806年-98 先生-巻八-01#17城南聯句 §3 【韓愈、孟郊】
806年-98 先生-巻八-01#17城南聯句 §3 【韓愈、孟郊】【此首又見張籍集】 Ⅱ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之韓愈詩集8802
芸達者な連中をあつめ、きそって笑ひをとる、新鮮な肉をならべ、互いにわかどりの肉をさぐるのである。施政者が変わるとたちまち桑畑も変わって雑草が生いしげった荒れ地となり、楠を植えてみだりに木を切る音がする。その家門の栄華を他の霞のようなものとの闘争をしていることをどうして極められようか、そして、この風流の時期をだれかつぐべきというのであろうか。
806年-098 |
城南聯句 §3 【韓愈、孟郊】 【此首又見張籍集】 -#17 |
|
昌黎先生集 先生-巻八-01 |
||
全唐詩 卷七百九十一 |
806年貞元22年39歲 (49) |
漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8802 |
城南聯句 §1(城南の風景の盛を泛言する。)#1
竹影金瑣碎【孟郊。】,泉音玉淙琤。琉璃翦木葉【韓愈。】,翡翠開園英。
流滑隨仄步【孟郊。】,搜尋得深行。遙岑出寸碧【韓愈。】,遠目增雙明。
乾穟紛拄地【孟郊。】,化蟲枯挶莖。木腐或垂耳【韓愈。】,草珠競駢睛。
浮虛有新斸【孟郊。】,摧扤饒孤撐。囚飛黏網動【韓愈。】,盜啅接彈驚。
脫實自開坼【孟郊。】,牽柔誰繞縈。禮鼠拱而立【韓愈。】,駭牛躅且鳴【騃牛躅且鳴】。
蔬甲喜臨社【孟郊。】,田毛樂寬征。露螢不相暖【韓愈。】,凍蝶尚思輕。
宿羽有先曉【孟郊。】,食鱗時半橫。菱翻紫角利【韓愈。】,荷折碧圓傾。
楚膩鱣鮪亂【孟郊。】,獠羞螺蟹并。桑蠖見虛指【韓愈。】,穴貍聞鬥獰。
逗翳翅相築【孟郊。】,擺幽尾交搒。蔓涎角出縮【韓愈。】,樹啄頭敲鏗。
修箭褭金餌【孟郊。】,群鮮沸池羹。岸殼坼玄兆【韓愈。】,野麰漸豐萌。
窯煙冪疏島【孟郊。】,沙篆印迴平。痒肌遭眊刺【韓愈。】,啾耳聞雞生。
奇慮恣迴轉【孟郊。】,遐晞縱逢迎。顛林戢遠睫【韓愈。】,縹氣夷空情。
歸跡歸不得【孟郊。】,捨心捨還爭。靈麻撮狗虱【韓愈。】,村稚啼禽猩。
紅皺曬簷瓦【孟郊。】,黃團繫門衡。得雋蠅虎健【韓愈。】,相殘雀豹趟。
束枯樵指禿【孟郊。】,刈熟擔肩赬。澀旋皮卷臠【韓愈。】,苦開腹彭亨。
機舂潺湲力【孟郊。】,吹簸飄颻精。【韓愈。】
§2 (郊墟宅墅の古廃をいう)
賽饌木盤簇【韓愈。】,靸妖藤索絣。荒學五六卷【孟郊。】,古藏四三塋。
里儒拳足拜【韓愈。】,土怪閃眸偵。蹄道補復破【孟郊。】,絲窠掃還成。
暮堂蝙蝠沸【韓愈。】,破灶伊威盈。追此訊前主【孟郊。】,答云皆冢卿。
敗壁剝寒月【韓愈。】,折篁嘯遺笙。褂熏霏霏在【孟郊。】,綦跡微微呈。
劍石猶竦檻【韓愈。】,獸材尚拿楹。寶唾拾未盡【孟郊。】,玉啼墮猶鎗。
