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陸渾山火和皇甫湜用其韻(湜時為陸渾尉) 詩<93-#5>Ⅱ中唐詩498 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1573


#4
谽呀钜壑頗黎盆,豆登五山瀛四尊。
その肉の山と大きな谷を頗黎盆に取り大口を開いて食うのだ。肉を盛る祭器はまるで五岳であり、瀛山を浮かべる四海をさかずきにしたようなものだ。
熙熙釂酬笑語言,雷公擘山海水翻。
なごやかに喜びあい、酒を酌み交わし、笑い、談義を尽くす。雷様は山に堕ち、海の水を翻している。
齒牙嚼齧舌齶反,電光殲磹赬目厖,
歯をむき出し、牙むく、そして舌を出したりひるがえしたり、電光が炸裂するかと思えば、きらめく光で目玉を大きくするのである。
頊冥收威避玄根,斥棄輿馬背厥孫。
水の神とされる顓頊・玄冥は威勢あがらずみずのそこにいる。乗用の車や馬、御輿を棄ててしまったのか 火の神までがでてこないのである。
縮身潛喘拳肩跟,君臣相憐加愛恩。
身をかがめて知事困り、息をころして、かたとくるぶしをくっつけていて水底にすまいしていて、顓頊・玄冥の家来どもは互いに哀れんで御恩を感謝している。

谽呀【かんか】たる钜壑【きょがく】は頗黎【はり】の盆,五山を豆登して 瀛【うみ】は四尊【しそん】。
熙熙【きき】として釂酬【しょうしゅう】し 笑って語言す,雷公 山を擘【つんざ】き海水翻る。
齒牙もて嚼齧【しゃくげつ】舌齶【ぜつがく】反【かえ】る,電光 殲磹【せんてん】し赬目【ていもく】厖【おおい】なり,
頊冥【ぎょくめい】威を收めて 玄根に避け,輿馬【よば】を斥棄【せきき】して厥【そ】の孫に背く。
身を縮め 潛かに喘いで肩跟【けんこん】を拳ぐ,君臣 相憐みて 愛恩を加える。


#5
命黑螭偵焚其元,天闕悠悠不可援。
なんとかしようと螭に命じて偵察させたのだけれど頭に火傷おってしまった。天の関門は遠いはるかなところにあり攀じ登ることはできはしない。
夢通上帝血面論,側身欲進叱於閽。
夢で天子に拝謁して上訴を行ったのはよいが、御傍に寄ろうとしたら臣官にどなられたのだ。
帝賜九河湔涕痕,又詔巫陽反其魂。
天帝はあわれにおもわれて世界の九河の水で涙洗わせてもらったのだ。そして 巫女つかわして「招魂」によって魂を呼び戻された。
徐命之前問何冤,火行於冬古所存。
魂は呼びもどされてその訴え聞いてくれた。そして 言われた「冬になれば昔から、火の神というものは存分にはたらくものだ。」
我如禁之絕其飧,女丁婦壬傳世婚。
われわれがそれを止めれば夕食の煮たきもできない、そうであれば「溫泉之神」といわれるといわれるものだけが結婚できるというものだ。

黑螭【こくち】に命じて偵【うかが】わしむるに其の元を焚かる,天闕 悠悠 援づ可からず。
夢に上帝に通じて血面もて論じ,身を側て進まむと欲するに閽に叱せらる。
帝 九河を賜うて涕痕【ていこん】を湔【そそ】がしめ,又 巫陽に詔【みことのり】して其の魂を反さしむ。
徐【おもむろ】に之を命じ 前【すす】めましめて問う 何の冤ぞ,火の冬に行くは古より存する所。
我 如【も】し 之を禁せば 其の飧【そん】を絕たん,女丁は壬に婦となり 世を傳えて婚す。


#6
一朝結讎奈後昆,時行當反慎藏蹲。
視桃著花可小騫,月及申酉利複怨。
助汝五龍從九鯤,溺厥邑囚之昆崙。
皇甫作詩止睡昏,辭誇出真遂上焚。
要餘和增怪又煩,雖欲悔舌不可捫。

