓優、芸妓、美人をいう。

 

六幅羅裙窣地,微行曳碧波。

六幅の長さで6本のプリーツのスカートは地を払い、離宮の欄干の廊下を忍びあるく、碧の波もしずかにひろがる。

10. 六幅羅裙 六幅の長さの絹のスカート。幅は長さの単位。約三四cm。別の意味に、六本のプリーツの入ったスカートと解することでもよい。

11. 傘地 地を払う。

12. 微行 忍び歩く。なお小道と解する説もある。

13. 碧波 蒼浪,蒼波,滄浪,滄波。青い波。 

 

看盡滿地疎雨,打團荷。

いつまでも離宮の広い庭園の一面に疎らにふる雨は、円い蓮の葉を打つ音だけがきこえてくる。

14. 滿地疎雨 離宮の広い庭園の一面に

15. 団荷 円い蓮の葉。 興慶宮の龍池の蓮、紹興の曲院風荷などが連想されるが、此処は龍池とする。

16. 疎雨 まばらに降る雨。

大明宮の圖003
 

 

 

 

大多数の后妃と皇帝との結婚は、事実上政略結婚であり、もともと皇帝の愛情を得たのではなかった。何人かの后妃は容姿と技芸の才能によって、あるいは皇帝と艱難を共にしたことによって寵愛を受けた。しかし、いったん時が移り状況が変化したり、また年をとってくると、容色が衰えて寵愛が薄れるという例えどおり、佳人、麗人が無数にいる宮廷で自分の地位を保持することはきわめて難しかった。王皇后と玄宗は艱難を共にした夫婦であり、彼女は玄宗が行った喜后打倒の政変に参与した。しかし武恵妃が寵愛を一身に集めた後には、しだいに冷遇されるようになった。彼女は皇帝に泣いて訴え、昔艱難を共にした時の情愛を想い出してほしいと願った。玄宗は一時はそれに感動したが、結局やはり彼女を廃して庶民の身分に落してしまった。境遇がちょっとマシな者だと、后妃の名が残される場合もあったが、それ以後愛情は失われ、後半生を孤独と寂実の中に耐え忍ばねばならなかった。また、彼女たちの運命は、ひどい場合は完全に皇帝の一時的な喜怒哀楽によって決められた。武宗はかつて一人の妃嬢に非常に腹を立てたことがあった。その場に学士の柳公権がいたので、皇帝は彼に「もし学士が詩を一篇作ってくれるなら、彼女を許してやろう」といった。柳公権が絶句を一首つくると、武宗はたいそう喜び、彼女はこの災難を逃れることができた(王走保『唐掟言』巻一三)。しかし、皇帝から廃されたり、冷遇されただけの者は、まだ不幸中の幸いであったように思う。最悪の場合は生命の危険さえあった。高宗の王皇后と斎淑妃の二人は、武則天と寵愛を争って一敗地に塗れた。

この二人の敗北者は新皇后の階下の囚人となり、それぞれ二百回も杖で打たれてから手足を切断され、酒瓶の中に閉じ込められた後、無惨に殺された。

后妃、妃嬪にとって、最後の脅威は皇帝の死去である。これは皇帝の付属品である后妃たちが、いっさいの地位と栄誉の拠り所を失うことを意味した。一つだけ例外がある。つまり子が皇帝に即位した場合で、「やんごとなき夫の妻」から、「やんごとなき子の母」 へと転じることができた。少なくとも子のある妃嬪はちょっとした地位を保つことができたが、子のない妃嬢たちは武則天のように仏寺に送られて尼にされるか、あるいは寂しく落ちぶれて後宮の中で生涯を終えた。たとえ太后といぅ至尊の地位に登っても、新皇帝の顔色を窺わねばならなかった。憲宗の郭皇后は郭子儀の孫娘にあたり、公主を母に持ち、また穆宗の母となり、敬宗、文宗、武宗の三皇帝の祖母にあたる女性であったから、人々は唐朝の后妃のなかで「最も高貴」な方と呼んだ。しかし、宣宗が即位(八四七年)すると、生母の鄭太后はもともと郭太后の侍女であり、かねてから怨みをもっていたため、郭太后を礼遇しなかった。それで郭太后は鬱々として楽しまず、楼に登って自殺しょうとした。宣宗はそれを聞くと非常に怒った。郭太后はその夜急に死んでしまったが、死因はいうまでもなく明らかであろう。

唐代の后妃のなかには、そのほか皇帝に殉死したという特別な例がある。それは武宗の王賢妃である。彼女はもとは才人の身分であり、歌舞をよくし、皇帝からたいへんな寵愛を受けた。武宗は危篤間近になると、彼女に「朕が死んだらお前はどうするのか」と問うた。すると彼女は「陛下に御供して九泉にまいりたいと思います」と答えた。すると武宗は布を彼女に与えたので、王才人は帳の下で首をくくって死んだ(『資治通鑑』巻二四八、武宗会昌六年)。次の宣宗が即位すると、彼女に「賢妃」を追贈し、その貞節を誉め讃えた。このようにして、一個の生きた肉体が「賢妃」という虚名と取り換えられたのである。

もし、予測のつかない未来と苦難の多い運命によって生みだされる不安な感情が、后妃たちの生活の普通の心理であったとするなら、もう一つ彼女たちにまとわりついているのは、心の慰めや家庭の暖かさが欠けていることによって深く感ずる孤独、寂蓼、哀怨の気特であった。次のようにも言うことができよう。彼女たちは物質的には豊かであったが、人間の情愛の面では貧しかったと。

寵愛を失った者は言うまでもないが、寵愛を受けている者でさえも、何万にものぼる女性が一人の男性に侍っている宮中においては、誰も皇帝の愛情をいつまでも一身に繋ぎとめておくことは不可能であり、また正常な夫婦生活と家族団欒の楽しみを味わうことも不可能であった。皇帝が訪れることもなくなって、零落してしまった后妃の場合、おのずから悲痛はさらに倍加した。

玄宗の時代、妃嬪がはなはだ多かったので、「妃嬪たちに美しい花を挿すよう競わせ、帝は自ら白蝶を捕えて放ち、蝶のとまった妃嬪のところに赴いた」。また、妃嬪たちは常に「銭を投げて帝の寝所に誰が侍るのかを賭けた」(『開元天宝遺事』巻上、下)。彼女たちの苦痛を想像することができる。

「長門(妃嬪の住む宮殿)閉ざし定まりで生を求めず、頭花を焼却し挙を卸却す。玉窓に病臥す 秋雨の下、遥かに聞く別院にて人を喚ぶ声」(王建「長門」)、「早に雨露の翻って相い誤るを知らば、只ら荊の簪を挿して匹夫に嫁したるに」(劉得仁「長門怨」)、「珊瑚の枕上に千行の涙、是れ君を思うにあらず 是れ君を恨むなり」(李紳「長門怨」)等々と詩人に描写されている。唐代の人は「宮怨」「婕妤怨」「長門怨」「昭陽怨」などの類の詩詞を大量に作っており、その大半は詩人が后妃になぞらえて作ったものであるが、じつに的確に后妃たちの苦悶と幽怨の気持とを表している。これらの作品を貴婦人たちの有りもしない苦しみの表現と見なすべきではない。これらには彼女たちの、宮中での不自然な夫婦生活に対する怨み、民間の普通の夫婦に対する憧れがよく表現されている。女性として彼女たちが抱く怨恨と憧憬は、自然の情に合い理にかなっている。

 

 

残酷な生存競争

日常的に危険と不安が潜伏している後宮のなかで、気の弱い者、能力のない者は、ただ唯々諾々と運命に翻弄されるしかなかった。しかし、ちょっと勇敢な者は、他人から運命を左右されることに甘んぜず、自分の力をもって自分の運命を支配し変革しょうとし、さらに進んでは他人をも支配しょうとした。これは高い身分にいることから激発される権力欲ばかりではなかった。彼女たちの特殊な生活環境もまた、彼女たちを一場の激しい 「生存競争」 の只中に投げ入れずにはおかなかったのである。
興慶宮002
 

(改訂版)7毛文錫《巻五12更漏子一首》『花間集』全詩訳注解説213(改Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-6337

毛文錫  更漏子  

春夜闌,春恨切,花外子規啼月。人不見,夢難憑,紅紗一點燈。

偏怨別,是芳節,庭中丁香千結。宵霧散,曉霞輝,梁間雙鷰飛。

(春の夜の時の移り変わり、三春の時、別れてからの時、やがて人が訪ねて来なくなる時、秋の夜の燈火の時、そして庭の丁子が蕾を付け、「同心結」した春が来て、ツバメが軒下に子作りをした。寡婦の情を詠う。)春の盛りの夜の宴、こんな春には恨みが身に染みるもので、春の終わりには交際も断絶する、花の彼方には月に囁く子規が恋しい胸の内を訴える様になきはじめる。訪ねてくるひとのなく、夢のなかで逢追うと思っても、それさえも難しくなる。灯火はただ一つ、紅く戸張に映るだけだ。ひたすらに別れたことを怨みに思っているけれど、いま、最高の季節とである、庭先の丁字の花のように、せっそうをかたくまもっているし、千年さきまでと「同心結」と約束してくれたことを信じている。それでもまた、今日も宵闇の霧は消えさり、朝になれば、朝靄は晴れ、空は輝き始める、ことしもまた、梁のあいだを番の燕がとびかうようになった。

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更漏子

(春の夜の時の移り変わり、三春の時、別れてからの時、やがて人が訪ねて来なくなる時、秋の夜の燈火の時、そして庭の丁子が蕾を付け、「同心結」した春が来て、ツバメが軒下に子作りをした。寡婦の情を詠う。)

春夜闌,春恨切,花外子規啼月。

春の盛りの夜の宴、こんな春には恨みが身に染みるもので、春の終わりには交際も断絶する、花の彼方には月に囁く子規が恋しい胸の内を訴える様になきはじめる。

人不見,夢難憑,紅紗一點燈。

訪ねてくるひとのなく、夢のなかで逢追うと思っても、それさえも難しくなる。灯火はただ一つ、紅く戸張に映るだけだ。

偏怨別,是芳節,庭中丁香千結。

ひたすらに別れたことを怨みに思っているけれど、いま、最高の季節とである、庭先の丁字の花のように、せっそうをかたくまもっているし、千年さきまでと「同心結」と約束してくれたことを信じている。

宵霧散,曉霞輝,梁間雙鷰飛。

それでもまた、今日も宵闇の霧は消えさり、朝になれば、朝靄は晴れ、空は輝き始める、ことしもまた、梁のあいだを番の燕がとびかうようになった。

 

(更漏子【こうろうし】)

春夜闌【たけなわ】にして,春恨 切に,花外にして 子規 月に啼く。

人見ず,夢 憑【たの】み難く,紅紗 一點の燈。

偏【ひとえ】に別れを怨み,是れ芳節,庭中 丁香 千結す。

宵霧 散り,曉霞 輝き,梁間 雙鷰 飛ぶ。

 

 

『更漏子』 現代語訳と訳註

(本文)

更漏子

春夜闌,春恨切,花外子規啼月。

人不見,夢難憑,紅紗一點燈。

偏怨別,是芳節,庭中丁香千結。

宵霧散,曉霞輝,梁間雙鷰飛。

 

(下し文)

(更漏子【こうろうし】)

春夜闌【たけなわ】にして,春恨 切に,花外にして 子規 月に啼く。

人見ず,夢 憑【たの】み難く,紅紗 一點の燈。

偏【ひとえ】に別れを怨み,是れ芳節,庭中 丁香 千結す。

宵霧 散り,曉霞 輝き,梁間 雙鷰 飛ぶ。

 

(現代語訳)

(春の夜の時の移り変わり、三春の時、別れてからの時、やがて人が訪ねて来なくなる時、秋の夜の燈火の時、そして庭の丁子が蕾を付け、「同心結」した春が来て、ツバメが軒下に子作りをした。寡婦の情を詠う。)

春の盛りの夜の宴、こんな春には恨みが身に染みるもので、春の終わりには交際も断絶する、花の彼方には月に囁く子規が恋しい胸の内を訴える様になきはじめる。

訪ねてくるひとのなく、夢のなかで逢追うと思っても、それさえも難しくなる。灯火はただ一つ、紅く戸張に映るだけだ。

ひたすらに別れたことを怨みに思っているけれど、いま、最高の季節とである、庭先の丁字の花のように、せっそうをかたくまもっているし、千年さきまでと「同心結」と約束してくれたことを信じている。

それでもまた、今日も宵闇の霧は消えさり、朝になれば、朝靄は晴れ、空は輝き始める、ことしもまた、梁のあいだを番の燕がとびかうようになった。

 

 

(訳注)

更漏子

(春の夜の時の移り変わり、三春の時、別れてからの時、やがて人が訪ねて来なくなる時、秋の夜の燈火の時、そして庭の丁子が蕾を付け、「同心結」した春が来て、ツバメが軒下に子作りをした。寡婦の情を詠う。)

更漏 夜の時を刻むことをいい、一人寝の寂しさを詠う。

前段は、眠れぬ時を送る孤閏の悲しみを述べ、後段、丁字(チョウジ)の花は愁いが心から離れぬことを表し、番の燕は身の孤独を際上江たせる。ただ、ここに登場する女性は、別れた男がどこに行ったのかだれなのか師の言葉の中から直接的なものは見いだせない。こういう女性は、寵愛を失った女性であること、生活の心配がない女性ということであり、妓女、妓優ではないし、戦争や、兵役で送り出した寡婦でもない、ある時期寵愛を受け、寵愛を失って久しい妃嬪ということであろう。

『花間集』には毛文錫の作が一首収められている。双調四十六字、前段二十三字六句二仄韻二平韻、後段二十三字六句三仄韻二平韻で、3❸❻3③⑤/❸❸❻3③⑤の詞形をとる。

更漏子

春夜闌, 春恨, 花外子規啼。 人不見, 夢難, 紅紗一點

偏怨, 是芳, 庭中丁香千。 宵霧散, 曉霞, 梁間雙鷰

○●○  ○●●  ○●●○○●  ○△●  △△○  ○○●●○

△△●  ●○●  ○△○○○●  ○△●  ●○○  ○△○●○

更漏子という題で、花間集には温庭筠、韋莊、牛嶠、毛文錫、孫光憲、毛熙震などの作が収録されている。

123 更漏子 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-282-5-#36  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2957

『更漏子 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-15-2-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1676

『更漏子 二』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-16-2-#2 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1680

『更漏子 三』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-17-2-#3 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1684

『更漏子 四』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-18-2-#4 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1688

『更漏子 五』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-19-2-#5 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1692

『更漏子 六』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-20-2-#6 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1696

更漏子三首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-325-6-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3172

更漏子三首 其二 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-326-6-#13  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3177

更漏子三首 其三 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-327-6-#14  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3182

 

春夜闌,春恨切,花外子規啼月。

春の盛りの夜の宴、こんな春には恨みが身に染みるもので、春の終わりには交際も断絶する、花の彼方には月に囁く子規が恋しい胸の内を訴える様になきはじめる。

○春夜闌 :①盛春、②深夜、③宴席がたけなわ、④性交の絶頂期 ・春恨:①盛春を過ぎようとするのに待ち人が来ない、②春わずかな間に別れを告げられる ・子規:晩春から初夏にかけて鳴く。

○子規 ホトトギス。晩春から初夏。子規と杜鵜とは別種との説があるが恐らくは同じものであろう。ほととぎす。蜀の望帝の春を思う心は、血を吐いて悲しげになく杜鵑(ホトトギス)に魂を托(たく)した。(そのように、血を吐きながらなく思いである)。
不如帰、杜宇、杜鵑、蜀魂、蜀鳥、杜魄、蜀魄、子規、躑躅。李白【宣城見杜鵑花】蜀國曾聞子規鳥,宣城還見杜鵑
成都に着いた翌年夏に『杜鵑行』を作っている。

杜鵑行 杜甫 成都(2)浣花渓の草堂(2 -16-1)  <379 1 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1831 杜甫詩1000-379-557/1500

杜鵑行 杜甫 成都(2)浣花渓の草堂(2 -16-2)  <379 2 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1835 杜甫詩1000-379-558/1500

766年大暦元年55-2-1 《杜鵑 -#1》 杜甫index-15 杜甫<865ー#1>漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5090

766年大暦元年55-2-2 《杜鵑 -#2》 杜甫index-15 杜甫<865ー#2>漢文委員kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5095

766年大暦元年55-2-3 《杜鵑 -#3》 杜甫index-15 杜甫<865ー#3>漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5100

この三句で早春、盛春、晩春の三春という時間経過を示す。

 

人不見,夢難憑,紅紗一點燈。

訪ねてくるひとのなく、夢のなかで逢追うと思っても、それさえも難しくなる。灯火はただ一つ、紅く戸張に映るだけだ。

○人不見 愛する人の姿のないこと。

○難憑 1 今は夢しか会えず、よりかかる、頼みにする、よりどころとするのが難しい。2 霊がのり移りがたし。つきがたし。

 

偏怨別,是芳節,庭中丁香千結。

ひたすらに別れたことを怨みに思っているけれど、いま、最高の季節とである、庭先の丁字の花のように、せっそうをかたくまもっているし、千年さきまでと「同心結」と約束してくれたことを信じている。

○偏怨別是芳節 今が美しい春の季節であるがため、別離が一層辛い、の意。

○丁香千結 チョウジの花が千々に結び咲く。本句は実景を描くと同時に女性の愁いが千々に結ばれて解けぬことを言う。チョウジの花は、愁いに心が結ばれて解けぬ比喩。

牛嶠「感恩多」其二

自從南浦別,愁見丁香結

近來情轉深,憶鴛衾。

幾度將書托煙鴈,淚盈襟。

淚盈襟,禮月求天,願君知我心。

チョウジの花が開花の崎でも花びらが閉じたようになっていること。愁いに心が結ばれて解けぬ比喩。香の字を用いているのは、チョウジの花を乾燥させたものが薬剤や香辛料として用いられたことによるもの。

 

宵霧散,曉霞輝,梁間雙鷰飛。

それでもまた、今日も宵闇の霧は消えさり、朝になれば、朝靄は晴れ、空は輝き始める、ことしもまた、梁のあいだを番の燕がとびかうようになった。

宵霧は散り,曉霞は輝き,梁間には雙鷰が飛ぶ。

 

 

接賢賓

香韉鏤襜五花驄,春景初融。

流珠噴沫躞蹀,汗血流紅。

少年公子能乘馭,金鑣玉轡瓏璁。

為惜珊瑚鞭不下,驕生百步千蹤。

信穿花,從拂柳,向九陌追風。

 

贊浦子

錦帳添香睡,金鑪換夕薰。

懶結芙蓉帶,慵拖翡翠裙。

正是桃夭柳媚,那堪暮雨朝雲。

宋玉高唐意,裁瓊欲贈君。

 

甘州遍二首

其一

春光好,公子愛閑遊,足風流。

金鞍白馬,雕弓寶劍,紅纓錦襜出長鞦。

花蔽膝,玉銜頭。

尋芳逐勝歡宴,絲竹不曾休。

美人唱,揭調是《甘州》。醉紅樓。

堯年舜日,樂聖永無憂。

 

其二

秋風緊,平磧鴈行低,陣雲齊。

蕭蕭颯颯,邊聲四起,愁聞戍角與征鼙。

青塚北,黑山西。

沙飛聚散無定,往往路人迷。

鐵衣冷,戰馬血沾蹄,破蕃溪。

鳳皇詔下,步步躡丹梯。

 

花間集 毛文錫の作品

虞美人二首其一

虞美人二首其二

酒泉子一首

喜遷鶯一首

贊成功一首

西溪子一首

中興樂一首

更漏子一首

接賢賓一首

贊浦子一首

甘州遍一首

恨二首

恨二首

柳含煙四首其一

柳含煙四首其一

柳含煙四首其一

柳含煙四首其一

醉花間二首

醉花間二首

浣紗溪一首

浣紗溪一首

月宮春一首

戀情深二首

戀情深二首

訴衷情二首

訴衷情二首

應天長一首

何滿子一首

巫山一段雲一首

『花間集』河傳十八首についてⅫ唐五代詞・『花間集』Gs-462--() 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3857

『花間集』河傳十八首について

男の旅立ちを見送った後の女性の悲しみを詠う。果てしない水平線の彼方に去ってゆく男の船を描写し、その行先にはたくさんの雁が居るのに、その雁に「雁書」をたくしてくれない。今では私のことを夢見ることもないのか、おんなは夢でどこまで行けばあの人に会えるのかと問いかける。そして、床は冷たくて再び寝付けず、涙で布団の襟を濡らすことを詠む。「夕陽芳草千里、万里」の語は、実景であると同時に、男が帰って来ないのではないかという女の不安を示す。港にある女の館のものがたり。


2014年3月7日

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韓愈詩 index-5韓愈詩 index-6韓愈詩 index-7韓愈詩 index-8韓愈詩 index-9韓愈詩 index-10
韓愈詩 index-11韓愈詩 index-12韓愈詩 index-13韓愈詩 index-14韓愈詩 index-15韓愈詩 index-16
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魏承班15首 花間集8・9巻鹿虔扆6首 花間集9巻閻選8首 花間集9巻尹鶚6首 花間集9巻毛熙震29首 花間集9・10巻李珣39首 花間集10巻
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『花間集』河傳十八首についてⅫ唐五代詞・『花間集』Gs-462--()  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3857


花間集  河傳 詞十八首
        
 1溫助教庭筠河傳三首 温庭筠66首 花間集1・2巻  
 3韋相莊河傳三首 韋莊47首 花間集二巻  
 6張舍人泌河傳二首 張泌27首 花間集四巻  
 11顧太尉河傳三首 顧夐56首 花間集6・7巻  
 12孫少監光憲河傳四首 孫光憲47首 花間集7・8巻  
 15閻處士選河傳一首 閻選8首 花間集9巻  
 18李秀才珣河傳二首 李珣39首 花間集10巻  
        


               
               
  1 溫助教庭筠 河傳三首   温庭筠66首 花間集1・2巻    
    河傳三首  温庭筠   二巻    
  59 其一          
    江畔,相喚。   
曉妝仙,仙景箇女採蓮。   
請君莫向那岸邊,少年,好花新滿舡。   
紅袖搖曳逐風暖,垂玉腕,腸向柳絲斷。   
浦南歸,浦北歸,莫知,晚來人已稀。  
    『河傳』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-49-2-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1812  
  60 其二     二巻    
    湖上,閑望。   
雨蕭蕭,煙浦花橋路遙。   
謝娘翠娥愁不消,終朝,夢魂迷晚潮。   
蕩子天涯歸棹遠,春已晚,鶯語空腸斷。   
若耶溪,溪水西,柳堤,不聞郎馬嘶。   
●未掲載  
  61 其三     二巻    
    同伴,相喚。   
杏花稀,夢裡每愁依違。   
仙客一去鷰已飛,不歸,淚痕空滿衣。   
天際雲鳥引晴遠,春已晚,煙靄渡南苑。   
雪梅香,柳帶長,小娘,轉令人意傷。   
●未掲載  
               
  3 韋相莊 河傳三首   韋莊47首 花間集二巻    
    河傳三首    韋莊    
  26 其一     三巻    
    何處,煙雨,隋堤春暮。   
柳色葱蘢,畫橈金縷,翠旗高颭香風,水光融。   
青娥殿腳春粧媚,輕雲裡,綽約司花妓。   
江都宮闕,清淮月映迷樓,古今愁。  
    105 河傳 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-286-5-#40  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2977  
  27 其二     三巻    
    春晚,風暖,錦城花滿。   
狂殺遊人,玉鞭金勒,尋勝馳驟輕塵,惜良晨。   
翠娥爭勸臨邛酒,纖纖手,拂面垂絲柳。   
歸時煙裏,鐘皷正是黃昏,暗銷魂。  
    106 河傳三首 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-287-5-#41  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2982  
  28 其三     三巻    
    錦浦,春女,繡衣金縷。   
霧薄雲輕,花深柳暗,時節正是清明,雨初晴。   
玉鞭魂斷煙霞路,鶯鶯語,一望巫山雨。   
香塵隱映,遙見翠檻紅樓,黛眉愁。  
    107 河傳三首 其三 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-288-5-#42  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2987  
               
  6 張舍人泌 河傳二首   張泌27首 花間集四巻    
               
    河傳二首   張泌    
  13 其一     四巻    
    渺莽雲水,惆悵暮帆,去程迢遞。   
夕陽芳艸,千里萬里,鴈聲無限起。   
夢魂悄斷煙波裡,心如醉。   
相見何處是,錦屏香冷無睡,被頭多少淚。  
    河傳 二首之一 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-350-7-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3297  
  14 其二     四巻    
    紅杏,交枝相映,密密濛濛。   
一庭濃豔倚東風,香融,透簾櫳。   
斜陽似共春光語,蝶爭舞,更引流鶯妬。   
魂銷千片玉樽前,神仙,瑤池醉暮天。  
    河傳 二首之二 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-351-7-#13  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3302  
               
  11 顧太尉敻 河傳三首   顧夐56首 花間集6・7巻    
    河傳三首          
    其一
鷰颺,晴景。
小䆫屏暖,鴛鴦交頸。
菱花掩卻翠鬟欹,慵整。海棠簾外影。
繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。
東風,春正濃。
愁紅,淚痕衣上重。  
    其二
曲檻,春晚。
碧流紋細,綠楊絲軟,露花,鮮杏,枝繁鶯囀,野蕪似剪。
直是人間到天上,堪遊賞,醉眼疑屏障,對池塘,惜韶光,斷腸為花須盡狂。  
    其三
棹舉,舟去,波光渺渺,不知何處,岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。
天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰說。
倚蘭橈,無憀。
魂消,小爐香欲焦。  
               
  12 孫少監光憲 河傳四首   孫光憲47首 花間集7・8巻    
    河傳四首        
    其一
太平天子,等閑遊戲,疏河千里。
柳如絲,隈倚淥波春水,長淮風不起。
如花殿腳三千女,爭雲雨,何處留人住?
錦帆風,煙際紅,燒空,魂迷大業中。  
    其二
柳拖金縷,着煙籠霧,濛濛落絮。
鳳皇舟上楚女,妙舞,雷喧波上皷。
龍爭虎戰分中土,人無主,桃葉江南渡。
襞花牋,豔思牽。
成篇,官娥相與傳。  
    其三
花落,煙薄,謝家池閣。
寂寞春深,翠蛾輕斂意沉吟。
沾襟,無人知此心。
玉鑪香斷霜灰冷,簾鋪影,梁鷰歸紅杏。
晚來天,空悄然。
孤眠,枕檀雲髻偏。  
    其四   
風颭,波斂。   
團荷閃閃,珠傾露點。   
木蘭舟上,何處吳娃越豔,藕花紅照臉。   
大堤狂殺襄陽客,煙波隔,渺渺湖光白。   
身已歸,心不歸。   
斜暉,遠汀鸂鶒飛。  
               
  15 閻處士選 河傳一首   閻選8首 花間集9巻    
    河傳 一首        
    秋雨,秋雨,無晝無夜,滴滴霏霏。
暗燈涼簟怨分離,妖姬,不勝悲。
西風稍急喧䆫竹,停又續,膩臉懸雙玉。
幾迴邀約鴈來時,違期,鴈歸,人不歸。  
               
  18 李秀才珣 河傳二首   李珣39首 花間集10巻    
   河傳二首  
   其一
去去,何處?迢迢巴楚,山水相連。
朝雲暮雨,依舊十二峯前,猿聲到客舡。
愁腸豈異丁香結?因離別,故國音書絕。
想佳人花下,對明月春風,恨應同。  
   其二
春暮,微雨。送君南浦,愁斂雙蛾。
落花深處,啼鳥似逐離歌,粉檀珠淚和。
臨流更把同心結,情哽咽,後會何時節?
不堪迴首,相望已隔汀洲,艣聲幽。  
               





魚玄機55021

13-8《 河傳三首 其二 》顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集」Gs-460-13-(8) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3847

《河傳三首其二》こんなことが人の世の中のことが天上の出来事であるならまだしも、遊び事であり、鑑賞されることには耐えられない。富貴の者は酔いつぶれた眼でいる。屏風や障子や幔幕で仕切られていることを疑いたくもなる。それは池の端の堤の所での事である。これほどのうららかな春の光の中での出来事は人間として惜しむべきことであり、花が咲けば咲くほどに思いは切なく下腹が痛くなるほどせつなく、何もかも全てのこと、ことごとくのものが狂っているとしか思えない。


2014年3月5日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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●花間集全詩●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor13-8《 河傳三首 其二 》顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集」Gs-460-13-(8) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3847
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杜甫全詩韓愈全詩李白全集文選古詩源花間集

 

13-8 河傳三首 其二 》顧太尉(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集」Gs-460-13-(8)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3847

 

花間集  河傳 詞十八首
        
 1溫助教庭筠河傳三首 温庭筠66首 花間集1・2巻  
 3韋相莊河傳三首 韋莊47首 花間集二巻  
 6張舍人泌河傳二首 張泌27首 花間集四巻  
 11顧太尉河傳三首 顧夐56首 花間集6・7巻  
 12孫少監光憲河傳四首 孫光憲47首 花間集7・8巻  
 15閻處士選河傳一首 閻選8首 花間集9巻  
 18李秀才珣河傳二首 李珣39首 花間集10巻  
        
  

 

河傳三首 其一

(水辺の娼屋の女が帰ってこない男を思って詠う。)(河を題材にした悲しい三つの逸話 其の一)

鷰颺,晴景。

燕が舞い上がる季節が訪れ、春の盛りの景色、花が輝き鮮やかな景色になる。

屏暖,鴛鴦交頸。

小さな高い窓に日が射し、閨も暖かくなり、中庭内も暖かくなってくる、そこには鴛鴦が頭を交わして喜んでいる。

菱花掩卻翠鬟欹,慵整。海棠簾外影。

菱の花の簪が覆っている緑の黒髪を書き上げ耳をそばだて、物憂げに整えると、海棠の花が簾越しに、日が射し影を落とす。

繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。

刺繍のとばりにお香が断たれ、金糸の鸂鶒が残される。それからは音沙汰亡くなってしまった、心に思い浮かべることでもその時の事が思い出され、空しく思い出すだけなのだ。

東風,春正濃。

春を知らせる風が吹き始めても、春の色が萌えからまさに緑濃くなっていっても消息は分からない。

愁紅,淚痕衣上重。

その葉が赤く色づいても愁いの思いは続く、涙の後は頬に残り、流れた涙は上衣に重なって残っている。

(河傳三首 其の一)

鷰颺【まいあが】り,景を晴らす。

は、屏は、暖かに,鴛鴦 頸を交わす。

菱花 卻を掩い翠鬟 欹【そばだ】つ,整を慵く。海棠 簾外の影。

繡幃 香斷し 金の鸂鶒【けいちょく】たり,消息無ければ,心事 空しく相い憶う。

東風あるも,春 正に濃ゆ。

紅に愁い,淚痕 衣の上 重る。

 

河傳三首 其二

(水際近くの娼屋の美しい女も富貴の者の愛妾でしかなく、やがては見向きもされない憐れなものであると詠う)

曲檻,春晚。

折れ曲がり奥まったところの水際の高楼に続く欄干に晩春の夕闇が迫っている。

碧流紋細,綠楊絲軟,露花,鮮杏,

翠に澄み切った緩やかな流れに波紋が細やかに広がり、緑に繁るしだれ柳の枝は柔らかに揺れている。花は露をためていて、杏の花が入り鮮やかに咲き誇る。
枝繁鶯囀,野蕪似剪。

枝は茂り鶯は囀る。野の蕪はきれいに成長して切りそろえた様に頭を並べる。

直是人間到天上,堪遊賞,

こんなことが人の世の中のことが天上の出来事であるならまだしも、遊び事であり、鑑賞されることには耐えられない。

醉眼疑屏障,對池塘,

富貴の者は酔いつぶれた眼でいる。屏風や障子や幔幕で仕切られていることを疑いたくもなる。それは池の端の堤の所での事である。

惜韶光,斷腸為花須盡狂。

これほどのうららかな春の光の中での出来事は人間として惜しむべきことであり、花が咲けば咲くほどに思いは切なく下腹が痛くなるほどせつなく、何もかも全てのこと、ことごとくのものが狂っているとしか思えない。

 

(河傳三首 其の二)

曲の檻,春の晚に。

碧の流れ 紋細やかに,綠の楊 絲軟らかに,露の花,鮮やかな杏に,

枝繁り 鶯囀く,野の蕪 剪に似る。

直ちに是れ人間 天上に到り,遊賞に堪える,

醉眼 屏障【びょうしょう】を疑い,池塘に對す,

韶光を惜み,花の為に斷腸し須らく盡く狂う。

 

其三

棹舉,舟去,

波光渺渺,不知何處,

岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。

天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰

倚蘭橈,無憀。

魂消,小爐香欲焦。

 

 

『河傳三首』 現代語訳と訳註

(本文)

河傳三首 其二

曲檻,春晚。

碧流紋細,綠楊絲軟,露花,鮮杏,

枝繁鶯囀,野蕪似剪。

直是人間到天上,堪遊賞,

醉眼疑屏障,對池塘,

惜韶光,斷腸為花須盡狂。

 

(下し文)

(其の二)

曲の檻,春の晚に。

碧の流れ 紋細やかに,綠の楊 絲軟らかに,露の花,鮮やかな杏に,

枝繁り 鶯囀く,野の蕪 剪に似る。

直ちに是れ人間 天上に到り,遊賞に堪える,

醉眼 屏障【びょうしょう】を疑い,池塘に對す,

韶光を惜み,花の為に斷腸し須らく盡く狂う。

 

(現代語訳)

(水際近くの娼屋の美しい女も富貴の者の愛妾でしかなく、やがては見向きもされない憐れなものであると詠う)

折れ曲がり奥まったところの水際の高楼に続く欄干に晩春の夕闇が迫っている。

翠に澄み切った緩やかな流れに波紋が細やかに広がり、緑に繁るしだれ柳の枝は柔らかに揺れている。花は露をためていて、杏の花が入り鮮やかに咲き誇る。

枝は茂り鶯は囀る。野の蕪はきれいに成長して切りそろえた様に頭を並べる。

こんなことが人の世の中のことが天上の出来事であるならまだしも、遊び事であり、鑑賞されることには耐えられない。

富貴の者は酔いつぶれた眼でいる。屏風や障子や幔幕で仕切られていることを疑いたくもなる。それは池の端の堤の所での事である。

これほどのうららかな春の光の中での出来事は人間として惜しむべきことであり、花が咲けば咲くほどに思いは切なく下腹が痛くなるほどせつなく、何もかも全てのこと、ことごとくのものが狂っているとしか思えない。

 

roudai112
 

(訳注)

河傳三首

『花間集』には顧夐の作が三首収められている。双調五十一字、前段二十五字六句五仄韻、後段二十六字六句五仄韻で、❹❻❷❺❼❸❺❷❺の詞形をとる。

美女画555
 

其二

(水際近くの娼屋の美しい女も富貴の者の愛妾でしかなく、やがては見向きもされない憐れなものであると詠う)

 

 

曲檻,春晚。

折れ曲がり奥まったところの水際の高楼に続く欄干に晩春の夕闇が迫っている。

 

碧流紋細,綠楊絲軟,露花,鮮杏,

翠に澄み切った緩やかな流れに波紋が細やかに広がり、緑に繁るしだれ柳の枝は柔らかに揺れている。花は露をためていて、杏の花が入り鮮やかに咲き誇る。

○詩題の『河傳』の水際の高楼の盛春から晩春にかけての景色を述べる。この事によって妓女の盛りを過ぎることを連想させる。

 

枝繁鶯囀,野蕪似剪。

枝は茂り鶯は囀る。野の蕪はきれいに成長して切りそろえた様に頭を並べる。

○此の二句は富貴の男が幾人の女を侍らせていること、春の宴、行楽において美女を並べたことをいう。富貴の者が美人を集めて愛妾にして行く。それをあっせん商売にしているものがいることがうかがえる。

 

直是人間到天上,堪遊賞,

こんなことが人の世の中のことが天上の出来事であるならまだしも、遊び事であり、鑑賞されることには耐えられない。

 

醉眼疑屏障,對池塘,

富貴の者は酔いつぶれた眼でいる。屏風や障子や幔幕で仕切られていることを疑いたくもなる。それは池の端の堤の所での事である。

 

惜韶光,斷腸為花須盡狂。

これほどのうららかな春の光の中での出来事は人間として惜しむべきことであり、花が咲けば咲くほどに思いは切なく下腹が痛くなるほどせつなく、何もかも全てのこと、ことごとくのものが狂っているとしか思えない。

○韶光 うららかな春の光。また、のどかな春景色。

腸斷 セックスに満たされぬ思いを言う場合に断腸という語になる。心に思うことは別の語。

温庭筠『酒泉子 (一)』

羅帶惹香,猶系別時紅豆。

淚痕新,金縷舊,斷離腸。

一雙嬌燕語雕梁,還是去年時節。

綠陰濃,芳草歇,柳花狂。

『酒泉子』四首(一)温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-21-3-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1700

李商隠『落花』

高閣客竟去、小園花亂飛。

参差連曲陌、迢遞送斜暉。

腸斷未忍掃、眼穿仍欲稀。

芳心向春盡、所得是沾衣。

高閣 客 竟に去る、小園 花 亂飛す。

参差(しんし)として 曲陌に連なり、迢遞として斜暉を送る。

腸斷れて未だ掃うに忍ばず、眼穿てば 仍 稀ならんと欲す。

芳心 春盡くるに向かい、得る所は 是れ 衣を沾すのみ。

落花 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集-92
茶苑


花間集  河傳 詞十八首
        
 1溫助教庭筠河傳三首 温庭筠66首 花間集1・2巻  
 3韋相莊河傳三首 韋莊47首 花間集二巻  
 6張舍人泌河傳二首 張泌27首 花間集四巻  
 11顧太尉河傳三首 顧夐56首 花間集6・7巻  
 12孫少監光憲河傳四首 孫光憲47首 花間集7・8巻  
 15閻處士選河傳一首 閻選8首 花間集9巻  
 18李秀才珣河傳二首 李珣39首 花間集10巻  
        

13-7《 河傳三首 其一 》顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集」Gs-459-13-(7) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3842

顧夐《 河傳三首 其一 刺繍のとばりにお香が断たれ、金糸の鸂鶒が残される。それからは音沙汰亡くなってしまった、心に思い浮かべることでもその時の事が思い出され、空しく思い出すだけなのだ。春を知らせる風が吹き始めても、春の色が萌えからまさに緑濃くなっていっても消息は分からない。その葉が赤く色づいても愁いの思いは続く、涙の後は頬に残り、流れた涙は上衣に重なって残っている。


2014年3月4日

の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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張平子(張衡)《西京賦》(21)(甘泉官)#9-2 文選 賦<114―(21)>31分割68回 Ⅱ李白に影響を与えた詩1058 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3838
孟浩然 詩 index李白詩index謝霊運 詩 index司馬相如 《 子虛賦 ・上林賦 》揚雄 《 甘泉賦 》 ●諸葛亮(孔明)出師表
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《遊西林寺題蕭二兄郎中舊堂〔自注:蕭兄有女出家。〕 》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <971>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3839韓愈詩-264
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杜甫詩 作時(1) 青年李白杜甫詩 作時(2)青年期・就活杜甫詩 (3)755~756安史の乱に彷徨杜甫詩 (4)作時757年;至徳二年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺杜甫詩 (5)作時758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷内疎外、左遷杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 
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花間集  河傳 詞十八首
        
 1溫助教庭筠河傳三首 温庭筠66首 花間集1・2巻  
 3韋相莊河傳三首 韋莊47首 花間集二巻  
 6張舍人泌河傳二首 張泌27首 花間集四巻  
 11顧太尉河傳三首 顧夐56首 花間集6・7巻  
 12孫少監光憲河傳四首 孫光憲47首 花間集7・8巻  
 15閻處士選河傳一首 閻選8首 花間集9巻  
 18李秀才珣河傳二首 李珣39首 花間集10巻  
        

河傳三首 其一

(水辺の娼屋の女が帰ってこない男を思って詠う。)(河を題材にした悲しい三つの逸話 其の一)

鷰颺,晴景。

燕が舞い上がる季節が訪れ、春の盛りの景色、花が輝き鮮やかな景色になる。

屏暖,鴛鴦交頸。

小さな高い窓に日が射し、閨も暖かくなり、中庭内も暖かくなってくる、そこには鴛鴦が頭を交わして喜んでいる。

菱花掩卻翠鬟欹,慵整。海棠簾外影。

菱の花の簪が覆っている緑の黒髪を書き上げ耳をそばだて、物憂げに整えると、海棠の花が簾越しに、日が射し影を落とす。

繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。

刺繍のとばりにお香が断たれ、金糸の鸂鶒が残される。それからは音沙汰亡くなってしまった、心に思い浮かべることでもその時の事が思い出され、空しく思い出すだけなのだ。

東風,春正濃。

春を知らせる風が吹き始めても、春の色が萌えからまさに緑濃くなっていっても消息は分からない。

愁紅,淚痕衣上重。

その葉が赤く色づいても愁いの思いは続く、涙の後は頬に残り、流れた涙は上衣に重なって残っている。

(河傳三首 其の一)

鷰颺【まいあが】り,景を晴らす。

は、屏は、暖かに,鴛鴦 頸を交わす。

菱花 卻を掩い翠鬟 欹【そばだ】つ,整を慵く。海棠 簾外の影。

繡幃 香斷し 金の鸂鶒【けいちょく】たり,消息無ければ,心事 空しく相い憶う。

東風あるも,春 正に濃ゆ。

紅に愁い,淚痕 衣の上 重る。

海棠花05
 

其二

曲檻,春晚。

碧流紋細,綠楊絲軟,露花,鮮杏,

枝繁鶯囀,野蕪似剪。

直是人間到天上,堪遊賞,

醉眼疑屏障,對池塘,

惜韶光,斷腸為花須盡狂。

 

其三

棹舉,舟去,

波光渺渺,不知何處,

岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。

天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰

倚蘭橈,無憀。

魂消,小爐香欲焦。

 

杏の花0055
 

『河傳三首』 現代語訳と訳註

(本文)

河傳三首 其一

鷰颺,晴景。

屏暖,鴛鴦交頸。

菱花掩卻翠鬟欹,慵整。海棠簾外影。

繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。

東風,春正濃。

愁紅,淚痕衣上重。

 

(下し文)

(河傳三首 其の一)

鷰颺【まいあが】り,景を晴らす。

は、屏は、暖かに,鴛鴦 頸を交わす。

菱花 卻を掩い翠鬟 欹【そばだ】つ,整を慵く。海棠 簾外の影。

繡幃 香斷し 金の鸂鶒【けいちょく】たり,消息無ければ,心事 空しく相い憶う。

東風あるも,春 正に濃ゆ。

紅に愁い,淚痕 衣の上 重る。

 

(現代語訳)

(水辺の娼屋の女が帰ってこない男を思って詠う。)(河を題材にした悲しい三つの逸話 其の一)

燕が舞い上がる季節が訪れ、春の盛りの景色、花が輝き鮮やかな景色になる。

小さな高い窓に日が射し、閨も暖かくなり、中庭内も暖かくなってくる、そこには鴛鴦が頭を交わして喜んでいる。

菱の花の簪が覆っている緑の黒髪を書き上げ耳をそばだて、物憂げに整えると、海棠の花が簾越しに、日が射し影を落とす。

刺繍のとばりにお香が断たれ、金糸の鸂鶒が残される。それからは音沙汰亡くなってしまった、心に思い浮かべることでもその時の事が思い出され、空しく思い出すだけなのだ。

春を知らせる風が吹き始めても、春の色が萌えからまさに緑濃くなっていっても消息は分からない。

その葉が赤く色づいても愁いの思いは続く、涙の後は頬に残り、流れた涙は上衣に重なって残っている。

 海棠花021

 

(訳注)

河傳三首

『花間集』には顧夐の作が三首収められている。双調五十一字、前段二十五字六句五仄韻、後段二十六字六句五仄韻で、2❼❷❼❸❺❷❸❷❺の詞形をとる。

河傳三首 其の一

(水辺の娼屋の女が帰ってこない男を思って詠う。)(河を題材にした悲しい三つの逸話 其の一)

 

鷰颺,晴景。

燕が舞い上がる季節が訪れ、春の盛りの景色、花が輝き鮮やかな景色になる。

颺 風で舞い上がる.