窗綃疑閟豔【韓愈。】,妝燭已銷檠。綠髮抽玟甃【孟郊。】,青膚聳瑤楨。
白蛾飛舞地【韓愈。】,幽蠹落書棚。【孟郊。】
§3(在昔詩人吟詠の工、人士繁華の習を追舒し、盛衰興廃の感を述べる)
-1#13
惟昔集嘉詠【孟郊。】,吐芳類鳴嚶。窺奇摘海異【韓愈。】,恣韻激天鯨。
腸胃繞萬象【孟郊。】,精神驅五兵。蜀雄李杜拔【韓愈。】,嶽力雷車轟。
-2#14
大句斡玄造【孟郊。】,高言軋霄崢。芒端轉寒燠【韓愈。】,神助溢杯觥。
巨細各乘運【韓愈。】,湍潿亦騰聲。凌花咀粉蕊【孟郊。】,削縷穿珠櫻。
-3#15
綺語洗晴雪【韓愈。】,嬌辭哢雛鶯。酣歡雜弁珥【孟郊。】,繁價流金瓊。
菡萏寫江調【孟郊。】,萎蕤綴藍瑛。庖霜膾玄鯽【韓愈。】,淅玉炊香粳。
-4#16
朝饌已百態【孟郊。】,春醪又千名。哀匏蹙駛景【韓愈。】,冽唱凝餘晶。
解魄不自主【孟郊。】,痹肌坐空瞠。扳援賤蹊絕【韓愈。】,炫曜仙選更。
-5#17
叢巧競采笑【孟郊。】,駢鮮互探嬰。桑變忽蕪蔓【韓愈。】,樟裁浪登丁。
霞鬥詎能極【孟郊。】,風期誰復賡。【韓愈。】
§4(畿甸の形勝を紀した)#18
皋區扶帝壤【韓愈。】,瑰蘊郁天京。祥色被文彥【孟郊。】,良才插杉檉。
隱伏饒氣象【韓愈。】,興潛示堆坑。
擘華露神物【孟郊。】,擁終儲地禎。訏謨壯締始【韓愈。】,輔弼登階清。
坌秀恣填塞【孟郊。】,呀靈滀渟澄。
§5(土地人物富華の盛をのべる)#20
益大聯漢魏【韓愈。】,肇初邁周嬴。
積照涵德鏡【孟郊。】,傳經儷金籯。食家行鼎鼐【韓愈。】,寵族飫弓旌。
奕制盡從賜【孟郊。】,殊私得逾程。飛橋上架漢【韓愈。】,繚岸俯規瀛。
瀟碧遠輸委【孟郊。】,湖嵌費攜擎。萄苜從大漠【韓愈。】,楓櫧至南荊。
嘉植鮮危朽【孟郊。】,膏理易滋榮。懸長巧紐翠【韓愈。】,象曲善攢珩。
魚口星浮沒【孟郊。】,馬毛錦斑騂。五方亂風土【韓愈。】,百種分鉏耕。
葩蘗相妒出【孟郊。】,菲茸共舒晴。類招臻倜詭【韓愈。】,翼萃伏衿纓。
危望跨飛動【孟郊。】,冥升躡登閎。春游轢靃靡【韓愈。】,彩伴颯嫈嫇。
遺璨飄的皪【孟郊。】,淑顏洞精誠。嬌應如在寤【韓愈。】,頹意若含酲。
鵷毳翔衣帶【孟郊。】,鵝肪截佩璜。文升相照灼【韓愈。】,武勝屠欃槍。
割錦不酬價【孟郊。】,構雲有高營。通波牣鱗介【韓愈。】,疏畹富蕭蘅。
買養馴孔翠【孟郊。】,遠苞樹蕉栟。鴻頭排刺芡【韓愈。】,鵠鷇攢瑰橙。
§6(門弟簪紱の家について述べる)#26
騖廣雜良牧【孟郊。】,蒙休賴先盟。罷旄奉環衛【韓愈。】,守封踐忠貞。
戰服脫明介【孟郊。】,朝冠飄彩紘。爵勳逮僮隸【韓愈。】,簪笏自懷繃。
乳下秀嶷嶷【孟郊。】,椒蕃泣喤喤。貌鑑清溢匣【韓愈。】,眸光寒發硎。
館儒養經史【孟郊。】,綴戚觴孫甥。考鐘饋殽核【韓愈。】,戛鼓侑牢牲。
飛膳自北下【孟郊。】,函珍極東烹。如瓜煮大卵【韓愈。】,比線茹芳菁。
海嶽錯口腹【孟郊。】,趙燕錫媌娙。一笑釋仇恨【韓愈。】,百金交弟兄。
貨至貊戎市【孟郊。】,呼傳鸚鵒令。順居無鬼瞰【韓愈。】,抑橫免官評。
