唐宋詩198 Ⅶ孟郊(孟東野)紀頌之の漢詩ブログ 孟郊の交遊の詩(5)「審交」


審交 孟郊
種樹須擇地,惡土變木根。
樹を植えるには土地を選ぶことが必要なことだ。悪い土地は木の成長をだめにする根を変化させるのだ。
結交若失人,中道生謗言。
人が交際をするということは、たとえば人が自分から離れていくことがある、その人から悪口を言われ、世間で風評となることがあるのだ。
君子芳桂性,春榮冬更繁。
君子のもっている性は匂いのよい桂のようなものであり、春にさかんに香るのは当然で、冬になってもますます生い繁るというものだ。
小人槿花心,朝在夕不存。
小人というものは、その心は木槿の花のようであり、朝咲いて夕方にはしぼんでなくなっている。
莫躡冬冰堅,中有潛浪翻。
冬の氷が堅くなるものであるがうっかり踏んではならないのだ。表面では固くても中ではゆるやかで波が翻っているのだ。
唯當金石交,可以賢達論。

ただ、だれも思うことは、金石のような変わらぬ交際のためには、その賢達についての人物について論ずるべきなのである。

交わりを審(つまびら)かにす
樹を種うるは須らく地を択ぶべし、悪土は木根を変ず。
交はりを結んで若し人を失へば、中道にて謗言を生ず。
君子は芳桂の性、春栄え 冬更に繁る。
小人は槿花の心、朝在るも 夕べは存せず。
躡(ふ)む莫かれ 冬冰の堅きを、中に潜浪の翻る有り。
唯だ金石の交わりに当たっては、賢達の論を以てすべし。
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審交 現代語訳と訳註
(本文)

種樹須擇地,惡土變木根。
結交若失人,中道生謗言。
君子芳桂性,春榮冬更繁。
小人槿花心,朝在夕不存。
莫躡冬冰堅,中有潛浪翻。
唯當金石交,可以賢達論。

(下し文) 交わりを審かにす
樹を種うるは須らく地を択ぶべし、悪土は木根を変ず。
交はりを結んで若し人を失へば、中道にて謗言を生ず。
君子は芳桂の性、春栄え 冬更に繁る。
小人は槿花の心、朝在るも 夕べは存せず。
躡(ふ)む莫かれ 冬冰の堅きを、中に潜浪の翻る有り。
唯だ金石の交はりに当たっては、賢達の論を以てすべし。

(現代語訳)
樹を植えるには土地を選ぶことが必要なことだ。悪い土地は木の成長をだめにする根を変化させるのだ。
人が交際をするということは、たとえば人が自分から離れていくことがある、その人から悪口を言われ、世間で風評となることがあるのだ。
君子のもっている性は匂いのよい桂のようなものであり、春にさかんに香るのは当然で、冬になってもますます生い繁るというものだ。
小人というものは、その心は木槿の花のようであり、朝咲いて夕方にはしぼんでなくなっている。
冬の氷が堅くなるものであるがうっかり踏んではならないのだ。表面では固くても中ではゆるやかで波が翻っているのだ。
ただ、だれも思うことは、金石のような変わらぬ交際のためには、その賢達についての人物について論ずるべきなのである。


(訳注)
種樹須擇地,惡土變木根。

(樹を種うるは須らく地を択ぶべし、悪土は木根を変ず。)
樹を植えるには土地を選ぶことが必要なことだ。悪い土地は木の成長をだめにする根を変化させるのだ。
種樹 友という樹を植えるならということだが、朋の存在するグループということである。○悪土 利害関係を指す。友人グループの全体の持っている成り立ち、派閥の性格などをいう。


結交若失人,中道生謗言。
(交わりを結んで若し人を失へば、中道にて謗言を生ず。)
人が交際をするということは、たとえば人が自分から離れていくことがある、その人から悪口を言われ、世間で風評となることがあるのだ。
中道 世間で言われること。世間で風評となること。
失人 この時代の人を失うとは、グループの離脱を意味するもので、何らかの力が働くか、誤解の上でこじれてグループを離脱することであるため、誹謗中傷につながる。○謗言 誹謗 (ひぼう) する言葉。悪口。


君子芳桂性,春榮冬更繁。
(君子は芳桂の性、春栄え 冬更に繁る。)
君子のもっている性は匂いのよい桂のようなものであり、春にさかんに香るのは当然で、冬になってもますます生い繁るというものだ。
君子 儒教の君子という意味もあるが、グループ内でのよきリーダーということもいえるのではなかろうか。孟郊は青春を受験で過ごしており、詩や、世界観が極端に狭いので、孟郊の使う語句には奥行、味わい深さというものが全くない。


小人槿花心,朝在夕不存。
(小人は槿花の心、朝在るも 夕べは存せず。)
小人というものは、その心は木槿の花のようであり、朝咲いて夕方にはしぼんでなくなっている。
槿花 むくげの花が朝咲いて、夕暮れには散ることからいう。 ・「槿花」はむくげの花。はかないたとえ。また、「小人、槿花の心」(つまらない人の心はむくげの花のように移ろいやすい)などといって、人の心は変わりやすいことのたとえ。


莫躡冬冰堅,中有潛浪翻。
(躡(ふ)む莫かれ 冬冰の堅きを、中に潜浪の翻る有り。)
冬の氷が堅くなるものであるがうっかり踏んではならないのだ。表面では固くても中ではゆるやかで波が翻っているのだ。
冰堅 氷の結晶をいうのであるが、いろんなグループからの誘いを示すもの。孟郊の詩は遇言詩である。この場合も過去の苦い経験からグループを検討することを示すもの。


唯當金石交,可以賢達論。
(唯だ金石の交はりに当たっては、賢達の論を以てすべし。)
ただ、だれも思うことは、金石のような変わらぬ交際のためには、その賢達についての人物について論ずるべきなのである。
賢達 賢者の尊敬語。グループ内の賢者の人物、そのなかで尊敬でき得る人物であるから、立派な尊敬できるリーダーということ。

 朝開いていた花が夕方にはしぼんで亡くなっているような友人ではどうしようもない。年中緑の葉を留めている松であっても、その地が悪い土地に変化していけばやがて枯れることになる。
 友はグループ全体を見なければいけない、そして、賢者の中で最も尊敬できる人との論議を重ねていくことが人生にとって良いことなのだと説いている。
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