韓愈0015











一段目
性也者,與生俱生也;情也者,接於物而生也。
性之品有三,而其所以為性者五;情之品有三,而其所以為情者七。

二段目
曰:何也?
曰:性之品有上中下三。
上焉者,善焉而已矣;中焉者,可導而上下也;
下焉者,惡焉而已矣。
其所以為性者五:曰仁、曰禮、曰信、曰義、曰智。
上焉者之於五也,主於一而行於四;
中焉者之於五也,一不少有焉,則少反焉,其於四也混;
下焉者之於五也,反於一而悖於四。性之於情視其品。

三段目
情之品有上中下三,其所以為情者七:
曰喜、曰怒、曰哀、曰懼、曰愛、曰惡、曰欲。
上焉者之於七也,動而處其中;
中焉者之於七也,有所甚,有所亡,然而求合其中者也;
下焉者之於七也,亡與甚,直情而行者也。
情之於性視其品。

四段目
孟子之言性曰:人之性善。
荀子之言性曰:人之性惡。
揚子之言性曰:人之性善惡混。
夫始善而進惡,與始惡而進善,與始也混而今也善惡,
皆舉其中而遺其上下者也,得其一而失其二者也。

五段目
叔魚之生也,其母視之,知其必以賄死。
楊食我之生也,叔向之母聞其號也,知必滅其宗。
越椒之生也,子文以為大戚,知若敖氏之鬼不食也。
人之性果善乎?後稷之生也,其母無災,其始匍匐也,
則岐岐然,嶷嶷然。
文王之在母也,母不憂;既生也,傅不勤;既學也,師不煩;
人之性果惡乎?堯之朱,舜之均,文王之管、蔡,習非不善也,
而卒為奸;
瞽叟之舜,鯀之禹,習非不惡也,而卒為聖。人之性善惡果混乎?

六段目
故曰:三子之言性也,舉其中而遺其上下者也,得其一而失其二者也。
曰:然則性之上下者,其終不可移乎?
曰:上之性,就學而愈明;下之性,畏威而寡罪;
是故上者可教,而下者可制也,其品則孔子謂不移也。
曰:今之言性者異於此,何也?
曰:今之言者,雜佛、老而言也;雜佛、老而言也者,奚言而不異?



原性01


原性 韓愈(韓退之) <116-1>Ⅱ中唐詩599 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1979


人間の倫理性の本質を原【たず】ねる論文。孟子の性善、荀子の性悪、揚雄の性善悪混在説の三説に対して、韓愈は性に上・中・下三等の区別があるとし、その上品と下品の性は移らないものであるという新しい見解を述べた。


原性一段目
性也者,與生俱生也;
「性」というものは、誕生により生ずるのであり、人間の生きるための心のはたらきである。
情也者,接於物而生也。
「情」というものは、生まれ持つ「性」という心のはたらきが外物と接して生ずる感情をいうのである。
性之品有三,而其所以為性者五;
性の区別等級に三つあって、その性という概念に五種類がある。
情之品有三,而其所以為情者七。
感情の品等に三つあって、その情というものに七種類がある。

性なる者は生と倶に生ずるなり。
情なる者は物に接して生ずるなり。
性の品に三有り。而して其の性為る所以の者五あり。
情の品に三有り。而して其の情為る所以の者七あり。


『原性』一段目 現代語訳と訳註
(本文)

性也者,與生俱生也;
情也者,接於物而生也。
性之品有三,而其所以為性者五;
情之品有三,而其所以為情者七。


(下し文)
性なる者は生と倶に生ずるなり。
情なる者は物に接して生ずるなり。
性の品に三有り。而して其の性為る所以の者五あり。
情の品に三有り。而して其の情為る所以の者七あり。


(現代語訳)
「性」というものは、誕生により生ずるのであり、人間の生きるための心のはたらきである。
「情」というものは、生まれ持つ「性」という心のはたらきが外物と接して生ずる感情をいうのである。
性の区別等級に三つあって、その性という概念に五種類がある。
感情の品等に三つあって、その情というものに七種類がある。


(訳注) 一段目
性也者,與生俱生也;

「性」というものは、誕生により生ずるのであり、人間の生きるための心のはたらきである。


情也者,接於物而生也。
「情」というものは、生まれ持つ「性」という心のはたらきが外物と接して生ずる感情をいうのである。


性之品有三,而其所以為性者五;
性の区別等級に三つあって、その性という概念に五種類がある。
 字形が心に従い、生に従うように、人が生まれながらに得た心のはたらきをいう。また生きるための心のはたらきでもあり、道徳的理性と食色の本能的感性とをあわせて性という。
・性善説 人間の本性は基本的に善であるとする倫理学・道徳学説、特に儒教主流派の中心概念。人の本性に関する考察は古今東西行われてきたが、「性善説」ということばは儒家のひとり孟子に由来する。
・性悪説 《荀子》の〈性悪篇〉には〈人の性は悪なり,その善なる者は偽なり〉と説く。偽とは,作為のことで,後天的努力をいう。人は無限の欲望をもち,放任しておけば他人の欲望と衝突して争いを起こし,社会は混乱におちいるであろう。放任しておくと悪にむかう人の性,それは悪といわざるをえない。性の悪なる人間を善に導くためには,作為によって規制しなければならない。先王が礼を作ったのは,人の欲望を規制して社会に秩序を確保するためであった。


情之品有三,而其所以為情者七。
感情の品等に三つあって、その情というものに七種類がある。
〇惰 性、すなわち生得の心のはたらきが、物に接して生ずる感情をいう。
三:「上・中・下」
五:「仁・禮・信・義・智」、

七:「喜・怒・哀・憾・愛・悪・欲の七者は、学はずして能くす」とある、自然の心理作用とする。


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