韓愈詩-韓愈138 #2 韓愈 秋懷詩,十一首之九#2
青冥無依倚,飛轍危難安。驚起出戶視,倚楹久汍瀾。
憂愁費晷景,日月如跳丸。迷復不計遠,為君駐塵鞍。
月はもはや青冥の天上にかかっているが、元より倚るところなく、深夜の空に、月御の飛んで行く軌道は危うくて安定しないのであろうかということで、もしかしたら落ちたのかと思った次第だ。ともかく、驚き思わずすっと立ち上がり、扉を開けて外に出てみると、月は落ちていなかったが、入り口の大黒柱に寄りかかったままで、涙を長いあいだ汍瀾と流すのを禁じえなかったのである。そもそも吾一生は、憂愁の中にあって、年月を送っているが、日月は、人が何と言おうと頓着しないし、先の心配事もどうにかなろうと思うし、太陽と月は丸の回るように転がってゆくようなものである。そんなことで、桐の大きな葉がおちたのを月が落ちたの間違えたのであったが、たとえ迷ったとしても正しい道に復帰しょうとするならそれは遠いはるかな計画ではないのだ。そのためにはわたしは門下の君たちに馬鹿げたことに左右されることの無いように、心がけてゆかねばならないとしたところである。
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韓昌黎集01-20-#2 |
秋懷詩,十一首之九#2 |
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806年貞元22年 39歳-(10)#2 |
(10)#2 |
<1685> |
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韓愈詩-韓愈138 #1
年:806年貞元22年 39歳-(10)#1
卷別: 卷三三六 文體: 五言古詩
詩題: 秋懷詩,十一首之九
作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安)
及地點: 無
交遊人物/地點:
詩文:
秋懷詩,十一首之九#1
(悲愁の秋、自然の衰え行く中、悠々自適の生活は、一人寝て、覚めても読書をし、又臥せるもので、この生活はきっと長く続いていくことであろう)
霜風侵梧桐,眾葉著樹乾。
霜が降り秋風は冷たく、あれだけ茂っていた梧桐の木々を侵してくる、たくさんの葉は木にくっついたまま黄葉し、乾燥して枯れてきはじめる。
空階一片下,琤若摧琅玕。
やがて、紅葉した葉は、一片一片、空階に舞い落ちるが、そのおとは、ちりんと琅玕の玉があたってくだけて鳴る音が静寂の中では、まるで青々とした美しい竹を割裂くような響きに聞こえてくる。
謂是夜氣滅,望舒霣其團。
するとそのうちの落ちた大きな葉が、今までれり射していた月がその葉にさえぎられて、暗く見えてしまい、清昌成る夜の気配がなくなっているのであろうし、月の御者の女神がその團扇であった姿を大地に落としたのではないかと思われたのである。
#2
青冥無依倚,飛轍危難安。
月はもはや青冥の天上にかかっているが、元より倚るところなく、深夜の空に、月御の飛んで行く軌道は危うくて安定しないのであろうかということで、もしかしたら落ちたのかと思った次第だ。
驚起出戶視,倚楹久汍瀾。
ともかく、驚き思わずすっと立ち上がり、扉を開けて外に出てみると、月は落ちていなかったが、入り口の大黒柱に寄りかかったままで、涙を長いあいだ汍瀾と流すのを禁じえなかったのである。
憂愁費晷景,日月如跳丸。
そもそも吾一生は、憂愁の中にあって、年月を送っているが、日月は、人が何と言おうと頓着しないし、先の心配事もどうにかなろうと思うし、太陽と月は丸の回るように転がってゆくようなものである。
迷復不計遠,為君駐塵鞍。
そんなことで、桐の大きな葉がおちたのを月が落ちたの間違えたのであったが、たとえ迷ったとしても正しい道に復帰しょうとするならそれは遠いはるかな計画ではないのだ。そのためにはわたしは門下の君たちに馬鹿げたことに左右されることの無いように、心がけてゆかねばならないとしたところである。
(秋懷詩,十一首の九)#1
霜風【そうふう】梧桐【こどう】を侵【おか】し、衆葉 樹に著きて乾く。
空なる階【きざはし】に一片下り、琤【そう】として琅玕【りょうかん】を摧【くだ】くが若し。
謂【おも】えらく是れ夜気の滅えて、望舒【ぼうじょ】其の団を霣【お】とせるかと。
#2
青冥に依り倚ること無く、飛轍【ひてつ】危うして安んじ難かるらし。
驚き起きて戸を出でて視て、楹【えい】に倚りて久しく汍瀾【がんらん】たり。
憂愁 晷景【きけい】を費し、日月 跳丸【ちょうがん】の如し。
迷復【めいふく】遠きを計らず、君が爲に塵鞍【じんあん】を駐【とど】めむ。
