宋玉《九辯 第九段》―#2 
今身を美しく飾るとすれば、鏡をのぞいて化粧を直すように、身の行ないを正しておけば、後に乱が起こったような時に、それでもやはり、世を逃れかくれて住むことができる。

2013年4月24日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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九辯 第九段―#2 宋玉  <00-#28>Ⅱもっとも影響を与えた詩文 657 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2269


第九段
被荷裯之晏晏兮,然潢洋而不可帶。
hasuの葉の単衣の立派なきものを着ても、ここにみるように丈が長く、広くて身に合わず、破れ易いようなもので帯をすることもできない。
既驕美而伐武兮,負左右之耿介。
蓮の葉の単衣の立派なきものを着ても、ここにみるように丈が長く、広くて身に合わず、破れ易いようなもので帯をすることもできない。
憎慍惀之脩美兮,好夫人之慷慨。
思慮深く聡明で、素養があり、徳あり善美な人を憎んでいるというし、あの小人の心で、昂奮して不義を憤る態度を好まれるという。
眾踥蹀而日進兮,美超遠而逾邁 。

小人どもはぞろぞろと日々に朝廷に進み用いられ、立派な人物は、はるかに遠ざかって、勢いよく去っていくのである。

荷裯【かちょう】の晏晏たるを被り、然く潢洋【こうよう】として帯す可からず。
既に美に驕りて武を伐り、左右の耿介【こうかい】たるを負む。
慍惀【うんりん】の脩美【しゅうび】を憎み、夫の人の慷慨【こうがい】を好む。
衆踥蹀【しょうちょう】として日に進み、美超遠にして逾邁【ゆまい】す。

農夫輟耕而容與兮,恐田野之蕪穢。
農夫は租税の重さに苦しみ、耕すことをやめてゆっくりと休みのである。すると、田畑野が雜草であれはて五穀は取れなくなること、これが心配である。
事綿綿而多私兮,竊悼後之危敗。
君王が細微なことばかりを仕事にされ、自分勝手がこと多いので、私はひそかにその後のことをに危くかんがえて、失敗をされるととりかえしがつかないといたむのである。
世雷同而炫曜兮,何毀譽之昧昧!
世の人々は付和雷同に呼応して響くようになんでも賛成してほめそやすので、何とあなどりと誉れとの区別することが難しいことこの上ない。
今脩飾而窺鏡兮,後尚可以竄藏。

今身を美しく飾るとすれば、鏡をのぞいて化粧を直すように、身の行ないを正しておけば、後に乱が起こったような時に、それでもやはり、世を逃れかくれて住むことができる。
農夫は耕を輟【や】めて容與【ようよ】し、田野の蕪穢【ぶあい】を恐る。
事綿綿として私多く、竊【ひそか】に後の危敗【きはい】を悼【いた】む。
世雷同【らいどう】して炫曜【げんよう】す。何ぞ毀譽【きよ】の昧昧【まいまい】たる。
今脩飾【しゅうしょく】して鏡を窺へば、後に尚以て竄藏【ざんぞう】す可し。


『九辯』第九段-#2 現代語訳と訳註
(本文)
#2
農夫輟耕而容與兮,恐田野之蕪穢。
事綿綿而多私兮,竊悼後之危敗。
世雷同而炫曜兮,何毀譽之昧昧!
今脩飾而窺鏡兮,後尚可以竄藏。


(下し文)
農夫は耕を輟【や】めて容與【ようよ】し、田野の蕪穢【ぶあい】を恐る。
事綿綿として私多く、竊【ひそか】に後の危敗【きはい】を悼【いた】む。
世雷同【らいどう】して炫曜【げんよう】す。何ぞ毀譽【きよ】の昧昧【まいまい】たる。
今脩飾【しゅうしょく】して鏡を窺へば、後に尚以て竄藏【ざんぞう】す可し。


(現代語訳)
農夫は租税の重さに苦しみ、耕すことをやめてゆっくりと休みのである。すると、田畑野が雜草であれはて五穀は取れなくなること、これが心配である。
君王が細微なことばかりを仕事にされ、自分勝手がこと多いので、私はひそかにその後のことをに危くかんがえて、失敗をされるととりかえしがつかないといたむのである。
世の人々は付和雷同に呼応して響くようになんでも賛成してほめそやすので、何とあなどりと誉れとの区別することが難しいことこの上ない。
今身を美しく飾るとすれば、鏡をのぞいて化粧を直すように、身の行ないを正しておけば、後に乱が起こったような時に、それでもやはり、世を逃れかくれて住むことができる。


(訳注)#2
農夫輟耕而容與兮,恐田野之蕪穢。

農夫は租税の重さに苦しみ、耕すことをやめてゆっくりと休みのである。すると、田畑野が雜草であれはて五穀は取れなくなること、これが心配である。
・蕪穢 土地などが、荒れはてること。また、そのさま。


事綿綿而多私兮,竊悼後之危敗。
君王が細微なことばかりを仕事にされ、自分勝手がこと多いので、私はひそかにその後のことをに危くかんがえて、失敗をされるととりかえしがつかないといたむのである。
〇綿綿 糸のように微細なこと。


世雷同而炫曜兮,何毀譽之昧昧!
世の人々は付和雷同に呼応して響くようになんでも賛成してほめそやすので、何とあなどりと誉れとの区別することが難しいことこの上ない。


今脩飾而窺鏡兮,後尚可以竄藏。
今身を美しく飾るとすれば、鏡をのぞいて化粧を直すように、身の行ないを正しておけば、後に乱が起こったような時に、それでもやはり、世を逃れかくれて住むことができる。
〇今修飾而窺鏡 今、身を正しておけば、後に乱が起こっても、身は逃れ隠れて住み、死なないですむ。