中唐詩人選集【Ⅰ李商隠-150】Ⅱ韓退之(韓愈)Ⅶ孟郊(東野)  漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩 訳注解説ブログ

Ⅰ李商隠は難解詩といわれている。約150首紹介済。(晩唐詩人) Ⅱ韓退之(韓愈)-約500首Ⅶ孟郊、中唐の詩人を掲載中。万物の性(さが)をテーマにした哲学的な詩。このブログは基本的に中唐詩人を中心にして掲載する予定。 韓愈詩文のこれまでの掲載分とこれから掲載予定分を時系列で整理した2014.3.29のブログに集約してそこから各年次を見ることができる  kanbuniinkai 検索で、《漢文委員会HP05》サイトあります。漢詩唐詩を理解するための総合サイト:≪漢文委員会 漢詩07≫。

少し、マニアックな晩唐詩人Ⅰ-李商隠150首をまず掲載済み。中唐は盛唐詩人(孟浩然・王維、杜甫、李白)を受け継いだ多様な詩人が出ている。この時代も驚くほど詩が発展している。Ⅱ韓退之(韓愈)500首、Ⅲ柳宗元40首、Ⅳ韋応物、Ⅴ劉長卿、Ⅵ韋荘、Ⅶ孟郊(孟東野)、Ⅷ張籍、Ⅸ賈島、Ⅹ劉禹錫、ほか2012~2020年の予定で気長に進める。同じ中唐ではあるが、白居易のグループについては、李白のブログ350首(2015/6月再開~2018/夏・秋月予定)の後掲載の予定。別に杜甫詩ブログ1500首(2011/7月~2018/8月の予定で)を進行中。詩数につぃては、予定の詩数より多くなる。気まぐれなところがあるのでこの予定が少し変わる場合があり、その節はご容赦ください。                 古詩・謝霊運詩 杜甫詩 韓愈詩 花間集500首全詩 それぞれ毎日ブログしています。 このブログ、索引=語句の「検索」 参考書以上掲載。漢詩力up。

史館修撰 兼務

《和侯協律詠筍》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <830>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3134韓愈詩-202-#5

《和侯協律詠筍》韓愈そこで和作を試みるものとしていろいろと考えると自分の才能がまさにつきるということで、呻吟して日暮れに至りやっとこんなにつまらぬものが出来上がったのである。

 

2013年10月14日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 
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孟郊詩 
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『花間集』継続中

 
《和侯協律詠筍》韓愈

(韓退之) Ⅱ中唐詩 <830  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3134韓愈詩-202-#5

 

 

和侯協律詠筍#1

(侯喜が筍について詠った詩に唱和した詩。)

竹亭人不到,新筍滿前軒。

この竹亭には人が来ないでいるうちに、新しい筍が率々と出て、軒の前に一杯になっている。

乍出真堪賞,初多未覺煩。

これらが思いがけず出てきたのは、真に鑑賞するに十分であるし、はじめは多くても、それは珍しいものだから煩わしいことなどと思うことはない。

成行齊婢僕,環立比兒孫。

そして、やがては行列を成して下女と下男、召し使いのようである。あるいは、筍は根っこで環って群立する様子は子や孫というのに比すべきである。

驗長常攜尺,愁乾屢側盆。

その伸びるのを試すためには常に物差しを携帯して、その丈の長さをはかり、そしてその辺の土の乾くのを気を付けてしばしば盆に水を入れて注ぎかけてやるのである。

對吟忘膳飲,偶坐變朝昏。

その筍に対して、吟詠したならば、飲食を忘れてしまうだろう。偶然やってきて座ったとするならば、朝と夕方ではその様子が違っていることに気が付くことであろう。

侯協律【こうきょうりつ】詠筍をずるに和す #1

竹亭 人 到らず,新筍 前軒に滿つ。

乍【たちま】ち出でて真に賞する堪へたり,初めて多くして未だ煩わしきをえ覺ず。

行を成して婢僕【ひぼく】に齊しく,環立して兒孫に比す。

長ずるを驗して常に尺を攜え,乾くを愁いて屢ば盆を側つ。

對吟して膳飲【ぜんいん】忘れ,偶坐して朝昏を變ず。

#2

滯雨膏腴驕陽氣候溫。

雨が長雨になれば膏沃な土地であっても水にあふれ、日照り続きになれば気温は暖かになる。

得時方張王,挾勢欲騰騫。

晴雨ということになればいよいよ筍が時のいきおいを得てなお成長していくことになり、その勢いを挟んで手を突き上げるほどに昇りそうになる。

見角牛羊沒,看皮虎豹存。

その見た目は角に似ているが牛や羊であるところの本体は隠れているがその表面の皮膚は虎豹によく似ているというものだ。

攢生猶有隙,散布忽無垠。

集合して生じたとしてもなお隙間があり、この園に散布したとしても際限が在りはしない。

詎可持籌算,誰能以理言。

どうやってこれを数えることが出来ようか、また誰がこの理屈を把握してその発生の理由を述べることが出来ようか。

#2

滯雨 膏腴【こうゆ】【うるお】い,驕陽【きょうよう】氣候溫【あたた】かなり。

時を得て方に張王し,勢を挾【さしはさ】んで騰騫せむと欲す。

角を見【あら】わして牛羊沒し,皮を看れば虎豹【こひょう】存す。

攢生【さんせい】して猶お隙有り,散布して忽ち垠【かぎ】り無し。

詎【な】んぞ籌【ちゅう】を持して算す可き,誰か能く理を以って言わむ。

 

#3

縱橫公占地,羅列暗連根。

こうして、公然として縦横にその地を占め、勝手に羅列していながら、地下においてひそかに根を連ねている。

狂劇時穿壁,橫強幾觸藩。

まかり間違えば、時には、土壁を穿って、あらぬ方へ這い出るし、勢いの強いのが横暴にも藩籬においてこれを打ち破ることさえある。

深潛如避逐,遠去若追奔。

その地中深くに潜めるには追われるのを避けるようなものだが、本根から遠く隔てるのは走るのを追われたようである。

始訝妨人路,還驚入藥園。

はじめは何故に人の通行するを道を妨げるかと疑ったが、元来、物に頓着せぬからで、薬園の中まで入りこんだのは驚くほどである。

萌芽防寖大,覆載莫偏恩。

筍はもと竹の萌芽であるが、次第に大きくなると、邪魔になるから注意して、これを防ぐべくして天地覆載の恩も、決して辺鄙なわけではない。

縱橫【じゅうおう】公に地を占め,羅列して暗に根を連ね。

狂劇 時に壁を穿ち,橫強 幾たびか藩【まがき】に觸る。

深く潛み逐うを避くるが如し,遠く去り奔るを追うが若し。

始めは訝【いぶか】る人の路を妨ぐるかと,還た驚く藥園に入るかと。

萌芽 寖【や】や大ならむことを防ぎ,覆載【ふさい】恩を偏する莫れ。

#4

已復侵危砌,非徒出短垣。

既に崩れかかった階の砌に侵し入って來る、ひとり短い垣根から出るというほどのことでもない。

身寧虞瓦礫,計擬揜蘭蓀。

たとえ、瓦礫が路にあたったとしても格別用心せず、果ては、蘭蓀のごとき芳香草をも押しかぶるほどの勢いである。

且歎高無數,庸知上幾番。

段々伸びるとその高さが図れないということが驚くべきことで、上の方へは幾段になるのかわからないのである。

短長終不校,先後竟誰論。

はてはその長短を比較することもできなくなるし、どちらが先に生えたのか、どちらが後か、そんなことは論ずる必要もなく、すべてが同じくらいの丈に伸び揃ってしまう。
外恨苞藏密,中仍節目繁。

表面には竹の皮が厳密に包んであるのが、邪魔になるが、中には節が繁く伸び揃っている。

已に復た危砌【きせい】を侵す,徒らに出短垣【たんえん】にづるに非ず。

身は寧ろ瓦礫【がれき】を虞【おもんばか】らんや,計は蘭蓀【らんそん】を揜わむと擬す。

且つ歎ず 高くして數 無きを,庸【な】んぞ知らん 上ること幾番【いくばん】。

短長 終【つい】に校【くら】べず,先後 竟に誰か論んぜむ。

外は苞藏【ほうぞう】の密なるを恨み,中は節目の繁きに仍る。

#5

暫須迴步履,要取助盤飧。

暫く須らく步履を迴して,なるべく踏まないようにし、その若いのをとって飯のおかずにすることができる。

穰穰疑翻地,森森兢塞門。

その勢いよく出てくるときには、地を翻すかと疑われやがてしんしんとしてきそって門を塞ぐようになる。

戈矛頭戢戢,蛇虺首掀掀。

たとえば戈矛が頭ををそろえて、ずらりと並んでいるようでもあるし、蛇などが群がって首をもたげるかのようである。

婦懦咨料揀,兒癡謁盡

婦女子たちは臆病であって、筍を計ってどれを選んで取り除けるかと言って相談に來るし、小児どもかぜんごのかんがえもなく盡く取り去って、すべてを禿げにしないなどというのである。

侯生來慰我,詩句讀驚魂。

侯生がたまたま来たって、我を慰め,筍の詩句を示されたが、その詩句の変わっていいるものを、一讀して、わが魂を驚すばかりである。

屬和才將竭,呻吟至日暾。

そこで和作を試みるものとしていろいろと考えると自分の才能がまさにつきるということで、呻吟して日暮れに至りやっとこんなにつまらぬものが出来上がったのである。

暫く須らく步履を迴す,取って盤飧【はんさん】を助くるを要す。

穰穰 地を翻すかと疑い,森森 兢【きそ】うて門を塞ぐ。

戈矛【かぼう】頭 戢戢【しゅうしゅう】,蛇虺【じゃき】首 掀掀【けんけん】たり。

婦懦【ふぜ】にして料【はか】り揀【えら】ばむことを咨【と】い,兒癡【じち】にして盡く【こん】せんことを謁【こ】う。

侯生【こうせい】來って我を慰め,詩句 讀んで魂を驚す。

屬和【ぞくわ】才 將に竭【つ】きむとす,呻吟して日の暾【とん】するに至る。

隋堤01 

 

 

『和侯協律詠筍』 現代語訳と訳註

(本文) #5

暫須迴步履,要取助盤飧。

穰穰疑翻地,森森兢塞門。

戈矛頭戢戢,蛇虺首掀掀。

婦懦咨料揀,兒癡謁盡

侯生來慰我,詩句讀驚魂。

屬和才將竭,呻吟至日暾。

 

 

(下し文) #5

暫く須らく步履を迴す,取って盤飧【はんさん】を助くるを要す。

穰穰 地を翻すかと疑い,森森 兢【きそ】うて門を塞ぐ。

戈矛【かぼう】頭 戢戢【しゅうしゅう】,蛇虺【じゃき】首 掀掀【けんけん】たり。

婦懦【ふぜ】にして料【はか】り揀【えら】ばむことを咨【と】い,兒癡【じち】にして盡く【こん】せんことを謁【こ】う

侯生【こうせい】來って我を慰め,詩句 讀んで魂を驚す。

屬和【ぞくわ】才 將に竭【つ】きむとす,呻吟して日の暾【とん】するに至る。

 

 

 

(現代語訳)

暫く須らく步履を迴して,なるべく踏まないようにし、その若いのをとって飯のおかずにすることができる。

その勢いよく出てくるときには、地を翻すかと疑われやがてしんしんとしてきそって門を塞ぐようになる。

たとえば戈矛が頭ををそろえて、ずらりと並んでいるようでもあるし、蛇などが群がって首をもたげるかのようである。

婦女子たちは臆病であって、筍を計ってどれを選んで取り除けるかと言って相談に來るし、小児どもかぜんごのかんがえもなく盡く取り去って、すべてを禿げにしないなどというのである。

侯生がたまたま来たって、我を慰め,筍の詩句を示されたが、その詩句の変わっていいるものを、一讀して、わが魂を驚すばかりである。

そこで和作を試みるものとしていろいろと考えると自分の才能がまさにつきるということで、呻吟して日暮れに至りやっとこんなにつまらぬものが出来上がったのである。

 

 

(訳注) #5

暫須迴步履,要取助盤飧。

暫く須らく步履を迴して,なるべく踏まないようにし、その若いのをとって飯のおかずにすることができる。

 

 

穰穰疑翻地,森森兢塞門。

その勢いよく出てくるときには、地を翻すかと疑われやがてしんしんとしてきそって門を塞ぐようになる。

 

戈矛頭戢戢,蛇虺首掀掀。

たとえば戈矛が頭ををそろえて、ずらりと並んでいるようでもあるし、蛇などが群がって首をもたげるかのようである。

・戢戢 そろってでるありさま。

・掀掀 持ち上げるありさま。

 

婦懦咨料揀,兒癡謁盡

婦女子たちは臆病であって、筍を計ってどれを選んで取り除けるかと言って相談に來るし、小児どもかぜんごのかんがえもなく盡く取り去って、すべてを禿げにしないなどというのである。

・料揀 料は量るえらぶ。筍を計って選ぶこと。

 

侯生來慰我,詩句讀驚魂。

侯生がたまたま来たって、我を慰め,筍の詩句を示されたが、その詩句の変わっていいるものを、一讀して、わが魂を驚すばかりである。

 

 

屬和才將竭,呻吟至日暾。

そこで和作を試みるものとしていろいろと考えると自分の才能がまさにつきるということで、呻吟して日暮れに至りやっとこんなにつまらぬものが出来上がったのである。

・屬和 和詩をつくる。

・日暾 ひがでてあかるくなる様子を云う。
sas0009 

《和侯協律詠筍》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <829>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3129韓愈詩-202-#4

韓愈《和侯協律詠筍》#4段々伸びるとその高さが図れないということが驚くべきことで、上の方へは幾段になるのかわからないのである。

 

2013年10月13日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 
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『花間集』継続中

 
《和侯協律詠筍》韓愈

(韓退之) Ⅱ中唐詩 <829  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3129韓愈詩-202-#4

 

 

和侯協律詠筍#1

(侯喜が筍について詠った詩に唱和した詩。)

竹亭人不到,新筍滿前軒。

この竹亭には人が来ないでいるうちに、新しい筍が率々と出て、軒の前に一杯になっている。

乍出真堪賞,初多未覺煩。

これらが思いがけず出てきたのは、真に鑑賞するに十分であるし、はじめは多くても、それは珍しいものだから煩わしいことなどと思うことはない。

成行齊婢僕,環立比兒孫。

そして、やがては行列を成して下女と下男、召し使いのようである。あるいは、筍は根っこで環って群立する様子は子や孫というのに比すべきである。

驗長常攜尺,愁乾屢側盆。

その伸びるのを試すためには常に物差しを携帯して、その丈の長さをはかり、そしてその辺の土の乾くのを気を付けてしばしば盆に水を入れて注ぎかけてやるのである。

對吟忘膳飲,偶坐變朝昏。

その筍に対して、吟詠したならば、飲食を忘れてしまうだろう。偶然やってきて座ったとするならば、朝と夕方ではその様子が違っていることに気が付くことであろう。

侯協律【こうきょうりつ】詠筍をずるに和す #1

竹亭 人 到らず,新筍 前軒に滿つ。

乍【たちま】ち出でて真に賞する堪へたり,初めて多くして未だ煩わしきをえ覺ず。

行を成して婢僕【ひぼく】に齊しく,環立して兒孫に比す。

長ずるを驗して常に尺を攜え,乾くを愁いて屢ば盆を側つ。

對吟して膳飲【ぜんいん】忘れ,偶坐して朝昏を變ず。

#2

滯雨膏腴驕陽氣候溫。

雨が長雨になれば膏沃な土地であっても水にあふれ、日照り続きになれば気温は暖かになる。

得時方張王,挾勢欲騰騫。

晴雨ということになればいよいよ筍が時のいきおいを得てなお成長していくことになり、その勢いを挟んで手を突き上げるほどに昇りそうになる。

見角牛羊沒,看皮虎豹存。

その見た目は角に似ているが牛や羊であるところの本体は隠れているがその表面の皮膚は虎豹によく似ているというものだ。

攢生猶有隙,散布忽無垠。

集合して生じたとしてもなお隙間があり、この園に散布したとしても際限が在りはしない。

詎可持籌算,誰能以理言。

どうやってこれを数えることが出来ようか、また誰がこの理屈を把握してその発生の理由を述べることが出来ようか。

#2

滯雨 膏腴【こうゆ】【うるお】い,驕陽【きょうよう】氣候溫【あたた】かなり。

時を得て方に張王し,勢を挾【さしはさ】んで騰騫せむと欲す。

角を見【あら】わして牛羊沒し,皮を看れば虎豹【こひょう】存す。

攢生【さんせい】して猶お隙有り,散布して忽ち垠【かぎ】り無し。

詎【な】んぞ籌【ちゅう】を持して算す可き,誰か能く理を以って言わむ。

 

#3

縱橫公占地,羅列暗連根。

こうして、公然として縦横にその地を占め、勝手に羅列していながら、地下においてひそかに根を連ねている。

狂劇時穿壁,橫強幾觸藩。

まかり間違えば、時には、土壁を穿って、あらぬ方へ這い出るし、勢いの強いのが横暴にも藩籬においてこれを打ち破ることさえある。

深潛如避逐,遠去若追奔。

その地中深くに潜めるには追われるのを避けるようなものだが、本根から遠く隔てるのは走るのを追われたようである。

始訝妨人路,還驚入藥園。

はじめは何故に人の通行するを道を妨げるかと疑ったが、元来、物に頓着せぬからで、薬園の中まで入りこんだのは驚くほどである。

萌芽防寖大,覆載莫偏恩。

筍はもと竹の萌芽であるが、次第に大きくなると、邪魔になるから注意して、これを防ぐべくして天地覆載の恩も、決して辺鄙なわけではない。

縱橫【じゅうおう】公に地を占め,羅列して暗に根を連ね。

狂劇 時に壁を穿ち,橫強 幾たびか藩【まがき】に觸る。

深く潛み逐うを避くるが如し,遠く去り奔るを追うが若し。

始めは訝【いぶか】る人の路を妨ぐるかと,還た驚く藥園に入るかと。

萌芽 寖【や】や大ならむことを防ぎ,覆載【ふさい】恩を偏する莫れ。

#4

已復侵危砌,非徒出短垣。

既に崩れかかった階の砌に侵し入って來る、ひとり短い垣根から出るというほどのことでもない。

身寧虞瓦礫,計擬揜蘭蓀。

たとえ、瓦礫が路にあたったとしても格別用心せず、果ては、蘭蓀のごとき芳香草をも押しかぶるほどの勢いである。

且歎高無數,庸知上幾番。

段々伸びるとその高さが図れないということが驚くべきことで、上の方へは幾段になるのかわからないのである。

短長終不校,先後竟誰論。

はてはその長短を比較することもできなくなるし、どちらが先に生えたのか、どちらが後か、そんなことは論ずる必要もなく、すべてが同じくらいの丈に伸び揃ってしまう。
外恨苞藏密,中仍節目繁。

表面には竹の皮が厳密に包んであるのが、邪魔になるが、中には節が繁く伸び揃っている。

已に復た危砌【きせい】を侵す,徒らに出短垣【たんえん】にづるに非ず。

身は寧ろ瓦礫【がれき】を虞【おもんばか】らんや,計は蘭蓀【らんそん】を揜わむと擬す。

且つ歎ず 高くして數 無きを,庸【な】んぞ知らん 上ること幾番【いくばん】。

短長 終【つい】に校【くら】べず,先後 竟に誰か論んぜむ。

外は苞藏【ほうぞう】の密なるを恨み,中は節目の繁きに仍る。

 

隋堤01 

『和侯協律詠筍』 現代語訳と訳註

(本文) #4

已復侵危砌,非徒出短垣。

身寧虞瓦礫,計擬揜蘭蓀。

且歎高無數,庸知上幾番。

短長終不校,先後竟誰論。

外恨苞藏密,中仍節目繁。

 

 

(下し文) #4

已に復た危砌【きせい】を侵す,徒らに出短垣【たんえん】にづるに非ず。

身は寧ろ瓦礫【がれき】を虞【おもんばか】らんや,計は蘭蓀【らんそん】を揜わむと擬す。

且つ歎ず 高くして數 無きを,庸【な】んぞ知らん 上ること幾番【いくばん】。

短長 終【つい】に校【くら】べず,先後 竟に誰か論んぜむ。

外は苞藏【ほうぞう】の密なるを恨み,中は節目の繁きに仍る。

 

 

 

(現代語訳)

既に崩れかかった階の砌に侵し入って來る、ひとり短い垣根から出るというほどのことでもない。

たとえ、瓦礫が路にあたったとしても格別用心せず、果ては、蘭蓀のごとき芳香草をも押しかぶるほどの勢いである。

はてはその長短を比較することもできなくなるし、どちらが先に生えたのか、どちらが後か、そんなことは論ずる必要もなく、すべてが同じくらいの丈に伸び揃ってしまう。
段々伸びるとその高さが図れないということが驚くべきことで、上の方へは幾段になるのかわからないのである。

表面には竹の皮が厳密に包んであるのが、邪魔になるが、中には節が繁く伸び揃っている。

 

 

(訳注) #4

已復侵危砌,非徒出短垣。

既に崩れかかった階の砌に侵し入って來る、ひとり短い垣根から出るというほどのことでもない。

危砌

・短垣 短い垣根。

 

身寧虞瓦礫,計擬揜蘭蓀。

たとえ、瓦礫が路にあたったとしても格別用心せず、果ては、蘭蓀のごとき芳香草をも押しかぶるほどの勢いである。

・揜 ](1) とじる,閉める,(【同】关)掩上ドアを閉める.(2) 《方》(戸やふたを閉める時)ものがはさまる手被掩了一下手がドアにはさまった.(1) 覆う,覆い隠す掩面顔を(手で)隠す.(2) 隙を突く,不意を襲う掩.

