韓愈 《雪後寄崔二十六丞公》-#2 御殿には数多の諸公がそろってはいるがこのまま家臣の食を賜るのを止める。旅を共にする駿馬の「驊騮」はふぃちを踏み固めて、踊ってはねたり、静かにしていたりする。

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雪後寄崔二十六丞公 韓愈(韓退之) <142-#2>Ⅱ中唐詩704 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2504



雪後寄崔二十六丞公
(雪が積もった後で崔丞公に寄せる。)
藍田十月雪塞關,我興南望愁群山。
藍田の郷に十月になって積雪があり、動きが取れなく行く道をふさがれてしまった。我々は起き上がって南の方を望むと終南山から続く山々が愁いにひたっている。
攢天嵬嵬凍相映,君乃寄命於其間。
天がここにあつまり、終南山は高くそそり立ち、凍りつきそしてそれぞれを移している。崔くんは少しの間出立の命を置いておくことである。
秩卑俸薄食口眾,豈有酒食開容顏。
役人としての地位が卑しいし、俸禄は薄いのにそれを当てにしている口数は集まってきている。どうしてなのか、酒と肴と食事を用意して顔を集めることにする。

殿前群公賜食罷,驊騮蹋路驕且閑。
御殿には数多の諸公がそろってはいるがこのまま家臣の食を賜るのを止める。旅を共にする駿馬の「驊騮」はふぃちを踏み固めて、踊ってはねたり、静かにしていたりする。
稱多量少鑒裁密,豈念幽桂遺榛菅。
多くの称号を得ているし、貰っている糧は少ない。顔の細やかな変化にも判断する詩さらにこまやかなところまで覗き込む。どうして静かな隠遁する場所は桂が植えてある所で、カバノキや菅や葉のある所ではないと思うのであろうか。
幾欲犯嚴出薦口,氣象硉兀未可攀。
幾ばくかは厳しいことばかりでこころを犯すばかりでなく賞賛することを云いだすことも必要だ。こうした出来事は厳格なものかもしれないがいまだに手を挙げてはじめてはいないのだ。
歸來殞涕揜關臥,心之紛亂誰能刪。
帰って来てみると涙を流すのは嫌なことで門を閉じてかぎを掛けひきこもる。心はというと乱れ飛び散っているが誰といってこれを咎める者はいない。

詩翁憔悴斸荒棘,清玉刻佩聯玦環。
腦脂遮眼臥壯士,大弨挂壁無由彎。
乾坤惠施萬物遂,獨於數子懷偏慳。
朝欷暮唶不可解,我心安得如石頑。 


雪後 崔二十六丞公に寄せる
藍田 十月 雪の塞關,我興 南望して 群山を愁う。
攢天 嵬嵬 凍し相い映り,君 乃ち命を寄せて其間に於いてす。
秩卑 俸薄 食口眾り,豈に 酒食有り 容顏を開く。


殿前の群公は食を賜りて罷る,驊騮 路を蹋みて驕り且つ閑す。
稱多く量少く鑒裁 密にす,豈に念う幽桂は榛菅を遺す。
幾か欲す 嚴を犯し 薦口を出ず,氣象 硉兀 未だ攀ぐ可からず。
歸來て涕を殞がり揜關して臥し,心は之れ紛亂し 誰か能く刪せん。




『雪後寄崔二十六丞公』 現代語訳と訳註
sakura0081(本文)
殿前群公賜食罷,驊騮蹋路驕且閑。
稱多量少鑒裁密,豈念幽桂遺榛菅。
幾欲犯嚴出薦口,氣象硉兀未可攀。
歸來殞涕揜關臥,心之紛亂誰能刪。


(下し文)
殿前の群公は食を賜りて罷る,驊騮 路を蹋みて驕り且つ閑す。
稱多く量少く鑒裁 密にす,豈に念う幽桂は榛菅を遺す。
幾か欲す 嚴を犯し 薦口を出ず,氣象 硉兀 未だ攀ぐ可からず。
歸來て涕を殞がり揜關して臥し,心は之れ紛亂し 誰か能く刪せん。


(現代語訳)
御殿には数多の諸公がそろってはいるがこのまま家臣の食を賜るのを止める。旅を共にする駿馬の「驊騮」はふぃちを踏み固めて、踊ってはねたり、静かにしていたりする。
多くの称号を得ているし、貰っている糧は少ない。顔の細やかな変化にも判断する詩さらにこまやかなところまで覗き込む。どうして静かな隠遁する場所は桂が植えてある所で、カバノキや菅や葉のある所ではないと思うのであろうか。
幾ばくかは厳しいことばかりでこころを犯すばかりでなく賞賛することを云いだすことも必要だ。こうした出来事は厳格なものかもしれないがいまだに手を挙げてはじめてはいないのだ。
帰って来てみると涙を流すのは嫌なことで門を閉じてかぎを掛けひきこもる。心はというと乱れ飛び散っているが誰といってこれを咎める者はいない。


(訳注)
殿前群公賜食罷,驊騮蹋路驕且閑。
御殿には数多の諸公がそろってはいるがこのまま家臣の食を賜るのを止める。旅を共にする駿馬の「驊騮」はふぃちを踏み固めて、踊ってはねたり、静かにしていたりする。
○驊騮 名馬の名前。黒いたてがみの赤の馬。周の穆王が天下を周遊したときに乗ったという八頭立ての駿馬の内の一頭の名前。韓愈『華山女』「掃除眾寺人跡絕,驊騮塞路連輜輧。」(眾寺を掃除して人跡絕え,驊騮【かりゅう】路に塞りて輜輧【しへい】に連なる。)
○蹋路 路を踏み固める。


稱多量少鑒裁密,豈念幽桂遺榛菅。
多くの称号を得ているし、貰っている糧は少ない。顔の細やかな変化にも判断する詩さらにこまやかなところまで覗き込む。どうして静かな隠遁する場所は桂が植えてある所で、カバノキや菅や葉のある所ではないと思うのであろうか。
鑒裁密 鏡で細やかなところまで覗き込む。〔「かがみ(鏡)」と同源。映し見る意から〕規範とすべきもの。模範。手本。亀鑑(きかん)。
○「」カバノキ科の落葉低木。日当たりの良い山野に生える。葉は広卵形で鋸歯(きよし)がある。若葉には紫褐色の斑紋がある。雌雄同株で、三、四月に葉より先に開花。雄花穂はひも状。
○「」菅(スゲ) - カヤツリグサ科の植物。スゲ属。種類が非常に多いことで知られる。葉で菅笠などを作る。


幾欲犯嚴出薦口,氣象硉兀未可攀。
幾ばくかは厳しいことばかりでこころを犯すばかりでなく賞賛することを云いだすことも必要だ。こうした出来事は厳格なものかもしれないがいまだに手を挙げてはじめてはいないのだ。


歸來殞涕揜關臥,心之紛亂誰能刪。
帰って来てみると涙を流すのは嫌なことで門を閉じてかぎを掛けひきこもる。心はというと乱れ飛び散っているが誰といってこれを咎める者はいない。
○殞涕 涙を流すのは嫌なこと。
○揜關臥 門を閉じてかぎを掛けひきこもる。