城南聯句 韓退之(韓愈)詩<64-#28>Ⅱ中唐詩424 紀頌之の漢詩ブログ1351

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 李商隠詩李商隠/韓愈韓退之(韓愈)・柳宗元・李煜・王安石・蘇東坡 
   2011/7/11李商隠 1 錦瑟 
      2011/7/11 ~ 2012/1/11 まで毎日掲載 全130首(187回) 
   2012/1/11 唐宋 Ⅰ李商隠187 行次西郊作一百韻  白文/現代語訳 (全文) 
     


城南聯句 韓退之(韓愈)詩64首<#28>#1~#31(全31回)
第七部(#25~#28)

#25
孟郊) 玄祗祉兆姓,
韓愈) 黑秬饛豐盛。慶流蠲瘥癘,
孟郊) 威暢捐蹱輣。靈燔望高冏,
韓愈) 龍駕聞敲轑。是惟禮之盛,
孟郊) 永用表其宏。德孕厚生植,
韓愈) 恩熙完刖剠。
#25  *上記聯句を韻により変更して読む
玄祗祉兆姓,黑秬饛豐盛。
天の神、地の神は万民を幸福にするものであり、冬の黒木美を大皿に盛り上げて準備する。
慶流蠲瘥癘,威暢捐蹱輣。
幸せを慶びをまねき、流行病をとりのぞくと、権威、威勢はのびひろがり、戦車で敵陣を突き破ることになる。
靈燔望高冏,龍駕聞敲轑。
霊前でたく護摩壇は崇高で無の境地に臨むことであり、そうして修業すれば天子乗用の馬車のきしみひびかせてお迎えが来るのである。
是惟禮之盛,永用表其宏。
これもそれも祭礼のものとして各盛りつけておくのだ、そうすれば、幾久しく天子に上表しその宏壮など陵で用いられる。
德孕厚生植,恩熙完刖剠。
恩徳はみちあふれ動物植物の生育を増大させる。そして、恩に報いることは軍法に定める中程度の罪に対する刑罰の足の腱を切ったり、顔に入れ墨をする罰などから命を全うすることを広めることになるのだ。
玄祗【げんぎ】兆姓【ちょうせい】に祉【し】し,黑秬【こくきょ】豐盛【ほうせい】に饛【み】つ。
慶【けい】流【つた】いて蠲瘥癘【されい】を【のぞ】き,威【い】暢【の】びて蹱輣【しょうほう】を捐【す】つ。
靈燔【れいはん】高冏【こうけい】を望み,龍駕【りょうが】敲轑【こうろう】を聞く。
是れ惟れ禮之盛んなる,永く用いて其の宏を表わす。
德【とく】孕【み】ちて生植【せいしょく】を厚【あつくし】,恩 熙【ひろ】まりて刖剠【げいげつ】を完【まっと】うす。
#26
韓愈) 宅土盡華族,
孟郊) 運田間強甿,蔭庾森嶺檜。
韓愈) 啄場翙祥鵬,畦肥翦韭薤。
孟郊) 陶固收盆罌,利養積余健,
韓愈) 掘雲破嵽嵲,孝思事嚴祊。
孟郊) 采月漉坳泓。
#26  *上記聯句を韻により変更して読む
宅土盡華族,運田間強甿。
城郭の宅地には豪族のやしきがことごとく建ち並び、田畑を経営するのは、富強の民の間においてである。
蔭庾森嶺檜,啄場翽祥鵬。
米蔵は檜の木々が峰を為すように覆っていて、はたけで鳥が穀をついばみ、めでたい南方の神鳥がはばたいているのだ。
畦肥翦韭薤,陶固收盆罌,
畦の作物は肥えていてニラやラッキョウを摘みとる、陶器の窯で大皿や甕が固くやきあがっている。
利養積余健,孝思事嚴祊。
安らかに養なって健康な上に更に健康になる。恩に報い孝行し、体のことをおもんばかり、事に仕え、先祖を祭るのである。
掘雲破嵽嵲,采月漉坳泓。
雲がかかる高い所まで掘りくずし、山の高い所を平らにする。月を採って池と深くくぼんだ水たまりの水を漉して澄ますのである。