 

且歎高無數,庸知上幾番。

段々伸びるとその高さが図れないということが驚くべきことで、上の方へは幾檀になるのかわからないのである。

・庸 ①もちいる。②もってする。③つねに。④なんぞ。⑤唐代の税。

・幾番 竹が繁る様子が幾段にも及んでいること。

 

短長終不校,先後竟誰論。

はてはその長短を比較することもできなくなるし、どちらが先に生えたのか、どちらが後か、そんなことは論ずる必要もなく、すべてが同じくらいの丈に伸び揃ってしまう。

 

 

外恨苞藏密,中仍節目繁。

表面には竹の皮が厳密に包んであるのが、邪魔になるが、中には節が繁く伸び揃っている。
bamb05176 

《和侯協律詠筍》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <828>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3124韓愈詩-202-#3

韓愈《和侯協律詠筍》こうして、公然として縦横にその地を占め、勝手に羅列していながら、地下においてひそかに根を連ねている。まかり間違えば、時には、土壁を穿って、あらぬ方へ這い出るし、勢いの強いのが横暴にも藩籬においてこれを打ち破ることさえある。

 

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《和侯協律詠筍》韓愈

(韓退之) Ⅱ中唐詩 <828  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3124韓愈詩-202-#3

 

 

和侯協律詠筍#1

(侯喜が筍について詠った詩に唱和した詩。)

竹亭人不到,新筍滿前軒。

この竹亭には人が来ないでいるうちに、新しい筍が率々と出て、軒の前に一杯になっている。

乍出真堪賞,初多未覺煩。

これらが思いがけず出てきたのは、真に鑑賞するに十分であるし、はじめは多くても、それは珍しいものだから煩わしいことなどと思うことはない。

成行齊婢僕,環立比兒孫。

そして、やがては行列を成して下女と下男、召し使いのようである。あるいは、筍は根っこで環って群立する様子は子や孫というのに比すべきである。

驗長常攜尺,愁乾屢側盆。

その伸びるのを試すためには常に物差しを携帯して、その丈の長さをはかり、そしてその辺の土の乾くのを気を付けてしばしば盆に水を入れて注ぎかけてやるのである。

對吟忘膳飲,偶坐變朝昏。

その筍に対して、吟詠したならば、飲食を忘れてしまうだろう。偶然やってきて座ったとするならば、朝と夕方ではその様子が違っていることに気が付くことであろう。

侯協律【こうきょうりつ】詠筍をずるに和す #1

竹亭 人 到らず,新筍 前軒に滿つ。

乍【たちま】ち出でて真に賞する堪へたり,初めて多くして未だ煩わしきをえ覺ず。

行を成して婢僕【ひぼく】に齊しく,環立して兒孫に比す。

長ずるを驗して常に尺を攜え,乾くを愁いて屢ば盆を側つ。

對吟して膳飲【ぜんいん】忘れ,偶坐して朝昏を變ず。

#2

滯雨膏腴驕陽氣候溫。

雨が長雨になれば膏沃な土地であっても水にあふれ、日照り続きになれば気温は暖かになる。

得時方張王,挾勢欲騰騫。

晴雨ということになればいよいよ筍が時のいきおいを得てなお成長していくことになり、その勢いを挟んで手を突き上げるほどに昇りそうになる。

見角牛羊沒,看皮虎豹存。

その見た目は角に似ているが牛や羊であるところの本体は隠れているがその表面の皮膚は虎豹によく似ているというものだ。

攢生猶有隙,散布忽無垠。

集合して生じたとしてもなお隙間があり、この園に散布したとしても際限が在りはしない。

詎可持籌算,誰能以理言。

どうやってこれを数えることが出来ようか、また誰がこの理屈を把握してその発生の理由を述べることが出来ようか。

#2

滯雨 膏腴【こうゆ】【うるお】い,驕陽【きょうよう】氣候溫【あたた】かなり。

時を得て方に張王し,勢を挾【さしはさ】んで騰騫せむと欲す。

角を見【あら】わして牛羊沒し,皮を看れば虎豹【こひょう】存す。

攢生【さんせい】して猶お隙有り,散布して忽ち垠【かぎ】り無し。

詎【な】んぞ籌【ちゅう】を持して算す可き,誰か能く理を以って言わむ。

 

#3

縱橫公占地,羅列暗連根。

こうして、公然として縦横にその地を占め、勝手に羅列していながら、地下においてひそかに根を連ねている。

狂劇時穿壁,橫強幾觸藩。

まかり間違えば、時には、土壁を穿って、あらぬ方へ這い出るし、勢いの強いのが横暴にも藩籬においてこれを打ち破ることさえある。

深潛如避逐,遠去若追奔。

その地中深くに潜めるには追われるのを避けるようなものだが、本根から遠く隔てるのは走るのを追われたようである。

始訝妨人路,還驚入藥園。

はじめは何故に人の通行するを道を妨げるかと疑ったが、元来、物に頓着せぬからで、薬園の中まで入りこんだのは驚くほどである。

萌芽防寖大,覆載莫偏恩。

筍はもと竹の萌芽であるが、次第に大きくなると、邪魔になるから注意して、これを防ぐべくして天地覆載の恩も、決して辺鄙なわけではない。

縱橫【じゅうおう】公に地を占め,羅列して暗に根を連ね。

狂劇 時に壁を穿ち,橫強 幾たびか藩【まがき】に觸る。

深く潛み逐うを避くるが如し,遠く去り奔るを追うが若し。

始めは訝【いぶか】る人の路を妨ぐるかと,還た驚く藥園に入るかと。

萌芽 寖【や】や大ならむことを防ぎ,覆載【ふさい】恩を偏する莫れ。

 

#4

已復侵危砌,非徒出短垣。

身寧虞瓦礫,計擬揜蘭蓀。

且歎高無數,庸知上幾番。

短長終不校,先後竟誰論。

外恨苞藏密,中仍節目繁。

#5

暫須迴步履,要取助盤飧。

穰穰疑翻地,森森兢塞門。

戈矛頭戢戢,蛇虺首掀掀。

婦懦咨料揀,兒癡謁盡

侯生來慰我,詩句讀驚魂。

屬和才將竭,呻吟至日暾。

bamb05176 

 

 

『和侯協律詠筍』 現代語訳と訳註

(本文) #3

縱橫公占地,羅列暗連根。

狂劇時穿壁,橫強幾觸藩。

深潛如避逐,遠去若追奔。

始訝妨人路,還驚入藥園。

萌芽防寖大,覆載莫偏恩。

 

 

(下し文) #3

縱橫【じゅうおう】公に地を占め,羅列して暗に根を連ね。

狂劇 時に壁を穿ち,橫強 幾たびか藩【まがき】に觸る。

深く潛み逐うを避くるが如し,遠く去り奔るを追うが若し。

始めは訝【いぶか】る人の路を妨ぐるかと,還た驚く藥園に入るかと。

萌芽 寖【や】や大ならむことを防ぎ,覆載【ふさい】恩を偏する莫れ。

 

 

 

(現代語訳)

こうして、公然として縦横にその地を占め、勝手に羅列していながら、地下においてひそかに根を連ねている。

まかり間違えば、時には、土壁を穿って、あらぬ方へ這い出るし、勢いの強いのが横暴にも藩籬においてこれを打ち破ることさえある。

その地中深くに潜めるには追われるのを避けるようなものだが、本根から遠く隔てるのは走るのを追われたようである。

はじめは何故に人の通行するを道を妨げるかと疑ったが、元来、物に頓着せぬからで、薬園の中まで入りこんだのは驚くほどである。

筍はもと竹の萌芽であるが、次第に大きくなると、邪魔になるから注意して、これを防ぐべくして天地覆載の恩も、決して辺鄙なわけではない。

 

真竹002 

(訳注) #3

縱橫公占地,羅列暗連根。

こうして、公然として縦横にその地を占め、勝手に羅列していながら、地下においてひそかに根を連ねている。

 

 

狂劇時穿壁,橫強幾觸藩。

まかり間違えば、時には、土壁を穿って、あらぬ方へ這い出るし、勢いの強いのが横暴にも幾ばくかの藩籬においてこれを打ち破ることさえある。

・橫強 勢いの強いのが横暴にも。

・幾觸藩 幾ばくかの藩籬においてこれを打ち破ること。

 

深潛如避逐,遠去若追奔。

その地中深くに潜めるには追われるのを避けるようなものだが、本根から遠く隔てるのは走るのを追われたようである。

 

 

始訝妨人路,還驚入藥園。

はじめは何故に人の通行するを道を妨げるかと疑ったが、元来、物に頓着せぬからで、薬園の中まで入りこんだのは驚くほどである。

 

 

萌芽防寖大,覆載莫偏恩。

筍はもと竹の萌芽であるが、次第に大きくなると、邪魔になるから注意して、これを防ぐべくして天地覆載の恩も、決して辺鄙なわけではない。

・寖大 次第に大きくなる

・覆載 天が万物を覆い、地が万物を載せる、天地覆載。
隋堤01 

《和侯協律詠筍》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <827>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3119韓愈詩-202-#2

韓愈《和侯協律詠筍》晴雨ということになればいよいよ筍が時のいきおいを得てなお成長していくことになり、その勢いを挟んで手を突き上げるほどに昇りそうになる。

 

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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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魚玄機 詩 全首130賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876

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皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082

牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107

 

『花間集』継続中


 
《和侯協律詠筍》韓愈

(韓退之) Ⅱ中唐詩 <827  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3119韓愈詩-202-#2

 

 

作者:    韓愈       816    元和十一年49

卷別:    卷三四四              文體:  五言古詩

詩題:    和侯協律詠筍

 

 

和侯協律詠筍#1

(侯喜が筍について詠った詩に唱和した詩。)

竹亭人不到,新筍滿前軒。

この竹亭には人が来ないでいるうちに、新しい筍が率々と出て、軒の前に一杯になっている。

乍出真堪賞,初多未覺煩。

これらが思いがけず出てきたのは、真に鑑賞するに十分であるし、はじめは多くても、それは珍しいものだから煩わしいことなどと思うことはない。

成行齊婢僕,環立比兒孫。

そして、やがては行列を成して下女と下男、召し使いのようである。あるいは、筍は根っこで環って群立する様子は子や孫というのに比すべきである。

驗長常攜尺,愁乾屢側盆。

その伸びるのを試すためには常に物差しを携帯して、その丈の長さをはかり、そしてその辺の土の乾くのを気を付けてしばしば盆に水を入れて注ぎかけてやるのである。

對吟忘膳飲,偶坐變朝昏。

その筍に対して、吟詠したならば、飲食を忘れてしまうだろう。偶然やってきて座ったとするならば、朝と夕方ではその様子が違っていることに気が付くことであろう。

侯協律【こうきょうりつ】詠筍をずるに和す #1

竹亭 人 到らず,新筍 前軒に滿つ。

乍【たちま】ち出でて真に賞する堪へたり,初めて多くして未だ煩わしきをえ覺ず。

行を成して婢僕【ひぼく】に齊しく,環立して兒孫に比す。

長ずるを驗して常に尺を攜え,乾くを愁いて屢ば盆を側つ。

對吟して膳飲【ぜんいん】忘れ,偶坐して朝昏を變ず。

#2

滯雨膏腴驕陽氣候溫。

雨が長雨になれば膏沃な土地であっても水にあふれ、日照り続きになれば気温は暖かになる。

得時方張王,挾勢欲騰騫。

晴雨ということになればいよいよ筍が時のいきおいを得てなお成長していくことになり、その勢いを挟んで手を突き上げるほどに昇りそうになる。

見角牛羊沒,看皮虎豹存。

その見た目は角に似ているが牛や羊であるところの本体は隠れているがその表面の皮膚は虎豹によく似ているというものだ。

攢生猶有隙,散布忽無垠。

集合して生じたとしてもなお隙間があり、この園に散布したとしても際限が在りはしない。

詎可持籌算,誰能以理言。

どうやってこれを数えることが出来ようか、また誰がこの理屈を把握してその発生の理由を述べることが出来ようか。

#2

滯雨 膏腴【こうゆ】【うるお】い,驕陽【きょうよう】氣候溫【あたた】かなり。

時を得て方に張王し,勢を挾【さしはさ】んで騰騫せむと欲す。

角を見【あら】わして牛羊沒し,皮を看れば虎豹【こひょう】存す。

攢生【さんせい】して猶お隙有り,散布して忽ち垠【かぎ】り無し。

詎【な】んぞ籌【ちゅう】を持して算す可き,誰か能く理を以って言わむ。

竹林0021#3

縱橫公占地,羅列暗連根。

狂劇時穿壁,橫強幾觸藩。

深潛如避逐,遠去若追奔。

始訝妨人路,還驚入藥園。

萌芽防寖大,覆載莫偏恩。

#4

已復侵危砌,非徒出短垣。

身寧虞瓦礫,計擬揜蘭蓀。

且歎高無數,庸知上幾番。

短長終不校,先後竟誰論。

外恨苞藏密,中仍節目繁。

#5

暫須迴步履,要取助盤飧。

穰穰疑翻地,森森兢塞門。

戈矛頭戢戢,蛇虺首掀掀。

婦懦咨料揀,兒癡謁盡

侯生來慰我,詩句讀驚魂。

屬和才將竭,呻吟至日暾。

 

 

 

『和侯協律詠筍』 現代語訳と訳註

(本文) #2

滯雨膏腴驕陽氣候溫。

得時方張王,挾勢欲騰騫。

見角牛羊沒,看皮虎豹存。

攢生猶有隙,散布忽無垠。

詎可持籌算,誰能以理言。

 

 

(下し文) #2

滯雨 膏腴【こうゆ】【うるお】い驕陽【きょうよう】氣候溫【あたた】かなり

時を得て方に張王し,勢を挾【さしはさ】んで騰騫せむと欲す。

角を見【あら】わして牛羊沒し,皮を看れば虎豹【こひょう】存す。

攢生【さんせい】して猶お隙有り,散布して忽ち垠【かぎ】り無し。

【な】んぞ籌【ちゅう】を持して算す可き,誰か能く理を以って言わむ。

 

 

(現代語訳)

雨が長雨になれば膏沃な土地であっても水にあふれ、日照り続きになれば気温は暖かになる。

晴雨ということになればいよいよ筍が時のいきおいを得てなお成長していくことになり、その勢いを挟んで手を突き上げるほどに昇りそうになる。

その見た目は角に似ているが牛や羊であるところの本体は隠れているがその表面の皮膚は虎豹によく似ているというものだ。

集合して生じたとしてもなお隙間があり、この園に散布したとしても際限が在りはしない。

どうやってこれを数えることが出来ようか、また誰がこの理屈を把握してその発生の理由を述べることが出来ようか。

 

 

(訳注)

和侯協律詠筍#2

(侯喜が笋について詠った詩に唱和した詩。)

・侯協律 侯喜というもの。

 

滯雨膏腴驕陽氣候溫。

雨が長雨になれば膏沃な土地であっても水にあふれ、日照り続きになれば気温は暖かになる。

・膏腴【こうゆ】地味が肥えていること。また、そういう土地や、そのさま。膏沃(こうよく)

・驕陽 日照り続きのこと。

 

得時方張王,挾勢欲騰騫。

晴雨ということになればいよいよ筍が時のいきおいを得てなお成長していくことになり、その勢いを挟んで手を突き上げるほどに昇りそうになる。

・張王 気勢を張ること。王は旺につうじて気の盛んなることをいう。ここでは筍が時のいきおいを得てなお成長していくことをいう。

・騰騫 あがりとぶ。「筆飛鸞聳立,章罷鳳騫騰。」

 

見角牛羊沒,看皮虎豹存。

その見た目は角に似ているが牛や羊であるところの本体は隠れているがその表面の皮膚は虎豹によく似ているというものだ。

 

攢生猶有隙,散布忽無垠。

集合して生じたとしてもなお隙間があり、この園に散布したとしても際限が在りはしない。

 

詎可持籌算,誰能以理言。

どうやってこれを数えることが出来ようか、また誰がこの理屈を把握してその発生の理由を述べることが出来ようか。
真竹002 

《和侯協律詠筍》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <826>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3114韓愈詩-202-#1

韓愈《和侯協律詠筍》 そして、やがては行列を成して下女と下男、召し使いのようである。あるいは、筍は根っこで環って群立する様子は子や孫というのに比すべきである。


2013年10月10日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150
 
《和侯協律詠筍》韓愈

(韓退之) Ⅱ中唐詩 <826  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3114韓愈詩-202-#1

 

 

作者:    韓愈       816    元和十一年49

卷別:    卷三四四              文體:  五言古詩

詩題:    和侯協律詠筍

 

 

和侯協律詠筍#1

(侯喜が筍について詠った詩に唱和した詩。)

竹亭人不到,新筍滿前軒。

この竹亭には人が来ないでいるうちに、新しい筍が率々と出て、軒の前に一杯になっている。

乍出真堪賞,初多未覺煩。

これらが思いがけず出てきたのは、真に鑑賞するに十分であるし、はじめは多くても、それは珍しいものだから煩わしいことなどと思うことはない。

成行齊婢僕,環立比兒孫。

そして、やがては行列を成して下女と下男、召し使いのようである。あるいは、筍は根っこで環って群立する様子は子や孫というのに比すべきである。

驗長常攜尺,愁乾屢側盆。

その伸びるのを試すためには常に物差しを携帯して、その丈の長さをはかり、そしてその辺の土の乾くのを気を付けてしばしば盆に水を入れて注ぎかけてやるのである。

對吟忘膳飲,偶坐變朝昏。

その筍に対して、吟詠したならば、飲食を忘れてしまうだろう。偶然やってきて座ったとするならば、朝と夕方ではその様子が違っていることに気が付くことであろう。

侯協律【こうきょうりつ】詠筍をずるに和す #1

竹亭 人 到らず,新筍 前軒に滿つ。

乍【たちま】ち出でて真に賞する堪へたり,初めて多くして未だ煩わしきをえ覺ず。

行を成して婢僕【ひぼく】に齊しく,環立して兒孫に比す。

長ずるを驗して常に尺を攜え,乾くを愁いて屢ば盆を側つ。

對吟して膳飲【ぜんいん】忘れ,偶坐して朝昏を變ず。

#2

滯雨膏腴驕陽氣候溫。

得時方張王,挾勢欲騰騫。

見角牛羊沒,看皮虎豹存。

攢生猶有隙,散布忽無垠。

詎可持籌算,誰能以理言。

#3

縱橫公占地,羅列暗連根。

狂劇時穿壁,橫強幾觸藩。

深潛如避逐,遠去若追奔。

始訝妨人路,還驚入藥園。

萌芽防寖大,覆載莫偏恩。

#4

已復侵危砌,非徒出短垣。

身寧虞瓦礫,計擬揜蘭蓀。

且歎高無數,庸知上幾番。

短長終不校,先後竟誰論。

外恨苞藏密,中仍節目繁。

#5

暫須迴步履,要取助盤飧。

穰穰疑翻地,森森兢塞門。

戈矛頭戢戢,蛇虺首掀掀。

婦懦咨料揀,兒癡謁盡

侯生來慰我,詩句讀驚魂。

屬和才將竭,呻吟至日暾。

竹林0021 

 

『和侯協律詠筍』 現代語訳と訳註

(本文) 和侯協律詠筍#1

竹亭人不到,新筍滿前軒。

乍出真堪賞,初多未覺煩。

成行齊婢僕,環立比兒孫。

驗長常攜尺,愁乾屢側盆。

對吟忘膳飲,偶坐變朝昏。

 

 

(下し文)

侯協律【こうきょうりつ】詠筍をずるに和す #1

竹亭 人 到らず,新筍 前軒に滿つ。

乍【たちま】ち出でて真に賞する堪へたり,初めて多くして未だ煩わしきをえ覺ず。

行を成して婢僕【ひぼく】に齊しく,環立して兒孫に比す。

長ずるを驗して常に尺を攜え,乾くを愁いて屢ば盆を側つ。

對吟して膳飲【ぜんいん】忘れ,偶坐して朝昏を變ず。

 

 

(現代語訳)

(侯喜が筍について詠った詩に唱和した詩。)

この竹亭には人が来ないでいるうちに、新しい筍が率々と出て、軒の前に一杯になっている。

これらが思いがけず出てきたのは、真に鑑賞するに十分であるし、はじめは多くても、それは珍しいものだから煩わしいことなどと思うことはない。

そして、やがては行列を成して下女と下男、召し使いのようである。あるいは、筍は根っこで環って群立する様子は子や孫というのに比すべきである。

その伸びるのを試すためには常に物差しを携帯して、その丈の長さをはかり、そしてその辺の土の乾くのを気を付けてしばしば盆に水を入れて注ぎかけてやるのである。

その筍に対して、吟詠したならば、飲食を忘れてしまうだろう。偶然やってきて座ったとするならば、朝と夕方ではその様子が違っていることに気が付くことであろう。

 

 

(訳注)

和侯協律詠筍#1

(侯喜が笋について詠った詩に唱和した詩。)

・侯協律 侯喜というもの。

 

竹亭人不到,新筍滿前軒。

この竹亭には人が来ないでいるうちに、新しい筍が率々と出て、軒の前に一杯になっている。

 

乍出真堪賞,初多未覺煩。

これらが思いがけず出てきたのは、真に鑑賞するに十分であるし、はじめは多くても、それは珍しいものだから煩わしいことなどと思うことはない。

 

成行齊婢僕,環立比兒孫。

そして、やがては行列を成して下女と下男、召し使いのようである。あるいは、筍は根っこで環って群立する様子は子や孫というのに比すべきである。

・婢僕 下女と下男。召し使い。

 

驗長常攜尺,愁乾屢側盆。

その伸びるのを試すためには常に物差しを携帯して、その丈の長さをはかり、そしてその辺の土の乾くのを気を付けてしばしば盆に水を入れて注ぎかけてやるのである。

・驗長 その伸びるのを試す。

・側盆 盆にある水を灌ぎかける。

 

