細雨(瀟洒傍廻汀)  李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集-78
詩型 五言律詩

細雨
瀟洒傍廻汀、依徴過短亭。
軽やかに岸辺の曲折に沿い、朝靄におぼろにぼやけて駅舎を通り過ぎていく細雨がある。
気涼先動竹、點細未開萍。
涼やかな気があり、まず竹を揺らし、小さなしずくは、浮草を開くこともない涼やかな細雨がある。
稍促高高燕、徴疏的的螢。
ちょっぴり慌てたのは空高く飛ぶ燕。わずかに数を減らしたのは、点滅するまばゆい蛍の光にかかる細雨がある。
故園煙草色、仍近五門青。

濡れそぼつふるさとの草の色、ここからほど近くの五門の青さと変わりのない色に染める細雨がある。


軽やかに岸辺の曲折に沿い、朝靄におぼろにぼやけて駅舎を通り過ぎていく細雨がある。
涼やかな気があり、まず竹を揺らし、小さなしずくは、浮草を開くこともない涼やかな細雨がある。
ちょっぴり慌てたのは空高く飛ぶ燕。わずかに数を減らしたのは、点滅するまばゆい蛍の光にかかる細雨がある。
濡れそぼつふるさとの草の色、ここからほど近くの五門の青さと変わりのない色に染める細雨がある。



細 雨
瀟洒として廻汀に傍い、依徴として短亭を過ぐ。
気涼しくして先に竹を動かし、点細くして末だ洋を開かず。
棺や促す 高高たる燕、微かに疎にす 的的たる蛍。
故園 煙草の色、仍お近し 五門の青。





瀟洒傍廻汀、依徴過短亭。
軽やかに岸辺の曲折に沿い、朝靄におぼろにぼやけて駅舎を通り過ぎていく細雨がある。
瀟洒 さっぱりとして俗気がない女性のことと雨が軽やかに降るさまを感じさせる。○汀 水辺が攣曲していることと女性の肢体を感じさせる。○依微 おぼろにぼやけている。韋応物「長安道」詩に「春雨依徴として春尚お早く、長安の貴遊 芳草を愛す」。においても女性かからんでいる。○短亭 街道には五里ごとに「短亭」、十里ごとに「長亭」という休憩所が設けられていた。
春明門を出て㶚水橋のたもとに駅舎があったそこは別れの旅籠があり、娼妓がいた。
灞陵行送別  李白
送君灞陵亭。 灞水流浩浩。
上有無花之古樹。 下有傷心之春草。
我向秦人問路歧。 云是王粲南登之古道。
古道連綿走西京。 紫闕落日浮云生。
正當今夕斷腸處。 驪歌愁絕不忍聽。
李白「灞陵行送別」の訳註に詳しく述べている。参照

灞陵行送別 李白:Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 139


気涼先動竹、點細未開萍。
涼やかな気があり、まず竹を揺らし、小さなしずくは、浮草を開くこともない涼やかな細雨がある。
気涼 雨が降り出す前に風が竹林を動かし、涼気が生じるのをいう。○点細 雨滴の玉が小さいのをいう。男女の情愛をイメージする。



稍促高高燕、徴疏的的螢。
ちょっぴり慌てたのは空高く飛ぶ燕。わずかに数を減らしたのは、点滅するまばゆい蛍の光にかかる細雨がある。
稍促 稍は稲の末端。ややすくない。促は促す。短くなる。切迫する○高高 いやがとにも高い。『詩経』周頒・敬之に「高高として上に在りと廿うこと無かれ」。○徴疏 わずかにうとくなる。○的的 光が点滅するさま。男女の情愛をイメージする。



故園煙草色、仍近五門青
濡れそぼつふるさとの草の色、ここからほど近くの五門の青さと変わりのない色に染める細雨がある。
○故園 故郷。○煙草 靄にけむる草。春の草、情交によるうっすらとした肌のうるおい。〇五門 青は東の門、春明門を指す。男女の出会いと別れを示す。

五行
五色(緑)玄(黒)
五方西
五時土用
五節句人日上巳端午七夕重陽


 

○・押韻  汀・亭・萍・蛍・青。