縣齋有懐 韓愈(県斉にて懐い有り)
中唐詩-271 縣齋有懐 #5 韓愈 Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-29 

名聾荷朋友、援引乏姻婭。
私の名声の広がりは友だちのおかげよるものである、しかし、官僚の世界で引き上げてもらうには出自血縁、姻戚関係の手づるによるものなのだが、これには乏しかった。
雖陪彤庭臣、詎縦靑冥靶。

朝廷内の赤きお庭に立つことができる監察御史の列には加わりはしたのだが、快馬をとはせて青雲の上を駆けまわるようなめざましい栄達は到底望むことはできない。

寒空聳危闕、暁色曜脩架。
しかし、冬空に高い宮殿が聳え立ち、夜明けの色のなかに長い軒の棟木が輝くときなのである。
捐躯辰在丁、鎩翮時方碏。
わが身を捨てる日は辰の丁の方向、瘴癘の地にあるのだ、観察御史という翼をもがれたのは歳の暮れであったこともあろうに流罪になってしまったのだ。
荒誠職分、領邑幸寛赦。

都を遠く離れた地方へ追いやられるのもたしかに私の職分であり、県令の身分を与えられて一つの町を差配できるのは、寛大な処置にめぐりあった幸運と言わなければならない。

名声 朋友に荷【よ】り、援引 姻姫に乏し。
庭臣の臣に陪すと雖も、誼【なん】ぞ青冥【せいめい】の靶【は】を縦【ほしい】ままにせん。

寒空に危闕【きけつ】聾【そび】え、暁色【ぎょうしょく】に修架【しゅうか】曜【かがや】く。
躯【み】を捐【す】つる 辰は丁に在り、翮【はね】を鎩【そ】がるる 時は碏【さ】に方【あた】る。
荒に投ずるは誠に職分、邑【ゆう】を領するは幸いに寛赦【かんしゃ】なり。

「県斎」とは県令の官舎内にある書斎のことである。ただし官舎といっても、県庁の建物といっしょになっていることが多い。つまり表は県庁で、裏は官舎なのである。県斎も、県令が読書をしたりするプライベートな部屋なのだが、そこを執務室のようにして使うことがある。このあたりの公私の区別は、あまりはっきりしない。めぐむ韓愈は流罪になったのだが、形式上は陽山県令の辞令をもらっているので、陽山という片田舎の範囲内では、県令としてふるまうことができる。


現代語訳と訳註
(本文)

名聾荷朋友、援引乏姻婭。
雖陪彤庭臣、詎縦靑冥靶。

寒空聳危闕、暁色曜脩架。
捐躯辰在丁、鎩翮時方碏。
投荒誠職分、領邑幸寛赦。


(下し文)
名声 朋友に荷【よ】り、援引 姻姫に乏し。
庭臣の臣に陪すと雖も、誼【なん】ぞ青冥【せいめい】の靶【は】を縦【ほしい】ままにせん。

寒空に危闕【きけつ】聾【そび】え、暁色【ぎょうしょく】に修架【しゅうか】曜【かがや】く。
躯【み】を捐【す】つる 辰は丁に在り、翮【はね】を鎩【そ】がるる 時は碏【さ】に方【あた】る。
荒に投ずるは誠に職分、邑【ゆう】を領するは幸いに寛赦【かんしゃ】なり。


(現代語訳)
私の名声の広がりは友だちのおかげよるものである、しかし、官僚の世界で引き上げてもらうには出自血縁、姻戚関係の手づるによるものなのだが、これには乏しかった。
朝廷内の赤きお庭に立つことができる監察御史の列には加わりはしたのだが、快馬をとはせて青雲の上を駆けまわるようなめざましい栄達は到底望むことはできない。
しかし、冬空に高い宮殿が聳え立ち、夜明けの色のなかに長い軒の棟木が輝くときなのである。
わが身を捨てる日は辰の丁の方向、瘴癘の地にあるのだ、観察御史という翼をもがれたのは歳の暮れであったこともあろうに流罪になってしまったのだ。
都を遠く離れた地方へ追いやられるのもたしかに私の職分であり、県令の身分を与えられて一つの町を差配できるのは、寛大な処置にめぐりあった幸運と言わなければならない。


(訳注)
名聾荷朋友、援引乏姻婭。

名声 朋友に荷【よ】り、援引 姻姫に乏し。
私の名声の広がりは友だちのおかげよるものである、しかし、官僚の世界で引き上げてもらうには出自血縁、姻戚関係の手づるによるものなのだが、これには乏しかった。
 おかげよるものである○援引 出自血縁。○姻婭 姻戚関係の手づるによ



雖陪彤庭臣、詎縦靑冥靶。
庭臣の臣に陪すと雖も、誼【なん】ぞ青冥【せいめい】の靶【は】を縦【ほしい】ままにせん。
朝廷内の赤きお庭に立つことができる監察御史の列には加わりはしたのだが、快馬をとはせて青雲の上を駆けまわるようなめざましい栄達は到底望むことはできない。
 参事すること。○彤庭臣 赤きお庭に立つことができる監察御史をしめす。○靑冥靶 青雲の上を駆けまわるようなめざましい栄達



寒空聳危闕、暁色曜脩架。
寒空に危闕【きけつ】聾【そび】え、暁色【ぎょうしょく】に修架【しゅうか】曜【かがや】く。
しかし、冬空に高い宮殿が聳え立ち、夜明けの色のなかに長い軒の棟木が輝くときなのである。
危闕 高い宮殿の門。○脩架 長い軒の棟木。普段は日陰なのに下から光が当たること、不吉なこと、初めての経験をイメージする語である。 



捐躯辰在丁、鎩翮時方碏。
躯【み】を捐【す】つる 辰は丁に在り、翮【はね】を鎩【そ】がるる 時は碏【さ】に方【あた】る。
わが身を捨てる日は辰の丁の方向、瘴癘の地にあるのだ、観察御史という翼をもがれたのは歳の暮れであったこともあろうに流罪になってしまったのだ。
辰在丁 五行思想で南方・「火」をあらわし、流罪の広東の陽山を示す。実際には、陽山の県令である。○鎩翮 翼をもがれた。観察御史は韓愈は意気に感じて仕えていたことをあらわす。



投荒誠職分、領邑幸寛赦。
荒に投ずるは誠に職分、邑【ゆう】を領するは幸いに寛赦【かんしゃ】なり。
都を遠く離れた地方へ追いやられるのもたしかに私の職分であり、県令の身分を与えられて一つの町を差配できるのは、寛大な処置にめぐりあった幸運と言わなければならない。
投荒 都を遠く離れた地方へ追いやられる○領邑 県令の身分を与えられ○寛赦 寛大な処置にめぐりあった幸運


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