§7(射猟の壮観をいう)
殺候肆凌翦【孟郊。】,籠原匝罝紘。羽空顛雉鷃【韓愈。】,血路迸狐麠。
折足去踸踔【孟郊。】,蹙鬐怒髟並鬤。躍犬疾翥鳥【韓愈。】,呀鷹甚飢虻。
算蹄記功賞【孟郊。】,裂腦擒?掁。猛斃牛馬樂【韓愈。】,妖殘梟鵅惸。
窟窮尚嗔視【孟郊。】,箭出方驚抨。連箱載已實【韓愈。】,礙轍棄仍贏。
喘覷鋒刃點【孟郊。】,困衝株櫱盲。掃淨豁曠曠【韓愈。】,騁遙略苹苹。
饞扠飽活臠【孟郊。】,惡嚼口尃腥鯖。
§8(郊祀の禮についてのべる)
歲律及郊至【韓愈。】,古音命韶韺。
旗旆流日月【孟郊。】,帳廬扶棟甍。磊落奠鴻璧【韓愈。】,參差席香藑。
玄祇祉兆姓【孟郊。】,黑秬饛豐盛。慶流蠲瘥癘【韓愈。】,威暢捐車童輣。
靈燔望高冏【孟郊。】,龍駕聞敲風黃。是惟禮之盛【韓愈。】,永用表其宏。
德孕厚生植【孟郊。】,恩熙完刖黥。
§9(民居寺宇の美についてのべる)
宅土盡華族【韓愈。】。連田間強甿。
蔭庾森嶺檜【孟郊。】,啄場翽祥明鳥。畦肥翦韭薤【韓愈。】,陶固收盆甖。
利養積餘健【孟郊。】,孝思事嚴祊。掘雲破嵽嵲【韓愈。】,采月漉坳泓。
寺砌上明鏡【孟郊。】,僧盂敲曉鉦。泥象對騁怪【韓愈。】,鐵鐘孤舂鍠。
癭頸鬧鳩鴿【孟郊。】,蜿垣亂蛷蠑。葚黑老蠶蠋【韓愈。】,麥黃韻鸝鶊。
§10(里人遊観の楽しみについて述べる。)
韶曙遲勝賞【孟郊。】,賢明戒先庚。馳門填偪仄【韓愈。】,競墅輾砅砰。
碎纈紅滿杏【孟郊。】,稠凝碧浮餳。蹙繩覲娥婺【韓愈。】,鬥草擷璣珵。
粉汗澤廣額【孟郊。】,金星墮連瓔。鼻偷困淑郁【韓愈。】,眼剽強盯目孟。
是節飽顏色【孟郊。】,茲疆稱都城。書饒罄魚繭【韓愈。】,紀盛播琴箏。
§11(韓愈自ら竄謫して帰京し、復、博士となった)
奚必事遠覿【孟郊。】,無端逐羈傖。將身親魍魅【韓愈。】,浮跡侶鷗鶄。
腥味空奠屈【孟郊。】,天年徒羨彭。驚魂見蛇蚓【韓愈。】,觸嗅值蝦蟛。
幸得履中氣【孟郊。】,忝從拂天棖。歸私暫休暇【韓愈。】,驅明出庠黌。
鮮意竦輕暢【孟郊。】,連輝照瓊瑩。陶暄逐風乙【韓愈。】,躍視舞晴蜻。
足勝自多詣【孟郊。】,心貪敵無勍。始知樂名教【韓愈。】,何用苦拘儜。
畢景任詩趣【孟郊。】,焉能守硜硜【韓愈。】。
作時年: | 806年 | 貞元22年 | 39歲 |
全唐詩卷別: | 卷七百九十一 | 文體: | 五言古詩 |
昌黎先生集 | 先生-巻八-01 | 韓昌黎集 巻八-01 | |
詩題: | 城南聯句【案:韓愈、孟郊】【案:此首又見張籍集。】 | ||
序文 | 案:韓愈、孟郊】【案:此首又見張籍集。 | ||
作地點: | 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安) | | |
及地點: | 城南 (京畿道 京兆府 長安) | ||
| 荊州 (山南東道 荊州 荊州) 別名:郢門 | ||
| | ||
| 0 | ||
交遊人物: | 孟郊 | 張籍 |
