燕臺詩四首 其四 冬#2 李商隠135 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 134-#2


其四 冬 #1
天東日出天西下,雌鳳孤飛女龍寡。
青溪白石不相望,堂上遠甚蒼梧野。
凍壁霜華交隱起,芳根中斷香心死。
浪乘畫舸憶蟾蜍,月娥未必嬋娟子。』
#2
楚管蠻弦愁一概,空城罷舞腰支在。
宮廷では楚の曲や指南地方の少数民族の曲も演奏される、どちらも同じように憂愁を催す。滅亡した王朝の城郭には誰もいない、楽曲に合わせて舞踊もされたものだ、それも妖艶な腰の体つきで舞い姿をみせたのだ。
當時歡向掌中銷,桃葉桃根雙姊妹。」
あの頃の歓びというものは王の趣向に迎合して、この掌中で消えていくか細さを求め餓死者さえ出たのだ。あまたの王、富貴が姉妹を妾家として迎えた、あの王獻之の妾家に「桃葉復た桃葉、桃樹は桃根に連なる」といって桃葉・桃根姉妹と同時に歓びを求めた。
破鬟倭墮淩朝寒,白玉燕釵黃金蟬。
経験のない娘に無理矢理迫ったのだろう、その娘の髪は乱れ、矮墮の髪型のままが朝の寒さに耐えている、白玉の燕のかんざし、黄金の蝉の髪飾りをつけて精一杯のおめかしをしてきたのだろう。
風車雨馬不持去,蠟燭啼紅怨天曙。』

年を取ってきたり、ほかの女に気が移ると風の車も雨の車馬でさえもだれも運んでくれることはなくなるのだ。蝋燭は赤い涙を流し、声出して啼いても、明けてゆく大空への怨みを抱くだけなのだ。
右冬


○押韻 下,寡。野。野。子。/概,在。妹。/寒,蟬。/去,曙。


其の四 冬
天の東に日出でて 天の西に下る、雌鳳(しほう)は孤り飛び 女龍(じょりょう)は寡なり。
青渓と白石と相い望まず、堂中遠きこと 蒼梧(そうご)の野より甚だし。
凍壁の霜華(そうか) 交(こも)ごも隠起す、芳根(ほうこん)は中断し香心は死す。
浪乗(ろうじょう)す 画舸(がか)にりて蟾蜍(せんじょ)を憶う、月蛾末だ必ずしも嬋娟(せんけん)子ならず。

楚管(そかん) 蛮絃(ばんげん) 愁いは一概、空域 舞いを罷(や)めて腰支(ようし)在り。
当時の歓びは掌中に銷ゆ、桃葉(とうよう) 桃根(とうこん) 双姉妹。
破鬟(はかん)の倭墮(わだ)朝寒を淩(しの)ぐ,白玉の燕釵(えんさ)黃金の蟬。
風車雨馬 持ち去らず,蠟燭(ろうしょく) 啼紅(ていこう) 天の曙くる を 怨む。』


燕臺詩四首 其四 冬#2 現代語訳と訳註
(本文) 其四 冬

楚管蠻弦愁一概,空城罷舞腰支在。
當時歡向掌中銷,桃葉桃根雙姊妹。
破鬟矮墮淩朝寒,白玉燕釵黃金蟬。
風車雨馬不持去,蠟燭啼紅怨天曙。』


(下し文)
楚管(そかん) 蛮絃(ばんげん) 愁いは一概、空域 舞いを罷(や)めて腰支(ようし)在り。
当時の歓びは掌中に銷ゆ、桃葉(とうよう) 桃根(とうこん) 双姉妹。
破鬟(はかん)の矮墮(わだ)朝寒を淩(しの)ぐ,白玉の燕釵(えんさ)黃金の蟬。
風車雨馬 持ち去らず,蠟燭(ろうしょく) 啼紅(ていこう) 天の曙くる を 怨む。』
右 冬のうた


(現代語訳)
宮廷では楚の曲や指南地方の少数民族の曲も演奏される、どちらも同じように憂愁を催す。滅亡した王朝の城郭には誰もいない、楽曲に合わせて舞踊もされたものだ、それも妖艶な腰の体つきで舞い姿をみせたのだ。
あの頃の歓びというものは王の趣向に迎合して、この掌中で消えていくか細さを求め餓死者さえ出たのだ。あまたの王、富貴が姉妹を妾家として迎えた、あの王獻之の妾家に「桃葉復た桃葉、桃樹は桃根に連なる」といって桃葉・桃根姉妹と同時に歓びを求めた。
経験のない娘に無理矢理迫ったのだろう、その娘の髪は乱れ、矮墮の髪型のままが朝の寒さに耐えている、白玉の燕のかんざし、黄金の蝉の髪飾りをつけて精一杯のおめかしをしてきたのだろう。
年を取ってきたり、ほかの女に気が移ると風の車も雨の車馬でさえもだれも運んでくれることはなくなるのだ。蝋燭は赤い涙を流し、声出して啼いても、明けてゆく大空への怨みを抱くだけなのだ。


(訳注)
楚管蠻弦愁一概,空城罷舞腰支在。

宮廷では楚の曲や指南地方の少数民族の曲も演奏される、どちらも同じように憂愁を催す。滅亡した王朝の城郭には誰もいない、楽曲に合わせて舞踊もされたものだ、それも妖艶な腰の体つきで舞い姿をみせたのだ。
楚管 楚の国の哀愁を帯びる管楽器。○蠻弦 蛮絃:指南地方の少数民族の弦楽器。憂愁を催す。

