韓愈《初南食貽元十八協律 #3》 わたしは、へびにむかって「お前をとらえて売ったのは、何も私の罪であるということはないのだ。くわえて、お前を屠らずしてはなったのは情けがあるということではないか。」こうした恩に報いるため、霊珠を贈り賜うことを望んでいないということか。さいわいにして、わたしを他の者といっしょに嫌怨しないようにしてくれといった。


2014年1月17日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
LiveDoorブログ
班孟堅(班固)《東都賦》(10)#5(永平の治)-1 文選 賦<113―8>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩1012 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3608
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
 LiveDoorブログ
《初南食貽元十八協律 》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <925>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3609韓愈詩-238-3
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 746廣徳2年764年―3-5 《丹青引,贈曹將軍霸》 蜀中転々 杜甫 <656>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3610 杜甫詩1000-656-916/1500746-5
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 257 《秋懐詩十一首之七(7)》韓愈kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3611 (01/17)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 11 -3 浣渓沙 三首 其三 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-413-11-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3612
 
 ■最近の人気の文・賦・詩・詞(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex
『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 李白全集 文選 花間集 古詩源 玉台新詠

 

《初南食貽元十八協律 》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <925  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3609韓愈詩-238-3

 

 

作時年:819  元和十四年  52

卷別: 卷三四一  文體: 五言古詩 

詩題: 初南食貽元十八協律 

交遊人物: 元集虛 當地交遊

 

 

初南食貽元十八協律  #1

(初めて南方の料理を食べたことにより、賦して元協律に贈ったもの。)

鱟實如惠文,骨眼相負行。 

兜かには、実際惠文の冠のような形をしており、それが海を泳ぐときは、背上の眼をきらめかし、雌が牡をおうて行くということである。

蠔相黏為山,百十各自生。 

牡蠣は、互いに点着して一塊をなしており、その大きさは山のように幾百幾千というものが、個々別々に生をなしている。

蒲魚尾如蛇,口眼不相營。 

蒲魚には蛇のような尻尾があり、その端っこに口があるというから、目と口とは全く関係がないということである。

蛤即是蝦蟆,同實浪異名。 

山蛤は、すなわち蝦蟇で実は同じではあるが、みだりにその名が異なっているのである。

山蛤は、すなわち蝦蟇で実は同じではあるが、みだりにその名が異なっているのである。

#2

章舉馬甲柱,鬥以怪自呈。 

章舉(たこ)と馬甲柱(かいばしら)は、奇怪なものとしてどちらが勝かその先頭に立つものである。

其餘數十種,莫不可歎驚。 

その種類も数十種をあまるだけあり、一つとして歎驚を値するものはないということはないのだ。

我來禦魑魅,自宜味南烹。 

わたしは魑魅にあたるために、この地に投ぜられた貶謫されたの身であるので、否が応でもこの南方の料理をよろしく味わうのである。

調以鹹與酸,芼以椒與橙。 

その南方の料理は甘酸をもって調理し、胡椒や橙汁で味をつけて喰うようになっている。

腥臊始發越,咀吞面汗騂。 

薬味を加えていない羊肉はひどく嫌なにおいがするだけに始めて南の国を旅立ちたいと思うし、慣れないものはなかなか口にできず、咀嚼して無理に飲み下すと、顔に脂汗が流れるくらいである。

#3

惟蛇舊所識,實憚口眼獰。 

しかし、これらはまだ酔いとして、蛇は従前見て知っているが、その口、目、その獰猛で、邪悪なようすを心に憚っていたのでどうしても喰う気にはなれない。

開籠聽其去,鬱屈尚不平。 

かごをひらいて、その逃れ去るにまかせてみると、そこに依然としてドグロを巻いていて、どうやら捕えられたことを不平に思っているらしい。
賣爾非我罪,不屠豈非情。 

そこでわたしは、へびにむかって「お前をとらえて売ったのは、何も私の罪であるということはないのだ。くわえて、お前を屠らずしてはなったのは情けがあるということではないか。」
不祈靈珠報,幸無嫌怨并。 

こうした恩に報いるため、霊珠を贈り賜うことを望んでいないということか。さいわいにして、わたしを他の者といっしょに嫌怨しないようにしてくれといった。

聊歌以記之,又以告同行。 

南方の料理の品目は、ざっとこれまで述べたとおりであるが、いささかではあるが、これを詩歌にして記して、且つ同行の人々に告げる次第である。

 

