韓愈 《平淮西碑》#12 根強くて叛乱を克服することができないところがあって、益々守るために兵を派遣したのだ。そこでは男が耕作をしても食う物もなく、女が織物を生産しても袴にする布もないいわゆる「不毛の地」となっていた。
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平淮西碑 韓愈(韓退之) <163-#12>Ⅱ中唐詩755 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2759
#11
唐承天命,遂臣萬邦。
まず、唐王朝は天の命令を受けて、遂に万国を臣下としたのである。
孰居近土,襲盜以狂。
誰が近畿地方の土地に居て、襲い盗み、狂った行動をするものか。
往在玄宗,崇極而圮。
昔は玄宗皇帝の「開元の治」といわれるものの高く隆盛を極めてのち、崩れ乱れた。
河北悍驕,河南附起。
河北の地では猛く驕った者たちが叛き、河南はそれに追随して起こった。
四聖不宥,屢興師征。
その後の四聖帝はこれらをゆるさず、度々軍を強化し謀反・反乱を征伐されたのだ。
#12
有不能尅,益戍以兵。
根強くて叛乱を克服することができないところがあって、益々守るために兵を派遣したのだ。
夫耕不食,婦織不裳。
そこでは男が耕作をしても食う物もなく、女が織物を生産しても袴にする布もないいわゆる「不毛の地」となっていた。
輸之以車,為卒賜糧。
それらをすべて車で運び、守備の士卒のために食糧を賜った。
外多失朝,曠不嶽狩。
遠くの潘鎮、節度使たちの多くは入朝して臣下の礼を取ることをしなくなり、ここ久しく、天子の四岳の地方を巡狩されることがなかったのである。
百隸怠官,事亡其舊。
百官・官吏は官職に勤めず怠り、政事はその旧の形を亡ってしまった。
#11
唐天命を承けて、蓮に萬邦【ばんほう】を臣とす。
孰【たれ】か近土に居て、襲盗【しゅうとう】して以て狂する。
往在玄宗、崇極りて圮る。
河北悍驕【かんきょう】にして、河南附いて起る。
四聖【しせい】宥さず、屡【しばし】ば師を興して征す。
#12
克つ能はざること有り、益【ますま】す 戍るに兵を以てす。
夫 耕して食せず、婦 織りて裳あらず。
之を輸【いた】すに率を以てし、卒の島に糧を賜ふ。
外多くほ朝するを失し、味しく嶽狩【がくしゅ】せず。
百隷【ひゃくれい】官に怠りて、事其の善を亡ふ。
『平淮西碑』 現代語訳と訳註
(本文) #12
有不能尅,益戍以兵。
夫耕不食,婦織不裳。
輸之以車,為卒賜糧。
外多失朝,曠不嶽狩。
百隸怠官,事亡其舊。
(下し文) #12
克つ能はざること有り、益【ますま】す 戍るに兵を以てす。
夫 耕して食せず、婦 織りて裳あらず。
之を輸【いた】すに率を以てし、卒の島に糧を賜ふ。
外多くほ朝するを失し、味しく嶽狩【がくしゅ】せず。
百隷【ひゃくれい】官に怠りて、事其の善を亡ふ。
(現代語訳)
根強くて叛乱を克服することができないところがあって、益々守るために兵を派遣したのだ。
そこでは男が耕作をしても食う物もなく、女が織物を生産しても袴にする布もないいわゆる「不毛の地」となっていた。
それらをすべて車で運び、守備の士卒のために食糧を賜った。
遠くの潘鎮、節度使たちの多くは入朝して臣下の礼を取ることをしなくなり、ここ久しく、天子の四岳の地方を巡狩されることがなかったのである。
百官・官吏は官職に勤めず怠り、政事はその旧の形を亡ってしまった。
(訳注)#12
有不能尅,益戍以兵。
根強くて叛乱を克服することができないところがあって、益々守るために兵を派遣したのだ。
○尅 うちかつ。こくふくする
夫耕不食,婦織不裳。
そこでは男が耕作をしても食う物もなく、女が織物を生産しても袴にする布もないいわゆる「不毛の地」となっていた。
★重税、収奪をして、強兵制をしていた事を云う。
輸之以車,為卒賜糧。
それらをすべて車で運び、守備の士卒のために食糧を賜った。
外多失朝,曠不嶽狩。
遠くの潘鎮、節度使たちの多くは入朝して臣下の礼を取ることをしなくなり、ここ久しく、天子の四岳の地方を巡狩されることがなかったのである。
○外 外藩、国境に近い所の節度使
○失朝 入朝の礼を失う。
○瞞 むなしい、久しい意∪絶えて久しい。
○岳狩 古代の天子は四方に諸侯を巡り、その守る職を視察した、これを巡狩(守)という。四岳は四方の諸侯の長。
百隸怠官,事亡其舊。
百官・官吏は官職に勤めず怠り、政事はその旧の形を亡ってしまった。