 

屏暖,鴛鴦交頸。

小さな高い窓に日が射し、閨も暖かくなり、中庭内も暖かくなってくる、そこには鴛鴦が頭を交わして喜んでいる。

 

菱花掩卻翠鬟欹,慵整。海棠簾外影。

菱の花の簪が覆っている緑の黒髪を書き上げ耳をそばだて、物憂げに整えると、海棠の花が簾越しに、日が射し影を落とす。

慵 1 なんとなく心が晴れ晴れしない。だるくておっくうである。2 苦しい。つらい。

 

繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。

刺繍のとばりにお香が断たれ、金糸の鸂鶒が残される。それからは音沙汰亡くなってしまった、心に思い浮かべることでもその時の事が思い出され、空しく思い出すだけなのだ。

○鸂鶒(オシドリに似た水鳥)が描かれている。オスは凛とした様子で岸辺に立ち、メスは地面に伏せている。風に揺れるガマの葉、枯れて萎びた蓮、水面にうっすらと影が映っていることを連想させる。

 

東風,春正濃。

春を知らせる風が吹き始めても、春の色が萌えからまさに緑濃くなっていっても消息は分からない。

 

愁紅,淚痕衣上重。

その葉が赤く色づいても愁いの思いは続く、涙の後は頬に残り、流れた涙は上衣に重なって残っている。
海棠花04
 

11 -13 獻衷心一首 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-423-11-#13  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3662

歐陽炯≪獻衷心一首≫ あの人との情事が未だ終わっていないときでしたが心は通い合っておりました。脱ぎ捨てた衣でいっぱいの閨にはそれでもなお、自分自身で檀の葉が紅く色づいていたのです。


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11 -13 獻衷心一首 歐陽舍人炯十七首Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-423-11-#13   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3662

 

 

1 浣渓沙 三首 其一 欧陽烱
2 浣渓沙 三首 其二 欧陽烱
3 浣渓沙 三首 其三 欧陽烱
4 三字令 欧陽烱
5 子八首 其一 欧陽烱
6 子八首 其二 欧陽烱
7 子八首 其三 欧陽烱
8 子八首 其四 欧陽烱
9 子八首 其五 欧陽烱
10 子八首 其六 欧陽烱
11 子八首 其七 欧陽烱
12 子八首 其八 欧陽烱
13 獻衷心一首 欧陽烱
14 賀明朝二首 其一 欧陽烱
15 賀明朝二首 其二 欧陽烱
16 江城子一首 欧陽烱
17 鳳樓春一首 欧陽烱

獻衷心

(春が来て楽しい日々を暮らしそれが秋まで続いた、仲秋の日に棄てられそれっきりになってしまった女を詠う。)

見好花顏色,爭笑東風。

若い花のようなはちきれんばかりの赤く染まった顔を見るのがとても好きで、春風の吹くころには笑い声が絶えなかったのです。

雙臉上,晚粧同。

両のまぶたの上には夜の化粧をいつもと同じようにするのです
閑小樓深閣,春景重重。

奥まったところの高閣には、春の景色がいっぱいであり、その上に春の様相、行事と重なって華やかな暮らしのなかにも静かな離れの小さな楼閣のくらしがあるのです。
三五夜,偏有恨,月明中。

それは仲秋まで続き、十五夜の夜のこと、ひたすらに恨みに思うことがありました。それは月が明るく真上の上がった真夜中のことです。
情未已,信曾通,滿衣猶自染檀紅。

あの人との情事が未だ終わっていないときでしたが心は通い合っておりました。脱ぎ捨てた衣でいっぱいの閨にはそれでもなお、自分自身で檀の葉が紅く色づいていたのです。
恨不如雙鷰,飛舞簾櫳。

恨んでいるのは、ツガイの燕のようにしてくれなくなったことで、飛び交い、舞いを舞うのもこの閨の簾にかこまれたところだけに限られていることなのです。

春欲暮,殘絮盡,柳條空。

やがて春も過ぎようとする頃には、残った柳絮もことごとく飛んで行ってしまい、柳の枝でまた会う約束をしていてもそれは空しい思いに変わってしまったのです。


献衷心【けんそうしん】

見好し 花顏の色を,東風に笑うを爭う。

雙臉の上に,晚粧 同じゅうす。

小樓を閑かにし閣を深くす,春景 重重たり。

三五の夜,偏えに恨有り,月は明るく中なり。

情 未だ已まず,信 曾通し,滿衣 猶お自ら檀紅に染る。

雙鷰の如からずを恨み,飛舞すは簾櫳のみ。

春も暮んと欲せば,殘絮 盡くし,柳條 空し。
 
≪参考≫ 

獻衷心  顧夐

繡鴛鴦帳暖,畫孔雀屏欹。

人悄悄,月明時,想昔年懽笑,恨今日分離。

銀釭背,銅漏永,阻佳期。

小樓煙細,虛閣簾垂。

幾多心事,暗地思惟。

被嬌娥牽役,魂夢如癡。

金閨裡,山枕上,始應知。


木蓮001
 

『獻衷心』 現代語訳と訳註

(本文)

獻衷心

見好花顏色,爭笑東風。

雙臉上,晚粧同。

閑小樓深閣,春景重重。

三五夜,偏有恨,月明中。

情未已,信曾通,滿衣猶自染檀紅。

恨不如雙鷰,飛舞簾櫳。

春欲暮,殘絮盡,柳條空。

 

(下し文)

献衷心【けんそうしん】

見好し 花顏の色を,東風に笑うを爭う。

雙臉の上に,晚粧 同じゅうす。

小樓を閑かにし閣を深くす,春景 重重たり。

三五の夜,偏えに恨有り,月は明るく中なり。

情 未だ已まず,信 曾通し,滿衣 猶お自ら檀紅に染る。

雙鷰の如からずを恨み,飛舞すは簾櫳のみ。

春も暮んと欲せば,殘絮 盡くし,柳條 空し。

 

(現代語訳)

(春が来て楽しい日々を暮らしそれが秋まで続いた、仲秋の日に棄てられそれっきりになってしまった女を詠う。)

若い花のようなはちきれんばかりの赤く染まった顔を見るのがとても好きで、春風の吹くころには笑い声が絶えなかったのです。

両のまぶたの上には夜の化粧をいつもと同じようにするのです

 

奥まったところの高閣が、春の景色がいっぱいであり、その上に春の様相、行事と重なって華やかな暮らしのなかにも静かな離れの小さな楼閣のくらしがあるのです。

それは仲秋まで続き、十五夜の夜のこと、ひたすらに恨みに思うことがありました。それは月が明るく真上の上がった真夜中のことです。

あの人との情事が未だ終わっていないときでしたが心は通い合っておりました。脱ぎ捨てた衣でいっぱいの閨にはそれでもなお、自分自身で檀の葉が紅く色づいていたのです。

恨んでいるのは、ツガイの燕のようにしてくれなくなったことで、飛び交い、舞いを舞うのもこの閨の簾にかこまれたところだけに限られていることなのです。

やがて春も過ぎようとする頃には、残った柳絮もことごとく飛んで行ってしまい、柳の枝でまた会う約束をしていてもそれは空しい思いに変わってしまったのです。
 

(訳注)

獻衷心

唐の教坊の曲名。『花間集』には二首所収。欧陽烱の作が一首、古径の作が収められている。六十四字、単調九平韻である。

前半三十三字、後半三十一字、三字句が多く可愛らしさを陰僧都蹴るものである。(5④ ③③ ④ 33③ / 3③⑦ 5④ 33③)33 31

 

獻衷心一首

(春が来て楽しい日々を暮らしそれが秋まで続いた、仲秋の日に棄てられそれっきりになってしまった女を詠う。)

詩は物語のようで、若いころには、女のもとに足しげく来て一緒に過ごしていたものが、女が年を取ると〔この頃は二十代中盤を過ぎること〕見限られてしまったことを云う。おんなを檀の実に喩えて詠っている。

 

見好花顏色,爭笑東風。

若い花のようなはちきれんばかりの赤く染まった顔を見るのがとても好きで、春風の吹くころには笑い声が絶えなかったのです。

李白『宮中行樂詞八首 其五』「繡香風暖。 紗窗曙色新。 宮花爭笑日。 池草暗生春。 綠樹聞歌鳥。 青樓見舞人。 昭陽桃李月。 羅綺自相親。」

宮中行樂詞八首其五 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白146

 

雙臉上,晚粧同。

両のまぶたの上には夜の化粧をいつもと同じようにするのです

 

閑小樓深閣,春景重重。

奥まったところの高閣には、春の景色がいっぱいであり、その上に春の様相、行事と重なって華やかな暮らしのなかにも静かな離れの小さな楼閣のくらしがあるのです。

 

三五夜,偏有恨,月明中。

それは仲秋まで続き、十五夜の夜のこと、十五夜の夜のこと、ひたすらに恨みに思うことがありました。それは月が明るく真上の上がった真夜中のことです。

 

情未已,信曾通,滿衣猶自染檀紅。

あの人との情事が未だ終わっていないときでしたが心は通い合っておりました。脱ぎ捨てた衣でいっぱいの閨にはそれでもなお、自分自身で檀の葉が紅く色づいていたのです。

○檀 ニシキギ科の落葉低木。山野に生え、葉は楕円形で、対生。雌雄異株。晩春に黄緑色の小さな4弁花が咲いて、枝にびっしり実をつけ、秋になると淡紅色に熟して四つに割れた実から真っ赤な皮におおわれた種子がぶらさがり、葉が散ったあとも枝に残る。初夏、緑白色の小花が集まって咲き、果実はほぼ四角形で、熟すと四つに裂けて赤い種子が現れる。古くは材で弓を作った。やまにしきぎ。かわくまつづら。《季 花=夏 実=秋》ここは、女性の性器を表現しているということは、満足できず、中途半端で帰っていったことを示す。十分な満足というのは、夜を共にして夜明け前に帰ることを言う。

檀の実00
 

恨不如雙鷰,飛舞簾櫳。

恨んでいるのは、ツガイの燕のようにしてくれなくなったことで、飛び交い、舞いを舞うのもこの閨の簾にかこまれたところだけに限られていることなのです。

○簾櫳 この頃の女性は自分だけで、どこかに出ることはできなかったのである。通い婚が基本であり、男が通ってくれなければ籠の鳥なのである。ここは、閨の四方にに架けられた、簾によってそこから出ることも、楽しいこともなくなったことを示す。

 

春欲暮,殘絮盡,柳條空。

やがて春も過ぎようとする頃には、残った柳絮もことごとく飛んで行ってしまい、柳の枝でまた会う約束をしていてもそれは空しい思いに変わってしまったのです。

○殘絮 春の盛りに柳絮が飛び交うころになると、いつも柳絮が飛ぶ春には女のもとに来てくれていた。その柳絮もあとわずかしか残っていない春も終わろうとしている。そういった思いを残●●という。

○柳條 柳は男性を意味し、枝が揺れるのをセックスに喩える。柳は柳枝詩にいう別れる時のおまじないを象徴するもので、柳の枝を見て男を思い浮かべ、別れる時の約束を思い浮かべるという意味になる。
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10 -4 酒泉子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-401-10-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3552

牛希濟≪酒泉子≫ 逢いに来てくれないので夢のなかで一緒に話し、過ごすだけなのです、それでもあのひとのことをおもいだして過ごすだけの毎日なのです。か細くたおやかな手でふた筋の涕の後を拭い取ってもあとから流れて消えることがないのです。
 

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10 -4 酒泉子一首 牛學士希濟(牛希濟)Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-401-10-#4   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3552


      
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 4五巻10 -4 酒泉子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-401-10-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3552牛希濟 
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 8五巻10 -8 臨江仙七首其四 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-405-10-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3572牛希濟 
 9五巻10 -9 臨江仙七首其五 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-406-10-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3577牛希濟 
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酒泉子

(女性の孤閏の悲しみを詠う。)

枕轉簟涼,清曉遠鐘殘夢。

閨の寝牀に横になると、プレゼントの高級な簟の敷物の上なのでとても涼やかで快適です。別れの日の朝未だ来の空に遠くで五更の鐘が響いてきます。それでも愛する人と一緒の夢を見ていたいとおもうのです。

月光斜、簾影動,舊鑪香。

名残の月は傾いて月影を落とし、眠れぬ夜、うとうとする間に簾の陰もさびしく動くだけ、これまでずっと一緒に楽しんでいた香炉にも香が消えそうでもいいのです。

夢中盡相思事,纖手勻雙淚。

逢いに来てくれないので夢のなかで一緒に話し、過ごすだけなのです、それでもあのひとのことをおもいだして過ごすだけの毎日なのです。か細くたおやかな手でふた筋の涕の後を拭い取ってもあとから流れて消えることがないのです。

去年書,今日意,斷離腸。

去年の書簡をまた読んで、今日は思うことだけしかできません、別れていったあの日過ごしたことが思い出されて心は苦しく悶えて腸がはち切れそうなのです。

 

 

『酒泉子一首』 現代語訳と訳註

(本文) 酒泉子

枕轉簟涼,清曉遠鐘殘夢。

月光斜、簾影動,舊鑪香。

夢中盡相思事,纖手勻雙淚。

去年書,今日意,斷離腸。

 

(下し文)

(酒泉子)

枕轉し簟涼し,清曉の遠鐘 夢を殘す。

月光 斜にして、簾影 動く,舊鑪の香。

夢中の 盡く相いに事を思い,纖手 雙淚を勻う。

去年の書,今日の意,離れしこと腸を斷つがごとし。

 

(現代語訳)

(女性の孤閏の悲しみを詠う。)

閨の寝牀に横になると、プレゼントの高級な簟の敷物の上なのでとても涼やかで快適です。別れの日の朝未だ来の空に遠くで五更の鐘が響いてきます。それでも愛する人と一緒の夢を見ていたいとおもうのです。

名残の月は傾いて月影を落とし、眠れぬ夜、うとうとする間に簾の陰もさびしく動くだけ、これまでずっと一緒に楽しんでいた香炉にも香が消えそうでもいいのです。

逢いに来てくれないので夢のなかで一緒に話し、過ごすだけなのです、それでもあのひとのことをおもいだして過ごすだけの毎日なのです。か細くたおやかな手でふた筋の涕の後を拭い取ってもあとから流れて消えることがないのです。

去年の書簡をまた読んで、今日は思うことだけしかできません、別れていったあの日過ごしたことが思い出されて心は苦しく悶えて腸がはち切れそうなのです。

魚玄機0005

 

(訳注)

酒泉子一首

『花間集』には牛希濟の作は一首収められている。双調四十三字、前段二十字五句二平韻二仄韻、後段二十三字五句二平韻で、④❼3❸③/⑦733③の詞形をとる。

花間集 『酒泉子』

溫助教庭筠

酒泉子四首

韋相莊

酒泉子一首

牛嶠(牛給事嶠)

酒泉子一首

張舍人泌

酒泉子二

毛文錫(毛司徒文錫)

酒泉子一首

牛學士希濟

酒泉子一首

(顧太尉

酒泉子七首

孫少監光憲

酒泉子三首

毛秘書熙震

酒泉子二首

李秀才珣

酒泉子四首

 

牛學士希濟           酒泉子一首

(女性の孤閏の悲しみを詠う。)

末尾の、「去年書,今日意,斷離腸」と、女性の孤独を際立たせている。

 

 

 

 

枕轉簟涼,清曉遠鐘殘夢。

閨の寝牀に横になると、プレゼントの高級な簟の敷物の上なのでとても涼やかで快適です。別れの日の朝未だ来の空に遠くで五更の鐘が響いてきます。それでも愛する人と一緒の夢を見ていたいとおもうのです。

簟涼 竹または葦で編んだ敷き物。夏期ベッドの上に敷いて涼をとるシーツに似た寝具で、竹を編んで作る。夏はその上に寝ると、涼しい。立派な高級品である。ここは、春から夏を過ぎようとする頃まで愛し合ったという意味でこの語を使う。

『酬李學士寄簟』「珍簟新鋪翡翠樓,泓澄玉水記方流。唯應雲扇情相似,同向銀牀恨早秋。」

酬李學士寄簟 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-76--# 804_8 【酬李學士寄簟】魚玄機  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブロ1921

魚玄機『寄飛卿』 「階砌亂蛩鳴,庭柯煙露清。月中鄰樂響,樓上遠山明。珍簟涼風著,瑤琴寄恨生。嵇君懶書劄,底物慰秋情。」

寄飛卿 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-104-39-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2067

清曉 旅に出る、仕事は夜明け前に出発するので、しらじらし始める時間帯を云う。

遠鐘 間もなく夜明けであるという夜の最後の時、五更を知らせる鐘の音。

殘夢 ここでは、二人で過ごす時間を後わずかでも、もう少しでも一緒に過ごしたいということ。夢の名残という場合もあるが、ここは違う。

 

月光斜、簾影動,舊鑪香。

名残の月は傾いて月影を落とし、眠れぬ夜、うとうとする間に簾の陰もさびしく動くだけ、これまでずっと一緒に楽しんでいた香炉にも香が消えそうでもいいのです。

月光斜、簾影動 月が簾越しに入って來る、月が西に傾いて、簾の陰が動くのがわかる。この語で、眠れずに月影を見ているということ。

舊鑪香 ここでいう舊はこれまで二人で使ったという意味で、思い出に浸っている様子をあらわす。

 

夢中盡相思事,纖手勻雙淚。

逢いに来てくれないので夢のなかで一緒に話し、過ごすだけなのです、それでもあのひとのことをおもいだして過ごすだけの毎日なのです。か細くたおやかな手でふた筋の涕の後を拭い取ってもあとから流れて消えることがないのです。

纖手 かぼそくたおやかな女の手。

勻雙淚 ふた筋の涕を手で拭い乾くかと思えば次に涙が流れてまた吹くというさまをいう。

 

去年書,今日意,斷離腸。

去年の書簡をまた読んで、今日は思うことだけしかできません、別れていったあの日過ごしたことが思い出されて心は苦しく悶えて腸がはち切れそうなのです。

去年書,今日意 

斷離腸 別れる日の情事の官職を思い出すことで悶え苦しむことを云う。閨怨詩での「断腸」は心が痛んではらわたがはち切れそうということではなく、性交渉をある期間経験した者が全くそういった接触がなくなったことを云うものということでなければ、詩全体の意味は薄いものになってしまうのだ。

tsuki04

 

溫助教庭筠

酒泉子四首

韋相莊

酒泉子一首

牛嶠(牛給事嶠)

酒泉子一首

張舍人泌

酒泉子

毛文錫(毛司徒文錫)

酒泉子一首

牛學士希濟

酒泉子一首

(顧太尉

酒泉子七首

孫少監光憲

酒泉子三首

毛秘書熙震

酒泉子二首

李秀才珣

酒泉子四首

 

温庭筠

 

酒泉子四首

其一

花映柳條,吹向綠萍池上。

凭闌干,窺細浪,雨蕭蕭。

近來音信兩疎索,洞房空寂寞。

掩銀屏,垂翠箔,度春宵。

 

其二

日映紗窗,金鴨小屏山碧。

春,煙靄隔,背蘭缸。

宿妝惆悵倚高閣,千里雲影薄。

草初齊,花又落,燕雙雙。

 

其三

楚女不歸,樓枕小河春水。

月孤明,風又起,杏花稀。

玉釵斜篸雲鬟髻,裙上金縷鳳。

八行書,千里夢,鴈南飛。

 

其四

羅帶惹香,猶繫別時紅豆。

淚痕新,金縷舊,斷離腸。

一雙嬌燕語彫梁,還是去年時節。

綠陰濃,芳草歇,柳花狂。

 

 

韋荘

 

酒泉子

月落星沉,樓上美人春睡。

綠雲傾,金枕膩,畫屏深。

子規啼破相思夢,曙色東方纔動。

柳煙輕,花露重,思難任。

 

 

牛嶠

 

酒泉子

記得去年,煙暖杏園。

花正發,雪飄香,江艸綠,柳絲長。

鈿車纖手捲簾望,眉學春山樣。

鳳釵低裊翠鬟,落梅粧。

 

張泌

 

酒泉子二首

其一

春雨打,驚夢覺來天氣曉。

畫堂深,紅焰小,背蘭缸。

酒香噴鼻懶開缸,惆悵更無人共醉。

舊巢中,新鷰子,語雙雙。

 

 

其二

紫陌青門,三十六宮春色。

御溝輦路暗相通,杏園風。

咸陽沽酒寶釵空,笑指未央歸去。

插花走馬落殘紅,月明中。

 

 

 

毛文錫

 

酒泉子

綠樹春深,鷰語鶯啼聲斷續。

蕙風飄蕩入芳叢,惹殘紅。

柳絲無力裊煙空,金盞不辭須滿酌。

海棠花下思朦朧,醉香風。

 

 

 

牛希濟

 

酒泉子

枕轉簟涼,清曉遠鐘殘夢。

月光斜、簾影動,舊鑪香。

夢中盡相思事,纖手勻雙淚。

去年書,今日意,斷離腸。

 

 

 

顧夐

 

酒泉子七首

 

其一

楊柳舞風,輕惹春煙殘雨。

杏花愁,鶯正語,畫樓東。

錦屏寂寞思無窮,還是不知消息。

鏡塵生,珠淚滴,損儀容。

 

其二

羅帶縷金,蘭麝煙凝魂斷。

畫屏欹,雲鬢亂,恨難任。

幾迴垂淚滴鴛衾,薄情何處去。

登臨,花滿樹,信沉沉。

 

其三

小檻日斜,風度綠人悄悄。

翠幃閑掩舞雙鸞,舊香寒。

別來情緒轉難判,韶顏看卻老。

依稀粉上有啼痕,暗銷魂。

 

其四

黛薄紅深,約掠綠鬟雲膩。

小鴛鴦,金翡翠,稱人心。

錦鱗無處傳幽意,海鷰蘭堂春又去。

隔年書,千點淚,恨難任。

 

其五

掩卻菱花,收拾翠鈿休上面。

金蟲玉鷰鏁香奩,恨猒猒。

雲鬟半墜懶重篸,淚侵山枕濕。

恨燈背帳夢方酣,鴈飛南。

 

其六

水碧風清,入檻細香紅藕膩。

謝娘斂翠恨無涯,小屏斜。

堪憎蕩子不還家,謾留羅帶結。

帳深枕膩炷沉煙,負當年。

 

其七

黛怨紅羞,掩映畫堂春欲暮。

殘花微雨隔青樓,思悠悠。

芳菲時節看將度,寂寞無人還獨語。

畫羅襦,香粉,不勝愁。

 

 

孫光憲

 

酒泉子三首

其一

空磧無邊,萬里陽關道路。

馬蕭蕭,人去去,隴雲愁。

香貂舊制戎衣窄,胡霜千里白。

綺羅心,魂夢隔,上高樓。

 

其二

曲檻小樓,正是鶯花二月。

思無憀,愁欲,鬱離襟。

展屏空對瀟湘水,眼前千萬里。

淚掩紅,眉斂翠,恨沉沉。

 

其三

斂態前,裊裊雀釵頸。

鷰成雙,鸞對影,耦新知。

玉纖澹拂眉山小,鏡中嗔共照。

翠連娟,紅縹渺,早粧時。

 

 

 

 

毛熙震

 

酒泉子二首

其一

閑臥繡幃,慵想萬般情寵。

錦檀偏,翹股重,翠雲欹。

暮天屏上春山碧,映香煙霧隔。

蕙蘭心,魂夢役,斂蛾眉。

 

其二

鈿匣舞鸞,隱映豔紅脩碧。

月梳斜,雲鬢膩,粉香寒。

曉花微斂輕呵展,裊釵金鷰軟。

日初昇,簾半掩,對殘粧。

 

 

李秀才珣

 

酒泉子四首

其一

寂寞青樓,風觸繡簾珠翠撼。

月朦朧,花暗澹,鏁春愁。

尋思往事依稀夢,淚臉露桃紅色重。

鬢欹蟬。釵墜鳳,思悠悠。

 

其二

雨清花零,紅散香凋池兩岸。

別情遙,春歌斷,掩銀屏。

孤帆早晚離三楚,閑理鈿箏愁幾許?

曲中情,絃上語,不堪聽。

 

其三

秋雨聯綿,聲散敗荷叢裏。

那堪深夜枕前聽,酒初醒。

牽愁惹思更無停,燭暗香凝天欲曉。

細和煙,冷和雨,透簾中。

 

其四

秋月嬋娟,皎潔碧紗外。

照花穿竹冷沉沉,印池心。

凝露滴,砌蛩吟,驚覺謝娘殘夢。

夜深斜傍枕前來,影徘徊。

 嘉陵江111111





 

9 11 相見歡 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-387-9-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3482

相見歡(薛昭蘊)女として若くないことを実感させる暮れ方の雨のあとの靄、これで完全に女のもとに訪れるという思いは断たれてしまった、ここから出ることもかなわない身の上の者には窓にかかる簾は檻であり、あの人の居る世界と隔離されてしまっている。


2013年12月22日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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《論佛骨表》(16)#10-2韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <899>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3479韓愈詩-227-16
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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9 11 相見歡 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-387-9-#11   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3482

 

 木蓮001

相見歡一首

(浮気男に棄てられた女の愁いの情を詠う。)

羅襦繡袂香紅,畫堂中。

今日も夜化粧に紅をさし、薄絹の上着の刺繍の袂に香しきのかおりをつけ、あの人を待つ鳳凰の画かれた奥まった閨の中にいる。

細艸平沙蕃馬,小屏風。

そこには、あの人が好きな小草生う広がる砂地に戒の駿馬の小さな屏風をかざった。 

卷羅幕,凭粧閣,思無窮。

待っても来ないから、薄絹の幃帳を巻きあげ、少し高い化粧の部屋の窓辺に寄りながめるけれど、いくら思っても果てがない。

暮雨輕煙魂斷,隔簾櫳。

女として若くないことを実感させる暮れ方の雨のあとの靄、これで完全に女のもとに訪れるという思いは断たれてしまった、ここから出ることもかなわない身の上の者には窓にかかる簾は檻であり、あの人の居る世界と隔離されてしまっている。 

(相見歡【そうけんかん】)

羅襦【らじゅ】繡袂【しゅうべい】紅に香り,畫堂の中。

細艸 平沙の蕃馬【ばんば】,小屏風にあり。

羅幕を卷き,粧閣に凭【よ】れば,思 窮り無し。

暮の雨 輕き煙 魂は斷たれ,簾櫳を隔つるに。

 

美女004
 

『相見歡一首』 現代語訳と訳註

(本文)

相見歡

羅襦繡袂香紅,畫堂中。

細艸平沙蕃馬,小屏風。

卷羅幕,凭粧閣,思無窮。

暮雨輕煙魂斷,隔簾櫳。

 

(下し文)

相見歡

羅襦【らじゅ】繡袂【しゅうべい】紅に香り,畫堂の中。

細艸 平沙の蕃馬【ばんば】,小屏風にあり。

羅幕を卷き,粧閣に凭【よ】れば,思 窮り無し。

暮の雨 輕き煙 魂は斷たれ,簾櫳を隔つるに。

 

(現代語訳)

(浮気男に棄てられた女の愁いの情を詠う。)

今日も夜化粧に紅をさし、薄絹の上着の刺繍の袂に香しきのかおりをつけ、あの人を待つ鳳凰の画かれた奥まった閨の中にいる。

そこには、あの人が好きな小草生う広がる砂地に戒の駿馬の小さな屏風をかざった。 

待っても来ないから、薄絹の幃帳を巻きあげ、少し高い化粧の部屋の窓辺に寄りながめるけれど、いくら思っても果てがない。

女として若くないことを実感させる暮れ方の雨のあとの靄、これで完全に女のもとに訪れるという思いは断たれてしまった、ここから出ることもかなわない身の上の者には窓にかかる簾は檻であり、あの人の居る世界と隔離されてしまっている。

 花と張0104

(訳注)

相見歡

唐の教坊の曲名。『花間集』には薛昭蘊の一首のみ所収。双調三十六字、前段十八字四句二平韻、後段十八字五句二仄韻二平韻で、⑥③6③/❸❸③6③の詞形をとる。

(浮気男に棄てられた女の愁いの情を詠う。)

この種の愁いが詞で詠われる時、季節は多く晩春である。「暮雨輕煙魂斷,隔簾櫳」妾として囲われているが「暮の雨」晩春の花が落ちることを云い、女として年増になってきたこと、勝手に外に出ることが出来ないこと、などを詠うものである。

 

羅襦繡袂香紅,畫堂中。

今日も夜化粧に紅をさし、薄絹の上着の刺繍の袂に香しきのかおりをつけ、あの人を待つ鳳凰の画かれた奥まった閨の中にいる。

香紅 もみの上着に薫きしめた香が香ること。

 

細艸平沙蕃馬,小屏風。

そこには、あの人が好きな小草生う広がる砂地に戒の駿馬の小さな屏風をかざった。

蕃馬 戎の馬、小ぶりの足の速い遊牧民族の馬。相手の男が騎馬兵士で西域に出征していることを連想させる。あるいは、高貴な男は駿馬が好きで、屏風を飾っていた、今はこの部屋に寄り附きもしない浮気男。詩の内容から後者と考えるのが妥当。

 

卷羅幕,凭粧閣,思無窮。

待っても来ないから、薄絹の幃帳を巻きあげ、少し高い化粧の部屋の窓辺に寄りながめるけれど、いくら思っても果てがない。

粧閣 化粧の部屋。明かりがよく張るために他の部屋より独立し、階高が高かった。物見もできるもの。

班婕妤 王維

怪來妝閣閉,朝下不相迎。

總向春園裏,花間笑語聲。

怪しむらくは妝閣【さうかく】の 閉づることを,朝より下りて  相ひ迎へず。

總て春園の裏に 向いて,花間 笑語の聲。

この三句でわかることは、西域のどこか、砂漠に出征したのでなくて、何時でも女のもとに来られることをあらわす句である。

 

暮雨輕煙魂斷,隔簾櫳。

女として若くないことを実感させる暮れ方の雨のあとの靄、これで完全に女のもとに訪れるという思いは断たれてしまった、ここから出ることもかなわない身の上の者には窓にかかる簾は檻であり、あの人の居る世界と隔離されてしまっている。

暮雨軽煙 夕暮れの雨と簿霞。晩春に降る雨はここで必ず春の花は落花する。女の希望、期待を完全に断たれたことを意味する。

簾櫳 簾のかかる連子窓。1窓.2(動物を入れる)おり.

この頃の女性は一人で出かけることはできないので、この語を使用する。なかにわに出るくらいの生活を意味するもの。

pla024
 

虞美人二首 其一 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-365-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3372

毛文錫《虞美人二首 其一》(鴛鴦のように過したが、今は高貴な人の妻、二人の間には天の川がある。そこにいるとわかっていても手が届かないもどかしい男の気持ちを詠う。虞美人に男の気持ちは伝わらない。)

2013年11月30日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
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温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
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皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠

 

虞美人二首 其一 毛文錫【もうぶんせき】  Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-365-8-#1   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3372

 

 

虞美人二首 其一

(鴛鴦のように過したが、今は高貴な人の妻、二人の間には天の川がある。そこにいるとわかっていても手が届かないもどかしい男の気持ちを詠う。虞美人に男の気持ちは伝わらない。)

鴛鴦對浴銀塘暖,水面蒲梢短。

鴛鴦は銀色に光る池の水に遊び、堤には春の暖かさがひろがり、それでも水面より顏を出す蒲はまだ短い。

垂楊低拂麴塵波,蛟絲結網露珠多,滴圓荷。

柳の枝は水面に届くほどに垂れて掃き拂うよう、池の波は柳の薄黄の色にそまっている。その水面に映る枝は、蛟が蜘蛛の巣に結べる露の玉のように多くある、円い蓮の葉は露がこぼれ落ちるようだ。 

遙思桃葉江碧,便是天河隔。

いまわたしが思いつづけるわたしの東晋の情熱の女妓「桃葉」は遙か碧の呉江のほとりにある。すなわち、ここには二人を引き裂くのは天の川が横たわっている。
錦鱗紅鬣影沉沉,相思空有夢相尋,意難任。

錦の鱗魚は水底深く住んでいて、文を出すすべもなく、これだけ恋い焦がれているのに、ただ夢に尋ねるだけなのだ、この思いはもう堪えがたい。 

其二

寶檀金縷鴛鴦枕,綬帶盤宮錦。

夕陽低映小明,南園綠樹語鶯鶯,夢難成。

玉鑪香暖頻添炷,滿地飄輕絮。

珠簾不卷度沉煙,庭前閑立畫鞦韆,豔陽天。

楊貴妃清華池002
 

 

『虞美人二首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

虞美人二首 其一

鴛鴦對浴銀塘暖,水面蒲梢短。

垂楊低拂麴塵波,蛟絲結網露珠多,滴圓荷。

遙思桃葉江碧,便是天河隔。

錦鱗紅鬣影沉沉,相思空有夢相尋,意難任。

 

(下し文)

鴛鴦 対浴して銀塘 暖かに、水面 蒲梢 短し。

垂楊 低く払う 麹塵の波、蛟絲 網を結びて 露珠 多く、円荷に滴る。

遙かに思うは 桃葉 呉江の碧ならんこと、便ち是れ 天河 隔つ。

錦鱗紅髭 影 沈沈として、相い思うも 空しく夢の相い尋ぬる 有るのみ、意 任え難し

 

(現代語訳)

(鴛鴦のように過したが、今は高貴な人の妻、二人の間には天の川がある。そこにいるとわかっていても手が届かないもどかしい男の気持ちを詠う。虞美人に男の気持ちは伝わらない。)

鴛鴦は銀色に光る池の水に遊び、堤には春の暖かさがひろがり、それでも水面より顏を出す蒲はまだ短い。

柳の枝は水面に届くほどに垂れて掃き拂うよう、池の波は柳の薄黄の色にそまっている。その水面に映る枝は、蛟が蜘蛛の巣に結べる露の玉のように多くある、円い蓮の葉は露がこぼれ落ちるようだ。 

いまわたしが思いつづけるわたしの東晋の情熱の女妓「桃葉」は遙か碧の呉江のほとりにある。すなわち、ここには二人を引き裂くのは天の川が横たわっている。

 錦の鱗魚は水底深く住んでいて、文を出すすべもなく、これだけ恋い焦がれているのに、ただ夢に尋ねるだけなのだ、この思いはもう堪えがたい。

(訳注)

虞美人二首 

唐の教坊の曲名。『花間集』には十四首所収。毛文錫の詩は二首収められている。双調五十八字、前後段五句二十九字二仄韻三平韻で、❼❺⑦⑦③/❼❺⑦⑦③の詞形をとる。

 秦末・ 虞美『虞美人歌』玉臺新詠

虞美人歌
漢兵已略地,四方楚歌聲。
大王意氣盡,賤妾何聊生。
虞美人歌  秦末・虞美人 詩<118>古代 女性詩 555 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1482 

『虞美人歌』

この詩は『史記正義』に出てくる楚の項羽(項籍)の女官である虞美人の作といわれる。項羽が、垓下で敗れたときに慷慨悲歌したときの詩

項羽『垓下歌

力拔山兮氣蓋世,時不利兮騅不逝。

騅不逝兮可奈何,虞兮虞兮奈若何!