(初めて南食し元十八協律に貽【おく】る

鱟【こう】は實に惠文の如く,骨眼 相い負うて行く。 

蠔【ごう】は相い黏【てん】して山と為し,百十 各の自生す。 

蒲魚は尾 蛇の如く,口眼 相い營まず。 

蛤は即ち是れ蝦蟆【かほ】,實を同して浪【みだ】りに名を異にす。 

 

章舉と馬甲柱は,鬥わすに怪を以って自ら呈す。 

其の餘 數十種あり,歎驚【たんけい】す可からざる莫し。 

我來って魑魅【ちみ】に禦る,自ら宜しく南烹【なんぽう】を味わうべし。 

調するに鹹【かん】と酸とを以ってし,芼するに椒と橙とを以ってす。 

腥臊【せいそう】始めて越を發し,咀吞【そとん】すれば 面汗騂【あか】し。 

 

惟だ蛇のみは舊識る所ろ,實に口眼の獰【どう】なるを憚る。 

籠を開いて其の去るを聽【ゆる】せば,鬱屈【うっくつ】して尚お不平なり。 

爾を賣るは我が罪に非らず,屠【ほう】らざるは豈に情非らずや。 

靈珠の報を祈らず,幸いにして嫌怨【けんえん】を并【あわ】す無かれ。 

聊か歌うて以って之を記し,又た以って同行に告ぐ。

2蜀の山00 

 

『初南食貽元十八協律』 現代語訳と訳註

(本文)

惟蛇舊所識,實憚口眼獰。 

開籠聽其去,鬱屈尚不平。 

賣爾非我罪,不屠豈非情。 

不祈靈珠報,幸無嫌怨并。 

聊歌以記之,又以告同行。 

 

(下し文)

惟だ蛇のみは舊識る所ろ,實に口眼の獰【どう】なるを憚る。 

籠を開いて其の去るを聽【ゆる】せば,鬱屈【うっくつ】して尚お不平なり。 

爾を賣るは我が罪に非らず,屠【ほう】らざるは豈に情非らずや。 

靈珠の報を祈らず,幸いにして嫌怨【けんえん】を并【あわ】す無かれ。 

聊か歌うて以って之を記し,又た以って同行に告ぐ。

 

(現代語訳)

しかし、これらはまだ酔いとして、蛇は従前見て知っているが、その口、目、その獰猛で、邪悪なようすを心に憚っていたのでどうしても喰う気にはなれない。

かごをひらいて、その逃れ去るにまかせてみると、そこに依然としてドグロを巻いていて、どうやら捕えられたことを不平に思っているらしい。
そこでわたしは、へびにむかって「お前をとらえて売ったのは、何も私の罪であるということはないのだ。くわえて、お前を屠らずしてはなったのは情けがあるということではないか。」

こうした恩に報いるため、霊珠を贈り賜うことを望んでいないということか。さいわいにして、わたしを他の者といっしょに嫌怨しないようにしてくれといった。

南方の料理の品目は、ざっとこれまで述べたとおりであるが、いささかではあるが、これを詩歌にして記して、且つ同行の人々に告げる次第である。

 

 

(訳注)

初南食貽元十八協律  #3

(初めて南方の料理を食べたことにより、賦して元協律に贈ったもの。)

 

 

惟蛇 所識 ,實憚 口眼

しかし、これらはまだ酔いとして、蛇は従前見て知っているが、その口、目、その獰猛で、邪悪なようすを心に憚っていたのでどうしても喰う気にはなれない。

「獰」獰猛で、邪悪なようす

 

開籠 其去 ,鬱屈 尚不平。

かごをひらいて、その逃れ去るにまかせてみると、そこに依然としてドグロを巻いていて、どうやら捕えられたことを不平に思っているらしい。

「鬱屈」ドグロを巻いている。

 

賣爾 我罪 ,不屠 豈非

そこでわたしは、へびにむかって「お前をとらえて売ったのは、何も私の罪であるということはないのだ。くわえて、お前を屠らずしてはなったのは情けがあるということではないか。」

 

不祈 靈珠 ,幸無 嫌怨 并。

こうした恩に報いるため、霊珠を贈り賜うことを望んでいないということか。さいわいにして、わたしを他の者といっしょに嫌怨しないようにしてくれといった。

「靈珠」恩に報いて贈ってくれる玉石、珠。

 

聊歌 以記之 ,又以告 同行

南方の料理の品目は、ざっとこれまで述べたとおりであるが、いささかではあるが、これを詩歌にして記して、且つ同行の人々に告げる次第である。

「聊歌」謙遜して言う韓愈が作る詩歌。
2潮州広東00