對吟忘膳飲,偶坐變朝昏。

その筍に対して、吟詠したならば、飲食を忘れてしまうだろう。偶然やってきて座ったとするならば、朝と夕方ではその様子が違っていることに気が付くことであろ
真竹002 

《酬馬侍郎寄酒【案:馬總也。】》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <825>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3109韓愈詩-201

酬馬侍郎寄酒 今しも、秋になったのに、詩と酒がなければ折角の明月も、何らの興を添えず、まことにつまらなく、打ち過ぎるべきに君が詩と酒を寄せられたので大いに逸興に感じたのであります。

 

2013109

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662 《桃竹杖引贈章留後》 蜀中転々 杜甫 <568-#2>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3110 杜甫詩1000-568-#2-816/1500

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《酬馬侍郎寄酒【案:馬總也。】》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <825  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3109韓愈詩-201 

 

作者: 韓愈  816年元和十一年  49

卷別: 卷三四四  文體: 五言 

詩題: 酬馬侍郎寄酒〔馬總也。〕 

 

 

酬馬侍郎寄酒

(馬總が詩を添えて酒を送って来たのに対しお礼の詩を送った)

一壺情所寄,四句意能多。

この一壺の酒は君のご厚情にあずかり、それに添えられた四句の詩も、意味が多く、志のほど、ありがたく拝受いたしました。

秋到無詩酒,其如月色何。

今しも、秋になったのに、詩と酒がなければ折角の明月も、何らの興を添えず、まことにつまらなく、打ち過ぎるべきに君が詩と酒を寄せられたので大いに逸興に感じたのであります。

満月00 

(馬侍郎の酒を寄するに酬ゆ)

一壺 情 寄する所,四句 意 能【よ】く多し。

秋到って詩酒無かりせば,其れ月色を如何【いかん】。

 

 

 

『酬馬侍郎寄酒』 現代語訳と訳註

(本文)

酬馬侍郎寄酒〔馬總也。〕

一壺情所寄,四句意能多。

秋到無詩酒,其如月色何。

 

 

(下し文)

(馬侍郎の酒を寄するに酬ゆ)

一壺 情 寄する所,四句 意 能【よ】く多し。

秋到って詩酒無かりせば,其れ月色を如何【いかん】。

 

 

(現代語訳)

(馬總が詩を添えて酒を送って来たのに対しお礼の詩を送った)

この一壺の酒は君のご厚情にあずかり、それに添えられた四句の詩も、意味が多く、志のほど、ありがたく拝受いたしました。

今しも、秋になったのに、詩と酒がなければ折角の明月も、何らの興を添えず、まことにつまらなく、打ち過ぎるべきに君が詩と酒を寄せられたので大いに逸興に感じたのであります。

 

 

(訳注)

酬馬侍郎寄酒〔馬總也。〕

(馬總が詩を添えて酒を送って来たのに対しお礼の詩を送った)

卷三四四、五言句。馬侍郎刑部侍郎の馬總。字は會元、扶風の人。馬總が詩を添えて酒を送って来たのに対しお礼の詩を送ったものである。韓愈の詩が五言絶句であったことは馬総の詩が五絶であったということ。 

検校工部尚書蔡州刺史となり、淮西節度使に充てらる」とある。すると、馬總はこの時、刑部侍郎であつたので、元和八年より十年に至るまでの間、長安に居たのである。

 

 

 

一壺 所寄 ,四句 能多

この一壺の酒は君のご厚情にあずかり、それに添えられた四句の詩も、意味が多く、志のほど、ありがたく拝受いたしました。

 

 

秋到 詩酒 ,其如月色 何。

今しも、秋になったのに、詩と酒がなければ折角の明月も、何らの興を添えず、まことにつまらなく、打ち過ぎるべきに君が詩と酒を寄せられたので大いに逸興に感じたのであります。

「秋到月色」秋到という表現は仲秋に至ったことを示す。月色は上弦、下弦の月ではいわなので、仲秋の名月のころを云う。

「如月色何」月色如何と同じ。この後半二句はさすがの余情である。

 sas0009

《大行皇太后挽歌詞,三首之三》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <824>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3104韓愈詩-200

韓愈《大行皇太后挽歌詞,三首之三》御霊は天上に向かわられるので、雲は仙人の行列にしたがって遠くたなびき、風は冷たく嗣皇の御心の悲哀を増すばかりである。天子が新陵に御参詣の際、ご遺物たる妝奩の類いを暫時開いて観られたならば、またひとしきり感動して、悲泣されるであろう。

 

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《大行皇太后挽歌詞,三首之三》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <824  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3104韓愈詩-200

 

 

卷別: 卷三四四  文體: 五言律詩 

詩題: 大行皇太后挽歌詞,三首之三

 

 

行皇太后挽歌詞 其一

(憲宗の母である莊憲皇后の諡「大行皇太后」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌三首の一。)

一紀尊名正,三時孝養榮。

皇太后はその尊名を正されること十二年の久しきに及び、その間、今の天子は特に孝養を盡されて一日に三度も起居を候せられた。

高居朝聖主,厚德載群生。

こうして、高居には聖主を朝するように命を出され、この世においてこれほどの厚い徳のある施政は多くの人民の者が頭上に載せてあがめる。

武帳虛中禁,玄堂掩太平。

このような状況の中で、崩御され、禁中においては武帳に座する人も出る人もなく、今の太平の世に際して、玄室を覆い、ご葬儀を行うということはまことに哀しいことである。

秋天笳鼓歇,松柏遍山鳴。 

澄み切った秋の空に胡笳と鼓の声音がひびく、葬儀が済むと、満山の松柏を風が抜けて哀鳴するだけなのだ。

 

其二

威儀備吉凶,文物雜軍容。

鹵簿の有様が荘厳であり、吉凶の両端を備えていて、ことに葬儀に関して、礼服の模様、紋章など軍隊の物を混同して、はっきりしない。

配地行新祭,因山託故封。

太后は功徳が高く、それゆえ地祇に配食して、新たに祭儀をおこない、また、山に原因した先帝の陵墓に合葬された。

鳳飛終不返,劍化會相從。

皇太后がこの度崩御されたのはかの弄玉が鳳凰が飛んで後、かえらなかったように、また張華の得た宝剣が二つながら互いに合致し、天子が龍に化して天上に上りっていて、皇太后の霊も天上に上って相いが会うことであろう。

無復臨長樂,空聞報曉鐘。 

長楽宮中に入る人であるだけに、暁を奉ずる鐘が聞えてくるだけで、再び天子の臨御されることもないようになろう。

 

 

大行皇太后挽歌詞,三首之三

(憲宗の母である莊憲皇后の諡「大行皇太后」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌三首の三。)

追攀萬國來,警衛百神陪。

太后の遺徳を慕ってお悔やみをのべるために、万国から使臣が来朝したのである。天神地祇どもが、警衛として陪従した。

畫翣登秋殿,容衣入夜臺。

愈々埋葬が済むと、整列に供えた画翣は拝殿の上に飾られて、秋に淋しく棺にかけた容衣は御遺骸と一緒に御陵に埋められてしまった。

雲隨仙馭遠,風助聖情哀。

御霊は天上に向かわられるので、雲は仙人の行列にしたがって遠くたなびき、風は冷たく嗣皇の御心の悲哀を増すばかりである。

祗有朝陵日,妝奩一暫開。 

天子が新陵に御参詣の際、ご遺物たる妝奩の類いを暫時開いて観られたならば、またひとしきり感動して、悲泣されるであろう。

 

大行皇太后挽歌詞,三首之三

追攀【ついはん】萬國來り,警衛【けいえい】百神陪す。

畫翣【がせい】秋殿に登り,容衣 夜臺【やだい】に入る。

雲は仙馭【せんぎょ】遠くなるに隨い,風は聖情の哀しみを助く。

祗だ陵に朝する日に有り,妝奩【しょうれん】一たび暫く開く。 

 


終南山06『大行皇太后挽歌詞』三首之三 現代語訳と訳註

(本文)

大行皇太后挽歌詞,三首之三

追攀萬國來,警衛百神陪。

畫翣登秋殿,容衣入夜臺。

雲隨仙馭遠,風助聖情哀。

祗有朝陵日,妝奩一暫開。 

 

 

(下し文)

大行皇太后挽歌詞,三首之三

追攀【ついはん】萬國來り,警衛【けいえい】百神陪す。

畫翣【がせい】秋殿に登り,容衣 夜臺【やだい】に入る。

雲は仙馭【せんぎょ】遠くなるに隨い,風は聖情の哀しみを助く。

祗だ陵に朝する日に有り,妝奩【しょうれん】一たび暫く開く。 

 

(現代語訳)

(憲宗の母である莊憲皇后の諡「大行皇太后」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌三首の三。)

太后の遺徳を慕ってお悔やみをのべるために、万国から使臣が来朝したのである。天神地祇どもが、警衛として陪従した。

愈々埋葬が済むと、整列に供えた画翣は拝殿の上に飾られて、秋に淋しく棺にかけた容衣は御遺骸と一緒に御陵に埋められてしまった。

御霊は天上に向かわられるので、雲は仙人の行列にしたがって遠くたなびき、風は冷たく嗣皇の御心の悲哀を増すばかりである。

天子が新陵に御参詣の際、ご遺物たる妝奩の類いを暫時開いて観られたならば、またひとしきり感動して、悲泣されるであろう。

 

 

(訳注)

大行皇太后挽歌詞,三首之三

(憲宗の母である莊憲皇后の諡「大行皇太后」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌三首の三。)

 

 

追攀 萬國 ,警衛 百神

太后の遺徳を慕ってお悔やみをのべるために、万国から使臣が来朝したのである。天神地祇どもが、警衛として陪従した。

「追攀」太后の遺徳を慕うこと。

 

 

畫翣 秋殿 ,容衣 夜臺

愈々埋葬が済むと、整列に供えた画翣は拝殿の上に飾られて、秋に淋しく棺にかけた容衣は御遺骸と一緒に御陵に埋められてしまった。

「畫翣」喪葬祭祀の際に用いる羽鳳扇、棺飾。広さ三尺、高さに尺四寸、白の絹をベースにしたものであったという。

「容衣」棺にかける衣。

「夜臺」墓。東漢末阮瑀《七哀詩》「冥冥九泉室,漫漫長夜臺。」

 

 

雲隨 馭遠 ,風助 聖情

御霊は天上に向かわられるので、雲は仙人の行列にしたがって遠くたなびき、風は冷たく嗣皇の御心の悲哀を増すばかりである。

「雲」語義類別:物、天候氣象、雲霧煙霞、雲。

「仙馭」仙人の行列。

 

 

祗有 朝陵 ,妝奩 暫開

天子が新陵に御参詣の際、ご遺物たる妝奩の類いを暫時開いて観られたならば、またひとしきり感動して、悲泣されるであろう。

「祗有朝陵日」天子が新陵に御参詣の際。

「朝陵」碑塔陵墓、墳墓。

「妝奩」化粧道具を収める箱
秋蘭001 

《大行皇太后挽歌詞,三首之二》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <823>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3099韓愈詩-199

《大行皇太后挽歌詞,三首之二》皇太后がこの度崩御されたのはかの弄玉が鳳凰が飛んで後、かえらなかったように、また張華の得た宝剣が二つながら互いに合致し、天子が龍に化して天上に上りっていて、皇太后の霊も天上に上って相いが会うことであろう。


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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

《大行皇太后挽歌詞,三首之二》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <823  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3099韓愈詩-199

 

 

卷別: 卷三四四  文體: 五言律詩 

詩題: 大行皇太后挽歌詞,三首之二

 

 

行皇太后挽歌詞 其一

(憲宗の母である莊憲皇后の諡「大行皇太后」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌三首の一。)

一紀尊名正,三時孝養榮。

皇太后はその尊名を正されること十二年の久しきに及び、その間、今の天子は特に孝養を盡されて一日に三度も起居を候せられた。

高居朝聖主,厚德載群生。

こうして、高居には聖主を朝するように命を出され、この世においてこれほどの厚い徳のある施政は多くの人民の者が頭上に載せてあがめる。

武帳虛中禁,玄堂掩太平。

このような状況の中で、崩御され、禁中においては武帳に座する人も出る人もなく、今の太平の世に際して、玄室を覆い、ご葬儀を行うということはまことに哀しいことである。

秋天笳鼓歇,松柏遍山鳴。 

澄み切った秋の空に胡笳と鼓の声音がひびく、葬儀が済むと、満山の松柏を風が抜けて哀鳴するだけなのだ。

 

其二

威儀備吉凶,文物雜軍容。

鹵簿の有様が荘厳であり、吉凶の両端を備えていて、ことに葬儀に関して、礼服の模様、紋章など軍隊の物を混同して、はっきりしない。

配地行新祭,因山託故封。

太后は功徳が高く、それゆえ地祇に配食して、新たに祭儀をおこない、また、山に原因した先帝の陵墓に合葬された。

鳳飛終不返,劍化會相從。

皇太后がこの度崩御されたのはかの弄玉が鳳凰が飛んで後、かえらなかったように、また張華の得た宝剣が二つながら互いに合致し、天子が龍に化して天上に上りっていて、皇太后の霊も天上に上って相いが会うことであろう。

無復臨長樂,空聞報曉鐘。 

長楽宮中に入る人であるだけに、暁を奉ずる鐘が聞えてくるだけで、再び天子の臨御されることもないようになろう。

 

其の二

威儀 吉凶を備へ,文物 軍容を雜う。

地に配して新祭を行い,山に因って故封に託す。

鳳は飛んで終に返らず,劍は化して會【かなら】ず相い從う。

復た長樂に臨むなし,空しく聞く曉を報ずる鐘。 

 

鴛鴦おしどり0022 

 

『大行皇太后挽歌詞』三首之二 現代語訳と訳註

(本文)

其二

威儀備吉凶,文物雜軍容。

配地行新祭,因山託故封。

鳳飛終不返,劍化會相從。

無復臨長樂,空聞報曉鐘。 

 

 

(下し文)

王屋山01其の二

威儀 吉凶を備へ,文物 軍容を雜う。

地に配して新祭を行い,山に因って故封に託す。

鳳は飛んで終に返らず,劍は化して會【かなら】ず相い從う。

復た長樂に臨むなし,空しく聞く曉を報ずる鐘。 

 

 

(現代語訳)

鹵簿の有様が荘厳であり、吉凶の両端を備えていて、ことに葬儀に関して、礼服の模様、紋章など軍隊の物を混同して、はっきりしない。

太后は功徳が高く、それゆえ地祇に配食して、新たに祭儀をおこない、また、山に原因した先帝の陵墓に合葬された。

皇太后がこの度崩御されたのはかの弄玉が鳳凰が飛んで後、かえらなかったように、また張華の得た宝剣が二つながら互いに合致し、天子が龍に化して天上に上りっていて、皇太后の霊も天上に上って相いが会うことであろう。

長楽宮中に入る人であるだけに、暁を奉ずる鐘が聞えてくるだけで、再び天子の臨御されることもないようになろう。

 

 

(訳注)

大行皇太后挽歌詞,三首之二

(憲宗の母である莊憲皇后の諡「大行皇太后」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌三首の二。)

 

 

威儀 備吉 凶,文物 雜軍容

鹵簿の有様が荘厳であり、吉凶の両端を備えていて、ことに葬儀に関して、礼服の模様、紋章など軍隊の物を混同して、はっきりしない。

「威儀」鹵簿の有様が荘厳である。鹵簿:儀仗警衛の隊伍を整えた行幸の列。鹵は盾,簿は列次を書いた帳簿。

「文物」鹵簿の紋章等を云う。

 

配地 新祭 ,因山 託故封

太后は功徳が高く、それゆえ地祇に配食して、新たに祭儀をおこない、また、山に因んで先帝の陵墓に合葬された。

「配地」地祇に配食すること。

「因山 託故封」山に因んで先帝の陵墓に合葬された

 

 

鳳飛 終不返 ,劍化 相從。

皇太后がこの度崩御されたのはかの弄玉が鳳凰が飛んで後、かえらなかったように、また張華の得た宝剣が二つながら互いに合致し、天子が龍に化して天上に上りっていて、皇太后の霊も天上に上って相いが会うことであろう。

「鳳」鳳凰。秦穆公(BC659BC621)は我が娘の弄玉と蕭史を結婚させ、鳳台を建ててやり夫婦して住み、. ある日、二人とも鳳凰について飛び去った故事。

・「龍泉」雷煥と張華が手に入れた二振りの宝剣のうちの一つ。斗牛の間が毎夜紫色に光るので、張華が尋ねると、占星術に長けた雷煥は宝剣の精だと言う。張華は雷煥に宝剣の捜索を依頼。雷煥は二本の宝剣を見つけ、一方を自分で持ち、他方を張華に贈った。

・「太阿」雷煥と張華が手に入れた二振りの宝剣のうちの一つ。張華が没するとその剣は行方不明になるが、雷煥の剣は息子雷華が受け継ぐ。しかし、その剣もある時、 腰からひとりでに飛び出して川に沈む。見ると水底に剣はなく、二匹の龍が見えたという。

 

無復 長樂 ,空聞 報曉

長楽宮中に入る人であるだけに、暁を奉ずる鐘が聞えてくるだけで、再び天子の臨御されることもないようになろう。

「無」語義類別:其他、形容詞彙、對比詞、有無(無)。

「臨」語義類別:地、空間、位置、臨。

「長樂」(宮室屋廬)、長樂宮。長楽宮(ちょうらくきゅう)は、古代中国の前漢の都である長安にあった宮殿である。長楽宮には前殿、鴻台、臨華殿、温室殿、長定殿、長秋殿、永寿殿、永寧殿などの建物があった。王莽は漢を簒奪し皇帝に即位すると、長楽宮を「常楽室」と改称した(『漢書』王莽伝中)。

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《大行皇太后挽歌詞,三首之一》このような状況の中で、崩御され、禁中においては武帳に座する人も出る人もなく、今の太平の世に際して、玄室を覆い、ご葬儀を行うということはまことに哀しいことである。

 

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《大行皇太后挽歌詞,三首之一》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <822  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3094韓愈詩-198

 

作者: 韓愈  816年元和十一年49

卷別: 卷三四四  文體: 五言律詩 

詩題: 大行皇太后挽歌詞,三首之一

 

 

行皇太后挽歌詞 其一

(憲宗の母である莊憲皇后の諡「大行皇太后」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌三首の一。)

一紀尊名正,三時孝養榮。

皇太后はその尊名を正されること十二年の久しきに及び、その間、今の天子は特に孝養を盡されて一日に三度も起居を候せられた。

高居朝聖主,厚德載群生。

こうして、高居には聖主を朝するように命を出され、この世においてこれほどの厚い徳のある施政は多くの人民の者が頭上に載せてあがめる。

武帳虛中禁,玄堂掩太平。

このような状況の中で、崩御され、禁中においては武帳に座する人も出る人もなく、今の太平の世に際して、玄室を覆い、ご葬儀を行うということはまことに哀しいことである。

秋天笳鼓歇,松柏遍山鳴。 

澄み切った秋の空に胡笳と鼓の声音がひびく、葬儀が済むと、満山の松柏を風が抜けて哀鳴するだけなのだ。

 

其の一

一紀 尊名正しく,三時 孝養榮える。

高居 聖主を朝せしめ,厚德 群生を載す。

武帳 中禁を虛しくし,玄堂 太平に掩う。

秋天 笳鼓歇みて,松柏 山に遍ねく鳴く。 

yuugure02 

 

『行皇太后挽歌詞 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

 行皇太后挽歌詞 其一

一紀尊名正,三時孝養榮。

高居朝聖主,厚德載群生。

武帳虛中禁,玄堂掩太平。

秋天笳鼓歇,松柏遍山鳴。 
 

(下し文)

 其の一

一紀 尊名正しく,三時 孝養榮える。

高居 聖主を朝せしめ,厚德 群生を載す。

武帳 中禁を虛しくし,玄堂 太平に掩う。

秋天 笳鼓歇みて,松柏 山に遍ねく鳴く。 

 

(現代語訳)

(憲宗の母である莊憲皇后の諡「大行皇太后」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌三首の一。)

皇太后はその尊名を正されること十二年の久しきに及び、その間、今の天子は特に孝養を盡されて一日に三度も起居を候せられた。

こうして、高居には聖主を朝するように命を出され、この世においてこれほどの厚い徳のある施政は多くの人民の者が頭上に載せてあがめる。

このような状況の中で、崩御され、禁中においては武帳に座する人も出る人もなく、今の太平の世に際して、玄室を覆い、ご葬儀を行うということはまことに哀しいことである。

澄み切った秋の空に胡笳と鼓の声音がひびく、葬儀が済むと、満山の松柏を風が抜けて哀鳴するだけなのだ。

 

 

 

(訳注)

大行皇太后挽歌詞,三首之一

(憲宗の母である莊憲皇后の諡「大行皇太后」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌三首の一。)

 

一紀 尊名 正,三時 孝養

皇太后はその尊名を正されること十二年の久しきに及び、その間、今の天子は特に孝養を盡されて一日に三度も起居を候せられた。

「一紀」紀十二年。皇后は永貞元年以て尊ばれて皇太后となり、元和十一年に崩じ、それから十一年になるから「一紀」と云ったのである。

「尊」語義類別:人、稱謂、尊稱美稱、尊。

「三時」一日に三度も起居を候せられること。『禮記』「九月七月之喪,三時也;五月之喪,二時也;三月之喪,一時也。」とある。

「孝養」おやこうこうすること。

「榮」まつること。

 

 

高居 聖主 ,厚德 群生

こうして、高居には聖主を朝するように命を出され、この世においてこれほどの厚い徳のある施政は多くの人民の者が頭上に載せてあがめる。

 

 

武帳 虛中禁 ,玄堂 太平

このような状況の中で、崩御され、禁中においては武帳に座する人も出る人もなく、今の太平の世に際して、玄室を覆い、ご葬儀を行うということはまことに哀しいことである。

「武帳」語義類別:物、器物、帳幕、帳。

「中禁」禁中と同じ。天子が住む宮中(きゅうちゅう)を指す。禁裏(きんり)とも呼ばれる。

「玄堂」碑塔陵墓、墳墓。ここでは御棺を入れる北側の講堂をいう。

 

