中唐詩-284 赴江陵途中寄贈王二十補闕李十一拾遺李二十六員外翰林三學士 #3 Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-35-#3


#3 
適會除禦史,誠當得言秋。
私はちょうど監察御史に任ぜられたところで、誠実に役目をすると、この飢饉がひどい状況の秋なのでこれこそ意見を申しあげるべきときである。
拜疏移閤門,為忠寧自謀?
そこで上奏文を捧げ、天子のもとに提出した。忠義のみを心がけていたので、自分のことなど考えて行ったことではあるはずがあろうか。
上陳人疾苦,無令絕其喉。
はじめに上奏した民の苦しみ、窮状が、さらにその喉を締めあげないようにさせるというものであった。
下陳畿甸內,根本理宜優。
終わりに述べたのは、畿内はすべての根本なのだから、道理から言っても優遇を加えるべきことを述べている。
積雪驗豐熟,幸寬待蠶麰。
そして、この冬は雪が多くて豊年の前兆があるのだから、どうか納税の時期を、蚕と麦の収穫があるまで延ばしていただきたいと論じたものだった。

#3
適ゝ【たまたま】禦史に除せらるるに會う,誠に當【まさ】に言うを得べき秋なり。
疏を拜して閤門に移【い】す,忠を為して寧【いず】くんぞ自ら謀【はか】らんや?
上は人の疾苦を陳【の】べて,其の喉を絕た令むること無く。
下は畿甸の內,根本にて理として宜しく優なるべきを陳ぶ。
積雪 豐熟の驗あり,幸【こいねが】わくは寬【ゆる】めて蠶麰【さんぽう】を待たん。


現代語訳と訳註
(本文)
#3 
適會除禦史,誠當得言秋。
拜疏移閤門,為忠寧自謀?
上陳人疾苦,無令絕其喉。
下陳畿甸內,根本理宜優。
積雪驗豐熟,幸寬待蠶麰。


(下し文) #3
適ゝ【たまたま】禦史に除せらるるに會う,誠に當【まさ】に言うを得べき秋なり。
疏を拜して閤門に移【い】す,忠を為して寧【いず】くんぞ自ら謀【はか】らんや?
上は人の疾苦を陳【の】べて,其の喉を絕た令むること無く。
下は畿甸の內,根本にて理として宜しく優なるべきを陳ぶ。
積雪 豐熟の驗あり,幸【こいねが】わくは寬【ゆる】めて蠶麰【さんぽう】を待たん。


(現代語訳)#3
私はちょうど監察御史に任ぜられたところで、誠実に役目をすると、この飢饉がひどい状況の秋なのでこれこそ意見を申しあげるべきときである。
そこで上奏文を捧げ、天子のもとに提出した。忠義のみを心がけていたので、自分のことなど考えて行ったことではあるはずがあろうか。
はじめに上奏した民の苦しみ、窮状が、さらにその喉を締めあげないようにさせるというものであった。
終わりに述べたのは、畿内はすべての根本なのだから、道理から言っても優遇を加えるべきことを述べている。
そして、この冬は雪が多くて豊年の前兆があるのだから、どうか納税の時期を、蚕と麦の収穫があるまで延ばしていただきたいと論じたものだった。


(訳注)#3
適會除禦史,誠當得言秋。

私はちょうど監察御史に任ぜられたところで、誠実に役目をすると、この飢饉がひどい状況の秋なのでこれこそ意見を申しあげるべきときである。
○適會 たまたまその時にあたる。○禦史 803年貞元十九年の七月、韓愈は監察御史に転任した。これは御史台に所属するが、御史台とは検察庁に当たる役所で、監察御史というのは、定期的に地方を巡回し、地方官の不正をあばいたり、地方の裁判を再調査して判決を改めたりするのが役目である。身分はさほど高くはないが、四門博士よりは政治の中枢にタッチした職だけに、エリートコースに近づいたということができそうである。○言秋 いうことができたのは秋である。


