玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

五言絶句

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

宣上人見示與諸公唱和 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-148-20-#13  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2287

薛濤《宣上人見示與諸公唱和》 
お上人さまが、本堂でご一同様と御一緒に、お経をとなえることをお許しくださいますが、わたくしは、ちょろちょろと流れる泉水の水音にもおよばない極最小の聾でございます。

2013年4月27日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性宣上人見示與諸公唱和 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-148-20-#13  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2287
 
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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

宣上人見示與諸公唱和 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-148-20-#13   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2287


宣上人見示與諸公唱和
(宣上人様が、諸公と唱和され示されたものをお見せくださった。)
許廁高齋唱,涓泉定不如。
お上人さまが、本堂でご一同様と御一緒に、お経をとなえることをお許しくださいますが、わたくしは、ちょろちょろと流れる泉水の水音にもおよばない極最小の聾でございます。
可憐譙記室,流水滿禪居。
しかし、昔、この蜀で、有名な書記官であったあの譙周さまは、まことに愛されました。私も皆様に愛されることにおいて、お上人さまのご指導によって、流水の一部として交じれば、この寺の本堂に、大きなお合唱になり、風流で、すがすがすがしく、まことに素晴らしいことになるでしょう。

(宣上人 諸公との唱和を示すを見せられる)
廁【まじ】って 高齋に唱【とな】うるを許さるるも、涓泉【けんせん】も 定めて如【し】からざらん。
譙【しょう】記室を憐むべし、流水 禪居【ぜんきょ】に満つ。


美女画55101道観



















『宣上人見示與諸公唱和』 現代語訳と訳註
(本文)
許廁高齋唱,涓泉定不如。
可憐譙記室,流水滿禪居。


(下し文)
(宣上人 諸公との唱和を示すを見せられる)
廁【まじ】って 高齋に唱【とな】うるを許さるるも、涓泉【けんせん】も 定めて如【し】からざらん。
譙【しょう】記室を憐むべし、流水 禪居【ぜんきょ】に満つ。


(現代語訳)
(宣上人様が、諸公と唱和され示されたものをお見せくださった。)
お上人さまが、本堂でご一同様と御一緒に、お経をとなえることをお許しくださいますが、わたくしは、ちょろちょろと流れる泉水の水音にもおよばない極最小の聾でございます。
しかし、昔、この蜀で、有名な書記官であったあの譙周さまは、まことに愛されました。私も皆様に愛されることにおいて、お上人さまのご指導によって、流水の一部として交じれば、この寺の本堂に、大きなお合唱になり、風流で、すがすがすがしく、まことに素晴らしいことになるでしょう。


(訳注)
宣上人見示與諸公唱和

宣上人様が、諸公と唱和され示されたものをお見せくださった。
・宣上人 現在の双流県- 成都の南西三十里c-3)にある竜華寺にいた同時期の段文昌の詩に「竜華山寺の広宣上人を尋ぬ」という詩がある。
段文昌《尋竜華山寺広宣上人》
十里惟聞く松任の風、江山忽ち転じて龍宮を見る。
正に休師と万に旧を話すれば、風煙幾度か楼中に入る
と詠まれている。薛濤のこの詩は、段のこの詩を心に措きながら味わうべきであろう。


許廁高齋唱,涓泉定不如。
お上人さまが、本堂でご一同様と御一緒に、お経をとなえることをお許しくださいますが、わたくしは、ちょろちょろと流れる泉水の水音にもおよばない極最小の聾でございます。
・高齋(こうさい) 齋は書斎。相手の書斎であるから、敬語で高斎というが、寺の場合は高らかに声を上げて経を読む本堂を指す。
・廁 まじわる。家の中の片隅に置かれる便所をあらわす。
・唱 経文を唱すること。
・涓泉 涓は小さい水のしたたり。ここは湧水から、ちょろちょろ小さい音をたてて流れる水。


可憐譙記室,流水滿禪居。
しかし、昔、この蜀で、有名な書記官であったあの譙周さまは、まことに愛されました。私も皆様に愛されることにおいて、お上人さまのご指導によって、流水の一部として交じれば、この寺の本堂に、大きなお合唱になり、風流で、すがすがすがしく、まことに素晴らしいことになるでしょう。
・可憐(あわれむべし) 憐には、「哀」と「愛」 の二意があるが、ここは後者。
・譙記室(しようきしつ) 記室は書記のこと。譙 周(しょう しゅう、199年以前 - 270年)は、中国三国時代から晋の政治家、儒学者。字は允南。譙熙・譙賢・譙同の父、譙秀・譙登の祖父。
巴西郡西充国の人。身長は八尺、誠実で飾り気はなく、頭脳明晰だったが、不意の質問に上手く答えるような機転は利かなかった。幼くして父を亡くしたため家は貧しかったが、勉強熱心で六経を精細に研究し、書簡に巧みで、天文の現象の解釈にも明るかった。諸葛亮孔明から登用され、劉禅に仕え勧学従事になった。ただ学問や教育の分野では重用されたが、政治に関わることはなかった。しかし国家の大事の際には、意見を聞かれた。すると彼は学者としての考えを述べた。多くの著書がある。ここは、その譙周が、書がうまく、学問があるけれど、政治に関与しない。薛濤もいかに学問、書に秀でてもそれ以上のものを望んではいない。詩を賦して校書と称せられているし、王羲之の書法を学んだ書家としても認められている。譙周が愛されたように愛されることは望む、というもの。宣上人を譙周にあてたという解釈、あまりに上から目線であり、当時の女性がのべることはないので間違い。
・流水 詩を詠んだりする流れをいう。
・禪居(ぜんきょ) 宜上人のこの寺において薛濤がお経を読む修行生活することを云う。

罰赴邊有懷上韋令公二首其二 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-147-19-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2282

薛濤《罰赴邊有懷上韋令公二首其二》 
(収賄のことを譴責されて国境の都護府慰問から松州慰問へ赴いているところ、心配されて面槍を受けたので韋皐節度使に上奏いたします。その一)


2013年4月26日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

罰赴邊有懷上韋令公二首其二 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-147-19-#12   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2282


罰赴邊有懷上韋令公二首其一
(収賄のことを譴責されて国境の都護府慰問から松州慰問へ赴いているところ、心配されて面槍を受けたので韋皐節度使に上奏いたします。その一)
黠虜猶違命,烽煙直北愁。
あの悪くてずるい吐蕃の奴らが、いまだに唐朝廷の命にそむいている。この度も成都の真北の国境地帯からのろしがあがって侵入のしらせがきた。北の方は困ったことである。
卻教嚴譴妾,不敢向松州。
わたしは、いまきびしい譴責をうけてわたしは北の都護府の軍営の慰問をしているところ。その都護府のさらに北の松州慰問迎へということであったが、節度使さまは、わたしの身を心配されて、途中からもどってこいというお使いをくださった。

罰赴邊有懷上韋令公二首其二
(収賄のことを譴責されて国境の都護府慰問から松州慰問へ赴いているところ、心配されて面槍を受けたので韋皐節度使に上奏いたします。その二)
聞道邊城苦,而今到始知。
かねて聞きおよんでおりましたのは吐蕃国境地帯にある都護府の城塞のご苦労の多いことですが、今、ここにきてみて、はじめてそれがはっきりわかりました。
卻將門下曲,唱與隴頭兒。

韋皐節度使さまが幕府のご宴席で歌っておられた平穏で歌われる「門下曲」は、とても毎日毎夜、守備にご苦労なさっている勇ましい「隴頭兒」の方々には、お聞かせできませんでした。


(罰せられて邊に赴き懐あり、韋令公に上る。其の一)
黠虜 猶お命に違き、蜂煙 直北の愁。
卻って嚴譴の妾をして、敢へて松州に向はざらしむ。

(罰せられて邊に赴き懐あり、韋令公に上る。其の二)
聞道 邊城 苦しと。今来って 始めて知るに到ぶ。
羞づ 門下曲を將って、隴頭兒に唱與するを。


『罰赴邊有懷上韋令公二首其二』 現代語訳と訳註
(本文)

