中唐詩-275 題木居士二首其一 韓愈 Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-31

順宗は皇太子から帝位にはついたものの、このときすでに45歳で、薬物中毒の可能性が高いのだが、前年からものが言えなくなっていた。政策はほとんど順宗側近の王佐・王叔文らによって決定されていたが、それが革新的な政策だったために、問題が大きくなった。

徳宗の治政は長く続いたので、さまざまな弊害が法令または慣習として定着している。それを改めるために、新たに帝位についた皇帝を利用しようとしたのは当然であるが、新帝が病気では、それを利用して政治の垂断をはかるものという声が起こるのもやむを得ない。改革によって利権を失った保守派は、この点から革新派を攻撃する。


題木居士二首其一
火透波穿不計春,根如頭面榦如身。
野火が通りぬけ川波が穴をうがちつつ幾とせ経たであろうか。根は頭や顔のようで幹はからだのようだ。
偶然題作木居士,便有無窮求福人。

誰呼ぶこともなく何かの機会で木の羅漢さまだと名づけられたのだろう、その木偶人形に御利益を求める人が限りなくいるものだ。

木居【もっこ】士に題す 二首 其の一
火の透【とお】り波の穿【うが】って春を計らず、根は頭面の如く榦は身の如し
偶然に題して木居士と作【な】せば、便【すなわ】ち窮【きわ】まり無く福を求むる人有り。


結局、その年の八月に順宗は退位し、皇太子だった憲宗が即位した。順宗の治政は半年強しか続かなかったわけで、革新派は全面的な敗北に終わったのである。王佐は流罪、王叔文は流罪ののち自殺を命ずるという処分を受けた。また改元が行なわれ、貞元二十一年を永貞元年と呼ぶことになった。


韓愈の地図03


現代語訳と訳註
(本文) 
其一
火透波穿不計春,根如頭面榦如身。
偶然題作木居士,便有無窮求福人。

(下し文) 木居【もっこ】士に題す 二首 其の一
火の透【とお】り波の穿【うが】って春を計らず、根は頭面の如く榦は身の如し
偶然に題して木居士と作【な】せば、便【すなわ】ち窮【きわ】まり無く福を求むる人有り。


(現代語訳)
野火が通りぬけ川波が穴をうがちつつ幾とせ経たであろうか。根は頭や顔のようで幹はからだのようだ。
誰呼ぶこともなく何かの機会で木の羅漢さまだと名づけられたのだろう、その木偶人形に御利益を求める人が限りなくいるものだ。


(訳注)
題木居士二首 其一
題木居士 木居士を題にしてよんだ詩。題とは、あるものを題にして詩にしてよみ、そのものに書きつけるのが通例であるが、ここは、おそらく書きつけたのではあるまい。木居士は、木の羅漢さま。彫刻刀で掘ったものではなく、自然に羅漢さまのかっこうをしているのである。居士は、在家のまま仏教の修行をしている人。この木居士は、湖南省耒陽県の北少こし離れた鼇口寺に祭られてあったという。805年永貞元年、韓愈38歳の夏を過ぎたころ、広東者の陽山県から湖南者の郴州に出て、転任命令を待っているときの作。木像を神として幸福を祈る人たちに対する風刺詩である。


火透波穿不計春,根如頭面榦如身。
野火が通りぬけ川波が穴をうがちつつ幾とせ経たであろうか。根は頭や顔のようで幹はからだのようだ。
火透 野火○波穿 川波が巌の穴をうがちつつ○不計春 春は、年というのとほぽ同じ。巌の穴を穿つのにとても長い時間の経過がある。


偶然題作木居士,便有無窮求福人。
誰呼ぶこともなく何かの機会で木の羅漢さまだと名づけられたのだろう、その木偶人形に御利益を求める人が限りなくいるものだ。
便 そうすると。○求福人 人は幸福を求めている。御利益を求める。御利益があったから人はまた求める。偶然から始まったものであっても、その後の世には、仏様となっている。

 


徳宗崩御のしらせがいつ陽山にとどいたのかはわからない。都ではその年の二月(一説には三月)、大赦令が発せられて、徳宗の時代に罪を得た者は一律に赦免されることとなった。ただしこれは一般的な処置で、個々の人については、朝廷からあらためて沙汰の下るのを待たなければならない。
大赦令が出たという情報も、当然陽山までとどいたはずであるが、これもいつのことかはわからない。とにかく韓愈は、その情報をつかんで間もなくのことと思われるが、次の任地がどこかわからないが、流罪を解くという赦免状がとどいていたので、805年永貞元年の夏ごろに陽山を出て、来た道を逆にたどった。北へと峠を越えて湖南の地に入り、榔州という町に滞在して彼自身についての命令が来るのを待ち受けた。
天台山 瓊臺
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