 

秋天 笳鼓 ,松柏 遍山

澄み切った秋の空に胡笳と鼓の声音がひびく、葬儀が済むと、満山の松柏を風が抜けて哀鳴するだけなのだ。

「秋天」澄み切った秋の空。

「笳鼓」胡笳と鼓。軍隊につきもの。

「歇」語義類別:其他、現象、自然現象、歇。

「松柏」墳墓の東西に植える、東は松で、西に柏。

「遍山」すべての山峰崖嶺。満山。
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
 
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《和席八〔夔〕十二韻 〔元和十一年,夔與愈同掌制誥。〕》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <821  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3089韓愈詩-197-#3

 

 

作者: 韓愈  816年元和十一年  49 

卷別: 卷三四四  文體: 五言古詩 

詩題: 和席八【案:夔。】十二韻【案:元和十一年,夔與愈同掌制誥。】 

作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安

交遊人物: 席夔

 

 

和席八 十二韻 #1

(席夔に唱和する十二韻)

絳闕銀河曙,東風右掖春。

天上の銀河が、曙色に変わり始めると、朝廷の正門からはいろうとする、春風の暖かなる朝に中書省に出仕する。

官隨名共美,花與思俱新。

官はその名にしたがってともに美しく、花は思いとともに新たになり、君、席夔は今得意の境涯にある。

綺陌朝遊間,綾衾夜直頻。

美しい都大路に遊行することも時たまあるし、綾衾を担いで、夜、当直をすることも頻繁である。

橫門開日月,高閣切星辰。

その出仕する役所の有様と云えば橫門は日月を迎い入れ、高閣は星辰に触れんとするのである。

 

絳闕【こうけつ】銀河の曙 ,東風 右掖【ゆうえき】の春

官は名に隨って共に美に ,花と思うと俱に新なり。

綺陌【きはく】朝遊 間し,綾衾【りょうきん】夜 直 頻【しきり】なり。

橫門【おうもん】日月を開き ,高閣星辰を切る。

#2

庭變寒前草,天銷霽後塵。

寒気が来る前に庭草は色を変じ、雨が晴れたのちに、天は塵を消して、いとも清らかである。

溝聲通苑急,柳色壓城勻。

溝を流れて行く遣り水、御苑の方に流れ、柳が芽吹くと城壁を圧するばかりである。

綸綍謀猷盛,丹青步武親。

君の職務として、詔勅を草し、聖明の謀猷、いつもながら盛んであるし、さながら丹青をもって描き出したような風姿は歩にしだがって親しげに見える。

芳菲含斧藻,光景暢形神。

朝衣には斧藻の模様、匂うばかりにして、宮中の光景は、心身をのべ成長せしめる。

 

庭は變ず 寒前の草,天は銷す 霽後の塵。

溝聲、苑に通じて急,柳色 城を壓して勻【ひと】し。

綸綍【りんふつ】謀猷【ぼうゆう】盛んにして,丹青 步武【ほぶ】親し。

芳菲 斧藻【ふそう】を含み,光景 形神を暢【の】ぶ。

 

#3

傍砌看紅藥,巡池詠白蘋。

砌に傍うて芍薬の咲き出でたるをみる、池を廻って白蘋の漂っているのを眺める。

多情懷酒伴,餘事作詩人。

多情にして酒を酌み交わすことを思う、公務の仕事が終わってから詩人と称して詩をつくることとしている。

倚玉難藏拙,吹竽久混真。

これに反して私は兼葭の質をもってみだりに宝玉によって生来の拙を蔵し難く、全く能もないのに南郭のように竽を吹く仲間に交じって、その真をみだしている。

坐慚空自老,江海未還身。 

そうした中で次第に年をとっていってもなお俸禄を戀い、未だに江海に帰ることが出来ないことは、まことに愧ずべきと考えるところであり、ただ君のお引き立てを待つばかりである。

 

砌【せい】に傍うて紅藥を看,池を巡って白蘋【はくひん】を詠う。

多情 酒伴を懷い,餘事 詩人と作る。

玉に倚って拙を藏し難く,竽を吹いて久しく真を混す。

坐に慚づ空しく自ら老ゆることを,江海 未だ還らざるの身を。

終南山03 

 

『和席八 十二韻』 現代語訳と訳註

(本文) #3

傍砌看紅藥,巡池詠白蘋。

多情懷酒伴,餘事作詩人。

倚玉難藏拙,吹竽久混真。

坐慚空自老,江海未還身。

 

 

(下し文)

砌【せい】に傍うて紅藥を看,池を巡って白蘋【はくひん】を詠う。

多情 酒伴を懷い,餘事 詩人と作る。

玉に倚って拙を藏し難く,竽を吹いて久しく真を混す。

坐に慚づ空しく自ら老ゆることを,江海 未だ還らざるの身を。

 

 

(現代語訳)

砌に傍うて芍薬の咲き出でたるをみる、池を廻って白蘋の漂っているのを眺める。

多情にして酒を酌み交わすことを思う、公務の仕事が終わってから詩人と称して詩をつくることとしている。

これに反して私は兼葭の質をもってみだりに宝玉によって生来の拙を蔵し難く、全く能もないのに南郭のように竽を吹く仲間に交じって、その真をみだしている。

そうした中で次第に年をとっていってもなお俸禄を戀い、未だに江海に帰ることが出来ないことは、まことに愧ずべきと考えるところであり、ただ君のお引き立てを待つばかりである。

 

 

(訳注)#3

傍砌 紅藥 ,巡池 白蘋

砌に傍うて芍薬の咲き出でたるをみる、池を廻って白蘋の漂っているのを眺める。

・「砌」「水限(みぎり)」の意で、雨滴の落ちるきわ、また、そこを限るところからという》1 時節。おり。ころ。2 軒下や階下の石畳。

「紅藥」薬草、芍藥。

「白蘋」白蘋は白い花のさくよもぎ、水草である、

 

 

多情 酒伴 ,餘事 作詩

多情にして酒を酌み交わすことを思う、公務の仕事が終わってから詩人と称して詩をつくることとしている。

 

 

倚玉 藏拙 ,吹竽 混真

これに反して私は兼葭の質をもってみだりに宝玉によって生来の拙を蔵し難く、全く能もないのに南郭のように竽を吹く仲間に交じって、その真をみだしている。

「吹竽」南郭濫竽(なんかくらんう)『韓非子』南郭処士請為王吹竽。」実力もないのに、分以上の位にあること。「南郭」は人の名前で、「濫竽」は、「濫(みだ)」りに、「竽(笙の類の笛)」を吹く事。

 

 

坐慚 空自老 ,江海 還身

そうした中で次第に年をとっていってもなお俸禄を戀い、未だに江海に帰ることが出来ないことは、まことに愧ずべきと考えるところであり、ただ君のお引き立てを待つばかりである。

「江海」大江・長江を下って東海に出て仙郷に向かう、故郷に帰ることをいう。
魚玄機55021 

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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html 
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html 
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html 
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。 
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
 
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html 
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html 
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。 
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
 
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
 
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

《和席八〔夔〕十二韻 〔元和十一年,夔與愈同掌制誥。〕》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <820  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3084韓愈詩-197-#2

 

 

作者: 韓愈  816年元和十一年  49 

卷別: 卷三四四  文體: 五言古詩 

詩題: 和席八【案:夔。】十二韻【案:元和十一年,夔與愈同掌制誥。】 

作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安

交遊人物: 席夔

 

 

和席八 十二韻 #1

(席夔に唱和する十二韻)

絳闕銀河曙,東風右掖春。

天上の銀河が、曙色に変わり始めると、朝廷の正門からはいろうとする、春風の暖かなる朝に中書省に出仕する。

官隨名共美,花與思俱新。

官はその名にしたがってともに美しく、花は思いとともに新たになり、君、席夔は今得意の境涯にある。

綺陌朝遊間,綾衾夜直頻。

美しい都大路に遊行することも時たまあるし、綾衾を担いで、夜、当直をすることも頻繁である。

橫門開日月,高閣切星辰。

その出仕する役所の有様と云えば橫門は日月を迎い入れ、高閣は星辰に触れんとするのである。

 

絳闕【こうけつ】銀河の曙 ,東風 右掖【ゆうえき】の春

官は名に隨って共に美に ,花と思うと俱に新なり。

綺陌【きはく】朝遊 間し,綾衾【りょうきん】夜 直 頻【しきり】なり。

橫門【おうもん】日月を開き ,高閣星辰を切る。

#2

庭變寒前草,天銷霽後塵。

寒気が来る前に庭草は色を変じ、雨が晴れたのちに、天は塵を消して、いとも清らかである。

溝聲通苑急,柳色壓城勻。

溝を流れて行く遣り水、御苑の方に流れ、柳が芽吹くと城壁を圧するばかりである。

綸綍謀猷盛,丹青步武親。

君の職務として、詔勅を草し、聖明の謀猷、いつもながら盛んであるし、さながら丹青をもって描き出したような風姿は歩にしだがって親しげに見える。

芳菲含斧藻,光景暢形神。

朝衣には斧藻の模様、匂うばかりにして、宮中の光景は、心身をのべ成長せしめる。

 

庭は變ず 寒前の草,天は銷す 霽後の塵。

溝聲、苑に通じて急,柳色 城を壓して勻【ひと】し。

綸綍【りんふつ】謀猷【ぼうゆう】盛んにして,丹青 步武【ほぶ】親し。

芳菲 斧藻【ふそう】を含み,光景 形神を暢【の】ぶ。

 

#3

傍砌看紅藥,巡池詠白蘋。

多情懷酒伴,餘事作詩人。

倚玉難藏拙,吹竽久混真。

坐慚空自老,江海未還身。 

 

砌【せい】に傍うて紅藥を看,池を巡って白蘋【はくひん】を詠う。

多情 酒伴を懷い,餘事 詩人と作る。

玉に倚って拙を藏し難く,竽を吹いて久しく真を混す。

坐に慚づ空しく自ら老ゆることを,江海 未だ還らざるの身を。 

蛺蝶02 

 

『和席八 十二韻』現代語訳と訳註

(本文)

#2

庭變寒前草,天銷霽後塵。

溝聲通苑急,柳色壓城勻。

綸綍謀猷盛,丹青步武親。

芳菲含斧藻,光景暢形神。

 

 

(下し文) #2

庭は變ず 寒前の草,天は銷す 霽後の塵。

溝聲、苑に通じて急,柳色 城を壓して勻【ひと】し。

綸綍【りんふつ】謀猷【ぼうゆう】盛んにして,丹青 步武【ほぶ】親し。

芳菲 斧藻【ふそう】を含み,光景 形神を暢【の】ぶ。

 

 

(現代語訳)

寒気が来る前に庭草は色を変じ、雨が晴れたのちに、天は塵を消して、いとも清らかである。

溝を流れて行く遣り水、御苑の方に流れ、柳が芽吹くと城壁を圧するばかりである。

君の職務として、詔勅を草し、聖明の謀猷、いつもながら盛んであるし、さながら丹青をもって描き出したような風姿は歩にしだがって親しげに見える。

朝衣には斧藻の模様、匂うばかりにして、宮中の光景は、心身をのべしめる。

 

 

(訳注)

庭變 前草 ,天銷 霽後

寒気が来る前に庭草は色を変じ、雨が晴れたのちに、天は塵を消して、いとも清らかである。

「庭」園林院落、庭。

「寒」天候氣象、冷寒、寒。

「前」空間、位置、前。

「草」植物泛稱(草)、草。

「天」天空。

「霽」晴天、霽。

「後」相對時間、後。

「塵」礦物、塵。

 

 

溝聲 通苑 ,柳色 壓城 勻。

溝を流れて行く遣り水、御苑の方に流れ、柳が芽吹くと城壁を圧するばかりである。

「溝」都市運河。

「苑」御苑。

「壓城」語義類別:地、地理、邦國都城、城。

 

 

綸綍 謀猷盛,丹青 步武 親。

君の職務として、詔勅を草し、聖明の謀猷、いつもながら盛んであるし、さながら丹青をもって描き出したような風姿は歩にしだがって親しげに見える。

「綸綍」文藝、文體、詔。

「丹青」文藝、書畫泛稱、丹青。

「步武」行為動作、一般行為(人部)、仿效。

 

 

芳菲 含斧藻 ,光景 暢形神

朝衣には斧藻の模様、匂うばかりにして、宮中の光景は、心身をのべ成長せしめる。

「芳菲」生物、植物泛稱(花)、花。

「斧藻」文藝、形容詞彙(書畫)、文飾。

「光景」自然景觀、風景勝蹟(自然景物)、光景。

「形神」狀態、心神氣力、神。

 百舌鳥03

《和席八〔夔〕十二韻 〔元和十一年,夔與愈同掌制誥。〕》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <819>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3079韓愈詩-197-#1

《和席八十二韻》天上の銀河が、曙色に変わり始めると、朝廷の正門からはいろうとする、春風の暖かなる朝に中書省に出仕する。官はその名にしたがってともに美しく、花は思いとともに新たになり、君、席夔は今得意の境涯にある。

 

2013年10月3日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
 
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《和席八〔夔〕十二韻 〔元和十一年,夔與愈同掌制誥。〕》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <819  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3079韓愈詩-197-#1

 

作者: 韓愈  816年元和十一年  49 

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詩題: 和席八【案:夔。】十二韻【案:元和十一年,夔與愈同掌制誥。】 

作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安

交遊人物: 席夔

 

 

和席八 十二韻 #1

(席夔に唱和する十二韻)

絳闕銀河曙,東風右掖春。

天上の銀河が、曙色に変わり始めると、朝廷の正門からはいろうとする、春風の暖かなる朝に中書省に出仕する。

官隨名共美,花與思俱新。

官はその名にしたがってともに美しく、花は思いとともに新たになり、君、席夔は今得意の境涯にある。

綺陌朝遊間,綾衾夜直頻。

美しい都大路に遊行することも時たまあるし、綾衾を担いで、夜、当直をすることも頻繁である。

橫門開日月,高閣切星辰。

その出仕する役所の有様と云えば橫門は日月を迎い入れ、高閣は星辰に触れんとするのである。

 

絳闕【こうけつ】銀河の曙 ,東風 右掖【ゆうえき】の春

官は名に隨って共に美に ,花と思うと俱に新なり。

綺陌【きはく】朝遊 間し,綾衾【りょうきん】夜 直 頻【しきり】なり。

橫門【おうもん】日月を開き ,高閣星辰を切る。

#2

庭變寒前草,天銷霽後塵。

溝聲通苑急,柳色壓城勻。

綸綍謀猷盛,丹青步武親。

芳菲含斧藻,光景暢形神。

#3

傍砌看紅藥,巡池詠白蘋。

多情懷酒伴,餘事作詩人。

倚玉難藏拙,吹竽久混真。

坐慚空自老,江海未還身。 

minamo03 

 

『和席八 十二韻』現代語訳と訳註

(本文)

和席八 十二韻 #1

絳闕銀河曙,東風右掖春。

官隨名共美,花與思俱新。

綺陌朝遊間,綾衾夜直頻。

橫門開日月,高閣切星辰。

 

 

(下し文)

絳闕【こうけつ】銀河の曙 ,東風 右掖【ゆうえき】の春

官は名に隨って共に美に ,花と思うと俱に新なり。

綺陌【きはく】朝遊 間し,綾衾【りょうきん】夜 直 頻【しきり】なり。

橫門【おうもん】日月を開き ,高閣星辰を切る。

 

 

(現代語訳)

(席夔に唱和する十二韻)

天上の銀河が、曙色に変わり始めると、朝廷の正門からはいろうとする、春風の暖かなる朝に中書省に出仕する。

官はその名にしたがってともに美しく、花は思いとともに新たになり、君、席夔は今得意の境涯にある。

美しい都大路に遊行することも時たまあるし、綾衾を担いで、夜、当直をすることも頻繁である。

その出仕する役所の有様と云えば橫門は日月を迎い入れ、高閣は星辰に触れんとするのである。

 

 

(訳注)

和席八 十二韻

(席夔に唱和する十二韻)

・席八 原注に席夔とある。行人、貞元十年の進士。

 

絳闕 銀河 ,東風 右掖

天上の銀河が、曙色に変わり始めると、朝廷の正門からはいろうとする、春風の暖かなる朝に中書省に出仕する。

「絳闕」大明宮の門。朝廷の正門。

「曙」清晨。

「東風」春風。

「右掖」中書省。

 

 

官隨 共美 ,花與 俱新

官はその名にしたがってともに美しく、花は思いとともに新たになり、君、席夔は今得意の境涯にある。

 

 

綺陌 朝遊 ,綾衾 直頻。

美しい都大路に遊行することも時たまあるし、綾衾を担いで、夜、当直をすることも頻繁である。

「綺陌」美しい都大路。

「綾衾」尚書郎は青、または白の綾衾を着用する。

 

 

橫門 日月 ,高閣 星辰

その出仕する役所の有様と云えば橫門は日月を迎い入れ、高閣は星辰に触れんとするのである。

「橫門」朝廷の門。

「開日月」日が昇前に門をくぐり、月がのぼって門を抜ける。  
kyoko113 

《梁國惠康公主挽歌,二首之二〔公主,憲宗長女,下嫁于頔之子季友,元和中薨,詔令百官進詩。〕》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <818>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3074韓愈詩-196

《梁國惠康公主挽歌,二首之二〔公主,憲宗長女,下嫁于頔之子季友,元和中薨,詔令百官進詩。〕》長安の街には簫を吹く女がいるが、湘水の波の音にのせて、湘君の奏でる瑟と鼓の音が何処からともなく聞こえてくる。

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《梁國惠康公主挽歌,二首之二〔公主,憲宗長女,下嫁于頔之子季友,元和中薨,詔令百官進詩。〕》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <818  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3074韓愈詩-196

 

 

作者: 韓愈  816年元和十一年49

卷別: 卷三四三  文體: 五言律詩 

詩題: 梁國惠康公主挽歌,二首之一

〔公主,憲宗長女,下嫁于頔之子季友,元和中薨,詔令百官進詩。〕

 

 

梁國惠康公主挽歌,二首之一

(諡「梁國惠康公主」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌二首の一。)

〔公主,憲宗長女,下嫁于頔之子季友,元和中薨,詔令百官進詩。〕

〔皇帝の女子、憲宗の長女、唐の大臣頔之の子、季友の嫁に下される。元和年間に薨される。勅命で朝廷百官に詩を奉進したものである。〕

定諡芳聲遠,移封大國新。

諡を定められ、芳しき名声はその功績に比べれれば今一つというところだが、大きな国の方に新たに移し封じられた。
巽宮尊長女,台室屬良人。

巽宮傾斜という長女として尊ばれ、朝廷の大臣の賢人の夫に嫁がれた。

河漢重泉夜,梧桐半樹春。

銀河に続く黄泉の国の夜に向かい、鳳凰の棲む梧桐が半分繁った春の木に睦まじくとまる。

龍輀非厭翟,還輾禁城塵。

龍を引き馬にした車は雉の尾羽に飾られ、そして宮中御殿に音を立てて戻ってこられたのである。

 

(梁國惠康公主の挽歌,二首の一)

諡を定め芳聲の遠と,移封され大國の新として。

巽宮 長女を尊び,台室 良人に屬す。

河漢 重泉の夜,梧桐 半樹の春。

龍輀 厭翟にら非ず,還輾 禁城の塵。

 

梁國惠康公主挽歌,二首之二

(諡「梁國惠康公主」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌二首の二。)

秦地吹簫女,湘波鼓瑟妃。 

長安の街には簫を吹く女がいるが、湘水の波の音にのせて、湘君の奏でる瑟と鼓の音が何処からともなく聞こえてくる。

佩蘭初應夢,奔月竟淪輝。 

佩蘭となって初めて夢の中で対応する。「嫦娥奔月」はついに沈まれて、そして輝いている。

夫族迎魂去,宮官會葬歸。 

夫の血族は魂を迎えそして去ってゆくし、宮女たちは葬儀に出て帰っていく。

從今沁園草,無復更芳菲。 

今からこの宮殿の庭園の花畑の草花となって、この世には再び帰ることはない更に芳しい花となるだけだ。

満月00 

梁國 惠康公主の挽歌,二首の二

秦地 簫を吹く女,湘波 鼓瑟の妃。 

佩蘭 初めて夢に應じ,奔月 竟に淪輝す。 

夫族 迎魂して去り,宮官 會葬して歸る。 

今從り 沁園の草,無復して更に芳菲す。 

 

 

『梁國惠康公主挽歌,二首之二』 現代語訳と訳註

(本文)

梁國惠康公主挽歌,二首之二

秦地吹簫女,湘波鼓瑟妃。 

佩蘭初應夢,奔月竟淪輝。 

夫族迎魂去,宮官會葬歸。 

從今沁園草,無復更芳菲。 

 

 

(下し文)

梁國 惠康公主の挽歌,二首の二

秦地 簫を吹く女,湘波 鼓瑟の妃。 

佩蘭 初めて夢に應じ,奔月 竟に淪輝す。 

夫族 迎魂して去り,宮官 會葬して歸る。 

今從り 沁園の草,無復して更に芳菲す。 

 

 

(現代語訳)

(諡「梁國惠康公主」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌二首の二。)

長安の街には簫を吹く女がいるが、湘水の波の音にのせて、湘君の奏でる瑟と鼓の音が何処からともなく聞こえてくる。

佩蘭となって初めて夢の中で対応する。「嫦娥奔月」はついに沈まれて、そして輝いている。

夫の血族は魂を迎えそして去ってゆくし、宮女たちは葬儀に出て帰っていく。

今からこの宮殿の庭園の花畑の草花となって、この世には再び帰ることはない更に芳しい花となるだけだ。

 

 

(訳注)

bijo01梁國惠康公主挽歌,二首之二

(諡「梁國惠康公主」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌二首の二。)

 

 