§3-1#13(在昔詩人吟詠の工、人士繁華の習を追舒し、盛衰興廃の感を述べる)
惟昔集嘉詠【孟郊。】,
吐芳類鳴嚶。窺奇摘海異【韓愈。】,
恣韻激天鯨。腸胃繞萬象【孟郊。】,
精神驅五兵。蜀雄李杜拔【韓愈。】,
嶽力雷車轟。【孟郊。】
惟昔集嘉詠,吐芳類鳴嚶。
あわれなるかな、昔はここでりっぱな詩歌を詠んで集ったものだが、花の香しさを出すように美しい句の歌を吟じることはうぐいすが鳴いているようなのだ。
窺奇摘海異,恣韻激天鯨。
大海の珍しいものがないかと探し出し海では異なったものを摘み取るような句であり、縦横に押韻するということで大鯨が大暴れする様な詩歌が詠われる。
腸胃繞萬象,精神驅五兵。
胸中にある万物のすがたをむねにめぐらせる巧さがあり、こころに思うことは五種類の道具を駆使して存分にする。
蜀雄李杜拔,嶽力雷車轟。
蜀の国のすぐれた人は李白・杜甫を抜くほどのものだ。そして、雲や雷を生み出す力を内蔵している大岩のように雷や戦車の車輪の轟をさせる句をつくる。
§3-1#13
惟【こ】れ昔嘉詠【かえい】を集め,芳を吐いて鳴嚶【めいおう】に類す。
奇を窺いて海異【かいい】を摘み,韻を恣【ほしいまま】にして天鯨【てんげい】を激す。
腸胃【ちょうい】萬象【ばんしょう】を繞り,精神は五兵を驅【か】る。
蜀雄【しょくゆう】李杜【りと】拔きんで,嶽力【がくりょく】雷車轟く。
-2#14
大句斡玄造【孟郊。】,
高言軋霄崢。芒端轉寒燠【韓愈。】,
神助溢杯觥。巨細各乘運【韓愈。】,
湍潿亦騰聲。凌花咀粉蕊【孟郊。】,
削縷穿珠櫻。【孟郊。】
§3-2#14
大句斡玄造,高言軋霄崢。
大いなる句は幽玄な造化をめぐらせ、高士の言葉は高い空をきしませてひろがる。
芒端轉寒燠,神助溢杯觥。
筆の穂先ひとつで暑さ、寒さ変幻自在であるし、神の助けを授けられた直観力は大盃にあふれるほどである。
巨細各乘運,湍潿亦騰聲。
細石であり、巨岩であり、それぞれみな乗せられているし、早瀬と淀はまた大声をあげ驚くのである。
淩花咀粉蕊,削縷穿珠櫻。
花でいえば花ビラを砕いたり、花粉の付いた花の蕊を 食べてしまうということである。そしてサトザクラの宝石の穴をあけ糸で繋いで首飾りにするようだ。
§3-2#14
大句斡玄造【孟郊。】,
高言軋霄崢。芒端轉寒燠【韓愈。】,
神助溢杯觥。巨細各乘運【韓愈。】,
湍潿亦騰聲。凌花咀粉蕊【孟郊。】,
削縷穿珠櫻。【孟郊。】
大句は玄造【げんぞう】を斡【あつ】,高言は霄崢【しょうそう】を軋【きし】る。
芒端【ぼうたん】 寒燠【かんいく】を.じ,神助【しんじょ】 杯觥【はいこう】に溢る。
巨細【きょ・さい】は各【おのお】の運に乘じ,湍潿【たんい】も亦た聲を騰げる。
花を淩いで粉蕊【ふんずい】を咀【くら】い,縷【る】を削って珠櫻【しゅおう】を穿【うが】つ。
§3-3#15
綺語洗晴雪【韓愈。】,
嬌辭哢雛鶯。酣歡雜弁珥【孟郊。】,
繁價流金瓊。菡萏寫江調【孟郊。】,
萎蕤綴藍瑛。庖霜膾玄鯽【韓愈。】,
