進学解 韓退之(韓愈) 5回目 第3段の1


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進学解 韓退之(韓愈)詩<114-5>Ⅱ中唐詩561 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1810

第3段の1


韓愈の理解のために、このブログではこの「進學解」掲載の後に韓愈「原道」「原性」「原毀」「原人」「原鬼」の順に取り上げていきたい。韓愈の五つの本質を原【たず】ねた推論について、特に孟子の性善、荀子の性悪、楊雄の性善性悪混在説の三説に対して三品の性という新しい見解を述べた「原性」からこのブログに取り上げ解説する予定である。

進學解  韓愈
#1(1)-1
國子先生,晨入太學,召諸生立館下,誨之曰:「業精於勤,荒於嬉。行成於思,毀於隨。
方今聖賢相逢,治具畢張,拔去兇邪,登崇俊良。
#2(1)-2
占小善者率以錄,名一藝者無不庸。爬羅剔抉,刮垢磨光。蓋有幸而獲選,孰云多而不揚?諸生業患不能精,無患有司之不明;行患不能成,無患有司之不公。」

#3(2)-1
言未既。有笑於列者曰:「先生欺余哉!弟子事先生,於茲有年矣。
先生口不絕吟於六藝之文,手不停披於百家之編。
#4(2)-2
記事者必提其要,纂言者必鉤其玄。貪多務得,細大不捐。焚膏油以繼晷,恆兀兀以窮年:先生之於業,可謂勤矣。

#5(3)
觝排異端,攘斥佛老。補苴罅漏,張皇幽眇。尋墜緒之茫茫,獨旁搜而遠紹。障百川而東之,迴狂瀾於既倒:先生之於儒,可謂有勞矣。

#6(4)-1
沈浸醲郁,含英咀華,作為文章,其書滿家。上規姚姒,渾渾無涯。周誥殷盤,佶屈聱牙。春秋謹嚴,左氏浮誇。
#6(4)-2
易奇而法,詩正而葩。下逮莊騷,太史所錄。子雲、相如,同工異曲;先生之於文,可謂閎其中而肆其外矣!

#7(5)-1
少始知學,勇於敢為。長通於方,左右俱宜:先生之於為人,可謂成矣。然而公不見信於人,私不見助於友。跋前躓後,動輒得咎。暫為御史,遂竄南夷。
#8(5)-2
三爲博士,冗不見治。命與仇謀,取敗幾時!冬暖而兒號寒,年豐而妻啼飢。頭童齒豁,竟死何裨?不知慮此,而反教人為!」

#9(6)-1
先生曰:「吁!子來前。夫大木為杗,細木為桷。欂櫨侏儒,椳闑扂楔。各得其宜,施以成室者,匠氏之工也。
#10(6)-2
玉札、丹砂,赤箭、青芝,牛溲,馬勃,敗鼓之皮,俱收並蓄,待用無遺者,醫師之良也。登明選公,雜進巧拙,紆餘為姘,卓犖為傑,校短量長,惟器是適者,宰相之方也。

#11(7)
昔者孟軻好辯,孔道以明。轍環天下,卒老於行。荀卿守正,大論是宏。逃讒於楚,廢死蘭陵。是二儒者,吐辭為經,舉足為法。絕類離倫,優入聖域,其遇於世何如也?

#12(8)-1
今先生學雖勤而不繇其統,言雖多而不要其中。文雖奇而不濟於用,行雖修而不顯於眾。猶且月費俸錢,歲糜廩粟。子不知耕,婦不知織。
#13(8)-2
乘馬從徒,安坐而食。踵常途之促促,窺陳編以盜竊。
然而聖主不加誅,宰臣不見斥,茲非其幸歟?動而得謗,名亦隨之。投閑置散,乃分之宜。

#14(9)
若夫商財賄之有亡,計班資之崇庳。忘己量之所稱,指前人之瑕疵。是所謂詰匠氏之不以杙為楹,而訾醫師以昌陽引年,欲進其豨苓也。」


#5『進學解』3段目
觝排異端,攘斥佛老。
先生は儒家と出発点を異にした学問思想を突きのけおしのけられた、その上で仏教や老荘思想を払いしりぞけられた。
補苴罅漏,張皇幽眇。
儒家の学問上欠点のわれ目や漏る亀裂をおぎないふさがれ、静かで奥深くかすかな点を広く大きくして明らかにされた。
尋墜緒之茫茫,獨旁搜而遠紹。
それは、既に地に墜ちて明らかでない儒家の伝銃のいとぐちを尋ねられ、ただ独りの所からあまねくさがして遠い昔を承け継いでおられるのである。
障百川而東之,迴狂瀾於既倒:
これは、百という多くの川の流れあったとしてもやがて「すべて東に流れていくものであり」ということは思想宗教では難しいもので、狂って打ち寄せる大波により倒れてしまったあとで、通りに立ち返らせるのに似た、殆んど不可能な難事業であるのです。
先生之於儒,可謂有勞矣。
これが先生の儒学発展における御努力は、御苦労なことに対して感謝を申し上げるべきであります。


