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#3
攢雜啾嚄沸篪塤,彤幢絳旃紫纛幡。
竹製の横笛をふき、土笛を吹き鳴らして沸き立ち、ざわめくのであり、赤丹を塗った旗矛あり、柄の曲がった旗があり、紫の旗まであるのだ。
炎官熱屬朱冠褌,髹其肉皮通髀臀。
炎の神の従属の者たちは赤い帽子にふんどし、スカート姿でいるし、皮膚の肉には赤漆を塗りつけていて肩から尻まで塗っているのを見せつけている。
頹胸垤腹車掀轅,緹顏靺股豹兩鞬。
肉のたれ下った胸、ふくれ上った腹をゆすって 車の長柄棒をかき上げふりあげて、黒ずんだ赤ら顔、あかねぞめの革の股引、弓袋ふりわけ、きめている。
霞車虹靷日轂轓,丹蕤縓蓋緋繙鰭。
霞の中を虹の手綱をつけて、日輪の車にこしきと被いをつけて鞭うつのである、そしてあかい旗かざり、赤の幌、緋の旗ひれをゆすってすすむ。
紅帷赤幕羅脤膰,衁池波風肉陵屯。
赤の幔幕の内側には祭に供える肉がはるか向こうまで並べられており、血の池には風がそよいでなみがたち、肉の山はそびえるほど高いのである。

啾嚄【しゅうかく】を攢雜【さんざつ】して篪塤【ちけん】沸く,彤幢【とうどう】絳旃【こうせん】紫纛幡【しとうばん】。
炎官 熱屬 冠褌【かんこん】を朱にし,其の肉皮を髹【きゅう】にし 髀臀【ひどん】に通ず。
頹胸【たいきょう】垤腹【てつふく】車 轅【ながえ】を掀【かか】ぐ,緹顏【ていがん】靺股【ばつこ】豹の兩鞬【りょうけん】。
霞車【かしゃ】虹靷【こういん】日の轂轓【こくへん】,丹蕤【たんすき】縓蓋【せんがい】緋に鰭【ひれ】を繙【ひるが】えす。
紅帷 赤幕 脤膰【はり】の羅【つら】ぬ,衁池【こうち】波風 肉の陵屯。

#4
谽呀钜壑頗黎盆,豆登五山瀛四尊。
その肉の山と大きな谷を頗黎盆に取り大口を開いて食うのだ。肉を盛る祭器はまるで五岳であり、瀛山を浮かべる四海をさかずきにしたようなものだ。
熙熙釂酬笑語言,雷公擘山海水翻。
なごやかに喜びあい、酒を酌み交わし、笑い、談義を尽くす。雷様は山に堕ち、海の水を翻している。
齒牙嚼齧舌齶反,電光殲磹赬目厖,
歯をむき出し、牙むく、そして舌を出したりひるがえしたり、電光が炸裂するかと思えば、きらめく光で目玉を大きくするのである。
頊冥收威避玄根,斥棄輿馬背厥孫。
水の神とされる顓頊・玄冥は威勢あがらずみずのそこにいる。乗用の車や馬、御輿を棄ててしまったのか 火の神までがでてこないのである。
縮身潛喘拳肩跟,君臣相憐加愛恩。
身をかがめて知事困り、息をころして、かたとくるぶしをくっつけていて水底にすまいしていて、顓頊・玄冥の家来どもは互いに哀れんで御恩を感謝している。
谽呀【かんか】たる钜壑【きょがく】は頗黎【はり】の盆,五山を豆登して 瀛【うみ】は四尊【しそん】。
熙熙【きき】として釂酬【しょうしゅう】し 笑って語言す,雷公 山を擘【つんざ】き海水翻る。
齒牙もて嚼齧【しゃくげつ】舌齶【ぜつがく】反【かえ】る,電光 殲磹【せんてん】し赬目【ていもく】厖【おおい】なり,
頊冥【ぎょくめい】威を收めて 玄根に避け,輿馬【よば】を斥棄【せきき】して厥【そ】の孫に背く。
身を縮め 潛かに喘いで肩跟【けんこん】を拳ぐ,君臣 相憐みて 愛恩を加える。


#5
命黑螭偵焚其元,天闕悠悠不可援。
夢通上帝血面論,側身欲進叱於閽。
帝賜九河湔涕痕,又詔巫陽反其魂。
徐命之前問何冤,火行於冬古所存。
我如禁之絕其飧,女丁婦壬傳世婚。

黑螭【こくち】に命じて偵【うかが】わしむるに其の元を焚かる,天闕 悠悠 援づ可からず。
夢に上帝に通じて血面もて論じ,身を側て進まむと欲するに閽に叱せらる。
帝 九河を賜うて涕痕【ていこん】を湔【そそ】がしめ,又 巫陽に詔【みことのり】して其の魂を反さしむ。
徐【おもむろ】に之を命じ 前【すす】めましめて問う 何の冤ぞ,火の冬に行くは古より存する所。
我 如【も】し 之を禁せば 其の飧【そん】を絕たん,女丁は壬に婦となり 世を傳えて婚す。


#6
一朝結讎奈後昆,時行當反慎藏蹲。
視桃著花可小騫,月及申酉利複怨。
助汝五龍從九鯤,溺厥邑囚之昆崙。
皇甫作詩止睡昏,辭誇出真遂上焚。
要餘和增怪又煩,雖欲悔舌不可捫。

