中唐詩-290 赴江陵途中寄贈王二十補闕李十一拾遺李二十六員外翰林三學士 #9 Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-35-#9


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此府雄且大,騰淩盡戈矛。
新任の江陵府は雄大な場所で、大きな顔をしてのさばっているのは戎矛をもった武宮ばかりだ。
淒淒法曹掾,何處事卑陬。
こき使われ、うろうろした法曹の役人など、どこの片隅で仕事をしたらよいのか。
生平企仁義,所學皆孔周。
私は日ごろ仁義の道を慕い実現のため、学んでいたのは孔子・周公の教えであった。
早知大理官,不別三後儔。
早くから知っている法律関係の官職、裁判官は、人民を憐れむ行政職の三人とは同列にならないということらしい。
何況親犴獄,敲搒發奸偷。

ましてや下級の法官はみずから牢獄にでむき、鞭や棒で叩いて悪人を自白・供述・摘発することもせねばなるまい
#9
此の府 雄にして且つ大なり,騰淩【とうりょう】盡【ことごと】く戈矛【かぼう】。
淒淒【せいせい】法曹【ほうそう】掾【えん】,何れの處にか卑陬【ひすう】を事とせん。
生平 仁義を企【うかが】い,學ぶ所は皆孔周。
早【つと】に知る大理の官,三後【さんこう】の儔【ともがら】別ならざるを。
何ぞ況んや犴獄【かんごく】を親しく,敲搒【こうぼう】して奸偷【かんとう】を發【あば】くをや。

DCF00212

現代語訳と訳註
(本文)#9

此府雄且大,騰淩盡戈矛。
淒淒法曹掾,何處事卑陬。
生平企仁義,所學皆孔周。
早知大理官,不別三後儔。
何況親犴獄,敲搒發奸偷。

(下し文)#9
此の府 雄にして且つ大なり,騰淩【とうりょう】盡【ことごと】く戈矛【かぼう】。
淒淒【せいせい】法曹【ほうそう】掾【えん】,何れの處にか卑陬【ひすう】を事とせん。
生平 仁義を企【うかが】い,學ぶ所は皆孔周。
早【つと】に知る大理の官,三後【さんこう】の儔【ともがら】別ならざるを。
何ぞ況んや犴獄【かんごく】を親しく,敲搒【こうぼう】して奸偷【かんとう】を發【あば】くをや。

(現代語訳)
新任の江陵府は雄大な場所で、大きな顔をしてのさばっているのは戎矛をもった武宮ばかりだ。
こき使われ、うろうろした法曹の役人など、どこの片隅で仕事をしたらよいのか。
私は日ごろ仁義の道を慕い実現のため、学んでいたのは孔子・周公の教えであった。
早くから知っている法律関係の官職、裁判官は、人民を憐れむ行政職の三人とは同列にならないということらしい。
ましてや下級の法官はみずから牢獄にでむき、鞭や棒で叩いて悪人を自白・供述・摘発することもせねばなるまい。

(訳注)
此府雄且大,騰淩盡戈矛。

新任の江陵府は雄大な場所で、大きな顔をしてのさばっているのは戎矛をもった武宮ばかりだ。
此府 江陵府。長江流域の拠点である。○騰淩 のぼせていて怖さを感じさせる。・ のぼる。のぼせる。こえる。・ しのぐ。おそれる。


淒淒法曹掾,何處事卑陬。
こき使われ、うろうろした法曹の役人など、どこの片隅で仕事をしたらよいのか。
○淒 こき使われ、うろうろしている。○法曹掾 法曹の役人○事卑陬 どこの片隅で仕事をする


生平企仁義,所學皆孔周
私は日ごろ仁義の道を慕い実現のため、学んでいたのは孔子・周公の教えであった。
生平 日ごろ○企仁義 仁義の道を慕い実現。○所學 学んでいた○皆孔周 ただひたすら、孔子・周公の教えを学ぶ。


早知大理官,不別三後儔。
早くから知っている法律関係の官職、裁判官は、人民を憐れむ行政職の三人とは同列にならないということらしい。
早知 はやくから、少年のころから。○大理官 裁判官。○三後儔 同時進級の詩題の三人のこと。


何況親犴獄,敲搒發奸偷。
ましてや下級の法官はみずから牢獄にでむき、鞭や棒で叩いて悪人を自白・供述・摘発することもせねばなるまい。
親犴獄 自ら監獄に出向いていくこと。○敲搒鞭や棒で叩いて○發奸偷 悪人を自白・供述・摘発することもする。