此日足可惜贈張籍 唐宋詩-209Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-10-#3


此日足可惜贈張籍(愈時在徐籍往謁之辭去作是詩以送)((此の日惜しむ可きに足る 張籍に贈る 韓愈)
門人の張籍も無事で、訪ねて来てくれた。韓愈もようやく心の落ち着きを取りもどしたらしい。張籍の去るにあたって、彼は次の詩を贈った。
長い詩であるが、汴州の乱について韓愈の抱いた思いと彼の行動がよくみえる。またこのころには、愈の周囲に孟郊・張籍・李翺・ (賈島)などの人々が集まり、韓門が形成されていたようだ。

この頃の韓愈、孟郊、張籍の年譜。
796年 董晋の招きで宣武軍節度使の幕府に入る。
797年 病気のため一時求職。
    孟郊が来る。
798年 同所で進士科の予備試験員。
    張籍、この試験合格者の中に有る。
799年 汴州の乱
    徐州武寧軍節度使 張建封の幕府に入る。
    韓愈、命受けて長安へ。孟郊、呉、越を遊覧。


韓愈の地図00


此日足可惜,此酒不足嚐。舍酒去相語,共分一日光。
念昔未知子,孟君自南方。自矜有所得,言子有文章。
我名屬相府,欲往不得行。」1
思之不可見,百端在中腸。維時月魄死,冬日朝在房。
驅馳公事退,聞子適及城。命車載之至,引坐於中堂。
開懷聽其說,往往副所望。」2

孔丘殁已遠,仁義路久荒。
孔子が死んでからもはや長い年月がたっている、仁徳・正義の道は頽廃し、荒れはてて久しい。
紛紛百家起,詭怪相披猖。
集住戦国時代、諸子百家が紛々として起こり、儒家からすると不思議で、奇怪な説が世に横行してきた。
長老守所聞,後生習爲常。
仁義を学んできた長老たちは伝統的な説を守っているのだが、最近の若い連中は慣れを重ねてしまって、それが当然のことと思うようになっている。
少知誠難得,純粹古已亡。
若いのに誠実な思想、説を認知している人は得がたいもの、ひとすじに道を守る純粋さは遠い昔になくなってしまったものだ。
譬彼植園木,有根易爲長。」
3
少し離れたあの畑に植える木にたとえてみた、根がしっかり張って居れば大木に 育ちやすいというものだ。

留之不遣去,館置城西旁。歲時未雲幾,浩浩觀湖江。
眾夫指之笑,謂我知不明。兒童畏雷電,魚鱉驚夜光。

留之不遣去,館置城西旁。歲時未雲幾,浩浩觀湖江。
眾夫指之笑,謂我知不明。兒童畏雷電,魚鱉驚夜光。
州家擧進士,選試繆所當。」4
馳辭對我策,章句何煒煌。相公朝服立,工席歌鹿鳴。
禮終樂亦闋,相拜送於庭。之子去須臾,赫赫流盛名。
竊喜複竊歎,諒知有所成。」5
人事安可恒,奄忽令我傷。聞子高第日,正從相公喪。
哀情逢吉語,惝恍難爲雙。暮宿偃師西,徒展轉在床。
夜聞汴州亂,繞壁行彷徨。」6
我時留妻子,倉卒不及將。相見不複期,零落甘所丁。
驕兒未絕乳,念之不能忘。忽如在我所,耳若聞啼聲。
中途安得返,一日不可更。」7
俄有東來說,我家免罹殃。乘船下汴水,東去趨彭城。
從喪朝至洛,還走不及停。假道經盟津,出入行澗岡。
日西入軍門,羸馬顛且僵。」8
主人願少留,延入陳壺觴。卑賤不敢辭,忽忽心如狂。
飲食豈知味,絲竹徒轟轟。平明脱身去,決若驚鳧翔。
黄昏次汜水,欲過無舟航。」9
號呼久乃至,夜濟十里黄。中流上灘潬,沙水不可詳。
驚波暗合遝,星宿爭翻芒。轅馬蹢躅鳴,左右泣僕童。
甲午憩時門,臨泉窺鬥龍。」10
東南出陳許,陂澤平茫茫。道邊草木花,紅紫相低昂。
百里不逢人,角角雄雉鳴。行行二月暮,乃及徐南疆。
下馬步堤岸,上船拜吾兄。」11
誰雲經艱難,百口無夭殤。僕射南陽公,宅我睢水陽。
篋中有馀衣,盎中有馀糧。閉門讀書史,窗戶忽已涼。
日念子來游,子豈知我情。」12
别離未爲久,辛苦多所經。對食每不飽,共言無倦聽。
連延三十日,晨坐達五更。我友二三子,宦游在西京。
東野窺禹穴,李翱觀濤江。」13
蕭條千萬里,會合安可逢。淮之水舒舒,楚山直叢叢。
子又舍我去,我懷焉所窮。男兒不再壯,百歲如風狂。
高爵尚可求,無爲守一鄉。」14