聞道邊城苦,而今到始知。
卻將門下曲,唱與隴頭兒。


(下し文)
(罰せられて邊に赴き懐あり、韋令公に上る。其の二)
聞道 邊城 苦しと。今来って 始めて知るに到ぶ。
羞づ 門下曲を將って、隴頭兒に唱與するを。


(現代語訳)
(収賄のことを譴責されて国境の都護府慰問から松州慰問へ赴いているところ、心配されて面槍を受けたので韋皐節度使に上奏いたします。その二)
かねて聞きおよんでおりましたのは吐蕃国境地帯にある都護府の城塞のご苦労の多いことですが、今、ここにきてみて、はじめてそれがはっきりわかりました。
韋皐節度使さまが幕府のご宴席で歌っておられた平穏で歌われる「門下曲」は、とても毎日毎夜、守備にご苦労なさっている勇ましい「隴頭兒」の方々には、お聞かせできませんでした。


(訳注)
罰赴邊有懷上韋令公二首其二

(収賄のことを譴責されて国境の都護府慰問から松州慰問へ赴いているところ、心配されて面槍を受けたので韋皐節度使に上奏いたします。その二)
801年貞元17年松州方面への吐蕃の侵略があったころのこと。詩はその前年の作。罰をうけた原因については、「鑑戒録」には、彼女が有名になり、中央から遣わされてくる役人が、韋皐へ口効きをする。彼女を通じて韋皐の側近へ金品をとどけてもらったり、彼女自身に金品を贈ったりしたことがあった。薛濤33・34歳頃のことである。詩により名声が高くなるに伴い増加したとある。ここでいう罰はこの収賄により国境の軍隊慰問をさせられたということなのだ。唐では恭州に都護府を置いていたので、慰問するとすればここではないかと考える。
この2年後に薛濤を寵愛した剣南西川節度使韋皐は蜀の地で死んでいる。61歳であった。


聞道邊城苦,而今到始知。
かねて聞きおよんでおりましたのは吐蕃国境地帯にある都護府の城塞のご苦労の多いことですが、今、ここにきてみて、はじめてそれがはっきりわかりました。
・邊城 吐蕃国境地帯にある守備。ここでは薛濤が慰問に訪れている恭州都護府の城塞。
・而今 今来。


卻將門下曲,唱與隴頭兒。
韋皐節度使さまが幕府のご宴席で歌っておられた平穏で歌われる「門下曲」は、とても毎日毎夜、守備にご苦労なさっている勇ましい「隴頭兒」の方々には、お聞かせできませんでした。
・門下曲 晋代にはじまった近衛軍に門下省というのがある。門下は黄門の意。中書省からくだされた詔勅を審査するところ。門下曲は、帝都で流行している呵やわらかい平和なしゃれた曲の意か。韋皐の成都における役所の宴会などでも歌われたものと思われる。
・唱與 歌って聞かせる。
・隴頭兒 隴右道東部、今の甘粛省東南地方の隴西を中心とした山岳部の男児。転じてその地方、すなわち国境地帯を守備している兵士たちを指す。
西から河西節度使―隴右節度使―剣南東川節度使―剣南西川節度使と、その最前線に網の目の様に都護府をおいて、シルクロードの守り、それこそが吐蕃に対する守りの体制であった。

罰赴邊有懷上韋令公二首 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-146-18-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2277

薛濤 《罰赴邊有懷上韋令公二首》
わたしは、いまきびしい譴責をうけてわたしは北の都護府の軍営の慰問をしているところ。その都護府のさらに北の松州慰問迎へということであったが、節度使さまは、わたしの身を心配されて、途中からもどってこいというお使いをくださった。

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Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集和謝監靈運 顏延年 謝霊運の友 顏延年<55> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2276 (04/25)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性罰赴邊有懷上韋令公二首 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-146-18-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2277
 
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

罰赴邊有懷上韋令公二首 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-146-18-#11   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2277 


罰赴邊有懷上韋令公二首其一
(収賄のことを譴責されて国境の都護府慰問から松州慰問へ赴いているところ、心配されて面槍を受けたので韋皐節度使に上奏いたします。その一)
黠虜猶違命,烽煙直北愁。
あの悪くてずるい吐蕃の奴らが、いまだに唐朝廷の命にそむいている。この度も成都の真北の国境地帯からのろしがあがって侵入のしらせがきた。北の方は困ったことである。
卻教嚴譴妾,不敢向松州。
わたしは、いまきびしい譴責をうけてわたしは北の都護府の軍営の慰問をしているところ。その都護府のさらに北の松州慰問迎へということであったが、節度使さまは、わたしの身を心配されて、途中からもどってこいというお使いをくださった。

罰赴邊有懷上韋令公二首其二
聞道邊城苦,而今到始知。
卻將門下曲,唱與隴頭兒。


(罰せられて邊に赴き懐あり、韋令公に上る。其の一)
黠虜 猶お命に違き、蜂煙 直北の愁。
卻って嚴譴の妾をして、敢へて松州に向はざらしむ。

(罰せられて邊に赴き懐あり、韋令公に上る。其の二)
聞道 邊城 苦しと。今来って 始めて知るに到ぶ。
羞づ 門下曲を將って、隴頭兒に唱與するを。




『罰赴邊有懷上韋令公二首其一』 現代語訳と訳註
(本文)
罰赴邊有懷上韋令公二首其一
成都薛濤の地図015黠虜猶違命,烽煙直北愁。
卻教嚴譴妾,不敢向松州。


(下し文)
(罰せられて邊に赴き懐あり、韋令公に上る。其の一)
黠虜 猶お命に違き、蜂煙 直北の愁。
卻って嚴譴の妾をして、敢へて松州に向はざらしむ。


(現代語訳)
(収賄のことを譴責されて国境の都護府慰問から松州慰問へ赴いているところ、心配されて面槍を受けたので韋皐節度使に上奏いたします。その一)
あの悪くてずるい吐蕃の奴らが、いまだに唐朝廷の命にそむいている。この度も成都の真北の国境地帯からのろしがあがって侵入のしらせがきた。北の方は困ったことである。
わたしは、いまきびしい譴責をうけてわたしは北の都護府の軍営の慰問をしているところ。その都護府のさらに北の松州慰問迎へということであったが、節度使さまは、わたしの身を心配されて、途中からもどってこいというお使いをくださった。


(訳注)
罰赴邊有懷上韋令公二首其一

(収賄のことを譴責されて国境の都護府慰問から松州慰問へ赴いているところ、心配されて面槍を受けたので韋皐節度使に上奏いたします。その一)
801年貞元17年松州方面への吐蕃の侵略があったころのこと。詩はその前年の作。罰をうけた原因については、「鑑戒録」には、彼女が有名になり、中央から遣わされてくる役人が、韋皐へ口効きをする。彼女を通じて韋皐の側近へ金品をとどけてもらったり、彼女自身に金品を贈ったりしたことがあった。薛濤33・34歳頃のことである。詩により名声が高くなるに伴い増加したとある。ここでいう罰はこの収賄により国境の軍隊慰問をさせられたということなのだ。
この2年後に薛濤を寵愛した剣南節度使韋皐は蜀の地で死んでいる。61歳であった。


黠虜猶違命,烽煙直北愁。
あの悪くてずるい吐蕃の奴らが、いまだに唐朝廷の命にそむいている。この度も成都の真北の国境地帯からのろしがあがって侵入のしらせがきた。北の方は困ったことです。
・黠虜/黠賊 吐蕃を蔑んでこう呼んだ。蜀から西域涼州にかけて国境を接していて、唐に問題があると必ず局地戦を仕掛けてきている。したがって、この侵略行為に対して不安状態にあったことは間違いないことなのだ。しかし吐蕃の側から見れば、漢民族が日常的に浸透、侵略をしており、それを我慢しきれず跳ね返したということで、本気で蜀を侵略しようというものではなかったのだ。そういった漢民族の浸透侵略性は現在にも受け継がれている民族性である。(チベット、ウイグル、内モンゴル、満州民族を完全に中国化してしまっている。)
・違命 唐にそむいたこと。
・烽煙 のろしの煙。山頂で薪を焚いて煙をあげ、順に急を告げることになっていた。焚火に狼の糞を加えると煙が細くまっすぐにあがるので、狼煙ともいう.
・直北 松州方面は、成郡の真北成都の北180kmのところに当たる。


