韓愈《和席八十二韻》#3そうした中で次第に年をとっていってもなお俸禄を戀い、未だに江海に帰ることが出来ないことは、まことに愧ずべきと考えるところであり、ただ君のお引き立てを待つばかりである。

 

2013年10月5日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
 LiveDoor
司馬相如 《上林賦 》(3)#2-1 文選 賦<110-#1-3>13分割52回 Ⅱ李白に影響を与えた詩908 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3088
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
  LiveDoor
《和席八〔夔〕十二韻 〔元和十一年,夔與愈同掌制誥。〕》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <821>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3089韓愈詩-197-#3
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集 LiveDoor660 《山寺〔自注:得開字,章留後同遊。〕》 蜀中転々 杜甫 <566-#3>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3090 杜甫詩1000-566-#3-812/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc233曹植(曹子建) 《贈白馬王彪 其五》 魏詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3091 (10/05)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor夢江南二首 其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-309-5-#63  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3092
 
 ■最近の人気の文・賦・詩・詞(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex

『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332 
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html 
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304 
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html 
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html 
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html 
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html 
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。 
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
 
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html 
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html 
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。 
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
 
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
 
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

《和席八〔夔〕十二韻 〔元和十一年,夔與愈同掌制誥。〕》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <821  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3089韓愈詩-197-#3

 

 

作者: 韓愈  816年元和十一年  49 

卷別: 卷三四四  文體: 五言古詩 

詩題: 和席八【案:夔。】十二韻【案:元和十一年,夔與愈同掌制誥。】 

作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安

交遊人物: 席夔

 

 

和席八 十二韻 #1

(席夔に唱和する十二韻)

絳闕銀河曙,東風右掖春。

天上の銀河が、曙色に変わり始めると、朝廷の正門からはいろうとする、春風の暖かなる朝に中書省に出仕する。

官隨名共美,花與思俱新。

官はその名にしたがってともに美しく、花は思いとともに新たになり、君、席夔は今得意の境涯にある。

綺陌朝遊間,綾衾夜直頻。

美しい都大路に遊行することも時たまあるし、綾衾を担いで、夜、当直をすることも頻繁である。

橫門開日月,高閣切星辰。

その出仕する役所の有様と云えば橫門は日月を迎い入れ、高閣は星辰に触れんとするのである。

 

絳闕【こうけつ】銀河の曙 ,東風 右掖【ゆうえき】の春

官は名に隨って共に美に ,花と思うと俱に新なり。

綺陌【きはく】朝遊 間し,綾衾【りょうきん】夜 直 頻【しきり】なり。

橫門【おうもん】日月を開き ,高閣星辰を切る。

#2

庭變寒前草,天銷霽後塵。

寒気が来る前に庭草は色を変じ、雨が晴れたのちに、天は塵を消して、いとも清らかである。

溝聲通苑急,柳色壓城勻。

溝を流れて行く遣り水、御苑の方に流れ、柳が芽吹くと城壁を圧するばかりである。

綸綍謀猷盛,丹青步武親。

君の職務として、詔勅を草し、聖明の謀猷、いつもながら盛んであるし、さながら丹青をもって描き出したような風姿は歩にしだがって親しげに見える。

芳菲含斧藻,光景暢形神。

朝衣には斧藻の模様、匂うばかりにして、宮中の光景は、心身をのべ成長せしめる。

 

庭は變ず 寒前の草,天は銷す 霽後の塵。

溝聲、苑に通じて急,柳色 城を壓して勻【ひと】し。

綸綍【りんふつ】謀猷【ぼうゆう】盛んにして,丹青 步武【ほぶ】親し。

芳菲 斧藻【ふそう】を含み,光景 形神を暢【の】ぶ。

 

#3

傍砌看紅藥,巡池詠白蘋。

砌に傍うて芍薬の咲き出でたるをみる、池を廻って白蘋の漂っているのを眺める。

多情懷酒伴,餘事作詩人。

多情にして酒を酌み交わすことを思う、公務の仕事が終わってから詩人と称して詩をつくることとしている。

倚玉難藏拙,吹竽久混真。

これに反して私は兼葭の質をもってみだりに宝玉によって生来の拙を蔵し難く、全く能もないのに南郭のように竽を吹く仲間に交じって、その真をみだしている。

坐慚空自老,江海未還身。 

そうした中で次第に年をとっていってもなお俸禄を戀い、未だに江海に帰ることが出来ないことは、まことに愧ずべきと考えるところであり、ただ君のお引き立てを待つばかりである。

 

砌【せい】に傍うて紅藥を看,池を巡って白蘋【はくひん】を詠う。

多情 酒伴を懷い,餘事 詩人と作る。

玉に倚って拙を藏し難く,竽を吹いて久しく真を混す。

坐に慚づ空しく自ら老ゆることを,江海 未だ還らざるの身を。

終南山03 

 

『和席八 十二韻』 現代語訳と訳註

(本文) #3

傍砌看紅藥,巡池詠白蘋。

多情懷酒伴,餘事作詩人。

倚玉難藏拙,吹竽久混真。

坐慚空自老,江海未還身。

 

 

(下し文)

砌【せい】に傍うて紅藥を看,池を巡って白蘋【はくひん】を詠う。

多情 酒伴を懷い,餘事 詩人と作る。

玉に倚って拙を藏し難く,竽を吹いて久しく真を混す。

坐に慚づ空しく自ら老ゆることを,江海 未だ還らざるの身を。

 

 

(現代語訳)

砌に傍うて芍薬の咲き出でたるをみる、池を廻って白蘋の漂っているのを眺める。

多情にして酒を酌み交わすことを思う、公務の仕事が終わってから詩人と称して詩をつくることとしている。

これに反して私は兼葭の質をもってみだりに宝玉によって生来の拙を蔵し難く、全く能もないのに南郭のように竽を吹く仲間に交じって、その真をみだしている。

そうした中で次第に年をとっていってもなお俸禄を戀い、未だに江海に帰ることが出来ないことは、まことに愧ずべきと考えるところであり、ただ君のお引き立てを待つばかりである。

 

 

(訳注)#3

傍砌 紅藥 ,巡池 白蘋

砌に傍うて芍薬の咲き出でたるをみる、池を廻って白蘋の漂っているのを眺める。

・「砌」「水限(みぎり)」の意で、雨滴の落ちるきわ、また、そこを限るところからという》1 時節。おり。ころ。2 軒下や階下の石畳。

「紅藥」薬草、芍藥。

「白蘋」白蘋は白い花のさくよもぎ、水草である、

 

 

多情 酒伴 ,餘事 作詩

多情にして酒を酌み交わすことを思う、公務の仕事が終わってから詩人と称して詩をつくることとしている。

 

 

倚玉 藏拙 ,吹竽 混真

これに反して私は兼葭の質をもってみだりに宝玉によって生来の拙を蔵し難く、全く能もないのに南郭のように竽を吹く仲間に交じって、その真をみだしている。

「吹竽」南郭濫竽(なんかくらんう)『韓非子』南郭処士請為王吹竽。」実力もないのに、分以上の位にあること。「南郭」は人の名前で、「濫竽」は、「濫(みだ)」りに、「竽(笙の類の笛)」を吹く事。

 

 

坐慚 空自老 ,江海 還身

そうした中で次第に年をとっていってもなお俸禄を戀い、未だに江海に帰ることが出来ないことは、まことに愧ずべきと考えるところであり、ただ君のお引き立てを待つばかりである。

「江海」大江・長江を下って東海に出て仙郷に向かう、故郷に帰ることをいう。
魚玄機55021