中唐詩 Ⅶ孟郊(孟東野) 答盧仝#3 <24> kanbun-iinkai紀頌之の漢詩ブログ250


盧仝に贈った詩で、詩について、楚の屈原は世をはかなんで死んだが、自分は悪戦苦闘し、良い語、良い句がなかなかできないことによって死ぬのであろうと詠じたものである。便宜上3分割して掲載する。


答盧仝(孟郊 唐詩)
#1楚屈入水死,詩孟踏雪僵。直氣苟有存,死亦何所妨。
  日劈高查牙,清棱含冰漿。前古後古冰,與山氣勢強。
  閃怪千石形,異狀安可量。』
#2有時春鏡破,百道聲飛颺。潛仙不足言,朗客無隱腸。
    爲君傾海宇,日夕多文章。天下豈無緣,此山雪昂藏。
    煩君前致詞,哀我老更狂。狂歌不及狂,歌聲緣鳳凰。』
#3鳳兮何當來,消我孤直瘡。
又その鳳凰の詩文は何かひらめくものがある時に来るものである。私は孤独で立ち竦んでいることで傷ついたかさぶたを消し去ることができるだろうか
   君文真鳳聲,宣隘滿鏗鏘。
盧仝君の詩文は本当に鳳凰が言い出す声の様なもの、それは鐘が鳴り響き琴の音が絶え間なく溢れるようなできばえだろう。
   洛友零落盡,逮茲悲重傷。
洛陽での友人たちは落ちぶれ這い上がることはないほどだ。この段階になって深い傷を負ったことに哀しさを覚える。
   獨自奮異骨,將騎白角翔。
そうであっても、私は一人になっても異彩を放つ真髄をふるいたい。まさに白角の麒麟にのって飛んでいくような詩文を作りたいのである。
   再三勸莫行,寒氣有刀鎗。
何度も何度も進められて詩文を作るようなものではない、極寒の厳しい環境の中で刀や槍をふるうことができることではない。#1
   仰慚君子多,慎勿作芬芳。』

天子にいかに多く拝顔しても恥じ入るものであるが、盛んに香る詩文を作るとなれば慎むようなことはしてはいけない。


楚の屈は 水に入りて死し、詩の孟は雪を踏んで僵【たおれ】る。
直気 筍【】くも存する有れば、死も亦た何ぞ妨ぐ所ならん。
日 劈【つんざ】き 高きこと查牙【さが】たり、清稜【せいりょう】 冰漿【ひょうしょう】を含む。
前古 後古の冰、山よりも気勢強し。
閃怪【せんかい】 千石の形、異状 安んぞ量るべけんや。』
#2
時有り 春鏡破れ、百道 声 飛颺【ひき】す。
潜仙【せんせん】 言ひ足らず、朗客【ろうかく】 腸を隠す無し。
君が為に海宇を傾く、日夕 文章多し。
天下 豈 縁なからんや、此の山 雪昂【せつこう】 蔵たり。
君を煩【わずら】はし 前みて詞を致す、我が老いて更に狂なるを哀しむ。
狂歌 狂なるに及ばず、歌声 鳳凰に縁る。』
#3
鳳や 何か当に来たりて、我が孤直【こちょく】の瘡を消すべけんや。
君が文 真に鳳声なり、宣隘【せんあい】 鏗鏘【けんしょう】満つ。
洛友 零落【れいらく】尽し、茲【ここ】に逮【およ】んで重傷を悲しむ。
独自り 異骨を奮【ふる】い、将に白角に騎【の】りて翔【と】ばんとす。
再三 勧めて行ふ莫かれ、寒気 刀鎗【とうそう】有り。
仰ぎ慚ず 君子多し、慎んで芬芳【ふんほう】を作す勿かれ。』

80022008

現代語訳と訳註
(本文)

#3 鳳兮何當來,消我孤直瘡。
  君文真鳳聲,宣隘滿鏗鏘。
  洛友零落盡,逮茲悲重傷。
  獨自奮異骨,將騎白角翔。
  再三勸莫行,寒氣有刀鎗。
  仰慚君子多,慎勿作芬芳。』


(下し文) #3

鳳や 何か当に来たりて、我が孤直の瘡を消すべけんや。
君が文 真に鳳声なり、宣隘 鏗鏘満つ。
洛友 零落尽し、茲に逮んで重傷を悲しむ。
独自り 異骨を奮い、将に白角に騎りて翔ばんとす。
再三 勧めて行ふ莫かれ、寒気 刀鎗有り。
仰ぎ慚ず 君子多し、慎んで芬芳を作す勿かれ。』