卻教嚴譴妾,不敢向松州。
わたしは、いまきびしい譴責をうけてわたしは北の都護府の軍営の慰問をしているところ。その都護府のさらに北の松州慰問迎へということであったが、節度使さまは、わたしの身を心配されて、途中からもどってこいというお使いをくださった。
・嚴譴 きびしい譴責をうける。おしかり。
・妾 わたし。
・松州 今の四川省の西北部成都の北180kmのところ。蔵族自治区の松藩。チベット族が岷山台地から四川盆地へ侵入してくる場合の要衝の地。唐では恭州に都護府を置いていたが、貞元十六年吐蕃の侵攻によって陥落した。

春望詞四首 其四 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-145-17-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2272

薛濤《春望詞四首 其四》
鏡にあの人からもらったきれいなカンザシが鏡の中で光っている。春風は知ってか知らずか、カンザシをそっと揺らしてゆくのです。

2013年4月24日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

春望詞四首 其四 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-145-17-#10   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2272  


春望詞四首 
花開不同賞,花落不同悲。
花さく季節が来ました。でもこの同じ場所で同じときに観賞することはないのです。花が落ちる季節になってもその悲しみを一緒にすることはないのです
欲問相思處,花開花落時。
お聞きしたいことがあります。あなたがわたしのことを思ってくださる場所のことを。それがわかったら私がその場所に飛んで行って花さくときから花が散る時まで一緒に過ごしたいと思います。
  
嚂草結同心,將以遺知音。
行楽を愉しむ中、二人で声を上げてたくさん草をとり、それを愛のあかしとして「同心むすび」にむすぶ。
まさに客とそれをしたことで恋しい人への思いをふと忘れ得たような思いがするのです。

春愁正斷絕,春鳥復哀吟。
女の春の愁いというものはそんなことでも断ちることになるのです。春に盛んな鳥が啼くと、おんなにとってはまた悲しそうな聲でさえずっているように聞こえてきます。
  
風花日將老,佳期猶渺渺。
春の日は終わろうとしている。風流な風も、行楽の花も、女もおいてゆく。又逢うことのお約束今なお、遠いぼんやりしたままなのです。
不結同心人,空結同心草。
心が通い合っているあの人とは結ばれることはなかった。でも、空しいことは、あのとき、誓い合って結んだ「同心むすび」の草を今一人で結んでいることなのです。
  
那堪花滿枝,翻作兩相思。
枝もたわわに咲いている春の盛りの花を見るのはもうとてもたえきれない。だから、花は見たくないと背を向ける。まだきっと両方で恋しあっているはずなのです。
玉箸垂朝鏡,春風知不知。
鏡にあの人からもらったきれいなカンザシが鏡の中で光っている。春風は知ってか知らずか、カンザシをそっと揺らしてゆくのです。




『春望四首 其四』 現代語訳と訳註
(本文)

那堪花滿枝,翻作兩相思。
玉箸垂朝鏡,春風知不知。


(下し文)
那んぞ堪えん 花 枝に満つるに、翻って 両相思を作す。
玉箸 朝鏡に垂る、春風 知るや知らずや。

(現代語訳)
枝もたわわに咲いている春の盛りの花を見るのはもうとてもたえきれない。だから、花は見たくないと背を向ける。まだきっと両方で恋しあっているはずなのです。
鏡にあの人からもらったきれいなカンザシが鏡の中で光っている。春風は知ってか知らずか、カンザシをそっと揺らしてゆくのです。


(訳注)
春望詞四首

春になっても来てくれない客がどうしているのかあいさつ代わりに贈った詩で、通り一遍の手紙、一般的な詩ではなくこのような詩は上品であっても心をかなり動かすなかなかのテクニックである。
自分の気持ちを表に出してはいけない時代である。したがって、日本における訳注はどうも間違ったものが多く、参考にならない。


那堪花滿枝,翻作兩相思。
枝もたわわに咲いている春の盛りの花を見るのはもうとてもたえきれない。だから、花は見たくないと背を向ける。まだきっと両方で恋しあっているはずなのです。
・那堪 反語。とてもたえきれない。
・翻 ふりかえって。満開の花を背にすること。 花が咲きはこって、はなやかであればあるほど、かえって自分の孤独寂蓼の感じが増す。
・作 つくる。なしとげる。おこす。いつわる。なまける。
・兩相思 自分と相手の男と両方で恋しあっている、思いあっていること。


玉箸垂朝鏡,春風知不知。
鏡にあの人からもらったきれいなカンザシが鏡の中で光っている。春風は知ってか知らずか、カンザシをそっと揺らしてゆくのです。
・玉箸 キラキラしている簪。空しい表現。
・朝鏡 寝化粧をなおす、朝の化粧をする鏡。男性と夜を過ごしていない場合は「朝鏡」という表現がよく使われる。一緒に過ごした場合は、天上のが明るくなる表現、梁に朝日が当たるという表現をする。


この春望四首は薛濤個人のことを詠ってはいない。女盛りを過ぎようとしている女性の一般論を述べたのである。ここには女性が男性にすがって生きていくことしかできない時代を反映しているのである。余生を過ごすには数名の下女に身の回りの世話をさせられるだけのものを残していないと隠棲できないのである。
 したがって、この頃の芸妓は高級官僚か、富貴の者の夫人にり、手切れ金で余生を送ることが一番の願いであったのだ。一夫多妻制はともに白髪の映えるまでという思想は全くないのである。こうした前提の上での男女交際を考えなくてはいけないのである。


春望詞四首 其三 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-144-16-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2267

薛濤《春望詞四首 其三》
春になっても来てくれない客がどうしているのかあいさつ代わりに贈った詩で、通り一遍の手紙、一般的な詩ではなくこのような詩は上品であっても心をかなり動かすなかなかのテクニックである。
自分の気持ちを表に出してはいけない時代である。


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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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春望詞四首 
wakaba002花開不同賞,花落不同悲。
花さく季節が来ました。でもこの同じ場所で同じときに観賞することはないのです。花が落ちる季節になってもその悲しみを一緒にすることはないのです
欲問相思處,花開花落時。

お聞きしたいことがあります。あなたがわたしのことを思ってくださる場所のことを。それがわかったら私がその場所に飛んで行って花さくときから花が散る時まで一緒に過ごしたいと思います。
  
嚂草結同心,將以遺知音。
行楽を愉しむ中、二人で声を上げてたくさん草をとり、それを愛のあかしとして「同心むすび」にむすぶ。
まさに客とそれをしたことで恋しい人への思いをふと忘れ得たような思いがするのです。

春愁正斷絕,春鳥復哀吟。
女の春の愁いというものはそんなことでも断ちることになるのです。春に盛んな鳥が啼くと、おんなにとってはまた悲しそうな聲でさえずっているように聞こえてきます。
  
風花日將老,佳期猶渺渺。
春の日は終わろうとしている。風流な風も、行楽の花も、女もおいてゆく。又逢うことのお約束今なお、遠いぼんやりしたままなのです。
不結同心人,空結同心草。

心が通い合っているあの人とは結ばれることはなかった。でも、空しいことは、あのとき、誓い合って結んだ「同心むすび」の草を今一人で結んでいることなのです。
  
那堪花滿枝,翻作兩相思。
玉箸垂朝鏡,春風知不知。


『春望詞四首 其三』 現代語訳と訳註
(本文)

