宋玉《九辯 第九段》-#5 
俗世間の底に沈みとどまって現われないでいたいと思うけれど、それでもやはり、わが名を天下中に広めたいと思う気持ちがあるのだ。


2013年4月27日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
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●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩九辯 第九段―#5 宋玉  <00-#31>Ⅱもっとも影響を与えた詩文 660 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2284
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集茅屋為秋風所破歌 成都5-(12-2) 杜甫 <465-#2>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2285 杜甫詩1000-465-#2-651/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集答靈運 謝宣遠(謝瞻)<57> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2286 (04/27)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性宣上人見示與諸公唱和 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-148-20-#13  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2287
 
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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九辯 第九段―#5 宋玉  <00-#31>Ⅱもっとも影響を与えた詩文 660 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2284


第九段 #1
秋0011
被荷裯之晏晏兮,然潢洋而不可帶。
既驕美而伐武兮,負左右之耿介。
憎慍惀之脩美兮,好夫人之慷慨。
眾踥蹀而日進兮,美超遠而逾邁 。

#2
農夫輟耕而容與兮,恐田野之蕪穢。
事綿綿而多私兮,竊悼後之危敗。
世雷同而炫曜兮,何毀譽之昧昧!
今脩飾而窺鏡兮,後尚可以竄藏。

#3
願寄言夫流星兮,羌儵忽而難當。
卒壅蔽此浮雲兮,下暗漠而無光。
堯舜皆有所舉任兮,故高枕而自適。
諒無怨於天下兮,心焉取此怵惕?

#4
乘騏驥之瀏瀏兮,馭安用夫強策?
諒城郭之不足恃兮,雖重介之何益?
邅翼翼而無終兮,忳惛惛而愁約。
生天地之若過兮,功不成而無效。

#5
願沈滯而不見兮,尚欲布名乎天下 。
然潢洋而不遇兮,直怐愚而自苦。
莽洋洋而無極兮,忽翱翔之焉薄?
國有驥而不知乘兮,焉皇皇而更索?

#6
甯戚謳於車下兮,桓公聞而知之。
無伯樂之善相兮,今誰使乎譽之。
罔流涕以聊慮兮,惟著意而得之。
紛純純之願忠兮,妒被離而鄣之。


#7
亂曰:願賜不肖之軀而別離兮,放遊志乎雲中。
乘精氣之摶摶兮,騖諸神之湛湛。
驂白霓之習習兮,歷群靈之豐豐。
左朱雀之茇茇兮,右蒼龍之躣 躣。

#8
屬雷師之闐闐兮,通飛廉之衙衙。
前輊輬之鏘鏘兮,後輜乘之從從。
載雲旗之委蛇兮,扈屯騎之容容。
計專專之不可化兮,願遂推而為臧。
賴皇天之厚德兮,還及君之無恙。



#4
願寄言夫流星兮,羌儵忽而難當。
どうか、あの流れ星にこのことばをことづけたいと思うのであるが、ああ、あまりに速やすぎて、出会い難いのである。
卒壅蔽此浮雲兮,下暗漠而無光。
しまいには、この浮雲に覆われ遮られて、下界は暗くぼんやりとして光がなくなってしまう。
堯舜皆有所舉任兮,故高枕而自適。
堯や舜には皆自分から挙げ用いて、仕事をまかせた賢相がいたので、それ故、枕を高くして安らかに眠れ、気楽にして暮らせたのである。
諒無怨於天下兮,心焉取此怵惕?
このようにまことに天下の人から怨まれることがなければ、どうしてこのみな憐憫の情、可哀相と感じる心を持つことがあろう。

#5
願沈滯而不見兮,尚欲布名乎天下 。
俗世間の底に沈みとどまって現われないでいたいと思うけれど、それでもやはり、わが名を天下中に広めたいと思う気持ちがあるのだ。
然潢洋而不遇兮,直怐愚而自苦。
というのも、そのように広々ととりとめのない世では、自分を知る人にも遭遇しないので、ただ愚かにも自分を苦しめているだけなのである。
莽洋洋而無極兮,忽翱翔之焉薄?
草木が茂り、広々とはてしない原野があり、そこで急に飛びまわってもどこまで行こうかと、四方の他国にも行くべきところがないのである。
國有驥而不知乘兮,焉皇皇而更索?
この国に、千里の馬がいるのに、それを用いて乗ることを知らないでいる。どうして右往左往して落ち着かないで、改めて駿馬をさがし求めようとするのか。

沈滞【ちんたい】して見ざらんと雖も、尚お名を天下に布【し】かんと欲す。
然く潢洋【こうよう】として遇はず、直 怐愚【こうぐ】として自ら苦しむのみ。
莽【ぼう】として洋洋として極りなく、忽まち翱翔【こうしょう】して之れ焉【いづ】くにか薄【いた】る。
國に驥【き】有れども乘るを知らず、焉くんか皇皇【こうこう】として更【あらた】め索【もと】むる。


『九辯』第九段 現代語訳と訳註
冬00(本文)
#5
願沈滯而不見兮,尚欲布名乎天下 。
然潢洋而不遇兮,直怐愚而自苦。
莽洋洋而無極兮,忽翱翔之焉薄?
國有驥而不知乘兮,焉皇皇而更索?


(下し文)
沈滞【ちんたい】して見ざらんと雖も、尚お名を天下に布【し】かんと欲す。
然く潢洋【こうよう】として遇はず、直 怐愚【こうぐ】として自ら苦しむのみ。
莽【ぼう】として洋洋として極りなく、忽まち翱翔【こうしょう】して之れ焉【いづ】くにか薄【いた】る。
國に驥【き】有れども乘るを知らず、焉くんか皇皇【こうこう】として更【あらた】め索【もと】むる。


(現代語訳)
俗世間の底に沈みとどまって現われないでいたいと思うけれど、それでもやはり、わが名を天下中に広めたいと思う気持ちがあるのだ。
というのも、そのように広々ととりとめのない世では、自分を知る人にも遭遇しないので、ただ愚かにも自分を苦しめているだけなのである。
草木が茂り、広々とはてしない原野があり、そこで急に飛びまわってもどこまで行こうかと、四方の他国にも行くべきところがないのである。
この国に、千里の馬がいるのに、それを用いて乗ることを知らないでいる。どうして右往左往して落ち着かないで、改めて駿馬をさがし求めようとするのか。


(訳注) #5
願沈滯而不見兮,尚欲布名乎天下 。

俗世間の底に沈みとどまって現われないでいたいと思うけれど、それでもやはり、わが名を天下中に広めたいと思う気持ちがあるのだ。
○沈滞 沈みかくれる。埋没。


然潢洋而不遇兮,直怐愚而自苦。
というのも、そのように広々ととりとめのない世では、自分を知る人にも遭遇しないので、ただ愚かにも自分を苦しめているだけなのである。
○潢洋 広々ととりとめのない世の中。
○直怐愚而自苦 直はただと読む。怐愚は愚かなさまで自分を苦しめる。


莽洋洋而無極兮,忽翱翔之焉薄?
草木が茂り、広々とはてしない原野があり、そこで急に飛びまわってもどこまで行こうかと、四方の他国にも行くべきところがないのである。
○弄洋洋 原野の限りなく広がるさま。
○翱翔 (鷹などが)空に輪を描いて飛ぶ.


國有驥而不知乘兮,焉皇皇而更索?
この国に、千里の馬がいるのに、それを用いて乗ることを知らないでいる。どうして右往左往して落ち着かないで、改めて駿馬をさがし求めようとするのか。
○皇皇 まったく落ちつかないこと。