河内詩二首 其一150- 126

桂林 李商隠 :anbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集 42 

潭州 李商隠 :紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集 41

空城 滅亡した王朝の城郭には誰もいないさま。○罷舞 舞踏はもう過去のこととなった。○腰支在 妖艶な腰の体つきで舞い姿をみせた。「宮妓」詩に「披香新殿に腰支を闘わす」というように、踊り子の動きの際立つ部位。薄絹をつけて舞う宮廷での踊りは、頽廃的に性欲に訴えるものであった。


當時歡向掌中銷,桃葉桃根雙姊妹。
あの頃の歓びというものは王の趣向に迎合して、この掌中で消えていくか細さを求め餓死者さえ出たのだ。あまたの王、富貴が姉妹を妾家として迎えた、あの王獻之の妾家に「桃葉復た桃葉、桃樹は桃根に連なる」といって桃葉・桃根姉妹と同時に歓びを求めた。
○歡向 漢・成帝の寵愛を受けた趙飛燕は体が軽く、「掌上に舞う」ことができたという(『自民六帖』など)。また梁の羊侃の妓女張浄琬は腰周りがわずか一尺六寸(四十cm弱)、「掌中の舞い」ができたという(『梁書』羊侃伝)。○桃葉桃根 桃葉は東晋・王献之の愛人。「桃葉歌二首」其二「桃葉復た桃葉、桃樹は桃根に連なる。相憐れむは兩楽事なるに、獨我をして慇懃ならしむ」(『王台新詠』巻十)。そこから後人が桃菓・桃根を姉妹とする附会の説が生まれたと漏浩はいう。『土花漠漠として頽垣を囲み、中にあり桃葉桃根の魂、夜深く踏むことあまねし階下の月、憐れなり羅襪の終に痕なきを。』
「楚王細腰を好み朝に餓人有り」
 お上の好む所に下の者が迎合するたとえで、そのために弊害が生じやすいこと。春秋時代に、楚王が腰の細い美女を好んだので、迎合する官僚、宮女たちは痩せようとして食事をとらなくなり、餓死する者が多く出たという話から。「楚王細腰を好みて宮中餓死多し」ともいう。なお、楚王については、荘王とする説と霊王とする説がある。


破鬟矮墮淩朝寒,白玉燕釵黃金蟬。
経験のない娘に無理矢理迫ったのだろう、その娘の髪は乱れ、矮墮の髪型のままが朝の寒さに耐えている、白玉の燕のかんざし、黄金の蝉の髪飾りをつけて精一杯のおめかしをしてきたのだろう。
矮墮 女性の髪型。楽府「陌上桑」に羅敷の美しさを述べて、「頭上には倭堕の髻、耳中には明月の珠」。「破贅」はそれが乱れていることをいう。悲愁のために憔悴した女性の姿を描く。○白玉 白玉の燕のかんざしのこと。燕釵:「釵頭雙白燕」。
聖女詞 
松篁臺殿蕙香幃、龍護瑤窗鳳掩扉。
無質易迷三里霧、不寒長著五銖衣。
人閒定有崔羅什、天上應無劉武威。
寄問釵頭雙白燕、毎朝珠館幾時歸。
 髪飾り。この二句は聖女詞のイメージそのままである。


風車雨馬不持去,蠟燭啼紅怨天曙。』
女が年を取ってきた、ほかの女に気が移ると風の車も雨の車馬でさえもだれも運んでくれることがなくなるのだ。寵愛を失ったもの、評価をされないもの、蝋燭は赤い涙を流し、声出して啼いても、明けてゆく大空への怨みを抱くだけなのだ。
風車雨馬 風雨が車馬となって彼女を運んではくれない。西晋・博玄「擬北楽府三首」『燕人美篇』(『王台新詠』巻九)「燕人美兮趙女佳,其室則邇兮限層崖。 云爲車兮風爲馬,玉在山兮蘭在野。 云無期兮風有止,思心多端兮誰能理。」(燕人は美なり。其室は近きも雲は車と為り風は馬と為る。) ○蠟燭啼紅 赤い蝋燭が血のような赤い涙を垂れる。じ白居易「夜宴惜別」詩に「燭暗きて紅涙 誰が為にか流す」。


○詩型 七言古詩。
○押韻 下,寡。野。野。子。/概,在。妹。/寒,蟬。/去,曙。


国王の趣向というものが国を滅ぼした。それは、王朝貴族がお上の好む所に下の者が迎合することにある。そのために弊害が生じやすいこと。春秋の楚王が腰の細い美女を好んだので、迎合する官僚、宮女たちは痩せようとし、周りも食事をとらせなかった。餓死する者まで多く出したという。「楚王細腰を好みて宮中餓死多し」ともいうことだ。これに王朝内で、宦官の働きが問題になることが多くあった。
網の目のように情報を集め、美女をかき集めてくるのだ。美人であれば、姉妹ごと天子のもとに送られた。生娘から十数年の間の栄華に一族揚げて送り出したのだ。李商隠は、宮女、妓女のこうした運命と自分を重ねて表現したのだ。



其四 冬 #1
天東日出天西下,雌鳳孤飛女龍寡。
青溪白石不相望,堂上遠甚蒼梧野。
凍壁霜華交隱起,芳根中斷香心死。
浪乘畫舸憶蟾蜍,月娥未必嬋娟子。』
#2
楚管蠻弦愁一概,空城罷舞腰支在。
當時歡向掌中銷,桃葉桃根雙姊妹。」
破鬟倭墮淩朝寒,白玉燕釵黃金蟬。
風車雨馬不持去,蠟燭啼紅怨天曙。』
右冬

○押韻 下,寡。野。野。子。/概,在。妹。/寒,蟬。/去,曙。


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