奉和庫部盧四兄曹長元日朝廻天子を守る衛兵は夜になって出御の近づいたことを告げる太鼓を鳴らして、羽の旗を掲げている。春の雲に変わり草木の萌える臭いが広がると夜明けを告げる鶏が元気に叫んでいる。黄金に飾られた香炉に香煙がくゆり、宮殿へつづく竜の頭に飾られた欄干の足元は暗い。宮殿に揃う者たちの佩び玉の音が響き、雉尾の扇は おごそかに高い。
 

2013年9月16日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。 

 

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卷別: 卷三四三  文體: 七言律詩 

詩題: 奉和庫部盧四兄曹長元日朝回〔案:盧汀也。〕 

作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安

交遊人物: 盧汀 書信往來(京畿道 京兆府 長安)

 

 

詩文:

奉和庫部盧四兄曹長元日朝回

(庫部をつかさどる盧汀曹長が「元日朝回」の詩に唱和した詩を奉る。)

天仗宵嚴建羽旄,春雲送色曉雞號。 

天子を守る衛兵は夜になって出御の近づいたことを告げる太鼓を鳴らして、羽の旗を掲げている。春の雲に変わり草木の萌える臭いが広がると夜明けを告げる鶏が元気に叫んでいる。

金爐香動螭頭暗,玉珮聲來雉尾高。 

黄金に飾られた香炉に香煙がくゆり、宮殿へつづく竜の頭に飾られた欄干の足元は暗い。宮殿に揃う者たちの佩び玉の音が響き、雉尾の扇は おごそかに高い。

戎服上趨承北極,儒冠列侍映東曹。 

儀仗衛兵の指揮官は天子の前に進み出て朝廷の左右内外の平安を奏上する。朝廷の文官は列を整え、東側に居並ぶ。

太平時節難身遇,郎署何須歎二毛。 

此れだけの太平の世はありがたくいただくものである。郎中のいる役所にはどういうことか嘆くことの表れである白髪頭がそろっているという。

 

庫部盧四兄曹長の「元日朝より回える」に和し奉る。

天仗【てんじょう】 宵嚴【しょうげん】にして羽旄【うぼう】を建つ,春雲 色を送って曉雞 號【さけ】ぶ。 

金爐【きんろ】香 動いて 螭頭【ちとう】暗く,玉珮【ぎょくはい】聲來って 雉尾【ちび】高し。 

戎服【じゅうふく】上趨【じょうすう】して北極を承け,儒冠【じゅかん】列侍して 東曹に映ず。

太平の時節 身 遇い難し,郎署【ろうしょ】何ぞ須いむ 二毛を歎ずるを。  

DCF00212 

 

『奉和庫部盧四兄曹長元日朝回』現代語訳と訳註

(本文)

奉和庫部盧四兄曹長元日朝回

天仗宵嚴建羽旄,春雲送色曉雞號。 

金爐香動螭頭暗,玉珮聲來雉尾高。 

戎服上趨承北極,儒冠列侍映東曹。 

太平時節難身遇,郎署何須歎二毛。 

 

 

詩文(含異文)

天仗宵嚴建羽旄,春雲送色曉雞號。

金爐香動螭頭暗,玉珮聲來雉尾高。

戎服上趨承北極,儒冠列侍映東曹。

太平時節難身遇【太平時節身難遇】,郎署何須歎二毛。 

 

(下し文)

庫部盧四兄曹長の「元日朝より回える」に和し奉る。

天仗【てんじょう】 宵嚴【しょうげん】にして羽旄【うぼう】を建つ,春雲 色を送って曉雞 號【さけ】ぶ。 

金爐【きんろ】香 動いて 螭頭【ちとう】暗く,玉珮【ぎょくはい】聲來って 雉尾【ちび】高し。 

戎服【じゅうふく】上趨【じょうすう】して北極を承け,儒冠【じゅかん】列侍して 東曹に映ず。

太平の時節 身 遇い難し,郎署【ろうしょ】何ぞ須いむ 二毛を歎ずるを。  

 

 

(現代語訳)

(庫部をつかさどる盧汀曹長が「元日朝回」の詩に唱和した詩を奉る。)

天子を守る衛兵は夜になって出御の近づいたことを告げる太鼓を鳴らして、羽の旗を掲げている。春の雲に変わり草木の萌える臭いが広がると夜明けを告げる鶏が元気に叫んでいる。

黄金に飾られた香炉に香煙がくゆり、宮殿へつづく竜の頭に飾られた欄干の足元は暗い。宮殿に揃う者たちの佩び玉の音が響き、雉尾の扇は おごそかに高い。

儀仗衛兵の指揮官は天子の前に進み出て朝廷の左右内外の平安を奏上する。朝廷の文官は列を整え、東側に居並ぶ。

此れだけの太平の世はありがたくいただくものである。郎中のいる役所にはどういうことか嘆くことの表れである白髪頭がそろっているという。
 

kairo10680 

 


(訳注)

奉和庫部盧四兄曹長元日朝回

(庫部をつかさどる盧汀曹長が「元日朝回」の詩に唱和した詩を奉る。)

・奉和庫都塵四兄曹長元日朝唱 底本巻九。

・庫部 戎器・幽簿・儀仗を司る官。ここは庫部員外郎の略。員外郎は課長ぐらいにあたる。

・盧四 慮汀のこと。字は雲夫、四は排行である。

・曹長 唐代には尚書丞郎をこう称した。員外部は院長とよぶ。碑愈は盧汀とはたびたび唱和していて、他の詩では院長とよんでいる。この詩を作ったときも院長とよぶべきだが、それを曹長とよんでいるのほ、あるいは盧汀が昇叙の内命をうけていたためであるかもしれない。

 

天仗 宵嚴 建羽旄 ,春雲 送色 曉雞

天子を守る衛兵は夜になって出御の近づいたことを告げる太鼓を鳴らして、羽の旗を掲げている。春の雲に変わり草木の萌える臭いが広がると夜明けを告げる鶏が元気に叫んでいる。

・天仗 天子の儀杖衛兵。

・宵餃 宵は夜。厳は天子の出御の時の近づいたことを知らす大鼓。

・羽旄 羽かざりのついた旗。

 

 

金爐 香動 螭頭 ,玉珮 聲來 雉尾

黄金に飾られた香炉に香煙がくゆり、宮殿へつづく竜の頭に飾られた欄干の足元は暗い。宮殿に揃う者たちの佩び玉の音が響き、雉尾の扇は おごそかに高い。

・螭頭 角のない竜の頭。欄干などの飾りの形をいう。

・雉尾 キジの尾でつくった大きな団扇。

 

 

戎服 上趨 承北極 ,儒冠 列侍 東曹

儀仗衛兵の指揮官は天子の前に進み出て朝廷の左右内外の平安を奏上する。朝廷の文官は列を整え、東側に居並ぶ。

・戎服 武官。ここは衛兵の指揮官である金吾将軍をさすもののようである。

・上趨承北極 天子の前に進み出て朝廷の左右内外の平安を奏上する。

・儒冠 文官。

・映東曹 東側に屏ならぶ。

 

 

太平 時節 身遇 ,郎署 何須 二毛

此れだけの太平の世はありがたくいただくものである。郎中のいる役所にはどういうことか嘆くことの表れである白髪頭がそろっているという。

・部署 郎中のいる役所。この詩を作ったとき韓愈は考功郎中だった。漢の顔駟という人は不遇で、白髪になってもまだ郎中より上の役に昇れなかったという故事をふまえ、自分を含めた中郎の者が白髪だらけである。韓愈のユーモア表現である。

・二毛 白髪。

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