風花日將老,佳期猶渺渺。
不結同心人,空結同心草。


(下し文)
風花 日に將に老いんとする、佳期 猶は渺渺。
同心の人とは 結ばれず、空しく 同心の草を 結ぶ。


(現代語訳)
春の日は終わろうとしている。風流な風も、行楽の花も、女もおいてゆく。又逢うことのお約束今なお、遠いぼんやりしたままなのです。
心が通い合っているあの人とは結ばれることはなかった。でも、空しいことは、あのとき、誓い合って結んだ「同心むすび」の草を今一人で結んでいることなのです。


(訳注)
春望詞四首

春になっても来てくれない客がどうしているのかあいさつ代わりに贈った詩で、通り一遍の手紙、一般的な詩ではなくこのような詩は上品であっても心をかなり動かすなかなかのテクニックである。
自分の気持ちを表に出してはいけない時代である。したがって、日本における訳注はどうも間違ったものが多く、参考にならない。


風花日將老,佳期猶渺渺。
春の日は終わろうとしている。風流な風も、行楽の花も、女もおいてゆく。又逢うことのお約束今なお、遠いぼんやりしたままなのです。

・風花 風流な風も、行楽の花。単なる風と花ではない。
・老 花と女が老化していくこと。
・佳期 会う時期を約束すること
・渺渺 遠いぼんやりしたままの状態。

不結同心人,空結同心草。
心が通い合っているあの人とは結ばれることはなかった。でも、空しいことは、あのとき、誓い合って結んだ「同心むすび」の草を今一人で結んでいることなのです。
玉台新詠巻十に、銭唐蘇小歌一首として次の詩がある。「 妾乗油璧車、郎騎青□馬、 何処結同心、西陵松柏下。」(何れの処にか同心を結ばん)という句がある。
温庭筠 『更漏子』
相見稀,相憶久,眉淺淡煙如柳。
垂翠幕,結同心,侍郎熏繡衾。
城上月,白如雪,蟬鬓美人愁絕。

春望詞四首 其二 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-143-15-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2262

《春望詞四首 其二》 薛濤

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oborotsuki02h花開不同賞,花落不同悲。
花さく季節が来ました。でもこの同じ場所で同じときに観賞することはないのです。花が落ちる季節になってもその悲しみを一緒にすることはないのです
欲問相思處,花開花落時。

お聞きしたいことがあります。あなたがわたしのことを思ってくださる場所のことを。それがわかったら私がその場所に飛んで行って花さくときから花が散る時まで一緒に過ごしたいと思います。
  
嚂草結同心,將以遺知音。
行楽を愉しむ中、二人で声を上げてたくさん草をとり、それを愛のあかしとして「同心むすび」にむすぶ。
まさに客とそれをしたことで恋しい人への思いをふと忘れ得たような思いがするのです。

春愁正斷絕,春鳥復哀吟。
女の春の愁いというものはそんなことでも断ちることになるのです。春に盛んな鳥が啼くと、おんなにとってはまた悲しそうな聲でさえずっているように聞こえてきます。

  其三
風花日將老,佳期猶渺渺。
不結同心人,空結同心草。

  其四
那堪花滿枝,翻作兩相思。
玉箸垂朝鏡,春風知不知。



『春望詞四首』 現代語訳と訳註
(本文)

嚂草結同心,將以遺知音。
春愁正斷絕,春鳥復哀吟。


(下し文)
草を携りて同心を結び、將に 以て知音に遺らんとす。
春愁 正に断絶す。春鳥 また京吟す。


(現代語訳)
行楽を愉しむ中、二人で声を上げてたくさん草をとり、それを愛のあかしとして「同心むすび」にむすぶ。
まさに客とそれをしたことで恋しい人への思いをふと忘れ得たような思いがするのです。
女の春の愁いというものはそんなことでも断ちることになるのです。春に盛んな鳥が啼くと、おんなにとってはまた悲しそうな聲でさえずっているように聞こえてきます。


(訳注)
春望詞四首

春になっても来てくれない客がどうしているのかあいさつ代わりに贈った詩で、通り一遍の手紙、一般的な詩ではなくこのような詩は上品であっても心をかなり動かすなかなかのテクニックである。
自分の気持ちを表に出してはいけない時代である。したがって、日本における訳注はどうも間違ったものが多く、参考にならない。


嚂草結同心,將以遺知音。
行楽を愉しむ中、二人で声を上げてたくさん草をとり、それを愛のあかしとして「同心むすび」にむすぶ。
まさに客とそれをしたことで恋しい人への思いをふと忘れ得たような思いがするのです。
・嚂 むさぼる、 たしなむ、 しかる、 こえ.過ぎた恩恵を受ける。おおごえをあげて
・結同心 わが国の女の子たちがクローバーをとってむすび輪を作ったりするのと同じしぐさ。中国では、古く、錦帯をむすんで、順々に輪にしてつづけるやり方があり、相愛のこころをそれにふくませて、「同心結び」といった。玉台新詠巻十に、銭唐蘇小歌一首として次の詩がある。「 妾乗油璧車、郎騎青□馬、 何処結同心、西陵松柏下。」(何れの処にか同心を結ばん)という句がある。
温庭筠 『更漏子』
相見稀,相憶久,眉淺淡煙如柳。
垂翠幕,結同心,侍郎熏繡衾。
城上月,白如雪,蟬鬓美人愁絕。
宮樹暗,鵲橋橫,玉簽初報明。
『更漏子 四』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-18-2-#4 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1688

・知音 もっともよき理解者、心の友をいう。ここでは恋の相手。親しい客。鍾子期と伯牙の故事による。伯牙は琴の名手で、鍾子期はその昔菜のもっともよき理解者であったが、饉予期が死ぬと、伯牙は、もう自分の琴をわかってくれる人はないといって、その愛琴の舷を切り、こわしてしまったという。○知音 知己。自分の琴の演奏の良さを理解していくれる親友のこと。伯牙は琴を能くしたが、鍾子期はその琴の音によって、伯牙の心を見抜いたという。転じて自分を理解してくれる知人。
『列子、湯問』
「伯牙善鼓琴。鐘子期善聽。伯牙鼓琴。志在登高山。鐘子期曰。善哉。巍巍兮若泰山。志在流水。鍾子期曰。善哉。洋洋兮若江河。伯牙所念。鐘子期必得之。伯牙游於泰山之陰。卒逢暴雨。止於巖下心悲。乃援琴而鼓之。初為霖雨之操。更造崩山之音。曲毎奏。鐘子期輒窮其趣。伯牙乃舍琴而嘆曰。善哉善哉。子之聽。夫志想象。猶吾心也。吾於何逃聲哉。」 
(下し文)
伯牙善く琴を鼓し、鍾子期善く聴く。
伯牙琴を鼓し、志泰山登るに在り、鍾子期曰く、善い哉、巍巍兮として泰山の若し、と。
志流水に在らば、鍾子期曰く、 善い哉、琴を鼓する、洋洋兮として江河の若し、と。
伯牙の念ふ所、鐘子期必ず之を得。
伯牙、泰山の陰に遊び、卒に暴雨に逢ふ。
巖下に止まりて心悲しみ、乃ち琴を援りて之を鼓す。
初め「霖雨の操」を為し、更に「崩山の音」を造す。
曲奏する毎に、鐘子期輒ち其の趣きを窮む。
伯牙乃ち琴を舎きて嘆じて曰く、善い哉、善い哉、子の聴く。
夫れ志を想像する、猶ほ吾が心のごときなり。
吾れ何に於いて声を逃れんや、と。



春愁正斷絕,春鳥復哀吟。
女の春の愁いというものはそんなことでも断ちることになるのです。春に盛んな鳥が啼くと、おんなにとってはまた悲しそうな聲でさえずっているように聞こえてきます。
・春愁 春のかなしさ、さびしさ。
・断絶 つづいていた春愁が、草をむすぶことによって、ぷっつりと消滅する。
・春鳥 春の鳥。鶯、燕、ヤマドリ。
・復 かさねて。もとにもどること。往復の復。鳥もまたの意ではない。
・哀吟 吟は、うたうこと。ここでは鳴くこと。