(現代語訳)
又その鳳凰の詩文は何かひらめくものがある時に来るものである。私は孤独で立ち竦んでいることで傷ついたかさぶたを消し去ることができるだろうか
盧仝君の詩文は本当に鳳凰が言い出す声の様なもの、それは鐘が鳴り響き琴の音が絶え間なく溢れるようなできばえだろう。
洛陽での友人たちは落ちぶれ這い上がることはないほどだ。この段階になって深い傷を負ったことに哀しさを覚える。
そうであっても、私は一人になっても異彩を放つ真髄をふるいたい。まさに白角の麒麟にのって飛んでいくような詩文を作りたいのである。
何度も何度も進められて詩文を作るようなものではない、極寒の厳しい環境の中で刀や槍をふるうことができることではない。

天子にいかに多く拝顔しても恥じ入るものであるが、盛んに香る詩文を作るとなれば慎むようなことはしてはいけない。

(訳注)#3
鳳兮何當來,消我孤直瘡。

又その鳳凰の詩文は何かひらめくものがある時に来るものである。私は孤独で立ち竦んでいることで傷ついたかさぶたを消し去ることができるだろうか。
孤直。李白『古風五十九首其十二』「松柏本孤直、難為桃李顏。」


君文真鳳聲,宣隘滿鏗鏘。
盧仝君の詩文は本当に鳳凰が言い出す声の様なもの、それは鐘が鳴り響き琴の音が絶え間なく溢れるようなできばえだろう。
鏗鏘 鐘や石、また、琴などの楽器が鳴り響くさま。


洛友零落盡,逮茲悲重傷。
洛陽での友人たちは落ちぶれ這い上がることはないほどだ。この段階になって深い傷を負ったことに哀しさを覚える。
零落 落ちぶれること。 草木の枯れ落ちること。○逮茲 ここに及んで。この段階になって。○ ~に及ぶ。○重傷 深い傷。文章における取り返しのつかないような欠陥をいう。


獨自奮異骨,將騎白角翔。
そうであっても、私は一人になっても異彩を放つ真髄をふるいたい。まさに白角の麒麟にのって飛んでいくような詩文を作りたいのである。
白角 伝説上の動物。麒麟のことか、ユニコーンのことではなかろうか。どちらにしても詩文のことの比喩である


再三勸莫行,寒氣有刀鎗。
何度も何度も進められて詩文を作るようなものではない、極寒の厳しい環境の中で刀や槍をふるうことができることではない。

仰慚君子多,慎勿作芬芳。』
天子にいかに多く拝顔しても恥じ入るものであるが、盛んに香る詩文を作るとなれば慎むようなことはしてはいけない。
芬芳 盛んに香るさま。
mugi880

yamanoki02
 
 答盧仝(孟郊 唐詩)
#1楚屈入水死,詩孟踏雪僵。
   直氣苟有存,死亦何所妨。
   日劈高查牙,清棱含冰漿。
   前古後古冰,與山氣勢強。
   閃怪千石形,異狀安可量。』
#2有時春鏡破,百道聲飛颺。
   潛仙不足言,朗客無隱腸。
    爲君傾海宇,日夕多文章。
   天下豈無緣,此山雪昂藏。
   煩君前致詞,哀我老更狂。
   狂歌不及狂,歌聲緣鳳凰。』
#3鳳兮何當來,消我孤直瘡。
   君文真鳳聲,宣隘滿鏗鏘。
   洛友零落盡,逮茲悲重傷。
   獨自奮異骨,將騎白角翔。
   再三勸莫行,寒氣有刀鎗。
   仰慚君子多,慎勿作芬芳。』
#1
楚の屈は 水に入りて死し、詩の孟は雪を踏んで僵【たおれ】る。
直気 筍くも存する有れば、死も亦た何ぞ妨ぐ所ならん。
日劈き 高きこと查牙たり、清稜 冰漿を含む。
前古 後古の冰、山よりも気勢強し。
閃怪 千石の形、異状 安んぞ量るべけんや。』
#2
時有り 春鏡破れ、百道 声 飛颺す。
潜仙 言ひ足らず、朗客 腸を隠す無し。
君が為に海宇を傾く、日夕 文章多し。
天下 豈 縁なからんや、此の山 雪昂 蔵たり。
君を煩はし 前みて詞を致す、我が老いて更に狂なるを哀しむ。
狂歌 狂なるに及ばず、歌声 鳳凰に縁る。』
#3
鳳や 何か当に来たりて、我が孤直の瘡を消すべけんや。
君が文 真に鳳声なり、宣隘 鏗鏘満つ。
洛友 零落尽し、茲に逮んで重傷を悲しむ。
独自り 異骨を奮い、将に白角に騎りて翔ばんとす。
再三 勧めて行ふ莫かれ、寒気 刀鎗有り。
仰ぎ慚ず 君子多し、慎んで芬芳を作す勿かれ。』

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