であるが、それに対して虞美人が歌い舞った。

項羽と劉邦は戦いと和睦を繰り返しながら、垓下で雌雄を決する一戦を迎える。この時、項羽の少数の軍勢を大軍で取り囲んだ劉邦は、味方の兵士たちに項羽の祖国楚の歌を歌わせる。この歌を聞いた項羽は味方の兵が寝返ったのだと誤解して絶望する。その絶望の中で歌ったとされるのが、「垓下歌」である。

・西楚覇王・項羽の愛姫・虞姫の唱った歌。 

・この悲劇に基づき後世、同題の詩が作られる。 

・虞美人 項羽の女官。「美人」は位。

・実質上の妻。『史記・項羽本紀』虞姫は、どの戦闘にもついて行った。

其一

(鴛鴦のように過したが、今は高貴な人の妻、二人の間には天の川がある。そこにいるとわかっていても手が届かないもどかしい男の気持ちを詠う。虞美人に男の気持ちは伝わらない。)

呉江のほとりに住む虞美人に思慕する。前段は、春、水温む時節の池陂の景物を描写し、後段は、前段の番の鴛鴦(オシドリ)から、呉江の対岸に住む高貴な人の女となった女性への思いを募らせる。二人を隔てる呉江は決して渡れない天の川に相当し、手紙を寄せる手だてもなく、ただ夢に彼女を尋ねるはかりで、とても今の気持ちには堪えられないと、手に届かない女性への切なる思いを語る。

 

鴛鴦對浴銀塘暖,水面蒲梢短。

鴛鴦は銀色に光る池の水に遊び、堤には春の暖かさがひろがり、それでも水面より顏を出す蒲はまだ短い。

○銀塘 光を反射して銀色に光る池の水。

 

垂楊低拂麴塵波,蛟絲結網露珠多,滴圓荷。

柳の枝は水面に届くほどに垂れて掃き拂うよう、池の波は柳の薄黄の色にそまっている。その水面に映る枝は、蛟が蜘蛛の巣に結べる露の玉のように多くある、円い蓮の葉は露がこぼれ落ちるようだ。 

○麴塵波 薄黄色の波間。麹塵は酒造用の麹の薄黄色の花。ここでは芽吹いた薄黄色の柳の葉に水面が染まっているさまを表現している。

○蛟絲 柳の枝が水面に映るのが、ミズチが蜘蛛の絲をだしているようである。

 

遙思桃葉江碧,便是天河隔。

いまわたしが思いつづけるわたしの東晋の情熱の女妓「桃葉」は遙か碧の呉江のほとりにある。すなわち、ここには二人を引き裂くのは天の川が横たわっている。

○桃葉 東晋・王献之の愛妾の名。ここでは借りて意中の女性を意味する。王献之の愛妾“桃葉”は秦淮の両岸を往来する時、王献之は心配でならずに、いつも自ら秦淮河の渡し場まで迎えに行き、“桃葉よ桃葉、河を渡るのに櫂は使わないでおくれ、でも苦しまないでいいよ、私が迎えに行くから”という≪桃葉歌≫を作り、渡し場から大声で叫び続け、そのうちに南浦渡は桃葉渡と呼ばれるようになった。後の人々は王献之の記念として、彼が当時、桃葉を迎えに行っていた渡し場を桃葉渡と名付けた。

 

錦鱗紅鬣影沉沉,相思空有夢相尋,意難任。

錦の鱗魚は水底深く住んでいて、文を出すすべもなく、これだけ恋い焦がれているのに、ただ夢に尋ねるだけなのだ、この思いはもう堪えがたい。
隋堤01
 

寄人 張泌【ちょうひつ】ⅩⅫ唐五代詞 Gs-361-7-#23  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3352

張泌《寄人》 深情けは裏を返せば浮気心というけれど、それでもただ春の庭園の上に出ているのは月のようにしています。あなたは離れていっていますが、あなたのためにひとりでまっています、庭に散って落ちた花にはいまも月光が照らし続けているのです。

2013年11月26日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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班孟堅(班固)《西都賦》(6)#2-4 文選 賦<112―6>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩960 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3348
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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寄人 張泌【ちょうひつ】Ⅹ唐五代詞 Gs-361-7-#23   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3352

 

 

寄人

(愛しい人に詩をよせる。)

別夢依依到謝家, 小廊迴合曲闌斜。

夢の中で別れても名残が惜しくおもう、東晋の才媛・謝道韞のようなわたしがいるのです。いまは、建物の外側の小振りな廊下がぐるりととりまいて、まがった欄干は、斜めに続いているところにいるのです。 

多情只有春庭月, 猶爲離人照落花。

深情けは裏を返せば浮気心というけれど、それでもただ春の庭園の上に出ているのは月のようにしています。あなたは離れていっていますが、あなたのためにひとりでまっています、庭に散って落ちた花にはいまも月光が照らし続けているのです。

 

(人に寄す)

夢に別れても依依として謝家に到り,小廊迴り合し 曲闌 斜めなり。

多情なるも只だ 春庭の月有り,猶お離人の爲に落花を照らす。

tsuki04
春爛漫の美女007
 

『寄人』 現代語訳と訳註

(本文)

寄人

別夢依依到謝家, 小廊迴合曲闌斜。

多情只有春庭月, 猶爲離人照落花。

 

(下し文)

(人に寄す)

夢に別れても依依として謝家に到り,小廊迴り合し 曲闌 斜めなり。

多情なるも只だ 春庭の月有り,猶お離人の爲に落花を照らす。

 

(現代語訳)

(愛しい人に詩をよせる。)

夢の中で別れても名残が惜しくおもう、東晋の才媛・謝道韞のようなわたしがいるのです。いまは、建物の外側の小振りな廊下がぐるりととりまいて、まがった欄干は、斜めに続いているところにいるのです。 

深情けは裏を返せば浮気心というけれど、それでもただ春の庭園の上に出ているのは月のようにしています。あなたは離れていっていますが、あなたのためにひとりでまっています、庭に散って落ちた花にはいまも月光が照らし続けているのです。

 

(訳注)

寄人

(愛しい人に詩をよせる。)

・寄 手紙で送る。詩を手紙で差し出す。人 ここは、作者が客観的に待ち侘びる女のさまを詠ったもので、「少し年を取ったかもしれませんがあなただけを待ち続けているのです」と手紙を書くだろうという教坊の曲である。この頃の詩は今で云う「あるある」を宴席で披露するもので、涼州詩や塞上詩とおなじように、実体験のものである必要はないのである。

・張泌 唐末~五代・後蜀の詞人。唐末に進士となる。生没年不詳。出身地不詳。五代・後蜀の花間派(五代・『花間集』に掲載された詞人)たちの一。官は右諫議大夫史館修撰で終わる。

 

別夢依依到謝家, 小廊迴合曲闌斜。

夢の中で別れても名残が惜しくおもう、東晋の才媛・謝道韞のようなわたしがいるのです。いまは、建物の外側の小振りな廊下がぐるりととりまいて、まがった欄干は、斜めに続いているところにいるのです。 

・別夢 遙かな昔、もはやぼんやりとした別れ。 ・依依:名残惜しく、離れにくいさま。また、細々と絶えないさま。

・謝家 恋人の女性側の家。謝は、東晋の才媛・謝道韞のことで彼女の姓。こよなく可愛い女性の意で使われている。謝道韞とは、魏晋時代随一の才女といわれた東晋・謝安の姪の謝道韞のこと。謝安は姪の謝道韞をこよなく可愛がったというが、謝安や謝靈運を云う場合もある。この頃は男が女の所へ通うか、女を囲うものであるから、女の家であろう。

温庭筠『更漏子』

柳絲長,春雨細,花外漏聲迢遞。

驚寒雁,起城烏,畫屏金遮

香霧薄,透簾幕,惆悵謝家池閣。

紅燭背,繡簾垂,夢長君不知。

『更漏子 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-15-15-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1676

韋荘『望遠行』

欲別無言倚畫屏、含恨暗傷情。

謝家庭樹錦鶏鳴、残月落邊城。

人欲別、馬頻噺、綠槐千里長堤。

出門芳草路萋萋、雲雨別來易東西。

不忍別君後、却入旧香閏。

100 望遠行 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-285-5-#39  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2972

薛濤『酬郭簡州寄柑子』「霜規不讓黃金色,圓質仍含御史香。何處同聲情最異,臨川太守謝家郎。」

酬郭簡州寄柑子 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-192-58-#52  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2507

・小廊 小振りな渡り廊下。小振りなまわり廊下。建物(=正房)の両外側の廊下。 

・迴合 周囲をめぐる。周りをとりまく。

・曲闌 まがった手すり。まがった欄干。

○この二句は、女性が女妓であり、めぐり廻ってゆきつくことを意味し、いろんな女性の所に行くことを連想させ、次の「多情」につながり深い情けが浮気の心につながる。

 

多情只有春庭月, 猶爲離人照落花。

深情けは裏を返せば浮気心というけれど、それでもただ春の庭園の上に出ているのは月のようにしています。あなたは離れていっていますが、あなたのためにひとりでまっています、庭に散って落ちた花にはいまも月光が照らし続けているのです。 

・多情:深情け。情愛が深く感じやすいこと。

韋荘『天仙子 其一』

惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。

露桃花裏小腰肢。

眉眼細、鬢雲垂。唯有多情宋玉知。

天仙子 其一 ~ 其五 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-270-5-#24  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2897

魚玄機『和人次韻』

喧喧朱紫雜人寰,獨自清吟日色間。

何事玉郎搜藻思,忽將瓊韻扣柴關。

白花發詠慚稱謝,僻巷深居謬學顏。

不用多情欲相見,松蘿高處是前山。

和人次韻 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-118-53-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2137

・只有 ただ…だけがある。ただ…よりほかはない。 

春庭月 また来た春の庭園の上に出ている月。春は眠っている性の情が戻ってくる季節である。春庭は行楽を云う。

・離人 直近まで一緒にいたが別れていった人。離れていった過去の恋人。薛濤『送鄭資州』「雨暗眉山江水流,離人掩袂立高樓。雙旌千騎駢東陌,獨有羅敷望上頭。」

送鄭資州 薛濤 唐代詞・宋詩 薛濤-194-60-#54  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2517

・照 てらしだす。 

・落花 散って落ちた花。また、花が散り落ちる女のことで、年増になった女を云う。

蝴蝶兒 一首 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-360-7-#22  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3347

張泌《蝴蝶兒 一首》ここにいる男女は「花間の蝶」、この子は今好きな人を考えて楽しい時だから二つながら、一つになって留まっているし、番となりて並んで飛ぶ絵を描いてるのです。


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主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠

 

蝴蝶兒 一首 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-360-7-#22   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3347

 

 

蝴蝶兒

(うら若い女が楽しくお付き合いをしていて窓辺で蝶の絵を描くが、すぐに棄てられてしまった。そのさまを詠う。)
蝴蝶兒,晚春時,
かわいらしい蝶のような子、春もおわろうとするころ、
阿嬌初著淡黃衣,倚
學畫伊。

阿矯ちゃんは初めて薄黄の衣を身に着けたのです。こんどは窓近くいて、習いたての絵を描いているのはそれも胡蝶の絵なのです。

還似花間見,雙雙對對飛。

ここにいる男女は「花間の蝶」、この子は今好きな人を考えて楽しい時だから二つながら、一つになって留まっているし、番となりて並んで飛ぶ絵を描いてるのです。

無端和淚拭鷰脂,惹教雙翅垂。

それがどうでしょう、今この子は、訳もなく涙を落して絵がにじんでしまった、絵にそんなことを引き起こしたので、燕脂の色で拭ってみると、胡蝶の羽が垂れ下れてしまった。もう、楽しく飛ぶ蝶ではなくなってしまったのです。

波眼蝶0055
 

 

『蝴蝶兒』 現代語訳と訳註

(本文)

蝴蝶兒

蝴蝶兒,晚春時,阿嬌初著淡黃衣,倚學畫伊。

還似花間見,雙雙對對飛。

無端和淚拭鷰脂,惹教雙翅垂。

 

(下し文)

(蝴蝶兒【こちょうじ】)

蝴蝶兒,晚春の時,阿嬌【あきょう】初めて淡黃の衣を著けて,り 伊【これ】を畫くを學ぶ。

還た花間 見るに似たり,雙雙とし 對對として飛ぶ。

端無くも淚を和して 鷰脂【えんし】を拭【ぬぐい】,惹【さそ】いて雙翅【そうし】垂れ教【し】む。

 

(現代語訳)

(うら若い女が楽しくお付き合いをしていて窓辺で蝶の絵を描くが、すぐに棄てられてしまった。そのさまを詠う。)

かわいらしい蝶のような子、春もおわろうとするころ、阿矯ちゃんは初めて薄黄の衣を身に着けたのです。こんどは窓近くいて、習いたての絵を描いているのはそれも胡蝶の絵なのです。

ここにいる男女は「花間の蝶」、この子は今好きな人を考えて楽しい時だから二つながら、一つになって留まっているし、番となりて並んで飛ぶ絵を描いてるのです。

それがどうでしょう、今この子は、訳もなく涙を落して絵がにじんでしまった、絵にそんなことを引き起こしたので、燕脂の色で拭ってみると、胡蝶の羽が垂れ下れてしまった。もう、楽しく飛ぶ蝶ではなくなってしまったのです。

agehacho01
 

(訳注)

蝴蝶兒

(うら若い女が楽しくお付き合いをしていて窓辺で蝶の絵を描くが、すぐに棄てられてしまった。そのさまを詠う。)描かれた番の蝶は、楽しそうで花から花へと並び飛ぶえであったものが、ほかの女のもとに行った男を思い、思わず絵に涙を落とす。そして、慌てて濡れた腋脂の色をぬぐうと、蝶の絵は二枚の羽を垂れた姿に変わったと述べる。媒の絵を見て悔しい思い涙を落とした。

『花間集』には張泌の一首のみ所収。曲名が作品冒頭の語になっていること、またこの曲名の作品は、張泌以外にはないことからすると、彼の創作曲である。双調四十字、前段十八字四句四平韻、後段二十二字四句三平韻で、③③⑦⑤/5⑤⑦⑤の詞形をとる。

 

蝴蝶兒,晚春時,阿嬌初著淡黃衣,倚學畫伊。

かわいらしい蝶のような子、春もおわろうとするころ、阿矯ちゃんは初めて薄黄の衣を身に着けたのです。こんどは窓近くいて、習いたての絵を描いているのはそれも胡蝶の絵なのです。

胡蝶児 胡蝶に同じ。児は接尾辞。多く愛らしいものや小さいものに付ける。「・・・・ちゃん」という雰囲気の類。

阿嬌 少女の名。阿は呼びかけの接頭語。ここでは少女を意味する。「かわいこちゃん」という雰囲気の類。

 指示代名詞。ここでは蝶を指す。

 

還似花間見,雙雙對對飛。

ここにいる男女は「花間の蝶」、この子は今好きな人を考えて楽しい時だから二つながら、一つになって留まっているし、番となりて並んで飛ぶ絵を描いてるのです。

還似花間見 この句は男女の関係、性交を云うもので、花が女で、蝶が男ということでの花間に見るようだということ『花間集』の象徴ともいえるくである。還は、やはり。だからこそ、絵の蝶は「やはり」花の間を飛ぶ、本当の蝶のようだの意。好きな人とうまくいっている時には、思うことも、絵にかいても二つ、つがいに書くという女心を云う。今だったら相合傘を書くということだ。

DCF00104
 

無端和淚拭鷰脂,惹教雙翅垂。

それがどうでしょう、今この子は、訳もなく涙を落して絵がにじんでしまった、絵にそんなことを引き起こしたので、燕脂の色で拭ってみると、胡蝶の羽が垂れ下れてしまった。もう、楽しく飛ぶ蝶ではなくなってしまったのです。

無端 故なく、訳もなく。

和涙拭燕脂 涙で濡れた蝶の絵の燕脂の色をぬぐう。

 引き起こす。

江城子 二首 其一 張泌ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-357-7-#19  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3332

張泌《江城子 二首 其一》眠れない夜を過ごし、うとうととした眠りより起き、簾を巻き上げてもする何事もかわるものは何もない。だけど、若しかと思い朝化粧に変えてはみる。もうあの人には、私を築かい心は全くなくなってしまったのだろう。

 

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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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江城子 二首 其一 張泌Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-357-7-#19   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3332 

 

江城子 二首 其一

(清明節の行楽の時節に、だれともよていはないのに、化粧も済ませてはいるが、何事もおこらない。心に、何もなくなった女を詠う。)

碧欄干外小中庭,雨初晴,曉鶯聲。

碧の手すりその先には行楽の幔幕中庭がの小さくしきられている、夜の雨は明け方には晴れ上がっていて、暁の鶯の声が聞こえてくる。

飛絮落花,時節近清明。

柳絮は風に舞い飛び散り、春の花は皆落ちてしまう、清明節が間近にくる。

睡起捲簾無一事,勻面了,沒心情。

眠れない夜を過ごし、うとうととした眠りより起き、簾を巻き上げてもする何事もかわるものは何もない。だけど、若しかと思い朝化粧に変えてはみる。もうあの人には、私を築かい心は全くなくなってしまったのだろう。

(江城子 二首 其の一)

碧の欄干の外 中庭小さくし,雨初めて晴れ,曉の鶯は聲す。

絮を飛し 花を落す,時節は清明に近ずく。

睡りから起きて簾を捲く 一の事も無し,面を勻え了り,心も情も沒【な】くす。

 

其二

浣花溪上見卿卿,臉波秋水明,黛眉輕。

綠雲高綰,金族小蜻蜓。

好是問他來得磨?和笑道:莫多情。

 美女画557

 

『江城子 二首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

江城子 二首 其一

碧欄干外小中庭,雨初晴,曉鶯聲。

飛絮落花,時節近清明。

睡起捲簾無一事,勻面了,沒心情。

 

 

(下し文)

(江城子 二首 其の一)

碧の欄干の外 中庭小さくし,雨初めて晴れ,曉の鶯は聲す。

絮を飛し 花を落す,時節は清明に近ずく。

睡りから起きて簾を捲く 一の事も無し,面を勻え了り,心も情も沒くす。

 

 

(現代語訳)

(清明節の行楽の時節に、だれともよていはないのに、化粧も済ませてはいるが、何事もおこらない。心に、何もなくなった女を詠う。)

碧の手すりその先には行楽の幔幕中庭がの小さくしきられている、夜の雨は明け方には晴れ上がっていて、暁の鶯の声が聞こえてくる。

柳絮は風に舞い飛び散り、春の花は皆落ちてしまう、清明節が間近にくる。

眠れない夜を過ごし、うとうととした眠りより起き、簾を巻き上げてもする何事もかわるものは何もない。だけど、若しかと思い朝化粧に変えてはみる。もうあの人には、私を築かい心は全くなくなってしまったのだろう。

 

(訳注)

江城子 二首 其一

(清明節の行楽の時節に、だれともよていはないのに、化粧も済ませてはいるが、何事もおこらない。心に、何もなくなった女を詠う。)

『花間集』には張泌の■作が二百収められている。単調三十五字、八句五平韻で、⑦③③4⑤73③の詞形をとる。

一夫多妻制の時代には、男は女の家に行く通い婚もあり、自宅に家妓として囲う場合も考えられる。清明節を過ぎると春も終わりごろになる。中庭を小さくするのは、野に出たり、庭において行楽(靑姦)が全く期待が持てないことを意味している。つまり、年増になって男が寄り付かなくなったということである。その女の春の朝の物憂い心情を詠う。清明節は春の行楽の時節であり、化粧も済ませてはるが、何事もない。思ってくれることも、愛してくれることも全くなくなってしまった。蛇足ではあるがこうして女は、道教の寺観に入るのである。蓄えのあった女は、個室であり、ない女は、道妓として糧を得ることになる。

韋荘、牛嶠の『江城子』参照。欧陽烱については後日掲載する。

103 江城子 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-295-5-#49  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3022

104 江城子 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-296-5-#50  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3027

江城子二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-328-6-#15  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3187

江城子二首 其二 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-329-6-#57-(20  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3192

 

碧欄干外小中庭,雨初晴,曉鶯聲。

碧の手すりその先には行楽の幔幕中庭がの小さくしきられている、夜の雨は明け方には晴れ上がっていて、暁の鶯の声が聞こえてくる。

・碧欄 東側の欄干。東にいるであろう男を連想させる。

・小中庭 春は野に出たり幔幕を張り、筵を引く、庭において行楽(靑姦)が全く期待が持てないことを意味している。つまり、年増になって男が寄り付かなくなったということである。

・曉鶯聲 鶯は早春の暁に春を告げるために啼くものであり、ここでは晩春になっているので、他の部屋、或は別の中にはで、他の女妓のエクスタシーの声が聞こえてくるというもの。

 

飛絮落花,時節近清明。

柳絮は風に舞い飛び散り、春の花は皆落ちてしまう、清明節が間近にくる。

・清明 春分から数えて十五日目。二十四節気の一つ。現在の四月四、五日頃。韋荘の詞と極似あひている。

韋荘『河傳其三』

錦浦,春女,繡衣金縷,霧薄雲輕。

花深柳暗,時節正是清明雨初晴

玉鞭魂斷煙霞路,鶯鶯語,一望巫山雨。

香塵隱映,遙見翠檻紅摟,黛眉愁。

 

睡起捲簾無一事,勻面了,沒心情。

眠れない夜を過ごし、うとうととした眠りより起き、簾を巻き上げてもする何事もかわるものは何もない。だけど、若しかと思い朝化粧に変えてはみる。もうあの人には、私を築かい心は全くなくなってしまったのだろう。

●この聯は経過時間が結構ある。そうしたことで、やるせない女の心情を強調している。

しかし、表面的には閨怨詩としての語句を並べ替えたような詩ではある。したがって、女の内面を表現するのに物憂げな時間経過を利用していることに着目することが重要と考える作品である。杏の花01

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張泌南歌子 三首 其三行楽に行っても錦の筵を敷きこめていたし、頬を赤くした女は鴛鴦のように寄り添っていた。閨では薄絹の着物を着ていてそれには寶應の刺繍で飾ってあり、満ち足りた日々であった。


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南歌子三首 其一

(春も過ぎ、夏も過ぎようと、気持ちは遙か彼方へと向かい、女はもうあきらめてしまうしかない。)

柳色遮樓暗,桐花落砌香。

柳はすっかりみどりの色を茂らせては高殿を遮って影暗くしている、桐の花はこの世界のみぎりの石に散り落ちていく。

畫堂開處遠風涼,高卷水精簾額,襯斜陽。

夏が来て女妓の閨の窓を開ければ遠くより吹き寄せる風涼しい、水晶の簾を巻き掲げてば、夕日の光射し入り来る。

(南歌子三首 其の一)

柳色 樓を遮りて暗く,桐花 落砌【みぎり】香し。

畫堂 開く處 遠風 涼しく,高く水精の簾額を卷けば,斜陽を襯【つ】く。
hayashi880

美女004

akititle01

 

南歌子三首 其二

(諦めてはいたが杜鵑、夢、人の動きによって心が動かされるものの、そこには寂蓼だけがのこるを詠う。)

岸柳拖煙綠,庭花照日紅。

岸の柳は今年も芽を吹き、もう縁の靄のようになっている、中庭の花には、日に映えて紅が一層美しい。

數聲蜀魄入簾櫳,驚斷碧殘夢,畫屏空。

あちこちでホトトギス鳴く声が聞こえ、簾かかる連子窓越しに誰かが入って來る、窓近き名残りの夢は破られたがもしかあの人かと思うが、絵屏風の虚しく寂しい。

(南歌子三首 其の二)

岸の柳は煙綠に拖【ひ】きて,庭花は日に照えて紅なり。

數聲 蜀の魄 簾櫳に入り,驚斷す 碧の殘夢,畫屏空しうす。

hayashi880
 

南歌子三首 其三

(秋も過ぎ、ふゆがきても、閨の準備は満ち足りた時と何も変わらない、気持ちはふさぎ込むだけである。)

錦薦紅鸂鶒,羅衣繡鳳凰。

行楽に行っても錦の筵を敷きこめていたし、頬を赤くした女は鴛鴦のように寄り添っていた。閨では薄絹の着物を着ていてそれには寶應の刺繍で飾ってあり、満ち足りた日々であった。

綺疎飄雪北風狂,簾幕盡垂無事,鬱金香。

閨にはうつくしい模様をきざみこんだ彫刻があるが女の心には北風が吹き荒れ雪が舞い飛んでしまっている。簾ととばりもすべておろして何事無かったようにあの人を待ち受けている、黄金に耀いた飾にお香をたいているけれど気持ちは晴れ晴れとすることはなくふさぎ込む。

 

(南歌子三首 其の三)

錦薦 紅の鸂鶒,羅衣 繡の鳳凰。

綺疎 飄雪 北風の狂,簾幕 盡く垂れ 事無し,金香鬱にす。

 

杏の花01
 

『南歌子三首 其三』 現代語訳と訳註

(本文)

南歌子三首 其三

錦薦紅鸂鶒,羅衣繡鳳凰。

綺疎飄雪北風狂,簾幕盡垂無事,鬱金香。

 

 

(下し文)

(南歌子三首 其の三)

錦薦 紅の鸂鶒,羅衣 繡の鳳凰。

綺疎 飄雪 北風の狂,簾幕 盡く垂れ 事無し,金香鬱にす。

 

 

(現代語訳)

(秋も過ぎ、ふゆがきても、閨の準備は満ち足りた時と何も変わらない、気持ちはふさぎ込むだけである。)

行楽に行っても錦の筵を敷きこめていたし、頬を赤くした女は鴛鴦のように寄り添っていた。閨では薄絹の着物を着ていてそれには寶應の刺繍で飾ってあり、満ち足りた日々であった。

閨にはうつくしい模様をきざみこんだ彫刻があるが女の心には北風が吹き荒れ雪が舞い飛んでしまっている。簾ととばりもすべておろして何事無かったようにあの人を待ち受けている、黄金に耀いた飾にお香をたいているけれど気持ちは晴れ晴れとすることはなくふさぎ込む。

 

 

(訳注)

南歌子三首 其三

(秋も過ぎ、ふゆがきても、閨の準備は満ち足りた時と何も変わらない、気持ちはふさぎ込むだけである。)

『花間集』には張泌の作が二首収められている。単調二十六字、五句三平韻で、5⑤⑦6③の詞形をとる。

春が来ても来てくれない、晩春の日傾く頃になってこない。夏になってもこない、作中の主人公の思いは、遙か彼方へと向かい、もうあきらめてしまうしかない。

温庭筠『南歌子』は下記に示す。

『南歌子七首』(一) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-30-5-#8 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1736

『南歌子七首』(二)温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-31-5-#9 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1740

『南歌子七首』(三)温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-32-5-#10 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1744

『南歌子七首(四)』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-33-5-#11 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1748

『南歌子七首(五)』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-34-6-#12 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1752

『南歌子七首』(六)温庭筠 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-35-7-#13 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1756

『南歌子七首』 (七) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-36-5-#14 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1760

kareki460

錦薦紅鸂鶒,羅衣繡鳳凰。

行楽に行っても錦の筵を敷きこめていたし、頬を赤くした女は鴛鴦のように寄り添っていた。閨では薄絹の着物を着ていてそれには寶應の刺繍で飾ってあり、満ち足りた日々であった。

・薦1 マコモを粗く編んだむしろ。現在は多く、わらを用いる。こもむしろ。「荷車に―を掛ける」2 「薦被(こもかぶ)2」の略。おこも。3 (「虚無」とも書く)「薦僧(こもそう)」の略。4 マコモの古名。

・鸂鶒 おしどり。

 

綺疎飄雪北風狂,簾幕盡垂無事,鬱金香。

閨にはうつくしい模様をきざみこんだ彫刻があるが女の心には北風が吹き荒れ雪が舞い飛んでしまっている。簾ととばりもすべておろして何事無かったようにあの人を待ち受けている、黄金に耀いた飾にお香をたいているけれど気持ちは晴れ晴れとすることはなくふさぎ込む。

・綺疎 うつくしい模様をきざみこんだ彫刻、綺疏)、綺窓(キソウ=模様で飾った窓)

・飄雪 雪が風に吹かれ舞い飛ぶ、雪の花をいう。

・鬱 はればれしない気分のこと。


南歌子 三首 其二 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-355-7-#17  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3322

張泌南歌子 三首 其二あちこちでホトトギス鳴く声が聞こえ、簾かかる連子窓越しに誰かが入って來る、窓近き名残りの夢は破られたがもしかあの人かと思うが、絵屏風の虚しく寂しい。

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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 南歌子 三首 其二 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-355-7-#17  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3322
 
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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
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登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
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南歌子 三首 其二 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-355-7-#17   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3322

 

 

南歌子三首 其一

(春も過ぎ、夏も過ぎようと、気持ちは遙か彼方へと向かい、女はもうあきらめてしまうしかない。)

柳色遮樓暗,桐花落砌香。

柳はすっかりみどりの色を茂らせては高殿を遮って影暗くしている、桐の花はこの世界のみぎりの石に散り落ちていく。

畫堂開處遠風涼,高卷水精簾額,襯斜陽。

夏が来て女妓の閨の窓を開ければ遠くより吹き寄せる風涼しい、水晶の簾を巻き掲げてば、夕日の光射し入り来る。

 

南歌子三首 其二

(諦めてはいたが杜鵑、夢、人の動きによって心が動かされるものの、そこには寂蓼だけがのこるを詠う。)

岸柳拖煙綠,庭花照日紅。

岸の柳は今年も芽を吹き、もう縁の靄のようになっている、中庭の花には、日に映えて紅が一層美しい。

數聲蜀魄入簾櫳,驚斷碧殘夢,畫屏空。

あちこちでホトトギス鳴く声が聞こえ、簾かかる連子窓越しに誰かが入って來る、窓近き名残りの夢は破られたがもしかあの人かと思うが、絵屏風の虚しく寂しい。

(南歌子三首 其の二)

岸の柳は煙綠に拖【ひ】きて,庭花は日に照えて紅なり。

數聲 蜀の魄 簾櫳に入り,驚斷す 碧の殘夢,畫屏空しうす。

 

其三

錦薦紅鸂鶒,羅衣繡鳳凰。

綺疎飄雪北風狂,簾幕盡垂無事,鬱金香。

隋堤01
 

 

『南歌子三首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

南歌子三首 其二

岸柳拖煙綠,庭花照日紅。

數聲蜀魄入簾櫳,驚斷碧殘夢,畫屏空。

 

(下し文)

(南歌子三首 其の二)

岸の柳は煙綠に拖【ひ】きて,庭花は日に照えて紅なり。

數聲 蜀の魄 簾櫳に入り,驚斷す 碧殘夢,畫屏空しうす。

 

(現代語訳)

(諦めてはいたが杜鵑、夢、人の動きによって心が動かされるものの、そこには寂蓼だけがのこるを詠う。)

岸の柳は今年も芽を吹き、もう縁の靄のようになっている、中庭の花には、日に映えて紅が一層美しい。

あちこちでホトトギス鳴く声が聞こえ、簾かかる連子窓越しに誰かが入って來る、窓近き名残りの夢は破られたがもしかあの人かと思うが、絵屏風の虚しく寂しい。

 

(訳注)

南歌子三首 其二

(諦めてはいたが杜鵑、夢、人の動きによって心が動かされるものの、そこには寂蓼だけがのこるを詠う。)

晩春、窓辺近く屏風に囲まれて午醇をとっていた女性は、ホトトギスの鳴き声に、夢から覚めて、身.人の現実に返り、つくづくと空しさを覚える。彼女が見ていたのは、旅に出て帰らぬ男が帰ってきた夢か、あるいは男を尋ね求めて行った夢に違いない。それは、夢を破ったのがホトトギスの声であることから知れる。「畫屏空」は、諦めてはいたが杜鵑、夢、人の動きによって心が動かされるものの、二人だけの世界を作る屏風も、空しく広げられたままになっていることを言う。

 

岸柳拖煙綠,庭花照日紅。

岸の柳は今年も芽を吹き、もう縁の靄のようになっている、中庭の花には、日に映えて紅が一層美しい。

・煙綠 春に柳の若葉がいっぱいに広がった様子を云う。夏の表現では緑が濃い、鬱蒼、暗いという語を使う。土手の補強に官が植えることが多く、花街は水郷と柳は一体のものである。春、岸、柳、煙、これは前の春にここで別れたことを意味する。

・照日紅 花に日が射してその赤い色が生えることを云うが、これは男との佳き日を意味する。

 

數聲蜀魄入簾櫳,驚斷碧殘夢,畫屏空。

あちこちでホトトギス鳴く声が聞こえ、簾かかる連子窓越しに誰かが入って來る、窓近き名残りの夢は破られたがもしかあの人かと思うが、絵屏風の虚しく寂しい。

・蜀魄 杜鵑。ホトトギス。蜀魂ともいう。杜鵑  ほととぎす。蜀の望帝の春を思う心は、血を吐いて悲しげになく杜鵑(ホトトギス)に魂を托(たく)した。(そのように、血を吐きながらなく思いである)。詳しくは杜甫杜鵑参照されたい。

不如帰、杜宇、杜鵑、蜀魂、蜀鳥、杜魄、蜀魄、子規、躑躅。李白宣城見杜鵑花蜀國曾聞子規鳥,宣城還見杜鵑

杜甫『杜鵑行』

君不見昔日蜀天子,化作杜鵑似老烏。

寄巢生子不自啄,群鳥至今與哺雛。

雖同君臣有舊禮,骨肉滿眼身羈孤。

業工竄伏深樹裡,四月五月偏號呼。

其聲哀痛口流血,所訴何事常區區。

爾豈摧殘始發憤,羞帶羽翮傷形愚。

蒼天變化誰料得,萬事反覆何所無。

萬事反覆何所無,豈憶當殿群臣趨?

杜鵑行 杜甫 成都(2)浣花渓の草堂(2 -16-1)  <379 1 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1831 杜甫詩1000-379-557/1500

浣渓沙 十首 其一 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-339-7-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3242

酒泉子 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-275-5-#29  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2922

天仙子 其四 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-273-5-#27  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2912

楊蘊中 薛濤  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-245-111-#101  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2607

蜀中三首 其三 鄭谷  唐五代詞・宋詩 薛濤-135-7-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2222

菩薩蠻 七』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-7-1-#7 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1644

○簾櫳 カーテンのかかった連丁窓。
ホトトギス
 槐002

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張泌南歌子三首 其一柳はすっかりみどりの色を茂らせては高殿を遮って影暗くしている、桐の花はこの世界のみぎりの石に散り落ちていく。

2013年11月19日 の紀頌之5つのブログ
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南歌子三首 其一 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-354-7-#16   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3317

 

 

南歌子三首 其一

(春も過ぎ、夏も過ぎようと、気持ちは遙か彼方へと向かい、女はもうあきらめてしまうしかない。)

柳色遮樓暗,桐花落砌香。

柳はすっかりみどりの色を茂らせては高殿を遮って影暗くしている、桐の花はこの世界のみぎりの石に散り落ちていく。

畫堂開處遠風涼,高卷水精簾額,襯斜陽。

夏が来て女妓の閨の窓を開ければ遠くより吹き寄せる風涼しい、水晶の簾を巻き掲げてば、夕日の光射し入り来る。

 

其二

岸柳拖煙綠,庭花照日紅。

數聲蜀魄入簾櫳,驚斷碧殘夢,畫屏空。

 

其三

錦薦紅鸂鶒,羅衣繡鳳凰。

綺疎飄雪北風狂,簾幕盡垂無事,鬱金香。

隋堤01
 

 

『南歌子三首 其一』 現代語訳と訳註

百舌鳥02
(
本文)

南歌子三首 其一

柳色遮樓暗,桐花落砌香。

畫堂開處遠風涼,高卷水精簾額,襯斜陽。

 

 

(下し文)

南歌子三首 其一

柳色 樓を遮りて暗く,桐花 落砌【みぎり】香し。

畫堂 開く處 遠風 涼しく,高く水精の簾額を卷けば,斜陽を襯【つ】く。

 

 

(現代語訳)

(春も過ぎ、夏も過ぎようと、気持ちは遙か彼方へと向かい、女はもうあきらめてしまうしかない。)

柳はすっかりみどりの色を茂らせては高殿を遮って影暗くしている、桐の花はこの世界のみぎりの石に散り落ちていく。

夏が来て女妓の閨の窓を開ければ遠くより吹き寄せる風涼しい、水晶の簾を巻き掲げてば、夕日の光射し入り来る。

 

(訳注)

南歌子三首 其一

(春も過ぎ、夏も過ぎようと、気持ちは遙か彼方へと向かい、女はもうあきらめてしまうしかない。)

『花間集』には張泌の作が二首収められている。単調二十六字、五句三平韻で、5⑤⑦6③の詞形をとる。

春が来ても来てくれない、晩春の日傾く頃になってこない。夏になってもこない、作中の主人公の思いは、遙か彼方へと向かい、もうあきらめてしまうしかない。

温庭筠『南歌子』は下記に示す。

『南歌子七首』(一) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-30-5-#8 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1736

『南歌子七首』(二)温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-31-5-#9 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1740

『南歌子七首』(三)温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-32-5-#10 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1744

『南歌子七首(四)』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-33-5-#11 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1748

『南歌子七首(五)』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-34-6-#12 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1752

『南歌子七首』(六)温庭筠 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-35-7-#13 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1756

『南歌子七首』 (七) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-36-5-#14 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1760

 

柳色遮樓暗,桐花落砌香。

柳はすっかりみどりの色を茂らせては高殿を遮って影暗くしている、桐の花はこの世界のみぎりの石に散り落ちていく。

・砌 香は修飾的な詩的冠語。みぎり【砌】とは。意味や解説。《「水限(みぎり)」の意で、雨滴の落ちるきわ、また、そこを 限るところからという》1 時節。おり。ころ。石または煉瓦のきざはし(階段)。室内から庭へおりるところにある段。砌は石または煉瓦のきざはしの段をいうが、部屋から庭に出るポーチの角。薛濤、魚玄機も多く使う。女性らしい、細かい景色の描写の一つになる。『女妓を詠う詩によく登場する。世界間の区切りを示すものである。

薛濤『金燈花』

闌邊不見蘘蘘葉,下惟翻艷艷叢。

細視欲將何物比,曉霞初疊赤城宮。

金燈花 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-154-26-#19  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2317

薛濤 『鴛鴦草』

綠英滿香砌,兩兩鴛鴦小。

春日長,不管秋風早。

鴛鴦草 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-137-9-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2232

魚玄機 『遣懷』

閑散身無事,風光獨自遊。

斷雲江上月,解纜海中舟。

琴弄蕭梁寺,詩吟庾亮樓。

叢篁堪作伴,片石好為儔。

燕雀徒為貴,金銀誌不求。

滿杯春酒綠,對月夜窗幽。

澄清沼,抽簪映細流。

臥牀書冊遍,半醉起梳頭。

遣懷 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-103-38-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2062

魚玄機『期友人阻雨不至』

雁魚空有信,雞黍恨無期。

方籠月,褰簾已散絲。

近泉鳴畔,遠浪漲江湄。

思悲秋客,愁吟五字詩。

期友人阻雨不至 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-100-36  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2047

魚玄機『寄飛卿』

階砌亂蛩鳴,庭柯煙露清。

月中鄰樂響,樓上遠山明。

珍簟涼風著,瑤琴寄恨生。

嵇君懶書劄,底物慰秋情。

寄飛卿 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋Gs-104-39-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2067

 

畫堂開處遠風涼,高卷水精簾額,襯斜陽

夏が来て女妓の閨の窓を開ければ遠くより吹き寄せる風涼しい、水晶の簾を巻き掲げてば、夕日の光射し入り来る。

・開処 開け放った時、開け放つと。

・簾額 簾の上端の部分。ここでは簾の意。

・襯斜陽 夕日の光が体に貼り付くように射し込んで来る。

海棠花05
 

酒泉子 二首之二 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-353-7-#15  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3312

張泌酒泉子 二首之二都の街路の東には靑門の春明門があり、漢の武帝の作った三十六か所の宮殿にある景色に染められている。宮中の庭を流れる溝水路、天子の車の通路のどちらも人知れず通ってゆける道である。曲江の杏園に春風は吹く。
 

 

2013年11月18日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
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《晚秋郾城夜會聯句〔韓愈、李正封〕》(18)-#16韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <865>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3309韓愈詩-220-#16
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 693 《臺上〔得涼字。〕》 蜀中転々 杜甫 <600>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3310 杜甫詩1000-600-856/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 77《蒿里曲》 無名氏  挽歌 漢・樂府  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3311 (11/18)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 酒泉子 二首之二 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-353-7-#15  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3312
 
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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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酒泉子 二首之二 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ
唐五代詞・ 「花間集」 Gs-353-7-#15   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3312

 

 

酒泉子二首 其一

(女性の孤閏の悲しみを詠う。)

春雨打,驚夢覺來天氣曉。

春雨は窓を打つ、うとうとして夢におどろいて、目が覚めてみれば、もう夜が明けはじめたはれた空にかわる。

畫堂深,紅焰小,背蘭缸。

壁に絵がかかれた奥まった閨には、火影小さく、燭台に背を向け横になっている。

酒香噴鼻懶開缸,惆悵更無人共醉。

酒に頼るしかなく物憂げに酒の甕を取れば酒の香りは鼻打つ、やるせなく悲しいのは酌み交わす人がいないことなのだ。

舊巢中,新鷰子,語雙雙。

二人の愛の古巣には、新しき番いの燕だけが、仲睦まじく語らい、鳴き交わす

春雨 窓を打ち、夢を驚かせ覚め来たれは 天気 暁なり。

画堂 深く、紅焔 小さく、蘭鉦【らんこう】を背く。

酒の香り 鼻を噴ち 懶【ものう】く缸【かめ】を開き、惆悵す 更に人の酔いを共にする 無きに。

舊巢の中,新しき鷰子,雙雙と 語る。

 

酒泉子二首 其二

(見向きもされない女性の悲しみを詠う。)

紫陌青門,三十六宮春色。

都の街路の東には靑門の春明門があり、漢の武帝の作った三十六か所の宮殿にある景色に染められている。

御溝輦路暗相通,杏園風。

宮中の庭を流れる溝水路、天子の車の通路のどちらも人知れず通ってゆける道である。曲江の杏園に春風は吹く。

咸陽沽酒寶釵空,笑指未央歸去。

御陵を背にして秦の咸陽の街があり、酒屋で酒を手にし、宝玉の簪には空しい春である。そんなことをわらいとばして、漢で栄えた未央宮を去りかえっていく。

插花走馬落殘紅,月明中。

貴公子たちは花を挿し、馬を我が物顔で走らせ、春も終わりころの残った赤い花も落ち始めている。私の所には今日も来てくれないのか、月はまだ真上にあるというのに。

貴公子たちは花を挿し、馬を我が物顔で走らせ、春も終わりころの残った赤い花も落ち始めている。私の所には今日も来てくれないのか、月はまだ真上にあるというのに。

 長安城の位置関係

 

『酒泉子二首』 現代語訳と訳註

(本文)

其二

紫陌青門,三十六宮春色。

御溝輦路暗相通,杏園風。

咸陽沽酒寶釵空,笑指未央歸去。

插花走馬落殘紅,月明中。

 

(下し文)

酒泉子二首 其の二

紫陌【しはく】青門,三十六宮 春色。

御溝 輦路 暗く相い通ず,杏園の風。

咸陽 沽酒 寶釵の空,笑指 未央 歸り去る。

插花をし 走馬 殘紅を落す,月明の中【うち】。

 

(現代語訳)

(見向きもされない女性の悲しみを詠う。)

都の街路の東には靑門の春明門があり、漢の武帝の作った三十六か所の宮殿にある景色に染められている。

宮中の庭を流れる溝水路、天子の車の通路のどちらも人知れず通ってゆける道である。曲江の杏園に春風は吹く。

御陵を背にして秦の咸陽の街があり、酒屋で酒を手にし、宝玉の簪には空しい春である。そんなことをわらいとばして、漢で栄えた未央宮を去りかえっていく。

貴公子たちは花を挿し、馬を我が物顔で走らせ、春も終わりころの残った赤い花も落ち始めている。私の所には今日も来てくれないのか、月はまだ真上にあるというのに。

貴公子たちは花を挿し、馬を我が物顔で走らせ、春も終わりころの残った赤い花も落ち始めている。私の所には今日も来てくれないのか、月はまだ真上にあるというのに。

 

 

(訳注)

酒泉子二首 其二

(見向きもされない女性の悲しみを詠う。)

『花間集』には張泌の作が二首収められている。双調四十三字、前段二十字四句二平韻二仄韻、後段二十三字四句二平韻で、4❻⑦③/7⑥⑦③の詞形をとる。

女性の孤閏の悲しみを詠う。前段、長安近郊の秦の都、漢の未央宮を詠い、女の身にも昔華やかな時代があったことを連想させ、春景色を詠い、北の五陵の高級居住地域の貴公子を詠い、女性の孤独を際立たせている。

 

紫陌青門,三十六宮春色。

都の街路の東には靑門の春明門があり、漢の武帝の作った三十六か所の宮殿にある景色に染められている。

・紫陌【しはく】都の街路。都の市街。

・三十六宮 漢の武帝がつくった三十六か所の宮殿。李賀『金銅仙人辭漢歌』

杏の花01
 

御溝輦路暗相通,杏園風。

宮中の庭を流れる溝水路、天子の車の通路のどちらも人知れず通ってゆける道である。曲江の杏園に春風は吹く。

・御溝 御溝水の用語解説 - 宮中の庭を流れる溝の水。曲江の芙蓉苑に向かう運河。

・輦路 輦道(れんどう)」に同じ天子の車の通路。興慶宮から曲江の杏園に向かう専用道路。

・杏園 長安の曲江の池の畔(ほとり)にあった杏園で、祝宴を賜り、長安の街を園遊し、咲き誇る牡丹などの花を観賞する慣わしがあった。また、貴族は自邸自慢のボタンを庭を開放して鑑賞させ、合格者の無礼を許した。

・杏園:官吏登用試験(科挙)に合格した進士たちの祝宴会場。科挙に合格した進士には、曲江の池の畔(ほとり)の杏園で、祝宴を賜り、長安の街で園遊し、咲き誇る牡丹などの花を観賞する慣わしがあった。 

・杏園人:科挙に合格し、新たに進士となった人たちを指す。

 

咸陽沽酒寶釵空,笑指未央歸去。

御陵を背にして秦の咸陽の街があり、酒屋で酒を手にし、宝玉の簪には空しい春である。そんなことをわらいとばして、漢で栄えた未央宮を去りかえっていく。

・咸陽 秦朝の首都として大いに栄えた。風水においては山・丘・阜などの南側、河・江・川・湖などの水辺の北側を陽と言う。この都市は九嵕山の南、渭水の北に当たり「咸陽」なためにこの名前がついた。

・沽酒 酒を売買すること。また、その酒。

・未央 前漢の都である長安の南西部にあった宮殿であり、前漢の皇帝の居場所であった。 『三輔黄図』によると漢の高祖7年に、少府陽城延の指揮のもと、丞相蕭何が主導して造営を開始した。

 

插花走馬落殘紅,月明中。

貴公子たちは花を挿し、馬を我が物顔で走らせ、春も終わりころの残った赤い花も落ち始めている。私の所には今日も来てくれないのか、月はまだ真上にあるというのに。
 Ta唐 長安近郊圖  新02

酒泉子 二首之一 張泌【ちょうひつ】 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-352-7-#14  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3307

張泌《酒泉子 二首之一》 壁に絵がかかれた奥まった閨には、火影小さく、燭台に背を向け横になっている。酒に頼るしかなく物憂げに酒の甕を取れば酒の香りは鼻打つ、やるせなく悲しいのは酌み交わす人がいないことなのだ。
 

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酒泉子 二首之一 張泌【ちょうひつ】 Ⅹ唐五代詞・「花間集」Gs-352-7-#14   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3307

 

 

酒泉子二首 其一

(女性の孤閏の悲しみを詠う。)

春雨打,驚夢覺來天氣曉。

春雨は窓を打つ、うとうとして夢におどろいて、目が覚めてみれば、もう夜が明けはじめたはれた空にかわる。

畫堂深,紅焰小,背蘭缸。

壁に絵がかかれた奥まった閨には、火影小さく、燭台に背を向け横になっている。

酒香噴鼻懶開缸,惆悵更無人共醉。

酒に頼るしかなく物憂げに酒の甕を取れば酒の香りは鼻打つ、やるせなく悲しいのは酌み交わす人がいないことなのだ。

舊巢中,新鷰子,語雙雙。

二人の愛の古巣には、新しき番いの燕だけが、仲睦まじく語らい、鳴き交わす

春雨 窓を打ち、夢を驚かせ覚め来たれは 天気 暁なり。

画堂 深く、紅焔 小さく、蘭鉦【らんこう】を背く。

酒の香り 鼻を噴ち 懶【ものう】く缸【かめ】を開き、惆悵す 更に人の酔いを共にする 無きに。

舊巢の中,新しき鷰子,雙雙と 語る。

 

其二

紫陌青門,三十六宮春色。

御溝輦路暗相通,杏園風。

咸陽沽酒寶釵空,笑指未央歸去。

插花走馬落殘紅,月明中。

 

野鴨0111

 