春望詞四首 其一 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-142-14-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2257

薛濤 《春望詞四首》其一 唐五代詞・宋詩

お聞きしたいことがあります。あなたがわたしのことを思ってくださる場所のことを。それがわかったら私がその場所に飛んで行って花さくときから花が散る時まで一緒に過ごしたいと思います。


2013年4月21日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩妾薄命二首 其二 曹植 魏詩<72-#1> 女性詩741 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2253
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩九辯 第八段-#2 宋玉  <00-#25>Ⅱもっとも影響を与えた詩文 654 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2254
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集送裴五赴東川 成都5-(9) 杜甫 <462>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2255 杜甫詩1000-462-645/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集従斤竹澗超嶺渓行 謝霊運<51> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2256 (04/21)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性春望詞四首 其一 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-142-14-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2257
 
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於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

春望詞四首 其一 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-142-14-#7   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2257


紅梅0021 春望詞四首 
7 花開不同賞,花落不同悲。 
 欲問相思處,花開花落時。 
  
8 嚂草結同心,將以遺知音。 
 春愁正斷絕,春鳥復哀吟。 
  
9 風花日將老,佳期猶渺渺。 
 不結同心人,空結同心草。 
  
10 那堪花滿枝,翻作兩相思。 
 玉箸垂朝鏡,春風知不知。 



薛濤が尊敬した杜甫の同題詩。
春望  ―長安   
國破山河在,城春草木深。
感時花濺涙,恨別鳥驚心。
烽火連三月,家書抵萬金。
白頭掻更短,渾欲不勝簪。
野望  ―秦州
清秋望不極,迢遞起層陰。
遠水兼天淨,孤城隱霧深。
葉稀風更落,山迥日初沈。
獨鶴歸何晚?昏鴉已滿林。
野望 ―成都 
西山白雪三城戍,南浦清江萬裡橋。
海內風塵諸弟隔,天涯涕淚一身遙。
惟將遲暮供多病,未有涓埃答聖朝。
跨馬出郊時極目,不堪人事日蕭條!


春望詞四首 其一 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-142-14-#7   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2257


春望詞四首
花開不同賞,花落不同悲。
花さく季節が来ました。でもこの同じ場所で同じときに観賞することはないのです。花が落ちる季節になってもその悲しみを一緒にすることはないのです
欲問相思處,花開花落時。

お聞きしたいことがあります。あなたがわたしのことを思ってくださる場所のことを。それがわかったら私がその場所に飛んで行って花さくときから花が散る時まで一緒に過ごしたいと思います。

pla030
















春 望 四首
花開くも 同に賞せず、花落つるも 同に悲まず。
問はんと欲す 相思の處、花開き花落つるの時。



『春望詞四首』 現代語訳と訳註
(本文)
花開不同賞,花落不同悲。
欲問相思處,花開花落時。


(下し文)
春 望 四首
花開くも 同に賞せず、花落つるも 同に悲まず。
問はんと欲す 相思の處、花開き花落つるの時。


(現代語訳)
花さく季節が来ました。でもこの同じ場所で同じときに観賞することはないのです。花が落ちる季節になってもその悲しみを一緒にすることはないのです
お聞きしたいことがあります。あなたがわたしのことを思ってくださる場所のことを。それがわかったら私がその場所に飛んで行って花さくときから花が散る時まで一緒に過ごしたいと思います。


(訳注)
春望詞四首

春になっても来てくれない客がどうしているのかあいさつ代わりに贈った詩で、通り一遍の手紙、一般的な詩ではなくこのような詩は上品であっても心をかなり動かすなかなかのテクニックである。
自分の気持ちを表に出してはいけない時代である。したがって、日本における訳注はどうも間違ったものが多く、参考にならない。。


花開不同賞,花落不同悲。
花さく季節が来ました。でもこの同じ場所で同じときに観賞することはないのです。花が落ちる季節になってもその悲しみを一緒にすることはないのです


欲問相思處,花開花落時。
お聞きしたいことがあります。あなたがわたしのことを思ってくださる場所のことを。それがわかったら私がその場所に飛んで行って花さくときから花が散る時まで一緒に過ごしたいと思います。

yayoipl05




昭和の初めから中期にかけて訳されたもの。全く頓珍漢な訳文としか言いようがない。
漢文大系15 の訳
春です。花が咲けばうれしいものですが、愛するあなたといっしょに、そのうれしさをともにして、賞でることもかなわず、また花が散るのはさびしいものですが、さびしいとて、ごいっしょにさびしがることもできない今のあたし。さて、愛するあなたは、そちらで、花が嘆き花が散る釘をごらんになって、おひとりで、どんな思いをしていらっしゃるのでしょうか?- (あなたも、さぞかしさびしい思いでいらやることと思われます。しかしまたあるいは、わたくしのことなどお忘れになって、そちらの美しい方と浮かれておいでになるのではあるまいかという不安な気もいたします。いえいえ、あなたは決してそんなお方ではないはず、やっぱりきっとさびしがっておいでになるでしょう。そうだそうだ、それにちかいないと、自分にいい聞かせていますが、しかし、いかがでしょうか?)


・那珂秀穂の訳。(支那歴朝閨秀詩抄-昭和十八年 地平社刊)
花咲きてうれしかるとも
花散りてかなしかるとも
いかがせむ 君はいづくに
ながむるや 咲きて散る花
・小田嶽夫・武田泰淳氏の「揚子江風土記」(昭和十六年 竜吟社刊)の訳。
花が咲いたら しぼんだら
かたりあひたいあのひとと
うれしかなしのむわのうち
花が咲くのに しぼむのに

 

蟬 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-141-13-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2252

薛濤 蟬  唐五代詞・宋詩
夕立で樹々が洗われ、水滴がポクボタと落ちる、蝉の声がする中その音はすがすがしい風の中に次第に遠ざかりしなくなる。かぜがそよいで葉が擦れ合い音が蝉の鳴き声とだぶって聞こえてくる。

2013年4月20日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩妾薄命二首 其一 曹植 魏詩<71> 女性詩740 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2248
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性蟬 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-141-13-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2252
 
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安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

蟬 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-141-13-#6   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2252




露滌音清遠,風吹故葉齊。 
夕立で樹々が洗われ、水滴がポクボタと落ちる、蝉の声がする中その音はすがすがしい風の中に次第に遠ざかりしなくなる。かぜがそよいで葉が擦れ合い音が蝉の鳴き声とだぶって聞こえてくる。
聲聲似相接,各在一枝棲。

この静けさの中に、鳴く声や葉擦れの声があり、相乗して聴こえてくる。でもそれぞれの声はそれぞれ一つの枝から発しているのであり、それぞれが一緒に暮らしているのでしょう。

露滌【ろじょう】音【いん】清しく遠ざかり,風吹 故葉 齊し。 
聲聲【せいせい】相接するが似き,各【おのお】の一枝の棲に在る。

kokage01
『蟬』 現代語訳と訳註
(本文)

露滌音清遠,風吹故葉齊。 
聲聲似相接,各在一枝棲。


(下し文)
露滌【ろじょう】音【いん】清しく遠ざかり,風吹 故葉 齊し。 
聲聲【せいせい】相接するが似き,各【おのお】の一枝の棲に在る。


(現代語訳)
夕立で樹々が洗われ、水滴がポクボタと落ちる、蝉の声がする中その音はすがすがしい風の中に次第に遠ざかりしなくなる。かぜがそよいで葉が擦れ合い音が蝉の鳴き声とだぶって聞こえてくる。
この静けさの中に、鳴く声や葉擦れの声があり、相乗して聴こえてくる。でもそれぞれの声はそれぞれ一つの枝から発しているのであり、それぞれが一緒に暮らしているのでしょう。


