唐宋詩203 Ⅶ孟郊(孟東野)紀頌之の漢詩ブログ 「古別離」孟郊(8)


古別離
欲別牽郞衣,郞今到何處。
男が出かけようとするとき、男の着物を引っ張っている。そして言うことは、あなたは、今どこへ行こうとしているのですか。
不恨歸來遲,莫向臨邛去。

あなたが帰るのが遅くなっても恨めしくは思ったりはしないけど。あの駆け落ちをしたという臨邛(りんきょう)の様なことだけはしてくれるな。

別れんと欲して 郞が衣を 牽く,郞 今は 何(いづ)れの 處にか 到る。
歸來の 遲きを 恨みず,臨邛(りんきょう)に 向かって去ること莫(な)かれ。


kairo10680



 現代語訳と訳註
(本文)
欲別牽郞衣,郞今到何處。
不恨歸來遲,莫向臨邛去。

(下し文)
別れんと欲して 郞が衣を 牽く,郞 今は 何(いづ)れの 處にか 到る。
歸來の 遲きを 恨みず,臨邛(りんきょう)に 向かって去ること莫(な)かれ。


(現代語訳)
男が出かけようとするとき、男の着物を引っ張っている。そして言うことは、あなたは、今どこへ行こうとしているのですか。
あなたが帰るのが遅くなっても恨めしくは思ったりはしないけど。あの駆け落ちをしたという臨邛(りんきょう)の様なことだけはしてくれるな。 
 
 (訳注)
古別離
楽府題。『楚辭』『招隱士』招辞の一種。
王孫遊兮不歸,春草生兮萋萋。
歳暮兮不自聊,蛄鳴兮啾啾。
『楚辭』のこの詩では、王孫とは屈原のことになる。王孫が帰ってくるのかどうかの女性の悩み。


欲別牽郎衣 郎今到何処
別れんと欲して 郞が衣を 牽く,郞 今は 何(いづ)れの 處にか 到る。

男が出かけようとするとき、男の着物を引っ張っている。そして言うことは、あなたは、今どこへ行こうとしているのですか。
欲別 夫の出発に際して。別れようとする。 ○ 引っ張る。 ○郎 男性の衣服。○ 主人。夫。男性を謂う。 ○ …に。…に到る。 ○何處 どこ。 


不恨帰来遅 莫向臨邛去
歸來の 遲きを 恨まず,臨邛(りんきょう)に 向かって去ること莫(な)かれ。
あなたが帰るのが遅くなっても恨めしくは思ったりはしないけど。あの駆け落ちをしたという臨邛(りんきょう)の様なことだけはしてくれるな。 
不恨 恨めしくは思わない。この語を伝統的に「恨みず」と訓ずる。「恨む」は国文法、他動詞・マ行上二段活用未然形「恨み」なので、「恨みず」。近世以降、四段化で、「恨まず」。 ○歸來 帰ってくる。もどる。 ○ 〔ち〕おそくなる。おくれる。のろい。ゆっくり。ぐずぐずする。⇔「速」。なお、「晩」〔ばん〕(時期的に)おそい。暮れる。後になる。○莫向 …にするな。 ○臨邛 〔りんきょう〕司馬相如が卓文君と恋に落ちて駆け落ちを始めたところ。男を惑わす女の居る所の意で使う。臨邛は、秦の時代に置かれた県名。現・四川省邛耒県。 ○ 行く。去る。

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孟郊 中唐の詩人。字は東野。751年(天寶十年)~814年(元和九年)。韓愈の哲学グループ。
韓 愈 孟郊に仕事の世話をよくしてやった。768年(大暦3年) - 824年(長慶4年)
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女性の口を借りて、詠っているのであるが、儒教者の発想そのものである。風流なものを求めるわけではないが、司馬相如の故事のとらえ方が一般的でない。臨邛という語、駆け落ちであるとか、女性との遊びということに限定して詩にしている。詩に奥深さがないのは儒教者の特徴である。逆に、下手なおやじギャグを見るようなのであるが、そこがとても好感を持てる詩というものである。

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