『秋懷詩,十一首之九現代語訳と訳註解説
(本文)
#2
青冥無依倚,飛轍危難安。
驚起出戶視,倚楹久汍瀾。
憂愁費晷景,日月如跳丸。
迷復不計遠,為君駐塵鞍。
(下し文)
#2
青冥に依り倚ること無く、飛轍【ひてつ】危うして安んじ難かるらし。
驚き起きて戸を出でて視て、楹【えい】に倚りて久しく汍瀾【がんらん】たり。
憂愁 晷景【きけい】を費し、日月 跳丸【ちょうがん】の如し。
迷復【めいふく】遠きを計らず、君が爲に塵鞍【じんあん】を駐【とど】めむ。
(現代語訳)
#2
月はもはや青冥の天上にかかっているが、元より倚るところなく、深夜の空に、月御の飛んで行く軌道は危うくて安定しないのであろうかということで、もしかしたら落ちたのかと思った次第だ。
ともかく、驚き思わずすっと立ち上がり、扉を開けて外に出てみると、月は落ちていなかったが、入り口の大黒柱に寄りかかったままで、涙を長いあいだ汍瀾と流すのを禁じえなかったのである。
そもそも吾一生は、憂愁の中にあって、年月を送っているが、日月は、人が何と言おうと頓着しないし、先の心配事もどうにかなろうと思うし、太陽と月は丸の回るように転がってゆくようなものである。
そんなことで、桐の大きな葉がおちたのを月が落ちたの間違えたのであったが、たとえ迷ったとしても正しい道に復帰しょうとするならそれは遠いはるかな計画ではないのだ。そのためにはわたしは門下の君たちに馬鹿げたことに左右されることの無いように、心がけてゆかねばならないとしたところである。
(訳注) #2
秋懷詩,十一首之九#1
(悲愁の秋、自然の衰え行く中、悠々自適の生活は、一人寝て、覚めても読書をし、又臥せるもので、この生活はきっと長く続いていくことであろう)
《秋懷詩,十一首之八》「其言有感觸,使我複淒酸。」(其の言 感じ觸れしむる有りと,我をして複た淒酸たらしむ。)その詩の文句はわたしの心に感触をあたえ、わたしをまた傷み悲しませる苦い思いのものである。
とほぼ同義の詩である。
青冥無依倚,飛轍危難安。
月はもはや青冥の天上にかかっているが、元より倚るところなく、深夜の空に、月御の飛んで行く軌道は危うくて安定しないのであろうかということで、もしかしたら落ちたのかと思った次第だ。
152 青冥 深夜の青冥の天上青ぞら。
153 飛轍 空中を飛ぶ月の軌道。
驚起出戶視,倚楹久汍瀾。
ともかく、驚き思わずすっと立ち上がり、扉を開けて外に出てみると、月は落ちていなかったが、入り口の大黒柱に寄りかかったままで、涙を長いあいだ汍瀾と流すのを禁じえなかったのである。
154 楹 前の方の円い柱。
155 汍瀾 はらはら流すさま。
憂愁費晷景,日月如跳丸。
そもそも吾一生は、憂愁の中にあって、年月を送っているが、日月は、人が何と言おうと頓着しないし、先の心配事もどうにかなろうと思うし、太陽と月は丸の回るように転がってゆくようなものである。
156 晷景 晷は日光。景も光のこと。
157 跳丸 昔の曲芸の一首。お手玉のように丸いたままたは剣をかわるがわる投げるもののようである。《莊子·逍遙遊》「子獨不見狸. 狌乎?卑身而伏,以候敖者,東西跳梁,不辟高下,中於機. 辟,死於罔罟。。」タヌキやイタチは低く身を伏せ、のこのこ出てくる奴を待っている動物で、あちこちを飛び回り、高下にお構いなしのものですから、仕掛けにかかったりして、命を落とす。
迷複不計遠,為君駐塵鞍。
そんなことで、桐の大きな葉がおちたのを月が落ちたの間違えたのであったが、たとえ迷ったとしても正しい道に復帰しょうとするならそれは遠いはるかな計画ではないのだ。そのためにはわたしは門下の君たちに馬鹿げたことに左右されることの無いように、心がけてゆかねばならないとしたところである。
158 迷複不計遠「迷複」は、迷いながら正しい道にもどろうとすること。「周易」(易経)の復の卦のことば。「不計遠」も、同じく「周易」の復の卦の「碧らずして接す」1「不達復」をふんでいったもの。・迷複 迷いつつ正しきにかえる。『易経』復の卦の語。・不計遠 『易経』の同じ卦に「遠からずして復す」 の語がみえる。
159 為君駐塵鞍 塵世のもやくやの中における鞍、つまり、この世の時間の運行するということ、月の落ちるということから、時間の運行を止めることを連想したのでだろう。
・塵鞍 世の中のつまらないことを大げさに馬で行き来するようなバカげたこと。この時代朝廷内では改革派と守旧派の対立が日常的に行われ、その上一方では宦官が暗躍し、白居易の盟友元稹など謀の上、左遷されている。
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