〔韓愈、李正封〕《晚秋郾城夜會聯句》(21) そうであれば、笑いを買うのに金をなげうち、すなわち、若返りの薬を求めるべく、かくいうお偉いお方は何時までも達者でいてもらいたいものである。先祖の廟には酒器を配して備え、老親の居られる堂上においては鍾馨を鳴らして楽を奏るのである。


2013年11月21日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固)《西都賦》(1)#1-1 文選 賦<112―1>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩955 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3323
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《晚秋郾城夜會聯句〔韓愈、李正封〕》(21)-#19韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <868>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3324韓愈詩-220-#19
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ696 《對雨》 蜀中転々 杜甫 <603>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3325 杜甫詩1000-603-859/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ79魏武帝(曹操) 《苦寒行》 魏詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3321 (11/20)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
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19

惟當早富貴,豈得暫寂寞。

もとより、これは偶然ではなく、実を云えば、もっと富貴になるべく、どういうわけか、しばしなりとも寂寞なる不得意の境地におられるべきはずではなかったのである。

但擲雇笑金,仍祈却老藥。(正封)

そうであれば、笑いを買うのに金をなげうち、すなわち、若返りの薬を求めるべく、かくいうお偉いお方は何時までも達者でいてもらいたいものである。

歿廟配尊斝,生堂合鑮。

先祖の廟には酒器を配して備え、老親の居られる堂上においては鍾馨を鳴らして楽を奏るのである。

安行庇松篁,高臥枕莞蒻。(愈)

のどかに散歩するときには、松竹の陰に憩い、楽々と高臥するときには、薄縁の上に枕されるのである。

惟だ當に早く富貴なるべし,豈に暫くも寂寞なるを得んや。

但だ雇笑の金を擲【なげう】ち,仍お却老の藥を祈【もと】む。(正封)

歿廟【ぼつびょう】尊斝【そんか】に配し,生堂【しょうどう】鑮【きょうはく】を合す。

安行【あんこう】松篁【しょうこう】に庇【かく】れ,高臥【こうが】莞蒻【かんじゃく】をに枕す。(愈)

真竹002 

『晚秋郾城夜會聯句』〔韓愈、李正封〕 現代語訳と訳註

(本文) 19

惟當早富貴,豈得暫寂寞。

但擲雇笑金,仍祈却老藥。(正封)

歿廟配尊斝,生堂合鑮。

安行庇松篁,高臥枕莞蒻。(愈)

 

(下し文) 19

惟だ當に早く富貴なるべし,豈に暫くも寂寞なるを得んや。

但だ雇笑の金を擲【なげう】ち,仍お却老の藥を祈【もと】む。(正封)

歿廟【ぼつびょう】尊斝【そんか】に配し,生堂【しょうどう】【きょうはく】を合す

安行【あんこう】松篁【しょうこう】に【かく】れ,高臥【こうが】莞蒻【かんじゃく】をに(愈)

 

(現代語訳)

もとより、これは偶然ではなく、実を云えば、もっと富貴になるべく、どういうわけか、しばしなりとも寂寞なる不得意の境地におられるべきはずではなかったのである。

そうであれば、笑いを買うのに金をなげうち、すなわち、若返りの薬を求めるべく、かくいうお偉いお方は何時までも達者でいてもらいたいものである。

先祖の廟には酒器を配して備え、老親の居られる堂上においては鍾馨を鳴らして楽を奏るのである。

のどかに散歩するときには、松竹の陰に憩い、楽々と高臥するときには、薄縁の上に枕されるのである。

 

 

(訳注) 19

惟當早富貴,豈得暫寂寞。

もとより、これは偶然ではなく、実を云えば、もっと富貴になるべく、どういうわけか、しばしなりとも寂寞なる不得意の境地におられるべきはずではなかったのである。

 

但擲雇笑金,仍祈却老藥。(正封)

そうであれば、笑いを買うのに金をなげうち、すなわち、若返りの薬を求めるべく、かくいうお偉いお方は何時までも達者でいてもらいたいものである。

 

歿廟配尊斝,生堂合鑮。

先祖の廟には酒器を配して備え、老親の居られる堂上においては鍾馨を鳴らして楽を奏るのである。

尊斝 おおさかずき、斝(か)は二里頭期・商代前期・商代後期を通じて重要視された彝器(いき)の一つで、酒を温めるための器である。斝は、王墓や重要な貴族などの墓から出土する程度で、貴重なものであった。酒器

鑮 鍾馨を鳴らして楽を奏る

 

安行庇松篁,高臥枕莞蒻。(愈)

のどかに散歩するときには、松竹の陰に憩い、楽々と高臥するときには、薄縁の上に枕されるのである。

安行 のんびり歩行する。

松篁 松と竹が群がって生えている所。たけやぶ。

莞蒻 薄縁の上。いぐさでおったうすいしきもの。

莞:[音]カン(クヮン)(呉)(漢) [訓]い1 植物の名。フトイ。また、イで織ったむしろ。「莞席」2 にこやかに笑うさま。蒻:若いガマ。
楠樹03