城南聯句 韓退之(韓愈)詩<64-#6>Ⅱ中唐詩402 紀頌之の漢詩ブログ1285



城南聯句第二部
#5
孟郊) 窯煙冪疏島,
韓愈) 沙篆印回平。ラ肌遭蠔刺,
孟郊) 啾耳聞雞生。奇慮恣回轉,
韓愈) 遐睎縱逢迎。巔林戢遠睫,
孟郊) 縹氣夷空情。歸跡歸不得,
韓愈) 舍心舍還爭。

*上記聯句を韻により変更して読む

窯煙冪疏島,沙篆印回平。
瓦を焼く煙がはなれた島に立ち込めている、鳥の歩いた跡がまがりくねって平らかな渚抄に篆字の文字かいている。
痒肌遭蠔刺,啾耳聞雞生。
渚に立っていると肌かゆくなり、毛虫などに刺されてしまうし、耳に生れたての雛が騒がしく啼いているのが聞えてくる。
奇慮恣回轉,遐睎縱逢迎。
素晴らしくほかにない慮りはかって気ままにめまぐるしく回る。遠き眺めは突然であったり、むかえにでるのもほしいままに見るのである。
巔林戢遠睫,縹氣夷空情。
山頂までの林があり、遠くをみるまなざしを看守っている、山の気は世間離れした隠遁の心なごませている。
歸跡歸不得,舍心舍還爭。

窯煙【ゆうえん】は疏島【そとう】を冪【おお】い,沙篆【さてん】は回平【かいへい】に印す。
肌に痒きは蠔【し】の刺すに遭【あ】いしや,耳に啾【さわか】しきは雞【ひな】の生るるを聞けばなり。
奇慮【きりょ】恣【ほしいまま】に回轉し,遐睎【かき】縱【こころゆく】まで逢迎【ほうげい】す。
巔林【てんりん】遠睫【えんしょう】を戢【おさ】め,縹氣【ひょうき】空情【くじょうう】を夷【たいらか】にす。
歸跡【きせき】あれど歸り得ず,心を舍てんとして舍て還た爭う。

#6
韓愈) 靈麻撮狗虱,
孟郊) 村稚啼禽猩。紅皺曬檐瓦,
韓愈) 黃團系門衡。得雋蠅虎健,
孟郊) 相殘雀豹趟。束枯樵指禿,
韓愈) 刈熟擔肩赪。澀旋皮卷臠,
孟郊) 苦開腹彭亨。

*上記聯句を韻により変更して読む

靈麻撮狗虱,村稚啼禽猩。
ゴマが集まることは犬に着くシラミとダニをとっているようだ、村の子供たちは、鳥が騒ぐ様に猩々と泣いている。
紅皺曬檐瓦,黃團系門衡。
赤く熟れて、しわが寄った果実が軒の瓦の下にさらし干される。黄色で丸い瓜は隠者の住居の冠木門に架けられている。
得雋蠅虎健,相殘雀豹趟。
蝿取り蜘蛛は元気で抜きん出てすぐれている。互いに飛び跳ねているのは雀の中の豹のような暴れ者である。
束枯樵指禿,刈熟擔肩赪。
枯れ木を束ねてきこりの指はまめがつぶれ禿げている、稲が実って刈りそろえ、担ぐ肩は赤くはれる。
澀旋皮卷臠,苦開腹彭亨。

靈麻【れいま】狗虱【くしつ】を撮【と】り,村稚【そんち】禽猩【きんせい】のごとく啼く。
紅皺【こうしゅう】檐瓦【たんが】に曬【さら】し,黃團【こうだん】門衡【もんこう】に系【か】く。
雋【しゅん】を得て蠅虎【ようこ】健【たけ】く,相い殘【そこな】いて雀豹【じゃくひょう】趟【おど】る。
枯れしを束ね樵指【しょうし】を禿げ,熟れしを刈りて擔肩【たんけん】赪【あか】し。
澀【じゅう】旋【めぐ】りて皮【かわ】卷臠【けんしん】,苦 開いて腹【はら】彭亨【ほうこう】。


#7
孟郊) 機舂潺湲力,
韓愈) 吹簸飄飖精。賽饌木盤簇,
孟郊) 靸妖藤索絣。荒學五六卷,
韓愈) 古藏四三塋。裏儒拳足拜,
孟郊) 土怪閃眸偵。蹄道補復破,
韓愈) 絲窠掃還成。
#8
韓愈) 暮堂蝙蝠沸,
孟郊) 破竈伊威盈。追此迅前主,
韓愈) 答雲皆冢卿。敗壁剝寒月,
孟郊) 折篁嘯遺笙。袿熏霏霏在,
韓愈) 綦跡微微呈。劍石猶竦檻,
孟郊) 獸材尚挐楹。