『酒泉子二首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

酒泉子二首 其一

春雨打,驚夢覺來天氣曉。

畫堂深,紅焰小,背蘭缸。

酒香噴鼻懶開缸,惆悵更無人共醉。

舊巢中,新鷰子,語雙雙。

 

(下し文)

春雨 窓を打ち、夢を驚かせ覚め来たれは 天気 暁なり。

画堂 深く、紅焔 小さく、蘭鉦【らんこう】を背く。

酒の香り 鼻を噴ち 懶【ものう】く缸【かめ】を開き、惆悵す 更に人の酔いを共にする 無きに。

舊巢の中,新しき鷰子,雙雙と 語る。

 

(現代語訳)

(女性の孤閏の悲しみを詠う。)

春雨は窓を打つ、うとうとして夢におどろいて、目が覚めてみれば、もう夜が明けはじめたはれた空にかわる。

壁に絵がかかれた奥まった閨には、火影小さく、燭台に背を向け横になっている。

酒に頼るしかなく物憂げに酒の甕を取れば酒の香りは鼻打つ、やるせなく悲しいのは酌み交わす人がいないことなのだ。

二人の愛の古巣には、新しき番いの燕だけが、仲睦まじく語らい、鳴き交わす

宮島(10)
(訳注)

酒泉子二首 其一

(女性の孤閏の悲しみを詠う。)

『花間集』には張泌の作が二首収められている。双調四十三字、前段二十字五句二平韻二仄韻、後段二十三字五句二平韻で、④❼3❸③/⑦733③の詞形をとる。

女性の孤閏の悲しみを詠う。末尾の、去年の古巣に新しい番の燕がやって来て仲良く鳴き交わしているとは、女性の孤独を際立たせている。

 

春雨打,驚夢覺來天氣曉。

春雨は窓を打つ、うとうとして夢におどろいて、目が覚めてみれば、もう夜が明けはじめたはれた空にかわる。

天気暁 空の気配は明け方。時は既に暁であることを言う。

 

畫堂深,紅焰小,背蘭缸。

壁に絵がかかれた奥まった閨には、火影小さく、燭台に背を向け横になっている。

背蘭鉦 灯火の光が日に入らぬよう背ける。

 

酒香噴鼻懶開缸,惆悵更無人共醉。

酒に頼るしかなく物憂げに酒の甕を取れば酒の香りは鼻打つ、やるせなく悲しきのは酌み交わす人がいないことなのだ。

酒香唱鼻 酒の香りが鼻を打つ。

 

舊巢中,新鷰子,語雙雙。

二人の愛の古巣には、新しき番いの燕だけが、仲睦まじく語らい、鳴き交わす

燕子 燕。子は接尾字。
ホトトギス
 

河傳 二首之二 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-351-7-#13  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3302

張泌《河傳 二首之二》太陽が西に傾くように女の身にも春のひかりも、語らいも陰り始め、蝶は舞うのを争い、さらに、それが続くと鶯の妬みのように年増の女妓の妬みとなってゆく。


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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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《晚秋郾城夜會聯句〔韓愈、李正封〕》(15)-#13韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <862>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3294韓愈詩-220-#13
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
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河傳 二首之二 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-351-7-#13   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3302

 

 

河傳 二首 其二

(年を重ねて見向きも去れない女妓をうたう)その二

紅杏,交枝相映,密密濛濛。

紅いあんずの花のような女、あのころは枝を混交差させ、互いに華やいでいたもの。親密に細やかに愛され、心はあの人のことだけで他の者はまるでみえなかった。

一庭濃豔倚東風,香融,透簾櫳。

この庭にもあるの風が吹いてくると艶やかな色に染まって行き、芳しい香りに溶け込んでゆき、簾のかこいも透けていったものだ。

斜陽似共春光語,蝶爭舞,更引流鶯妬。

太陽が西に傾くように女の身にも春のひかりも、語らいも陰り始め、蝶は舞うのを争い、さらに、それが続くと鶯の妬みのように年増の女妓の妬みとなってゆく。

魂銷千片玉樽前,神仙,瑤池醉暮天。

男の女に対する思いが消えうせてからは飾りの着いた盃を何度も何度も傾けている。もう仙人のようなもので、もはや西王母と化して、仙郷の瑤池でよいつびれてきょうも暮れてゆく。

 河傳 二首 其の二

紅の杏,枝を交え 相いに映え,密密として濛濛たり。

一庭 豔を濃くし 東風に倚り,香融け,簾櫳を透る。

陽に斜して 共に春光語るに似て,蝶 舞を爭い,更に引く 鶯妬に流るを。

魂銷え 千片 玉樽の前にし,神仙なり,瑤池 醉うて天暮る。

杏の花01
 

『河傳 二首之二』 現代語訳と訳註

(本文)

河傳 二首 其二

紅杏,交枝相映,密密濛濛。

一庭濃豔倚東風,香融,透簾櫳。

斜陽似共春光語,蝶爭舞,更引流鶯妬。

魂銷千片玉樽前,神仙,瑤池醉暮天。

 

 

(下し文)

河傳 二首 其の二

紅の杏,枝を交え 相いに映え,密密として濛濛たり。

一庭 豔を濃くし 東風に倚り,香融け,簾櫳を透る。

陽に斜して 共に春光語るに似て,蝶 舞を爭い,更に引く 鶯妬に流るを。

魂銷え 千片 玉樽の前にし,神仙なり,瑤池 醉うて天暮る。

 

 

(現代語訳)

(年を重ねて見向きも去れない女妓をうたう)その二

紅いあんずの花のような女、あのころは枝を混交差させ、互いに華やいでいたもの。親密に細やかに愛され、心はあの人のことだけで他の者はまるでみえなかった。

この庭にもあるの風が吹いてくると艶やかな色に染まって行き、芳しい香りに溶け込んでゆき、簾のかこいも透けていったものだ。

太陽が西に傾くように女の身にも春のひかりも、語らいも陰り始め、蝶は舞うのを争い、さらに、それが続くと鶯の妬みのように年増の女妓の妬みとなってゆく。

男の女に対する思いが消えうせてからは飾りの着いた盃を何度も何度も傾けている。もう仙人のようなもので、もはや西王母と化して、仙郷の瑤池でよいつびれてきょうも暮れてゆく。

カンナ113
 

 (訳注)

河傳 二首 其二

(年を重ねて見向きも去れない女妓をうたう)その二

「花間集』には張泌の作が二首収められている。変調五十一字、前段二十二字六句五仄韻、後段二十九字六句六仄韻で、❷4❹❼❷❸/❼❸❺/❼❷❺の詞形をとる。

前段は、女としてこんなにも愛されていたということを云い、中段で、他の女に向かい、男の足が遠のくのを必死で取り返そうとする。後段ではもはや仙人のように毎日飲んだくれて過ごす女を詠う。

 

紅杏,交枝相映,密密濛濛。

紅いあんずの花のような女、あのころは枝を混交差させ、互いに華やいでいたもの。親密に細やかに愛され、心はあの人のことだけで他の者はまるでみえなかった。

・杏 ・杏花 ピンク色の花。 桜とよく似ている。 開花は桜より少しだけ早いようだ。 幹の部分は桜と同じく 横向きの線が入る。閨怨詩では女性自身に喩えられる。

張泌『浣渓沙 十首 其八』

偏戴花冠白玉簪,睡容新起意沉吟,翠鈿金縷鎮眉心。

小檻日斜風悄悄,隔簾零落杏花陰,斷香輕碧鏁愁深。

浣渓沙 十首 其八 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-346-7-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3277

 

一庭濃豔倚東風,香融,透簾櫳。

この庭にもあるの風が吹いてくると艶やかな色に染まって行き、芳しい香りに溶け込んでゆき、簾のかこいも透けていったものだ。

 

斜陽似共春光語,蝶爭舞,更引流鶯妬。

太陽が西に傾くように女の身にも春のひかりも、語らいも陰り始め、蝶は舞うのを争い、さらに、それが続くと鶯の妬みのように年増の女妓の妬みとなってゆく。

・鶯妬 鶯が啼きあうこと、うまく鳴けなくて卑屈になっている鶯、ここでは年増の女妓のことをいう。

 

魂銷千片玉樽前,神仙,瑤池醉暮天。

男の女に対する思いが消えうせてからは飾りの着いた盃を何度も何度も傾けている。もう仙人のようなもので、もはや西王母と化して、仙郷の瑤池でよいつびれてきょうも暮れてゆく。

・千片 盃を繰り返すこと。

・玉樽前 飾りのついた盃を前にする。

・神仙 不老不死で、神通力をもつ人。仙人。

瑤池 崑崙山にあり、周の穆王が西王母と会ったという伝説の仙境。西王母は仙女王。魚玄機『光・威・裒、姉妹三人、小孤、而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。』 「恐向瑤池曾作女,謫來塵世未為男。」三人の姉妹はその西王母に仕えていた天上仙宮の仙女であったろうという心。

瑤池 李商隱 :kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集 52

瑤池阿母綺窗開、黄竹歌聲動地哀。
八駿日行三萬里、穆王何事不重來。
崑崙山の瑶池に住む不老不死の薬を持つ女の仙人の西王母(せいおうぼ)は、綾絹(あやぎぬ)を張った美しい窓を開けると。穆王が作った民の苦しみを歌った『黄竹詩(こうちくし)』の歌声が地を揺るがせて響いてきて哀(あわれ)なものだ。
西王母とは、西方の崑崙山上に住する女性の尊称である。すべての女仙たちを統率する聖母。東王父に対応する。
周の穆王が西に巡符して崑崙に遊び、彼女に会い、帰るのを忘れたという。また前漢の武帝が長生を願っていた際、西王母は天上から降り、三千年に一度咲くという仙桃七顆を与えたという。
周の穆王は八頭だての馬車に乗って、一日に三万里の道のりを行ける、穆王は、どうしてなのだろうか、西王母の許へ再び来ることはなかった。
杏の白花012
 

河傳 二首之一 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-350-7-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3297

張泌河傳 二首之一きっとあの人は夕日照る草原にいて、千里万里の地、旅の空のもとを行く、手紙を託せる雁の声は数知れず沸き起こっている。わたしのことを夢見たり、思い続ける魂は煙りただよう波間にきえてゆく、心は酒に酔ってしまうよう。

2013年11月15日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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河傳 二首之一 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-350-7-#12   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3297

 

 

河傳二首 其一

(男の旅立ちを見送った後の女性の悲しみを詠う。)

渺莽雲水,惆悵暮帆,去程迢遞。

霞がかかってはいるが果てしない雲と水がひろがる。怨めしく悲しい思いの船が帆を挙げて舟が帰って來る。しかしあの人は行く手遙かなところにいるまま。

夕陽芳艸千里萬里,鴈聲無限起。

きっとあの人は夕日照る草原にいて、千里万里の地、旅の空のもとを行く、手紙を託せる雁の声は数知れず沸き起こっている。  

夢魂悄斷煙波裡,心如醉。

わたしのことを夢見たり、思い続ける魂は煙りただよう波間にきえてゆく、心は酒に酔ってしまうよう。

相見何處是,錦屏香冷無睡,被頭多少淚。

あの人に会えるのは何処の地なのか。錦の屏風、お香もすでに消えてさめてしまう、どんなにしても眠られず、掛け布団の襟は涙に濡れている。

 

河傳二首 其の一

渺莽【びょうぼう】たる雲水,惆悵【ちょうちょう】たる暮帆,去程 迢遞【ちょうてい】として。

夕陽【せきよう】芳艸【ほうそう】,千里萬里,鴈聲 無限に起る。

夢魂 悄【ひそ】かに斷ゆ 煙波の裡,心 醉うが如し。

相い見るは 何處か是れなる,錦屏【きんぺい】香 冷ややかに睡ること無く,被頭 多少の淚。

 

其二

紅杏,交枝相映,密密濛濛。

一庭濃豔倚東風,香融,透簾櫳。

斜陽似共春光語,蝶爭舞,更引流鶯妬。

魂銷千片玉樽前,神仙,瑤池醉暮天。

banri01 1
 

『河傳二首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

河傳二首 其一

渺莽雲水,惆悵暮帆,去程迢遞。

夕陽芳艸,千里萬里,鴈聲無限起。

夢魂悄斷煙波裡,心如醉。

相見何處是,錦屏香冷無睡,被頭多少淚。

 

(下し文)

河傳二首 其の一

渺莽【びょうぼう】たる雲水,惆悵【ちょうちょう】たる暮帆,去程 迢遞【ちょうてい】として。

夕陽【せきよう】芳艸【ほうそう】,千里萬里,鴈聲 無限に起る。

夢魂 悄【ひそ】かに斷ゆ 煙波の裡,心 醉うが如し。

相い見るは 何處か是れなる,錦屏【きんぺい】香 冷ややかに睡ること無く,被頭 多少の淚。

 

(現代語訳)

(男の旅立ちを見送った後の女性の悲しみを詠う。)

霞がかかってはいるが果てしない雲と水がひろがる。怨めしく悲しい思いの船が帆を挙げて舟が帰って來る。しかしあの人は行く手遙かなところにいるまま。

きっとあの人は夕日照る草原にいて、千里万里の地、旅の空のもとを行く、手紙を託せる雁の声は数知れず沸き起こっている。  

わたしのことを夢見たり、思い続ける魂は煙りただよう波間にきえてゆく、心は酒に酔ってしまうよう。

あの人に会えるのは何処の地なのか。錦の屏風、お香もすでに消えてさめてしまう、どんなにしても眠られず、掛け布団の襟は涙に濡れている。

 

水鳥ケリ002
 

(訳注)

河傳二首 其一

(男の旅立ちを見送った後の女性の悲しみを詠う。)

「花間集』には張泌の作が二首収められている。双調五十一字、前段二十五字六句五仄韻、後段二十六字六句五仄韻で、❹4❹❻❷❺/❼❸❺4❷❺の詞形をとる。

男の旅立ちを見送った後の女性の悲しみを詠う。前段は、果てしない水平線の彼方に去ってゆく男の船を描写し、その行先にはたくさんの雁が居るのに、その雁に「雁書」をたくしてくれない。後段は、今では私のことを夢見ることもないのか、おんなは夢でどこまで行けばあの人に会えるのかと問いかける。そして、床は冷たくて再び寝付けず、涙で布団の襟を濡らすことを詠む。「夕陽芳草千里、万里」の語は、実景であると同時に、男が帰って来ないのではないかという女の不安を示す。

このブログでも温庭筠、韋莊の「河傳」をとりあげた。

『河傳』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-49-2-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1812

105 河傳 三首 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-286-5-#40  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2977

106 河傳 三首 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-287-5-#41  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2982

107 河傳 三首 其三 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-288-5-#42  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2987

 

渺莽雲水,惆悵暮帆,去程迢遞。

霞がかかってはいるが果てしない雲と水がひろがる。怨めしく悲しい思いの船が帆を挙げて舟が帰って來る。しかしあの人は行く手遙かなところにいるまま。

渺莽 霞がかかって、河水が浩大なさま、はてしなく広いさま;

惆悵 恨めしく思うこと。恨み嘆くこと。うらめしい。うらみがましい。温庭筠『更漏子 一』「惆悵謝家池閣」  謝女というのは晋の謝安が東山の彼を愛した故事から出たもの。過去女もそういう時期もあった。李白『送侄良攜二妓赴會稽戲有此贈』「攜妓東山去。 春光半道催。遙看若桃李。 雙入鏡中開。」送姪良携二妓赴会稽戯有此贈  李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -287
池閣は、謝霊運の「池塘生春草」
謝霊運の「池塘生春草」にかけて、池堀に春草の生ずるようになったという春情にかける意がある。

暮帆 夕ぐれに帰る舟。魚玄機『江陵愁望寄子安』「楓葉千枝復萬枝,江橋掩映暮帆遲。憶君心似西江水,日夜東流無歇時。」

迢遞 遙遠的樣子。指路途遙遠。遙かに遠い。遠くに隔たる。遙か高く遠くに。

 

夕陽芳艸千里萬里,鴈聲無限起。

きっとあの人は夕日照る草原にいて、千里万里の地、旅の空のもとを行く、手紙を託せる雁の声は数知れず沸き起こっている。  

韋荘 『上行杯二首 其二

白馬玉鞭金轡。少年郎,離別容易。

迢遞去程千萬裏。

惆悵異雲水,滿酌一杯勸和淚。

須愧,珍重意,莫辭醉。

120上行杯 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-298-5-#52  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3037

鴈聲無限起 「雁声無限に起こる」の語は、雁書を託せる雁は沢山いるはずなのになぜ音信がないのかという意味。

 

夢魂悄斷煙波裡,心如醉。

わたしのことを夢見たり、思い続ける魂は煙りただよう波間にきえてゆく、心は酒に酔ってしまうよう。

夢魂情断煙波裏 女性は、船に乗り旅立っていった男を夢で追いかけて行くが、追い付く前に、途中の波間で目が覚めてしまったということ。夢魂は夢。

心如酔 失意の余り、酔ったように虚ろになること。

 

相見何處是,錦屏香冷無睡,被頭多少淚。

あの人に会えるのは何処の地なのか。錦の屏風、お香もすでに消えてさめてしまう、どんなにしても眠られず、掛け布団の襟は涙に濡れている。

被頭 布団の襟。
カンナ113

浣渓沙 十首 其十 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-347-7-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3282

張泌浣渓沙 十首 其十庶民の市場の東には春明門があり、そこに春の雪が降り積もっている。人々が街に行き交う中で、女は召されるとの約束で離宮を訪れ、見るのである。額には蕊黄の飾りをし、香しく化粧をほどこし、金の蝉を張り付けて宮殿に上がるのである


2013年11月13日  の紀頌之5つのブログ
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《晚秋郾城夜會聯句〔韓愈、李正封〕》(13)-#11韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <860>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3284韓愈詩-220-#11
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Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 72魏武帝(曹操) 《觀滄海》 魏詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3286 (11/13)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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浣渓沙 十首 其十 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-347-7-#9   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3282

 

 

浣渓沙 十首其十

(離宮の前の妓女が宮殿に上がったりもした女が酒の席にでたりしていたことは聞こえてきたが、いつとはなく世の中から忘れられて消えていってしまう)

小市東門欲雪天,眾中依約見神仙,蘂黃香畫貼金蟬。

庶民の市場の東には春明門があり、そこに春の雪が降り積もっている。人々が街に行き交う中で、女は召されるとの約束で離宮を訪れ、見るのである。額には蕊黄の飾りをし、香しく化粧をほどこし、金の蝉を張り付けて宮殿に上がるのである。

飲散黃昏人草草,醉容無語立門前,馬嘶塵烘一街煙。

酒の席に上がり花が散るように黄昏るままにあわただしく過ごしていくと、歳も重ね酔ってしまって御門の前に立って無言のままで待っている。馬が嘶き、閨の梁の上の塵もただ温めているだけ、この街にも一筋の煙となって消えていくのである。

(浣渓沙 十首 其の十)

小市 東門 雪天に欲し,眾中 依約 神仙を見,蘂黃 香畫 金蟬を貼る。

飲散 黃昏 人草草たり,醉容して語る無し 門前に立ち,馬嘶き 塵烘【じんこう】一街の煙。

pla024
 

『浣渓沙 十首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣渓沙 十首其十

小市東門欲雪天,眾中依約見神仙,蘂黃香畫貼金蟬。

飲散黃昏人草草,醉容無語立門前,馬嘶塵烘一街煙。

 

(下し文)

(浣渓沙 十首 其の十)

小市 東門 雪天に欲し,眾中 依約 神仙を見,蘂黃 香畫 金蟬を貼る。

飲散 黃昏 人草草たり,醉容して語る無し 門前に立ち,馬嘶き 塵烘【じんこう】一街の煙。

 

(現代語訳)

(離宮の前の妓女が宮殿に上がったりもした女が酒の席にでたりしていたことは聞こえてきたが、いつとはなく世の中から忘れられて消えていってしまう)

庶民の市場の東には春明門があり、そこに春の雪が降り積もっている。人々が街に行き交う中で、女は召されるとの約束で離宮を訪れ、見るのである。額には蕊黄の飾りをし、香しく化粧をほどこし、金の蝉を張り付けて宮殿に上がるのである。

酒の席に上がり花が散るように黄昏るままにあわただしく過ごしていくと、歳も重ね酔ってしまって御門の前に立って無言のままで待っている。馬が嘶き、閨の梁の上の塵もただ温めているだけ、この街にも一筋の煙となって消えていくのである。

 

(訳注)

浣渓沙 十首其十

(離宮の前の妓女が宮殿に上がったりもした女が酒の席にでたりしていたことは聞こえてきたが、いつとはなく世の中から忘れられて消えていってしまう)

 

小市東門欲雪天,眾中依約見神仙,蘂黃香畫貼金蟬。

庶民の市場の東には春明門があり、そこに春の雪が降り積もっている。人々が街に行き交う中で、女は召されるとの約束で離宮を訪れ、見るのである。額には蕊黄の飾りをし、香しく化粧をほどこし、金の蝉を張り付けて宮殿に上がるのである。

・小市東門 長安では東市の東に、春明門がある。そこには興慶宮がある。

・依約 約束に頼ること。

 

飲散黃昏人草草,醉容無語立門前,馬嘶塵烘一街煙。

酒の席に上がり花が散るように黄昏るままにあわただしく過ごしていくと、歳も重ね酔ってしまって御門の前に立って無言のままで待っている。馬が嘶き、閨の梁の上の塵もただ温めているだけ、この街にも一筋の煙となって消えていくのである。

・草草 (1)忙しいこと。あわただしいこと。また、そのさま。(2)簡略にすること。粗末であること。また、そのさま。 

・塵烘 烘とは。 [](火で)暖める,乾かす。
DCF00104
 

浣渓沙 十首 其八 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-346-7-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3277

張泌浣渓沙 十首 其八小さな檻のようなこの閨に、斜になった日のひかりがさし、風はショウショウと静かでもの寂しくふいている。簾腰に庭の杏もここの女も春を過して枯れ落ちている。花の香り、お香もすでに斷垂れ薄く明るい緑色に染まり、部屋の鍵は締まっていて、愁いは深くなるだけなのだ。


2013年11月11日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠




浣渓沙 十首 其八 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-346-7-#8   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3277





浣渓沙 十首 其八

(年を取ってきて女は奥まった部屋に入れられたままで誰も訪れない。簾越しにあんずの花も枯れているのが見え侘しい思いの女妓の気持ちを詠う。)

偏戴花冠白玉簪,睡容新起意沉吟,翠鈿金縷鎮眉心。

髷は傾き、花の冠をつけ、輝く宝飾の簪が揺れ,よこになってねむり、そして、新たに起きあがり、思いをそっとつぶやいている。翡翠や鈿飾、金の細い絲のかざり、それなのに眉をひそめ、沈んだ心のままである。

小檻日斜風悄悄,隔簾零落杏花陰,斷香輕碧鏁愁深。

小さな檻のようなこの閨に、斜になった日のひかりがさし、風はショウショウと静かでもの寂しくふいている。簾腰に庭の杏もここの女も春を過して枯れ落ちている。花の香り、お香もすでに斷垂れ薄く明るい緑色に染まり、部屋の鍵は締まっていて、愁いは深くなるだけなのだ。

浣渓沙 十首 其の八

偏戴 花冠 白玉の簪,睡容 新起 意沉吟,翠鈿 金縷 鎮眉心。

小檻 日斜 風悄悄たり,簾を隔てて零落 杏花の陰,斷香 輕碧 鏁愁深し。

杏の花01

『浣渓沙 十首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣渓沙 十首 其八

偏戴花冠白玉簪,睡容新起意沉吟,翠鈿金縷鎮眉心。

小檻日斜風悄悄,隔簾零落杏花陰,斷香輕碧鏁愁深。


(下し文)

浣渓沙 十首 其の八

偏戴 花冠 白玉の簪,睡容 新起 意沉吟,翠鈿 金縷 鎮眉心。

小檻 日斜 風悄悄たり,簾を隔てて零落 杏花の陰,斷香 輕碧 鏁愁深し。


(現代語訳)

(年を取ってきて女は奥まった部屋に入れられたままで誰も訪れない。簾越しにあんずの花も枯れているのが見え侘しい思いの女妓の気持ちを詠う。)

髷は傾き、花の冠をつけ、輝く宝飾の簪が揺れ,よこになってねむり、そして、新たに起きあがり、思いをそっとつぶやいている。翡翠や鈿飾、金の細い絲のかざり、それなのに眉をひそめ、沈んだ心のままである。

小さな檻のようなこの閨に、斜になった日のひかりがさし、風はショウショウと静かでもの寂しくふいている。簾腰に庭の杏もここの女も春を過して枯れ落ちている。花の香り、お香もすでに斷垂れ薄く明るい緑色に染まり、部屋の鍵は締まっていて、愁いは深くなるだけなのだ。

 


(訳注)

浣渓沙 十首 其八

(年を取ってきて女は奥まった部屋に入れられたままで誰も訪れない。簾越しにあんずの花も枯れているのが見え侘しい思いの女妓の気持ちを詠う。)

偏戴花冠白玉簪,睡容新起意沉吟,翠鈿金縷鎮眉心。

髷は傾き、花の冠をつけ、輝く宝飾の簪が揺れ,よこになってねむり、そして、新たに起きあがり、思いをそっとつぶやいている。翡翠や鈿飾、金の細い絲のかざり、それなのに眉をひそめ、沈んだ心のままである。

・偏戴花冠白玉簪 女の閨での現在のようすをいう。髷は傾き、花の冠をつけ、輝く宝飾の簪が揺れる。

・睡容新起意沉吟 この句はいまの女の心の動きを詠う。・沉吟 思い迷う,決めかねてぶつぶつ呟(つぶ/や)く.・睡容 ねすがた。

・翠鈿金縷鎮眉心 ・翠:翡翠のかざり。・鈿:古代婦女の顔面の上に飾物をつけること。

温庭筠『菩薩蠻 九』

牡丹花謝聲歇,綠楊滿院中庭月。

相憶夢難成,背窗燈半明。

翠鈿金壓臉,寂寞香閨掩。

人遠淚闌幹,燕飛春又殘。

『菩薩蠻 九』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-9-9-#9 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1652

・縷 金の糸。また、金色の糸。


小檻日斜風悄悄,隔簾零落杏花陰,斷香輕碧鏁愁深。

小さな檻のようなこの閨に、斜になった日のひかりがさし、風はショウショウと静かでもの寂しくふいている。簾腰に庭の杏もここの女も春を過して枯れ落ちている。花の香り、お香もすでに斷垂れ薄く明るい緑色に染まり、部屋の鍵は締まっていて、愁いは深くなるだけなのだ。

・檻 猛獣や罪人が逃げないように入れておく、鉄格子などを使った頑丈な囲い、または室。

・悄悄 1 元気がなく、うちしおれているさま。悄然。「―として引き返す」 2 静かでもの寂しいさま。 すご‐すご【悄悄】: [副]気落ちして元気がないさま。また、元気なくその場をたち去るさま

・杏花 ピンク色の花。 桜とよく似ている。 開花は桜より少しだけ早いようだ。 幹の部分は桜と同じく 横向きの線が入る。閨怨詩では女性自身に喩えられる。

・鏁 ①. 0 戸・箱の蓋(ふた)などにつけて,自由に開閉できないようにする金具。 -をさす」 -をおろす」. . 1 錠剤。

カンナ223

浣渓沙 十首 其六 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-344-7-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3267

張泌《浣渓沙 十首 其六》あの人が来なくなって使わない枕があり、香炉もたたらのようになっている、そして、刺繍に飾られた垂れ幕に隔てられてしまっている、もう二年にもなる、一日中、あの人のことを思い続けている。又春が来て杏の花、あきの明月は女の身として、つらい思いを初めて知る。



2013年11月9日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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司馬相如 《上林賦 》(38)―#13-2  文選 賦<110-#13-2>13分割41回 Ⅱ李白に影響を与えた詩943 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3263
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《晚秋郾城夜會聯句〔韓愈、李正封〕》(9)-#7韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <856>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3264韓愈詩-220-#7
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ685 《數陪李梓州泛江,有女樂在諸舫,戲為豔曲二首贈李,二首之一》 蜀中転々 杜甫 <591>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3265 杜甫詩1000-591-847/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集Fc2ブログ68  謝靈運(謝康楽) 《擬魏太子鄴中集詩八首 應瑒》 魏詩  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3266 (11/09)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性LiveDoor浣渓沙 十首 其六 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-344-7-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3267
 
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『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠

浣渓沙 十首 其六 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-344-7-#6   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3267


木蓮001

浣渓沙 十首其六

(男に棄てられて2年目の春を過す女を詠う)

枕障燻鑪隔繡幃,二年終日兩相思,杏花明月始應知。

あの人が来なくなって使わない枕があり、香炉もたたらのようになっている、そして、刺繍に飾られた垂れ幕に隔てられてしまっている、もう二年にもなる、一日中、あの人のことを思い続けている。又春が来て杏の花、あきの明月は女の身として、つらい思いを初めて知る。

天上人間何處去,舊歡新夢覺來時,黃昏微雨畫簾垂。

来ないというのは、天上に召されたということなのか、あるいは、この世の中のどこかの女の所に行ってしまったのか、あの時はすごく喜んだし、いつも来たときには新しい夢を見たものだった、この黄昏に、春の細雨が降っているから来てくれることはない、だから、奇麗な簾はおろしてしまう。


浣渓沙 十首 其の六

枕障 燻鑪 繡幃を隔つ,二年 終日 兩つながら相い思い,杏花 明月 始めて應に知る。

天上 人間 何處に去り,舊歡 新夢 時に來るを覺ゆ,黃昏 微雨 畫簾垂る。


春爛漫の美女007

『浣渓沙 十首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣渓沙 十首 其六

枕障燻鑪隔繡幃,二年終日兩相思,杏花明月始應知。

天上人間何處去,舊歡新夢覺來時,黃昏微雨畫簾垂。


(下し文)
浣渓沙 十首 其の六
枕障 燻鑪 繡幃を隔つ,二年 終日 兩つながら相い思い,杏花 明月 始めて應に知る。
天上 人間 何處に去り,舊歡 新夢 時に來るを覺ゆ,黃昏 微雨 畫簾垂る。

(
現代語訳)

(男に棄てられて2年目の春を過す女を詠う)

あの人が来なくなって使わない枕があり、香炉もたたらのようになっている、そして、刺繍に飾られた垂れ幕に隔てられてしまっている、もう二年にもなる、一日中、あの人のことを思い続けている。又春が来て杏の花、あきの明月は女の身として、つらい思いを初めて知る。

来ないというのは、天上に召されたということなのか、あるいは、この世の中のどこかの女の所に行ってしまったのか、あの時はすごく喜んだし、いつも来たときには新しい夢を見たものだった、この黄昏に、春の細雨が降っているから来てくれることはない、だから、奇麗な簾はおろしてしまう。

満月00

(訳注)
浣渓沙 十首 其六
(男に棄てられて2年目の春を過す女を詠う)

枕障 燻鑪 隔繡幃,二年 終日 兩相思,杏花 明月 始應知。

あの人が来なくなって使わない枕があり、香炉もたたらのようになっている、そして、刺繍に飾られた垂れ幕に隔てられてしまっている、もう二年にもなる、一日中、あの人のことを思い続けている。又春が来て杏の花、あきの明月は女の身として、つらい思いを初めて知る。

・枕障 1 じゃまをする。じゃま。さしさわり。「障害/故障・罪障・支障・万障・魔障」2 隔てさえぎるもの。「障子・障壁」3 防ぐ。「保障」[難読]

・燻鑪 1 物がよく燃えないで、煙ばかりを出す。「生木が―・る」「焼け跡が―・る」2 煙のすすで黒くなる。すすける。「天井が―・る」3 争い事などが表に現れずに、また、完全に解決しないままで続いている。鑪:粘土でつくられた高さの低い角形の炉。

・繡幃 刺繍に飾られた垂れ幕

天上 人間 何處去,舊歡 新夢 覺來時,黃昏 微雨 畫簾垂。

来ないというのは、天上に召されたということなのか、あるいは、この世の中のどこかの女の所に行ってしまったのか、あの時はすごく喜んだし、いつも来たときには新しい夢を見たものだった、この黄昏に、春の細雨が降っているから来てくれることはない、だから、奇麗な簾はおろしてしまう。

・天上人間何處去 この句は男がもう別の女性の所に行ってしまっていることを云う。

・舊歡新夢覺來時 この句は、昔はいい思いをさせてくれたという。

・黃昏微雨畫簾垂 春の夕暮になって雨が降り始めた、今日は誰も来ることはないというもの。


浣渓沙 十首 其五 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-343-7-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3262

張泌《浣渓沙 十首 其五》春の細雨は中庭には春なのに寂しさと空しさが広がり、ツバメが飛び交い、鶯が春を告げているのにすだれの檻のながで隔離されているようなものだ。杏の花は恨みを凝り固まるものであり、東の風に向かって門に倚りかかるだけなのだ。

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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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浣渓沙 十首 其五 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ
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春爛漫の美女007

浣渓沙 十首 其五

(春には帰って來ると約束して旅に出たまま帰ってこない男を待つ女を詠う)

翡翠屏開繡幄紅,謝娥無力曉粧慵,錦帷鴛被宿香濃。

閉ざされていた翡翠の屏風を開いたら、刺繍のあげばりの中に頬を赤くした人がいる。おしどりが画かれたにしきのとばりの内にも絲番重焚かれたお香が強くかおる。

微雨小庭春寂寞,鷰飛鶯語隔簾櫳,杏花凝恨倚東風。

春の細雨は中庭には春なのに寂しさと空しさが広がり、ツバメが飛び交い、鶯が春を告げているのにすだれの檻のながで隔離されているようなものだ。杏の花は恨みを凝り固まるものであり、東の風に向かって門に倚りかかるだけなのだ。

浣渓沙 十首 其の五

翡翠 屏開き 繡幄【しゅうあく】の紅,謝娥 力無く 曉粧の慵,錦帷 鴛被 宿香濃く。

微雨 小庭 春 寂寞たり,鷰飛 鶯語 簾櫳を隔ち,杏花 凝恨 東風に倚る。
 

『浣渓沙 十首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣渓沙 十首 其五

翡翠屏開繡幄紅,謝娥無力曉粧慵,錦帷鴛被宿香濃。

微雨小庭春寂寞,鷰飛鶯語隔簾櫳,杏花凝恨倚東風。
 

(下し文)

浣渓沙 十首 其の五

翡翠 屏開き 繡幄【しゅうあく】の紅,謝娥 力無く 曉粧の慵,錦帷 鴛被 宿香濃く。

微雨 小庭 春 寂寞たり,鷰飛 鶯語 簾櫳を隔ち,杏花 凝恨 東風に倚る。


(現代語訳)

(春には帰って來ると約束して旅に出たまま帰ってこない男を待つ女を詠う)

閉ざされていた翡翠の屏風を開いたら、刺繍のあげばりの中に頬を赤くした人がいる。おしどりが画かれたにしきのとばりの内にも絲番重焚かれたお香が強くかおる。

春の細雨は中庭には春なのに寂しさと空しさが広がり、ツバメが飛び交い、鶯が春を告げているのにすだれの檻のながで隔離されているようなものだ。杏の花は恨みを凝り固まるものであり、東の風に向かって門に倚りかかるだけなのだ。

 


(訳注)

浣渓沙 十首 其五

(春には帰って來ると約束して旅に出たまま帰ってこない男を待つ女を詠う)

世の中はすべて春を示しているのに、いつまで待っても帰ってこない。前段は男を待つ閨のようすを詠い、後段は、外部の景色様子を詠う。

agehacho01

翡翠屏開繡幄紅,謝娥無力曉粧慵,錦帷鴛被宿香濃。

閉ざされていた翡翠の屏風を開いたら、刺繍のあげばりの中に頬を赤くした人がいる。おしどりが画かれたにしきのとばりの内にも絲番重焚かれたお香が強くかおる。

・幄 幄舎のこと。四隅に柱を立て、棟・檐(のき)を渡して布帛(ふはく)で覆った仮小屋。祭儀などのときに、臨時に庭に設けるもの。幄。幄の屋()。あげばり。


微雨小庭春寂寞,鷰飛鶯語隔簾櫳,杏花凝恨倚東風。

春の細雨は中庭には春なのに寂しさと空しさが広がり、ツバメが飛び交い、鶯が春を告げているのにすだれの檻のながで隔離されているようなものだ。杏の花は恨みを凝り固まるものであり、東の風に向かって門に倚りかかるだけなのだ。

・寂寞 1 ひっそりとして寂しいさま。じゃくまく。2 心が満たされずにもの寂しいさま。

・鷰飛鶯語 ツバメと鶯、どちらも春の男女生活を意味する言葉。

・隔簾櫳 簾を四方にねやでただすごしているので、すだれのおりとした。

・倚東風 春になって春風が吹けば、東に旅立っていった男を東の門に倚りかかって待つことを云う。

 杏の花001

浣渓沙 十首 其四 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-342-7-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3257

張泌《浣渓沙 十首 其四》又来ると約束したから流行の眉を書いたままにして、あの人が喜んでくれた黄蕊を額に収めて化粧しているのです。緑の丸髷の黒髪は簪を抜いて擲って長いままおろしています。春の日は暖かに吹いて、晴れやかに日は射しているけれど、もう朝の化粧直しはしないのです。


2013年11月7日 の紀頌之5つのブログ
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
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浣渓沙 十首 其四 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-342-7-#4   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3257

 

 

浣溪沙十首 其四

(年を取ってきて男は寄り付かなくなってしまった。思い直して強い匂い袋を付けて気分を変えてみる。又夜を迎えて侘しい思いの女儀の気持ちを詠う。)

依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。

又来ると約束したから流行の眉を書いたままにして、あの人が喜んでくれた黄蕊を額に収めて化粧しているのです。緑の丸髷の黒髪は簪を抜いて擲って長いままおろしています。春の日は暖かに吹いて、晴れやかに日は射しているけれど、もう朝の化粧直しはしないのです。

閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

春の終わり、海棠の花を静かに摘み取って、じっと見つめ、それから、花をよじって、からませてみます。玉のような肌には漲る力がなくなった入るけれど、香りのものをたくさんつけて惹かれるようにするのです。この思いは誰に逢うためなのでしょう、相手もいないのに傾いた日差しの中に窓辺に倚りかかっているのです。

 

 雲髻001

 

『浣溪沙十首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙十首其四

依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。

閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

 

 

(下し文)

(浣溪沙十首 其の四)

約に依り眉を殘し舊黃を理し,翠鬟【すいかん】擲【ほうてき】一簪【いちしん】長じ,暖風 晴日 朝粧を罷む。

閑にして海棠を折り 看 又た撚じ,玉纖 力無く 餘香に惹かる,此の情 誰れに會うのか 斜陽に倚る。

 

 

(現代語訳)

(年を取ってきて男は寄り付かなくなってしまった。思い直して強い匂い袋を付けて気分を変えてみる。又夜を迎えて侘しい思いの女儀の気持ちを詠う。)

又来ると約束したから流行の眉を書いたままにして、あの人が喜んでくれた黄蕊を額に収めて化粧しているのです。緑の丸髷の黒髪は簪を抜いて擲って長いままおろしています。春の日は暖かに吹いて、晴れやかに日は射しているけれど、もう朝の化粧直しはしないのです。

春の終わり、海棠の花を静かに摘み取って、じっと見つめ、それから、花をよじって、からませてみます。玉のような肌には漲る力がなくなった入るけれど、香りのものをたくさんつけて惹かれるようにするのです。この思いは誰に逢うためなのでしょう、相手もいないのに傾いた日差しの中に窓辺に倚りかかっているのです。

 

 

(訳注)

浣溪沙十首 其四

(年を取ってきて男は寄り付かなくなってしまった。思い直して強い匂い袋を付けて気分を変えてみる。又夜を迎えて侘しい思いの女儀の気持ちを詠う。)

 

依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。

又来ると約束したから流行の眉を書いたままにして、あの人が喜んでくれた黄蕊を額に収めて化粧しているのです。緑の丸髷の黒髪は簪を抜いて擲って長いままおろしています。春の日は暖かに吹いて、晴れやかに日は射しているけれど、もう朝の化粧直しはしないのです。

・翠鬟 1)輪にまいた黒毛のまげ。美人の髪をいう。(2)青々とした山のさま。

 (1) 投げる,ほうる。(2) 捨て去る,置き去りにする。女妻子を捨て去る.投げ売りする.(3)つや出しをする,研磨する.

・擲 なげうつ〈テキ〉なげつける。なげうつ。「一擲」はひとたび投げること。

 

 

閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

春の終わり、海棠の花を静かに摘み取って、じっと見つめ、それから、花をよじって、からませてみます。玉のような肌には漲る力がなくなった入るけれど、香りのものをたくさんつけて惹かれるようにするのです。この思いは誰に逢うためなのでしょう、相手もいないのに傾いた日差しの中に窓辺に倚りかかっているのです。

・海棠 樹高:58m; 開花期:45; 花径:3.55cm; 花弁数:510; 花柄長:36cm; 果実径:2cm; 実色:赤。 花言葉は「温和」「妖艶」「艶麗」「美人の眠り」。

薛濤『海棠溪』

春教風景駐仙霞,水面魚身總帶花。

人世不思靈卉異,競將紅纈染輕沙。

蜀全体の海棠花が咲き乱れる渓谷とする。地図上で確認されるところとしては第一は四川省の重慶から長江を渡った対岸にある名所。おそらく薛濤は巫山へ行ったときでも上流運河を利用すると重慶を通過したかどうか、ここに立ち寄るには回り道である。第二は、四川省越雋県の北百二十五里に海棠関というのがあり、その南十五里を清水堡という。その附近にもあるが、營妓である薛濤が行くには遠すぎる。いずれにしても「百花譜」 に「海棠は蜀に盛んにして、秦中これに次ぐ」というから、あちこちに名所があるのであろう。

・撚 よじる。1 糸など、何本かをねじり合わせて1本にする。「縄を―・る」2 ねじる。ねじるように曲げる。また、ねじって螺旋(らせん)状にする。

・繊 1 ほそい。こまかい。2 繊維。

・惹 (1) (よくない事を)引き起こす

惹来不少麻 いろいろ面倒を引き起こした.

災いを起こす.

(2) 感情を害する,気に障ることを言う

不要惹他 彼を怒らせるようなことを言うな.

(3) 注意を引く,ある反応を引き起こす

惹人 人に嫌われる.

