2013年3月8日 | 同じ日の紀頌之5つのブログ |
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原人 韓愈(韓退之) <117-1>Ⅱ中唐詩610 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2034
韓愈『原人』
一段目
形於上者謂之天,形於下者謂之地,命於其兩間者謂之人。形於上,日月星辰皆天也;形於下,草木山川皆地也;命於其兩間,夷狄禽獸皆人也。
二段目
曰:「然則吾謂禽獸人,可乎?」曰:「非也。指山而問焉,曰山乎?曰山,可也。山有草木禽獸,皆舉之矣。指山之一草而問焉,曰山乎?曰山,則不可。」
三段目
故天道亂,而日月星辰不得其行;地道亂,而草木山川不得其平;人道亂,而夷狄禽獸不得其情。天者,日月星辰之主也;地者,草木山川之主也;人者,夷狄禽獸之主也。主而暴之,不得其為主之道矣,是故聖人一視而同仁,篤近而舉遠。
韓愈『原人』
一段目
形於上者謂之天,形於下者謂之地。
上方にあらわれている形のもの、これを「天」という。下方にあらわれている形のもの、これを「地」という。
命於其兩間者謂之人。
その天と地、二つの間に命を受けて存在するもの、これを「人間」というのである。
形於上,日月星辰皆天也。
上おける形のあらわれるものには、日、月、星、星座は、皆「天」に存在するものである。
形於下,草木山川皆地也。
下、すなわち地に形あるものとして、草木山川の類はみな「地」のものとするである。
命於其兩間,夷狄禽獸皆人也。
その天と地、二つの間に命を受けて存在するひとがいるが、ここでは東夷・西戎・南蛮・北狄の異民族、鳥やけものの、虫魚類までも皆「人」に属するということである。
一段目
(人を原ぬ。)
上に形るる者之を天と謂う,下に形るる者之を地と謂う。
其の兩間に命ぜらるる者之を人と謂う。
上に形るる,日月星辰は皆天なり。
下に形るる,草木山川は皆地なり。
其の兩間に命ぜらるる,夷狄禽獸は皆人なり。
韓愈『原人』 現代語訳と訳註
(本文) 一段目
形於上者謂之天,形於下者謂之地,命於其兩間者謂之人。形於上,日月星辰皆天也;形於下,草木山川皆地也;命於其兩間,夷狄禽獸皆人也。
(下し文)
上に形るる者之を天と謂う,下に形るる者之を地と謂う。
其の兩間に命ぜらるる者之を人と謂う。
上に形るる,日月星辰は皆天なり。
下に形るる,草木山川は皆地なり。
其の兩間に命ぜらるる,夷狄禽獸は皆人なり。
(現代語訳)
上方にあらわれている形のもの、これを「天」という。下方にあらわれている形のもの、これを「地」という。
その天と地、二つの間に命を受けて存在するもの、これを「人間」というのである。
上おける形のあらわれるものには、日、月、星、星座は、皆「天」に存在するものである。
下、すなわち地に形あるものとして、草木山川の類はみな「地」のものとするである。
その天と地、二つの間に命を受けて存在するひとがいるが、ここでは東夷・西戎・南蛮・北狄の異民族、鳥やけものの、虫魚類までも皆「人」に属するということである。
(訳注) 一段目
原人
五原の中でも法則の具わったものである。
『一視而同仁』天地万物は一体である。そして自分に近いものを手厚く溺愛し、遠いものをも取り挙げて忘れないのは、現実の事に対する用(はたらき)なのであるとする。
まず、肉親を親しんで、博く人民を愛し、人民に仁慈であって、それから万物を愛するのである。そこには本来攻めるべき間際(すきま)は無い」というものである。
韓愈は文人、思想家、哲学者としての見識をそなえていた。宋代以降の性理学、理気の学、すなわち本体と作用、あるいは原理と現象に関する哲学の基本的な物の見方がここに表れているのである。
いずれにしても中世封建制を支える思想となったことは間違いないのである。
形於上者謂之天,形於下者謂之地。
上方にあらわれている形のもの、これを「天」という。下方にあらわれている形のもの、これを「地」という。
・天と地。『論語』憲問
子曰、莫我知也夫。
子貢曰、何為其莫知子也。
子曰、不怨天、不尤人、下学而上達、知我者其天乎。
命於其兩間者謂之人。
その天と地、二つの間に命を受けて存在するもの、これを「人間」というのである。
形於上,日月星辰皆天也。
上おける形のあらわれるものには、日、月、星、星座は、皆「天」に存在するものである。
・日月星辰皆天也 これについては韓愈は多くに詩にも述べている
『陸渾山火和皇甫湜用其韻(湜時為陸渾尉)』三光弛隳不複暾,虎熊麋豬逮猴猿。
日月星辰 天にあるものすべてものが地に堕ちてくる。地にいる虎 熊 鹿 猪 猿猴のたぐいも一緒になる。
陸渾山火和皇甫湜用其韻(湜時為陸渾尉) 韓退之(韓愈)詩<93-#2>Ⅱ中唐詩495 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1564
孟東野失子 韓退之(韓愈)詩<83-#5>Ⅱ中唐詩476 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1507
孟東野失子 韓退之(韓愈)詩<83-#4>Ⅱ中唐詩475 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1504
○星辰 二十八宿の星と、日月の軌道の交わるところの辰(とき)をいう。あわせて星の類をいう。
形於下,草木山川皆地也。
下、すなわち地に形あるものとして、草木山川の類はみな「地」のものとするである。
命於其兩間,夷狄禽獸皆人也。
その天と地、二つの間に命を受けて存在するひとがいるが、ここでは東夷・西戎・南蛮・北狄の異民族、鳥やけものの、虫魚類までも皆「人」に属するということである。
○夷狄 四方を文化の低い異民族とし、東夷・西戎・南蛮・北狄といい、加えて仏教とも、中華思想においては、漢人、儒者より下等のものと見て、禽(鳥類)獣(けもの)と並べていい、虫や魚の類を同等のものとして一段低い人とあわせて見るのである。