(訳注)
 蟬
宋玉『九辯』「燕翩翩其辭歸兮,蟬寂漠而無聲。」(そうなると燕はひらりひらりと飛んでいても結局は別れを告げて飛び去りのであり、蝉はもう静かに影もなくどこかに消えて声さえ聞こえないのだ。)
九辯 宋玉 <00-#2>Ⅱもっとも影響を与えた詩文 631 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2139
韓愈『秋懐詩十一首 其二』「寒蟬暫寂寞,蟋蟀鳴自恣。」(ひぐらしぜみがしばらく鳴かなくなって静寂になるとこんどは、こおろぎがせいいっぱい鳴きまくるのである。)秋懐詩十一首(2) 韓愈 韓退之(韓愈)詩<102>Ⅱ中唐詩537 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1714
李商隠『燕臺詩四首 其四』「破鬟倭墮淩朝寒,白玉燕釵黃金蟬。」
燕臺詩四首 其四 冬#2 李商隠135 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 134-#2


露滌音清遠,風吹故葉齊。
夕立で樹々が洗われ、水滴がポクボタと落ちる、蝉の声がする中その音はすがすがしい風の中に次第に遠ざかりしなくなる。かぜがそよいで葉が擦れ合い音が蝉の鳴き声とだぶって聞こえてくる。
・露滌 夏の夕立で樹々が洗われ、水滴がポクボタと落ちるようなとき。滌は、洗う、すすぐ。
・音清 蝉の美しい鳴き声をいったもの。せせらぎの音でもなければ、水滴そのものの音でもない。
・遠 露の落ちる音が次第にしなくなる。蝉の声は静けさの意味である。
・風吹 風が吹いてもの意。
・故葉 繁った状態の葉で枯葉ではない。ベースに蝉の声があり、葉擦れの音が蝉の鳴き声とだぶって聞こえてくる。静けさを表現している。


聲聲似相接,各在一枝棲。
この静けさの中に、鳴く声や葉擦れの声があり、相乗して聴こえてくる。でもそれぞれの声はそれぞれ一つの枝から発しているのであり、それぞれが一緒に暮らしているのでしょう。
〇蝉は鳴き声を聞かせてくれる前、地中で長い間力を蓄える。蝉は不遇な男の声を象徴するものである。薛濤はここで葉擦れの音を不遇の男性客にたいして慰めの詩を作ったものであろう。この詩をもらった男性はきっと勇気づけられたことであろう。
この詩においても、「漢文大系15」P250における訳は全く理解力がないひどいものである。

月 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-140-12-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2247

薛濤 月 
新月から三日月の「生魄」は明るく光る所は鉤のように小さいがその影の部分に生きる力がある。漢の班婕妤の『怨歌行』に詠うようにきれいなまるい扇でも秋になれば棄てられるという、だからいまもっと愛してください。


2013年4月18日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩九辯 第七段-#1 宋玉  <00-#22>Ⅱもっとも影響を与えた詩文 651 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2239
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Ⅲ杜甫詩1000詩集寄杜位 成都5-(6) 杜甫 <459>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2240 杜甫詩1000-459-642/1500
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Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集酬従弟謝惠連 五首その(5) 謝霊運<48>西陵遇風獻康楽 その5 謝惠連 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2241 (04/18)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性風 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-139-11-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2242
 
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩
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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

月 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-140-12-#5   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2247



魄依鉤樣小,扇逐漢機團。 
新月から三日月の「生魄」は明るく光る所は鉤のように小さいがその影の部分に生きる力がある。漢の班婕妤の『怨歌行』に詠うようにきれいなまるい扇でも秋になれば棄てられるという、だからいまもっと愛してください。
細影將圓質,人間幾處看。

細い月影がやがては真ん丸に成長してゆきます。そしてまた「生魄」が成長します。人間世界も、このように陰と陽が成長し合っているものでさまざまなところでさまざまな思いをこめて仰ぎ見ているのでしょう。

(月)
魄は鉤樣【こうよう】小きに依り,扇は漢機團きを逐う。 
細き影は將に圓質なり,人間 幾處に看る。

三日月01








『月』 現代語訳と訳註
(本文)

魄依鉤樣小,扇逐漢機團。 
細影將圓質,人間幾處看。


(下し文) (月)
魄は鉤樣【こうよう】小きに依り,扇は漢機團きを逐う。 
細き影は將に圓質なり,人間 幾處に看る。


(現代語訳)
新月から三日月の「生魄」は明るく光る所は鉤のように小さいがその影の部分に生きる力がある。漢の班婕妤の『怨歌行』に詠うようにきれいなまるい扇でも秋になれば棄てられるという、だからいまもっと愛してください。
細い月影がやがては真ん丸に成長してゆきます。そしてまた「生魄」が成長します。人間世界も、このように陰と陽が成長し合っているものでさまざまなところでさまざまな思いをこめて仰ぎ見ているのでしょう。

上弦の月






(訳注)
(月)

さまざまな角度から月を詠じたものというだけでなく、満月が良いのではなく、月の陰の部分にこそ力があるもの、生き歳いきるものその力をもって生きるべきであるというもの。この詩を単にいろんな月がありますという解釈をしているのは、女性蔑視の軽薄な文学である。


魄依鉤樣小,扇逐漢機團。 
新月から三日月の「生魄」は明るく光る所は鉤のように小さいがその影の部分に生きる力がある。漢の班婕妤の『怨歌行』に詠うようにきれいなまるい扇でも秋になれば棄てられるという、だからいまもっと愛してください。。
・魄 月魄。三日月の陰の部分を月の生魄といい、この部分に生れる力、たましいを感じたのである。精神をつかさどる陽の気を魂(こん)というのに対し、肉体をつかさどるという陰の霊気。1 人の肉体に宿り、活力を生み出すもの。たましい。「気魄・魂魄」
2 月のかげの部分。「生魄」
3 落ちぶれる。「落魄」。
・鉤樣 鉤は、簾をまきあげてかける金具。形は鉤形。鎌のような形。三日月。
57moon・扇 中国古代の扇は、開くとうちわ型になった。
・漢機 漢代の機。漢の班婕妤
怨歌行  
新裂齊紈素,皎潔如霜雪。
裁爲合歡扇,團團似明月。
出入君懷袖,動搖微風發。
常恐秋節至,涼風奪炎熱。
棄捐篋笥中,恩情中道絶。
(新たらしい斉の国産の白練り絹を裂いている、それは純白、潔白で穢れない清い白さは、霜や雪のようだ。
裁断して、両面から張り合わせの扇を作っている。丸くしてまるで満月のようです。
でもいつもこころに恐れていることがあるのは秋の季節が来ることなのです。秋の清々しい風は、わが君の情熱を奪って涼しくしてしまうのです。
そうすると、屑籠の中に投げ捨てられてしまうことになります。わが君、帝王の寵愛が途中で絶えてしまうことになるのです。)
第二句はこれ基づいてよんだもの。怨歌行 班婕妤(倢伃) 漢詩<111>玉台新詠集 女性詩547 漢文委員会kannuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1458


細影將圓質,人間幾處看。
細い月影がやがては真ん丸に成長してゆきます。そしてまた「生魄」が成長します。人間世界も、このように陰と陽が成長し合っているものでさまざまなところでさまざまな思いをこめて仰ぎ見ているのでしょう。
・細影 月の細い形。初月近くをいう。陰と陽が成長することを云う。薛濤は明るい部分だけ月と云っているのではないのである。班婕妤を引用した意味はこの点にある。
・質 満月と新月。どちらも本来の姿である。
・幾處 何か処で、であるが、反語的用法で、いたるところでの意。

風 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-139-11-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2242

薛濤《風》唐五代詞・宋詩

香り草を抜けた風がかすかな香りを運んできて遠くの方に抜けていく、その風がひるがえり、弓矢を放った一撃の音がその風を切る音、それは鶴の一鳴きのようである。

2013年4月18日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

風 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-139-11-#4   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2242