惹眼   人目をひく.
pla030
 

《西溪子》牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-338-6-#25 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3237

牛嶠《西溪子》壁に描かれた高堂の前に立ち、それでも話す人はなく語ることもない。琵琶の弦だけは独り言を理解してくれる。爪弾いた「昭君怨」の調べは閨の奥まで弾いてくるし、翡翠も、嫦娥も一人で暮らす愁いを持っている。これではあちこち男を探して頭を回らすこともできないのです。

 



2013年11月3日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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司馬相如《上林賦 》(32)― #11-2 文選 賦<110-#11-2>13分割40回 Ⅱ李白に影響を与えた詩937 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3233
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
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《晚秋郾城夜會聯句〔韓愈、李正封〕》(3)韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <850>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3234韓愈詩-220-#1-1
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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《西溪子》牛嶠【ぎゅうきょう】 Ⅹ唐五代詞・「花間集」Gs-338-6-#25 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3237

 

 

西溪子

(政略やさだめとして一人になった宮女の思いを詠う)

捍撥雙盤金鳳,蟬鬢玉釵搖動。

綺麗に画かれた琵琶・阮咸の捍撥、二人で遊んだ盤双六、金鳳の簪があり、蝉の髪飾り、輝く宝飾の簪、風に揺れる。

畫堂前,人不語,弦解語。

壁に描かれた高堂の前に立ち、それでも話す人はなく語ることもない。琵琶の弦だけは独り言を理解してくれる。

彈到昭君怨處,翠蛾愁,不迴頭。

爪弾いた「昭君怨」の調べは閨の奥まで弾いてくるし、翡翠も、嫦娥も一人で暮らす愁いを持っている。これではあちこち男を探して頭を回らすこともできないのです。

(西溪子【せいけいし】)

捍撥【かんぱち】雙盤 金鳳あり,蟬鬢 玉釵 搖れ動く。

畫堂の前,人語らず,弦するは語を解す。

彈くは「昭君怨」の處に到り,翠・蛾も愁うなり,頭を迴わせざるなり。

花蕊夫人006
 

 

『西溪子』 現代語訳と訳註

(本文)

西溪子

捍撥雙盤金鳳,蟬鬢玉釵搖動。

畫堂前,人不語,弦解語。

彈到昭君怨處,翠蛾愁,不迴頭。

 

 

(下し文)

(西溪子【せいけいし】)

捍撥【かんぱち】雙盤 金鳳あり,蟬鬢 玉釵 搖れ動く。

畫堂の前,人語らず,弦するは語を解す。

彈くは「昭君怨」の處に到り,翠・蛾も愁うなり,頭を迴わせざるなり。

 

 

(現代語訳)

(政略やさだめとして一人になった宮女の思いを詠う)

綺麗に画かれた琵琶・阮咸の捍撥、二人で遊んだ盤双六、金鳳の簪があり、蝉の髪飾り、輝く宝飾の簪、風に揺れる。

壁に描かれた高堂の前に立ち、それでも話す人はなく語ることもない。琵琶の弦だけは独り言を理解してくれる。

爪弾いた「昭君怨」の調べは閨の奥まで弾いてくるし、翡翠も、嫦娥も一人で暮らす愁いを持っている。これではあちこち男を探して頭を回らすこともできないのです。

 

 

(訳注)

西溪子

(政略やさだめとして一人になった宮女の思いを詠う)

『花間集』には三首所収され、牛嶠の作が一首収められている。双調三十五字、前段十五字四句二平韻、後段二十字四句二灰韻二平韻で、❻❻/3③③6❸❸の詞形をとる。

 

 

捍撥雙盤金鳳,蟬鬢玉釵搖動。

綺麗に画かれた琵琶・阮咸の捍撥、二人で遊んだ盤双六、金鳳の簪があり、蝉の髪飾り、輝く宝飾の簪、風に揺れる。

・捍撥【かんぱち】 琵琶や阮咸(げんかん)などの楽器を捍撥という。すなわち撥のあたる皮張りの表面に濃彩画があるもの。

・雙盤 盤双六(ばんすごろく)と後世に発生して単に「双六」と称した絵双六(えすごろく)の2種類があった。

 

畫堂前,人不語,弦解語。

壁に描かれた高堂の前に立ち、それでも話す人はなく語ることもない。琵琶の弦だけは独り言を理解してくれる。

 

彈到昭君怨處,翠蛾愁,不迴頭。

爪弾いた「昭君怨」の調べは閨の奥まで弾いてくるし、翡翠も、嫦娥も一人で暮らす愁いを持っている。これではあちこち男を探して頭を回らすこともできないのです。

・昭君怨 王昭君の詠った詩題、ここでは筝曲であり、王昭君:前漢の元帝の宮女。竟寧元年(紀元前33年)、匈奴との和親のため、呼韓邪単于に嫁し、「寧胡閼氏」としてその地で没した。名は檣。ともするが、『漢書・元帝紀』では前者「檣」。昭君は字。明君、明妃は、「昭」字をさけたための晋以降の称。

・翠蛾 翡翠は鳥の雄の「赤」を表わし”翠”は雌の「緑」を表わしているが、ここに言う翠はメス、女、蛾は嫦娥も一人で過ごす女。嫦娥 神話中の女性。神話の英雄、羿(がい)が西方極遠の地に存在する理想国西王母の国の仙女にお願いしてもらった不死の霊薬を、その妻の嫦娥がぬすみ飲み、急に身軽くなって月世界まで飛びあがり月姫となった。漢の劉安の「淮南子」覧冥訓に登場する。なお、魯迅(1881l936)にこの神話を小説化した「羿月」がいげつと題する小説がある。

李白 把酒問月

把酒問月、故人賈淳令余問之。

靑天有月來幾時,我今停杯一問之。

人攀明月不可得,月行卻與人相隨。

皎如飛鏡臨丹闕,綠煙滅盡淸輝發。

但見宵從海上來,寧知曉向雲閒沒。

白兔搗藥秋復春,嫦娥孤棲與誰鄰。

今人不見古時月,今月曾經照古人。

古人今人若流水,共看明月皆如此。

唯願當歌對酒時,月光長照金樽裏。

月下獨酌四首 其四

 

李商隠『嫦娥』 

雲母屏風燭影深、長河漸落暁星沈。

嫦娥應悔倫塞薬、碧海青天夜夜心。

李商隠 『嫦娥』 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集約130首 詩の背景1.道教 2.芸妓 3.嫦娥と李商隠

 

菜の花001



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牛嶠《菩薩蠻七首 其六》 香が焚かれたままの高閣は芙蓉の美女たちがあふれている。そこにはきれいな絵が画かれっている屏風のうちに美女がよこたわり、それが幾重にも重なっている。秋も深まり窓に寒くなると空に日が早く昇ってほしいと思うのです。そして、今もなお、心を一つにして固く結ばれたいのです。

  
唐五代詞・ 「花間集」 Gs-335-6-#22   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3222
 


2013年10月31日の紀頌之5つのブログ
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Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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菩薩蠻七首 其六 牛嶠【ぎゅうきょう】  Ⅹ

 

菩薩蠻七首 其一

(辺境に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)

舞裙香暖金泥鳳,畫梁語鷰驚殘夢。

舞いに着るのスカートは香しく金泥の鳳模様がきれい、塗りの梁の上の燕が鳴き交わすと名残りの夢は破られる思いになってしまう。

門外柳花飛,玉郎猶未歸。

門の外は春もさかり、柳の架は舞い飛ぶのに、あのひとは未だに帰って来ることはないのです。

愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。

待つ身の侘しさで愁いは涙をさそい、くずれた化粧を直します。眉は春山の翠のように整えるのです。

何處是遼陽,錦屏春晝長。

あの人がいるという遼陽は何処なのでしょう、ここの錦屏風の閨の内には春の昼はただ長くなってゆくのです。

(菩薩蠻七首 其の一)

舞裙 香 暖かく 金泥の鳳,畫梁【がりょう】語る鷰 殘夢を驚く。

門外 柳花 飛,玉郎 猶お未だ歸らず。

愁いて紅粉の淚を勻え,眉は春山の翠を剪る。

何處か 是れ遼陽なる,錦屏 春晝 長し。

 

其二

(旅に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)その二

柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。

柳絮が飛びが飛び交うところには春を告げる鶯も行く春を惜しんで急いでいる。夕方の薄暗さが暗くなっていく春の景色もすっかり進んだ日に香をたきこめた御車が旅立っていく。

金鳳小簾開,臉波和恨來。

金の鳳凰の刺繍の小窓のカーテンを開いて見送る。まぶたに溢れる涙の後には少しづつ怨みの気持ちがやってくる。

今宵求夢想,難到青樓上。

今宵からは夢の中であの人のことを思い浮かべる。もうあの人を見送った東の楼閣に昇って過ごすことなどできないのだ、

贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

ここの場所では愁いが追加されてくるばかり、鴛鴦の布団に誰が並んで頭を並べてくれるのでしょう。

(其の二)

柳花 飛ぶ處 鶯聲急なり,暗き街 春色 香車立つ。

金鳳 小簾開き,臉波 和みて恨み來る。

今宵 夢想を求め,青樓の上に到れ難し。

贏得【えいとく】 一場愁い,鴛衾【おうきん】 誰ぞ頭を並べん。

 

其三

(どこにいるかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。)その三

玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。

奇麗に輝く簪が蚊座に揺れていて、春の季節の旗が大きくなびく。杏の花がいっぱいの木の枝が交差していて、これからもっと草木が生繁し、匂いがひろがり、春の緑の煙霞に包まれた風景の中で涙するのです。

樓上望卿卿,寒新雨晴。

高樓の上に上がって「卿卿(キョウキョウ)」としたあの人のいる方を望んでみるのです。でも実際には、この窓辺にはもう秋も深まり、雨から晴れに変わり気持ちも新たになるのです。

薰爐蒙翠被,繡帳鴛鴦睡。

夕刻から香炉で薫じて閨に広がり、翡翠の扇がかぶさるようにあり、刺繍のとばりには、鴛鴦が眠っている。

何處有相知,羨他初畫眉。

女は青の人がどこに行っているのかはわからないのです。ほかの女の人には彼氏が来ているのがとてもうらやましいと思っているばかりではどうしようもないので、初めての形の眉を書いてみるのです。

 

(其の三)

玉釵 風動き春幡急なり,交枝 紅杏 籠煙り泣く。

樓上 望み卿卿,寒 新らたに雨晴る。

薰爐 蒙翠被り,繡帳 鴛鴦の睡。

何處にか 相い知る有る,他を羨む初めて眉を畫く。

 

 

其四

(雲が流れると「巫山の雲雨」を思われ、さびしくなる女の情を詠う。)その四

畫屏重疊巫陽翠,楚神尚有行雲意。

奇麗に書かれた屏風が幾重に重ねられた向こうには巫陽の翡翠の扇がある。巫陽を愛した楚王は雲が流れていくと巫女が雨となって來るというのが思い出される。

朝暮幾般心,向他情漫深。

特にそれが「朝雲暮雨」ということで朝が来て、夕方になるとどれだけ女の思いをかき立てるのかどうかなのです。ほかの人と接するたびにあの人のことがさらに深く思われるのです。

風流今古隔,虛作瞿塘客。

月日が過ぎ、風が流れ、此のことも昔のこととなってしまったのです。だから、いまは空しくこの詩を作るのです瞿塘峡を下って云ったあの人の事を思って。

山月照山花,夢迴燈影斜。

山影より月がのぼって、山も花も照らしている。女の夢はいろいろと廻り回り、燈火も付けたままで影を斜めにしている。

(其の四)

畫屏 重疊 巫陽の翠,楚神 尚お行雲の意有り。

朝暮 幾か般心す,他に向う 情 漫深す。

風流 今古と隔り,虛作すは瞿塘の客を。

山月 山花を照し,夢は迴る 燈影斜なり。

 

其五

(どこにいるかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。)その五

風簾鷰舞鶯啼柳,粧臺約鬢低纖手。

風が簾を通り抜け、つばめが舞い飛び交い、鶯が柳いて春を告げると、もうやなぎの別れをしている。化粧台に向かい、髪を整えかぼそい手を低くする。

釵重髻盤珊,一枝紅牡丹。

簪が重く下がり、髷を丸くし珊瑚も飾りをつける。庭に一枝、紅い牡丹が咲いている。

門前行樂客,白馬嘶春色。

この屋の門前には春の野へ行楽に向かう男女がいるでも私には及びの声はかからない。でも高官のあの人の騎る白馬がこの男女の春景色を前にして高く嘶いて、行こうとしている。

故故墜金鞭,迴頭應眼穿。

それなのに、これなのか、金で飾られた鞭が堕ちている。頭を廻してみるとそこには目を丸くすることばかりなのです。

 

菩薩蠻七首其五

風簾 鷰舞い鶯柳に啼く,粧臺 鬢を約し纖手を低くす。

釵重く髻の盤珊,一枝 紅牡丹。

門前 行樂の客,白馬 春色に嘶く。

故故にして 金鞭墜ち,頭を迴して應に眼穿つ。

 

其六

(どこにいるかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。)その六

綠雲鬢上飛金雀,愁眉斂翠春煙薄。

雲型の黒髪の上に金雀が飛んでるように飾られている。愁いおびた眉に、翡翠の羽があつまって、春霞は薄く漂う。

香閣掩芙蓉,畫屏山幾重。

香が焚かれたままの高閣は芙蓉の美女たちがあふれている。そこにはきれいな絵が画かれっている屏風のうちに美女がよこたわり、それが幾重にも重なっている。

寒天欲曙,猶結同心苣。

秋も深まり窓に寒くなると空に日が早く昇ってほしいと思うのです。そして、今もなお、心を一つにして固く結ばれたいのです。

啼粉羅衣,問郎何日歸。

でもあの人は来ない今日も涙で化粧は落ち閨に着る上着も涙で化粧が落ちて汚してしまったのです。どうしてもあの人に聞いてみたい「いつ帰って來るのですか」と。

(其六)

綠雲 鬢上 金雀飛び,愁眉 斂翠 春煙薄し。

香閣 芙蓉に掩れ,畫屏 山幾重なり。

寒 天欲曙,猶お心苣を同じうするを結ぶ。

啼き粉れ 羅衣を,郎に問う 何れの日にか歸らん。

 

其七

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。

柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。

須作一生拚,盡君今日歡。

 蓮00

 

『菩薩蠻七首其六』 現代語訳と訳註

(本文)

其六

綠雲鬢上飛金雀,愁眉斂翠春煙薄。

香閣掩芙蓉,畫屏山幾重。

寒天欲曙,猶結同心苣。

啼粉羅衣,問郎何日歸。

 

 

(下し文)

(其六)

綠雲 鬢上 金雀飛び,愁眉 斂翠 春煙薄し。

香閣 芙蓉に掩れ,畫屏 山幾重なり。

寒 天欲曙,猶お心苣を同じうするを結ぶ。

啼き粉れ 羅衣を,郎に問う 何れの日にか歸らん。

 

 

(現代語訳)

(どこにいるかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。)その六

雲型の黒髪の上に金雀が飛んでるように飾られている。愁いおびた眉に、翡翠の羽があつまって、春霞は薄く漂う。

香が焚かれたままの高閣は芙蓉の美女たちがあふれている。そこにはきれいな絵が画かれっている屏風のうちに美女がよこたわり、それが幾重にも重なっている。

秋も深まり窓に寒くなると空に日が早く昇ってほしいと思うのです。そして、今もなお、心を一つにして固く結ばれたいのです。

でもあの人は来ない今日も涙で化粧は落ち閨に着る上着も涙で化粧が落ちて汚してしまったのです。どうしてもあの人に聞いてみたい「いつ帰って來るのですか」と。

 

 

(訳注)

菩薩蠻七首其六

(どこにいるかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。)その六

唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

楽しい、うれしい春を過ごし、夏を過ごし、秋もそうであったのに、秋が深まると突然来なくなったのだ。秋の夜長を悲しく過ごす女の気持ちを詠う。この時代、一夫多妻制で、富裕者は家に囲い、外にも妻を置いた。

 

 

綠雲鬢上飛金雀,愁眉斂翠春煙薄。

雲型の黒髪の上に金雀が飛んでるように飾られている。愁いおびた眉に、翡翠の羽があつまって、春霞は薄く漂う。

・この二句 春の季節には男女はとても仲が良かったことを云う

 

 

香閣掩芙蓉,畫屏山幾重。

香が焚かれたままの高閣は芙蓉の美女たちがあふれている。そこにはきれいな絵が画かれっている屏風のうちに美女がよこたわり、それが幾重にも重なっている。

・芙蓉 古くは往々にして蓮(ハス)の花を指した。美女の形容としても多用された表現である。フヨウと区別するために「水芙蓉」とも。ここでははっきりと高閣の中にたくさんの美女がいることを云っている。

・この二句 芙蓉は夏、秋を意味していて、ここまで仲が良かったことを示す。

 

 

寒天欲曙,猶結同心苣。

秋も深まり窓に寒くなると空に日が早く昇ってほしいと思うのです。そして、今もなお、心を一つにして固く結ばれたいのです。

・この二句 ここでは秋も深まり、夜長を一人さびしく過ごしたいと思っていた波悲しい秋になってしまったことを云っている。でもまた身も心も一体化したいと思っている。

 

 

啼粉羅衣,問郎何日歸。

でもあの人は来ない今日も涙で化粧は落ち閨に着る上着も涙で化粧が落ちて汚してしまったのです。どうしてもあの人に聞いてみたい「いつ帰って來るのですか」と。

・この二句  閨の着物にきかえて待っているもののその夜も来なかった。その深い悲しを詠ったものである。
魚玄機が宮島に
 

菩薩蠻七首 其五 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-334-6-#21  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3217

牛嶠《菩薩蠻七首 其五》 風が簾を通り抜け、つばめが舞い飛び交い、鶯が柳いて春を告げると、もうやなぎの別れをしている。化粧台に向かい、髪を整えかぼそい手を低くする。簪が重く下がり、髷を丸くし珊瑚も飾りをつける。庭に一枝、紅い牡丹が咲いている。


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菩薩蠻七首 其五 牛嶠【ぎゅうきょう】  Ⅹ
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菩薩蠻七首 其一

(辺境に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)

舞裙香暖金泥鳳,畫梁語鷰驚殘夢。

舞いに着るのスカートは香しく金泥の鳳模様がきれい、塗りの梁の上の燕が鳴き交わすと名残りの夢は破られる思いになってしまう。

門外柳花飛,玉郎猶未歸。

門の外は春もさかり、柳の架は舞い飛ぶのに、あのひとは未だに帰って来ることはないのです。

愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。

待つ身の侘しさで愁いは涙をさそい、くずれた化粧を直します。眉は春山の翠のように整えるのです。

何處是遼陽,錦屏春晝長。

あの人がいるという遼陽は何処なのでしょう、ここの錦屏風の閨の内には春の昼はただ長くなってゆくのです。

(菩薩蠻七首 其の一)

舞裙 香 暖かく 金泥の鳳,畫梁【がりょう】語る鷰 殘夢を驚く。

門外 柳花 飛,玉郎 猶お未だ歸らず。

愁いて紅粉の淚を勻え,眉は春山の翠を剪る。

何處か 是れ遼陽なる,錦屏 春晝 長し。

 

其二

(旅に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)その二

柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。

柳絮が飛びが飛び交うところには春を告げる鶯も行く春を惜しんで急いでいる。夕方の薄暗さが暗くなっていく春の景色もすっかり進んだ日に香をたきこめた御車が旅立っていく。

金鳳小簾開,臉波和恨來。

金の鳳凰の刺繍の小窓のカーテンを開いて見送る。まぶたに溢れる涙の後には少しづつ怨みの気持ちがやってくる。

今宵求夢想,難到青樓上。

今宵からは夢の中であの人のことを思い浮かべる。もうあの人を見送った東の楼閣に昇って過ごすことなどできないのだ、

贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

ここの場所では愁いが追加されてくるばかり、鴛鴦の布団に誰が並んで頭を並べてくれるのでしょう。

(其の二)

柳花 飛ぶ處 鶯聲急なり,暗き街 春色 香車立つ。

金鳳 小簾開き,臉波 和みて恨み來る。

今宵 夢想を求め,青樓の上に到れ難し。

贏得【えいとく】 一場愁い,鴛衾【おうきん】 誰ぞ頭を並べん。

 

其三

(どこにいるかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。)その三

玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。

奇麗に輝く簪が蚊座に揺れていて、春の季節の旗が大きくなびく。杏の花がいっぱいの木の枝が交差していて、これからもっと草木が生繁し、匂いがひろがり、春の緑の煙霞に包まれた風景の中で涙するのです。

樓上望卿卿,寒新雨晴。

高樓の上に上がって「卿卿(キョウキョウ)」としたあの人のいる方を望んでみるのです。でも実際には、この窓辺にはもう秋も深まり、雨から晴れに変わり気持ちも新たになるのです。

薰爐蒙翠被,繡帳鴛鴦睡。

夕刻から香炉で薫じて閨に広がり、翡翠の扇がかぶさるようにあり、刺繍のとばりには、鴛鴦が眠っている。

何處有相知,羨他初畫眉。

女は青の人がどこに行っているのかはわからないのです。ほかの女の人には彼氏が来ているのがとてもうらやましいと思っているばかりではどうしようもないので、初めての形の眉を書いてみるのです。

 

(其の三)

玉釵 風動き春幡急なり,交枝 紅杏 籠煙り泣く。

樓上 望み卿卿,寒 新らたに雨晴る。

薰爐 蒙翠被り,繡帳 鴛鴦の睡。

何處にか 相い知る有る,他を羨む初めて眉を畫く。

 

 

其四

(雲が流れると「巫山の雲雨」を思われ、さびしくなる女の情を詠う。)その四

畫屏重疊巫陽翠,楚神尚有行雲意。

奇麗に書かれた屏風が幾重に重ねられた向こうには巫陽の翡翠の扇がある。巫陽を愛した楚王は雲が流れていくと巫女が雨となって來るというのが思い出される。

朝暮幾般心,向他情漫深。

特にそれが「朝雲暮雨」ということで朝が来て、夕方になるとどれだけ女の思いをかき立てるのかどうかなのです。ほかの人と接するたびにあの人のことがさらに深く思われるのです。

風流今古隔,虛作瞿塘客。

月日が過ぎ、風が流れ、此のことも昔のこととなってしまったのです。だから、いまは空しくこの詩を作るのです瞿塘峡を下って云ったあの人の事を思って。

山月照山花,夢迴燈影斜。

山影より月がのぼって、山も花も照らしている。女の夢はいろいろと廻り回り、燈火も付けたままで影を斜めにしている。

(其の四)

畫屏 重疊 巫陽の翠,楚神 尚お行雲の意有り。

朝暮 幾か般心す,他に向う 情 漫深す。

風流 今古と隔り,虛作すは瞿塘の客を。

山月 山花を照し,夢は迴る 燈影斜なり。

 

其五

(どこにいるかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。)その五

風簾鷰舞鶯啼柳,粧臺約鬢低纖手。

風が簾を通り抜け、つばめが舞い飛び交い、鶯が柳いて春を告げると、もうやなぎの別れをしている。化粧台に向かい、髪を整えかぼそい手を低くする。

釵重髻盤珊,一枝紅牡丹。

簪が重く下がり、髷を丸くし珊瑚も飾りをつける。庭に一枝、紅い牡丹が咲いている。

門前行樂客,白馬嘶春色。

この屋の門前には春の野へ行楽に向かう男女がいるでも私には及びの声はかからない。でも高官のあの人の騎る白馬がこの男女の春景色を前にして高く嘶いて、行こうとしている。

故故墜金鞭,迴頭應眼穿。

それなのに、これなのか、金で飾られた鞭が堕ちている。頭を廻してみるとそこには目を丸くすることばかりなのです。

 

菩薩蠻七首其五

風簾 鷰舞い鶯柳に啼く,粧臺 鬢を約し纖手を低くす。

釵重く髻の盤珊,一枝 紅牡丹。

門前 行樂の客,白馬 春色に嘶く。

故故にして 金鞭墜ち,頭を迴して應に眼穿つ。

 

其六

綠雲鬢上飛金雀,愁眉斂翠春煙薄。

香閣掩芙蓉,畫屏山幾重。

寒天欲曙,猶結同心苣。

啼粉羅衣,問郎何日歸。

 

其七

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。

柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。

須作一生拚,盡君今日歡。

botan00
 

 

『菩薩蠻七首』 現代語訳と訳註

(本文)

菩薩蠻七首其五

風簾鷰舞鶯啼柳,粧臺約鬢低纖手。

釵重髻盤珊,一枝紅牡丹。

門前行樂客,白馬嘶春色。

故故墜金鞭,迴頭應眼穿。

 

 

(下し文)

菩薩蠻七首其五

風簾 鷰舞い鶯柳に啼く,粧臺 鬢を約し纖手を低くす。

釵重く髻の盤珊,一枝 紅牡丹。

門前 行樂の客,白馬 春色に嘶く。

故故にして 金鞭墜ち,頭を迴して應に眼穿つ。

 

 

(現代語訳)

(どこにいるかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。)その五

風が簾を通り抜け、つばめが舞い飛び交い、鶯が柳いて春を告げると、もうやなぎの別れをしている。化粧台に向かい、髪を整えかぼそい手を低くする。

簪が重く下がり、髷を丸くし珊瑚も飾りをつける。庭に一枝、紅い牡丹が咲いている。

この屋の門前には春の野へ行楽に向かう男女がいるでも私には及びの声はかからない。でも高官のあの人の騎る白馬がこの男女の春景色を前にして高く嘶いて、行こうとしている。

それなのに、これなのか、金で飾られた鞭が堕ちている。頭を廻してみるとそこには目を丸くすることばかりなのです。

 

 

(訳注)

菩薩蠻七首其五

(どこにいるかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。)その五

唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

春が訪れて、春景色の中で、あの人は来ないと思っていたら、見たくもない光景を見にする。男目線で、よくある光景を詠った女の情を詠う。

美女004
 

 

風簾鷰舞鶯啼柳,粧臺約鬢低纖手。

風が簾を通り抜け、つばめが舞い飛び交い、鶯が柳いて春を告げると、もうやなぎの別れをしている。化粧台に向かい、髪を整えかぼそい手を低くする。

・この二句は待ち遠しい春が来たことを春のアイテムを鏤めている。しかしその中に嬉しさ、楽しさというのは見いだせないのも特徴である。

 

釵重髻盤珊,一枝紅牡丹。

簪が重く下がり、髷を丸くし珊瑚も飾りをつける。庭に一枝、紅い牡丹が咲いている。

・釵重 この二句は上句は閨の状況。下句は庭のようすを云う。カンザシを挿したままで落ち欠けている。

・髻盤珊 化粧台に向かっても何もしたくないという恩南パリ様を云う。

・一枝紅牡丹 庭に一本の赤いボタンの花を看る。ここは、若い女を指す。

 

門前行樂客,白馬嘶春色。

この屋の門前には春の野へ行楽に向かう男女がいるでも私には及びの声はかからない。でも高官のあの人の騎る白馬がこの男女の春景色を前にして高く嘶いて、行こうとしている。

・行楽 当時は野山に出かけ酒を呑むことを万幕を張って楽しんだ。当時は春には靑姦というのは通常のことであったようだ。

 

故故墜金鞭,迴頭應眼穿。

それなのに、これなのか、金で飾られた鞭が堕ちている。頭を廻してみるとそこには目を丸くすることばかりなのです。

・應眼穿 行楽に向かうはずが、ここの座敷の中に入っていった。だから見たくも無い光景を目の当たりにしたというのがこの詩の意味である。

菩薩蠻七首 其四 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-333-6-#20  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3212

牛嶠《菩薩蠻七首 其四》奇麗に書かれた屏風が幾重に重ねられた向こうには巫陽の翡翠の扇がある。巫陽を愛した楚王は雲が流れていくと巫女が雨となって來るというのが思い出される。

 

 唐五代詞・ 「花間集」 Gs-333-6-#20   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3212

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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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菩薩蠻七首 其四 牛嶠【ぎゅうきょう】  Ⅹ

 

 

菩薩蠻七首 其一

(辺境に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)

舞裙香暖金泥鳳,畫梁語鷰驚殘夢。

舞いに着るのスカートは香しく金泥の鳳模様がきれい、塗りの梁の上の燕が鳴き交わすと名残りの夢は破られる思いになってしまう。

門外柳花飛,玉郎猶未歸。

門の外は春もさかり、柳の架は舞い飛ぶのに、あのひとは未だに帰って来ることはないのです。

愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。

待つ身の侘しさで愁いは涙をさそい、くずれた化粧を直します。眉は春山の翠のように整えるのです。

何處是遼陽,錦屏春晝長。

あの人がいるという遼陽は何処なのでしょう、ここの錦屏風の閨の内には春の昼はただ長くなってゆくのです。

(菩薩蠻七首 其の一)

舞裙 香 暖かく 金泥の鳳,畫梁【がりょう】語る鷰 殘夢を驚く。

門外 柳花 飛,玉郎 猶お未だ歸らず。

愁いて紅粉の淚を勻え,眉は春山の翠を剪る。

何處か 是れ遼陽なる,錦屏 春晝 長し。

 

其二

(旅に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)その二

柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。

柳絮が飛びが飛び交うところには春を告げる鶯も行く春を惜しんで急いでいる。夕方の薄暗さが暗くなっていく春の景色もすっかり進んだ日に香をたきこめた御車が旅立っていく。

金鳳小簾開,臉波和恨來。

金の鳳凰の刺繍の小窓のカーテンを開いて見送る。まぶたに溢れる涙の後には少しづつ怨みの気持ちがやってくる。

今宵求夢想,難到青樓上。

今宵からは夢の中であの人のことを思い浮かべる。もうあの人を見送った東の楼閣に昇って過ごすことなどできないのだ、

贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

ここの場所では愁いが追加されてくるばかり、鴛鴦の布団に誰が並んで頭を並べてくれるのでしょう。

(其の二)

柳花 飛ぶ處 鶯聲急なり,暗き街 春色 香車立つ。

金鳳 小簾開き,臉波 和みて恨み來る。

今宵 夢想を求め,青樓の上に到れ難し。

贏得【えいとく】 一場愁い,鴛衾【おうきん】 誰ぞ頭を並べん。

 

其三

(どこにいるかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。)その三

玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。

奇麗に輝く簪が蚊座に揺れていて、春の季節の旗が大きくなびく。杏の花がいっぱいの木の枝が交差していて、これからもっと草木が生繁し、匂いがひろがり、春の緑の煙霞に包まれた風景の中で涙するのです。

樓上望卿卿,寒新雨晴。

高樓の上に上がって「卿卿(キョウキョウ)」としたあの人のいる方を望んでみるのです。でも実際には、この窓辺にはもう秋も深まり、雨から晴れに変わり気持ちも新たになるのです。

薰爐蒙翠被,繡帳鴛鴦睡。

夕刻から香炉で薫じて閨に広がり、翡翠の扇がかぶさるようにあり、刺繍のとばりには、鴛鴦が眠っている。

何處有相知,羨他初畫眉。

女は青の人がどこに行っているのかはわからないのです。ほかの女の人には彼氏が来ているのがとてもうらやましいと思っているばかりではどうしようもないので、初めての形の眉を書いてみるのです。

 

(其の三)

玉釵 風動き春幡急なり,交枝 紅杏 籠煙り泣く。

樓上 望み卿卿,寒 新らたに雨晴る。

薰爐 蒙翠被り,繡帳 鴛鴦の睡。

何處にか 相い知る有る,他を羨む初めて眉を畫く。

 

 

其四

(雲が流れると「巫山の雲雨」を思われ、さびしくなる女の情を詠う。)その四

畫屏重疊巫陽翠,楚神尚有行雲意。

奇麗に書かれた屏風が幾重に重ねられた向こうには巫陽の翡翠の扇がある。巫陽を愛した楚王は雲が流れていくと巫女が雨となって來るというのが思い出される。

朝暮幾般心,向他情漫深。

特にそれが「朝雲暮雨」ということで朝が来て、夕方になるとどれだけ女の思いをかき立てるのかどうかなのです。ほかの人と接するたびにあの人のことがさらに深く思われるのです。

風流今古隔,虛作瞿塘客。

月日が過ぎ、風が流れ、此のことも昔のこととなってしまったのです。だから、いまは空しくこの詩を作るのです瞿塘峡を下って云ったあの人の事を思って。

山月照山花,夢迴燈影斜。

山影より月がのぼって、山も花も照らしている。女の夢はいろいろと廻り回り、燈火も付けたままで影を斜めにしている。

(其の四)

畫屏 重疊 巫陽の翠,楚神 尚お行雲の意有り。

朝暮 幾か般心す,他に向う 情 漫深す。

風流 今古と隔り,虛作すは瞿塘の客を。

山月 山花を照し,夢は迴る 燈影斜なり。

 

其五

風簾鷰舞鶯啼柳,粧臺約鬢低纖手。

釵重髻盤珊,一枝紅牡丹。

門前行樂客,白馬嘶春色。

故故墜金鞭,迴頭應眼穿。

 

其六

綠雲鬢上飛金雀,愁眉斂翠春煙薄。

香閣掩芙蓉,畫屏山幾重。

寒天欲曙,猶結同心苣。

啼粉羅衣,問郎何日歸。

 

其七

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。

柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。

須作一生拚,盡君今日歡。

 sas0013

 

『菩薩蠻七首 其四』 現代語訳と訳註

(本文)

菩薩蠻七首 其四

畫屏重疊巫陽翠,楚神尚有行雲意。

朝暮幾般心,向他情漫深。

風流今古隔,虛作瞿塘客。

山月照山花,夢迴燈影斜。

 

 

(下し文)

(其の四)

畫屏 重疊 巫陽の翠,楚神 尚お行雲の意有り。

朝暮 幾か般心す,他に向う 情 漫深す。

風流 今古と隔り,虛作すは瞿塘の客を。

山月 山花を照し,夢は迴る 燈影斜なり。

 

 

(現代語訳)

(雲が流れると「巫山の雲雨」を思われ、さびしくなる女の情を詠う。)その四

奇麗に書かれた屏風が幾重に重ねられた向こうには巫陽の翡翠の扇がある。巫陽を愛した楚王は雲が流れていくと巫女が雨となって來るというのが思い出される。

特にそれが「朝雲暮雨」ということで朝が来て、夕方になるとどれだけ女の思いをかき立てるのかどうかなのです。ほかの人と接するたびにあの人のことがさらに深く思われるのです。

月日が過ぎ、風が流れ、此のことも昔のこととなってしまったのです。だから、いまは空しくこの詩を作るのです瞿塘峡を下って云ったあの人の事を思って。

山影より月がのぼって、山も花も照らしている。女の夢はいろいろと廻り回り、燈火も付けたままで影を斜めにしている。

 

 

(訳注)

菩薩蠻七首 其四

(雲が流れると「巫山の雲雨」を思われ、さびしくなる女の情を詠う。)その四

唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

閨には思い出のものがあるだけ、この春にはあの人は来てくれなかった。何処に行っているかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。

 

 

畫屏重疊巫陽翠,楚神尚有行雲意。

奇麗に書かれた屏風が幾重に重ねられた向こうには巫陽の翡翠の扇がある。巫陽を愛した楚王は雲が流れていくと巫女が雨となって來るというのが思い出される。

・巫陽 『楚辭』「招魂」に出てくるみこの名。巫女。ただし性別不詳。蘇軾『歴代絶句類選』二 第八葉 『澄邁驛通潮閣二首 其二』「 餘生欲老海南村, 帝遣巫陽招我魂。 杳杳天低鶻沒處, 青山一髮是中原。」(澄邁驛の通潮閣   餘生老いんと欲す海南の村,帝巫陽をして  我が魂を招か遣【し】む。 杳杳たる天低【た】れて鶻沒するの處,青山一髮是れ中原。)

宋玉の「神女賦」に、「且に朝雲となり、碁に行雨となる」「朝雲暮雨。」の句がある。結句の「雲雨」に応じている。神女と雲雨は、雨が宋玉「高唐の賦」にある巫山神女の故事によるもので、懷王と交わった後、神女が「暮には行雨とならん」とどんな時でも一緒にいるといった意味を持つ雨である。楚の懐王が巫山の神女と夢のなかで交わった故事を連想させる。

 

 

朝暮幾般心,向他情漫深。

特にそれが「朝雲暮雨」ということで朝が来て、夕方になるとどれだけ女の思いをかき立てるのかどうかなのです。ほかの人と接するたびにあの人のことがさらに深く思われるのです。

・朝暮 巫山の雲雨【ふざん‐の‐うんう】

《宋玉の「高唐賦」の、楚の懐王が昼寝の夢の中で巫山の神女と契ったという故事から》男女が夢の中で結ばれること。また、男女が情を交わすこと。巫山の雲。巫山の雨。巫山の夢。朝雲暮雨。

・漫 [訓]すずろそぞろ1 一面に満ちて覆うさま。「漫漫/瀰漫(びまん)・爛漫(らんまん)2 むやみに広がって締まりがない。「漫然/散漫・冗漫・放漫」3 何とはなしに。気のむくまま

 

風流今古隔,虛作瞿塘客。

月日が過ぎ、風が流れ、此のことも昔のこととなってしまったのです。だから、いまは空しくこの詩を作るのです瞿塘峡を下って云ったあの人の事を思って。

・瞿塘 瞿塘峡のこと。 瞿塘峡は三峡のもっとも上流にあり、西は重慶市奉節県の白帝城から、東は重慶市巫山県の大溪鎮までの区間である。四川盆地の東部では、東西方向に伸びる細長い褶曲山脈が多数平行に走っているが、その山脈のうち高さ1,000mを超える一本を長江本流が北西から東南へ貫通するところが瞿塘峡である。巫峡(ふきょう)、西陵峡(せいりょうきょう)と並び、三峡を構成する。別名は夔峡(ききょう)。

 

山月照山花,夢迴燈影斜。

山影より月がのぼって、山も花も照らしている。女の夢はいろいろと廻り回り、燈火も付けたままで影を斜めにしている。
花蕊夫人006
 

菩薩蠻七首 其三 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-332-6-#19  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3207

牛嶠《菩薩蠻七首 其三》 高樓の上に上がって「卿卿(キョウキョウ)」としたあの人のいる方を望んでみるのです。でも実際には、この窓辺にはもう秋も深まり、雨から晴れに変わり気持ちも新たになるのです。

 

2013年10月28日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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菩薩蠻七首 其三 牛嶠【ぎゅうきょう】  Ⅹ

唐五代詞・ 「花間集」 Gs-332-6-#19   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3207

 

 

菩薩蠻七首 其一

(辺境に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)

舞裙香暖金泥鳳,畫梁語鷰驚殘夢。

舞いに着るのスカートは香しく金泥の鳳模様がきれい、塗りの梁の上の燕が鳴き交わすと名残りの夢は破られる思いになってしまう。

門外柳花飛,玉郎猶未歸。

門の外は春もさかり、柳の架は舞い飛ぶのに、あのひとは未だに帰って来ることはないのです。

愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。

待つ身の侘しさで愁いは涙をさそい、くずれた化粧を直します。眉は春山の翠のように整えるのです。

何處是遼陽,錦屏春晝長。

あの人がいるという遼陽は何処なのでしょう、ここの錦屏風の閨の内には春の昼はただ長くなってゆくのです。

(菩薩蠻七首 其の一)

舞裙 香 暖かく 金泥の鳳,畫梁【がりょう】語る鷰 殘夢を驚く。

門外 柳花 飛,玉郎 猶お未だ歸らず。

愁いて紅粉の淚を勻え,眉は春山の翠を剪る。

何處か 是れ遼陽なる,錦屏 春晝 長し。

 

其二

(旅に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)その二

柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。

柳絮が飛びが飛び交うところには春を告げる鶯も行く春を惜しんで急いでいる。夕方の薄暗さが暗くなっていく春の景色もすっかり進んだ日に香をたきこめた御車が旅立っていく。

金鳳小簾開,臉波和恨來。

金の鳳凰の刺繍の小窓のカーテンを開いて見送る。まぶたに溢れる涙の後には少しづつ怨みの気持ちがやってくる。

今宵求夢想,難到青樓上。

今宵からは夢の中であの人のことを思い浮かべる。もうあの人を見送った東の楼閣に昇って過ごすことなどできないのだ、

贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

ここの場所では愁いが追加されてくるばかり、鴛鴦の布団に誰が並んで頭を並べてくれるのでしょう。

(其の二)

柳花 飛ぶ處 鶯聲急なり,暗き街 春色 香車立つ。

金鳳 小簾開き,臉波 和みて恨み來る。

今宵 夢想を求め,青樓の上に到れ難し。

贏得【えいとく】 一場愁い,鴛衾【おうきん】 誰ぞ頭を並べん。

 

其三

(どこにいるかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。)その三

玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。

奇麗に輝く簪が蚊座に揺れていて、春の季節の旗が大きくなびく。杏の花がいっぱいの木の枝が交差していて、これからもっと草木が生繁し、匂いがひろがり、春の緑の煙霞に包まれた風景の中で涙するのです。

樓上望卿卿,寒新雨晴。

高樓の上に上がって「卿卿(キョウキョウ)」としたあの人のいる方を望んでみるのです。でも実際には、この窓辺にはもう秋も深まり、雨から晴れに変わり気持ちも新たになるのです。

薰爐蒙翠被,繡帳鴛鴦睡。

夕刻から香炉で薫じて閨に広がり、翡翠の扇がかぶさるようにあり、刺繍のとばりには、鴛鴦が眠っている。

何處有相知,羨他初畫眉。

女は青の人がどこに行っているのかはわからないのです。ほかの女の人には彼氏が来ているのがとてもうらやましいと思っているばかりではどうしようもないので、初めての形の眉を書いてみるのです。

 

(其の三)

玉釵 風動き春幡急なり,交枝 紅杏 籠煙り泣く。

樓上 望み卿卿,寒 新らたに雨晴る。

薰爐 蒙翠被り,繡帳 鴛鴦の睡。

何處にか 相い知る有る,他を羨む初めて眉を畫く。

 

其四

畫屏重疊巫陽翠,楚神尚有行雲意。

朝暮幾般心,向他情漫深。

風流今古隔,虛作瞿塘客。

山月照山花,夢迴燈影斜。

 

其五

風簾鷰舞鶯啼柳,粧臺約鬢低纖手。

釵重髻盤珊,一枝紅牡丹。

門前行樂客,白馬嘶春色。

故故墜金鞭,迴頭應眼穿。

 

其六

綠雲鬢上飛金雀,愁眉斂翠春煙薄。

香閣掩芙蓉,畫屏山幾重。

寒天欲曙,猶結同心苣。

啼粉羅衣,問郎何日歸。

 

其七

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。

柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。

須作一生拚,盡君今日歡。

杏00紅白花00
 

 

『菩薩蠻七首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

菩薩蠻七首 其三

玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。

樓上望卿卿,寒新雨晴。

薰爐蒙翠被,繡帳鴛鴦睡。

何處有相知,羨他初畫眉。

 

 

 

(下し文)

(其の三)

玉釵 風動き春幡急なり,交枝 紅杏 籠煙り泣く。

樓上 望み卿卿,寒 新らたに雨晴る。

薰爐 蒙翠被り,繡帳 鴛鴦の睡。

何處にか 相い知る有る,他を羨む初めて眉を畫く。

 

 

(現代語訳)

(どこにいるかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。)その三

奇麗に輝く簪が蚊座に揺れていて、春の季節の旗が大きくなびく。杏の花がいっぱいの木の枝が交差していて、これからもっと草木が生繁し、匂いがひろがり、春の緑の煙霞に包まれた風景の中で涙するのです。

