中唐詩-301 岳陽樓別竇司直 #7 Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-36-#7

#7
屠龍破千金,爲藝亦云亢。
そこで『荘子』に見える「屠龍之技」の故事のように、竜を屠るなどという無益のわざのために千金の財産を費やしたが、身につける技能としてはあまりにも特異に過ぎた。
愛才不擇行,觸事得讒謗。
才能を愛して素行に気をつけようとしないため、何かにつけて悪口を言われるというしまつであったのだ。
前年出官由,此禍最無妄。
前年、地方官として出された原因もそこにあったのだが、これは災難というものでとりわけていわれのないものであった。
公卿採虛名,擢拜識天仗。
詩文を評価されたということで公卿のあいだで虚名を溥したため、抜擢されて天子のおそば近くに仕える身となったのだ。
姦猜畏彈射,斥逐恣欺誑。
奸臣や宦官たちはいかがわしい猜疑心をもって私に弾劾されることを恐れ、あざむき、だぶらかしをおこなって、わたしを都から追放したのだ。

竜を屠【ほふ】らんとして千金を破り、芸を為すこと亦 云【ここ】に亢【たか】し。
才を愛して行ないを択【えら】ばず、事に触れて讒謗【ざんぼう】を得たり。
前年 官を出でし由【よし】、此の禍【わざわい】最も無妄【むもう】なり。
公卿に虚名を採り、擢拝【てきはい】して天仗【てんじょう】を識る。
姦猜【かんさい】弾射【だんせき】を畏れ、斥逐【せきちく】欺誑【ぎきょう】を恣【ほしい】ままにす。
宮島(1)


現代語訳と訳註
(本文) #7
屠龍破千金,爲藝亦云亢。
愛才不擇行,觸事得讒謗。
前年出官由,此禍最無妄。
公卿採虛名,擢拜識天仗。
姦猜畏彈射,斥逐恣欺誑。


(下し文)
竜を屠【ほふ】らんとして千金を破り、芸を為すこと亦 云【ここ】に亢【たか】し。
才を愛して行ないを択【えら】ばず、事に触れて讒謗【ざんぼう】を得たり。
前年 官を出でし由【よし】、此の禍【わざわい】最も無妄【むもう】なり。
公卿に虚名を採り、擢拝【てきはい】して天仗【てんじょう】を識る。
姦猜【かんさい】弾射【だんせき】を畏れ、斥逐【せきちく】欺誑【ぎきょう】を恣【ほしい】ままにす。


(現代語訳)
そこで『荘子』に見える「屠龍之技」の故事のように、竜を屠るなどという無益のわざのために千金の財産を費やしたが、身につける技能としてはあまりにも特異に過ぎた。
才能を愛して素行に気をつけようとしないため、何かにつけて悪口を言われるというしまつであったのだ。
前年、地方官として出された原因もそこにあったのだが、これは災難というものでとりわけていわれのないものであった。
詩文を評価されたということで公卿のあいだで虚名を溥したため、抜擢されて天子のおそば近くに仕える身となったのだ。
奸臣や宦官たちはいかがわしい猜疑心をもって私に弾劾されることを恐れ、あざむき、だぶらかしをおこなって、わたしを都から追放したのだ。


(訳注) #7
屠龍破千金,爲藝亦云亢。

そこで『荘子』に見える「屠龍之技」の故事のように、竜を屠るなどという無益のわざのために千金の財産を費やしたが、身につける技能としてはあまりにも特異に過ぎた。
屠龍 龍を屠殺。屠龍之技。荘子『列禦寇』「朱泙漫學屠龍於支離益,殫千金之家,三年技成,而無所用其巧。」(朱泙漫 屠龍を於支離益に學び,千金之家を殫らし,三年にして技成る,而れども其の巧を用うる所無し。)


愛才不擇行,觸事得讒謗。
才能を愛して素行に気をつけようとしないため、何かにつけて悪口を言われるというしまつであったのだ。
 才能。○擇行 素行に気をつけようとしないこと。○讒謗 何かにつけて悪口を言われ


前年出官由,此禍最無妄。
前年、地方官として出された原因もそこにあったのだが、これは災難というものでとりわけていわれのないものであった。
出官由 地方官として出された原因。○最無妄 とりわけていわれのないもの。


公卿採虛名,擢拜識天仗。
詩文を評価されたということで公卿のあいだで虚名を溥したため、抜擢されて天子のおそば近くに仕える身となったのだ。
虛名 韓愈の散文、五言詩について評価が高かった。謙遜語。


姦猜畏彈射,斥逐恣欺誑。
奸臣や宦官たちはいかがわしい猜疑心をもって私に弾劾されることを恐れ、あざむき、だぶらかしをおこなって、わたしを都から追放したのだ。
姦猜 いかがわしい猜疑心。○彈射 弾劾されること。狙い撃ちされること。○欺誑 欺きたぶらかす。だます。