一朝にして 讎【あた】を結ばは後昆を奈【いかん】せん,時行 反するに當っては慎んで藏蹲【ぞうそん】せよ。
桃の花を著【つ】くるを視ば小【すこ】し騫【あ】ぐべし,月 申酉【しんゆう】に及わば怨を複するに利あらん。
汝を助けて五龍を九鯤に從わしめん,厥の邑を溺らせ之を昆崙に囚えよ。
皇甫の詩を作るは止睡昏【すいこん】をめるためなるに,辭に真に出づるを誇り 遂に上焚【じょうふん】す。
餘【われ】の和して增怪と煩とを要【もと】む,悔いむと欲すと雖も 舌 捫【な】づべからず。


現代語訳と訳註
(本文)
#4
谽呀钜壑頗黎盆,豆登五山瀛四尊。
熙熙釂酬笑語言,雷公擘山海水翻。
齒牙嚼齧舌齶反,電光殲磹赬目厖,
頊冥收威避玄根,斥棄輿馬背厥孫。
縮身潛喘拳肩跟,君臣相憐加愛恩。


(下し文)
谽呀【かんか】たる钜壑【きょがく】は頗黎【はり】の盆,五山を豆登して 瀛【うみ】は四尊【しそん】。
熙熙【きき】として釂酬【しょうしゅう】し 笑って語言す,雷公 山を擘【つんざ】き海水翻る。
齒牙もて嚼齧【しゃくげつ】舌齶【ぜつがく】反【かえ】る,電光 殲磹【せんてん】し赬目【ていもく】厖【おおい】なり,
頊冥【ぎょくめい】威を收めて 玄根に避け,輿馬【よば】を斥棄【せきき】して厥【そ】の孫に背く。
身を縮め 潛かに喘いで肩跟【けんこん】を拳ぐ,君臣 相憐みて 愛恩を加える。


(現代語訳)
その肉の山と大きな谷を頗黎盆に取り大口を開いて食うのだ。肉を盛る祭器はまるで五岳であり、瀛山を浮かべる四海をさかずきにしたようなものだ。
なごやかに喜びあい、酒を酌み交わし、笑い、談義を尽くす。雷様は山に堕ち、海の水を翻している。
歯をむき出し、牙むく、そして舌を出したりひるがえしたり、電光が炸裂するかと思えば、きらめく光で目玉を大きくするのである。
水の神とされる顓頊・玄冥は威勢あがらずみずのそこにいる。乗用の車や馬、御輿を棄ててしまったのか 火の神までがでてこないのである。
身をかがめて知事困り、息をころして、かたとくるぶしをくっつけていて水底にすまいしていて、顓頊・玄冥の家来どもは互いに哀れんで御恩を感謝している。


(訳注) #4
谽呀鉅壑頗黎盆,豆登五山瀛四尊。
その肉の山と大きな谷を頗黎盆に取り大口を開いて食うのだ。肉を盛る祭器はまるで五岳であり、瀛山を浮かべる四海をさかずきにしたようなものだ。
・谽呀 谷の大いにひらけたさま。パックリとひらいた、というほどの意。
・鉅壑 大きな谷。
・頗黎 赤玉。
・豆登 肉を盛る祭器。


熙熙釂酬笑語言,雷公擘山海水翻。
なごやかに喜びあい、酒を酌み交わし、笑い、談義を尽くす。雷様は山に堕ち、海の水を翻している。
熙熙【きき】. なごやかに喜びあうさま。 「衆人熙熙として楽しむ」. 【熙熙攘攘】ききじょうじょう. 大勢の人が賑やかに行き交うさま。 「熙熙」は喜んで楽しむさま。「攘攘」は入り乱れるさま、多いさま。 「攘攘」は「壌壌」とも書く。 【熙笑】きしょう. なごやかに笑うこと。
・釂酬 のみほしたり、返杯したりする。


齒牙嚼齧舌齶反,電光殲磹赬目厖,
歯をむき出し、牙むく、そして舌を出したりひるがえしたり、電光が炸裂するかと思えば、きらめく光で目玉を大きくするのである。
殲磹 きらめく。
・暖/〔暖に偏が目〕 目の大きなさま.


頊冥收威避玄根,斥棄輿馬背厥孫。
水の神とされる顓頊・玄冥は威勢あがらずみずのそこにいる。乗用の車や馬、御輿を棄ててしまったのか 火の神までがでてこないのである。
・頊冥 顓頊と玄冥。顓頊は中国古代の伝説上の天子。玄冥はどちらの文字も北を示し北方の神。顓頊・玄冥いずれも冬をつかさどり、水の神とされる。
・玄根 『列子』天瑞篇に「玄牝の門はこれ天地の根」 の語がみえる。ここでは、幽玄なものの根元ということで、水底をさすのであろう。万物生々流転、疑独=道を窮(きわ)む
・斥棄 すてさる。
・輿馬 乗用の車や馬。
・背厭孫 中国の五行説では、水は木を生じ、木から火が生まれる。いま、水の神の前項や玄英が、その孫にあたる火の神の祝融たちをおそれて逃げかくれしているので、その孫に背くという。

 五行関係図

縮身潛喘拳肩跟,君臣相憐加愛恩。
身をかがめて知事困り、息をころして、かたとくるぶしをくっつけていて水底にすまいしていて、顓頊・玄冥の家来どもは互いに哀れんで御恩を感謝している。
肩跟 かたとくるぶし。
・君臣 顧頚と玄冥とをさす。