高樓の上に上がって「卿卿(キョウキョウ)」としたあの人のいる方を望んでみるのです。でも実際には、この窓辺にはもう秋も深まり、雨から晴れに変わり気持ちも新たになるのです。

夕刻から香炉で薫じて閨に広がり、翡翠の扇がかぶさるようにあり、刺繍のとばりには、鴛鴦が眠っている。

女は青の人がどこに行っているのかはわからないのです。ほかの女の人には彼氏が来ているのがとてもうらやましいと思っているばかりではどうしようもないので、初めての形の眉を書いてみるのです。

 

 

(訳注)

菩薩蠻七首 其三

(どこにいるかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。)その三

唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

閨には思い出のものがあるだけ、この春にはあの人は来てくれなかった。何処に行っているかわからない人のことは忘れて新たな気持ちになろうと女の情を詠う。

 

玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。

奇麗に輝く簪が蚊座に揺れていて、春の季節の旗が大きくなびく。杏の花がいっぱいの木の枝が交差していて、これからもっと草木が生繁し、匂いがひろがり、春の緑の煙霞に包まれた風景の中で涙するのです。

・籠煙 歓楽街の周囲に柳が植えてあり、冬の間に枝の実のようすを籠と表現する。それが、これから草木が生繁る頃がすなわち匂うがごとき春の緑の煙霞に包まれた風景なのだろう。そこには陰陽判じがたい中に宿る生命の気配を感じることができる。

*春になっても男が来てくれない、簪を揺らした風が春の旗を揺らし、杏の花籠

 

樓上望卿卿,寒新雨晴。

高樓の上に上がって「卿卿(キョウキョウ)」としたあの人のいる方を望んでみるのです。でも実際には、この窓辺にはもう秋も深まり、雨から晴れに変わり気持ちも新たになるのです。

・卿卿 貴人と逢ってうれしい状況を云う。男女の情事の際の声を意味する。

 は窗、窓で晩秋の窓を云う。窓を寒いと感じ愧じるころの窓を云う。

 

薰爐蒙翠被,繡帳鴛鴦睡。

夕刻から香炉で薫じて閨に広がり、翡翠の扇がかぶさるようにあり、刺繍のとばりには、鴛鴦が眠っている。

・蒙 1 おおう。かぶさる。こうむる。「蒙塵(もうじん)・蒙霧」2 くらい。物知らずで道理が わからない。「

 

何處有相知,羨他初畫眉。

女は青の人がどこに行っているのかはわからないのです。ほかの女の人には彼氏が来ているのがとてもうらやましいと思っているばかりではどうしようもないので、初めての形の眉を書いてみるのです。
杏の花001
 

菩薩蠻七首 其二 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-331-6-#18  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3202

牛嶠《菩薩蠻七首 其二》 金の鳳凰の刺繍の小窓のカーテンを開いて見送る。まぶたに溢れる涙の後には少しづつ怨みの気持ちがやってくる。今宵からは夢の中であの人のことを思い浮かべる。もうあの人を見送った東の楼閣に昇って過ごすことなどできないのだ、

 

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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
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『花間集』継続中 
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菩薩蠻七首 其二 牛嶠【ぎゅうきょう】  Ⅹ

唐五代詞・ 「花間集」 Gs-331-6-#18   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3202

 

 

菩薩蠻七首 其一

(辺境に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)その一

舞裙香暖金泥鳳,畫梁語鷰驚殘夢。

舞いに着るのスカートは香しく金泥の鳳模様がきれい、塗りの梁の上の燕が鳴き交わすと名残りの夢は破られる思いになってしまう。

門外柳花飛,玉郎猶未歸。

門の外は春もさかり、柳の架は舞い飛ぶのに、あのひとは未だに帰って来ることはないのです。

愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。

待つ身の侘しさで愁いは涙をさそい、くずれた化粧を直します。眉は春山の翠のように整えるのです。

何處是遼陽,錦屏春晝長。

あの人がいるという遼陽は何処なのでしょう、ここの錦屏風の閨の内には春の昼はただ長くなってゆくのです。

(菩薩蠻七首 其の一)

舞裙 香 暖かく 金泥の鳳,畫梁【がりょう】語る鷰 殘夢を驚く。

門外 柳花 飛,玉郎 猶お未だ歸らず。

愁いて紅粉の淚を勻え,眉は春山の翠を剪る。

何處か 是れ遼陽なる,錦屏 春晝 長し。

 

其二

(旅に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)その二

柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。

柳絮が飛びが飛び交うところには春を告げる鶯も行く春を惜しんで急いでいる。夕方の薄暗さが暗くなっていく春の景色もすっかり進んだ日に香をたきこめた御車が旅立っていく。

金鳳小簾開,臉波和恨來。

金の鳳凰の刺繍の小窓のカーテンを開いて見送る。まぶたに溢れる涙の後には少しづつ怨みの気持ちがやってくる。

今宵求夢想,難到青樓上。

今宵からは夢の中であの人のことを思い浮かべる。もうあの人を見送った東の楼閣に昇って過ごすことなどできないのだ、

贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

ここの場所では愁いが追加されてくるばかり、鴛鴦の布団に誰が並んで頭を並べてくれるのでしょう。

(其の二)

柳花 飛ぶ處 鶯聲急なり,暗き街 春色 香車立つ。

金鳳 小簾開き,臉波 和みて恨み來る。

今宵 夢想を求め,青樓の上に到れ難し。

贏得【えいとく】 一場愁い,鴛衾【おうきん】 誰ぞ頭を並べん。

 

其三

玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。

樓上望卿卿,寒新雨晴。

薰爐蒙翠被,繡帳鴛鴦睡。

何處有相知,羨他初畫眉。

 

其四

畫屏重疊巫陽翠,楚神尚有行雲意。

朝暮幾般心,向他情漫深。

風流今古隔,虛作瞿塘客。

山月照山花,夢迴燈影斜。

 

其五

風簾鷰舞鶯啼柳,粧臺約鬢低纖手。

釵重髻盤珊,一枝紅牡丹。

門前行樂客,白馬嘶春色。

故故墜金鞭,迴頭應眼穿。

 

其六

綠雲鬢上飛金雀,愁眉斂翠春煙薄。

香閣掩芙蓉,畫屏山幾重。

寒天欲曙,猶結同心苣。

啼粉羅衣,問郎何日歸。

 

其七

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。

柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。

須作一生拚,盡君今日歡。

隋堤01
 

 

『菩薩蠻七首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

菩薩蠻七首 其二

柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。

金鳳小簾開,臉波和恨來。

今宵求夢想,難到青樓上。

贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

 

 

(下し文)

(其の二)

柳花 飛ぶ處 鶯聲急なり,暗き街 春色 香車立つ。

金鳳 小簾開き,臉波 和みて恨み來る。

今宵 夢想を求め,青樓の上に到れ難し。

贏得【えいとく】 一場愁い,鴛衾【おうきん】 誰ぞ頭を並べん。

 

 

(現代語訳)

(旅に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)その二

柳絮が飛びが飛び交うところには春を告げる鶯も行く春を惜しんで急いでいる。夕方の薄暗さが暗くなっていく春の景色もすっかり進んだ日に香をたきこめた御車が旅立っていく。

金の鳳凰の刺繍の小窓のカーテンを開いて見送る。まぶたに溢れる涙の後には少しづつ怨みの気持ちがやってくる。

今宵からは夢の中であの人のことを思い浮かべる。もうあの人を見送った東の楼閣に昇って過ごすことなどできないのだ、

ここの場所では愁いが追加されてくるばかり、鴛鴦の布団に誰が並んで頭を並べてくれるのでしょう。

 

 

(訳注)

菩薩蠻七首 其二

(旅に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)その二

唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

東門から旅出つ高官の男をみおくる女の情を詠う。末句は、遙かな男を忘れ、いっそほかの男に抱かれてしまおうかという思いを詠う。一夫多妻制のころである旅立つ男に、「早く帰ってくれなければ別の男に抱かれてしまいますよ」と云っているもの。

 

 

柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。

柳絮が飛びが飛び交うところには春を告げる鶯も行く春を惜しんで急いでいる。夕方の薄暗さが暗くなっていく春の景色もすっかり進んだ日に香をたきこめた御車が旅立っていく。

・香車立 朝廷の高官の旅立ちの御車を云う。

 

金鳳小簾開,臉波和恨來。

金の鳳凰の刺繍の小窓のカーテンを開いて見送る。まぶたに溢れる涙の後には少しづつ怨みの気持ちがやってくる。

 

今宵求夢想,難到青樓上。

今宵からは夢の中であの人のことを思い浮かべる。もうあの人を見送った東の楼閣に昇って過ごすことなどできないのだ、

・青樓 旅立つ人は東、青の門から出る。見送りはその門からさらに東にある高楼で最後の夜を過ごすのである。

 

贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

ここの場所では愁いが追加されてくるばかり、鴛鴦の布団に誰が並んで頭を並べてくれるのでしょう。

・贏得 利益を得ること。獲得すること。

・鴛衾 鴛鴦の模様の布団は一緒に過ごすベットに架けられている。鴛鴦おしどり0022

菩薩蠻七首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-330-6-#57-(21)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3197

牛嶠《菩薩蠻七首 其一》 門の外は春もさかり、柳の架は舞い飛ぶのに、あのひとは未だに帰って来ることはないのです。待つ身の侘しさで愁いは涙をさそい、くずれた化粧を直します。眉は春山の翠のように整えるのです。

 

2013年10月26日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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菩薩蠻七首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】Ⅹ
唐五代詞・「花間集」Gs-330-6-#57-21漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3197

 

溫助教庭筠       菩薩蠻十四首

韋荘(韋相莊)              菩薩蠻五首

牛嶠(牛給事嶠)           菩薩蠻七首

歐陽舍人炯       菩薩蠻一首

孫少監光憲       菩薩蠻五首

             

閻處士選           菩薩蠻一首

毛秘書熙震       菩薩蠻三首

李秀才珣           菩薩蠻三首

 

菩薩蠻七首 其一

(辺境に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)

舞裙香暖金泥鳳,畫梁語鷰驚殘夢。

舞いに着るのスカートは香しく金泥の鳳模様がきれい、塗りの梁の上の燕が鳴き交わすと名残りの夢は破られる思いになってしまう。

門外柳花飛,玉郎猶未歸。

門の外は春もさかり、柳の架は舞い飛ぶのに、あのひとは未だに帰って来ることはないのです。

愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。

待つ身の侘しさで愁いは涙をさそい、くずれた化粧を直します。眉は春山の翠のように整えるのです。

何處是遼陽,錦屏春晝長。

あの人がいるという遼陽は何処なのでしょう、ここの錦屏風の閨の内には春の昼はただ長くなってゆくのです。

 

其二

柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。

金鳳小簾開,臉波和恨來。

今宵求夢想,難到青樓上。

贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

 

其三

玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。

樓上望卿卿,寒新雨晴。

薰爐蒙翠被,繡帳鴛鴦睡。

何處有相知,羨他初畫眉。

 

其四

畫屏重疊巫陽翠,楚神尚有行雲意。

朝暮幾般心,向他情漫深。

風流今古隔,虛作瞿塘客。

山月照山花,夢迴燈影斜。

 

其五

風簾鷰舞鶯啼柳,粧臺約鬢低纖手。

釵重髻盤珊,一枝紅牡丹。

門前行樂客,白馬嘶春色。

故故墜金鞭,迴頭應眼穿。

 

其六

綠雲鬢上飛金雀,愁眉斂翠春煙薄。

香閣掩芙蓉,畫屏山幾重。

寒天欲曙,猶結同心苣。

啼粉羅衣,問郎何日歸。

 

其七

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。

柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。

須作一生拚,盡君今日歡。

haqro04
 

 

『菩薩蠻七首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

菩薩蠻七首

其一

舞裙香暖金泥鳳,畫梁語鷰驚殘夢。

門外柳花飛,玉郎猶未歸。

愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。

何處是遼陽,錦屏春晝長。

 

(下し文)

(菩薩蠻七首 其の一)

舞裙 香 暖かく 金泥の鳳,畫梁【がりょう】語る鷰 殘夢を驚く。

門外 柳花 飛,玉郎 猶お未だ歸らず。

愁いて紅粉の淚を勻え,眉は春山の翠を剪る。

何處か 是れ遼陽なる,錦屏 春晝 長し。

 

 

(現代語訳)

(辺境に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)

舞いに着るのスカートは香しく金泥の鳳模様がきれい、塗りの梁の上の燕が鳴き交わすと名残りの夢は破られる思いになってしまう。

門の外は春もさかり、柳の架は舞い飛ぶのに、あのひとは未だに帰って来ることはないのです。

待つ身の侘しさで愁いは涙をさそい、くずれた化粧を直します。眉は春山の翠のように整えるのです。

あの人がいるという遼陽は何処なのでしょう、ここの錦屏風の閨の内には春の昼はただ長くなってゆくのです。

 

 

(訳注)

菩薩蠻七首 其一

(辺境に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)

唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

辺境に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。末旬は、遙かな男へ思いを馳せ、屏風の陰に引き籠もり、遅々として進まぬ春の日長の所在なさについて語る。

 

舞裙香暖金泥鳳,畫梁語鷰驚殘夢。

舞いに着るのスカートは香しく金泥の鳳模様がきれい、塗りの梁の上の燕が鳴き交わすと名残りの夢は破られる思いになってしまう。

○春暖 薫きしめた香の香りが暖かく感じられる。

 

門外柳花飛,玉郎猶未歸。

門の外は春もさかり、柳の架は舞い飛ぶのに、あのひとは未だに帰って来ることはないのです。

○柳花 綿毛の生えた柳の種。

○玉郎 美男。ここでは愛しい男の意。

 

愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。

待つ身の侘しさで愁いは涙をさそい、くずれた化粧を直します。眉は春山の翠のように整えるのです。

○春山 女件の美しい眉を言う。皿 「菩薩蛮」 の 「眉黛遠山緑」 の注参照。

 

何處是遼陽,錦屏春晝長。

あの人がいるという遼陽は何処なのでしょう、ここの錦屏風の閨の内には春の昼はただ長くなってゆくのです。

○遼陽 遼寧省南部遼陽。古代より軍事上の重要都市でああった。
李清照0055
 

江城子二首 其二 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-329-6-#57-(20)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3192

牛嶠《江城子二首 其二》 地の果てほどの遠くにある水辺にたちこめていた靄が消えると水鳥は飛びたつのだ。別離の宴があり、別れは迫っている。そこでさらに金杯の酒を勧める。渡し場の柳絮の花は、風吹くままに吹雪のように狂い散っている。

 

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Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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司馬相如 《上林賦 》(23)―#9-1  文選 賦<110-#9-1>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩928 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3188
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《宿神龜招李二十八、馮十七》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <841>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3189韓愈詩-213
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoor670 《官池春雁,二首之一》 蜀中転々 杜甫 <576>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3190 杜甫詩1000-576-832/1500
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor江城子二首 其二 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-329-6-#57-(20)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3192
 
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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江城子二首

其一

(睦まじかった鷺も飛び立って戻ってこない大江のほとりの高楼の女を詠う。)

鵁鶄飛起郡城東,碧江空,半灘風。

ごいさぎ.は起き上がって群れをなして、城東の方へ飛んでゆく、そこは大江と天空は碧く一体化しているし、なかば航海が困難な急流があり風がある。

王宮殿,蘋葉藕花中。

「会稽の恥」で臥薪嘗胆して呉を破った越の宮殿には浮草であっても気っても繋がっているレンコンのような花が集まっている。

簾捲水樓魚浪起,千片雪,雨濛濛。

簾を巻き上げ 水辺の高樓から 河を見ると波野真美間に魚が躍っている。山に積もった沢山の雪は春の出水となって流れ、そこに春の長雨でもうもうとした雨霧の中、流れている。

(江城子 二首 其の一)

鵁鶄【こうせい】 起きて郡て城東に飛び,江空を碧とし,半灘の風。

越王の宮殿,蘋葉 藕花 中【あつま】る。

簾捲 水樓 魚浪 起き,千片の雪,雨 濛濛たり。

 

 

江城子二首其二

(旅立ちの船着き場で別離を詠う。)

極浦煙消水鳥飛,離筵分首時,送金巵。

地の果てほどの遠くにある水辺にたちこめていた靄が消えると水鳥は飛びたつのだ。別離の宴があり、別れは迫っている。そこでさらに金杯の酒を勧める。

渡口楊花,狂雪任風吹。

渡し場の柳絮の花は、風吹くままに吹雪のように狂い散っている。

日暮天空波浪急,芳艸岸,雨如絲。

今日も人けもない日暮れのこの港のある川は春水の波が荒れて、芳しい春草の岸には、糸のような雨が降っている。

(江城子二首其の二)

極浦 煙 消えて水鳥 飛び,離筵 分首の時,金巵【きんし】を送る。

渡口の楊花,狂雪 風吹に任かす。

日暮 天空 波浪 急に,芳艸の岸,雨 絲如し。

 柳絮01

 

江城子二首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

江城子二首 其二

極浦煙消水鳥飛,離筵分首時,送金巵。

渡口楊花,狂雪任風吹。

日暮天空波浪急,芳艸岸,雨如絲。

 

 

(下し文)

(其の二)

極浦 煙 消えて水鳥 飛び,離筵 分首の時,金巵【きんし】を送る。

渡口の楊花,狂雪 風吹に任かす。

日暮 天空 波浪 急に,芳艸の岸,雨 絲如し。

 

 

(現代語訳)

(旅立ちの船着き場で別離を詠う。)

地の果てほどの遠くにある水辺にたちこめていた靄が消えると水鳥は飛びたつのだ。別離の宴があり、別れは迫っている。そこでさらに金杯の酒を勧める。

渡し場の柳絮の花は、風吹くままに吹雪のように狂い散っている。

今日も人けもない日暮れのこの港のある川は春水の波が荒れて、芳しい春草の岸には、糸のような雨が降っている。

 

 

(訳注)

江城子二首 其二

(旅立ちの船着き場で別離を詠う。)

荒れる川面も、糸のように降る雨も実景であると同時に、人を見送った後の心の中の風景でもある。また岸辺の芳草も旅立った人の帰りの遅くなることを暗に予期させる。

 

 

極浦煙消水鳥飛,離筵分首時,送金巵。

地の果てほどの遠くにある水辺にたちこめていた靄が消えると水鳥は飛びたつのだ。別離の宴があり、別れは迫っている。そこでさらに金杯の酒を勧める。

○極浦 果ての遙か遠くの水辺。

○離筵 別離の宴席。

〇分首時 いよいよの別れの時。分常は別れる。

〇金巵 金の杯。金属製の杯を飾って言ったもの。

 

渡口楊花,狂雪任風吹。

渡し場の柳絮の花は、風吹くままに吹雪のように狂い散っている。

 

日暮天空波浪急,芳艸岸,雨如絲。

今日も人けもない日暮れのこの港のある川は春水の波が荒れて、芳しい春草の岸には、糸のような雨が降っている。

○芳草 芳しい草。旅立った男が旅先で春草(女)に心奪われて帰って来ないことを。『楚辞』招隠士第十二「王孫遊兮不歸、春草生兮萋萋。」(王孫 遊びて歸らず、春草 生じて萋萋たり。) 

韋荘『望遠行』

欲別無言倚畫屏、含恨暗傷情。

謝家庭樹錦鶏鳴、残月落邊城。

人欲別、馬頻噺、綠槐千里長堤。

出門芳草路萋萋、雲雨別來易東西。

不忍別君後、却入旧香閏。

100 望遠行 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-285-5-#39  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2972

 美女画557

江城子二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-328-6-#15  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3187

牛嶠《江城子二首 其一》 ごいさぎ.は起き上がって群れをなして、城東の方へ飛んでゆく、そこは大江と天空は碧く一体化しているし、なかば航海が困難な急流があり風がある。

 

2013年10月24日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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江城子二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】  Ⅹ

唐五代詞・ 「花間集」 Gs-328-6-#15   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3187

 

 

江城子二首

其一

(睦まじかった鷺も飛び立って戻ってこない大江のほとりの高楼の女を詠う。)

鵁鶄飛起郡城東,碧江空,半灘風。

ごいさぎ.は起き上がって群れをなして、城東の方へ飛んでゆく、そこは大江と天空は碧く一体化しているし、なかば航海が困難な急流があり風がある。

越王宮殿,蘋葉藕花中。

「会稽の恥」で臥薪嘗胆して呉を破った越の宮殿には浮草であっても気っても繋がっているレンコンのような花が集まっている。

簾捲水樓魚浪起,千片雪,雨濛濛。

簾を巻き上げ 水辺の高樓から 河を見ると波野真美間に魚が躍っている。山に積もった沢山の雪は春の出水となって流れ、そこに春の長雨でもうもうとした雨霧の中、流れている。

(江城子 二首 其の一)

鵁鶄【こうせい】 起きて郡て城東に飛び,江空を碧とし,半灘の風。

越王の宮殿,蘋葉 藕花 中【あつま】る。

簾捲 水樓 魚浪 起き,千片の雪,雨 濛濛たり。

 

 

其二

極浦煙消水鳥飛,離筵分首時,送金巵。

渡口楊花,狂雪任風吹。

日暮天空波浪急,芳艸岸,雨如絲。

(其の二)

極浦 煙 消えて水鳥 飛び,離筵 分首の時,金巵【きんし】を送る。

渡口の楊花,狂雪 風吹に任かす。

日暮 天空 波浪 急に,芳艸の岸,雨 絲如し。

 

蘋葉001
 

『江城子二首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

江城子二首

其一

鵁鶄飛起郡城東,碧江空,半灘風。

越王宮殿,蘋葉藕花中。

簾捲水樓魚浪起,千片雪,雨濛濛。

 

 

(下し文)

(江城子 二首 其の一)

鵁鶄【こうせい】 起きて郡て城東に飛び,江空を碧とし,半灘の風。

越王の宮殿,蘋葉 藕花 中【あつま】る。

簾捲 水樓 魚浪 起き,千片の雪,雨 濛濛たり。

 

(現代語訳)

(睦まじかった鷺も飛び立って戻ってこない大江のほとりの高楼の女を詠う。)

ごいさぎ.は起き上がって群れをなして、城東の方へ飛んでゆく、そこは大江と天空は碧く一体化しているし、なかば航海が困難な急流があり風がある。

「会稽の恥」で臥薪嘗胆して呉を破った越の宮殿には浮草であっても気っても繋がっているレンコンのような花が集まっている。

簾を巻き上げ 水辺の高樓から 河を見ると波野真美間に魚が躍っている。山に積もった沢山の雪は春の出水となって流れ、そこに春の長雨でもうもうとした雨霧の中、流れている。

haqro04
 

 

(訳注)

江城子二首 其一

(睦まじかった鷺も飛び立って戻ってこない大江のほとりの高楼の女を詠う。)

『花間集』には七首所収。牛嶠二首、韋荘の作二首(掲載済み)が二首収められ、張泌、欧陽炯らも所収されている。単調二十七字、八句五平韻 7③③/4⑤/73③の詞形をとる。

 

またの名を江神子、春意遠、水晶簾と言う。「花間集』 には韋荘の作は二首収められている。

女が愛する男と床をともにするさまを詠う。ここには差恥に顔を赤らめるような初心な女の姿は全く見られず、積極的で、愛一途に生きる女の姿が描かれている。

103 江城子 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-295-5-#49  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3022

江城子二首 其一

恩重嬌多情易傷,漏更長,解鴛鴦。

朱唇未動,先覺口脂香。

緩揭繡衾抽皓腕,移鳳枕,枕潘郎。

104 江城子 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-296-5-#50  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3027

江城子二首 其二

髻鬟狼藉黛眉長,出蘭房,別檀郎。

角聲嗚咽,星斗漸微茫。

露冷月殘人未起,留不住,淚千行。

 

 

鵁鶄飛起郡城東,碧江空,半灘風。

ごいさぎ.は起き上がって群れをなして、城東の方へ飛んでゆく、そこは大江と天空は碧く一体化しているし、なかば航海が困難な急流があり風がある。

・鵁鶄 ごいさぎ. 水鳥の一種。即ち「池鷺」。頭は細く身は長い,身には花紋を披い,頸は白毛で有り,頭には紅冠が有り,能く水に入って魚を捕り,分佈は中國南方である。鳬に似て脚高く毛冠あり、高木に巣くひ、子を穴中に生む。子其の母の翅を銜へ飛びて上下す。

*この三句は、鷺のように仲睦まじく過ごしたのに、鷺のように南に飛んで行ってしまった。船で降ったあの人の旅路は航路困難な場所があってとても心配だということをいう。

 

越王宮殿,蘋葉藕花中。

「会稽の恥」で臥薪嘗胆して呉を破った越の宮殿には浮草であっても気っても繋がっているレンコンのような花が集まっている。

・蘋葉 浮草の一種で柏餅の葉のように使う。

・藕 レンコン (レンコンはちぎっても糸がつながっている>)(男女が)別れたのになお関係を断ち切れずにいる.藕粉 レンコンの澱粉.

⋆この二句は仲睦まじくしていたころのことをいう。別れてもなお関係を断ち切れずにいることをいう。

 

簾捲水樓魚浪起,千片雪,雨濛濛。

簾を巻き上げ 水辺の高樓から 河を見ると波野真美間に魚が躍っている。山に積もった沢山の雪は春の出水となって流れ、そこに春の長雨でもうもうとした雨霧の中、流れている。

⋆春水の増水のころになっても帰ってこない。そんな大江のほとりの女のいる高楼の有様を云う。
嘉陵江111111
 

更漏子三首 其三 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-327-6-#14  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3182

更漏子三首 其三 牛嶠 招いていた手でそのまま別れ、少しの間ではあったものの結ばれたのです。またここを去って、歳を重ねこの季節になる。書簡を雁に託してみた。夢ではこの家に帰ってきた。でも夢が覚めると、月は傾きかけているけれど大江に來てしまう。

 

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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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主に花間集から
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更漏子三首 其三 牛嶠【ぎゅうきょう】  Ⅹ 唐五代詞・ 「花間集」 Gs-327-6-#14   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3182


 

更漏子三首

其一

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)その一

星漸稀,漏頻轉,何處輪臺聲怨。

星屑の空もようやく疎らになってきて、時を告げるのもしきりに転じてきた。あの人はどこの高楼に通っているのか、車輪の声が怨みに思うのです。

香閣掩,杏花紅,月明楊柳風。

もう、お香をたいていて楼閣を被っている、杏の花はこんな夜でも紅を保っていたものです。月は明るく照らし、男と女は楊柳となったのです。そして、そこに風が通り抜けたのです。

挑錦字,記情事,惟願兩心相似。

すぐれて美しい詩句をかかげて示され、そして、心の思いを書き記してくれたものです。ただこの二人の心が互いに似ていることを願ったのです。

收淚語,背燈眠,玉釵橫枕邊。

涕とあの人への言葉を収め、一人で燈火を背に横になるのです。あの人にもらった耀く簪も枕の傍においてしまっている。

更漏子【こうろうし】三首 其の一

星 漸【ようや】く稀れにして,漏 頻に轉じ,何處にか輪臺 聲怨す。

香 閣掩い,杏花の紅,月明く 楊柳 風す。

錦字を挑げ,情事を記し,惟だ願う 兩つながらの心 相い似る。

淚 語を收め,燈を背にして眠り,玉釵 枕邊に橫わる。

 

其二

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)その二

春夜闌,更漏促,金燼暗挑殘燭。

春の短い夜も半ば過ぎ、時の流れは急いで過ぎてゆく、金で飾った燭台の灯芯の燃えさしをかき立てるだけだ。

驚夢斷,錦屏深,兩明月心。

彼男との夢めみることから覚めおどろく、錦のきれいな屏風のおくの閏にも、同じ月明かりが照らしているはずなのに、離れ離れに暮らす二人の心は別々になってしまった。

閨艸碧,望歸客,還是不知消息。

春も進み、閏の外青草が茂り、青の人の帰りを望んでいるけれど、今もなお消息は知れない。

辜負我,悔憐君,告天天不聞。

私を裏切ったあの人に、情を捧げたことが悔やまれてならない。天に告げてみたけれど天は答えてくれなくてなにも聞えない。

其二

春夜 闌【たけなわ】,更漏 促し,金燼【きんじん】暗く 殘燭を挑【かか】ぐ。

驚夢 斷え,錦屏 深く,兩 明月の心。

閨艸 碧に,歸客を望み,還お 是れ消息を知らず。

我に辜負【こふ】す,君を憐れみしを悔い,天に告ぐるも天は聞かず。

 

 

更漏子三首 其三

(春の短い夜に夢からさめ、女の侘しさを詠う。)その三

南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。

別れは南の港で思いが残っている、赤い頬に白粉に涙がつたう、争い鵜は何だったのだろうか、この二人の意識が深まるばかりである。

低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。

女は憂いでみどりの眉を深くし、男は旅装を身に着け、馬が嘶き朝未だ来ない別れに春一番に霜と葉が飛ぶ。

招手別,寸腸結,還是去年時節。

招いていた手でそのまま別れ、少しの間ではあったものの結ばれた。またここを去って、歳を重ねこの季節になる。

書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。

書簡を雁に託してみた。夢ではこの家に帰ってきた。でも夢が覚めると、月は傾きかけているけれど大江に來てしまう。

 

(更漏子 三首 其の三)

南浦 情あり,紅粉 淚し,柰を爭うて 兩人 意を深くす。

翠黛を低くして,征衣を卷き,馬は嘶き 霜葉 飛ぶ。

手を招いて別れ,寸腸 結び,還た是こ去りて年も時節なり。

書 鴈に托し,夢 家に歸り,覺めて 月斜めになるも江に來る。

木蓮001
 

『更漏子三首 其三』 現代語訳と訳註

(本文)


更漏子三首 其三

南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。

低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。

招手別,寸腸結,還是去年時節。

書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。

 

 

(下し文)

(更漏子 三首 其の三)

南浦 情あり,紅粉 淚し,柰を爭うて 兩人 意を深くす。

翠黛を低くして,征衣を卷き,馬は嘶き 霜葉 飛ぶ。

手を招いて別れ,寸腸 結び,還た是こ去りて年も時節なり。

書 鴈に托し,夢 家に歸り,覺めて 月斜めになるも江に來る。

 

美女004

 

 

(現代語訳)

(春の短い夜に夢からさめ、女の侘しさを詠う。)その三

別れは南の港で思いが残っている、赤い頬に白粉に涙がつたう、争い鵜は何だったのだろうか、この二人の意識が深まるばかりである。

女は憂いでみどりの眉を深くし、男は旅装を身に着け、馬が嘶き朝未だ来ない別れに春一番に霜と葉が飛ぶ。

招いていた手でそのまま別れ、少しの間ではあったものの結ばれた。またここを去って、歳を重ねこの季節になる。

書簡を雁に託してみた。夢ではこの家に帰ってきた。でも夢が覚めると、月は傾きかけているけれど大江に來てしまう。

 

 

(訳注)

更漏子三首 其三

(春の短い夜に夢からさめ、女の侘しさを詠う。)その三

旅だった男を恨む詞。前段は春の夜半過ぎに目が覚めた時の様子を詠じる。

 

 

南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。

別れは南の港で思いが残っている、赤い頬に白粉に涙がつたう、争い鵜は何だったのだろうか、この二人の意識が深まるばかりである。

○南浦 南の入り江の津。船で行く男を見送る別離の場を象徴する。長江下流域の江南の港、浙江省、会稽、紹興をいう。春から初夏への経過を感じさせ、女盛りを過ぎようとする時間経過も感じさせる。下句の「西風」で完全に別れてしまったことを感じさせるものである。

牛嶠『感恩多二首』其二

自從南浦別,愁見丁香結。

近來情轉深,憶鴛衾。

幾度將書托煙鴈,淚盈襟。

淚盈襟,禮月求天,願君知我心。

温庭筠『荷葉杯』其三 

楚女欲歸南浦,朝雨,濕愁紅。

小船搖漾入花裏,波起,隔西風。・南浦 

荷葉盃 三首 其三 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-306-5-#60  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3077

 

 

低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。

女は憂いでみどりの眉を深くし、男は旅装を身に着け、馬が嘶き朝未だ来ない別れに春一番に霜と葉が飛ぶ。

○征衣 1 旅に出るときの服装。旅装。2 兵士が戦争に行くときの服装。

 

招手別,寸腸結,還是去年時節。

招いていた手でそのまま別れ、少しの間ではあったものの結ばれた。またここを去って、歳を重ねこの季節になる。

 

書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。

書簡を雁に託してみた。夢ではこの家に帰ってきた。でも夢が覚めると、月は傾きかけているけれど大江に來てしまう。
nrika01

更漏子三首 其三 牛嶠【ぎゅうきょう】  Ⅹ

更漏子三首 其二 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-326-6-#13  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3177

牛嶠《更漏子三首 其二》彼男との夢めみることから覚めおどろく、錦のきれいな屏風のおくの閏にも、同じ月明かりが照らしているはずなのに、離れ離れに暮らす二人の心は別々になってしまった。春も進み、閏の外青草が茂り、青の人の帰りを望んでいるけれど、今もなお消息は知れない。

 

2013年10月22日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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更漏子三首 其二 牛嶠【ぎゅうきょう】  Ⅹ

唐五代詞・ 「花間集」 Gs-326-6-#13   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3177

 

 

更漏子三首

其一

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)その一

星漸稀,漏頻轉,何處輪臺聲怨。

星屑の空もようやく疎らになってきて、時を告げるのもしきりに転じてきた。あの人はどこの高楼に通っているのか、車輪の声が怨みに思うのです。

香閣掩,杏花紅,月明楊柳風。

もう、お香をたいていて楼閣を被っている、杏の花はこんな夜でも紅を保っていたものです。月は明るく照らし、男と女は楊柳となったのです。そして、そこに風が通り抜けたのです。

挑錦字,記情事,惟願兩心相似。

すぐれて美しい詩句をかかげて示され、そして、心の思いを書き記してくれたものです。ただこの二人の心が互いに似ていることを願ったのです。

收淚語,背燈眠,玉釵橫枕邊。

涕とあの人への言葉を収め、一人で燈火を背に横になるのです。あの人にもらった耀く簪も枕の傍においてしまっている。

更漏子【こうろうし】三首 其の一

星 漸【ようや】く稀れにして,漏 頻に轉じ,何處にか輪臺 聲怨す。

香 閣掩い,杏花の紅,月明く 楊柳 風す。

錦字を挑げ,情事を記し,惟だ願う 兩つながらの心 相い似る。

淚 語を收め,燈を背にして眠り,玉釵 枕邊に橫わる。

 

其二

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)その二

春夜闌,更漏促,金燼暗挑殘燭。

春の短い夜も半ば過ぎ、時の流れは急いで過ぎてゆく、金で飾った燭台の灯芯の燃えさしをかき立てるだけだ。

驚夢斷,錦屏深,兩明月心。

彼男との夢めみることから覚めおどろく、錦のきれいな屏風のおくの閏にも、同じ月明かりが照らしているはずなのに、離れ離れに暮らす二人の心は別々になってしまった。

閨艸碧,望歸客,還是不知消息。

春も進み、閏の外青草が茂り、青の人の帰りを望んでいるけれど、今もなお消息は知れない。

辜負我,悔憐君,告天天不聞。

私を裏切ったあの人に、情を捧げたことが悔やまれてならない。天に告げてみたけれど天は答えてくれなくてなにも聞えない。

其二

春夜 闌【たけなわ】,更漏 促し,金燼【きんじん】暗く 殘燭を挑【かか】ぐ。

驚夢 斷え,錦屏 深く,兩 明月の心。

閨艸 碧に,歸客を望み,還お 是れ消息を知らず。

我に辜負【こふ】す,君を憐れみしを悔い,天に告ぐるも天は聞かず。

 

 

其三

南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。

低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。

招手別,寸腸結,還是去年時節。

書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。

美女画55101道観

 

『更漏子三首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

更漏子三首 其二

春夜闌,更漏促,金燼暗挑殘燭。

驚夢斷,錦屏深,兩明月心。

閨艸碧,望歸客,還是不知消息。

辜負我,悔憐君,告天天不聞。

 

 

(下し文)

其二

春夜 闌【たけなわ】,更漏 促し,金燼【きんじん】暗く 殘燭を挑【かか】ぐ。

驚夢 斷え,錦屏 深く,兩 明月の心。

閨艸 碧に,歸客を望み,還お 是れ消息を知らず。

我に辜負【こふ】す,君を憐れみしを悔い,天に告ぐるも天は聞かず。

 

 

(現代語訳)

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)その二

春の短い夜も半ば過ぎ、時の流れは急いで過ぎてゆく、金で飾った燭台の灯芯の燃えさしをかき立てるだけだ。

彼男との夢めみることから覚めおどろく、錦のきれいな屏風のおくの閏にも、同じ月明かりが照らしているはずなのに、離れ離れに暮らす二人の心は別々になってしまった。

春も進み、閏の外青草が茂り、青の人の帰りを望んでいるけれど、今もなお消息は知れない。

私を裏切ったあの人に、情を捧げたことが悔やまれてならない。天に告げてみたけれど天は答えてくれなくてなにも聞えない。

 

 

(訳注)

更漏子三首 其二

(春の短い夜に夢からさめ、女の侘しさを詠う。)その二

約束を破った男を恨む詞。前段は春の夜半過ぎに目が覚めた時の様子を詠じる。後段は夜明けの後、高殿から男の帰りを待ち望んでも消息知れずで、不安な男を愛したことを後悔し、天に男の不実を訴えるが、天は耳を傾けてくれぬと、天に対する恨みを述べる。

 

春夜闌,更漏促,金燼暗挑殘燭。

春の短い夜も半ば過ぎ、時の流れは急いで過ぎてゆく、金で飾った燭台の灯芯の燃えさしをかき立てるだけだ。

○春夜闌 春の真夜中過ぎ。春の一番良い時期を過ぎてしまうこと。闌は盛りを過ぎるの意。

○更漏促 春の夜は短く、その上時間が早く経過すること。更漏は水時計。ここでは時間、春が過ぎ去ることを意味する。

○金燼暗挑殘燭 暗くなった灯火の芯の燃えさしをかき立てる。女の若さをかき立てること。挑はかき立てる。

 

驚夢斷,錦屏深,兩明月心。

彼男との夢めみることから覚めおどろく、錦のきれいな屏風のおくの閏にも、同じ月明かりが照らしているはずなのに、離れ離れに暮らす二人の心は別々になってしまった。

○驚夢断 男との良かったころを夢見ることから、はっと夢が覚め、おどろくこと。

〇両郷明月心 同じ月明かりが照らしているはずなのに、離れ離れに暮らす二人の心は別々になってしまったこと。

 

閨艸碧,望歸客,還是不知消息。

春も進み、閏の外青草が茂り、青の人の帰りを望んでいるけれど、今もなお消息は知れない。

○帰客 帰り来る旅人。ここでは女が帰りを待ちち望んでいる男を指す。

○還是 相変わらず、今もなお。

 

辜負我,悔憐君,告天天不聞。

私を裏切ったあの人に、情を捧げたことが悔やまれてならない。天に告げてみたけれど天は答えてくれなくてなにも聞えない。

○辜負 背く、裏切る。

○憐 愛惜を注ぐ。
杏の花001
 

更漏子三首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-325-6-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3172

牛嶠《更漏子三首 其一》もう、お香をたいていて楼閣を被っている、杏の花はこんな夜でも紅を保っていたものです。月は明るく照らし、男と女は楊柳となったのです。そして、そこに風が通り抜けたのです。すぐれて美しい詩句をかかげて示され、そして、心の思いを書き記してくれたものです。ただこの二人の心が互いに似ていることを願ったのです。

 



2013年10月21日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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司馬相如 《上林賦 》(19)#7-3 文選 賦<110-#7-3>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩924 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3168
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『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠
更漏子三首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】  Ⅹ Ⅻ 唐五代詞・ 「花間集」 Gs-325-6-#12   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3172

 

更漏子三首

其一

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)その一

星漸稀,漏頻轉,何處輪臺聲怨。

星屑の空もようやく疎らになってきて、時を告げるのもしきりに転じてきた。あの人はどこの高楼に通っているのか、車輪の声が怨みに思うのです。

香閣掩,杏花紅,月明楊柳風。

もう、お香をたいていて楼閣を被っている、杏の花はこんな夜でも紅を保っていたものです。月は明るく照らし、男と女は楊柳となったのです。そして、そこに風が通り抜けたのです。

挑錦字,記情事,惟願兩心相似。

すぐれて美しい詩句をかかげて示され、そして、心の思いを書き記してくれたものです。ただこの二人の心が互いに似ていることを願ったのです。

收淚語,背燈眠,玉釵橫枕邊。

涕とあの人への言葉を収め、一人で燈火を背に横になるのです。あの人にもらった耀く簪も枕の傍においてしまっている。

更漏子【こうろうし】三首 其の一

星 漸【ようや】く稀れにして,漏 頻に轉じ,何處にか輪臺 聲怨す。

香 閣掩い,杏花の紅,月明く 楊柳 風す。

錦字を挑げ,情事を記し,惟だ願う 兩つながらの心 相い似る。

淚 語を收め,燈を背にして眠り,玉釵 枕邊に橫わる。

 

其二

春夜闌,更漏促,金燼暗挑殘燭。

驚夢斷,錦屏深,兩明月心。

閨艸碧,望歸客,還是不知消息。

辜負我,悔憐君,告天天不聞。

 

其三

南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。

低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。

招手別,寸腸結,還是去年時節。

書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。

美女004

 

『更漏子三首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

更漏子三首 其一

星漸稀,漏頻轉,何處輪臺聲怨。

香閣掩,杏花紅,月明楊柳風。

挑錦字,記情事,惟願兩心相似。

收淚語,背燈眠,玉釵橫枕邊。

 

 

(下し文)

更漏子【こうろうし】三首 其の一

星 漸【ようや】く稀れにして,漏 頻に轉じ,何處にか輪臺 聲怨す。

香 閣掩い,杏花の紅,月明く 楊柳 風す。

錦字を挑げ,情事を記し,惟だ願う 兩つながらの心 相い似る。

淚 語を收め,燈を背にして眠り,玉釵 枕邊に橫わる。

 

 

(現代語訳)

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)その一

星屑の空もようやく疎らになってきて、時を告げるのもしきりに転じてきた。あの人はどこの高楼に通っているのか、車輪の声が怨みに思うのです。

もう、お香をたいていて楼閣を被っている、杏の花はこんな夜でも紅を保っていたものです。月は明るく照らし、男と女は楊柳となったのです。そして、そこに風が通り抜けたのです。

すぐれて美しい詩句をかかげて示され、そして、心の思いを書き記してくれたものです。ただこの二人の心が互いに似ていることを願ったのです。

涕とあの人への言葉を収め、一人で燈火を背に横になるのです。あの人にもらった耀く簪も枕の傍においてしまっている。

 

 

(訳注)

更漏子三首 其一

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)更は五更、夕方から、夜明けまで時を告げることを示す。特に秋以降、待ち侘びる夜が長いことを強調するシチュエーションのものをいう。

『花間集』には牛嶠の作が二首収められている。双調四十六字、前段二十三字六句二仄韻二平韻、後段二十三字六句三仄韻二平韻で、3❸❻3③⑤/❸❸❻3③⑤の詞形をとる。更漏子という題で、花間集には温庭筠、韋莊、牛嶠、毛文錫、孫光憲、毛熙震などの作が収録されている。

123 更漏子 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-282-5-#36  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2957

『更漏子 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-15-2-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1676

『更漏子 二』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-16-2-#2 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1680

『更漏子 三』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-17-2-#3 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1684

『更漏子 四』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-18-2-#4 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1688

『更漏子 五』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-19-2-#5 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1692

『更漏子 六』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-20-2-#6 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1696

 

 

星漸稀,漏頻轉,何處輪臺聲怨。

星屑の空もようやく疎らになってきて、時を告げるのもしきりに転じてきた。あの人はどこの高楼に通っているのか、車輪の声が怨みに思うのです。

・星漸稀 深夜の満点の星屑から時間経過し空が少し明るくなってきた様子を云う。一人で過ごす夜を表現する句である。

・漏頻轉 漏水の水時計がひたひたと過ぎていく様子を云う。

・輪臺聲怨 夜が明ける前から人々が動き始めることを云うもので、この夜も来てくれなかったことで、車輪の音が怨めしく思うのである。又別の意味で、他の高楼で男女の情事の声を怨みに思うということでもある。

 

香閣掩,杏花紅,月明楊柳風。

もう、お香をたいていて楼閣を被っている、杏の花はこんな夜でも紅を保っていたものです。月は明るく照らし、男と女は楊柳となったのです。そして、そこに風が通り抜けたのです。

・香閣掩 お香が夜中中焚かれて高閣に広がっていること、時間経過を示す言葉と、侘しさを示すものである。

・杏花紅 杏の花は女盛りをあらわすものである。こんなに一人で居てもまだ女盛り、女としてそのままであるということ。

・月明楊柳風 月は女性を示し、楊柳は楊が男、柳が女をあらわし、情事が終わった後に汗ばんだところに微風が吹いてきたことを云うのである。ここの三句は楽しかった日々のことをいうものである。

 

挑錦字,記情事,惟願兩心相似。

すぐれて美しい詩句をかかげて示され、そして、心の思いを書き記してくれたものです。ただこの二人の心が互いに似ていることを願ったのです。

・挑錦字 ・錦字 すぐれて美しい詩句。錦字をかかげるというのは、この女性に対して美辞麗句をしめされていたということ。

・記情事 心が動かされる言葉を書き記した。

 

 

收淚語,背燈眠,玉釵橫枕邊。

涕とあの人への言葉を収め、一人で燈火を背に横になるのです。あの人にもらった耀く簪も枕の傍においてしまっている。

・背燈 燈火を後ろに離れて淋しい様子を云う。一人で居るので明るくなくてもよいことをいう。韋荘『更漏子』.

