九辯 宋玉-#2


2013年3月29日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩盤石篇 曹植 魏<60-#2> 女性詩718 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2138
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩九辯 宋玉 <00-#2>Ⅱもっとも影響を与えた詩文 631 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2139
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集江畔獨步尋花七絕句 其三 成都浣花渓 杜甫 <439>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2140 杜甫詩1000-439-622/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集登江中孤嶼 謝霊運<28> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2141 (03/29)
●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有。是作精醉儔難。謝家聯雪何以加、之有客自京師来者示予因次其韻 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-119-54-# 1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2142
 
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登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

九辯 宋玉 韓愈(韓退之) <00-#2>Ⅱもっとも影響を与えた詩文 631 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2139


一段目 #1
悲哉秋之為氣也!蕭瑟兮草木搖落而變衰,
悲しいしいことよ、秋の気というものは! 風はさわさわと草木に吹きさびしく鳴っている。それにより、草木は葉を落とし、吹き散り、色を変わっておとろえる。
憭慄兮若在遠行,登山臨水兮送將歸,
逝く秋には心がいたみ悲しむもので、それは遠い旅路で、山に登ったり、水辺に立ったりして、故郷に帰ろうとする人を送る時のこころにおもうことのようである。
泬寥兮天高而氣清,寂寥兮收潦而水清,
秋の眺めはむなしく雲もない。大空は高くなり、空気は清々しいものとなる。秋の野はひっそりとしてくるし、物影もなくなるのだ。長雨で出来た道の溜り水も収まり引いて、秋の水は澄んでくるのだ。
憯悽增欷兮薄寒之中人,愴怳懭悢兮去故而就新,
心は痛み悲しんで、しだいにすすり泣くのである、はだ寒い秋の気は次第に人の身にしみる寒さになるのである。そうして、物悲しくうつろな心になり、気力もうちしおれ、住みなれた土地を去って見知らぬ国に行くことになるのである。
坎廩兮貧士失職而志不平,廓落兮羇旅而無友生。
そのような境遇であれば心は楽しいものではなく、貧しい士太夫、その人は心中おだやかであるはずもない。ただ広々として寂しいのはその地も、こころもそうなのだ。その地を離れてこの旅の空に友達もいないのである。
惆悵兮而私自憐。
心は恨み嘆いており、そしてひそかに自分を憐れに思うことであろう。
#2
燕翩翩其辭歸兮,蟬寂漠而無聲。
そうなると燕はひらりひらりと飛んでいても結局は別れを告げて飛び去りのであり、蝉はもう静かに影もなくどこかに消えて声さえ聞こえないのだ。
鴈廱廱而南遊兮,鶤雞啁哳而悲鳴。
雁は鳴きながら列をなして南へ旅をするのである。大きなしゃもはいやな声でやかましく悲しい鳴き声をするのだ。
獨申旦而不寐兮,哀蟋蟀之宵征。
私はひとり暮六つから夜あけまで眠ることはなく、哀しむことでこおろぎの夜どおし鳴くのをききつづけるのだ。
時亹亹而過中兮,蹇淹留而無成。

秋の日は時が過ぎ易く、すでに今年も盛りを過ぎたのに、ああもどかしい、久しくとどまっても何一つできはしないのだ。


詩人055悲しいかな、秋の氣たるや。蕭瑟【しょうしつ】たり、草木搖落して變衰【へんすい】す。
憭慄【れきりつ】たり、遠行に在りて、山に登り水に臨み、將に歸らんとするを送るが若し。
泬寥【けつりょう】たり、天高くして気清し。
寂寥【せきりょう】たり、潦を収めて水清し。
憯悽【さんせい】として增ます欷【すすりな】き、薄寒之れ人に中【あた】る。
愴怳【そうこう】懭悢【こうろう】として故を去りて新に就く。
坎廩【かんらん】たり、貧士職を失ひて志 平かならず、廓落【かくらく】たり、羇旅【きりょ】にして友生無し。
惆悵たり、而して私かに自ら憐む。
#2
燕は翩翩【へんぺん】として其れ辞し歸り、蝉は寂漠【せきばく】として聾無し。
雁は廱廱【ようよう】として南遊し、鶤雞【くんけい】は啁哳【ちょうたつ】として悲鳴す。
獨り旦を申ねて寐ねられず、蟋蟀【しつしゅつ】の宵征【しょうせい】を哀しむ。
時は亹亹【びび】として中を過ぎ、蹇【ああ】、淹留【えんりゅう】して成る無し。