秦地 吹簫 ,湘波 鼓瑟

長安の街には簫を吹く女がいるが、湘水の波の音にのせて、湘君の奏でる瑟と鼓の音が何処からともなく聞こえてくる。

「秦地」長安の街

「吹簫」器物、樂器(單稱)、簫。

「湘波」湘水の水澤湖泊、波。

「鼓瑟妃」鼓と樂器瑟。洞庭湖には湘水の神、湘君の奏でる瑟の音が何処からともなく聞こえてくると言う言い伝えも存在する。これは別に、湘妃が鼓する瑶瑟だと言う。

 

 

佩蘭 初應 ,奔月 竟淪輝

佩蘭となって初めて夢の中で対応する。「嫦娥奔月」はついに沈まれて、そして輝いている。

「佩蘭」【はいらん】ジバカマのこと。茎葉を薬用とする。秋の七草としても知られている。 食欲不振、消化不良、吐き気、嘔吐、軟便、倦怠感などに応用する。 糖尿病や浮腫にも用いられ、痒みに浴用剤としても用いられる。

「月」『嫦娥奔月』【じょうがほんげつ】のこと。后羿の妻である嫦娥(嫦娥仙子)が、后羿が西王母から貰った不老不死の霊薬(または天上界へ行ける霊薬)を飲み1人月へ昇り月宮(広寒宮)で寂しく暮らすことになったという中秋節の故事である。嫦娥奔月とは「嫦娥、月に奔る」の意味。

「淪」1 さざなみ。「淪(りんい) 2 沈む。落ちぶれる。

 

 

夫族 迎魂 ,宮官 會葬

夫の血族は魂を迎えそして去ってゆくし、宮女たちは葬儀に出て帰っていく。

「夫族」嫁ぎ先の一族。

 

 

從今 沁園 ,無復 更芳菲

今からこの宮殿の庭園の花畑の草花となって、この世には再び帰ることはない更に芳しい花となるだけだ。

「從今」語義類別:時、時間、範圍時間(今昔)、今。

「沁園」沁みる/浸みる/滲みる】 [動マ上一][文]し・む[マ上二]1 液体や気体が他の物に移りついて、次第に深く広がる。また、にじんで汚れる。しむ。宮殿の庭園の花畑にしみてくる。。

「草」語義類別:物、生物、植物泛稱(草)、草。

「芳菲」植物泛稱、花。

《梁國惠康公主挽歌,二首之一》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <817>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3069韓愈詩-195

韓愈《梁國惠康公主挽歌,一》諡を定められ、芳しき名声はその功績に比べれれば今一つというところだが、大きな国の方に新たに移し封じられた。巽宮傾斜という長女として尊ばれ、朝廷の大臣の賢人の夫に嫁がれた。

 

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《梁國惠康公主挽歌,二首之一》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <817  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3069韓愈詩-195

 

 

作者: 韓愈  816年元和十一年49

卷別: 卷三四三  文體: 五言律詩 

詩題: 梁國惠康公主挽歌,二首之一

〔公主,憲宗長女,下嫁于頔之子季友,元和中薨,詔令百官進詩。〕

 

 

梁國惠康公主挽歌,二首之一

(諡「梁國惠康公主」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌二首の一。)

〔公主,憲宗長女,下嫁于頔之子季友,元和中薨,詔令百官進詩。〕

〔皇帝の女子、憲宗の長女、唐の大臣頔之の子、季友の嫁に下される。元和年間に薨される。勅命で朝廷百官に詩を奉進したものである。〕

定諡芳聲遠,移封大國新。

諡を定められ、芳しき名声はその功績に比べれれば今一つというところだが、大きな国の方に新たに移し封じられた。

巽宮尊長女,台室屬良人。

巽宮傾斜という長女として尊ばれ、朝廷の大臣の賢人の夫に嫁がれた。

河漢重泉夜,梧桐半樹春。

銀河に続く黄泉の国の夜に向かい、鳳凰の棲む梧桐が半分繁った春の木に睦まじくとまる。

龍輀非厭翟,還輾禁城塵。

龍を引き馬にした車は雉の尾羽に飾られ、そして宮中御殿に音を立てて戻ってこられたのである。

 

(梁國惠康公主の挽歌,二首の一)

諡を定め芳聲の遠と,移封され大國の新として。

巽宮 長女を尊び,台室 良人に屬す。

河漢 重泉の夜,梧桐 半樹の春。

龍輀 厭翟にら非ず,還輾 禁城の塵。

 

 

『』 現代語訳と訳註

(本文)

梁國惠康公主挽歌,二首之一

定諡芳聲遠,移封大國新。

巽宮尊長女,台室屬良人。

河漢重泉夜,梧桐半樹春。

龍輀非厭翟,還輾禁城塵。

 

 

(下し文)

(梁國惠康公主の挽歌,二首の一)

諡を定め芳聲の遠と,移封され大國の新として。

巽宮 長女を尊び,台室 良人に屬す。

河漢 重泉の夜,梧桐 半樹の春。

龍輀 厭翟にら非ず,還輾 禁城の塵。

 

 

(現代語訳)

(梁國惠康公主の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌二首の一。)

〔皇帝の女子、憲宗の長女、唐の大臣頔之の子、季友の嫁に下される。元和年間に薨される。勅命で朝廷百官に詩を奉進したものである。〕

諡を定められ、芳しき名声はその功績に比べれれば今一つというところだが、大きな国の方に新たに移し封じられた。

巽宮傾斜という長女として尊ばれ、朝廷の大臣の賢人の夫に嫁がれた。

銀河に続く黄泉の国の夜に向かい、鳳凰の棲む梧桐が半分繁った春の木に睦まじくとまる。

龍を引き馬にした車は雉の尾羽に飾られ、そして宮中御殿に音を立てて戻ってこられたのである。

 

 

(訳注)

梁國惠康公主挽歌,二首之一

(諡「梁國惠康公主」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌二首の一。)

〔公主,憲宗長女,下嫁于頔之子季友,元和中薨,詔令百官進詩。〕

〔皇帝の女子、憲宗の長女、唐の大臣頔之の子、季友の嫁に下される。元和年間に薨される。勅命で朝廷百官に詩を奉進したものである。〕

・挽歌 野辺の送りのとき柩(ひつぎ)の車を挽(ひ)きつつうたう歌

・于頔 (?-818年),唐朝大臣。字允元,河南(今河南洛陽)の人。唐、德宗の時湖州(浙江省吴興)刺史任ぜられる

・薨 律令制で、皇族または三位以上の貴族の死去をいう語。

 

定謚 芳聲 ,移封 大國

諡を定められ、芳しき名声はその功績に比べれれば今一つというところだが、大きな国の方に新たに移し封じられた。

「謚」 おくりな【諡・贈り名・. . 生前の徳やおこないに基づいて死者に贈る称号。のちの諱(いみな)。諡号(しごう)。 . 戒名。  おくりな【諡・贈り名・. . 生前の徳やおこないに基づいて死者に贈る称号。のちの諱(いみな)。諡号(しごう)。 . 戒名。 

 

 

巽宮 長女 ,臺室 屬良人

巽宮傾斜という長女として尊ばれ、朝廷の大臣の賢人の夫に嫁がれた。

「巽宮」長女についての道家語で巽宮傾斜。

四緑の卦象は風、整理、遠方、信用、旅、商売、迷い、柔軟性の意味があり、世話好きなことのようであるという。

「台室」朝廷。

「良人」よい人。賢い人。2 夫。。

 

 

河漢 重泉 ,梧桐 半樹

銀河に続く黄泉の国の夜に向かい、鳳凰の棲む梧桐が半分繁った春の木に睦まじくとまる。

「河漢」天文、銀河、河漢。

「重泉」幽冥之境である黃泉の国。

「梧桐」語義類別:物、生物、植物專名(木本)、梧桐。

 

 

龍輀非厭翟,還輾禁城塵。

龍を引き馬にした車は雉の尾羽に飾られ、そして宮中御殿に音を立てて戻ってこられたのである。

・翟 【てき】. キジの尾羽。また,中国の舞楽で,舞人が右手に持つキジの尾羽。

・輾 ころがること。回転すること。また、めぐること。

《庭楸》韓愈(韓退之) 194-#3Ⅱ中唐詩 <816>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3064韓愈詩-194-#3

韓愈《庭楸》そんな主人に会えるのは九頭の牛に紛れた毛を表わし、物の数にも入らないという故事のようなものであり、未だに多量と少量のあいだであるということはないのである。(多少に関係なくほとんどの人に逢わない)

 

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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。 
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html 
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。 
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。 
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。 
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

《庭楸》韓愈(韓退之) 194-#3Ⅱ中唐詩 <816  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3064韓愈詩-194-#3

 

 

庭楸

庭楸止五株,共生十步間。

にわのヒサギは五本だけにしている。それでもそれぞれの間がが10歩程度で列にして植えている。

各有藤繞之,上各相鉤聯。

その五本には藤が絡みついて、上の方では互いに引っ張り合い繋がり合っている。

下葉各垂地,樹顛各雲連。

下の方ではヒサギの葉がそれぞれの木々の枝に垂れ、それぞれの木の頂は高く雲と連なっている。

朝日出其東,我常坐西偏。

朝日はその木の東側からのぼって來ると、我々は何時も西側に座ってこれを眺める。

夕日在其西,我常坐東邊。

夕日がその木の西にしずむ頃には、我々は東のへりに座ってこれを眺める。

#2

當晝日在上,我在中央間。

昼の日が真上にある時には我々は五本の木の中央の所に座って過ごすのである。

仰視何青青,上不見纖穿。

仰ぎ見るといかにしてか枝葉が青々としてしげっていいて、上の方にはわずかの隙間もないようだ。

朝暮無日時,我且八九旋。

夜明け前や日が沈んだ後には我々は八、九回もそこを徘徊する。

濯濯晨露香,明珠何聯聯。

朝早くに香しい朝露はツルンツルンと落ちる。その露の玉はどうしてか宝玉のように聯聯とすこし連なっている。

夜月來照之,蒨蒨自生煙。

日が暮れて、夜月が來ってこれを照らした。そのこんもり茂ったところから、煙を生ずるように鮮明に照らしている。

#3

我已自頑鈍,重遭五楸牽。

わたしはもともと頑固で愚鈍であることを自覚している、だから、庭の五本のヒサギに対し牽牛星のように重ねて遭遇するというものだ。

客來尚不見,肯到權門前。

客が来るけれどなお面会することはない。敢て名門の権勢のある家の前に到達することなどないのだ。

權門眾所趨,有客動百千。

権勢のある家の門には、みんながあつまってくるものだ。客が有るのは、ややもすれば百も千もの人がたくさんがくるのである。

九牛亡一毛,未在多少間。

そんな主人に会えるのは九頭の牛に紛れた毛を表わし、物の数にも入らないという故事のようなものであり、未だに多量と少量のあいだであるということはないのである。(ほとんどの人に逢わない)

往既無可顧,不往自可憐。

自分が権門に出世したとしてもこれまでのことは顧みることはすべきでない。往かなければ、ただ自らの運命を貫くことを憐れむだけなのである。

 

庭楸【ていしゅう】

庭楸 五株【ごしゅう】止のみ,共に十步の間に生ず。

各の藤有って之を繞り,上は各の相い鉤聯【こうれん】す。

下葉は各の地に垂れ,樹顛【じゅてん】各の雲と連る。

朝日 其の東に出づれば,我 常に西偏に坐す。

夕日 其の西に在れば,我 常に東邊に坐す。

#2

晝に當って 日 上に在れば,我 中央の間に在り。

仰ぎ視れば 何ぞ青青たる,上 纖穿【せんせん】を見ず。

朝暮 日無き時,我 且つ八九たび旋【めぐ】る。

濯濯【たくたく】として晨露【しんろ】香しく,明珠【めいしゅ】何ぞ聯聯たる。

夜月 來って之を照らし,蒨蒨【せんせん】として自ら煙を生ず。

#3

我れ已に自ら頑鈍【がんとん】,重ねて五楸の牽くに遭う。

客來たるも尚お見えず,肯えて權門の前に到らむや。

權門は眾の趨【はし】る所,客有り動じて百千。

九牛に一毛を亡う,未だ多少の間に在らず。

往けば既に顧【かえるみ】る可き無く,往かざれば自ら憐れむ可し。

 楠樹03

 

 

『庭楸』 現代語訳と訳註

(本文) #3

我已自頑鈍,重遭五楸牽。

客來尚不見,肯到權門前。

權門眾所趨,有客動百千。

九牛亡一毛,未在多少間。

往既無可顧,不往自可憐。

 

 

(下し文) #3

我れ已に自ら頑鈍【がんとん】,重ねて五楸の牽くに遭う。

客來たるも尚お見えず,肯えて權門の前に到らむや。

權門は眾の趨【はし】る所,客有り動じて百千。

九牛に一毛を亡う,未だ多少の間に在らず。

往けば既に顧【かえるみ】る可き無く,往かざれば自ら憐れむ可し。

 

 

(現代語訳)

わたしはもともと頑固で愚鈍であることを自覚している、だから、庭の五本のヒサギに対し牽牛星のように重ねて遭遇するというものだ。

客が来るけれどなお面会することはない。敢て名門の権勢のある家の前に到達することなどないのだ。

権勢のある家の門には、みんながあつまってくるものだ。客が有るのは、ややもすれば百も千もの人がたくさんがくるのである。

そんな主人に会えるのは九頭の牛に紛れた毛を表わし、物の数にも入らないという故事のようなものであり、未だに多量と少量のあいだであるということはないのである。(ほとんどの人に逢わない)

自分が権門に出世したとしてもこれまでのことは顧みることはすべきでない。往かなければ、ただ自らの運命を貫くことを憐れむだけなのである。

 

 

(訳注)

庭楸

 

 

我已 自頑鈍 ,重遭 五楸

わたしはもともと頑固で愚鈍であることを自覚している、だから、庭の五本のヒサギに対し牽牛星のように重ねて遭遇するというものだ。

「頑鈍」頑固で愚鈍なこと。

「五楸」五本の楸。

「牽」牽牛。わし座のアルファ星アルタイルの漢名。天の河をへだてて織女と対する。牽牛星。彦星(ひこぼし)。男星(おぼし)。 [季] 秋。

 

客來 尚不見 ,肯到 權門

客が来るけれどなお面会することはない。敢て名門の権勢のある家の前に到達することなどないのだ。

「權門」(1)位が高く権勢のある家柄。 「―勢家」 (2)権力者に対する饗応や贈賄。

「前」語義類別:地、空間、位置、前。

 

權門 眾所趨,有客 百千

権勢のある家の門には、みんながあつまってくるものだ。客が有るのは、ややもすれば百も千もの人がたくさんがくるのである。

「權門」語義類別:人、稱謂、指代稱謂、權貴。

「有」語義類別:其他、形容詞彙、對比詞、有無(有)。

「客」語義類別:人、稱謂、一般稱謂、客。

「動」語義類別:人、行為動作、一般行為(其他部)、動。

「百千」語義類別:其他、數詞、概量數詞、百千。

 

九牛 一毛 ,未在 多少

そんな主人に会えるのは九頭の牛に紛れた毛を表わし、物の数にも入らないという故事のようなものであり、未だに多量と少量のあいだであるということはないのである。(多少に関係なくほとんどの人に逢わない)

「九牛」《「漢書」司馬遷伝「九牛亡一毛」。多くの牛の中の1本の毛の意》多数の中のごく一部分。取るに足りないこと。

 

 

往既 無可 顧,不往 自可憐

自分が権門に出世したとしてもこれまでのことは顧みることはすべきでない。往かなければ、ただ自らの運命を貫くことを憐れむだけなのである。
燕麦01 

《庭楸》韓愈(韓退之) 194-#2Ⅱ中唐詩 <815>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3059韓愈詩-194-#2

韓愈《庭楸》朝早くに香しい朝露はツルンツルンと落ちる。その露の玉はどうしてか宝玉のように聯聯とすこし連なっている。日が暮れて、夜月が來ってこれを照らした。そのこんもり茂ったところから、煙を生ずるように鮮明に照らしている。

 

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《庭楸》韓愈(韓退之) 194-#2Ⅱ中唐詩 <815  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3059韓愈詩-194-#2

 

庭楸

庭楸止五株,共生十步間。

にわのヒサギは五本だけにしている。それでもそれぞれの間がが10歩程度で列にして植えている。

各有藤繞之,上各相鉤聯。

その五本には藤が絡みついて、上の方では互いに引っ張り合い繋がり合っている。

下葉各垂地,樹顛各雲連。

下の方ではヒサギの葉がそれぞれの木々の枝に垂れ、それぞれの木の頂は高く雲と連なっている。

朝日出其東,我常坐西偏。

朝日はその木の東側からのぼって來ると、我々は何時も西側に座ってこれを眺める。

夕日在其西,我常坐東邊。

夕日がその木の西にしずむ頃には、我々は東のへりに座ってこれを眺める。

#2

當晝日在上,我在中央間。

昼の日が真上にある時には我々は五本の木の中央の所に座って過ごすのである。

仰視何青青,上不見纖穿。

仰ぎ見るといかにしてか枝葉が青々としてしげっていいて、上の方にはわずかの隙間もないようだ。

朝暮無日時,我且八九旋。

夜明け前や日が沈んだ後には我々は八、九回もそこを徘徊する。

濯濯晨露香,明珠何聯聯。

朝早くに香しい朝露はツルンツルンと落ちる。その露の玉はどうしてか宝玉のように聯聯とすこし連なっている。

夜月來照之,蒨蒨自生煙。

日が暮れて、夜月が來ってこれを照らした。そのこんもり茂ったところから、煙を生ずるように鮮明に照らしている。

#3

我已自頑鈍,重遭五楸牽。

客來尚不見,肯到權門前。

權門眾所趨,有客動百千。

九牛亡一毛,未在多少間。

往既無可顧,不往自可憐。

 

庭楸【ていしゅう】

庭楸 五株【ごしゅう】止のみ,共に十步の間に生ず。

各の藤有って之を繞り,上は各の相い鉤聯【こうれん】す。

下葉は各の地に垂れ,樹顛【じゅてん】各の雲と連る。

朝日 其の東に出づれば,我 常に西偏に坐す。

夕日 其の西に在れば,我 常に東邊に坐す。

#2

晝に當って 日 上に在れば,我 中央の間に在り。

仰ぎ視れば 何ぞ青青たる,上 纖穿【せんせん】を見ず。

朝暮 日無き時,我 且つ八九たび旋【めぐ】る。

濯濯【たくたく】として晨露【しんろ】香しく,明珠【めいしゅ】何ぞ聯聯たる。

夜月 來って之を照らし,蒨蒨【せんせん】として自ら煙を生ず。

#3

我れ已に自ら頑鈍【がんとん】,重ねて五楸の牽くに遭う。

客來たるも尚お見えず,肯えて權門の前に到らむや。

權門は眾の趨【はし】る所,客有り動じて百千。

九牛に一毛を亡う,未だ多少の間に在らず。

往けば既に顧【かえるみ】る可き無く,往かざれば自ら憐れむ可し。

 

楠樹03 

 

 

『庭楸』 現代語訳と訳註

(本文) #2

當晝日在上,我在中央間。

仰視何青青,上不見纖穿。

朝暮無日時,我且八九旋。

濯濯晨露香,明珠何聯聯。

夜月來照之,蒨蒨自生煙。

 

 

(下し文) #2

晝に當って 日 上に在れば,我 中央の間に在り。

仰ぎ視れば 何ぞ青青たる,上 纖穿【せんせん】を見ず。

朝暮 日無き時,我 且つ八九たび旋【めぐ】る。

濯濯【たくたく】として晨露【しんろ】香しく,明珠【めいしゅ】何ぞ聯聯たる。

夜月 來って之を照らし,蒨蒨【せんせん】として自ら煙を生ず。

 

 

(現代語訳)

昼の日が真上にある時には我々は五本の木の中央の所に座って過ごすのである。

仰ぎ見るといかにしてか枝葉が青々としてしげっていいて、上の方にはわずかの隙間もないようだ。

夜明け前や日が沈んだ後には我々は八、九回もそこを徘徊する。

朝早くに香しい朝露はツルンツルンと落ちる。その露の玉はどうしてか宝玉のように聯聯とすこし連なっている。

日が暮れて、夜月が來ってこれを照らした。そのこんもり茂ったところから、煙を生ずるように鮮明に照らしている。

 

 

(訳注)

當晝 日在 ,我在 中央

昼の日が真上にある時には我々は五本の木の中央の所に座って過ごすのである。

「當晝」語義類別:時、時間、範圍時間(白晝)、晝。

楸002 

 

仰視 何青青 ,上 不見 纖穿

仰ぎ見るといかにしてか枝葉が青々としてしげっていいて、上の方にはわずかの隙間もないようだ。

「纖穿」語義類別:地、自然景觀、洞穴坑谷、洞。

 

 

朝暮 無日 ,我且 八九 旋。

夜明け前や日が沈んだ後には我々は八、九回もそこを徘徊する。

「朝暮」語義類別:時、時間、相對時間、朝暮。

「無」語義類別:其他、形容詞彙、對比詞、有無(無)。

「日」語義類別:物、天文、日、日。

「時」語義類別:時、時間、範圍時間(時刻)、時。

「我且」語義類別:人、稱謂、人稱代名詞、我。

「八九」語義類別:其他、數詞、概量數詞、八九。

 

 

濯濯 晨露 ,明珠 何聯聯

朝早くに香しい朝露はツルンツルンと落ちる。その露の玉はどうしてか宝玉のように聯聯とすこし連なっている。

「濯濯」山が、また草木がなくはげている.たくたくとおちる。

「明珠」光芒とした玉石。

「聯聯」すこし連ねる。

 

 

夜月 照之 ,蒨蒨 自生煙

日が暮れて、夜月が來ってこれを照らした。そのこんもり茂ったところから、煙を生ずるように鮮明に照らしている。

「蒨蒨」彗星のように鮮明に出る。

「生煙」煙を生ずるように。

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韓愈《庭楸》にわのヒサギは五本だけにしている。それでもそれぞれの間がが10歩程度で列にして植えている。その五本には藤が絡みついて、上の方では互いに引っ張り合い繋がり合っている。