淅玉炊香粳。【孟郊。】
綺語洗晴雪,嬌辭哢雛鶯。
きらびやかな言葉は空を洗い晴れ雪を照らす。艶めかしい言葉は、ひなのうぐいすがさえずるようである。
酣歡雜弁珥,繁價流金瓊。
艶歌は男女の性交を詠い、歓喜もさいこうちょうになる。そうしておびただしい費用となり、黄金と美玉が消費されることになる。
菡萏寫江調,萎蕤綴藍瑛。
蓮の花は江南の採蓮歌として世に広がったし、そしてそれは、あまどころのようであり、藍田の水晶玉をぶらさげたようだ。
庖霜膾玄鯽,浙玉炊香粳。
黒フナの肉片を霜柱のように細く包丁を入れ、それをなますにする、宝玉をすすぐように上等のうるち米をとぎ炊飯する。
綺語【きご】は晴雪を洗【そそ】ぎ,嬌辭【きょうじ】は雛鶯【すうおう】を哢【ささや】く。
酣歡【かんかん】弁珥【べんじょ】を雜【まじ】へ,繁價【はんか】金瓊【きんけい】を流【ついや】す。
菡萏【かたん】江調【こうちょう】を寫す,萎蕤【いずい】藍瑛【らんえい】を綴る。
霜を庖【ほう】して玄鯽【げんせい】を膾【なます】にし,玉を浙【あら】って炊香粳【こうこう】を【かし】ぐ。
§3-4#16
朝饌已百態【孟郊。】,
春醪又千名。哀匏蹙駛景【韓愈。】,
冽唱凝餘晶。解魄不自主【孟郊。】,
痹肌坐空瞠。扳援賤蹊絕【韓愈。】,
炫曜仙選更。【孟郊。】
朝饌已百態,春醪又千名。
朝食は並べられすでに百種類もあろうか、その上この春の一番搾りの千の銘柄の濁り酒がある。
哀匏蹙駛景,冽唱凝余晶。
かなしい笛の音が聞こえて消えるように光陰は矢のように過ぎ去る。清らかな歌声は名残の光と疑うばかりである。
解魄不自主,痺肌坐空瞠。
快楽に心が解けるようなことには自ら主役になることはないし、ましてや座り続けて痺れを切らして見上げるということもない。
扳援賤蹊絕,炫曜仙選更。
ひとを採り立てることはしても賤しいひとの進み通うみちを遮断することはない。まばゆいこととおもうのはえりぬきの仙女をさらに選び出すことであろうか。
朝饌【ちょうせん】已に百態【ひゃくたい】,春醪【しゅんろう】又 千名。
哀匏【あいほう】は駛景【しけい】を蹙【お】い,冽唱【れつしょう】は余晶【よしょう】を凝【こ】らす。
解魄【かいはく】して自ら主ならず,痺肌【ひき】して坐し空しく瞠【みは】る。
-5#17
叢巧競采笑【孟郊。】,
駢鮮互探嬰。桑變忽蕪蔓【韓愈。】,
樟裁浪登丁。霞鬥詎能極【孟郊。】,
風期誰復賡。【韓愈。】
藂巧競采笑,駢鮮互探嬰。
芸達者な連中をあつめ、きそって笑ひをとる、新鮮な肉をならべ、互いにわかどりの肉をさぐるのである。
桑變忽蕪蔓,樟裁浪登丁。
施政者が変わるとたちまち桑畑も変わって雑草が生いしげった荒れ地となり、楠を植えてみだりに木を切る音がする。
霞鬥詎能極,風期誰復賡。
その家門の栄華を他の霞のようなものとの闘争をしていることをどうして極められようか、そして、この風流の時期をだれかつぐべきというのであろうか。