『進學解』3段目 現代語訳と訳註
(本文)
#5(3)
觝排異端,攘斥佛老。補苴罅漏,張皇幽眇。尋墜緒之茫茫,獨旁搜而遠紹。障百川而東之,迴狂瀾於既倒:先生之於儒,可謂有勞矣。


(下し文)
異端を醍排し、悌老を凍斥し、綽漏を補宜し、幽抄を張皇し、堕緒の茫茫たるを尋ね、漏り穿く捜りて遠く紹ぐ。古川を障へて之を東せしめ、狂瀾を既倒に廻らす。先生の儒に於ける、螢せりと謂ふ可し。


(現代語訳)
先生は儒家と出発点を異にした学問思想を突きのけおしのけられた、その上で仏教や老荘思想を払いしりぞけられた。
儒家の学問上欠点のわれ目や漏る亀裂をおぎないふさがれ、静かで奥深くかすかな点を広く大きくして明らかにされた。
それは、既に地に墜ちて明らかでない儒家の伝銃のいとぐちを尋ねられ、ただ独りの所からあまねくさがして遠い昔を承け継いでおられるのである。
これは、百という多くの川の流れあったとしてもやがて「すべて東に流れていくものであり」ということは思想宗教では難しいもので、狂って打ち寄せる大波により倒れてしまったあとで、通りに立ち返らせるのに似た、殆んど不可能な難事業であるのです。
これが先生の儒学発展における御努力は、御苦労なことに対して感謝を申し上げるべきであります。


(訳注) #5(3)
觝排異端,攘斥佛老。
先生は儒家と出発点を異にした学問思想を突きのけおしのけられた、その上で仏教や老荘思想を払いしりぞけられた。
・觝排 觝は突き当たる。排はおしのける。
・異端 儒家以外の思想学問をいう。儒家と端(出発点)がちがっているもの。韓愈は仏教について819年『仏骨を論ずる表』を奏上している。
・攘斥 攘は払う、斥はしりぞける。
・佛老 仏教と老荘思想と土着の宗教との融合が道教であるが、理論的には老荘で儀式的な派とまったく別な宗教のようであった


補苴罅漏,張皇幽眇。
儒家の学問上欠点のわれ目や漏る亀裂をおぎないふさがれ、静かで奥深くかすかな点を広く大きくして明らかにされた。
・補苴 補いつづる。つくろいふさぐ。
・罅漏 ひびわれ、水漏れ。
・張皇 拡げ大きくする。
・幽眇 静かで奥深くかすかで明らかでないところ。


尋墜緒之茫茫,獨旁搜而遠紹。
それは、既に地に墜ちて明らかでない儒家の伝銃のいとぐちを尋ねられ、ただ独りの所からあまねくさがして遠い昔を承け継いでおられるのである。
・墜緒 地に墜ちた糸口。絶えてしまった伝統の糸。孟子以後、殆んど絶えた儒家の伝統。権力者が統治のため利用したため嫌気がさしたということある。
・茫茫 ぼんやりと定かでない形容。
・遠紹 遠い昔のものを承け継ぐ。紹はつぐ。


障百川而東之,迴狂瀾於既倒:
これは、百という多くの川の流れあったとしてもやがて「すべて東に流れていくものであり」ということは思想宗教では難しいもので、狂って打ち寄せる大波により倒れてしまったあとで、通りに立ち返らせるのに似た、殆んど不可能な難事業であるのです。
・障百川而東之 「大河は東流するもの」いろんな流れがあっても東流することになってしまう。これが中國の常識である。だからといって、いろんな思想も一つの思想宗教に収斂されるということにはならない。多くの川の流れをせきとめて、すべて東に流れさす。すべての思想を儒家に慣わせること、大変で不可能に近いということである。
・廻狂瀾於既倒 狂いたけって打ち寄せる波を、すでに倒れた後で、これをもと通りに立ち直らせる。これも至難の専業を喩える。儒家の復興の極めて困難なことを敢てすること。


先生之於儒,可謂有勞矣。
これが先生の儒学発展における御努力は、御苦労なことに対して感謝を申し上げるべきであります。