宅土【たくど】盡【ことごと】く華族,運田【うんでん】強甿【きょうぼう】を間【まじ】う。
庾【ゆ】蔭して嶺檜【れいかい】森たり,場に啄【ついば】みて祥鵬【しょうめい】翽【はばた】く。
畦肥えて韭薤【きゅうかい】を翦【き】り,陶【とう】固くして盆罌【ぼんおう】を收む,
利養【りよう】余健【よけん】を積み,孝思【こうし】嚴祊【げんぼう】を事す。
雲を掘りて嵽嵲【てつげつ】を破り,月を采りて坳泓【おうおう】を漉【こ】す。


#27
孟郊) 寺砌上明鏡,
韓愈) 僧盂敲曉鉦。泥像對騁怪。
孟郊) 鐵鐘孤舂锽,癭頸鬧鳩鴿。
韓愈) 蜿垣亂蛷蠑,葚黑老蠶蠋。
孟郊) 麥黃韻鸝鹒,韶曙遲勝賞。
韓愈) 賢朋戒先庚,
#27  *上記聯句を韻により変更して読む
寺砌上明鏡,僧盂敲曉鉦。
そこはお寺の雨滴の落ちるきわところであり、鏡のような水面の上にある。僧が食事につかう鉢をだしてきて、朝食の前に勤行の鉦を叩いている。
泥像對騁怪,鐵鐘孤舂鍠。
寺には粘土で彫造した仏像に向かうとその形は怪しげである。鉄でつくった半鐘があり、ひとり、うすでつく音と鐘をつく音がする。
癭頸鬧鳩鴿,蜿垣亂蛷蠑。
こちらでは鳩が頭をふくらまして家畜鳩が騒がしくしている。うねうねまがりくねった垣根はやもり、いもりがみだれるほどいる。
葚黑老蠶蠋,麥黃韻鸝鹒。
桑の実が黒くなるころ、カイコと芋虫は老いてくる。麦の穂が黄色に色づくと高麗うぐいすの声が響いてくる。
韶曙遲勝賞,賢朋戒先庚。
美しい夜明けの空が勝景をめでてくれるのをまっている。賢くすぐれた友人が我先に歩くことを注意してくれる。

寺砌【じせい】明鏡に上り,僧盂【そうう】曉鉦【ぎょうしょう】を敲【たた】く。
泥像【でいぞう】對して怪を騁【は】せ,鐵鐘【てつしょう】孤り鍠【こう】を舂【つ】く。
癭頸【えいけい】鳩鴿【きゅうこう】鬧【さわが】しく,蜿垣【えんえん】蛷蠑【きゅうえい】を亂る。
葚【じん】黑くして蠶蠋【てんしょく】老い,麥【むぎ】黃にして鸝鹒【りこう】韻【ひび】く。
韶曙【しょうしょ】勝賞【しょうしょう】を遲【ま】ち,賢朋【けんぽう】先庚【せんこう】を戒【いまし】む。

#28
韓愈) 馳門填偪仄。
孟郊) 競墅輾砯砰,碎纈紅滿杏。
韓愈) 稠凝碧浮餳,蹙繩覲娥婺。
孟郊) 鬥草擷璣珵,粉汗澤廣額。
韓愈) 金星墮連瓔。鼻偷困淑郁,
孟郊) 眼剽強盯黽。
#28  *上記聯句を韻により変更して読む
馳門填偪仄、競墅輾砯砰。
碎纈紅滿杏、稠凝碧浮餳。
蹙繩覲娥婺、鬥草擷璣珵。
粉汗澤廣額、金星墮連瓔。
鼻偷困淑郁,眼剽強盯黽。
急ぎ駆け足で出かけたら門のところでつまづいてあずり足になる。そうかとおもうと別荘のところで早車を競い合いきしり音をギィッギィーとたてている。
くれないの杏の花がたくさん咲いていてこまかな絞り染めを見るような景色である、その実は緻密に凝固していて飴いろでプルッと飛び出てくる。
ブランコの縄をけってゆすっている嫦娥を思わせる美しい女性をみる。草くらべのように美しい玉のような花を花束にする。
美女の白粉はあせはひろがり、額にながれている。
頭に付けた簪の金星がおちて、首飾りも落ちてしまった。
女のひと肌のよい匂いは鼻がむずがゆくなってしまったし、人目につかないようにすばやく視線をおくる。
寺砌【じせい】明鏡に上り,僧盂【そうう】曉鉦【ぎょうしょう】を敲【たた】く。
泥像【でいぞう】對して怪を騁【は】せ,鐵鐘【てつしょう】孤り鍠【こう】を舂【つ】く。
癭頸【えいけい】鳩鴿【きゅうこう】鬧【さわが】しく,蜿垣【えんえん】蛷蠑【きゅうえい】を亂る。
葚【じん】黑くして蠶蠋【てんしょく】老い,麥【むぎ】黃にして鸝鹒【りこう】韻【ひび】く。
韶曙【しょうしょ】勝賞【しょうしょう】を遲【ま】ち,賢朋【けんぽう】先庚【せんこう】を戒【いまし】む。