 

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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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《庭楸》韓愈(韓退之) 194-#1Ⅱ中唐詩 <814  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3054韓愈詩-194-#1              五言古詩

 

作者: 韓愈  816年元和十一年  49

卷別: 卷三四二  文體: 五言古詩 

詩題: 庭楸 

 

 

庭楸

庭楸止五株,共生十步間。

にわのヒサギは五本だけにしている。それでもそれぞれの間がが10歩程度で列にして植えている。

各有藤繞之,上各相鉤聯。

その五本には藤が絡みついて、上の方では互いに引っ張り合い繋がり合っている。

下葉各垂地,樹顛各雲連。

下の方ではヒサギの葉がそれぞれの木々の枝に垂れ、それぞれの木の頂は高く雲と連なっている。

朝日出其東,我常坐西偏。

朝日はその木の東側からのぼって來ると、我々は何時も西側に座ってこれを眺める。

夕日在其西,我常坐東邊。

夕日がその木の西にしずむ頃には、我々は東のへりに座ってこれを眺める。

#2

當晝日在上,我在中央間。

仰視何青青,上不見纖穿。

朝暮無日時,我且八九旋。

濯濯晨露香,明珠何聯聯。

夜月來照之,蒨蒨自生煙。

#3

我已自頑鈍,重遭五楸牽。

客來尚不見,肯到權門前。

權門眾所趨,有客動百千。

九牛亡一毛,未在多少間。

往既無可顧,不往自可憐。

 

庭楸【ていしゅう】

庭楸 五株【ごしゅう】止のみ,共に十步の間に生ず。

各の藤有って之を繞り,上は各の相い鉤聯【こうれん】す。

下葉は各の地に垂れ,樹顛【じゅてん】各の雲と連る。

朝日 其の東に出づれば,我 常に西偏に坐す。

夕日 其の西に在れば,我 常に東邊に坐す。

#2

晝に當って 日 上に在れば,我 中央の間に在り。

仰ぎ視れば 何ぞ青青たる,上 纖穿【せんせん】を見ず。

朝暮 日無き時,我 且つ八九たび旋【めぐ】る。

濯濯【たくたく】として晨露【しんろ】香しく,明珠【めいしゅ】何ぞ聯聯たる。

夜月 來って之を照らし,蒨蒨【せんせん】として自ら煙を生ず。

#3

我れ已に自ら頑鈍【がんとん】,重ねて五楸の牽くに遭う。

客來たるも尚お見えず,肯えて權門の前に到らむや。

權門は眾の趨【はし】る所,客有り動じて百千。

九牛に一毛を亡う,未だ多少の間に在らず。

往けば既に顧【かえるみ】る可き無く,往かざれば自ら憐れむ可し。

 楠樹03

 

『庭楸』 現代語訳と訳註

(本文)

庭楸

庭楸止五株,共生十步間。

各有藤繞之,上各相鉤聯。

下葉各垂地,樹顛各雲連。

朝日出其東,我常坐西偏。

夕日在其西,我常坐東邊。

 

 

(下し文)

庭楸【ていしゅう】

庭楸 五株【ごしゅう】止のみ,共に十步の間に生ず。

各の藤有って之を繞り,上は各の相い鉤聯【こうれん】す。

下葉は各の地に垂れ,樹顛【じゅてん】各の雲と連る。

朝日 其の東に出づれば,我 常に西偏に坐す。

夕日 其の西に在れば,我 常に東邊に坐す。

 

 

(現代語訳)

にわのヒサギは五本だけにしている。それでもそれぞれの間がが10歩程度で列にして植えている。

その五本には藤が絡みついて、上の方では互いに引っ張り合い繋がり合っている。

下の方ではヒサギの葉がそれぞれの木々の枝に垂れ、それぞれの木の頂は高く雲と連なっている。

朝日はその木の東側からのぼって來ると、我々は何時も西側に座ってこれを眺める。

夕日がその木の西にしずむ頃には、我々は東のへりに座ってこれを眺める。

 

(訳注)

庭楸

庭に植えてある高いもの8・9本の半分以上の5本がこの「ヒサギ」であるとこの詩でのべている。

城南のかなり広い庭である。

「庭楸」・楸 ひさぎ、また、キササゲという木である。ノウゼンカズラ科の落葉高木。中国中南部原産。葉は大形で、キリの葉に似る。夏、枝先に淡黄色の花を密につける。果実は細長く垂れ、ササゲのさやに似る。果実を食用、また利尿薬にする。花園, 庭園; . 黄蝉を意味する。『遊城南十六首:楸樹,二首之一』

生成為大樹,一朝纏繞困長藤。

誰人與青羅帔,看吐高花萬萬層。

遊城南十六首:楸樹,二首之一 韓愈(韓退之) <173>Ⅱ中唐詩784 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2904

遊城南十六首:楸樹,二首之二 韓愈(韓退之) <174>Ⅱ中唐詩785 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2909

 

庭楸 止五株 ,共生 十步

にわのヒサギは五本だけにしている。それでもそれぞれの間がが10歩程度で列にして植えている。

「五株」ヒサギの木が五本。

 

 

各有 繞之 ,上各 相鉤聯

その五本には藤が絡みついて、上の方では互いに引っ張り合い繋がり合っている。

「鉤聯」つりばり、連なる。

 

下葉 各垂地 ,樹顛 各雲連

下の方ではヒサギの葉がそれぞれの木々の枝に垂れ、それぞれの木の頂は高く雲と連なっている。

「樹顛」それぞれの木の頂。

 

朝日 其東 ,我常 西偏

朝日はその木の東側からのぼって來ると、我々は何時も西側に座ってこれを眺める。

「朝」清晨。

「其東」ヒサギの木々の東方向。

「西偏」西方向の空間の地。

 

 

夕日 其西 ,我常 東邊

夕日がその木の西にしずむ頃には、我々は東のへりに座ってこれを眺める。

「其西」ヒサギの木々の西方向。

「東邊」東邊の空間の地。
泰山の夕日02 

《奉和錢七兄曹長盆池所植》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <813>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3049韓愈詩-193

韓愈《奉和錢七兄曹長盆池所植》蓮の花がひらひらと翻っている大江の入り江に、今この盆地の中に植えられて生き生きしている。擢擢として水上に揺れる菰の葉が長く伸びている。誰がその根をここに移したのだろうか。

 

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Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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司馬相如 《子虚賦 》(21)#9-1 文選 賦<109-#9-1>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩900 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3048
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
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《奉和錢七兄曹長盆池所植》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <813  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3049韓愈詩-193        五言律詩

 

 

作者: 韓愈  816  元和十一年  49

卷別: 卷三四二  文體: 五言律詩 

詩題: 奉和錢七兄【案:徽。】曹長盆池所植 

交遊人物/地點: 錢徽 書信往來(京畿道 京兆府 長安)

 

 

奉和錢七兄曹長盆池所植

(錢徽が盆地に植えた蓮、菰、などを詠った詩に対し和して作った詩。)

翻翻江浦荷,而今生在此。 

蓮の花がひらひらと翻っている大江の入り江に、今この盆地の中に植えられて生き生きしている。

擢擢菰葉長,芳根復誰徙。 

擢擢として水上に揺れる菰の葉が長く伸びている。誰がその根をここに移したのだろうか。

露涵兩鮮翠,風蕩相磨倚。 

この二種は同じところに育っているが朝早く露に潤う時はともに翠色にとても鮮やかになる。風に吹かれ動かされるときは互いに擦れ合って寄りかかっている。

但取主人知,誰言盆盎是。 

ここに植えている二種は主人の認知する所となったうえでは、生長に対してだれがここの場所だけがいいというのだろうか。

 

(錢七兄曹長の盆池植うる所に和し奉る)

翻翻たり江浦の荷,而して今 生じて此に在り。

擢擢として 菰葉長たり,芳根 誰か復た徙【うつ】さむ。

露は涵【ひた】して 兩つながら鮮翠【せんすい】,風は蕩して相い磨倚す。

但だ主人の知を取る,誰か言う 盆盎【ぼんおう】是れなりと。  

pla039

 

『奉和錢七兄曹長盆池所植』 現代語訳と訳註

(本文)

奉和錢七兄曹長盆池所植

翻翻江浦荷,而今生在此。 

擢擢菰葉長,芳根復誰徙。 

露涵兩鮮翠,風蕩相磨倚。 

但取主人知,誰言盆盎是。 

 

 

(下し文)

(錢七兄曹長の盆池植うる所に和し奉る)

翻翻たり江浦の荷,而して今 生じて此に在り。

擢擢として 菰葉長たり,芳根 誰か復た徙【うつ】さむ。

露は涵【ひた】して 兩つながら鮮翠【せんすい】,風は蕩して相い磨倚す。

但だ主人の知を取る,誰か言う 盆盎【ぼんおう】是れなりと。 

 

 

(現代語訳)

(錢徽が盆地に植えた蓮、菰、などを詠った詩に対し和して作った詩。)

蓮の花がひらひらと翻っている大江の入り江に、今この盆地の中に植えられて生き生きしている。

擢擢として水上に揺れる菰の葉が長く伸びている。誰がその根をここに移したのだろうか。

この二種は同じところに育っているが朝早く露に潤う時はともに翠色にとても鮮やかになる。風に吹かれ動かされるときは互いに擦れ合って寄りかかっている。

ここに植えている二種は主人の認知する所となったうえでは、生長に対してだれがここの場所だけがいいというのだろうか。

 

 

(訳注)

奉和錢七兄【案:徽。】曹長盆池所植

(錢徽が盆地に植えた蓮、菰、などを詠った詩に対し和して作った詩。)

錢七は錢徽。曹長は侍郎。錢徽が盆地に植えた蓮、菰、などを詠った詩に対し和して作った。主人が知っていようがいまいが、場所がどこであろうがしっかりと育つものである。主人は何をどこに植えるかという選択を間違わないようにすることが重要であるということである。

 

翻翻江浦荷,而今生在此。 

蓮の花がひらひらと翻っている大江の入り江に、今この盆地の中に植えられて生き生きしている。

・翻翻 ひらひらひるがえるさま。

 

擢擢菰葉長,芳根復誰徙。 

擢擢として水上に揺れる菰の葉が長く伸びている。誰がその根をここに移したのだろうか。

・擢擢 水に揺れるようす。

 

露涵兩鮮翠,風蕩相磨倚。 

この二種は同じところに育っているが朝早く露に潤う時はともに翠色にとても鮮やかになる。風に吹かれ動かされるときは互いに擦れ合って寄りかかっている。

 

但取主人知,誰言盆盎是。 

ここに植えている二種は主人の認知する所となったうえでは、生長に対してだれがここの場所だけがいいというのだろうか。
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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《奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄【案:徽。】閣老張十八助教》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <812  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3044韓愈詩-192

 

 

奉酬盧給事雲夫四兄「曲江荷花行」見寄并呈上錢七兄【徽。】閣老張十八助教  #1

(盧給事から、「曲江荷花行」を寄せられたので、それに酬いためにこの詩を、それに合わせて錢徽閣老・張籍助教にこの詩を呈上する)
曲江千頃秋波淨,平鋪紅雲蓋明鏡。

曲江池は広さ一千頃、おりしも秋水もまさに漲って、浪光はなはだ浄く、おまけに、紅い蓮の花がいっぱい咲き満ちて、さながら紅雲を浮ばせたような感じで、それが鏡と見まごう水面におおわれている。

大明宮中給事歸,走馬來看立不正。 

盧給事は、大明宮より退出し、直に馬を走らし、曲江に來て、荷花を観賞し、佇立の姿勢正しからす、いろいろな風をして眺めあかした。

遺我明珠九十六,寒光映骨睡驪目。 

そこで、詩を作ったといって、「曲江荷花行」の一篇を寄せられ、全篇九十六字、一字一珠、即ち九十六明可珠を贈られたが、寒光骨に映ずるを覚えるばかり.驪龍はおのが頷下の珠を大事にして、滅多に睡らないというが、これほど多くの明珠をもらったから、目を塞いで、やすやすと睡つて居る。

我今官閒得婆娑,問言何處芙蓉多。

われはこの時、太子右良庶子に轉じで、勤務も暇である處から、遠ざけることも乗り出す出摩るか、何處が蓮の花が多くさいているのか、問いただして謂うのである。

撐舟昆明度雲錦,敲兩舷叫歌。

舟の舳先をかえて、昆明池に乗り出し雲海をわたる。足で以で両舷を叩いて音頭を取りつつ、大聾で呉歌を唄った。

#2

太白山高三百里,負雪崔嵬插花裡。 

仰ぎ見れば、太白山は高さ三百里である、六月まで雪を戴いて、その名に負けず、崔嵬として白く聳え立つのであるが、連なる山頂は蓮の花の間に挿みこんでいる。

玉山前卻不復來,曲江汀瀅水平盃。 

昔から宝玉のとれた玉山の創ある藍田山などは、これに威圧されたものか、前に在りながら.退却して.再び出て来ない。おもへぱ、曲江は、池色は澄んでいて綺麗であるか、ささやかなこと以、盃中に水を平に盛ったようなもので、到底くらべ物にはならない。

我時相思不覺一回首,天門九扇相當開。 

その時、われわれは、盧給事を思うて、覚えず一度び首をめぐらせたが、九重の宮門は、左右それぞれが同じように開き、その給事は、そこに出仕して居られるのである。

上界真人足官府,豈如散仙鞭笞鸞鳳終日相追陪。 

仙境、神仙は、天上のこととして尊いには相違ないが、さまざまの官府かおかれている。それより、地上の散仙として、鸞鳳に鞭ちをあて、絡日追陪して遊び戯れる方が、はるかに面白く、願わくば、給事を此に呼んで来て、共に崑明の蓮の花を観賞したいものである。 

(盧給事雲夫四兄、「曲江荷花行」を寄せらるる酬い奉り、見并せて錢【徽】七兄閣老・張十八助教に呈上す)

曲江 千頃【うけい】秋波淨く,平らかに紅雲を鋪【し】いて明鏡を蓋う。

大明宮中、給事歸り,馬を走らし來り看て立つこと正しからず。 

我に遺る明珠 九十六,寒光 骨に映じて驪目【りもく】睡る。 

我、今、官閒にして 婆娑たる得たり,問うて言う 何の處か 芙蓉多きと。 

舟を撐【とう】して 昆明 雲錦を度る,【あし】は兩舷【りょうげん】を【たた】いて歌を叫ぶ。

 

太白山は高し三百里,雪を負うて、崔嵬、花裡【かり】插【さしはさ】む。 

玉山 前に卻りて 復た來らず,曲江 汀瀅【ていえい】として 水 盃に平かなし。 

我 時に相い思うて 覺えず一び 首を回らす,天門 九扇 相い當って開く。

上界の真人 官府足れり,豈に如かむや 散仙の鸞鳳を鞭笞【べんち】して 終日 相い追陪するに。 

 

終南山06 

 

『奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄閣老張十八助教』 現代語訳と訳註

(本文) #2

太白山高三百里,負雪崔嵬插花裡。 

玉山前卻不復來,曲江汀瀅水平盃。 

我時相思不覺一回首,天門九扇相當開。 

上界真人足官府,豈如散仙鞭笞鸞鳳終日相追陪。 

 

 

(下し文)

太白山は高し三百里,雪を負うて、崔嵬、花裡【かり】插【さしはさ】む。 

玉山 前に卻りて 復た來らず,曲江 汀瀅【ていえい】として 水 盃に平かなし。 

我 時に相い思うて 覺えず一び 首を回らす,天門 九扇 相い當って開く。

上界の真人 官府足れり,豈に如かむや 散仙の鸞鳳を鞭笞【べんち】して 終日 相い追陪するに。 

 

 

(現代語訳)

(盧給事から、「曲江荷花行」を寄せられたので、それに酬いためにこの詩を、それに合わせて錢徽閣老・張籍助教にこの詩を呈上する)#2

仰ぎ見れば、太白山は高さ三百里である、六月まで雪を戴いて、その名に負けず、崔嵬として白く聳え立つのであるが、連なる山頂は蓮の花の間に挿みこんでいる。

昔から宝玉のとれた玉山の創ある藍田山などは、これに威圧されたものか、前に在りながら.退却して.再び出て来ない。おもへぱ、曲江は、池色は澄んでいて綺麗であるか、ささやかなこと以、盃中に水を平に盛ったようなもので、到底くらべ物にはならない。

その時、われわれは、盧給事を思うて、覚えず一度び首をめぐらせたが、九重の宮門は、左右それぞれが同じように開き、その給事は、そこに出仕して居られるのである。

仙境、神仙は、天上のこととして尊いには相違ないが、さまざまの官府かおかれている。それより、地上の散仙として、鸞鳳に鞭ちをあて、絡日追陪して遊び戯れる方が、はるかに面白く、願わくば、給事を此に呼んで来て、共に崑明の蓮の花を観賞したいものである。

 

 

(訳注)

奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄【徽。】閣老張十八助教

(盧給事から、「曲江荷花行」を寄せられたので、それに酬いためにこの詩を、それに合わせて錢徽閣老・張籍助教にこの詩を呈上する)#2

 

太白山 三百 ,負雪 崔嵬 插花

仰ぎ見れば、太白山は高さ三百里である、六月まで雪を戴いて、その名に負けず、崔嵬として白く聳え立つのであるが、連なる山頂は蓮の花の間に挿みこんでいる。

「太白山」/秦嶺山脈  陝西省南辺部を東西に走る山脈で、同省西部の太白山(3767m)を最高峰とする。甘粛省南部で岷山山脈、河南省西南部で伏牛山脈に連なり、大散関・嶢関などの交通の要衝を抱え、渭水・漢水の分水嶺をなすだけでなく、淮水とともに中国南北の自然地理・生活文化の分水嶺でもあり、しばしば秦淮と呼ばれる。藍田県にある秦嶺山は終南山の後背であり、東麓では商県と洛陽の峠でもある。

「崔嵬」山で、岩や石がごろごろしていて険しいさま。堂や塔などが高くそびえているさま。。

 

 

玉山 前卻 不復 ,曲江 汀瀅 水平

昔から宝玉のとれた玉山の創ある藍田山などは、これに威圧されたものか、前に在りながら.退却して.再び出て来ない。おもへぱ、曲江は、池色は澄んでいて綺麗であるか、ささやかなこと以、盃中に水を平に盛ったようなもので、到底くらべ物にはならない。

「玉山」玉山 藍田にある山の名、即ち藍田山。昔、宝玉を産出していたのでそう呼ぶ。

「曲江」曲江  唐の都長安の中心部より東南東数㎞の風光明媚なところに、曲江池という池があった。池は、「隋の長安建都の時に黄渠の水を引いて池を作り、これを曲江と呼んだ」とされる。宋代(南宋11271279)の趙彦衛が撰した『雲麓漫鈔』に記述があるが、隋はこの地に「芙蓉園」を造って離宮とした。

「汀瀅」景物形態、清澈。

 

 

我時 相思 不覺 回首 ,天門 九扇 相當開

その時、われわれは、盧給事を思うて、覚えず一度び首をめぐらせたが、九重の宮門は、左右それぞれが同じように開き、その給事は、そこに出仕して居られるのである。

「天門 九扇」大明宮には天子のもとにいく九つの門をくぐることをいう。

 

上界 真人 足官府 ,豈如散仙 鞭笞 鸞鳳 終日 相追陪

仙境、神仙は、天上のこととして尊いには相違ないが、さまざまの官府かおかれている。それより、地上の散仙として、鸞鳳に鞭ちをあて、絡日追陪して遊び戯れる方が、はるかに面白く、願わくば、給事を此に呼んで来て、共に崑明の蓮の花を観賞したいものである。

「上界」仙境、天上界。

「官府」朝廷。

「散仙」仙界からつかわされた仙人たち。

「鞭笞」鞭うつ。

「鸞鳳」伝説の動物、鸞と鳳凰。
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安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩 
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩  
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上  
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー 
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー 
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html
 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html
 Ⅰ李商隠150首

 

奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄【徽。】閣老張十八助教 韓愈(韓退之) <189>Ⅱ中唐詩804 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ3004

 

816-13    韓愈       奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄【徽。】閣老張十八助教

 

 

作者: 韓愈  816  元和十一年  49  

卷別: 卷三四二  文體: 雜言古詩 

詩題: 奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄【徽。】閣老張十八助教 

作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安

及地點: 樂遊原 (京畿道 京兆府 長安) 別名:宜春北苑、宜春北院、宜春苑、太平公主山莊、曲江、樂遊苑、樂遊園、江頭

大明宮 (京畿道 京兆府 長安) 別名:永安宮、蓬萊宮、含元殿、蓬萊殿     

昆明 (劍南道南部 嶲州 昆明)     

太白山 (京畿道 岐州 太白山) 別名:太白峰     

交遊人物: 盧汀 、錢徽 、張籍

 
 

奉酬盧給事雲夫四兄「曲江荷花行」見寄并呈上錢七兄【徽。】閣老張十八助教  #1

(盧給事から、「曲江荷花行」を寄せられたので、それに酬いためにこの詩を、それに合わせて錢徽閣老・張籍助教にこの詩を呈上する)

曲江千頃秋波淨,平鋪紅雲蓋明鏡。

曲江池は広さ一千頃、おりしも秋水もまさに漲って、浪光はなはだ浄く、おまけに、紅い蓮の花がいっぱい咲き満ちて、さながら紅雲を浮ばせたような感じで、それが鏡と見まごう水面におおわれている。

大明宮中給事歸,走馬來看立不正。 

盧給事は、大明宮より退出し、直に馬を走らし、曲江に來て、荷花を観賞し、佇立の姿勢正しからす、いろいろな風をして眺めあかした。
遺我明珠九十六,寒光映骨睡驪目。 

そこで、詩を作ったといって、「曲江荷花行」の一篇を寄せられ、全篇九十六字、一字一珠、即ち九十六明可珠を贈られたが、寒光骨に映ずるを覚えるばかり.驪龍はおのが頷下の珠を大事にして、滅多に睡らないというが、これほど多くの明珠をもらったから、目を塞いで、やすやすと睡つて居る。