一朝にして 讎【あた】を結ばは後昆を奈【いかん】せん,時行 反するに當っては慎んで藏蹲【ぞうそん】せよ。
桃の花を著【つ】くるを視ば小【すこ】し騫【あ】ぐべし,月 申酉【しんゆう】に及わば怨を複するに利あらん。
汝を助けて五龍を九鯤に從わしめん,厥の邑を溺らせ之を昆崙に囚えよ。
皇甫の詩を作るは止睡昏【すいこん】をめるためなるに,辭に真に出づるを誇り 遂に上焚【じょうふん】す。
餘【われ】の和して增怪と煩とを要【もと】む,悔いむと欲すと雖も 舌 捫【な】づべからず。


現代語訳と訳註
(本文)
#5
命黑螭偵焚其元,天闕悠悠不可援。
夢通上帝血面論,側身欲進叱於閽。
帝賜九河湔涕痕,又詔巫陽反其魂。
徐命之前問何冤,火行於冬古所存。
我如禁之絕其飧,女丁婦壬傳世婚。


(下し文)
黑螭【こくち】に命じて偵【うかが】わしむるに其の元を焚かる,天闕 悠悠 援づ可からず。
夢に上帝に通じて血面もて論じ,身を側て進まむと欲するに閽に叱せらる。
帝 九河を賜うて涕痕【ていこん】を湔【そそ】がしめ,又 巫陽に詔【みことのり】して其の魂を反さしむ。
徐【おもむろ】に之を命じ 前【すす】めましめて問う 何の冤ぞ,火の冬に行くは古より存する所。
我 如【も】し 之を禁せば 其の飧【そん】を絕たん,女丁は壬に婦となり 世を傳えて婚す。

(現代語訳)
なんとかしようと螭に命じて偵察させたのだけれど頭に火傷おってしまった。天の関門は遠いはるかなところにあり攀じ登ることはできはしない。
夢で天子に拝謁して上訴を行ったのはよいが、御傍に寄ろうとしたら臣官にどなられたのだ。
天帝はあわれにおもわれて世界の九河の水で涙洗わせてもらったのだ。そして 巫女つかわして「招魂」によって魂を呼び戻された。
魂は呼びもどされてその訴え聞いてくれた。そして 言われた「冬になれば昔から、火の神というものは存分にはたらくものだ。」
われわれがそれを止めれば夕食の煮たきもできない、そうであれば「溫泉之神」といわれるといわれるものだけが結婚できるというものだ。


(訳注) #5
命黑螭偵焚其元,天闕悠悠不可援。

なんとかしようと螭に命じて偵察させたのだけれど頭に火傷おってしまった。天の関門は遠いはるかなところにあり攀じ登ることはできはしない。
・天闕 天の関門。天帝の宮殿の門。また、宮城の門。宮門。禁闕。閶闔門。
・援 よじのぼる。


夢通上帝血面論,側身欲進叱於閽。
夢で天子に拝謁して上訴を行ったのはよいが、御傍に寄ろうとしたら臣官にどなられたのだ。
・血面 血まみれの顔。
・閽 周時代の官名。王宮の門の開閉を任務とする臣官。


帝賜九河湔涕痕,又詔巫陽反其魂。
天帝はあわれにおもわれて世界の九河の水で涙洗わせてもらったのだ。そして 巫女つかわして「招魂」によって魂を呼び戻された。
巫陽 天帝のむすめ。宋玉の「招魂」に、屈原の魂塊が離散したのを天帝があわれみ、むすめの巫陽にさがさせ、よびかえしてやった、という話がみえる。


徐命之前問何冤,火行於冬古所存。
魂は呼びもどされてその訴え聞いてくれた。そして 言われた「冬になれば昔から、火の神というものは存分にはたらくものだ。」


我如禁之絕其飧,女丁婦壬傳世婚。
われわれがそれを止めれば夕食の煮たきもできない、そうであれば「溫泉之神」といわれるといわれるものだけが結婚できるというものだ。
 夕食のことだが、ここでは煮たきした食
事というほどの意。
女丁婦壬 #4に登場した「頊冥收威避玄根」顓頊と玄冥の玄冥の子が壬夫安で祝融氏のむすめが丁芊という共に「水仙」を学んで習得したので「溫泉之神」とされた。日本でいう釜戸の神というところであろう。『東山少連』「玄冥之子曰壬夫安,祝融氏之女曰丁芊,俱學水仙,是為溫泉之神。」