獵蕙微風遠,飄弦唳一聲。
香り草を抜けた風がかすかな香りを運んできて遠くの方に抜けていく、その風がひるがえり、弓矢を放った一撃の音がその風を切る音、それは鶴の一鳴きのようである。
林梢明淅瀝,松徑夜淒清。
その風は林の中の木々のこずえを抜けて、ひゅぅひゅうと音をたてる。やがて夜が訪れ、松の小路を、散策する。涼しくすがすがしい松風のもたらす涼しさである。

獵蕙【りょうけい】微風【びふう】遠のき、飄って弦ずれば 唳くこと一聾。
林梢 明るく淅瀝【せきれき】し、松徑【しょうけい】夜となり淒清【せいせい】す。



『風』 現代語訳と訳註
終南山06
(本文)

獵蕙微風遠,飄弦唳一聲。
林梢明淅瀝,松徑夜淒清。


(下し文)
獵蕙【りょうけい】微風【びふう】遠のき、飄って弦ずれば 唳くこと一聾。
林梢 明るく淅瀝【せきれき】し、松徑【しょうけい】夜となり淒清【せいせい】す。


(現代語訳)
香り草を抜けた風がかすかな香りを運んできて遠くの方に抜けていく、その風がひるがえり、弓矢を放った一撃の音がその風を切る音、それは鶴の一鳴きのようである。その風は林の中の木々のこずえを抜けて、ひゅぅひゅうと音をたてる。やがて夜が訪れ、松の小路を、散策する。涼しくすがすがしい松風のもたらす涼しさである。


(訳注)

この詩は中国では珍しい「風」が主語である。日本では“風が通り抜ける”という表現は当たり前のことであるが、中国人はほとんどが自分が主語であることが多い。そのため、漢詩大系15『魚玄機・薛濤』P229<風の姿を四つの場合にうけとめてよんだもの。ふつうの五絶のように各句が順に起伏しっつも連嬉し一首を構成するのではなく、各旬はそれぞれ燭立して、風の姿をとらえているのであるから、起承輪結の法は守られていない。特異な作品である。> と解釈している。まぎれもなく五言絶句である。


獵蕙微風遠,飄弦唳一聲。
香り草を抜けた風がかすかな香りを運んできて遠くの方に抜けていく、その風がひるがえり、弓矢を放った一撃の音がその風を切る音、それは鶴の一鳴きのようである。
・獵蕙 香草の間を通り抜けた風。・蕙 かおり草。一種の香草。・猟 とる。かならずしも禽獣をとることにかぎらない。漁船のことを猟船ということもある。(1)野生の鳥や獣をとること。猟(りよう)。狩猟。[季]冬。 (2)犯罪者などを捜索し、つかまえること。 「暴力団―」「山―」 (3)自然の中に分け入って、野草や貝などをとったり、花やもみじを観賞した.1. 捕捉禽獸:~捕。~獲。~逐。~取。~奇。狩~。田~。漁~。圍~。 2. 打獵的:~人。~戶。~狗。~槍。
・弦 矢をつがえて弓の弦を放つこと。
・唳 鳴くこと。鶴のなくことを鶴唳という。風声鶴唳とは。おじけづいて、わずかなことにも恐れおののくことのたとえ。▽「風声」は風の音。「鶴唳」はつるの鳴き声。わずかな物音にもおびえるたとえ。「鶴唳風声 かくれいふうせい 」ともいう。


林梢明淅瀝,松徑夜淒清。
その風は林の中の木々のこずえを抜けて、ひゅぅひゅうと音をたてる。やがて夜が訪れ、松の小路を、散策する。涼しくすがすがしい松風のもたらす涼しさである。
・林梢(りんしよう) 林の木々のこずえ。
・淅瀝 風音の形容。ひゅうひゅう。雨や雪の音をいうこともある。
杜甫『白水崔少府十九翁高齋三十韻』
「危階根青冥,曾冰生淅瀝。」(この書斎のたかくてあぶなげなきざはしはあおぞらに根をおろしているのかと思うほどである、渓間の風音で木々のざわついているあたりには幾層かの氷が生じているほどつめたいのである。)
・松徑 松林中の小路。
・淒清 涼しい意。涼しくすがすがしい松風のもたらす涼しさをいう。

池上雙鳧 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-138-10-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2237

薛濤《池上雙鳧》

2013年4月17日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 


池上雙鳧 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-138-10-#3   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2237


池上雙鳧 
(池の水辺のつがいの野鳧)
雙棲綠池上,朝去暮飛還。 
この池の緑の澄み切った水辺に、つがいで棲みついている、その野鳧は朝は飛び去っていても、晩はかえってきていっしょに飛びまわって仲よくくらしている。
更憶將雛日,同心蓮葉間。

もっと思うには、さらにこのつがいは、やがてある日に雛を育てるようになるのです。それには心をあわせているし、池の蓮の葉のかげで、仲睦まじくしていることがあるのです。

池上の雙鳧
綠池の上に 雙棲【そうせい】し、朝去りて 暮に 飛還【ひかん】す。
更に憶ふ 雛を將【やしな】ふの日には、心を 蓮葉【れんよう】の間に 同じうせん。




『池上雙鳧』 現代語訳と訳註
野鴨0111(本文)
池上雙鳧 
雙棲綠池上,朝去暮飛還。 
更憶將雛日,同心蓮葉間。


(下し文)
池上の雙鳧
綠池の上に 雙棲【そうせい】し、朝去りて 暮に 飛還【ひかん】す。
更に憶ふ 雛を將【やしな】ふの日には、心を 蓮葉【れんよう】の間に 同じうせん。


(現代語訳)
(池の水辺のつがいの野鳧)
この池の緑の澄み切った水辺に、つがいで棲みついている、その野鳧は朝は飛び去っていても、晩はかえってきていっしょに飛びまわって仲よくくらしている。
もっと思うには、さらにこのつがいは、やがてある日に雛を育てるようになるのです。それには心をあわせているし、池の蓮の葉のかげで、仲睦まじくしていることがあるのです。


(訳注)
池上雙鳧

(池の水辺のつがいの野鳧) 
○この詩は、高官の男性へのお誘いの詩である。薛濤は性を売る妓女ではなく芸・詩文などを示す役割を持つ営妓、軍隊の管轄に置かれ、軍営に所属する官人や将兵をその技芸で楽しませるものであった。又池は、清流にのぞんで詩歌を作り盃を巡らす曲水の宴があり、中国古代、周公の時代に始まったとされている。


雙棲綠池上,朝去暮飛還。 
この池の緑の澄み切った水辺に、つがいで棲みついている、その野鳧は朝は飛び去っていても、晩はかえってきていっしょに飛びまわって仲よくくらしている。
・雙鳧 鳧は野生のかもである。二羽の鳧で、つがい。
・朝去暮飛還 「朝に去り幕に飛び還る」と読むことになる。飛還はもとのところへもどってくること。


更憶將雛日,同心蓮葉間。
もっと思うには、さらにこのつがいは、やがてある日に雛を育てるようになるのです。それには心をあわせているし、池の蓮の葉のかげで、仲睦まじくしていることがあるのです。
・憶 追憶・回憶と熱する字であるが、その思いは作者がこの詩を読む男性に向けての思いを云うのである。
・將【やしなう】 扶養の意。そだてること。
・蓮葉(れんよう)蓮は、芙蓉であり、その葉と花で性行為そのもをあらわし、恋の意が裏にふくまれている。また、蓮と恋とは同音である。
pla039

鴛鴦草 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-137-9-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2232


2013年4月16日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩桂之樹行 曹植 魏詩<68> 女性詩736 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2228
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩九辯 第三段(とおし) 宋玉  <00-#20>Ⅱもっとも影響を与えた詩文 649 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2229
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Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性鴛鴦草 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-137-9-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2232
 
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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

鴛鴦草 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-137-9-#2   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2232



