「霜月」 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集 26

霜月
初聞征鴈己無蝉、百尺樓南水接天。
秋になってきた兵士は国境に向かう音、雁の群れが南の空に鳴きながら飛んでいるのが初めて聞かれた。既に蝉も抜け殻だけになっているこの街にも男がいなくなっている。百尺もの高い楼閣の上から、南の彼方を眺めると、清らかな湖の水は月夜の天空とで静かに交わっているのである。
青女素娥倶耐寒、月中霜裏闘嬋娟。

仙女の霜降らす青女と、月で一人さびしくしている精なる嫦娥たちが、寂しさと寒さに耐えている。楼の中では、月窓の中、霜のような絹かけ布団の中で、艶めかしく姿あでやかさでもってそれぞれ闘っている。


秋になってきた兵士は国境に向かう音、雁の群れが南の空に鳴きながら飛んでいるのが初めて聞かれた。既に蝉も抜け殻だけになっているこの街にも男がいなくなっている。百尺もの高い楼閣の上から、南の彼方を眺めると、清らかな湖の水は月夜の天空とで静かに交わっているのである。
仙女の霜降らす青女と、月で一人さびしくしている精なる嫦娥たちが、寂しさと寒さに耐えている。楼の中では、月窓の中、霜のような絹かけ布団の中で、艶めかしく姿あでやかさでもってそれぞれ闘っている


霜月
初めて征鴈を聞き己に蝉無し、百尺の樓の南 水 天に接す。
青女 素娥 供に寒きに耐え、月中霜裏 嬋娟を闘わす。



初聞征鴈己無蝉、百尺樓南水接天。
秋になってきた兵士は国境に向かう音、雁の群れが南の空に鳴きながら飛んでいるのが初めて聞かれた。既に蝉も抜け殻だけになっているこの街にも男がいなくなっている。百尺もの高い楼閣の上から、南の彼方を眺めると、清らかな湖の水は月夜の天空とで静かに交わっているのである。
霜月 霜降る夜の寒き月。月:女を詠う詩。


青女素娥倶耐寒、月中霜裏闘嬋娟。
仙女の霜降らす青女と、月で一人さびしくしている精なる嫦娥たちが、寂しさと寒さに耐えている。楼の中では、月窓の中、霜のような絹かけ布団の中で、艶めかしく姿あでやかさでもってそれぞれ闘っている。
青女 霜を降らす天女の名。漢の劉安の「淮南子」に 「秋三月、青女乃ち出で、以て霜雪を降らす。」とみえる。○素蛾 月ひめ常蛾のこと。夫の努の留守中、霊薬をぬすみ飲んで月中にのがれ、月の楕となった神話中の人物。常蛾の詩1. 道教の影響 2. 芸妓について 3. 李商隠 12 嫦娥 神話中の女性。神話の英雄、羿(がい)が西方極遠の地に存在する理想国西王母の国の仙女にお願いしてもらった不死の霊薬を、その妻の嫦娥がぬすみ飲み、急に身軽くなって月世界まで飛びあがり月姫となった。漢の劉安の「淮南子」覧冥訓に登場する。○嬋娟 艶めかしく姿あでやかなるさま。顔や容姿があでやかで美しい。魏の阮籍(210-263年)の詠懐詩に「秋月復た嬋娟たり。」とブログ阮籍 詠懐詩、白眼視 嵆康 幽憤詩