鐘鼓寒,樓閣暝,月照古銅金井。

深院閉,小樓空,落花香露紅。

煙柳重,春霧薄,燈背水窗高閣。

閑倚,暗沾衣,待郎郎不歸。

123 更漏子 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-282-5-#36  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2957

botan00
 


望江怨 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-324-6-#11 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3167

望江怨 牛嶠【ぎゅうきょう】 東風は春を知らせる強い風(春一番)、別れを惜んだのは花の時で、繰り返し手を握り交わしたものでした。

 

2013年10月20日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
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温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
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望江怨 牛嶠【ぎゅうきょう】 Ⅹ

唐五代詞・「花間集」 Gs-324-6-#11 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3167

 

 

望江怨

東風急,惜別花時手頻執。

東風は春を知らせる強い風(春一番)、別れを惜んだのは花の時で、繰り返し手を握り交わしたものでした。

羅幃愁獨入,馬嘶殘雨春蕪

薄い肌襦袢にとばりは愁いを誘い、独り閨にはいるのです、あの人の乗る馬は嘶き、行ってしまうと名残りの雨に春草は濡れるのです。

倚門立,寄語薄情郎,粉香和淚泣。

きっと帰って来てくれると門口に佇んで、薄情もののあの人に言葉を寄せるのですが、涙が頬を濡らし、頬の白粉が溶ける日々が続くのです。

 

望江怨【ぼうこうえん】

東風 急なり,惜別 花の時 手頻に執る。

羅幃 愁いて獨り入れば,馬殘雨に嘶きて 春蕪 【うるお】う

門に倚りて立ち,語を薄情の郎に寄せれども,粉香 淚に和して泣くなり。

 

美女画55101道観
 

 

『望江怨』 現代語訳と訳註

(本文)

望江怨

東風急,惜別花時手頻執。

羅幃愁獨入,馬嘶殘雨春蕪

倚門立,寄語薄情郎,粉香和淚泣。

 

 

(下し文)

望江怨【ぼうこうえん】

東風 急なり,惜別 花の時 手頻に執る。

羅幃 愁いて獨り入れば,馬殘雨に嘶きて 春蕪 【うるお】う

門に倚りて立ち,語を薄情の郎に寄せれども,粉香 淚に和して泣くなり。

 

 

(現代語訳)

東風は春を知らせる強い風(春一番)、別れを惜んだのは花の時で、繰り返し手を握り交わしたものでした。

薄い肌襦袢にとばりは愁いを誘い、独り閨にはいるのです、あの人の乗る馬は嘶き、行ってしまうと名残りの雨に春草は濡れるのです。

きっと帰って来てくれると門口に佇んで、薄情もののあの人に言葉を寄せるのですが、涙が頬を濡らし、頬の白粉が溶ける日々が続くのです。

 

 

(訳注)

望江怨

大江の傍の花街のおんな

花間集には牛嶠一首のみ所収。単調三十五字、七句六仄韻で、❸❼❺❼❸5❺の詞形をとる。

旅立ったまま帰らぬ男を恨む女の情を詠う。第一句から第四句までは、男の旅立ちを見送った時の回想をのべ、第五句から末句までは、男の帰りを待ちわびる女の心情を述べる。すべて男目線の女の情をのべるものである。

 

東風急,惜別花時手頻執。

東風は春を知らせる強い風(春一番)、別れを惜んだのは花の時で、繰り返し手を握り交わしたものでした。

 

 

羅幃愁獨入,馬嘶殘雨春蕪

薄い肌襦袢にとばりは愁いを誘い、独り閨にはいるのです、あの人の乗る馬は嘶き、行ってしまうと名残りの雨に春草は濡れるのです。

○羅幃 ここでは薄絹の肌襦袢、帳を垂れた閏を指す。

 

倚門立,寄語薄情郎,粉香和淚泣。

きっと帰って来てくれると門口に佇んで、薄情もののあの人に言葉を寄せるのですが、涙が頬を濡らし、頬の白粉が溶ける日々が続くのです。

○粉香和涙泣 流す涙に頬の白粉が溶けること。
菜の花001
 

蕃女怨 之一 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-301-5-#55  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3052

温庭筠 《蕃女怨二首》其一 春の盛りになると枝という枝咲き薫る一面の白い花(あの人のいる北の国境にも咲いている)春の細雨が降る中そろいの番の燕が飛び交う。

 

2013年9月27日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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司馬相如 《子虚賦 》(21)#9-1 文選 賦<109-#9-1>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩900 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3048
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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

蕃女怨 之一 温庭筠  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-301-5-#55   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3052

 

 

蕃女怨二首

其一

(北の辺境にいる男を思う女の気持ちを詠う。)

萬枝香雪開已遍,細雨雙鷰。

春の盛りになると枝という枝咲き薫る一面の白い花(あの人のいる北の国境にも咲いている)春の細雨が降る中そろいの番の燕が飛び交う。

鈿蟬箏,金雀扇,畫梁相見。

螺鈿の琴は蝉模様、扇は金の雀の絵柄で幸せな時をうかがわせる。絵が描かれた梁上に今、燕と顔合わせる。

鴈門消息不歸來,又飛迴。

雁門関からの音信が帰って來ることはなく、雁はそのまま北へむかい帰り飛んでゆく。

 

其二

磧南沙上驚鴈起,飛雪千里。

玉連環,金鏃箭,年年征戰。

畫樓離恨錦屏空,杏花紅。

 

 

蕃女怨【はんじょえん】二首

其一

萬枝の香雪 開きて已に遍ねく,細雨 雙鷰【そうえん】あり。

鈿蟬の箏,金雀の扇,畫梁 相い見ゆ。

鴈門の消息 歸り來たらず,又 飛びて迴る。

 

其二

磧南【せきなん】の沙上 驚ける鴈は起つ,飛雪 千里。

玉の連環,金の鏃箭【ぞくせん】,年年の征戰。

畫樓の離恨【りこん】錦屏【きんぺい】空,杏花【きょうか】紅。


鬢毛01鬢毛01

 

『蕃女怨二首』 現代語訳と訳註

(本文)

蕃女怨二首

其一

萬枝香雪開已遍,細雨雙鷰。

鈿蟬箏,金雀扇,畫梁相見。

鴈門消息不歸來,又飛迴。

 

 

(下し文)

蕃女怨【はんじょえん】二首

其一

萬枝の香雪 開きて已に遍ねく,細雨 雙鷰【そうえん】あり。

鈿蟬の箏,金雀の扇,畫梁 相い見ゆ。

鴈門の消息 歸り來たらず,又 飛びて迴る。

 

 

(現代語訳)

(北の辺境にいる男を思う女の気持ちを詠う。)

春の盛りになると枝という枝咲き薫る一面の白い花(あの人のいる北の国境にも咲いている)春の細雨が降る中そろいの番の燕が飛び交う。

螺鈿の琴は蝉模様、扇は金の雀の絵柄で幸せな時をうかがわせる。絵が描かれた梁上に今、燕と顔合わせる。

雁門関からの音信が帰って來ることはなく、雁はそのまま北へむかい帰り飛んでゆく。

 

 

(訳注)

蕃女怨二首 其一

(北の辺境にいる男を思う女の気持ちを詠う。)

温庭筠の創始の曲と言われ、『花間集』には温庭筠の二首のみ所収。単調三十一字、七句四仄韻●二平韻○で、❼❹3❸❹⑦③の詞形をとる。

 

萬枝香雪開已遍,細雨雙鷰。

春の盛りになると枝という枝咲き薫る一面の白い花(あの人のいる北の国境にも咲いている)春の細雨が降る中そろいの番の燕が飛び交う。

○香雪 梨や杏の白く香しい花を指す。

 

鈿蟬箏,金雀扇,畫梁相見。

螺鈿の琴は蝉模様、扇は金の雀の絵柄で幸せな時をうかがわせる。絵が描かれた梁上に今、燕と顔合わせる。

〇鈿蟬箏 蟬の鈿蟬飾りの琴。

○金雀屈 金泥で描いた雀の絵のある扇。

 

鴈門消息不歸來,又飛迴。

雁門関からの音信が帰って來ることはなく、雁はそのまま北へむかい帰り飛んでゆく。

○雁門消息木帰來 雁門にいる男からの便りのないこと。雁門は今の山西省の雁門関の西の雁門山。雁は秋にここを発って南に渡ると考えられていた。

○又飛迴 ここでは今年の春、雁がまた北へ帰って行くこと。女は夫への便りを手紙の使者である雁に託したい。しかし雁は女性のことなどお構いなしに無情にも飛び帰って行く、といった意味合い。いずれにしても、女への思いが伝わってこないことを云う。

 

 

≪解説≫ 

北の辺境にいる男を思う女の気持ちを詠う。第二句の番の燕は、女の孤独を際立たせる。末句、雁書もないまま、雁がまた帰ってゆくという言葉の背景には、雁はあの人のいる雁門山へと帰って行くのに、私はあの人のもとに行くこともできず、いつ帰るとも知れぬあの人の帰りを、ただ一人空しく待つしかないのだという。なお「鈿蟬の箏、金雀の扇、画梁に相い見る」 の三句、立派な琴や扇も梁上の番の燕には及ばない、ということもある。つまり.思う男が帰らねば、どんな宝も私にとっては価値がないという。
木蓮000

126 小重山 韋荘 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-290-5-#44  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2997

韋荘《小重山 天子の寵愛を失って昭陽殿に蟄居されて以来、春が過ぎまた春が過ぎ、秋の寒々とした独り寝で、時を知らせる音を聞く長き夜、帝の情け夢に見る。

 

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126 小重山 韋荘 Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-290-5-#44   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2997

 

 

小重山(小重山)

一閉昭陽春又春,夜寒宮漏永,夢君恩。

天子の寵愛を失って昭陽殿に蟄居されて以来、春が過ぎまた春が過ぎ、秋の寒々とした独り寝で、時を知らせる音を聞く長き夜、帝の情け夢に見る。

臥思陳事暗消魂,羅衣濕,紅袂有啼痕。

床台に横になり栄華の日々を思い偲んでいると、それでもなおという魂は消え失せてしまう。流す涙に薄絹の衣濡れ、紅の裳裾には涙の跡が消え残る。

 

歌吹隔重閽,繞庭芳草綠,倚長門。

宮中の重なる門に隔てられ、彼方より洩れ聞こえる楽の音や歌の声だけ、庭一面に春の芳しい草青くのび、長門に独り身を寄す。

萬般惆悵向誰論?凝情立,宮殿欲黃昏。

種々の愁い悲しむことを語るべき人もいない、思いふけるだけでただ佇めば、宮廷にもう黄昏が迫る。

yayoipl05

 

(小重山【しょうちょうざん】)

一たび昭陽に閉ざされ 春 又た春,夜 寒く 宮漏 永くして,君の恩 夢む。

臥して陳事を思い 暗に魂 消ゆ,羅衣 濕し,紅袂【こうべい】啼痕 有り。

 

歌吹 重閽を隔て,庭を繞れば 芳草 綠なり,長門に倚る。

萬般の惆悵 誰に向いて論ぜん?情を凝らして立てば,宮殿 黃昏ならんと欲す。

 

 

『小重山』 現代語訳と訳註

(本文)

小重山

一閉昭陽春又春,夜寒宮漏永,夢君恩。

臥思陳事暗消魂,羅衣濕,紅袂有啼痕。

 

歌吹隔重閽,繞庭芳草綠,倚長門。

萬般惆悵向誰論?凝情立,宮殿欲黃昏。

 

 

(下し文)

(小重山【しょうちょうざん】)

一たび昭陽に閉ざされ 春 又た春,夜 寒く 宮漏 永くして,君の恩 夢む。

臥して陳事を思い 暗に魂 消ゆ,羅衣 濕し,紅袂【こうべい】啼痕 有り。

 

歌吹 重閽を隔て,庭を繞れば 芳草 綠なり,長門に倚る。

萬般の惆悵 誰に向いて論ぜん?情を凝らして立てば,宮殿 黃昏ならんと欲す。

 

 

(現代語訳)

(小重山)

天子の寵愛を失って昭陽殿に蟄居されて以来、春が過ぎまた春が過ぎ、秋の寒々とした独り寝で、時を知らせる音を聞く長き夜、帝の情け夢に見る。

床台に横になり栄華の日々を思い偲んでいると、それでもなおという魂は消え失せてしまう。流す涙に薄絹の衣濡れ、紅の裳裾には涙の跡が消え残る。

宮中の重なる門に隔てられ、彼方より洩れ聞こえる楽の音や歌の声だけ、庭一面に春の芳しい草青くのび、長門に独り身を寄す。

種々の愁い悲しむことを語るべき人もいない、思いふけるだけでただ佇めば、宮廷にもう黄昏が迫る。

 

 

(訳注)

小重山

天子の寵愛を失った宮妓が宮廷の片隅の昭陽殿に蟄居され、春を過すのを重ねて嘆く様子を詠ったもの。特に後段は、重なる門の中の宮殿から聞こえて来る音楽、歌声と、春草はびこる庭のさま、夕暮れ等を通して、言い尽くせぬ胸中の悲しい思いを訴える。

『花間集』には六首所収されているが、韋荘の作は一首収められている。双調五十八字、前段三十字六句四平韻、後段二十八字六句四平韻で、⑦5③⑦3⑤/⑤5③⑦3⑤の詞形をとる。

 

 

一閉昭陽春又春,夜寒宮漏永,夢君恩。

天子の寵愛を失って昭陽殿に蟄居されて以来、春が過ぎまた春が過ぎ、秋の寒々とした独り寝で、時を知らせる音を聞く長き夜、帝の情け夢に見る。

○昭陽 漢の宮殿の名。

○宮漏永 夜が長いこと。宮漏は宮中の水時計。

○君恩 天子の恩寵。

 

臥思陳事暗消魂,羅衣濕,紅袂有啼痕。

床台に横になり栄華の日々を思い偲んでいると、それでもなおという魂は消え失せてしまう。流す涙に薄絹の衣濡れ、紅の裳裾には涙の跡が消え残る。

 

歌吹隔重閽,繞庭芳草綠,倚長門。

宮中の重なる門に隔てられ、彼方より洩れ聞こえる楽の音や歌の声だけ、庭一面に春の芳しい草青くのび、長門に独り身を寄す。

○重閽 幾重にも重なる門。ここでは幽閉された官女の居場所が昭陽殿の奥深くであることを言う。

○長門 前漢の武帝の時の宮殿の名。武帝の寵愛を久った陳皇后は長門宮に留め置かれた。ここでは、天子の寵愛を失った宮女が幽閉された居所を漢の長門宵になぞらえる。

 

萬般惆悵向誰論?凝情立,宮殿欲黃昏。

種々の愁い悲しむことを語るべき人もいない、思いふけるだけでただ佇めば、宮廷にもう黄昏が迫る。

○万般惆悵 さまざまな悲しみ。

○凝情 思いに耽る。

○欲黄昏 もう少しで夕暮れになる。欲は今にも~しそうだ、の意。
花蕊夫人006
 

115 思帝郷 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-289-5-#43  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2992

思帝郷 其一女も年増になって來ると愚痴も言い尽くしてしまうし、下世話な世でおこる女の儚さと高貴なところでの女の一生は全く異なった二つの心情があるということがいまさらにわかるというものだ。


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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。    
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html    
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html    
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。 

 

115 思帝郷 其一 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-289-5-#43   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2992

 

 

思帝二首 其一

(帝都の女の郷で思うこと)

雲髻墜,鳳釵垂,

雲型の髷の髻がくずれ落ち掛けている。鳳凰のかんざしはそのまま垂れている。

髻墜釵垂無力,枕函欹。

もとどりが落ち、カンザシがかろうじてついているということはもう何もする気が無く無気力な状態なのだ、枕の箱も壊れかけている。

翡翠屏深月落,漏依依。

翡翠の屏風には部屋の奥深い所にあり、月が落ちかかってそこにまで影を指していて、五更の時をもう間もなく告げるであろう。

盡人間天上,兩心知。

女も年増になって來ると愚痴も言い尽くしてしまうし、下世話な世でおこる女の儚さと高貴なところでの女の一生は全く異なった二つの心情があるということがいまさらにわかるというものだ。

 

(思帝【していきょう】二首 其の一)

雲髻 墜ち,鳳釵 垂る,

髻 墜ち 釵 垂れて力無く,枕函 欹【かたむ】く。

翡翠【ひすい】の屏は深く月落つるも,漏は依依たり。

【い】い盡くす 人間【じんかん】と天上を,兩つの心 知る。

 

 

『思帝二首 其一 現代語訳と訳註

(本文)

思帝二首 其一

雲髻墜,鳳釵垂,

髻墜釵垂無力,枕函欹。

翡翠屏深月落,漏依依。

盡人間天上,兩心知。

 

 

(下し文)

(思帝【していきょう】二首 其の一)

雲髻 墜ち,鳳釵 垂る,

髻 墜ち 釵 垂れて力無く,枕函 欹【かたむ】く。

翡翠【ひすい】の屏は深く月落つるも,漏は依依たり。

【い】い盡くす 人間【じんかん】と天上を,兩つの心 知る。

 

 

(現代語訳)

(帝都の女の郷で思うこと)

雲型の髷の髻がくずれ落ち掛けている。鳳凰のかんざしはそのまま垂れている。

もとどりが落ち、カンザシがかろうじてついているということはもう何もする気が無く無気力な状態なのだ、枕の箱も壊れかけている。

翡翠の屏風には部屋の奥深い所にあり、月が落ちかかってそこにまで影を指していて、五更の時をもう間もなく告げるであろう。

女も年増になって來ると愚痴も言い尽くしてしまうし、下世話な世でおこる女の儚さと高貴なところでの女の一生は全く異なった二つの心情があるということがいまさらにわかるというものだ。

 

 

(訳注)

思帝二首 其一

(帝都の女の郷で思うこと)

年増になって見向きもされず身だしなみも崩れたまま。

唐の教坊の曲名。花間集に韋荘の詩は二首収められている。単調三十三字、八句五平韻、③③666③の詞形をとる。
思帝鄕二首 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-263-5-#17  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2697

雲髻墜,鳳釵垂, 
雲型の髷の髻がくずれ落ち掛けている。鳳凰のかんざしはそのまま垂れている。

・雲髻 女性の髪が雲の形のように大きなものとしていた。大きいほど高貴であった。これを雲鬢とするテキストがあるが、それでは三国志の「関羽」の顔がイメージされ意味が限定され通らない。756年ウイグルの王女が粛宗の妾になる際に、ウイグル国王に嫁いだ姫君の髪型が有名。

『即事』

聞道花門破,和親事卻非。

人憐漢公主,生得渡河歸。

秋思雲髻,腰肢勝寶衣。

群凶猶索戰,回首意多違。

即事 杜甫 <290> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1337 杜甫詩 700- 410

・鳳釵 鳳凰のかんざし。通常、つがいの物を云い、ここではそのの片方が壊れて垂れ下がっていることを云う。

雲髻001
 

髻墜釵垂無力,枕函欹。

もとどりが落ち、カンザシがかろうじてついているということはもう何もする気が無く無気力な状態なのだ、枕の箱も壊れかけている。

・枕函 箱型のまくら。

・欹 傾斜していること。はこがたのぶぶんがこわれかけている。

 

翡翠屏深月落,漏依依。

翡翠の屏風には部屋の奥深い所にあり、月が落ちかかってそこにまで影を指していて、五更の時をもう間もなく告げるであろう。

漏 五更の時をつげる

・依依 名残惜しく離れにくいさま。

 

盡人間天上,兩心知。

女も年増になって來ると愚痴も言い尽くしてしまうし、下世話な世でおこる女の儚さと高貴なところでの女の一生は全く異なった二つの心情があるということがいまさらにわかるというものだ。

盡 女も年増になって來ると愚痴も言い尽くしてしまうこと。

・人間天上 下世話な世でおこる女の儚さと高貴なところでの女の一生。

・兩心 二つの心情。

 野鴨0111

100 望遠行 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-285-5-#39  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2972

韋荘望遠行別れをしようというころ、言葉なくこの部屋の絵屏風に身を寄せるだけで、恨みを抱き人知れず心悲しむだけなのです。折しも豪邸の謝家のような庭の樹に錦鶏は時を告げます、名残の月は田舎の町の城壁にまさに落ちています。

 

2013年9月11日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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司馬相如 《子虚賦 》(5)#2-2 文選 賦<109-#1-4>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩884 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2968
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
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100 望遠行 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-285-5-#39   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2972

 

 

望遠行

(あの人のことを遠くに望む歌)

欲別無言倚屏、含恨暗傷情。

別れをしようというころ、言葉なくこの部屋の絵屏風に身を寄せるだけで、恨みを抱き人知れず心悲しむだけなのです。

謝家庭樹錦鶏鳴、残月落城。

折しも豪邸の謝家のような庭の樹に錦鶏は時を告げます、名残の月は田舎の町の城壁にまさに落ちています。

美女004 

人欲別、馬頻噺、綠槐千里長堤。

あの人は去ってゆこうとしています、馬はしきりに声高く鳴いています。花が咲く前のエンジュの大樹か千里にわたって植わっている堤がながくつづいています。

出門芳草路萋萋、雲雨別來易東西。

この門を出てしまえば旅路の道に若草茂るし、女の人もいるというものです。巫山の神女と夢の中で情を交わしたように睦まじくした仲も別れてはたちまち東と西にはなれてしまうのです。

不忍別君後、却入旧香閏。

忍ぶことができないことはこのひとが去った後は、このひとと過ごした閏に入るだけなのですが、それがつらいことなのです。

 

(望遠行)

別れんと欲して 言 無く 画屏に倚る、恨みを含みて 暗に情を傷ましむ。

謝家の庭樹 錦鶏 鳴き、残月 辺城に落つ。

 

人 別れんと欲し、馬 頻に嘶く、緑槐 千里の艮堤。

門を出づれば 芳草 路に妻萎たり、雲雨 別れてより來 東西なり易し。

忍びず 君と別れし後、却って旧の香閨に入るに。

 槐002

 












『望遠行』 現代語訳と訳註

(本文)

望遠行

欲別無言倚屏、含恨暗傷情。

謝家庭樹錦鶏鳴、残月落邊城。

 

人欲別、馬頻噺、綠槐千里長堤。

出門芳草路萋萋、雲雨別來易東西。

不忍別君後、却入旧香閏。

 

(下し文)

(望遠行)

別れんと欲して 言 無く 画屏に倚る、恨みを含みて 暗に情を傷ましむ。

謝家の庭樹 錦鶏 鳴き、残月 辺城に落つ。

 

人 別れんと欲し、馬 頻に嘶く、緑槐 千里の艮堤。

門を出づれば 芳草 路に妻萎たり、雲雨 別れてより來 東西なり易し。

忍びず 君と別れし後、却って旧の香閨に入るに。

 

 

(現代語訳)

(あの人のことを遠くに望む歌)

別れをしようというころ、言葉なくこの部屋の絵屏風に身を寄せるだけで、恨みを抱き人知れず心悲しむだけなのです。

折しも豪邸の謝家のような庭の樹に錦鶏は時を告げます、名残の月は田舎の町の城壁にまさに落ちています。

あの人は去ってゆこうとしています、馬はしきりに声高く鳴いています。花が咲く前のエンジュの大樹か千里にわたって植わっている堤がながくつづいています。

この門を出てしまえば旅路の道に若草茂るし、女の人もいるというものです。巫山の神女と夢の中で情を交わしたように睦まじくした仲も別れてはたちまち東と西にはなれてしまうのです。

忍ぶことができないことはこのひとが去った後は、このひとと過ごした閏に入るだけなのですが、それがつらいことなのです。

 

 

(訳注)

望遠行

(あの人のことを遠くに望む歌)

『花間集』には一首所収。喜荘の作は一首収められている。双調六十字、前段二十四字四句四平韻、後段三十六字七句五平韻の詞形をとる。

明け方の別れに際し、男を見送る女の情を詠う。後段第四旬、道は春の若草に覆われているとは、旅立った男がすぐには帰って兼ぬであろう懸念が込められている。最後の二句では 「あなたを見送った後は、これまであなたとともに過ごしてきた閏に入る気にはとてもなれない」 と別離の悲しみを嘆く。「雲雨」の語については注参照

 

 

欲別無言倚畫屏、含恨暗傷情。

別れをしようというころ、言葉なくこの部屋の絵屏風に身を寄せるだけで、恨みを抱き人知れず心悲しむだけなのです。

○欲別 今まさに別れようとする。欲は今にも~しそうだ、の意。

 

謝家庭樹錦鶏鳴、残月落邊城。

折しも豪邸の謝家のような庭の樹に錦鶏は時を告げます、名残の月は田舎の町の城壁にまさに落ちています。

○謝家 美女や妓女、あるいは愛妾の棲む家。唐の李徳祐が豪邸を築いて謝秋娘を池のほとりの楼閣に住まわせたことによる。比喩する相手が特定される場合は、晋の謝安であったり、謝靈運、謝朓を示す場合もある。

○錦鶏鳴 錦鶏が崎を吾げる。錦鶏は雉に似た烏。金鷄とも言う。

○辺城 田舎町の城壁。古代、中国の村や町の多くは城壁に囲まれていた。

 

人欲別、馬頻噺、綠槐千里長堤。

あの人は去ってゆこうとしています、馬はしきりに声高く鳴いています。花が咲く前のエンジュの大樹か千里にわたって植わっている堤がながくつづいています。

○槐 マメ科の落葉高木。葉は羽状複葉で、小葉は長卵形。夏に、黄白色の小花が群生して咲き、くびれたさやのある実がなる。中国の原産。庭木や街路樹とし、木材は建築・器具などに用いる。花・実は薬用。きふじ。玉樹。槐樹

 

出門芳草路萋萋、雲雨別來易東西。

この門を出てしまえば旅路の道に若草茂るし、女の人もいるというものです。巫山の神女と夢の中で情を交わしたように睦まじくした仲も別れてはたちまち東と西にはなれてしまうのです。

○芳草路萋萋 旅立った男が旅先で春草(女)に心奪われて帰って来ないことを。『楚辞』招隠士第十二「王孫遊兮不歸、春草生兮萋萋。」(王孫 遊びて歸らず、春草 生じて萋萋たり。)

○雲雨別來易東西 愛し合ってきた睦まじい男女の仲も、一たび別れとなれば、たちまち東西に遠く離れ離れになってしまうことを言う。雲雨は男女の情交を指す。宋玉の「高唐の賦」の序に拠れば、楚の懐王は高唐に遊び、巫山の神女と夢の中で情を交わした。神女は別れに当たり 「私は巫山の南、高く険しい所におり、朝には雲となり暮れには雨となって、朝な朝な夕な夕なに、陽台の下におります」と言い残し去ったと言う。以来、雲.雨の語は男女の情交を指すようになった。

 

不忍別君後、却入旧香閏。

忍ぶことができないことはこのひとが去った後は、このひとと過ごした閏に入るだけなのですが、それがつらいことなのです。

○不忍別君後、却入旧香閏 あなたと別れた後は、とても辛くてあなたとともに過ごした閏に戻る気になれない、の意。
槐001 

099清平楽 其四 韋荘 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-283-5-#37 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2962

韋荘清平楽 其四鴬が啼いて春を告げてくれたと思ったら、もう春の月も10日をきろうとしている。今宵も待ち侘びてきれいな楼閣にも香を焚くのも、燈火も消えてしまうまで眠れない。

 

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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。    
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

099清平楽 其四 韋荘 Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-283-5-#37 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2962

 

 

清平楽 其四

(世の中が清らかに治まっていることを詠う詩譜)その四

鴬啼残月、綉閣香燈滅。

鴬が啼いて春を告げてくれたと思ったら、もう春の月も10日をきろうとしている。今宵も待ち侘びてきれいな楼閣にも香を焚くのも、燈火も消えてしまうまで眠れない。

門外馬嘶郎欲別、正是落花時節。

この家の門の外で馬が嘶くとあの人は別れたいといったのです。それはまさに、今と同じ、満開の花が散っていく時期のことでした。

 

妝成不畫蛾眉、含愁濁倚金扉。

お迎えする化粧を整えてあの時の様な遠山の眉を書く気にはなれないのです。いろんなことを考えながら、ただ一人で金色に飾られたあの人が入って來る扉に倚りかかるのです。

去路香塵莫掃、掃即郎去歸遅。

去って行った道も香の残りと舞い起した塵はそのままにしているので決して掃き掃除をしてはいけないのです。掃除をしてしまうと、すなわち、あの人があの女のもとを去って私のもとに帰って來るのが遅くなるような気がするのです。

 

鴬啼き月残り 綉閣は香燈滅ゆ。

門外に馬の嘶けば郎は別れんと欲す、正に是れ落花の時節。

妝成るも蛾眉を畫かず、愁いを含んで濁り金扉に倚る。去る路の香塵は掃くことなかれ、掃けば即ち郎去りて歸ること遅からん。

百舌鳥02 

 

『清平楽 其四』 現代語訳と訳註

(本文)

清平楽 其四

鴬啼残月、綉閣香燈滅。

門外馬嘶郎欲別、正是落花時節。

 

妝成不畫蛾眉、含愁濁倚金扉。

去路香塵莫掃、掃即郎去歸遅。

 

 

(下し文)

鴬啼き月残り 綉閣は香燈滅ゆ。

門外に馬の嘶けば郎は別れんと欲す、正に是れ落花の時節。

妝成るも蛾眉を畫かず、愁いを含んで濁り金扉に倚る。去る路の香塵は掃くことなかれ、掃けば即ち郎去りて歸ること遅からん。

 

 

(現代語訳)

(世の中が清らかに治まっていることを詠う詩譜)その四

鴬が啼いて春を告げてくれたと思ったら、もう春の月も10日をきろうとしている。今宵も待ち侘びてきれいな楼閣にも香を焚くのも、燈火も消えてしまうまで眠れない。

この家の門の外で馬が嘶くとあの人は別れたいといったのです。それはまさに、今と同じ、満開の花が散っていく時期のことでした。

お迎えする化粧を整えてあの時の様な遠山の眉を書く気にはなれないのです。いろんなことを考えながら、ただ一人で金色に飾られたあの人が入って來る扉に倚りかかるのです。

去って行った道も香の残りと舞い起した塵はそのままにしているので決して掃き掃除をしてはいけないのです。掃除をしてしまうと、すなわち、あの人があの女のもとを去って私のもとに帰って來るのが遅くなるような気がするのです。

 

 

(訳注)

清平楽 其四

(世の中が清らかに治まっていることを詠う詩譜)その四

詞譜の一。詞の形式名。双調。前半二十二字、後半二十四字の四十六字。平韻相互の換韻。花間集巻第二所収。

この作品は『花間集』第二にある。妓女が年増になって誰の相手もされないことへの寂しさを詠う。この詩も男の目から見た女性を詠うもので、年増の妓女が侘しく思う語句を鏤めている。

 

 

鴬啼残月、綉閣香燈滅。

鴬が啼いて春を告げてくれたと思ったら、もう春の月も10日をきろうとしている。今宵も待ち侘びてきれいな楼閣にも香を焚くのも、燈火も消えてしまうまで眠れない。

・鴬啼 春が来たことを知らせる鶯。今は来てくれないあの人も、仲睦まじく過ごしたころに鶯の啼き声を聞いていたので、きっと思い出してきてくれるという期待を持った語句である。

残月 この月もあと十日を切ってしまうこと。ここでの残月は晩春の月の後半の月を示す。まだ春で、残り少なくなってきているがもう来ないものとあきらめはしないというほどの意味になる。この初句四字でこの詩の概要をあらわしている。

・綉閣 樓閣の窓や行燈の布張りに刺繍やえがえがかれているもの。綉:刺繍がしてある。縫いとりがしてある。

門外馬嘶郎欲別、正是落花時節。

この家の門の外で馬が嘶くとあの人は別れたいといったのです。それはまさに、今と同じ、満開の花が散っていく時期のことでした。

・門外馬嘶 娼屋の一部にこの詩の主人公が居を構えていた。正面の門の外に馬を繫いだのである。

・落花時節 初句「残月」がここにかかってくるのである。

 

妝成不畫蛾眉、含愁濁倚金扉。

お迎えする化粧を整えてあの時の様な遠山の眉を書く気にはなれないのです。いろんなことを考えながら、ただ一人で金色に飾られたあの人が入って來る扉に倚りかかるのです。

・妝成 お迎えする化粧を整え、閨を整えること。

・蛾眉 遠山、柳の葉を眉に書くこと。

・金扉 その家の正面の扉。

 

去路香塵莫掃、掃即郎去歸遅。

去って行った道も香の残りと舞い起した塵はそのままにしているので決して掃き掃除をしてはいけないのです。掃除をしてしまうと、すなわち、あの人があの女のもとを去って私のもとに帰って來るのが遅くなるような気がするのです。DCF00104

123 更漏子 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-282-5-#36  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2957

《更漏子》韋荘 今宵も時を告げる寒々とした鐘鼓の響きがきこえ、ここの高殿の燈も暗くなり、月は明かるく桐の老木に、銅張りの井戸を照らしています。この屋の閉ざされた奥庭に、その離れの小樓にあの人の影はない、春も花が散ってしまって、晩春の細雨の露に濡れ紅は香しく鮮やかに見えるだけなのです。

 

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●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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遊城南十六首:楸樹 韓愈(韓退之) <183>Ⅱ中唐詩794 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2954
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Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoor641五言律詩《戲題寄上漢中王,三首之三》 蜀中転々 杜甫 <546>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2955 杜甫詩1000-546-785/1500
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性LiveDoor123 更漏子 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-282-5-#36  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2957
 
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。    
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 


123 更漏子 韋荘  Ⅹ
唐五代詞・宋詩Gs-282-5-#36   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2957

 

 

更漏子.

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)

鐘鼓寒,樓閣暝,月照古銅金井。

今宵も時を告げる寒々とした鐘鼓の響きがきこえ、ここの高殿の燈も暗くなり、月は明かるく桐の老木に、銅張りの井戸を照らしています。

深院閉,小樓空,落花香露紅。

この屋の閉ざされた奥庭に、その離れの小樓にあの人の影はない、春も花が散ってしまって、晩春の細雨の露に濡れ紅は香しく鮮やかに見えるだけなのです。

 

煙柳重,春霧薄,燈背水窗高閣。

花街の土手に煙る柳は重く垂れ、春の霧も淡く籠めていて、高殿の水辺の窓に灯火が水面に影を落として、背後に寂しく燈っています。

閑倚,暗沾衣,待郎郎不歸。

何もすることなく戸口に身を寄せ、来ない人を待っています。そして誰にも知られないように泣くと着物は涙で濡れています。あの人を待っているけど、あの人は私の所へは帰っては来ないのです。

 

更漏子

鐘鼓【しょうこ】寒く,樓閣 暝【くら】く,月は古銅【こどう】の金井【きんせい】を照らす。

深院 閉ざし,小樓 空しく,落花 香露 紅【あか】し。

 

煙柳 重く,春霧 薄く,燈の水窓を背にする高閣。

閑【しず】かに倚り,暗【ひそ】かに衣を【ぬ】らし郎を待つも 郎は帰らず。

 

pla030 




『更漏子』 現代語訳と訳註

(本文)

更漏子.