拜疏移閤門,為忠寧自謀?
そこで上奏文を捧げ、天子のもとに提出した。忠義のみを心がけていたので、自分のことなど考えて行ったことではあるはずがあろうか。
拜疏 上奏文を捧げること。○移閤門 当時、監察御史が弾劾をおこなう場合は、まず文害を中書門下にさし出しておいで、その後、天子に奏上するきまりだった。閤は門傍の戸のこと。○自謀 自分のみを考えてはかりごとを行う。


上陳人疾苦,無令絕其喉。
はじめに上奏した民の苦しみ、窮状が、さらにその喉を締めあげないようにさせるというものであった。
上陳人疾舌 上奏文のはじめの方には人民の苦しみをのべた。唐代には太宗の諱【いみな】をはばかって民を人と書いた。


下陳畿甸內,根本理宜優。
終わりに述べたのは、畿内はすべての根本なのだから、道理から言っても特別の優遇を加えるべきことを述べている。
 政治。唐代には高宗の諱をはばかって治を埋と害いた。


積雪驗豐熟,幸寬待蠶麰。
そして、この冬は雪が多くて豊年の前兆があるのだから、どうか納税の時期を、蚕と麦の収穫があるまで延ばしていただきたいと論じたものだった。

○蠶麰 蚕の糸がとれ麦の収穫できること。



80022008

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赴江陵途中寄贈王二十補闕李十一拾遺李二十六員外翰林三學士#1
孤臣昔放逐,血泣追愆尤。
君たちと離れて孤独な臣下である私は、以前に都から追われて、血の涙を流しながら自分の犯した罪の深さを追究している。
汗漫不省識,怳如乘桴浮。
でも、どこに罪があったのか、さっぱりわけがわからず、俘に乗って海に浮かんだような茫然とした心地なのだ。
或自疑上疏,上疏豈其由?
ことによると京兆の飢饉を論じて李実の租税徴収を上疏のせいではないかと自分で疑ってみるのだが、上疏が理由だとはどうしても考えられない。
是年京師旱,田畝少所收。
この年、都の周辺の地方は目照りで、田畑からはほとんど収穫がなかった。
上憐民無食,征賦半已休。
天子は人民の食糧がないのを憐れみたまわれた、租税や賦役の半分は免除するとの命令を出されたのだ。
#2
有司恤經費,未免煩徴求。
係の役人は必要な費用のことを心配して、予定どおり徴収する手間をかけ、民は免れなかった。
富者既雲急,貧者固已流。
富んでいる者すら追いつめられるしまつなのだから、貧しい者はもちろん流民となってしまうのはしかたがない。
傳聞閭裏間,赤子棄渠溝。
こんな話を人づてに聞いた、村里で、赤ん妨を溝に捨てているという。
持男易鬥粟,掉臂莫肯酬。
また自分の息子を一升の穀物と取りかえようとする者がいて、手を振って断わる人ばかりで、代価を払ってくれようとする者はない。
我時出衢路,餓者何其稠。
私はじっとしておれず道路に出て見たのだが、飢えた人がなんと多いことか。目の前で道ばたの死体に逢った。
親逢道邊死,佇立久咿憂。
思わずその場に立ちつくし、久しくもぐもぐしてなげかずにはおられなかった。
歸舍不能食,有如魚中鉤。
家に帰っても貧しい食膳に向かっても食事がのどを通らない、魚が釣り針を飲みこんだようなものであった。
#3 
適會除禦史,誠當得言秋。
そして、この冬は雪が多くて豊年の前兆があるのだから、どうか納税の時期を、蚕と麦の収穫があるまで延ばしていただきたいと論じたものだった。
積雪驗豐熟,幸寬待蠶麰。
私はちょうど監察御史に任ぜられたところで、誠実に役目をすると、この飢饉がひどい状況の秋なのでこれこそ意見を申しあげるべきときである。
拜疏移閤門,為忠寧自謀?
そこで上奏文を捧げ、天子のもとに提出した。忠義のみを心がけていたので、自分のことなど考えて行ったことではあるはずがあろうか。
上陳人疾苦,無令絕其喉。
はじめに上奏した民の苦しみ、窮状が、さらにその喉を締めあげないようにさせるというものであった。
下陳畿甸內,根本理宜優。
終わりに述べたのは、畿内はすべての根本なのだから、道理から言っても優遇を加えるべきことを述べている。