韓愈《讀皇甫湜公安園池詩書其後》(今皇甫松の作った園地の詩をみると、取りも直さず爾雅の蟲魚を注したるが如く、春秋の王方には全然関係なく要するに取るに足らない技ということなのだ。)皇甫湜は小吏として、公安の地に苦しみ、のんきに年を極めることが出来ず、平生大いに弱っている。


2013年11月29日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
LiveDoorブログ
班孟堅(班固)《西都賦》(9)#3-3 文選 賦<112―9>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩963 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3363
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
 LiveDoorブログ
《讀皇甫湜公安園池詩書其後〔一本為二首。〕》元和十三年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <876>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3364韓愈詩-221ー#2
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 704 《投簡梓州幕府兼簡韋十郎官【投簡梓州幕府兼簡韋十郎】》 蜀中転々 杜甫<611>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3365 杜甫詩1000-611-867/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 88 李陵 《與蘇武詩三首 其一》古詩源 文選 漢詩  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3366 (11/29)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 河瀆神 三首其三 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-364-1-#70  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3367
 
 ■最近の人気の文・賦・詩・詞(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex
『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠

 

《讀皇甫湜公安園池詩書其後〔一本為二首。〕》元和十三年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <876  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3364韓愈詩-221ー#2

 

 

作時: 818  元和十三年  51

卷別: 卷三四一  文體: 五言古詩 

詩題: 讀皇甫湜公安園池詩書其後〔一本為二首。〕 

及地點: 公安園池 (山南東道 荊州 公安)     

交遊人: 皇甫湜 (山南東道 襄州 襄陽)

 

221-#1

讀皇甫湜公安園池詩書其後

(皇甫湜の公安園池の詩を寄せたのでそれを読んで返したその後の詩)

晉人目二子,其猶吹一

戴晋人は堯と舜を目標とすること、尋常の人に同じく、格別えらいとも思わず、いくら堯舜を誉め立てて話しても、息を吹きかけること位に思っている。

區區自其下,顧肯掛牙舌。

元来区区として、堯舜のことに甘んずるようでは、到底つまらぬ人で、歯牙にかかるにも足らず、そこ得行くと戴晋人はちょっと奇矯のようではあるが、一面からいえば、最も至極なことである。

《春秋》書王法,不誅其人身。

「春秋」は孔子が王法に基づいて褒貶したもので、はあるが、何もその人の身を誅するがためにしたのではなく、あくまで道にかなったもので、儒教の正義はまさしくここにある。

《爾雅》注蟲魚,定非磊落人。

「爾雅」のごときは、ほんの字書で蟲魚名を注したるにすぎず、そんなことをしているのは、決して、磊落のひとではない。

221-#2

湜也困公安,不自閑窮年。

(今皇甫松の作った園地の詩をみると、取りも直さず爾雅の蟲魚を注したるが如く、春秋の王方には全然関係なく要するに取るに足らない技ということなのだ。)皇甫湜は小吏として、公安の地に苦しみ、のんきに年を極めることが出来ず、平生大いに弱っている。

枉智思掎摭,糞壤穢豈有臧。

そんなことをしているのはもし、智を枉げて、何かを引き上げ、拾い出して、一の仕事やらかそうと思うのであれば、よろしくそのものを選ぶべく糞壤汚穢とも称すべき取るにたらないこの苑池などが何になろう。

誠不如兩忘,但以一概量。

それよりも苑池などは、二つながら忘れ去り、それは尋常一様のものとして見るが良いので、その手をつけなければいけない範囲は、ほかにいくらもある。

221-#3

我有一池水,蒲葦生其間。 

蟲魚沸相嚼,日夜不得閑。 

我初往觀之,其後益不觀。

221-#4

觀之亂我意,不如不觀完。 

用將濟諸人,捨得業孔顏。 

百年詎幾時,君子不可閑。 

 

#1(皇甫湜【こうほしょく】公安の園池の詩を讀み、其の後に書す)