巧を藂【あつ】めて競って笑いを采る,鮮を駢【なら】べて互いに嬰【わか】きを探る。
桑變して忽ち蕪蔓し,樟裁して浪【みだ】りに登丁【とうちょう】。
霞鬥【かとう】詎【なん】ぞ能く極めん,風期【ふうき】誰か復た賡【つ】がん。
《城南聯句》現代語訳と訳註解説
(本文)
-5#17
叢巧競采笑【孟郊。】,
駢鮮互探嬰。桑變忽蕪蔓【韓愈。】,
樟裁浪登丁。霞鬥詎能極【孟郊。】,
風期誰復賡。【韓愈。】
叢巧競采笑,駢鮮互探嬰。
桑變忽蕪蔓,樟裁浪登丁。
霞鬥詎能極,風期誰復賡。
(下し文)
巧を藂【あつ】めて競って笑いを采る,鮮を駢【なら】べて互いに嬰【わか】きを探る。
桑變して忽ち蕪蔓し,樟裁して浪【みだ】りに登丁【とうちょう】。
霞鬥【かとう】詎【なん】ぞ能く極めん,風期【ふうき】誰か復た賡【つ】がん。
(現代語訳)
芸達者な連中をあつめ、きそって笑ひをとる、新鮮な肉をならべ、互いにわかどりの肉をさぐるのである。
施政者が変わるとたちまち桑畑も変わって雑草が生いしげった荒れ地となり、楠を植えてみだりに木を切る音がする。
その家門の栄華を他の霞のようなものとの闘争をしていることをどうして極められようか、そして、この風流の時期をだれかつぐべきというのであろうか。
(訳注)
城南聯句
1.(城南の情景をあらゆる角度からその感じを述べる)
2. 【解説】この詩は、長安の南、城南に遊んだ時、孟郊と二人、試みた聯句で、過去に例を見ない一百五十三韻、千五百三十字の凄さの詩である。韓愈は、しばしば散歩してきたものをこの詩に述べたのである。内容により十一のセクションに分割して訳註していく。
この聯句は、第一句が孟邦、第二、第三句が韓愈で、以下二句ずつ付け、最後の一句を韓愈が結んでいる。
-5#17
叢巧競采笑【孟郊。】,
駢鮮互探嬰。桑變忽蕪蔓【韓愈。】,
樟裁浪登丁。霞鬥詎能極【孟郊。】,
風期誰復賡。【韓愈。】
藂巧競采笑,駢鮮互探嬰。
巧を藂【あつ】めて競って笑いを采る,鮮を駢【なら】べて互いに嬰【わか】きを探る。
芸達者な連中をあつめ、きそって笑ひをとる、新鮮な肉をならべ、互いにわかどりの肉をさぐるのである。
200. ・藂巧 芸達者な連中をあつめる。
201. ・嬰 わかどりの肉をさす。
桑變忽蕪蔓,樟裁浪登丁。
桑變して忽ち蕪蔓し,樟裁して浪【みだ】りに登丁【とうちょう】。
施政者が変わるとたちまち桑畑も変わって雑草が生いしげった荒れ地となり、楠を植えてみだりに木を切る音がする。
202. ・蕪蔓 雑草が生いしげった荒れ地。
203. ・樟 くすのき。
204. ・登丁 木をきる音。
霞鬥詎能極,風期誰復賡。
霞鬥【かとう】詎【なん】ぞ能く極めん,風期【ふうき】誰か復た賡【つ】がん。
その家門の栄華を他の霞のようなものとの闘争をしていることをどうして極められようか、そして、この風流の時期をだれかつぐべきというのであろうか。
205. ・霞鬥 霞は、日の光の空にはえることをいう。霞鬥は、その家の栄華を霞と競争するというほどの意。