『九辯』 宋玉 現代語訳と訳註
(本文)
#2
燕翩翩其辭歸兮,蟬寂漠而無聲。
鴈廱廱而南遊兮,鶤雞啁哳而悲鳴。
獨申旦而不寐兮,哀蟋蟀之宵征。
時亹亹而過中兮,蹇淹留而無成。


(下し文)#2
燕は翩翩【へんぺん】として其れ辞し歸り、蝉は寂漠【せきばく】として聾無し。
雁は廱廱【ようよう】として南遊し、鶤雞【くんけい】は啁哳【ちょうたつ】として悲鳴す。
獨り旦を申ねて寐ねられず、蟋蟀【しつしゅつ】の宵征【しょうせい】を哀しむ。
時は亹亹【びび】として中を過ぎ、蹇【ああ】、淹留【えんりゅう】して成る無し。


(現代語訳)
そうなると燕はひらりひらりと飛んでいても結局は別れを告げて飛び去りのであり、蝉はもう静かに影もなくどこかに消えて声さえ聞こえないのだ。
雁は鳴きながら列をなして南へ旅をするのである。大きなしゃもはいやな声でやかましく悲しい鳴き声をするのだ。
私はひとり暮六つから夜あけまで眠ることはなく、哀しむことでこおろぎの夜どおし鳴くのをききつづけるのだ。
秋の日は時が過ぎ易く、すでに今年も盛りを過ぎたのに、ああもどかしい、久しくとどまっても何一つできはしないのだ。


(訳注) #2
燕翩翩其辭歸兮,蟬寂漠而無聲。

そうなると燕はひらりひらりと飛んでいても結局は別れを告げて飛び去りのであり、蝉はもう静かに影もなくどこかに消えて声さえ聞こえないのだ。


鴈廱廱而南遊兮,鶤雞啁哳而悲鳴。
雁は鳴きながら列をなして南へ旅をするのである。大きなしゃもはいやな声でやかましく悲しい鳴き声をするのだ。
・廱廱 雁の和して鳴く声。列をなして鳴きながら飛ぶさまを云う。
・鶤雞 しゃも。大きな鶏。
・啁哳 やかましくいやな声でなく。

獨申旦而不寐兮,哀蟋蟀之宵征。
Nature1-009(そんな状態の屈原の悲しみを述べている。)
私はひとり暮六つから夜あけまで眠ることはなく、哀しむことでこおろぎの夜どおし鳴くのをききつづけるのだ。
・申旦 申:暮六つ。のびる。かさねる。旦:あけがた。ここでは秋の夕暮が早く夜が長いことをいい、そして夕方方朝までの時間経過を云う。
・蟋蟀 こおろぎ。
・宵征 夜征く。夜も寝ずに行くの意から、夜どおし鳴くの意味。


時亹亹而過中兮,蹇淹留而無成。
秋の日は時が過ぎ易く、すでに今年も盛りを過ぎたのに、ああもどかしい、久しくとどまっても何一つできはしないのだ。
・時 秋の日の時間経過。
・亹亹 時の過ぎゆく形容。
・過中 やがてすぐに暮れる。
・蹇 蹇はのどにつまってうまくかたれない。ああもどかしい、ということ。ああ、いきなやむ。
・淹留 久しくなる。久しくとどまる。