Ⅶ孟郊(孟東野) 罪松 #2 <20>紀頌之の漢詩ブログ 中唐詩244


<賢者の処罰>
青々と茂る松は、冬の寒さにも枯れない。その姿は、逆境にも屈しない固い節操や、高潔な人格にたとえられる。陶淵明「飲酒二十首」其八(『陶淵明集』巻三)の冒頭でも、「青松在東園、衆草没其姿。凝霜殄異類、卓然見高枝」、青い松は庭の雑草に隠れているけれども、霜がほかの草木を枯らすと、ひときわ高くそびえているのが分かる、と松の姿を讃えている。ところが、孟郊は、そのような松の姿を非難する、「罪松」(巻二)と題する詩を書いている。

五十歳にしてやっと及第し、溧陽県尉というに低位にすぎない官職についたわけで、他の詩人と異なる最も大きいポイントが世界観の小ささだ。知能の発育、社会生活の中での自分形成、どこをとってもいびつなものである。視点は面白いのだが雰囲気が陰気である。


罪松 孟郊
  雖爲青松姿,霜風何所宜。
  二月天下樹,綠於青松枝。
  勿謂賢者喻,勿謂愚者規。
  伊呂代封爵,夷齊終身饑。
  彼曲既在斯,我正實在茲。」
 涇流合渭流,清濁各自持。
涇水の流れは、黄土を流して南流して、西から清く澄みきった水をたたえて東流する渭水の流れに合流する。清濁各々自らの特徴をもっている。
 天令設四時,榮衰有常期。
そして、天はこの世に年、月、日それぞれに四時を設けさだめられ、栄えたのち衰えることという決まりごとのように時期は来るものである。
 榮合隨時榮,衰合隨時衰。
繁栄するには法則に合致している時勢に従って繁栄するのであり、衰退するのはそれも衰退する時勢法則に合致し随っているのである。
  天令既不從,甚不敬天時。
青松は天の定めた法則に既に従わないでいるし、はなはだ問題なのは天の定めた時勢を敬わっていないことだ。
 松乃不臣木,青青獨何爲。」
このように松は天の定め西が得ないという不忠の家臣である、好き勝手に常に青々としている来tに何の意味があるというのだ。



青松の姿を為すと雖も、霜風何の宜しき所ぞ。
二月天下の樹、青松の枝よりも緑なり。
賢者の喩と謂うこと勿れ、愚者の規と謂うこと勿れ。
伊呂代々封爵せられ、夷斉終身飢う。
彼の曲既に斯に在り、我の正実に茲に在り。」
#2
涇流渭流に合し、清濁各々自ら持す。
天四時を設けしめ、栄衰常期有り。
栄ゆるには合に時に随いて栄ゆべし、衰うるには合に時に随いて衰うべし。
天令既に従わず、甚だ天の時を敬わず。
松は乃ち不臣の木なり、青青独り何為るものぞ。」


現代語訳と訳註
(本文)#2

涇流合渭流,清濁各自持。
天令設四時,榮衰有常期。
榮合隨時榮,衰合隨時衰。
天令既不從,甚不敬天時。
松乃不臣木,青青獨何爲。」


(下し文) #2
涇流渭流に合し、清濁各々自ら持す。
天四時を設けしめ、栄衰常期有り。
栄ゆるには合に時に随いて栄ゆべし、衰うるには合に時に随いて衰うべし。
天令既に従わず、甚だ天の時を敬わず。
松は乃ち不臣の木なり、青青独り何為るものぞ。」


(現代語訳)
涇水の流れは、黄土を流して南流して、西から清く澄みきった水をたたえて東流する渭水の流れに合流する。清濁各々自らの特徴をもっている。
そして、天はこの世に年、月、日それぞれに四時を設けさだめられ、栄えたのち衰えることという決まりごとのように時期は来るものである。
繁栄するには法則に合致している時勢に従って繁栄するのであり、衰退するのはそれも衰退する時勢法則に合致し随っているのである。
青松は天の定めた法則に既に従わないでいるし、はなはだ問題なのは天の定めた時勢を敬わっていないことだ。
このように松は天の定め西が得ないという不忠の家臣である、好き勝手に常に青々としている来tに何の意味があるというのだ。


(訳注)
涇流合渭流,清濁各自持。

涇流渭流に合し、清濁各々自ら持す。
涇水の流れは、黄土を流して南流して、西から清く澄みきった水をたたえて東流する渭水の流れに合流する。清濁各々自らの特徴をもっている。
涇水渭水 涇水と渭水。共に中国陝西(せんせい)省を流れる川で、涇水は常に濁り、渭水は常に澄んでいる。二つの川が合流する地点では、その清濁が対照的であるところから、清濁・善悪などの区別が明らかなことのたとえに用いられる。


天令設四時,榮衰有常期。
天四時を設けしめ、栄衰常期有り。
そして、天はこの世に年、月、日それぞれに四時を設けさだめられ、栄えたのち衰えることという決まりごとのように時期は来るものである。
四時 ・1年の四つの季節、春夏秋冬の総称。四季。・1か月中の四つの時。晦(かい)・朔(さく)・弦・望。・一日中の4回の座禅の時。黄昏(こうこん)(午後8時)・後夜(ごや)五更(午前4時)・早晨(そうじん)(午前10時)・時(ほじ)(午後4時)。


榮合隨時榮,衰合隨時衰。
栄ゆるには合に時に随いて栄ゆべし、衰うるには合に時に随いて衰うべし。
繁栄するには法則に合致している時勢に従って繁栄するのであり、衰退するのはそれも衰退する時勢法則に合致し随っているのである。


天令既不從,甚不敬天時。
天令既に従わず、甚だ天の時を敬わず。
青松は天の定めた法則に既に従わないでいるし、はなはだ問題なのは天の定めた時勢を敬わっていないことだ。


松乃不臣木,青青獨何爲。」
松は乃ち不臣の木なり、青青独り何為るものぞ。」
このように松は天の定め西が得ないという不忠の家臣である、好き勝手に常に青々としている来tに何の意味があるというのだ。