中唐詩-269 縣齋有懐 韓愈 Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-29 #3


縣齋有懐  #3
冶長信非罪、侯生或遭罵。
孔子の弟子だった公冶長は無実の罪で逮捕されたことがあるが、私も理由はまったくわからないのにひどい目にあい、戦国時代の侯嬴は魏の公子に認められながら従者に悪口を言われたものだが、私もそのように悪口を浴びた。
懐書出皇都、銜涙渡清㶚。
とうとう私は科挙をあきらめ、書物をふところに入れて都春明門をいでて、涙をおさえながら㶚水の清流を越えた。
身將老寂寞、志欲死閑暇。
私のからだはこうして将来に対する期待感がなく寂しいなかに老い朽ち、理想はなすこともない生活のうちに埋もれてしまうのであろう。
朝食不盈腸、冬衣纔掩髁。
それに朝食は腹を満たすほどの量もなく、冬の着物はやっと腰を覆うばかりのものであった。
軍書既頻召、戎馬乃連跨。
ところが、軍隊からの手紙がしきりに私を召喚するので、続けざまに軍馬にまたがる身となった。


796年董晋の招きで宣武軍節度使の幕下に。
797年病気休職
798年董晋死歿。汴州の乱。
汴州亂二首其一 唐宋詩-205Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-6

此日足可惜贈張籍 唐宋詩-207Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-7-#1

忽忽 唐宋詩-218 Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-22


800年五月幕職を退く。
歸彭城 #1(全4回) 韓愈 唐宋詩-219 Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-23



801年身言書判科を受験落第。
將歸贈孟東野房蜀客 韓愈 唐宋詩-228 Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-22

山石 #1(全3回) 韓愈 唐宋詩-226 Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-24



802年四門博士に任官。すぐ休暇を取って洛陽に行き、華山を遊覧。

803年7月四門博士を退任。7月監察御史。
中唐詩-262 落歯#1 四門溥士Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈詩集-27


   12月陽山令に左遷。

804年2月陽山着任
中唐詩-265 湘中 韓愈 Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-22

中唐詩-266 答張十一功曹 韓愈 Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-29


805年陽山県の書斎で作る。

中唐詩-267 縣齋有懐 #1 韓愈 Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-29


   8月恩赦。法曹参軍事を受け、江陵へ。

現代語訳と訳註
(本文)

冶長信非罪、侯生或遭罵。
懐書出皇都、銜涙渡清㶚。
身將老寂寞、志欲死閑暇。
朝食不盈腸、冬衣纔掩髁。
軍書既頻召、戎馬乃連跨。

(下し文)
冶長【やちょう】 信【まこと】に罪に非ず、侯生【こうせい】 或いは罵【ののし】らるるに遭う。
書を懐【いだ】いて皇都を出【い】で、涙を銜んで清㶚【せいは】を渡る。
身は将に寂寞【せきばく】に老いんとし、志は閑暇【かんか】に死なんと欲す。
朝食 腸に盈【み】たず、冬衣 纔【わず】かに䯊【か】を掩【おお】うのみ。
軍書 既に頻【しき】りに召し、戎馬【じゅうば】 乃【すなわ】ち連【しき】りに跨【また】がる。


(現代語訳)
孔子の弟子だった公冶長は無実の罪で逮捕されたことがあるが、私も理由はまったくわからないのにひどい目にあい、戦国時代の侯嬴は魏の公子に認められながら従者に悪口を言われたものだが、私もそのように悪口を浴びた。
とうとう私は科挙をあきらめ、書物をふところに入れて都春明門をいでて、涙をおさえながら㶚水の清流を越えた。
私のからだはこうして将来に対する期待感がなく寂しいなかに老い朽ち、理想はなすこともない生活のうちに埋もれてしまうのであろう。
それに朝食は腹を満たすほどの量もなく、冬の着物はやっと腰を覆うばかりのものであった。
ところが、軍隊からの手紙がしきりに私を召喚するので、続けざまに軍馬にまたがる身となった。


(訳注)
冶長信非罪、侯生或遭罵。

冶長【やちょう】 信【まこと】に罪に非ず、侯生【こうせい】 或いは罵【ののし】らるるに遭う。
孔子の弟子だった公冶長は無実の罪で逮捕されたことがあるが、私も理由はまったくわからないのにひどい目にあい、戦国時代の侯嬴は魏の公子に認められながら従者に悪口を言われたものだが、私もそのように悪口を浴びた。
公冶長 春秋時代の人。字 (あざな) は子長。孔子の門人で女婿。鳥の言葉を解したという。生没年未詳。○生 魏の公子信陵君と食客としてむかえた侯嬴の故事で、侯嬴は失礼な爺だと皆は蔑まれたが、信陵君の器量に感動した。これが噂となって、国中どころか他国にも伝わり、信陵君の名声が大いに高まった。


懐書出皇都、銜涙渡清㶚。
書を懐【いだ】いて皇都を出【い】で、涙を銜んで清㶚【せいは】を渡る。
とうとう私は科挙をあきらめ、書物をふところに入れて都春明門をいでて、涙をおさえながら㶚水の清流を越えた。
 長安城の東の門があり、春明門を出るとます杜陵を水源とした滻水を渡り、その後街道駅の起点となる㶚陵橋には藍田終南山を水源にした㶚水がある両河川は長安東を北に下り渭水に合流する。

長安と何将軍

身將老寂寞、志欲死閑暇。
身は将に寂寞【せきばく】に老いんとし、志は閑暇【かんか】に死なんと欲す。
私のからだはこうして将来に対する期待感がなく寂しいなかに老い朽ち、理想はなすこともない生活のうちに埋もれてしまうのであろう。


朝食不盈腸、冬衣纔掩髁。
朝食 腸に盈【み】たず、冬衣 纔【わず】かに䯊【か】を掩【おお】うのみ。
それに朝食は腹を満たすほどの量もなく、冬の着物はやっと腰を覆うばかりのものであった。


軍書既頻召、戎馬乃連跨。
軍書 既に頻【しき】りに召し、戎馬【じゅうば】 乃【すなわ】ち連【しき】りに跨【また】がる。
ところが、軍隊からの手紙がしきりに私を召喚するので、続けざまに軍馬にまたがる身となった。