現代語訳と訳註
(本文)
#6
韓愈) 靈麻撮狗虱,
孟郊) 村稚啼禽猩。紅皺曬檐瓦,
韓愈) 黃團系門衡。得雋蠅虎健,
孟郊) 相殘雀豹趟。束枯樵指禿,
韓愈) 刈熟擔肩赪。澀旋皮卷臠,
孟郊) 苦開腹彭亨。

*上記聯句を韻により変更して読む

靈麻撮狗虱,村稚啼禽猩。
紅皺曬檐瓦,黃團系門衡。
得雋蠅虎健,相殘雀豹趟。
束枯樵指禿,刈熟擔肩赪。
澀旋皮卷臠,苦開腹彭亨。


(下し文)
靈麻【れいま】狗虱【くしつ】を撮【と】り,村稚【そんち】禽猩【きんせい】のごとく啼く。
紅皺【こうしゅう】檐瓦【たんが】に曬【さら】し,黃團【こうだん】門衡【もんこう】に系【か】く。
雋【しゅん】を得て蠅虎【ようこ】健【たけ】く,相い殘【そこな】いて雀豹【じゃくひょう】趟【おど】る。
枯れしを束ね樵指【しょうし】を禿げ,熟れしを刈りて擔肩【たんけん】赪【あか】し。
澀【じゅう】旋【めぐ】りて皮【かわ】卷臠【けんしん】,苦 開いて腹【はら】彭亨【ほうこう】。


(現代語訳)
ゴマが集まることは犬に着くシラミとダニをとっているようだ、村の子供たちは、鳥が騒ぐ様に猩々と泣いている。
赤く熟れて、しわが寄った果実が軒の瓦の下にさらし干される。黄色で丸い瓜は隠者の住居の冠木門に架けられている。
蝿取り蜘蛛は元気で抜きん出てすぐれている。互いに飛び跳ねているのは雀の中の豹のような暴れ者である。
枯れ木を束ねてきこりの指はまめがつぶれ禿げている、稲が実って刈りそろえ、担ぐ肩は赤くはれる。
くるくると巻いた渋皮はちぢまっている。にがうりを切り開くとそのおなかは異なったり、その通りだったりしているのだ。


(訳注)
靈麻撮狗虱,村稚啼禽猩。

ゴマが集まることは犬に着くシラミとダニをとっているようだ、村の子供たちは、鳥が騒ぐ様に猩々と泣いている。
・靈麻 胡麻。ダニつふのごとく ゴマ謝れ。・狗虱 犬に着くシラミとダニ。


紅皺曬檐瓦,黃團系門衡。
赤く熟れて、しわが寄った果実が軒の瓦の下にさらし干される。黄色で丸い瓜は隠者の住居の冠木門に架けられている。
・紅皺 赤く熟れて、しわが寄った果実。・曬 さらし干される。・檐瓦 軒の瓦。・黃團 黄色で丸もの。黄色の瓜。・門衡 衡門。2本の柱に横木をかけ渡しただけのそまつな門。転じて、貧しい者または隠者の住居をいう。冠木門(かぶきもん)。


得雋蠅虎健,相殘雀豹趟。
蝿取り蜘蛛は元気で抜きん出てすぐれている。互いに飛び跳ねているのは雀の中の豹のような暴れ者である。
・雋 すぐれる。すぐれている。 「儁」「俊」; やわらかい鳥の肉。 【雋れる】すぐれる. 抜きん出ている。人より勝る。・蠅虎 蝿取り蜘蛛・雀豹 雀の中の豹のような暴れ者。・趟 跳躍する事。


束枯樵指禿,刈熟擔肩赪。
枯れ木を束ねてきこりの指はまめがつぶれ禿げている、稲が実って刈りそろえ、担ぐ肩は赤くはれる。
・指禿 指のまめがつぶれ禿げている・刈熟 稲が実って刈りそろえる。・擔肩赪 担ぐ肩が赤くはれる


澀旋皮卷臠,苦開腹彭亨。
くるくると巻いた渋皮はちぢまっている。にがうりを切り開くとそのおなかは異なったり、その通りだったりしているのだ。
・澀 じぶ。・卷臠 ちじまる。・苦 にがうり。・彭亨 違っていたり、その通りであったりすること。・彭 異なる意味を表したり、統語的に異なる振る.・亨:支障なく通じる。

くるくると巻いた渋皮はちぢまっている。にがうりを切り開くとそのおなかは異なったり、その通りだったりしているのだ。
帰途に付こうとするが帰ることはできないし、俗心を棄てたいと思うけれどいったん捨ててもまた戻りたい気持ちがいつも爭うのである。