韓愈《平淮西碑》#17 西方からの軍は躍り込んでこれを討ったところ、道にこれを防ぎ留める者がなかった。昼夜休む間もなく悪事を働いた蔡の城、その領域は千里四方であったのだ。


2013年8月5日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。 
李商隠詩 
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平淮西碑 韓愈(韓退之) <163-#17>Ⅱ中唐詩760 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2784

 

16

海水001勝之邵陵,郾城來降。

これに邵陵で勝ち、郾城の軍は降参して来た。

自夏入秋,復屯相望。

夏から秋に入るころには、易の復の卦の善に復る運と屯の卦の物の発生の運とが相継いで来るという幸運続きであった。

兵頓不勵,告功不時。

ところがその後、兵の勢いはとどまり励み進まなくて、功を告げるのに時が定まらなかった。

帝哀征夫,命相往釐。

帝は遠征の兵士たちを哀れみ、宰相に命じて往って物を腸せられた。

士飽而歌,馬騰於槽。

士は十分に食って勇み歌い、馬は飼糟の上で躍り上がって元気づいたのである。

之に邵陵に勝ち、郾城【えんじょう】来り降る。

夏より秋に入り、復屯【ふくちゅん】相い望み、

兵頓【とど】まって励まず、功を告ぐるに時あらず。

帝 征夫を哀みて、相に命じて往いて釐【おさ】めしむ。

士 飽いて歌い,馬 槽に騰る。

17

試之新城,賊遇敗逃。

試みにこの兵を新城攻略にに用いた、賊はこれに遇って敗れ逃亡したのである。

盡抽其有,聚以防我。

そこでその所有の軍兵をことごとく抽抜し、これをあつめてわが軍を防いだ。

西師躍入,道無留者。

西方からの軍は躍り込んでこれを討ったところ、道にこれを防ぎ留める者がなかった。

頟頟蔡城,其壃千里。

昼夜休む間もなく悪事を働いた蔡の城、その領域は千里四方であったのだ。

既入而有,莫不順俟。

すでにわが手に入って保有し、人々は順いわが軍を待たないものはなかった。

之を新城に試みれば、賊 遇ひて敗逃す。

盡く其の有を抽き、衆めて以て我を防ぐ。

西師躍り入り、道に留むる者無し。

頟頟【がくがく】たる蔡城、其の壃【きょう】千里、既に入りて有【たも】つ。順俟【じゅんし】せざる莫し。

 

 

『平淮西碑』 現代語訳と訳註

minamo03 (本文) 17

試之新城,賊遇敗逃。盡抽其有,聚以防我。

西師躍入,道無留者。頟頟蔡城,其壃千里。

既入而有,莫不順俟。

 

 

(下し文)

之を新城に試みれば、賊 遇ひて敗逃す。

盡く其の有を抽き、衆めて以て我を防ぐ。

西師躍り入り、道に留むる者無し。

頟頟【がくがく】たる蔡城、其の壃【きょう】千里、既に入りて有【たも】つ。順俟【じゅんし】せざる莫し。

 

(現代語訳)

試みにこの兵を新城攻略にに用いた、賊はこれに遇って敗れ逃亡したのである。

そこでその所有の軍兵をことごとく抽抜し、これをあつめてわが軍を防いだ。

西方からの軍は躍り込んでこれを討ったところ、道にこれを防ぎ留める者がなかった。

昼夜休む間もなく悪事を働いた蔡の城、その領域は千里四方であったのだ。

すでにわが手に入って保有し、人々は順いわが軍を待たないものはなかった。

 

 

(訳注) 17

試之新城,賊遇敗逃。

試みにこの兵を新城攻略にに用いた、賊はこれに遇って敗れ逃亡したのである。

 

盡抽其有,聚以防我。

そこでその所有の軍兵をことごとく抽抜し、これをあつめてわが軍を防いだ。

 

西師躍入,道無留者。

西方からの軍は躍り込んでこれを討ったところ、道にこれを防ぎ留める者がなかった。

 

頟頟蔡城,其壃千里。

昼夜休む間もなく悪事を働いた蔡の城、その領域は千里四方であったのだ。

頟頟 休むことなく悪事をする形容。『書経』益禝篇に「昼夜と罔【な】く頟頟」と、伝に「昼夜となく頟頟として悪をほしいままにして休息する無し」と。

 

既入而有,莫不順俟。

すでにわが手に入って保有し、人々は順いわが軍を待たないものはなかった。

○既入而有 すでに、我が手に入って保有する。

○莫不順 順ってわが軍を待たないものはない。侯は王の軍を待つ