我今官閒得婆娑,問言何處芙蓉多。

われはこの時、太子右良庶子に轉じで、勤務も暇である處から、遠ざけることも乗り出す出摩るか、何處が蓮の花が多くさいているのか、問いただして謂うのである。

撐舟昆明度雲錦,敲兩舷叫歌。

舟の舳先をかえて、昆明池に乗り出し雲海をわたる。足で以で両舷を叩いて音頭を取りつつ、大聾で呉歌を唄った。#2

太白山高三百里,負雪崔嵬插花裡。 

玉山前卻不復來,曲江汀瀅水平盃。 

我時相思不覺一回首,天門九扇相當開。 

上界真人足官府,豈如散仙鞭笞鸞鳳終日相追陪。 

 

(盧給事雲夫四兄、「曲江荷花行」を寄せらるる酬い奉り、見并せて錢【徽】七兄閣老・張十八助教に呈上す)

曲江 千頃【うけい】秋波淨く,平らかに紅雲を鋪【し】いて明鏡を蓋う。

大明宮中、給事歸り,馬を走らし來り看て立つこと正しからず。 

我に遺る明珠 九十六,寒光 骨に映じて驪目【りもく】睡る。 

我、今、官閒にして 婆娑たる得たり,問うて言う 何の處か 芙蓉多きと。 

舟を撐【とう】して 昆明 雲錦を度る,【あし】は兩舷【りょうげん】を【たた】いて歌を叫ぶ。

 

太白山は高し三百里,雪を負うて、崔嵬、花裡【かり】插【さしはさ】む。 

玉山 前に卻りて 復た來らず,曲江 汀瀅【ていえい】として 水 盃に平かなし。 

我 時に相い思うて 覺えず一び 首を回らす,天門 九扇 相い當って開く。

上界の真人 官府足れり,豈に如かむや 散仙の鸞鳳を鞭笞【べんち】して 終日 相い追陪するに。 

 

 

 

『奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄閣老張十八助教』 現代語訳と訳註

(本文)

奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄【徽。】閣老張十八助教  #1

曲江千頃秋波淨,平鋪紅雲蓋明鏡。

大明宮中給事歸,走馬來看立不正。 

遺我明珠九十六,寒光映骨睡驪目。 

我今官閒得婆娑,問言何處芙蓉多。

撐舟昆明度雲錦,敲兩舷叫歌。

 

 

(下し文)

(盧給事雲夫四兄、「曲江荷花行」を寄せらるる酬い奉り、見并せて錢【徽】七兄閣老・張十八助教に呈上す)

曲江 千頃【うけい】秋波淨く,平らかに紅雲を鋪【し】いて明鏡を蓋う。

大明宮中、給事歸り,馬を走らし來り看て立つこと正しからず。 

我に遺る明珠 九十六,寒光 骨に映じて驪目【りもく】睡る。 

我、今、官閒にして 婆娑たる得たり,問うて言う 何の處か 芙蓉多きと。 

舟を撐【とう】して 昆明 雲錦を度る,【あし】は兩舷【りょうげん】を【たた】いて歌を叫ぶ。 

 

(現代語訳)

(盧給事から、「曲江荷花行」を寄せられたので、それに酬いためにこの詩を、それに合わせて錢徽閣老・張籍助教にこの詩を呈上する)

曲江池は広さ一千頃、おりしも秋水もまさに漲って、浪光はなはだ浄く、おまけに、紅い蓮の花がいっぱい咲き満ちて、さながら紅雲を浮ばせたような感じで、それが鏡と見まごう水面におおわれている。

盧給事は、大明宮より退出し、直に馬を走らし、曲江に來て、荷花を観賞し、佇立の姿勢正しからす、いろいろな風をして眺めあかした。

そこで、詩を作ったといって、「曲江荷花行」の一篇を寄せられ、全篇九十六字、一字一珠、即ち九十六明可珠を贈られたが、寒光骨に映ずるを覚えるばかり.驪龍はおのが頷下の珠を大事にして、滅多に睡らないというが、これほど多くの明珠をもらったから、目を塞いで、やすやすと睡つて居る。

われはこの時、太子右良庶子に轉じで、勤務も暇である處から、遠ざけることも乗り出す出摩るか、何處が蓮の花が多くさいているのか、問いただして謂うのである。

舟の舳先をかえて、昆明池に乗り出し雲海をわたる。足で以で両舷を叩いて音頭を取りつつ、大聾で呉歌を唄った。

 

 

(訳注)

奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄【徽。】閣老張十八助教

(盧給事から、「曲江荷花行」を寄せられたので、それに酬いためにこの詩を、それに合わせて錢徽閣老・張籍助教にこの詩を呈上する)

盧給事は盧四、名は汀、宇は雲夫。銭七、名は徽。字は蔚章。閣老といへば侍郎で、今の内閣員、但し何部だか分からない。張十八は張籍、國子助教である。この詩は。盧給筝が「曲江荷花行」という詩を作つで寄せられだから.この詩を賦して酬い、且つ併せて銭徽・張籍の二君に呈すというものである。

 

 

曲江 千頃 秋波 ,平鋪 紅雲 明鏡

曲江池は広さ一千頃、おりしも秋水もまさに漲って、浪光はなはだ浄く、おまけに、紅い蓮の花がいっぱい咲き満ちて、さながら紅雲を浮ばせたような感じで、それが鏡と見まごう水面におおわれている。

「曲江」語義類別:地、地名、河湖地名(江河溪流)、曲江。

「千頃」面積單位、千頃。

「秋」秋水もまさに漲っているさま。

「波淨」浪光はなはだ浄いさま。

「平」蓮の花がいっぱい咲き満ちている。

「紅雲」、紅い蓮の花が紅雲を浮ばせたような感じになる。

「蓋」ふたをするようなさま。

「明鏡」鏡と見まごう水面。

 

 

大明宮 給事 ,走馬 來看 不正

盧給事は、大明宮より退出し、直に馬を走らし、曲江に來て、荷花を観賞し、佇立の姿勢正しからす、いろいろな風をして眺めあかした。

「大明宮」建築專名(宮室屋廬)、大明宮。唐の長安城の北東にあった宮城。三大内(だいだい)の東内。634(貞観8)に建設。662(竜朔2)に重建,蓬萊宮と改称し,705(神竜1)より旧名に復した。含元殿を正殿,丹鳳門を正門とし,含元の北に宣政殿(左右に中書,門下省)や紫宸殿などを配した。195759年に規模,城垣,宮牆,門,宮殿,池渠の遺跡分布測量調査があり,そのうち玄武,銀漢,重玄など4門,麟徳殿跡や西内苑の含光殿跡および夾城などが発掘された。

 

 

遺我 明珠 九十六 ,寒光 映骨 驪目

そこで、詩を作ったといって、「曲江荷花行」の一篇を寄せられ、全篇九十六字、一字一珠、即ち九十六明可珠を贈られたが、寒光骨に映ずるを覚えるばかり.驪龍はおのが頷下の珠を大事にして、滅多に睡らないというが、これほど多くの明珠をもらったから、目を塞いで、やすやすと睡つて居る。

「遺我」詩を作ったといって、「曲江荷花行」の一篇を寄せられたこと。

「明珠」語義類別:其他、現象、光芒、玉石。ここでは詩篇をいう。

「九十六」九十六字。

「寒光映骨」寒光骨に映ずるを覚えるばかり。

「目」自然資源、玉石、珠。驪龍はおのが頷下の珠を大事にして、滅多に睡らないというが、これほど多くの明珠をもらったから、目を塞いで、やすやすと睡つて居る。

 

 

我今 官閒 得婆娑 ,問言 何處 芙蓉

われはこの時、太子右良庶子に轉じで、勤務も暇である處から、遠ざけることも乗り出す出摩るか、何處が蓮の花が多くさいているのか、問いただして謂うのである。

「婆娑」景物形態、婆娑。

「問」語義類別:人、行為動作、言語動作、問。

「言」語義類別:人、行為動作、言語動作、言。

「何處」語義類別:地、地理、場域概稱、何處。

「芙蓉」語義類別:物、生物、植物專名(草本)、芙蓉。

「多」語義類別:物、狀態、對比狀態、多少(多)。

 

 

撐舟 昆明 雲錦 兩舷

舟の舳先をかえて、昆明池に乗り出し雲海をわたる。足で以で両舷を叩いて音頭を取りつつ、大聾で呉歌を唄った。

「撐」(1) 支える,突っかい棒をする.(2) (船で)竿(さお)さす,竿を突っ張る撑船竿で船を進める.(3) 持ちこたえる,我慢する.(4) 開く,広げる撑傘を差す.(5) いっぱいに入れる,ぎっしり詰める.。

「昆明」昆明池。昆明の南方にある湖、池(てんち)の別名。 中国、漢の武帝が、をまねて長安城の西に掘らせた池。

「度」(其他部)、度。

「雲錦」雲霧煙霞。雲海。

足で叩いて音頭を取る

歌」李白「子夜歌」。

李白『白紵辞其二

館娃日落歌吹深、月寒江清夜沉沉。

美人一笑千黃金、垂羅舞縠揚哀音。

郢中白雪且莫吟、子夜歌動君心。

動君心、冀君賞。

愿作天池雙鴛鴦、一朝飛去青雲上。

館娃宮では日が落ちて歌と笛とがいっそうたけなわ。月はつめたく長江の水清く、夜はしんしんとふけてゆく。

美人のほほえみには千の黄金も惜しくない。うすぎぬを垂らし、ちぢみの絹でかざって舞いおどり、かなしそうに、せつなそうに、声をあげる。

郢の白雪というような他国の高尚な歌は、今は場違いだから唄ってはいけない。この国の民謡である子夜の呉歌で君の心を動かそう。(この歌で君の心つかめるか)

君の心を動かして、君から誉めてもらって承諾をもらおう。

願わくは御苑の池のつがいのおしどりのように、やがては青雲の上に飛んで行く心地になろう。

李白81白紵辭其一  82白紵辭其二  83 巴女詞

子夜呉歌 其一 春

秦地羅敷女、採桑緑水辺。

素手青条上、紅粧白日鮮。

蚕飢妾欲去、五馬莫留連。

子夜呉歌其二 夏

鏡湖三百里、函萏発荷花。    

五月西施採、人看隘若耶。    

囘舟不待月、帰去越王家。

子夜呉歌其三 秋

長安一片月、万戸擣衣声。

秋風吹不尽、総是玉関情。

何日平胡虜、良人罷遠征。

子夜呉歌其四 冬

明朝駅使発、一夜絮征袍。

素手抽針冷、那堪把剪刀。

裁縫寄遠道、幾日到臨洮。

李白22 子夜呉歌 春と夏

李白24 子夜呉歌其三 秋 と25 冬

五言律詩 題張十八所居【案:籍。】 韓愈(韓退之) <188>Ⅱ中唐詩803 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2999

韓愈《題張十八所居》張籍君の現在の立場を題した詩) われわれは新しく勢いのある語句を常に問われている。君は我々のために六書の講釈をしてくれるありがたい存在であるのだ。

 

2013年9月24日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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謝靈運詩 
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー 
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー 
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孟浩然の詩 
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 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html
 Ⅰ李商隠150首

 

五言律詩 題張十八所居【案:籍。】 韓愈(韓退之) <188>Ⅱ中唐詩803 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2999    

 

 

作者: 韓愈  元和十一年  816  49

卷別: 卷三四二  文體: 五言律詩 

詩題: 題張十八所居【案:籍。】 

作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安

及地點:  張十八所居 (京畿道 京兆府 長安)     

交遊人物: 張籍

 

 

題張十八所居

(張籍君の現在の立場を題した詩)

君居泥溝上,溝濁萍青青。

張君は泥溝運河のほとりに住んでいる。運河の水は濁っているが域浮草は青々と茂っている。

蛙讙橋未掃,蟬嘒門長扃。

門前の橋は掃除もしないで人も通らないので橋の下で蛙がやかましく鳴いている。門が閉じられたままで家の周囲の木々に留まっている蝉が鳴いている。

名秩後千品,詩文齊六經。

君は優秀な才学がありながら、冠位としては決して高くはなく種々の階級の人にも後れを取っている。詩文は六經に基づいて整えている。

端來問奇字,為我講聲形。

われわれは新しく勢いのある語句を常に問われている。君は我々のために六書の講釈をしてくれるありがたい存在であるのだ。

 

(張十八の居る所に題す)

君は泥溝の上に居る,溝 濁って 萍 青青たり。

蛙は讙【かまびす】しくして、橋 未だ掃らず,蟬は嘒【な】いて 門 長く扃【と】づ。

名秩 千品に後【おく】れ,詩文 六經【ろくけい】を齊【とと】のう。

端【まさ】に來って奇字を問えば,我が為に聲形を講ず。 

4岳陽樓詩人003 

 

『題張十八所居』 現代語訳と訳註

(本文)

題張十八所居

君居泥溝上,溝濁萍青青。

蛙讙橋未掃,蟬嘒門長扃。

名秩後千品,詩文齊六經。

端來問奇字,為我講聲形。

 

 

(下し文)

(張十八の居る所に題す)

君は泥溝の上に居る,溝 濁って 萍 青青たり。

蛙は讙【かまびす】しくして、橋 未だ掃らず,蟬は嘒【な】いて 門 長く扃【と】づ。

名秩 千品に後【おく】れ,詩文 六經【ろくけい】を齊【とと】のう。

端【まさ】に來って奇字を問えば,我が為に聲形を講ず。 

 

 

(現代語訳)

(張籍君の現在の立場を題した詩)

張君は泥溝運河のほとりに住んでいる。運河の水は濁っているが域浮草は青々と茂っている。

門前の橋は掃除もしないで人も通らないので橋の下で蛙がやかましく鳴いている。門が閉じられたままで家の周囲の木々に留まっている蝉が鳴いている。

君は優秀な才学がありながら、冠位としては決して高くはなく種々の階級の人にも後れを取っている。詩文は六經に基づいて整えている。

われわれは新しく勢いのある語句を常に問われている。君は我々のために六書の講釈をしてくれるありがたい存在であるのだ。

 

 

(訳注)

題張十八所居

(張籍君の現在の立場を題した詩)

張籍 中唐の詩人。字は文昌。和州烏江(安徽省)あるいは東郡(河南省)の人といわれる。貞元15(799)の進士で国子司業などをつとめる。韓愈の門下のひとり。とりわけ楽府(がふ)に長じ,僚友の王建の作とともに〈張王楽府〉と並称される。官僚としては不遇だった彼には〈征婦怨〉や〈築城詞〉など民衆の苦痛を訴え,為政者を批判する作品が多く,その点杜甫,元結の詩風を受け継ぎ,同時代の大詩人で友人でもあった白居易が絶賛している。

 

君居泥溝上,溝濁萍青青。

張君は長安の西の場末、泥溝運河のほとりに住んでいる。運河の水は濁っているが浮草は青々と茂っている。

・泥溝 泥溝運河。そういう地形の所であろう。あるいは地名であろう.

 

蛙讙橋未掃,蟬嘒門長扃。

門前の橋は掃除もしないで人も通らないので橋の下で蛙がやかましく鳴いている。門が閉じられたままで家の周囲の木々に留まっている蝉が鳴いている。

・讙 かまびすしい。

・橋 門前の橋。

・嘒 蝉が鳴く。

・萍青青 浮草は青々と茂っていること。

 

名秩後千品,詩文齊六經。

君は優秀な才学がありながら、冠位としては決して高くはなく種々の階級の人にも後れを取っている。詩文は六經に基づいて整えている。

・名秩 冠位、官名秩序。

・千品 種々の階級。

・齊六經 六經に基づいて整える。

 

端來問奇字,為我講聲形。

われわれは新しく勢いのある語句を常に問われている。君は我々のために六書の講釈をしてくれるありがたい存在であるのだ。

・問奇字 詩人にとって新しい語句を創造することが求められている。新鮮な語句、造語が問われている。

・講聲形 六書の講釈をしてくれること。

五言律詩 晚寄張十八助教周郎博士 韓愈(韓退之) <187>Ⅱ中唐詩802 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2994

韓愈《晚寄張十八助教周郎博士》 日の色が次第に薄くなって、今日も暮れようとしている。夕べの景色は、物とはなしに曠闊に見える。わたしは、ちょっとの間、散歩して歸宅する。そして、家の前側の簷の下に偃臥して居る。

 

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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 
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五言律詩 晚寄張十八助教周郎博士 韓愈(韓退之) <187>Ⅱ中唐詩802 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2994

 

作者: 韓愈  816  元和十一年49

卷別: 卷三四二  文體: 五言律詩 

詩題: 晚寄張十八助教周郎博士

〔張籍、周況也。況,愈之從婿。〕 

作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安

交遊人物: 張籍

 

 

晚寄張十八助教周郎博士

(晩方、張籍、周況の博士に寄せる詩)

日薄風景曠,出歸偃前簷。 

日の色が次第に薄くなって、今日も暮れようとしている。夕べの景色は、物とはなしに曠闊に見える。わたしは、ちょっとの間、散歩して歸宅する。そして、家の前側の簷の下に偃臥して居る。

晴雲如擘絮,新月似磨鐮。 

先刻見ていた野の景色はどうかというに、晴れた空に白雲が、さながら綿をちぎつたようであるし、ゆうぐれのそらには新月が、それが恰も鎌を磨いだようなのである。

田野興偶動,衣冠情久厭。 

このような晩方の景色を見て、詩を吟ずる興がたまたま動いたが、これにつけても。衣冠を身につけて、官途において昇沈することは、心から、すでに厭きはてて仕舞った。

吾生可攜手,歎息將淹。 

われは、君等二人で手を携えて、塵外に逍遥したいと思って居るが、歳月頻りに移り、しかも意の如くならず、元の通りぐずぐずして居るのは、まことに嘆息に堪えぬ次第である。 

(晚に張十八助教・周郎博士に寄す。)

日薄くして風景曠く,出でて歸って前簷【ぜんえん】に偃【ふ】す。 

晴雲 絮【じょ】を擘【つな】ぐが如く,新月 鐮を磨く似にたり。 

田野 興 偶【たまた】ま動き,衣冠 情 久しく厭【あ】ぐ。 

吾が生 手を攜う可き,歎息  將に淹せむとするを。 

 

蛺蝶02 

『晚寄張十八助教周郎博士』 現代語訳と訳註

(本文)

晚寄張十八助教周郎博士

日薄風景曠,出歸偃前簷。 

晴雲如擘絮,新月似磨鐮。 

田野興偶動,衣冠情久厭。 

吾生可攜手,歎息將淹。 

 

 

(下し文)

(晚に張十八助教・周郎博士に寄す。)

日薄くして風景曠く,出でて歸って前簷【ぜんえん】に偃【ふ】す。 

晴雲 絮【じょ】を擘【つな】ぐが如く,新月 鐮を磨く似にたり。 

田野 興 偶【たまた】ま動き,衣冠 情 久しく厭【あ】ぐ。 

吾が生 手を攜う可き,歎息  將に淹せむとするを。

 

 

(現代語訳)

(晩方、張籍、周況の博士に寄せる詩)

日の色が次第に薄くなって、今日も暮れようとしている。夕べの景色は、物とはなしに曠闊に見える。わたしは、ちょっとの間、散歩して歸宅する。そして、家の前側の簷の下に偃臥して居る。

先刻見ていた野の景色はどうかというに、晴れた空に白雲が、さながら綿をちぎつたようであるし、ゆうぐれのそらには新月が、それが恰も鎌を磨いだようなのである。

このような晩方の景色を見て、詩を吟ずる興がたまたま動いたが、これにつけても。衣冠を身につけて、官途において昇沈することは、心から、すでに厭きはてて仕舞った。

われは、君等二人で手を携えて、塵外に逍遥したいと思って居るが、歳月頻りに移り、しかも意の如くならず、元の通りぐずぐずして居るのは、まことに嘆息に堪えぬ次第である。

 

 

(訳注)

晚寄張十八助教周郎博士

(晩方、張籍、周況の博士に寄せる詩)

この詩は、或日の暮に、賦して張・周二人に寄せたので.原注に「張籍、周況也。況,愈之從婿。」(張籍・周況なり、況や愈のいとこの娘婿)とある。

二人とも國子四門學の教官であった。

この詩は816 元和十一年49である。

 

 

日薄 風景 ,出歸 前簷

日の色が次第に薄くなって、今日も暮れようとしている。夕べの景色は、物とはなしに曠闊に見える。わたしは、ちょっとの間、散歩して歸宅する。そして、家の前側の簷の下に偃臥して居る。

「日薄」黃昏時。

「曠」曠闊。

「偃」1 風になびく。2 ひれ伏す。平伏する。付き従う。

「簷」ひさし. 1 屋根の下端で、建物の壁面より外に突出している部分。2 (ひさし)。軒の玉水軒先から落ちる雨垂れ。

 

 

晴雲 如擘絮 ,新月 似磨鐮

先刻見ていた野の景色はどうかというに、晴れた空に白雲が、さながら綿をちぎつたようであるし、ゆうぐれのそらには新月が、それが恰も鎌を磨いだようなのである。

「絮」柳絮。

「新月」月はじめの月。三日月の前。

「磨」新月が鎌のようなので研ぐ、磨くという。。

「鐮」語義類別:物、器物、工具用品(農牧漁獵工)、鐮。

 

 

田野 偶動 ,衣冠 久厭

このような晩方の景色を見て、詩を吟ずる興がたまたま動いたが、これにつけても。衣冠を身につけて、官途において昇沈することは、心から、すでに厭きはてて仕舞った。

「興」興がわく。

「衣冠」絲帛服飾(合稱)、衣冠。官途に就くこと。

 

 