薛濤は西川節度使が管轄する官妓であった。「韋皐から李德裕までの歴代十一人の節度使に仕えて、詩によって知遇を受けている。その間に元稹・白居易・牛僧孺・令狐楚・裴度・嚴綬・張籍・杜牧・劉禹錫等、凡そ二十人の名士とも詩を唱和したとされる。また薛濤が詠じた詩は、『稿簡贅筆』には「有詩五百首」とあるが、現存しているのは約九十首である。


鴛鴦草
綠英滿香砌,兩兩鴛鴦小。
鴛鴦草が緑の花を咲かせ、この部屋を出た叩きの外に一杯に咲かせています。ふたつ、ふたつ、鴛鴦が小さく並んで咲いているのです。
但娛春日長,不管秋風早。

春の日は次第に月日が進みます。日が長くなると行楽を愉しむのです。だから、日が早くて秋風が吹いてくる心配も少しも気にしないのです。

緑英 香砌【こうぜい】に満ち、両両 鴛鴦 小なり。
但だ 春日の長きを娯み、秋風の早きに 管せず。


『鴛鴦草』 現代語訳と訳註
(本文)
鴛鴦草
鴛鴦おしどり0022綠英滿香砌,兩兩鴛鴦小。
但娛春日長,不管秋風早。


(下し文)
緑英 香砌【こうぜい】に満ち、両両 鴛鴦 小なり。
但だ 春日の長きを娯み、秋風の早きに 管せず。


(現代語訳)
鴛鴦草が緑の花を咲かせ、この部屋を出た叩きの外に一杯に咲かせています。ふたつ、ふたつ、鴛鴦が小さく並んで咲いているのです。
春の日は次第に月日が進みます。日が長くなると行楽を愉しむのです。だから、日が早くて秋風が吹いてくる心配も少しも気にしないのです。


(訳注)
鴛鴦草
 花が対に咲いて、実も二つ並んでつくのを鴛鴦の仲のよさに例えている。江戸末期『重修本草綱目啓蒙』にみえる。「スヒスヒカズラ スイバナカズラ 木楊藤 過東藤 甜藤 老公鬚 左 絞藤 左紐 鴛鴦草 金銀花草 金銀藤 冬傷草 環児花 蜜啜花 左纒藤」あるいは吉祥文様の鴛鴦や御所車、色とりどりの花々がきらびやかな、蜀絹織の絢爛豪華な打掛をいう。真紅の掛下をあわせてきるものとされるものかもしれない。


綠英滿香砌,兩兩鴛鴦小。
鴛鴦草が緑の花を咲かせ、この部屋を出た叩きの外に一杯に咲かせています。ふたつ、ふたつ、鴛鴦が小さく並んで咲いているのです。
・綠英 英ははな。花のあと実がなるのを華といい、実のならないのを英という。青い花と思われる。
・香砌(こうぜい) 香は修飾的な詩的冠語。樹は、石または煉瓦のきざはし(階段)。室内から庭へおりるところにある段。砌は石または煉瓦のきざはしの段をいうが、部屋から庭に出るポーチの角。魚玄機も多く使う。女性らしい、細かい景色の描写の一つになる。『寄飛卿』「階砌亂蛩鳴,庭柯煙露清。」・『遣懷』「繞砌澄清沼,抽簪映細流。」・『期友人阻雨不至』「近泉鳴砌畔,遠浪漲江湄。」
・兩兩 二つずつ。
・鴛鴦 おしどり。


但娛春日長,不管秋風早。
春の日は次第に月日が進みます。日が長くなると行楽を愉しむのです。だから、日が早くて秋風が吹いてくる心配も少しも気にしないのです。
・不管(かんせず) 管はつかさどる、支配する。不管は、気にとめない。
・秋風 秋の風。花が萎れる、草が枯れることを意味する。
.早 「はやし」と読む。


井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227

薛濤 井梧吟 

2013年4月15日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集酬従弟謝蕙運 五首その(2) 謝霊運<45>西陵遇風獻康楽 その2 謝蕙運 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2226 (04/15)
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Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
 
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227

wakaba002


薛濤は西川節度使が管轄する官妓であった。「韋皐から李德裕までの歴代十一人の節度使に仕えて、詩によって知遇を受けている。その間に元稹・白居易・牛僧孺・令狐楚・裴度・嚴綬・張籍・杜牧・劉禹錫等、凡そ二十人の名士とも詩を唱和したとされる。また薛濤が詠じた詩は、『稿簡贅筆』には「有詩五百首」とあるが、現存しているのは約九十首である。




井梧吟
(井戸端の梧桐を吟ずる。)
庭除一古桐,聳干入雲中。
庭の外れに一本の古い桐の木がある。聳え立ち横にも広がり、まるで雲の中にはいるほどに感じる。
枝迎南北鳥,葉送往來風。

だからその枝には南から来たから鳥が集まってくる。そしてその葉は風が行ったり来たりしてその香を運んでくる。

井梧【せいご】の吟
庭に除して一の古桐あり,聳干して雲中に入る。
枝は南北の鳥を迎へ,葉は往來の風を送る。


『井梧吟』 現代語訳と訳註

bijo02(本文)
庭除一古桐,聳干入雲中。
枝迎南北鳥,葉送往來風。


(下し文)
井梧【せいご】の吟
庭に除して一の古桐あり,聳干して雲中に入る。
枝は南北の鳥を迎へ,葉は往來の風を送る。


(現代語訳)
庭の外れに一本の古い桐の木がある。聳え立ち横にも広がり、まるで雲の中にはいるほどに感じる。
だからその枝には南から来たから鳥が集まってくる。そしてその葉は風が行ったり来たりしてその香を運んでくる。


(訳注)
井梧吟
 井戸端の梧桐を吟ずる。
杜甫『宿府』
清秋幕府井梧寒,獨宿江城蠟炬殘。永夜角聲悲自語,中天月色好誰看?風塵荏苒音書絕,關塞蕭條行路難。己忍伶俜十年事,強移棲息一枝安。
梧桐は鳳凰の住むところを意味する。つまり仲睦まじい生活を連想させ、井戸端というのは、砧をうつ場所である。どちらも女性にとっての男性を思う大切な場所である。

庭除一古桐,聳干入雲中。
庭の外れに一本の古い桐の木がある。聳え立ち横にも広がり、まるで雲の中にはいるほどに感じる。
〇この詩は男女の性行為の別表現で、上品に連想させる。


枝迎南北鳥,葉送往來風。
だからその枝には南から来たから鳥が集まってくる。そしてその葉は風が行ったり来たりしてその香を運んでくる。





薛濤井について
唐代の女流詩人薛涛にちなんで清代のはじめに造られ、成都の南部を流れている錦江のほとりに位置している。
薛涛は西暦770年に成都で誕生し、この地で父をなくし、楽妓に身を落すことになりました。しかし、詩才に富んでいる彼女は数多くの名詩を残して唐代一の女流詩人と称えられました。晩年彼女が水を汲み、詩箋(しせん)を作ったといわれる井戸が公園内にあります。詩箋が美しく明代に皇帝への貢物ともなったことから「薛涛井」としての名も広まりました。
薛涛は生涯を通じて竹を愛し、竹を広く植えることで竹を敬う気持ちを表しました。彼女だけではなく、竹は昔から文人墨客が欠かしてはいけないものとして珍重されてきました。常緑植物として一年中生気に満ちていることから、中国では頑強なことのシンボルとなっています。常に天に向かい聳えたっているので、粘り強く向上心のあることに喩えられ、根がしっかりはっていることも自制心を持っている喩えとして賛美されています。
現在の望江楼は竹の公園として国内外の観光客を引き付けています。正門に入り、まず目に入るのは道の両側にびっしりと植え込まれている各種の竹です。130余りの種類があり、中国内で竹の品種の一番多い公園となっています。
公園の南西に立っている四層の建物が望江楼で、「崇麗閣」ともいいます。下の二層が四角、上の二層が八角の楼閣で、そりかえった屋根は実に優美さを感じさせています。

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