晉人 二子を目す,其れ猶お一【いちげつ】をくがごとし

區區として其下よりせば,顧みるに肯えて牙舌【がぜつ】に掛らむや。

《春秋》は王法を書す,其の人の身を誅せず。

《爾雅》は注蟲魚【ちゅうぎょ】をす,定めて磊落【らいらく】の人に非ず。

#2

湜【しょく】や公安に困【くるし】み,自ら閑に年を窮めず。

智を枉げて掎摭【きしょう】せむことを思う,糞壤【ふんじょう】【おあい】豈に臧【よき】ころらむ

誠に如かず兩つながら忘れ,但だ一概を以って量る。

 

我に一池の水有り,蒲葦【ほい】其の間に生ず。 

蟲魚【ちゅうぎょ】沸いて相い嚼【か】み,日夜 閑なるを得ず。 

我 初め往うて之を觀る,其の後 益【ますま】す觀ず。 

 

之を觀れば我が意を亂る,如かず 觀ずして完うするに。 

用うるとき將に諸人を濟【すく】わんとす,捨るときは孔顏を業とすつを得む。 

百年 詎【なん】ぞ幾時ぞ,君子 閑なる可からず。 

楊貴妃清華池002 

『讀皇甫湜公安園池詩書其後』 現代語訳と訳註

(本文)

湜也困公安,不自閑窮年。

枉智思掎摭,糞壤穢豈有臧。

誠不如兩忘,但以一概量。

 

(下し文)

湜【しょく】や公安に困【くるし】み,不自ら閑に年を窮めず。

智を枉げて掎摭【きしょう】せむことを思う,糞壤【ふんじょう】【おあい】豈に臧【よき】ころらむ

誠に如かず兩つながら忘れ,但だ一概を以って量る。

 

(現代語訳)

(今皇甫松の作った園地の詩をみると、取りも直さず爾雅の蟲魚を注したるが如く、春秋の王方には全然関係なく要するに取るに足らない技ということなのだ。)皇甫湜は小吏として、公安の地に苦しみ、のんきに年を極めることが出来ず、平生大いに弱っている。

そんなことをしているのはもし、智を枉げて、何かを引き上げ、拾い出して、一の仕事やらかそうと思うのであれば、よろしくそのものを選ぶべく糞壤汚穢とも称すべき取るにたらないこの苑池などが何になろう。

それよりも苑池などは、二つながら忘れ去り、それは尋常一様のものとして見るが良いので、その手をつけなければいけない範囲は、ほかにいくらもある。

  

(訳注)

湜也 困公安 ,不自 窮年

(今皇甫松の作った園地の詩をみると、取りも直さず爾雅の蟲魚を注したるが如く、春秋の王方には全然関係なく要するに取るに足らない技ということなのだ。)皇甫湜は小吏として、公安の地に苦しみ、のんきに年を極めることが出来ず、平生大いに弱っている。

「湜」皇甫湜(こうほしょく)777835,中国中唐代散文家。字は持正,唐の睦州新安の人(今浙江建德淳安)。牛李黨派に属す。韓愈門下で,韓愈の唱える學古文復活に随う。

石佛谷 皇甫湜 詩<94-1>Ⅱ中唐詩498 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1573

陸渾山火和皇甫湜用其韻(湜時為陸渾尉) 韓退之(韓愈)詩<93-#0>Ⅱ中唐詩493 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1558

「公安」湖北省州市長江南岸。安梅園が古代より有名。

 

枉智 掎摭 ,糞壤 豈有 臧。

そんなことをしているのはもし、智を枉げて、何かを引き上げ、拾い出して、一の仕事やらかそうと思うのであれば、よろしくそのものを選ぶべく糞壤汚穢とも称すべき取るにたらないこの苑池などが何になろう。

「智」儒学をまなぶものとしての智。

「掎摭」何かを引き上げ、拾い出して、一の仕事やること。

「糞壤」くそみたいなところ。

污穢なくて身分的に最低な事

「豈有」とるにたらない。

 

誠不 如兩忘 ,但以一概

それよりも苑池などは、二つながら忘れ去り、それは尋常一様のものとして見るが良いので、その手をつけなければいけない範囲は、ほかにいくらもある。

「誠」誠意。まじめなこと

「兩忘」二つながら忘れ去り。一切忘れること。

「一概量」尋常一様のものとしての範囲。
云亭