平淮西碑 韓愈#15そこで李光顏・烏重胤・韓公武・李道古鄂岳觀察使・壽州刺史李文通の諸将に勅令された。すべて都統韓弘に統率させ、おのおの汝らの功を挙げさせた。

 


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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。 
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孟浩然の詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。 
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http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。 


 

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13

帝時繼位,顧瞻咨嗟。

皇帝はその時、位を継いで、この状況に顧み仰ぎ溜息をついて嗟かれた。

惟汝文武,孰恤予家。

「これお前たち文武の臣よ。誰がわが唐の王家を憂えるだろうか、」と。

既斬蜀,旋取山東。

やがて呉及び蜀の地を平定し、また山東を取った。

魏將首義,六州降從。

魏の将は大義の先頭として服し、六つの州は降り従った。

淮蔡不順,自以為強。

ところが淮西・蔡州の地は順わなかった、自らが強いと思っていたのだ。

提兵叫讙,欲事故常。

彼は兵を引き連れて叫びさわいだ、そして、古くからの慣わしを固守して朝廷を無視しようとした。

13

帝 時に位を繼いで,顧瞻【こせん】咨嗟【しさ】す。

惟れ汝文武,孰か予が家を恤【うれ】うると。

既に蜀を斬り,旋【ま】た山東を取る。

魏將 義を首【はじ】め,六州【りくしゅう】降從【こうじゅう】す。

淮・蔡 順【したが】わず,自ら以て強と為す。

兵を提げて叫讙【きょうかん】し,故常【こじょう】を事とせんと欲す。

14

始命討之,遂連姦鄰。

そこで、皇帝は命じてこれを討たせられた。追い詰められた彼らはついに邪な近隣の州と連合するのである。

陰遣刺客,來賊相臣。

ひそかに暗殺者を派遣して闇討ちを図るのである。朝廷の重臣宰相武元衡を殺し、裴度を傷害した。

方戰未利,驚京師。

戦いがまだ勝利でない最中に、さっと広まり、長安の都を驚かしたのである。

羣公上言,莫若惠來。

諸侯の公卿は天子に申し上げた、敵に恵んで懐かせるのに越したことはない、と。

帝為不聞,與神為謀。

皇帝はこの非戦論を聞かぬふりをされたのであり、そこで、神霊と討伐の謀をなされたのである。

乃相同德,以訖天誅。

ところが宰相も天子と同じ徳ある人であったから、それ故、天意を以て賊を誅する「天誅の戦い」を遂行したのであった。

14

始めて命じて之を討しめ,遂に姦鄰【かんりん】を連ぬ。

陰に刺客【せきかく】を遣して,來って相臣【そうしん】を賊【そこな】う。

戰は未だ利あらざるに方りて, 京師を驚かす。

羣公 上言して,惠み來すにしくは莫し。

帝 不聞かざる為【まね】して,神と謀を為す。

乃ち相い德を同じうして,以て天誅を訖う。

15

乃敕顏胤,愬武古通,

そこで李光顏・烏重胤・韓公武・李道古鄂岳觀察使・壽州刺史李文通の諸将に勅令された。

咸統於弘,各奏汝功。

すべて都統韓弘に統率させ、おのおの汝らの功を挙げさせた。

三方分攻,五萬其師。

そして三方からわかれて攻めたのは、五万のその軍であった。

大軍北乘,厥數倍之。

そうして大軍が北から攻め込んだのである。その数は三路の軍の倍にもなっていた。

常兵時曲,軍士蠢蠢。

以前にも時曲に戦った時、敵の軍はうごめき動揺するだけであった。

既翦陵雲,蔡卒大窘。

やがてわが師が陵雲を乗り従えるに及んで、蔡の兵卒は大いに苦しむだけになった。

 

始めて命じて之を討しめ,遂に姦鄰【かんりん】を連ぬ。

陰に刺客【せきかく】を遣して,來って相臣【そうしん】を賊【そこな】う。

戰は未だ利あらざるに方りて, 京師を驚かす。

羣公 上言して,惠み來すにしくは莫し。

帝 不聞かざる為【まね】して,神と謀を為す。

乃ち相い德を同じうして,以て天誅を訖う。

 

 

16

勝之邵陵,郾城來降。自夏入秋,復屯相望。

兵頓不勵,告功不時。帝哀征夫,命相往釐。

士飽而歌,馬騰於槽。

17

試之新城,賊遇敗逃。盡抽其有,聚以防我。

西師躍入,道無留者。頟頟蔡城,其壃千里。

既入而有,莫不順俟。

汜水関などの地図 

『平淮西碑』 現代語訳と訳註

(本文) 15

乃敕顏胤,愬武古通,

咸統於弘,各奏汝功。

三方分攻,五萬其師。

大軍北乘,厥數倍之。

常兵時曲,軍士蠢蠢。

既翦陵雲,蔡卒大窘。

 

(下し文)

乃ち顔・胤・憩・武・古・通に赦す。

成【みな】弘に統【す】べて、各【おのお】の汝の功を奏せしむ。

三方分ち攻む、五萬の其の師。

大軍北より乗じ、厥の數 之に倍す。

常【かつ】て時曲に兵し、軍士蠢蠢【しゅんしゅん】たり。

既に陵雲を翦【き】り、蔡の卒大いに窘【くるし】む。

 

(現代語訳)

そこで李光顏・烏重胤・韓公武・李道古鄂岳觀察使・壽州刺史李文通の諸将に勅令された。

すべて都統韓弘に統率させ、おのおの汝らの功を挙げさせた。

そして三方からわかれて攻めたのは、五万のその軍であった。

そうして大軍が北から攻め込んだのである。その数は三路の軍の倍にもなっていた。

以前にも時曲に戦った時、敵の軍はうごめき動揺するだけであった。

やがてわが師が陵雲を乗り従えるに及んで、蔡の兵卒は大いに苦しむだけになった。

 

 

(訳注) 15

乃敕顏胤,愬武古通,

そこで李光顏・烏重胤・韓公武・李道古鄂岳觀察使・壽州刺史李文通の諸将に勅令された。

李光顏・烏重胤・韓公武ほかの軍と連合した。

顏:李光顏。

胤:烏重胤。

愬:李愬、

武:韓弘子公武、

古:李道古即曹王子,時代柳公綽為鄂岳觀察使。

通:壽州刺史李文通。

 

咸統於弘,各奏汝功。

すべて都統韓弘に統率させ、おのおの汝らの功を挙げさせた。

 

三方分攻,五萬其師。

そして三方からわかれて攻めたのは、五万のその軍であった。

 

 

大軍北乘,厥數倍之。

そうして大軍が北から攻め込んだのである。その数は三路の軍の倍にもなっていた。

○北乗 北から攻撃する。

○厥 「遂連姦鄰」三路の軍。

 

常兵時曲,軍士蠢蠢。

以前にも時曲に戦った時、敵の軍はうごめき動揺するだけであった。

○常兵時曲 かつて時曲で戦った。常は嘗に通用。時曲は時水(汝水)の曲(:川の淵)。

○薫蒸 虫のうごめくように動揺した。軍の統率が無く右往左往するばかりの様子。

 

既翦陵雲,蔡卒大窘。

やがてわが師が陵雲を乗り従えるに及んで、蔡の兵卒は大いに苦しむだけになった。

○蔡卒大窘 李光顏と烏重胤の軍が陵雲の柵(塞)を抜いたことで戦いにはならず苦しんだ。
ani0026