| 同じ日のブログ | |||||
| 1485 | 戯蕭娘 范靖婦沈満願 宋詩<120>玉台新詠集巻四 女性詩 557 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1488 | ||||
| 1486 | 剥啄行 韓退之(韓愈)詩<82-#3>Ⅱ中唐詩469 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1486 | ||||
| 1487 | 寄張十二山人彪三十韻 杜甫 <318-#5> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1487 杜甫詩 700- 460 | ||||
| 謝靈運index | 謝靈運詩 | 古詩index | 漢の無名氏 | ||
| 孟浩然index | 孟浩然の詩 | 韓愈詩index | 韓愈詩集 | ||
| 杜甫詩index | 杜甫詩 | 李商隠index | 李商隠詩 | ||
| 李白詩index | 李白350首 | 女性詩index | 女性詩人 | ||
| 上代~隋 | 南北朝・隋の詩人 | 初唐・盛唐・中唐・晩唐 | |||
剝啄行
剝剝啄啄,有客至門。
こつこつ、とんとん、誰か客が来て戸を叩く。
我不出應,客去而嗔。
私はそれに門に出ないで応じないのである、すると客はぷんぷんしながら帰ってしまう。
從者語我,子胡為然。
すると従者が私に語りかけてくる。「あなたはどうしてそんなことをするのですか」と。
我不厭客,困於語言。
「私はその客がいやなのではない、(私が注目されてきて)何かと噂をたてられて、それでひどい目にあっているのだ。」
欲不出納,以堙其源。
そして、「だから客の出入りを避け、その源を断ちたいと思っているのだ。」
空堂幽幽,有秸有莞。
「奥座敷はひっそりと薄暗くして空けているし、私は座る藁の敷物があるし、客用のイ草によるむしろまで備えている。」
剝剝【はくはく】啄啄【たくたく】,客有りて門に至る。
我出でて應えず,客去りて嗔【いか】る。
從者 我に語る,子 胡為【なんすれ】ぞ然【しか】る。
我 客を厭【いと】わず,語言に困【くる】しめり。
出納せずして,以って其の源を堙【ふさ】がんと欲す。
空堂 幽幽とし,秸【かつ】有りて莞有る。
門以兩板,叢書於間。
戸は二枚の板であるが、なかに書物が多く集まって、生活に関ることはない。
窅窅深塹,其墉甚完。
それは私の世界には底も知れぬ深い堀をめぐらし、しごく完全な垣を設けているようなものである。
彼寧可隳,此不可幹。
それから、あちらの備えは崩すことはできないし、こちらにも手がつけられないことだろう。(悪口に対する防御は完全なのだ)
從者語我,嗟子誠難。
すると従者は私に向かって言った「ああ、そんなことで悪口が防げると思っておいでのようですが、ほんとうはそれではむずかしいのですよ。」
子雖雲爾,其口益蕃。
すると従者は私に向かって言った「ああ、そんなことで悪口が防げると思っておいでのようですが、ほんとうはそれではむずかしいのですよ。」
我為子謀,有萬其全。
つづいて「それに、あなた様はそう言うけれど、人の口はますますうるさくなるものです。」
そして、「我々があなたのために考えてあげても、万全の策というものはありません。」
門は兩板を以てし,書を間に於て叢む。
窅窅【ようよう】たる深塹【しんざん】,其の墉【よう】甚だ完【まっと】うし。
彼【かしこ】は寧【いずく】んぞ隳【おと】す可けん,此は幹す可からず。
從者 我に語る,嗟 子誠に難し。
子は爾【しか】雲【い】うと雖も,其の口 益【ますます】蕃【しげ】し。
我 子が為に謀るに,萬も其れ全きこと有らんや。
凡今之人,急名與官。
子不引去,與為波瀾。
雖不開口,雖不開關。
變化咀嚼,有鬼有神。
今去不勇,其如後艱。
我謝再拜,汝無複雲。
往追不及,來不有年。
おおむね今の人は、名誉・名声と官位とに敏感なものです。
あなたが今の地位から身を引いて去らないかぎり、妬みによる問題を作りだすでしょう。
あなたが口を開くわけではないと云えども、門戸、口火をきらずとも、
変化が起ったり、噛みくだかれたりするのは、靈がおり、神がいると思うほどに測りがたいものです。
いま勇気を奮って去らなければ、あとでむずかしい問題が起こるのを防ぎようはないのです」
私は従者に礼を言って、再拝しながら、「おまえはもうそれ以上は言ってくれるな。
過去のことはもう追いつかないし、将来につながることは、この年内に決着をつけるから」と告げたのだ。
凡【おおよ】そ今の人,名と官とに急なり。
子 引きて去らずんば,與【ため】に波瀾【はらん】を為さん。
口を開かずと雖も,關【かん】を開かずと雖も。
變化 咀嚼【そしゃく】し,鬼有りて神有り。
今去って勇ならずんば,其れ後の艱を如【いか】んせん。
我謝して再拜す,汝 複た雲【い】うことなかれ。
往は追うも及ばず,來は有年らじと。
現代語訳と訳註
(本文)
凡今之人,急名與官。子不引去,與為波瀾。
雖不開口,雖不開關。變化咀嚼,有鬼有神。
今去不勇,其如後艱。我謝再拜,汝無複雲。
往追不及,來不有年。
(下し文)
凡【おおよ】そ今の人,名と官とに急なり。
子 引きて去らずんば,與【ため】に波瀾【はらん】を為さん。
口を開かずと雖も,關【かん】を開かずと雖も。
變化 咀嚼【そしゃく】し,鬼有りて神有り。
今去って勇ならずんば,其れ後の艱を如【いか】んせん。
我謝して再拜す,汝 複た雲【い】うことなかれ。
往は追うも及ばず,來は有年らじと。
(現代語訳)
おおむね今の人は、名誉・名声と官位とに敏感なものです。
あなたが今の地位から身を引いて去らないかぎり、妬みによる問題を作りだすでしょう。
あなたが口を開くわけではないと云えども、門戸、口火をきらずとも、
変化が起ったり、噛みくだかれたりするのは、靈がおり、神がいると思うほどに測りがたいものです。
いま勇気を奮って去らなければ、あとでむずかしい問題が起こるのを防ぎようはないのです」
私は従者に礼を言って、再拝しながら、「おまえはもうそれ以上は言ってくれるな。
過去のことはもう追いつかないし、将来につながることは、この年内に決着をつけるから」と告げたのだ。
(訳注)
凡今之人,急名與官。
おおむね今の人は、名誉・名声と官位とに敏感なものです。
子不引去,與為波瀾。
あなたが今の地位から身を引いて去らないかぎり、妬みによる問題を作りだすでしょう。
雖不開口,雖不開關。
あなたが口を開くわけではないと云えども、門戸、口火をきらずとも、
變化咀嚼,有鬼有神。
変化が起ったり、噛みくだかれたりするのは、靈がおり、神がいると思うほどに測りがたいものです。
今去不勇,其如後艱。
いま勇気を奮って去らなければ、あとでむずかしい問題が起こるのを防ぎようはないのです」
我謝再拜,汝無複雲。
私は従者に礼を言って、再拝しながら、「おまえはもうそれ以上は言ってくれるな。
往追不及,來不有年。
過去のことはもう追いつかないし、将来につながることは、この年内に決着をつけるから」と告げたのだ。