kairo10680

現代語訳と訳註
(本文)
#3
孔丘殁已遠,仁義路久荒。
紛紛百家起,詭怪相披猖。
長老守所聞,後生習爲常。
少知誠難得,純粹古已亡。
譬彼植園木,有根易爲長。」


(下し文)
孔丘ざん歿して己に遠く、仁義の路久しく荒(すさ)む。
紛粉として百家起こり、詭怪(きかい) 相 披猖(ひしょう)す。
長老は聞く所を守るも、後生は習いて常と為す。
少くして知るは誠に得難く、純粋なるは古え己に亡し。
彼の園に植うる木に譬うれば、根有るは長きに為り易し。


(現代語訳)
孔子が死んでからもはや長い年月がたっている、仁徳・正義の道は頽廃し、荒れはてて久しい。
集住戦国時代、諸子百家が紛々として起こり、儒家からすると不思議で、奇怪な説が世に横行してきた。
仁義を学んできた長老たちは伝統的な説を守っているのだが、最近の若い連中は慣れを重ねてしまって、それが当然のことと思うようになっている。
若いのに誠実な思想、説を認知している人は得がたいもの、ひとすじに道を守る純粋さは遠い昔になくなってしまったものだ。
少し離れたあの畑に植える木にたとえてみた、根がしっかり張って居れば大木に 育ちやすいというものだ。


(訳注)
孔丘殁已遠,仁義路久荒。

孔丘歿して己に遠く、仁義の路久しく荒(すさ)む。
孔子が死んでからもはや長い年月がたっている、仁徳・正義の道は頽廃し、荒れはてて久しい。
孔丘 実力主義が横行し身分制秩序が解体されつつあった周末、魯国に生まれ、周初への復古を理想として身分制秩序の再編と仁道政治を掲げた孔子のこと。


紛紛百家起,詭怪相披猖。
紛粉として百家起こり、詭怪(きかい) 相 披猖(ひしょう)す。
集住戦国時代、諸子百家が紛々として起こり、儒家からすると不思議で、奇怪な説が世に横行してきた。
○諸子百家(しょしひゃっか)とは、中国の春秋戦国時代に現れた学者・学派の総称。「諸子」は孔子、老子、荘子、墨子、孟子、荀子などの人物を指す。「百家」は儒家、道家、墨家、名家、法家などの学派。○・詭怪〔名〕(形動) 怪しいこと。不思議なこと。また、そのさま。


長老守所聞,後生習爲常。
長老は聞く所を守るも、後生は習いて常と為す。
仁義を学んできた長老たちは伝統的な説を守っているのだが、最近の若い連中は慣れを重ねてしまって、それが当然のことと思うようになっている。


少知誠難得,純粹古已亡。
少くして知るは誠に得難く、純粋なるは古え己に亡し。
若いのに誠実な思想、説を認知している人は得がたいもの、ひとすじに道を守る純粋さは遠い昔になくなってしまったものだ。


譬彼植園木,有根易爲長。」3
彼の園に植うる木に譬うれば、根有るは長きに為り易し。
少し離れたあの畑に植える木にたとえてみた、根がしっかり張って居れば大木に 育ちやすいというものだ。

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