現代語訳と訳註
(本文)
#28
韓愈) 馳門填偪仄、
孟郊) 競墅輾砯砰。碎纈紅滿杏、
韓愈) 稠凝碧浮餳。蹙繩覲娥婺、
孟郊) 鬥草擷璣珵。粉汗澤廣額、
韓愈) 金星墮連瓔。鼻偷困淑郁、
孟郊) 眼剽強盯黽。
#28  *上記聯句を韻により変更して読む
馳門填偪仄、競墅輾砯砰。
碎纈紅滿杏、稠凝碧浮餳。
蹙繩覲娥婺、鬥草擷璣珵。
粉汗澤廣額、金星墮連瓔。
鼻偷困淑郁,眼剽強盯黽。


(下し文)
門を馳せて填【つまづ】いて偪仄【ひょくそく】、墅を競って輾【きし】りて砯砰【ひょうほう】。
碎纈【さいけつ】は紅にして 杏に滿ち、稠凝【ちょうぎょう】は碧【みどり】にして餳【あめ】を浮ぶ。
繩を蹙【け】って娥婺【がぼう】を覲【み】、草を鬥【たたか】わせて璣珵【きてい】を擷【むす】ぶ。
粉汗【ふんかん】廣額【こうがく】澤【うるお】い、金星 連瓔【れんえい】に墮つ。
鼻は偷【ひそか】に淑郁【しゅくいく】に困【くる】しみ,眼は剽【すばや】く強いて盯黽【とうぼう】す。


(現代語訳)
急ぎ駆け足で出かけたら門のところでつまづいてあずり足になる。そうかとおもうと別荘のところで早車を競い合いきしり音をギィッギィーとたてている。
くれないの杏の花がたくさん咲いていてこまかな絞り染めを見るような景色である、その実は緻密に凝固していて飴いろでプルッと飛び出てくる。
ブランコの縄をけってゆすっている嫦娥を思わせる美しい女性をみる。草くらべのように美しい玉のような花を花束にする。
美女の白粉はあせはひろがり、額にながれている。
頭に付けた簪の金星がおちて、首飾りも落ちてしまった。
女のひと肌のよい匂いは鼻がむずがゆくなってしまったし、人目につかないようにすばやく視線をおくる。


(訳注)
馳門填偪仄、競墅輾砯砰。
急ぎ駆け足で出かけたら門のところでつまづいてあずり足になる。かとおもうと別荘のところで早車を競い合いきしり音をギィッギィーとたてている。
・塀 つまずく。・偪仄 せまりかたむく。あずり足になる・競壁 野にいそいでゆく.・株杵 車の菅。


碎纈紅滿杏、稠凝碧浮餳。
くれないの杏の花がたくさん咲いていてこまかな絞り染めを見るような景色である、その実は緻密に凝固していて飴いろでプルッと飛び出てくる。
碎纈 こまかな絞り染め。・稠凝 緻密に凝固する。・浮餳 杏の実はあめのようにプルッと飛び出てくる。


蹙繩覲娥婺、鬥草擷璣珵。
ブランコの縄をけってゆすっている嫦娥を思わせる美しい女性をみる。草くらべのように美しい玉のような花を花束にする。
蹙繩 ブランコの縄をけってゆする。・娥婺 嫦娥を思わせる美しい女。・ 花束にするために結ぶ。・璣珵 美しい玉のような花。


粉汗澤廣額、金星墮連瓔。
美女の白粉はあせはひろがり、額にながれている。頭に付けた簪の金星がおちて、首飾りも落ちてしまった。
粉汗 おしろいが汗に流れる。・金星 頭に付けた簪の金星。・連瓔 首飾り。


鼻偷困淑郁,眼剽強盯黽。
女のひと肌のよい匂いは鼻がむずがゆくなってしまったし、人目につかないようにすばやく視線をおくる。
淑郁 女のひとのよい匂い。・眼剽 人目につかないようにすばやく視線をおくるという意味。・盯黽 みつめる。