鐘鼓寒,樓閣暝,月照古銅金井。

深院閉,小樓空,落花香露紅。

 

煙柳重,春霧薄,燈背水窗高閣。

閑倚,暗沾衣,待郎郎不歸。

 

 

(下し文)

更漏子

鐘鼓【しょうこ】寒く,樓閣 暝【くら】く,月は古銅【こどう】の金井【きんせい】を照らす。

深院 閉ざし,小樓 空しく,落花 香露 紅【あか】し。

 

煙柳 重く,春霧 薄く,燈の水窓を背にする高閣。

閑【しず】かに倚り,暗【ひそ】かに衣を沾【ぬ】らし,郎を待つも 郎は帰らず。

 

 

(現代語訳)

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)

今宵も時を告げる寒々とした鐘鼓の響きがきこえ、ここの高殿の燈も暗くなり、月は明かるく桐の老木に、銅張りの井戸を照らしています。

この屋の閉ざされた奥庭に、その離れの小樓にあの人の影はない、春も花が散ってしまって、晩春の細雨の露に濡れ紅は香しく鮮やかに見えるだけなのです。

花街の土手に煙る柳は重く垂れ、春の霧も淡く籠めていて、高殿の水辺の窓に灯火が水面に影を落として、背後に寂しく燈っています。

何もすることなく戸口に身を寄せ、来ない人を待っています。そして誰にも知られないように泣くと着物は涙で濡れています。あの人を待っているけど、あの人は私の所へは帰っては来ないのです。

 

 

(訳注)

bijo06更漏子

(秋の夜長に時を告げる、女の侘しさを詠う。)

更は五更、夕方から、夜明けまで時を告げることを示す。特に秋以降、待ち侘びる夜が長いことを強調するシチュエーションのものをいう。

 

鐘鼓寒,樓閣暝,月照古銅金井。

今宵も時を告げる寒々とした鐘鼓の響きがきこえ、ここの高殿の燈も暗くなり、月は明かるく桐の老木に、銅張りの井戸を照らしています。

・鍾鼓 時を告げる鐘や太鼓。

・金井 井戸の井桁の木枠に腐食を防ぐために鋼板を張った井戸。また井戸の美称。

 

深院閉,小樓空,落花香露紅。

この屋の閉ざされた奥庭に、その離れの小樓にあの人の影はない、春も花が散ってしまって、晩春の細雨の露に濡れ紅は香しく鮮やかに見えるだけなのです。

・落花香露紅 地面に散り落ちた紅い花に、残った花に晩春の春雨に濡れて香りを放っていること。

 

 

煙柳重,春霧薄,燈背水窗高閣。

花街の土手に煙る柳は重く垂れ、春の霧も淡く籠めていて、高殿の水辺の窓に灯火が水面に影を落として、背後に寂しく燈っています。

・水窓 池などの水辺に面した窓。柳と共に色町の風情を醸し出す語である。

 

閑倚,暗沾衣,待郎郎不歸。

何もすることなく戸口に身を寄せ、来ない人を待っています。そして誰にも知られないように泣くと着物は涙で濡れています。あの人を待っているけど、あの人は私の所へは帰っては来ないのです。

・閑倚 何もすることなく戸口に身を寄せる。

 

 

【解説】空しく男の帰りを待ちわびる女の心情を詠う。前段は、囲われた女、夜の娼屋の情景を描写しつつ、うちに密かに孤独の思いを託す。遠く聞こえて来る寒々とした時を告げる鐘や太鼓の音には、女の侘しい心が投影され、女の身を置く小樓、遠くを眺める高殿の暗さは、女の胸中の暗い思いが重ねられている。人けもなく静まりかえった閉ざされた庭、井戸端の古びた桐の木に、銅張りの屋根に影を落とす月。一夫多妻制で、通い婚の場合であり、男が夫が、来なくなった状況を云う。一夫多妻制で、通い婚の場合、女は自由を持たず、屋敷内から出ることのない悲哀を示している。また前段最後の句「落花香露紅」は、せっかくの楽しむべき春がまさに過ぎ去ろうとしていることを言ったもので、ここにも女の悲しみが込められている。後段も、前段に続き情景描写から始まっているが、最後は、今春も男はとうとう帰って来なかった。複数の女を妻にしていて、女はそこで待つことが当たり前という時代の詩である。中世以前の男女の倫理観で見なければいけない。

101 謁金門 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-280-5-#34  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2947

韋荘《謁金門 其一》春の夜の時は忙しく流れる、灯火陰りさびれている灯心をかきたてる。その一夜、窓辺の竹は風が抜け揺れている、うとうととして見る夢は途切れ途切れでさびしさだけがのこる。

 

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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

101 謁金門 其一 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-280-5-#34   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2947

 

 

謁金門 其一 韋莊

(金門に謁見す 其の一)

春漏促,   金燼暗挑殘燭。

春の夜の時は忙しく流れる、灯火陰りさびれている灯心をかきたてる。

一夜簾前風撼竹,夢魂相斷續。

その一夜、窓辺の竹は風が抜け揺れている、うとうととして見る夢は途切れ途切れでさびしさだけがのこる。

有個嬌嬈如玉,夜夜繡屏孤宿。

宝玉のように麗しく艶やかな女なのに、夜ごと夜ごとに屏風の陰に独り寝している。

閒抱琵琶尋舊曲,遠山眉黛綠。

しずかに琵琶を抱いて懐かしき曲を奏でてみる、春の遠山の眉が色悲しくみえる。

 

(金門に謁す 其の一)

春漏 促し,金燼【きんじん】暗く 殘燭【ざんしょく】挑【かきあ】ぐ。

一夜 簾前 風 竹を撼【ゆるが】し,夢魂 相い斷續す。

 

個の嬌嬈【きょうじゅう】玉の如き有り,夜夜 繡屏孤り宿る。

閒かに琵琶【びわ】を抱き 舊曲を尋ぬ,遠山 眉黛【びたい】綠なり。

1781180




 

 

『謁金門』其一 現代語訳と訳註

(本文)

謁金門 韋莊 其一

春漏促,   金燼暗挑殘燭。

一夜簾前風撼竹,夢魂相斷續。

有個嬌嬈如玉,夜夜繡屏孤宿。

閒抱琵琶尋舊曲,遠山眉黛綠。

 

 

(下し文)

(金門に謁す 其の一) 韋莊 

春漏 促し,金燼【きんじん】暗く 殘燭【ざんしょく】挑【かきあ】ぐ。

一夜 簾前 風 竹を撼【ゆるが】し,夢魂 相い斷續す。

 

個の嬌嬈【きょうじゅう】玉の如き有り,夜夜 繡屏孤り宿る。

閒かに琵琶【びわ】を抱き 舊曲を尋ぬ,遠山 眉黛【びたい】綠なり。

 

 

(現代語訳)

(金門に謁見す 其の一)

春の夜の時は忙しく流れる、灯火陰りさびれている灯心をかきたてる。

その一夜、窓辺の竹は風が抜け揺れている、うとうととして見る夢は途切れ途切れでさびしさだけがのこる。

宝玉のように麗しく艶やかな女なのに、夜ごと夜ごとに屏風の陰に独り寝している。

しずかに琵琶を抱いて懐かしき曲を奏でてみる、春の遠山の眉が色悲しくみえる。

 

 

(訳注)

bijo06謁金門 韋莊 其一

(金門に謁見す 其の一)

唐の教坊の曲『花間集』には五首所収。韋莊の作は二首収められている。双調四十五字、前段二十一字四句四灰韻、後段二十四字四句四仄韻で、詞形である。

 

 

春漏促,   金燼暗挑殘燭。

春の夜は時は忙しく流れる、灯火陰りさびれている灯心をかきたてる。

・春漏促 春の夜が瞬く間に過ぎる。漏は水時計。ここでは時間のこと。秋は夜長、春の夜は瞬く間に過ぎる。なのに蝋燭の芯を斬らねばならない無情感。

・金慮暗挑残燭 灯火の芯が矩く暗くなり、明るくするために残りの芯をかき立てること。:損なわれる、さびれる。

 

一夜簾前風撼竹,夢魂相斷續。

その一夜、窓辺の竹は風が抜け揺れている、うとうととして見る夢は途切れ途切れでさびしさだけがのこる。

・夢魂 夢。魂夢とも言ぅ。あたかも夢のようにぼんやりとした心持を云う。

 

 

有個嬌嬈如玉,夜夜繡屏孤宿。

宝玉のように麗しく艶やかな女なのに、夜ごと夜ごとに屏風の陰に独り寝している。

・個/ 一箇に同じ。俗語。人を数える単位。一人。

・嬌嬈 艶やかなさま。

 

閒抱琵琶尋舊曲,遠山眉黛綠。

しずかに琵琶を抱いて懐かしき曲を奏でてみる、春の遠山の眉が色悲しくみえる。

・閒抱琵琶 寂しさに堪えしずかに琵琶を抱いて爪弾く。閑は他にすることがなく、まともに引くのではなく、ツン、ツンとはじくというほどの意。

・尋旧曲 かつて愛妾と過ごしたころ、あるいは住んでいた時弾き、また聞いた曲。花間集には舊○○というのはよく登場する。韋莊『荷葉杯 其一』「絶代佳人難得、傾国。花下見無期。一雙愁黛遠山眉、不忍更思惟。  閒掩翠屏金鳳、残夢。羅幕畫堂空。碧天無路信難通、惆悵舊房櫳。」。

・遠山 愁いを帯びた女性の美しい眉を言う。若い芸子の必須条件。

 

 

【解説】

春夜の年増女の孤閏の恨みを詠う。前段三、四句「一夜簾前風撼竹,夢魂相斷續。」は、晩中、待ち侘びて浅い眠りの中、風が窓辺の竹をざわざわと揺らしていたために目覚め、夢を見ては覚め、見ては覚めていたことを述べる。後段の前半「有個嬌嬈如玉,夜夜繡屏孤宿。」は、この詞の主人公が、閨で待つ独り寝の夜を送る艶やかな芸妓の女性であることを言い、後半二句は、女は無聊なるままに、懐かしい思い出の曲を聞かせる人もなく愁いの面持ちで奏でるさまを描く。

作品中では、女の孤独の理由を明確に説明する言葉はなく、じょうきょのられつである。「春漏促」待ち侘びての毎日,過ぎ去る春の世は日ごとに短くなっていく。逢いたい気持ちを募らせる句である。「金燼暗挑殘燭。」蝋燭の芯と、自分の若さを詠うもので侘しさを云うものである。「一夜簾前風撼竹,夢魂相斷續。」浅い眠り、夢も、断片、断片でしかない。諦めるしかないというせつな感をあらわす。「有個嬌嬈如玉,夜夜繡屏孤宿。」まだ十分に色香、妖艶であるのに、もっと若い女の所に心変わりをされたということを感じさせる。「閒抱琵琶尋舊曲,遠山眉黛綠。」この聯はひきたくもないけど激しく愛し合った頃の思い出に浸るしかないやるせなさを表現している。

094荷葉杯 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-279-5-#33  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2942

荷葉杯 其一 韋荘  絵が画かれた薄絹の帳は空しさだけの閨なのです。大空に詞文を通わせる路はできることもなく、痛ましく悲しいのは引き裂かれた女と過ごした、あの閨の連子窓を見つめているのです。


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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。    
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html    
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

094荷葉杯 其一 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-279-5-#33   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2942

 

 

荷葉杯 其一

(秋、蓮をとる季節の女の心持を詠う)
鬢毛01絶代佳人難得傾国

またとなき絶世の美人というのは簡単に得られなく、得られたとして国を傾けるものとされます。

花下見無期

あの人は花のもとに会う約束日をしてくれないのです。

愁黛遠山眉不忍更思惟

鏡を見ると、眉間にしわを寄せるひと筋、ふた筋、愁いを帯びた黛は遠山の色で眉、思い更に思いはつのるけれどもう耐えることができない。


閒掩翠屏金鳳、残夢

待ち侘びて広げたままの屏風には金の番の鳳凰がいます、ここで夢が覚めたのです。

羅幕畫堂空。

絵が画かれた薄絹の帳は空しさだけの閨なのです。

碧天無路信難通、惆悵舊房櫳。

大空に詞文を通わせる路はできることもなく、痛ましく悲しいのは引き裂かれた女と過ごした、あの閨の連子窓を見つめているのです。

 

(荷葉杯 其の一)

絶代の佳人は得難く、傾国す。

花下に見るに期無し。

一雙の愁黛と遠山の眉にし、更に思惟するに忍びず。

 

閒かに翠屏の金鳳を掩へば、夢残る。

羅幕の畫堂も空し。

碧天には路無く信は通じ難し、惆悵たり舊房の櫳。
 

 美女004

 

 

『荷葉杯 其一』 現代語訳と訳註

(本文) 荷葉杯 其一

絶代佳人難得、傾国。

花下見無期

愁黛遠山眉不忍更思惟

 

閒掩翠屏金鳳、残夢。

羅幕畫堂空。

碧天無路信難通、惆悵舊房櫳。

 

 

(下し文)

(荷葉杯 其の一)

絶代の佳人は得難く、傾国す。

花下に見るに期無し。

一雙の愁黛と遠山の眉にし、更に思惟するに忍びず。

 

閒かに翠屏の金鳳を掩へば、夢残る。

羅幕の畫堂も空し。

碧天には路無く信は通じ難し、惆悵たり舊房の櫳。

 

(現代語訳)

(秋、蓮をとる季節の女の心持を詠う)
またとなき絶世の美人というのは簡単に得られなく、得られたとして国を傾けるものとされます。

あの人は花のもとに会う約束日をしてくれないのです。

鏡を見ると、眉間にしわを寄せるひと筋、ふた筋、愁いを帯びた黛は遠山の色で眉、思い更に思いはつのるけれどもう耐えることができない。

待ち侘びて広げたままの屏風には金の番の鳳凰がいます、ここで夢が覚めたのです。

絵が画かれた薄絹の帳は空しさだけの閨なのです。

大空に詞文を通わせる路はできることもなく、痛ましく悲しいのは引き裂かれた女と過ごした、あの閨の連子窓を見つめているのです。

 

 

(訳注)

荷葉杯 其一

(秋、蓮をとる季節の女の心持を詠う)

『花聞集』には韋莊の作が.二首収められている。

前段二十五字五句二仄韻三平韻、後段二十五字五句二仄韻三平韻で詞形をとる。荷葉杯というのは教坊曲で、秋、蓮をとる季節の乙女の心持を詠うものである。

 

 

絶代佳人難得、傾国。

またとなき絶世の美人というのは簡単に得られなく、得られたとして国を傾けるものとされます。

○傾国 絶世の美女。ここは、権力者が無理やり奪ってきて女にうつつをぬかした結果、国を傾けた。施政者の姿勢を云うもの。

 

花下見無期。

あの人は花のもとに会う約束日をしてくれないのです。

 

一雙愁黛遠山眉、不忍更思惟。

鏡を見ると、眉間にしわを寄せるひと筋、ふた筋、愁いを帯びた黛は遠山の色で眉、思い更に思いはつのるけれどもう耐えることができない。

○見無期 会う機会がない。期は時と場所を決めて会うこと。

○遠山眉 愁いを帯びた女性の美しい眉。遠山は遠近法で薄い青山である。

 

閒掩翠屏金鳳、残夢。

待ち侘びて広げたままの屏風には金の番の鳳凰がいます、ここで夢が覚めたのです。

○金鳳 犀風に金泥で描かれた鳳凰。つがいで描かれる。

○残夢 夢から覚める。残は損なわれる、さびれる。

 

羅幕畫堂空。

絵が画かれた薄絹の帳は空しさだけの閨なのです。

 

碧天無路信難通、惆悵舊房櫳。

大空に詞文を通わせる路はできることもなく、痛ましく悲しいのは引き裂かれた女と過ごした、あの閨の連子窓を見つめているのです。

○旧房櫳 かつて愛妾が住んでいた時の閨の連子窓。櫳は囲われた女を意味する語でもある。

 

 

【解説】

この詞は、ある説で韋莊が蜀主王建に奪われた愛妾を偲んで詠んだものとわれている。前段は、絶世の美女愛妾とは二度と会えない非痛な思いを述べているとされ、後段は、その愛妾の閏には昔のままに調度品が置かれていることを言う。もの係として、中国人らしいこじつけである。詞では通常、別れ去った男を女が遙かに偲ぶ形を、男の目から見るものが一般である。ここではどちらも芽というのではなく、きゃっかんてきにみて、男女、たがいを偲ぶものとおもう。韋莊のもとの愛妾は、後にこの詞を耳にして、自ら食を絶って命を終えたと伝えられている。しかし、韋莊の愛妾は、彼が蜀に入る前に既に亡くなっており、この詞を王建に奪われた愛妾を思っての作とするのは無理なこじつけにすぎないのである。詩の内容も全くこじつけそのものである。閨怨詩というのは机上の詩で現実感はなく、教坊曲であること、韋荘の女とはいえ通云っていた娼屋がそのままに部屋を置いておくわけもなくこじつけであるというしかない。

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天仙子 其五 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-274-5-#28  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2917

天仙子 其五 着ている衣裳が金に似ているというなら、その体は宝石に輝いているというのに似ている。眼はというと秋の澄み切った水に似ているということで、そしてその髪型は雲のようである。

 

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李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

 

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天仙子 其一

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の一 薄情な男)

惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。

うらむ気持ちをもってこの前の夢の中での情事の約束を思い出しています。それは花を観賞しても苦しく尋ねても、思いをうちあけても少しも私に語りかけてはくれませんでした。

露桃花裏小腰肢。

小さい枝のような腰の私の存在感は庭に咲くどの桃の花に同じように降りる露のようでしかないのでしょうか。

眉眼細、鬢雲垂。

私はまだ自信を持っているのです。眉や眼は柳の葉のように細く長いのです。そして、鬢は雲の形にかたちよくととのえています。

唯有多情宋玉知。

ただ、わたしは楚の文学者「宋玉」のことを知っていますし、あなたが同じように能力は持っていても多情の浮気者であることも知っているのです。

 

 

天仙子 其二 ----109

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の二 酒)

深夜歸來酩酊。扶入流蘇猶未醒

夜も更けてから帰ってゆく長い時間酩酊状態にあるようだ。万幕を張ったような流蘇樹の中に助けられて入っていったのだが、やっぱりまだ酔いがさめてはいないのだ。

醺醺酒気蘭和

酒に酔ってにこにこしている状態は続いているのにさらに酒を呑んでいるけれど、美人の蘭の香りや麝香の香りが和んでいる。

呵呵。

眠りから覚めて驚いたようで、次に大声で笑い始めている。

長道人生能幾何。

そして、何度も言うことは「人生というものはどれだけものであるか。」だからいまのこの時を愉しまないでどうするのか。

 

天仙子 其三

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の三 棄てられた女の寂しさ)

蟾彩霜華夜不分。天外鴻聾枕上聞。

月の蟾蜍も嫦娥もそして霜の花も夜溶けてなくなることはないのに。晴れた大空のもとなのか、他の部屋なのか、大鳥が鳴いているのが一人寝る枕の上にも聞こえてくるのです。

bijo06綉衾香冷懶重燻。

夜も更け、錦の豪華な夜具の中に横になったまま、香が燃え尽きたのに新しい香を継ぎ足すのには面倒なのです。

入寂寂、葉紛紛。

部屋内に入って來るのは寂しさの上に寂しさが、庭の木の葉に風に吹かれて揺れ動く。

纔睡依前夢見君。

うとうととする。それでも目覚める前にあの人のことを夢でもいいから見たいのです。

 

天仙子 其四 ----111

(天仙子【てんせんし】 其の四)
夢覚雲屏依舊空、杜鵑聲咽隔簾墻。

雲母を散らした屏風のかげに、あの人とのたのしいかたらいの夢がさめると、やっぱり相変わらず空しいものなのです。それはすだれを隔て、垣根を隔てて、ほととぎすの啼く声が、悲しくむせぶようにきこえてくるのです。

玉郎薄幸去無蹤。

薄情なおとこのあの人は、どこへいったのか、ゆくえもわからないのです。

一日日、恨重重。

あの人の迎えを待っているその一日と重ねる日々は恨みを重ねていく一日なのです。

涙界蓮腮兩線紅。

なみだのあとが、お化粧のほほをつたい紅のふたすじのなみだとなってながれるのです。

 

天仙子 其五 ----112

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の五 棄てられて道観の祠にいる女の寂しさ)

金似衣裳玉似身、眼如秋水鬢如雲。

着ている衣裳が金に似ているというなら、その体は宝石に輝いているというのに似ている。眼はというと秋の澄み切った水に似ているということで、そしてその髪型は雲のようである。

霞裙月帔一羣羣。

霞模様の裳裾を着て、月の刺繍の肩掛けをかけていて、そんな女たちがここ一か所に群がるように集まっている。

來洞口、望煙分。

女性のいるお洞の入り口に来てみると、お香の霞がそれぞれの個室から出ていて、それが分かれてくれることを望んでいる。

劉阮不歸春日曛。

竹林の七賢の劉伶と阮籍はもう帰って來ることはないし、この女たちにとっても盛春の日々はもう黄昏ており、もうかえってくることはないのだ。

 

(天仙子【てんせんし】 其の五)

衣裳は金に似て 身は玉に似たり。眼は秋水の如く 鬢は雲の如し。

霞裙【かくん】月帔【がつひ】一に羣羣。

洞口に来たりて、煙の分かるるを望む。

劉・阮 歸らず 春日 曛【くら】し

 

美女004 



『天仙子 其五』 現代語訳と訳註

(本文)

天仙子 其五 ----112

金似衣裳玉似身、眼如秋水鬢如雲。

霞裙月帔一羣羣。

來洞口、望煙分。

劉阮不歸春日曛。

 

 

(下し文)

(天仙子【てんせんし】 其の五)

衣裳は金に似て 身は玉に似たり。眼は秋水の如く 鬢は雲の如し。

霞裙【かくん】月帔【がつひ】一に羣羣。

洞口に来たりて、煙の分かるるを望む。

劉・阮 歸らず 春日 曛【くら】し

 

 

(現代語訳)

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の五 棄てられて道観の祠にいる女の寂しさ)

着ている衣裳が金に似ているというなら、その体は宝石に輝いているというのに似ている。眼はというと秋の澄み切った水に似ているということで、そしてその髪型は雲のようである。

霞模様の裳裾を着て、月の刺繍の肩掛けをかけていて、そんな女たちがここ一か所に群がるように集まっている。

女性のいるお洞の入り口に来てみると、お香の霞がそれぞれの個室から出ていて、それが分かれてくれることを望んでいる。

竹林の七賢の劉伶と阮籍はもう帰って來ることはないし、この女たちにとっても盛春の日々はもう黄昏ており、もうかえってくることはないのだ。

 

 

 (訳注)

天仙子 其五 ----112

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の五 棄てられて道観の祠にいる女の寂しさ)

・天仙子 単調三十四字、六句五平韻(詞譜二)。

当時の道教の道観、仏教の寺院には男に棄てられたり、年齢を重ねて客が着かない女性の駆け込み場所となって、売春で余生を過ごした。そうした女性を男の視線から詠ったものである。李商隠『聖女祠』『重過聖女祠』にこの女性たちについて詠っている。

聖女詞 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 99

 

 

金似衣裳玉似身、眼如秋水鬢如雲。

着ている衣裳が金に似ているというなら、その体は宝石に輝いているというのに似ている。眼はというと秋の澄み切った水に似ているということで、そしてその髪型は雲のようである。

★この詩のこの二句は、ここに登場する女性は以前奇麗な着物を着て美人と呼ばれていたということ。

 

霞裙月帔一羣羣。

霞模様の裳裾を着て、月の刺繍の肩掛けをかけていて、そんな女たちがここ一か所に群がるように集まっている。

・裙 裳裾(もすそ)

・帔 古代の女性の刺繍つきの肩掛け.

 

來洞口、望煙分。

女性のいるお洞の入り口に来てみると、お香の霞がそれぞれの個室から出ていて、それが分かれてくれることを望んでいる。

・洞口 木の内部にできた洞窟状の空間。うろ。 木の洞。

 

劉阮不歸春日曛。

竹林の七賢の劉伶と阮籍はもう帰って來ることはないし、この女たちにとっても盛春の日々はもう黄昏ており、もうかえってくることはないのだ。

・劉阮 竹林の七賢の劉伶と阮籍のこと。 3世紀の中国・魏(三国時代)の時代末期に、酒を飲んだり清談を行なったりと交遊した、下記の七人の称。「阮籍」、「嵆康」、「山濤」、「劉伶」、「阮咸」、「向秀」、「王戎」である。

阮籍が指導的存在である。その自由奔放な言動は『世説新語』に記されており、後世の人々から敬愛されている。七人が一堂に会したことはないらしく、4世紀頃からそう呼ばれるようになったとされる。隠者と言われることがあるが、多くは役職についており、特に山濤と王戎は宰相格の高官に登っている。

・劉伶 (221? - 300?)は、竹林の七賢の一人。字は伯倫。三国時代の魏および西晋の文人。沛国の人。世説新語によると、身長が約140cmと低く、手押し車に乗り、スコップを携えた下男を連れて、自分が死んだらそこに埋めろ、と言っていた。酒浸りで、素っ裸でいることもあった。ある人がそれをとがめたのに答えて言った。私は、天地を家、部屋をふんどしと思っている。君らはどうして私のふんどしの中に入り込むのだ。また酒浸りなので、妻が心配して意見したところ、自分では断酒できないので、神様にお願いすると言って、酒と肉を用意させた。そして祝詞をあげて、女の言うことなど聞かない、と言って肉を食って酒を飲んで酔っぱらった。

・阮籍 魏の詩人。老荘哲学者としても特異な存在であった。字は嗣宗。陳留(河南省)の人。嵆康とともに〈竹林の七賢〉の中心的な存在で,常識の意表をつく奇矯な発言と奔放な態度で世人を驚かせたが,その裏には社会の偽善や退廃に対する逆説的な批判精神がこめられていた。司馬氏の簒奪が進められる魏末の恐怖政治下にあって,目覚めた意識を持つ者としての苦悩をつぶさになめながら,韜晦【とうかい】した生きかたを貫き通した。

・曛 残照,日没時の淡い光り曛黄たそがれ.DCF00109
 

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天仙子 其四 雲母を散らした屏風のかげに、あの人とのたのしいかたらいの夢がさめると、やっぱり相変わらず空しいものなのです。それはすだれを隔て、垣根を隔てて、ほととぎすの啼く声が、悲しくむせぶようにきこえてくるのです。

 

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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
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天仙子 其四 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-273-5-#27   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2912

 

 

天仙子 其四 ----111

(天仙子【てんせんし】 其の四)
夢覚雲屏依舊空、杜鵑聲咽隔簾墻。

雲母を散らした屏風のかげに、あの人とのたのしいかたらいの夢がさめると、やっぱり相変わらず空しいものなのです。それはすだれを隔て、垣根を隔てて、ほととぎすの啼く声が、悲しくむせぶようにきこえてくるのです。

玉郎薄幸去無蹤。

薄情なおとこのあの人は、どこへいったのか、ゆくえもわからないのです。

一日日、恨重重。

あの人の迎えを待っているその一日と重ねる日々は恨みを重ねていく一日なのです。

涙界蓮腮兩線紅。

なみだのあとが、お化粧のほほをつたい紅のふたすじのなみだとなってながれるのです。

 

(天仙子【てんせんし】 其の四)

夢覚むれば雲屏舊に依りて空しく、杜鵑【とけん】聲咽【むせ】びて 簾墻【れんしょう】を隔つ。

玉郎は薄幸にして去るも 蹤無し。

一日日、恨み重重。

涙は蓮腮【れんさい】に界たりて 両線 紅し。

 

 

『天仙子 其四』 現代語訳と訳註

(本文)

ホトトギス天仙子 其四 ----111

夢覚雲屏依舊空、杜鵑聲咽隔簾墻。

玉郎薄幸去無蹤。

一日日、恨重重。

涙界蓮腮兩線紅。

 

 

(下し文)

(天仙子【てんせんし】 其の四)

夢覚むれば雲屏舊に依りて空しく、杜鵑【とけん】聲咽【むせ】びて 簾墻【れんしょう】を隔つ。

玉郎は薄幸にして去るも 蹤無し。

一日日、恨み重重。

涙は蓮腮【れんさい】に界たりて 両線 紅し。

 

 

(現代語訳)

雲母を散らした屏風のかげに、あの人とのたのしいかたらいの夢がさめると、やっぱり相変わらず空しいものなのです。それはすだれを隔て、垣根を隔てて、ほととぎすの啼く声が、悲しくむせぶようにきこえてくるのです。

薄情なおとこのあの人は、どこへいったのか、ゆくえもわからないのです。

あの人の迎えを待っているその一日と重ねる日々は恨みを重ねていく一日なのです。

なみだのあとが、お化粧のほほをつたい紅のふたすじのなみだとなってながれるのです。

 

 

(訳注)

bijo02天仙子 其四

・天仙子 単調三十四字、六句五平韻(詞譜二)。

当時の道教、仏教には男に棄てられたり、年齢を重ねて客が着かない女性の駆け込み場所となって、売春で余生を過ごした。そうした女性を男の視線から詠ったものである。李商隠『聖女祠』『重過聖女祠』にこの女性たちについて詠っている。

聖女詞 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 99

 

 

夢覚雲屏依舊空、杜鵑聲咽隔簾墻。

雲母を散らした屏風のかげに、あの人とのたのしいかたらいの夢がさめると、やっぱり相変わらず空しいものなのです。それはすだれを隔て、垣根を隔てて、ほととぎすの啼く声が、悲しくむせぶようにきこえてくるのです。

○雲屏 雲母を散らした屏風。

○依旧空 相変わらず空しい。

○杜醍 ホトトギス。

○隔簾墻 窓の外。簾は垂れ幕のかかった連子窓。なお、墻:かきね。

 

玉郎薄幸去無蹤。

薄情なおとこのあの人は、どこへいったのか、ゆくえもわからないのです。

○玉郎 美男。ここでは愛しい男の意。

○薄幸 薄情者。うわきもの。

 

一日日、恨重重。

あの人の迎えを待っているその一日と重ねる日々は恨みを重ねていく一日なのです。

 

涙界蓮腮兩線紅。

なみだのあとが、お化粧のほほをつたい紅のふたすじのなみだとなってながれるのです。

○涙界蓮腮兩線紅 涙が煩紅を溶かして蓮の花のような頬に紅い二本の筋が付いていることをいう。
 

天仙子 其三 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-272-5-#26  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2907

天仙子 其三 韋荘 部屋内に入って來るのは寂しさの上に寂しさが、庭の木の葉に風に吹かれて揺れ動く。うとうととする。それでも目覚める前にあの人のことを夢でもいいから見たいのです。


2013年8月29日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。   
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html   
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。   
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。   
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 


天仙子 其三 韋荘  Ⅹ
唐五代詞・宋詩Gs-272-5-#26   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2907

 

天仙子 其三 ---110

 

 

天仙子 其一

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の一 薄情な男)

惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。

うらむ気持ちをもってこの前の夢の中での情事の約束を思い出しています。それは花を観賞しても苦しく尋ねても、思いをうちあけても少しも私に語りかけてはくれませんでした。

露桃花裏小腰肢。

小さい枝のような腰の私の存在感は庭に咲くどの桃の花に同じように降りる露のようでしかないのでしょうか。

眉眼細、鬢雲垂。

私はまだ自信を持っているのです。眉や眼は柳の葉のように細く長いのです。そして、鬢は雲の形にかたちよくととのえています。

唯有多情宋玉知。

ただ、わたしは楚の文学者「宋玉」のことを知っていますし、あなたが同じように能力は持っていても多情の浮気者であることも知っているのです。

 

 

天仙子 其二 ----109

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の二 酒)

深夜歸來酩酊。扶入流蘇猶未醒

夜も更けてから帰ってゆく長い時間酩酊状態にあるようだ。万幕を張ったような流蘇樹の中に助けられて入っていったのだが、やっぱりまだ酔いがさめてはいないのだ。

醺醺酒気蘭和

酒に酔ってにこにこしている状態は続いているのにさらに酒を呑んでいるけれど、美人の蘭の香りや麝香の香りが和んでいる。

呵呵。

眠りから覚めて驚いたようで、次に大声で笑い始めている。

長道人生能幾何。

そして、何度も言うことは「人生というものはどれだけものであるか。」だからいまのこの時を愉しまないでどうするのか。

 

天仙子 其三

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の三 棄てられた女の寂しさ)

蟾彩霜華夜不分。天外鴻聾枕上聞。

月の蟾蜍も嫦娥もそして霜の花も夜溶けてなくなることはないのに。晴れた大空のもとなのか、他の部屋なのか、大鳥が鳴いているのが一人寝る枕の上にも聞こえてくるのです。

満月003綉衾香冷懶重燻。

夜も更け、錦の豪華な夜具の中に横になったまま、香が燃え尽きたのに新しい香を継ぎ足すのには面倒なのです。

入寂寂、葉紛紛。

部屋内に入って來るのは寂しさの上に寂しさが、庭の木の葉に風に吹かれて揺れ動く。

纔睡依前夢見君。

うとうととする。それでも目覚める前にあの人のことを夢でもいいから見たいのです。

 

(天仙子【てんせんし】 其の三)

蟾彩【せんさい:つき】と霜華【そうか:しも】は夜に分かれず、天外の鴻聾【こうせい】は枕上【ちんじょう】に聞こえ。

綉衾【しゅうきん】の香は冷ゆるも、重ねて燻らすは懶【ものう】し。

人は寂寂、葉は紛粉とす。

纔【わずか】かに睡りて前に依り夢に君を見ん。

 

 

『天仙子 其三』 現代語訳と訳註

(本文)

天仙子 其三

蟾彩霜華夜不分。天外鴻聾枕上聞。

綉衾香冷懶重燻。

入寂寂、葉紛紛。

纔睡依前夢見君。

 

 

(下し文)

(天仙子【てんせんし】 其の三)

蟾彩【せんさい:つき】と霜華【そうか:しも】は夜に分かれず、天外の鴻聾【こうせい】は枕上【ちんじょう】に聞こえ。

綉衾【しゅうきん】の香は冷ゆるも、重ねて燻らすは懶【ものう】し。

人は寂寂、葉は紛粉とす。

纔【わずか】かに睡りて前に依り夢に君を見ん。

 

 

(現代語訳)

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の三 棄てられた女の寂しさ)

月の蟾蜍も嫦娥もそして霜の花も夜溶けてなくなることはないのに。晴れた大空のもとなのか、他の部屋なのか、大鳥が鳴いているのが一人寝る枕の上にも聞こえてくるのです。

夜も更け、錦の豪華な夜具の中に横になったまま、香が燃え尽きたのに新しい香を継ぎ足すのには面倒なのです。

部屋内に入って來るのは寂しさの上に寂しさが、庭の木の葉に風に吹かれて揺れ動く。

うとうととする。それでも目覚める前にあの人のことを夢でもいいから見たいのです。

 

 

(訳注)

天仙子 其三

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の三 棄てられた女の寂しさ)

 ・天仙子 単調三十四字、六句五平韻(詞譜二)。

当時の道教、仏教には男に棄てられたり、年齢を重ねて客が着かない女性の駆け込み場所となって、売春で余生を過ごした。そうした女性を男の視線から詠ったものである。李商隠『聖女祠』『重過聖女祠』にこの女性たちについて詠っている。

聖女詞 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 99

 

蟾彩霜華夜不分。天外鴻聾枕上聞。

月の蟾蜍も嫦娥もそして霜の花も夜溶けてなくなることはないのに。晴れた大空のもとなのか、他の部屋なのか、大鳥が鳴いているのが一人寝る枕の上にも聞こえてくるのです。

・蟾 1動物名。 ヒキガエルのこと。2 《西王母(せいおうぼ)の秘薬を盗んだ姮娥(嫦娥)が月に逃げてヒキガエルになったという「後漢書」の伝説から》月の中にいるというヒキガエル。転じて、月のこと。

石鼓歌 韓愈 韓退之(韓愈)詩<97-#4>Ⅱ中唐詩525 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1666

月蝕詩效玉川子作 韓愈 韓退之(韓愈)詩<96-8>Ⅱ中唐詩521 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1650

河内詩二首 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 126

李商隠 『嫦娥』 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集約130首 詩の背景1.道教 2.芸妓 3.嫦娥と李商隠

月は女性の姿をいい、妓女、美人のこという。

美女004 

 

綉衾香冷懶重燻。

夜も更け、錦の豪華な夜具の中に横になったまま、香が燃え尽きたのに新しい香を継ぎ足すのには面倒なのです。

・綉衾 錦の豪華な夜具。

 

入寂寂、葉紛紛。

部屋内に入って來るのは寂しさの上に寂しさが、庭の木の葉に風に吹かれて揺れ動く。

・入寂寂、葉紛紛 この二句は男女の情事の際の規則的な運動の音を表現している。

 

纔睡依前夢見君。

うとうととする。それでも目覚める前にあの人のことを夢でもいいから見たいのです。

・纔睡 浅い眠り。うとうととする。毎日待ち侘び、寂しい思いをしている、そこに他の部屋から、エクスタシーの声が聞え、衣擦れの音が聞こえてくることなどから悶々として眠れないということの表現をしている。

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2013年8月28日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。   
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 
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孟郊詩 
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李商隠詩 
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天仙子 其一

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の一 薄情な男)

惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。

うらむ気持ちをもってこの前の夢の中での情事の約束を思い出しています。それは花を観賞しても苦しく尋ねても、思いをうちあけても少しも私に語りかけてはくれませんでした。

鬢毛01露桃花裏小腰肢。

小さい枝のような腰の私の存在感は庭に咲くどの桃の花に同じように降りる露のようでしかないのでしょうか。

眉眼細、鬢雲垂。

私はまだ自信を持っているのです。眉や眼は柳の葉のように細く長いのです。そして、鬢は雲の形にかたちよくととのえています。

唯有多情宋玉知。

ただ、わたしは楚の文学者「宋玉」のことを知っていますし、あなたが同じように能力は持っていても多情の浮気者であることも知っているのです。

 

 

天仙子 其二 ----109

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の二 酒)

深夜歸來酩酊。扶入流蘇猶未醒

夜も更けてから帰ってゆく長い時間酩酊状態にあるようだ。万幕を張ったような流蘇樹の中に助けられて入っていったのだが、やっぱりまだ酔いがさめてはいないのだ。

醺醺酒気蘭和

に酔ってにこにこしている状態は続いているのにさらに酒を呑んでいるけれど、美人の蘭の香りや麝香の香りが和んでいる。
呵呵。

眠りから覚めて驚いたようで、次に大声で笑い始めている。

長道人生能幾何。

そして、何度も言うことは「人生というものはどれだけものであるか。」だからいまのこの時を愉しまないでどうするのか。

 

(天仙子【てんせんし】 其の二)

深夜 歸り来たりて長く酩酊【めいてい】し、扶けられて流蘇【りゅうそ】に入るも 猶お未だ醒めず。

醺醺【くんくん】たる酒気、麝蘭【じゃらん】と和じる。

驚いて睡りより覚むれば 笑ふこと呵呵【かか】とし。

長んに道ふ人生能く幾何ぞと。

 

 

『天仙子 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

深夜歸來酩酊。扶入流蘇猶未醒

醺醺酒気蘭和

呵呵。

長道人生能幾何。

 

 

(下し文)

(天仙子【てんせんし】 其の二)

深夜 歸り来たりて長く酩酊【めいてい】し、扶けられて流蘇【りゅうそ】に入るも 猶お未だ醒めず。

醺醺【くんくん】たる酒気、麝蘭【じゃらん】と和じる。

驚いて睡りより覚むれば 笑ふこと呵呵【かか】とし。

長んに道ふ人生能く幾何ぞと。

 

bijo06 

(現代語訳)

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の二 酒)

夜も更けてから帰ってゆく長い時間酩酊状態にあるようだ。万幕を張ったような流蘇樹の中に助けられて入っていったのだが、やっぱりまだ酔いがさめてはいないのだ。

酒に酔ってにこにこしている状態は続いているのにさらに酒を呑んでいるけれど、美人の蘭の香りや麝香の香りが和んでいる。

眠りから覚めて驚いたようで、次に大声で笑い始めている。

そして、何度も言うことは「人生というものはどれだけものであるか。」だからいまのこの時を愉しまないでどうするのか。

 

 

(訳注)

天仙子 其二

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の二 酒)

・天仙子 単調三十四字、六句五平韻(詞譜二)。

当時の道教、仏教には男に棄てられたり、年齢を重ねて客が着かない女性の駆け込み場所となって、売春で余生を過ごした。そうした女性を男の視線から詠ったものである。李商隠『聖女祠』『重過聖女祠』にこの女性たちについて詠っている。

聖女詞 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 99 

 

深夜歸來長酩酊。扶入流蘇猶未醒

夜も更けてから帰ってゆく長い時間酩酊状態にあるようだ。万幕を張ったような流蘇樹の中に助けられて入っていったのだが、やっぱりまだ酔いがさめてはいないのだ。

・流蘇 流蘇樹. 科名:: 木犀科(Oleaceae)、落葉小喬木。 別名:: 鐵樹、流疏樹、茶葉樹、六月雪. 春の季節は庭園の中に万幕を張って情交をした。

 

醺醺酒気麝蘭和。

酒に酔ってにこにこしている状態は続いているのにさらに酒を呑んでいるけれど、美人の蘭の香りや麝香の香りが和んでいる。

・醺醺 酒に酔ってにこにこしている状態。

・麝蘭 野生蘭。ここでは性対象の芸妓を示す。

 

驚睡覚、笑呵呵。

眠りから覚めて驚いたようで、次に大声で笑い始めている。

・呵呵 大声で笑う。しかる。

 

長道人生能幾何。

そして、何度も言うことは「人生というものはどれだけものであるか。」だからいまのこの時を愉しまないでどうするのか。

 

  

天仙子 其一 ~ 其五 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-270-5-#24  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2897

天仙子 其一 韋荘 うらむ気持ちをもってこの前の夢の中での情事の約束を思い出しています。それは花を観賞しても苦しく尋ねても、思いをうちあけても少しも私に語りかけてはくれませんでした。小さい枝のような腰の私の存在感は庭に咲くどの桃の花に同じように降りる露のようでしかないのでしょうか。

 

2013年8月27日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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揚雄 《甘泉賦 》(16)#5-2 文選 賦<108-#15>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩869 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2893
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoor 送梓州李使君之任 蜀中転々 杜甫 <535-#1>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2895 杜甫詩1000-535-#1-773/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2 曹丕(魏文帝) 《善哉行》 魏詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 2896 (08/27)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 天仙子 其一 ~ 其五 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-270-5-#24  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2897
 
 ■最近の人気の文・賦・詩・詞(漢詩の5ブログ各部門)
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『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304   
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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html   
謝靈運詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。   
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。   
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html   
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー 
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html   
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html   
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。   
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。   
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

 

天仙子 其一 ~ 其五 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-270-5-#24   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2897

 

 

天仙子 其一 ----108

海棠花011惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。

露桃花裏小腰肢。

眉眼細、鬢雲垂。

唯有多情宋玉知。

 

 

天仙子 其二 ----109

深夜歸來酩酊。扶入流蘇猶未醒

醺醺酒気蘭和

呵呵。

長道人生能幾何。

 

 

天仙子 其三 ---110

蟾彩霜華夜不分。天外鴻聾枕上聞。

綉衾香冷懶重燻。

入寂寂、葉紛紛。

纔睡依前夢見君。

 

 

天仙子 其四 ----111

夢覚雲屏依舊空、杜鵑聲咽隔簾墻。

玉郎薄幸去無蹤。

一日日、恨重重。

涙界蓮腮兩線紅。

 

 

天仙子 其五 ----112

金似衣裳玉似身、眼如秋水鬢如雲。

霞裙月帔一羣羣。

來洞口、望煙分。

劉阮不歸春日曛。

 

 

 

天仙子 其一

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の一 薄情な男)

惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。

うらむ気持ちをもってこの前の夢の中での情事の約束を思い出しています。それは花を観賞しても苦しく尋ねても、思いをうちあけても少しも私に語りかけてはくれませんでした。

露桃花裏小腰肢。

小さい枝のような腰の私の存在感は庭に咲くどの桃の花に同じように降りる露のようでしかないのでしょうか。

眉眼細、鬢雲垂。

私はまだ自信を持っているのです。眉や眼は柳の葉のように細く長いのです。そして、鬢は雲の形にかたちよくととのえています。

唯有多情宋玉知。

ただ、わたしは楚の文学者「宋玉」のことを知っていますし、あなたが同じように能力は持っていても多情の浮気者であることも知っているのです。

 

前回の夢裏の期を惆望し、花を看るも苦尋の思いを語らず。

露しく桃花の裏の小腰肢。

眉眼細く、鬢雲垂しを。

唯だ多情の宋玉の知ること有らん。

 

『天仙子 其一』 現代語訳と訳註

(本文) ----108

惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。

露桃花裏小腰肢。

眉眼細、鬢雲垂。

唯有多情宋玉知。

 

 

(下し文)

(天仙子【てんせんし】 其の一)

前回の夢裏の期を惆望【ちょうぼう】し、花を看るも苦尋【くじん】の思いを語らず。

露しく桃花の裏【なか】の小腰肢。

眉眼細く、鬢雲 垂しを。

唯だ 多情の宋玉の知ること有らん。

 

 

(現代語訳)

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の一 薄情な男)

うらむ気持ちをもってこの前の夢の中での情事の約束を思い出しています。それは花を観賞しても苦しく尋ねても、思いをうちあけても少しも私に語りかけてはくれませんでした。

小さい枝のような腰の私の存在感は庭に咲くどの桃の花に同じように降りる露のようでしかないのでしょうか。

私はまだ自信を持っているのです。眉や眼は柳の葉のように細く長いのです。そして、鬢は雲の形にかたちよくととのえています。

ただ、わたしは楚の文学者「宋玉」のことを知っていますし、あなたが同じように能力は持っていても多情の浮気者であることも知っているのです。

 

 

(訳注)

天仙子 其一

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の一 薄情な男)

・天仙子 単調三十四字、六句五平韻(詞譜二)。

当時の道教、仏教には男に棄てられたり、年齢を重ねて客が着かない女性の駆け込み場所となって、売春で余生を過ごした。そうした女性を男の視線から詠ったものである。李商隠『聖女祠』『重過聖女祠』にこの女性たちについて詠っている。

聖女詞 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 99

 

惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。

うらむ気持ちをもってこの前の夢の中での情事の約束を思い出しています。それは花を観賞しても苦しく尋ねても、思いをうちあけても少しも私に語りかけてはくれませんでした。

・惆望 うらむ、いたむ、気落ちするなどの気持ちをもって遠くを眺める。

 

露桃花裏小腰肢。

小さい枝のような腰の私の存在感は庭に咲くどの桃の花に同じように降りる露のようでしかないのでしょうか。

 

眉眼細、鬢雲垂。

私はまだ自信を持っているのです。眉や眼は柳の葉のように細く長いのです。そして、鬢は雲の形にかたちよくととのえています。

 

唯有多情宋玉知。

ただ、わたしは楚の文学者「宋玉」のことを知っていますし、あなたが同じように能力は持っていても多情の浮気者であることも知っているのです。

・宋玉 中国,戦国時代末期、楚の文学者。屈原の弟子とされる。屈原にならって主として辞賦作品を作ったが,その批判精神は受け継げず,主君の好悪のままに作品を作る宮廷作家の最も早い例ともされる。宋玉の作品として,《文選》には〈風の賦〉〈高唐の賦〉〈神女の賦〉〈登徒子好色の賦〉など,《楚辞章句》には〈九弁〉〈招魂〉などが収められるほか,《古文苑》にも幾編かの宋玉作と称する作品が収められている。しかし彼の伝記に確実なよりどころのないこととあわせて,それぞれの作品の来歴にも多くの問題のあることが指摘されている。
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