吾生 可攜手 ,歎息 將淹

われは、君等二人で手を携えて、塵外に逍遥したいと思って居るが、歳月頻りに移り、しかも意の如くならず、元の通りぐずぐずして居るのは、まことに嘆息に堪えぬ次第である。

 

 

詩文(含異文)

日薄風景曠【日落風景曠】,出歸偃前簷。

晴雲如擘絮,新月似磨鐮。

田野興偶動,衣冠情久厭。

吾生可攜手,歎息將淹。

(晚に張十八助教・周郎博士に寄す。)

日薄くして風景曠く,出でて歸って前簷【ぜんえん】に偃【ふ】す。 

晴雲 絮【じょ】を擘【つな】ぐが如く,新月 鐮を磨く似にたり。 

田野 興 偶【たまた】ま動き,衣冠 情 久しく厭【あ】ぐ。 

吾が生 手を攜う可き,歎息  將に淹せむとするを。
くちなしの花 

五言古詩《送張道士》 韓愈(韓退之) <188-#6>Ⅱ中唐詩808 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ3024

韓愈《送張道士》 上書がとりあげられるわけはないので、お上の御用があるというわけでもない。だから、しばらく帰って家の採りいれの用をするつもりだ。」と。

 

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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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孟浩然の詩
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孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人
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孟郊詩
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李商隠詩
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送張道士幷序 #1

張道士。嵩高之隠者。通古今學。有文武長材。

張道士は、濡高山に住む隠者で、古今の学問に精通し、文武の両道にすぐれた人材である。

寄跡老子法中。爲道士。以養其親。九年。

老子の法に身をゆだね、道士となり、九年間、その親族を養ってきた。

聞朝廷將治東方貢賦之不如法者。三猷書不報。

ちかごろ朝廷で、法則通りに税金などを上納しない東方の潘鎮を処分される計画がある、と聞き、三たび上書して、この問題の処理法を具陳したけれども、お取り上げにはならなかった。

長揖而去。京師士大夫多爲詩以贈。而屬愈爲序。

詩日。

そこでみきりをつけて、帰ることにした。長安の紳士たちは、詩をつくってこれに贈るものが多く、あたくし韓愈がその序文をつくることになった。その詩で次のように言う。

 

送張道士 #2

大匠無棄材,尋尺各有施。 

すぐれた大工の棟梁というものは棄てる材木などだしはし無いのだ。一尋であれ一尺であれ、それぞれに使いどころがあるものだ。

況當營都邑,杞梓用不疑。 

まして、都の街並みを造営するにあたっては、器物を作るに用いる良材といわれるオオチもアズサもよい棟梁に用いられること疑いない。

張侯嵩高來,面有熊豹姿。 

張君は嵩山からやって来たのである、そのため、熊か豹かというような面構えだ。

開口論利害,劍鋒白差差。 

そして口を開いて政策の良し悪し得失を論じると、論調が剣のキッ先が白い剣の切つ尖のように鋭いのだ。

#3

恨無一尺捶,為國笞羌夷。 

残念ながら打つべき一尺のむちもなく、わずかばかりの権力をもつ地位がないので、国家のために羌夷の異民族どもを鞭うつこともできないのだ。

詣闕三上書,臣非黃冠師。 

朝廷にもうでて三たびたてまつった上奏書にいわく

「家臣たる者で、もとより黄なる冠いただく道士の身にあらず」

臣有膽與氣,不忍死茅茨。 

「家臣たる者で、肝もすわり、やる気、向かう気は十分あり、このまま隠者の家に世話になるままで一生を終わるわけにはいかないのです。」
又不媚笑語,不能伴兒嬉。 

「そして 人の冗談に調子合わせ、こびることなどしないし、子供じみたるたわむれのお相手をすることなどするわけもないことです。」

#4

乃著道士服,眾人莫臣知。 

それで、よんどころなく道士の服をつけたわけですけれど、それが衆人の家臣でありたいわたしの心をさとる者がいないのである。

臣有平賊策,狂童不難治。 

わたしには、賊を平げる秘策をもっています。気の狂ったという小僧たちといっても治めるのは難からず。

其言簡且要,陛下幸聽之。 

そうはいっても、それが簡単なことで、かつそれを要求するので、陛下、このような幸いにあずかって、このうえはどうぞこれをお聴ききください。」と。

天空日月高,下照理不遺。 

そしていう「天子は心をむなしくし、日月と共に高くす。それで、下々を照したもうて、あますところ無くことわりを遣わされなくてもよいのです。
或是章奏繁,裁擇未及斯。 

あるいは奏上のあまりに繁多なるがゆえにあきらかにし、決裁選択はいまだここまで及んでいることはないのです。
 

張道士を送る #2

大匠に棄材無し,尋尺も各の施す有り。 

況んや都邑を營むに當って,杞梓【きじ】用いられんことを疑わず。 

張侯は嵩高より來り,面に熊豹【ゆうひょう】の姿有り。 

口を開いて利害を論ずれば,劍鋒 白くして差差たり。 

#3

恨むらくは一尺の捶【すき】の,國の為に羌夷【きょうい】笞【むちう】つ無し。 

闕に詣【いた】って三たび上書す,臣は黃冠の師に非ず。 

臣に膽と氣と有り,茅茨【ばくじ】に死するに忍びず。 

又た笑語に媚びず,兒嬉に伴う能わず。 

#4

乃ち道士の服を著く,眾人 臣を知る莫し。 

臣に賊を平らぐる策有り,狂童 治め難からず。 

其の言 簡にして要,陛下 幸に「之を聽け」と。 

天は空しくして日月高し,下に照して理遺【のこ】さず。 

或いは是れ章奏【しょうそう】繁くして,裁擇【さいたく】未だ斯【ここ】に及ばざるならん。 

美女004美女004

 

 

 

#5

寧當不俟報,歸袖風披披。 

どうしてそんなにお返事も下さらぬうちに、はたはたと帰り支度の風を起こされるのか。」

答我事不爾,吾親屬吾思。 

わたしに答えていう「そういうことではないのだが、わたしの親がわたしのことを頼りにしていて、帰りを心配しているのです。

昨宵夢倚門,手取連環持。 

きのうの夜も 夢の中にあらわれ、門に倚りかかってたっていたのです。無事帰るおまじないの円い輪を手にもっていたのです。

今日有書至,又言歸何時。 

今日になって、手紙が届いたのですが、そこにもやっぱり書いてあるのが「何時になったら帰るのか」ということ。

霜天熟柿栗,收拾不可遲。

そして、「霜がつづいて 柿も粟も熟したゆえ、とりいれが遅うなってもなるまい」と。

#6 

嶺北梁可構,寒魚下清伊。 

嵩高連峯の北山にそろそろ梁をかけるべきである。冬の絞まった魚が伊水の清い流れを下りはじめた。

既非公家用,且復還其私。 

上書がとりあげられるわけはないので、お上の御用があるというわけでもない。だから、しばらく帰って家の採りいれの用をするつもりだ。」と。

從容進退間,無一不合宜。 

出処進退については、素直であるということにしているし、一も無ければそれで合致することもないでもそれでよろしいというものである。

時有利不利,雖賢欲奚為。 

時には利があり、時には不利があるというもの、賢者といわれる人であってもこの状態というのは、やりようがないというものだ。

但當勵前操,富貴非公誰。 

ただ、これまでつとめて節操をまもっていることは励まされることであるし、富貴と地位というものはお上の仕事というものではあろうはずもない、それなら君ならぬ誰ということであろうか。

 

#5

「寧【なん】ぞ當【まさに】報を俟【ま】たずして,歸袖【きしゅう】の風 披披【ひひ】たらましむか」 と。 

我に答え 「事 爾【しか】らず,吾が親 吾に思いを屬す。 

昨宵【さくしょう】夢に門に倚り,手に連環を取り持す。 

今日 書に至る有,又た言う 歸るは 何時ぞ。 

霜天 柿栗【しりつ】を熟し,收拾 遲れるべからず。

#6 

嶺北 梁 構う可く,寒魚 清伊を下らむとす。」と。 

「既に公家の用に非ず,且【しばら】く復た其の私に還らん。」と。 

從容たり進退の間,一として不宜しきに合わざる無し。 

時に利と不利と有り,賢と雖も奚為【いかんせん】と欲する。 

但だ當に前の操を勵【はげま】すべし,富貴 公に非ずしては誰ぞ。  

 

 

『送張道士』 現代語訳と訳註

(本文)#6 

嶺北梁可構,寒魚下清伊。 

既非公家用,且復還其私。 

從容進退間,無一不合宜。 

時有利不利,雖賢欲奚為。 

但當勵前操,富貴非公誰。 

 

 

(下し文) #6 

嶺北 梁 構う可く,寒魚 清伊を下らむとす。」と。 

「既に公家の用に非ず,且【しばら】く復た其の私に還らん。」と。 

從容たり進退の間,一として不宜しきに合わざる無し。 

時に利と不利と有り,賢と雖も奚為【いかんせん】と欲する。 

但だ當に前の操を勵【はげま】すべし,富貴 公に非ずしては誰ぞ。 

 

 

(現代語訳)

嵩高連峯の北山にそろそろ梁をかけるべきである。冬の絞まった魚が伊水の清い流れを下りはじめた。

上書がとりあげられるわけはないので、お上の御用があるというわけでもない。だから、しばらく帰って家の採りいれの用をするつもりだ。」と。

出処進退については、素直であるということにしているし、一も無ければそれで合致することもないでもそれでよろしいというものである。

時には利があり、時には不利があるというもの、賢者といわれる人であってもこの状態というのは、やりようがないというものだ。

ただ、これまでつとめて節操をまもっていることは励まされることであるし、富貴と地位というものはお上の仕事というものではあろうはずもない、それなら君ならぬ誰ということであろうか。

 

 

(訳注) #6 

嶺北梁可構,寒魚下清伊。 

嵩高連峯の北山にそろそろ梁をかけるべきである。冬の絞まった魚が伊水の清い流れを下りはじめた。

・嶺北 張道士のすんでいたのは嵩高連峯の中の少室山であったから、この嶺北は、少室山の北側を流れる川である。

・清伊 清らかな伊水の流れ。

 

 

既非公家用,且復還其私。 

上書がとりあげられるわけはないので、お上の御用があるというわけでもない。だから、しばらく帰って家の採りいれの用をするつもりだ。」と。

・既非公家用 いまここに滞在するのもすでにお上の御用のためではない。上書がとりあげられた上でならば、お上の御用といえるが、まだとりあげられていないのだから、私用の域を出ないわけである。

 

 

從容進退間,無一不合宜。 

出処進退については、素直であるということにしているし、一も無ければそれで合致することもないでもそれでよろしいというものである。

 

 

時有利不利,雖賢欲奚為。 

時には利があり、時には不利があるというもの、賢者といわれる人であってもこの状態というのは、やりようがないというものだ。

 

 

但當勵前操,富貴非公誰。 

ただ、これまでつとめて節操をまもっていることは励まされることであるし、富貴と地位というものはお上の仕事というものではあろうはずもない、それなら君ならぬ誰ということであろうか。

・前操 前からもっていたような節操。
nat0010 

送張道士 韓愈(韓退之) <188-#5>Ⅱ中唐詩807 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ3019

韓愈《送張道士》 今日になって、手紙が届いたのですが、そこにもやっぱり書いてあるのが「何時になったら帰るのか」ということ。そして、「霜がつづいて 柿も粟も熟したゆえ、とりいれが遅うなってもなるまい」と。

 

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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
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#5

寧當不俟報,歸袖風披披。 

どうしてそんなにお返事も下さらぬうちに、はたはたと帰り支度の風を起こされるのか。」

答我事不爾,吾親屬吾思。 

わたしに答えていう「そういうことではないのだが、わたしの親がわたしのことを頼りにしていて、帰りを心配しているのです。

昨宵夢倚門,手取連環持。 

きのうの夜も 夢の中にあらわれ、門に倚りかかってたっていたのです。無事帰るおまじないの円い輪を手にもっていたのです。

今日有書至,又言歸何時。 

今日になって、手紙が届いたのですが、そこにもやっぱり書いてあるのが「何時になったら帰るのか」ということ。

霜天熟柿栗,收拾不可遲。

そして、「霜がつづいて 柿も粟も熟したゆえ、とりいれが遅うなってもなるまい」と。

#6 

嶺北梁可構,寒魚下清伊。 

既非公家用,且復還其私。 

從容進退間,無一不合宜。 

時有利不利,雖賢欲奚為。 

但當勵前操,富貴非公誰。 

 

#5

「寧【なん】ぞ當【まさに】報を俟【ま】たずして,歸袖【きしゅう】の風 披披【ひひ】たらましむか」 と。 

我に答え 「事 爾【しか】らず,吾が親 吾に思いを屬す。 

昨宵【さくしょう】夢に門に倚り,手に連環を取り持す。 

今日 書に至る有,又た言う 歸るは 何時ぞ。 

霜天 柿栗【しりつ】を熟し,收拾 遲れるべからず。

#6 

嶺北 梁 構う可く,寒魚 清伊を下らむとす。」と。 

「既に公家の用に非ず,且【しばら】く復た其の私に還らん。」と。 

從容たり進退の間,一として不宜しきに合わざる無し。 

時に利と不利と有り,賢と雖も奚為【いかんせん】と欲する。 

但だ當に前の操を勵【はげま】すべし,富貴 公に非ずしては誰ぞ。 

 aki010

 

『送張道士』 現代語訳と訳註

(本文) #5

寧當不俟報,歸袖風披披。 

答我事不爾,吾親屬吾思。 

昨宵夢倚門,手取連環持。 

今日有書至,又言歸何時。 

霜天熟柿栗,收拾不可遲。

 

 

(下し文) #5

「寧【なん】ぞ當【まさに】報を俟【ま】たずして,歸袖【きしゅう】の風 披披【ひひ】たらましむか」 と。 

我に答え 「事 爾【しか】らず,吾が親 吾に思いを屬す。 

昨宵【さくしょう】夢に門に倚り,手に連環を取り持す。 

今日 書に至る有,又た言う 歸るは 何時ぞ。 

霜天 柿栗【しりつ】を熟し,收拾 遲れるべからず。

 

 

(現代語訳)

どうしてそんなにお返事も下さらぬうちに、はたはたと帰り支度の風を起こされるのか。」

わたしに答えていう「そういうことではないのだが、わたしの親がわたしのことを頼りにしていて、帰りを心配しているのです。

きのうの夜も 夢の中にあらわれ、門に倚りかかってたっていたのです。無事帰るおまじないの円い輪を手にもっていたのです。

今日になって、手紙が届いたのですが、そこにもやっぱり書いてあるのが「何時になったら帰るのか」ということ。

そして、「霜がつづいて 柿も粟も熟したゆえ、とりいれが遅うなってもなるまい」と。

 

 

(訳注)#5

yamanoki04寧當不俟報,歸袖風披披。 

どうしてそんなにお返事も下さらぬうちに、はたはたと帰り支度の風を起こされるのか。」

・披披 擬音語で、はたはた、ひらひら、というほどの意。

 

 

答我事不爾,吾親屬吾思。 

わたしに答えていう「そういうことではないのだが、わたしの親がわたしのことを頼りにしていて、帰りを心配しているのです。

・我事不爾 わたしが故郷に帰ろうとするのは、それ、すなわち上書がまだ採用されないこと、が理由なのではない。

・吾親 わたしの罰。親をさすことによって他の親族をもこめていうのである。

・属吾思 わたしに思いをかけている。私を頼りにしていること。

 

 

昨宵夢倚門,手取連環持。 

きのうの夜も 夢の中にあらわれ、門に倚りかかってたっていたのです。無事帰るおまじないの円い輪を手にもっていたのです。

・夢倚門 夢の中にあらわれ、門に倚りかかってたっていた。夢にあらわれるのはたがいに思いあっているからだという、あるいは自分のことを思ってくれているはずであるということ考え方は、唐代では特にあらわであったものであり、中国人的考え方である。

・手取連環持 手に円い輪をもっていた。連環は輪だが、環の物は必ず戻るということ、柳の枝を折って輪にするのもこのことを示す。

 

今日有書至,又言歸何時。 

今日になって、手紙が届いたのですが、そこにもやっぱり書いてあるのが「何時になったら帰るのか」ということ。

 

 

霜天熟柿栗,收拾不可遲。

そして、「霜がつづいて 柿も粟も熟したゆえ、とりいれが遅うなってもなるまい」と。

・収拾不可遅 とりいれがおそくなってはいけない。張道士は道士として、自然との一体感としての仕事として霜が、柿や栗を甘くした。そして放置すると腐らせるの。そのバロメーターが霜の量であったということ。唐代の民間知識人の経済生活を察知する、これは一つの資料ともなるであろう。
 

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韓愈送張道士》#4 それで、よんどころなく道士の服をつけたわけですけれど、それが衆人の家臣でありたいわたしの心をさとる者がいないのである。

 

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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

送張道士 韓愈(韓退之) <188-#4>Ⅱ中唐詩806 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ3014

 

 

送張道士幷序 #1

張道士。嵩高之隠者。通古今學。有文武長材。

張道士は、濡高山に住む隠者で、古今の学問に精通し、文武の両道にすぐれた人材である。

寄跡老子法中。爲道士。以養其親。九年。

老子の法に身をゆだね、道士となり、九年間、その親族を養ってきた。

聞朝廷將治東方貢賦之不如法者。三猷書不報。

ちかごろ朝廷で、法則通りに税金などを上納しない東方の潘鎮を処分される計画がある、と聞き、三たび上書して、この問題の処理法を具陳したけれども、お取り上げにはならなかった。

長揖而去。京師士大夫多爲詩以贈。而屬愈爲序。

詩日。

そこでみきりをつけて、帰ることにした。長安の紳士たちは、詩をつくってこれに贈るものが多く、あたくし韓愈がその序文をつくることになった。その詩で次のように言う。

 

送張道士 #2

大匠無棄材,尋尺各有施。 

すぐれた大工の棟梁というものは棄てる材木などだしはし無いのだ。一尋であれ一尺であれ、それぞれに使いどころがあるものだ。

況當營都邑,杞梓用不疑。 

まして、都の街並みを造営するにあたっては、器物を作るに用いる良材といわれるオオチもアズサもよい棟梁に用いられること疑いない。

張侯嵩高來,面有熊豹姿。 

張君は嵩山からやって来たのである、そのため、熊か豹かというような面構えだ。

開口論利害,劍鋒白差差。 

そして口を開いて政策の良し悪し得失を論じると、論調が剣のキッ先が白い剣の切つ尖のように鋭いのだ。

#3

恨無一尺捶,為國笞羌夷。 

残念ながら打つべき一尺のむちもなく、わずかばかりの権力をもつ地位がないので、国家のために羌夷の異民族どもを鞭うつこともできないのだ。

詣闕三上書,臣非黃冠師。 

朝廷にもうでて三たびたてまつった上奏書にいわく

「家臣たる者で、もとより黄なる冠いただく道士の身にあらず」

臣有膽與氣,不忍死茅茨。 

「家臣たる者で、肝もすわり、やる気、向かう気は十分あり、このまま隠者の家に世話になるままで一生を終わるわけにはいかないのです。」
又不媚笑語,不能伴兒嬉。 

「そして 人の冗談に調子合わせ、こびることなどしないし、子供じみたるたわむれのお相手をすることなどするわけもないことです。」

#4

乃著道士服,眾人莫臣知。 

それで、よんどころなく道士の服をつけたわけですけれど、それが衆人の家臣でありたいわたしの心をさとる者がいないのである。

臣有平賊策,狂童不難治。 

わたしには、賊を平げる秘策をもっています。気の狂ったという小僧たちといっても治めるのは難からず。

其言簡且要,陛下幸聽之。 

そうはいっても、それが簡単なことで、かつそれを要求するので、陛下、このような幸いにあずかって、このうえはどうぞこれをお聴ききください。」と。

天空日月高,下照理不遺。 

そしていう「天子は心をむなしくし、日月と共に高くす。それで、下々を照したもうて、あますところ無くことわりを遣わされなくてもよいのです。
或是章奏繁,裁擇未及斯。 

あるいは奏上のあまりに繁多なるがゆえにあきらかにし、決裁選択はいまだここまで及んでいることはないのです。
 

張道士を送る #2

大匠に棄材無し,尋尺も各の施す有り。 

況んや都邑を營むに當って,杞梓【きじ】用いられんことを疑わず。 

張侯は嵩高より來り,面に熊豹【ゆうひょう】の姿有り。 

口を開いて利害を論ずれば,劍鋒 白くして差差たり。 

#3

恨むらくは一尺の捶【すき】の,國の為に羌夷【きょうい】笞【むちう】つ無し。 

闕に詣【いた】って三たび上書す,臣は黃冠の師に非ず。 

臣に膽と氣と有り,茅茨【ばくじ】に死するに忍びず。 

又た笑語に媚びず,兒嬉に伴う能わず。 

#4

乃ち道士の服を著く,眾人 臣を知る莫し。 

臣に賊を平らぐる策有り,狂童 治め難からず。 

其の言 簡にして要,陛下 幸に「之を聽け」と。 

天は空しくして日月高し,下に照して理遺【のこ】さず。 

或いは是れ章奏【しょうそう】繁くして,裁擇【さいたく】未だ斯【ここ】に及ばざるならん。 

美女004美女004

 

『送張道士』 現代語訳と訳註

(本文) #4

乃著道士服,眾人莫臣知。 

臣有平賊策,狂童不難治。 

其言簡且要,陛下幸聽之。 

天空日月高,下照理不遺。 

或是章奏繁,裁擇未及斯。 

 

 

(下し文) #4

乃ち道士の服を著く,眾人 臣を知る莫し。 

臣に賊を平らぐる策有り,狂童 治め難からず。 

其の言 簡にして要,陛下 幸に「之を聽け」と。 

天は空しくして日月高し,下に照して理遺【のこ】さず。 

或いは是れ章奏【しょうそう】繁くして,裁擇【さいたく】未だ斯【ここ】に及ばざるならん。 

 

 

(現代語訳)

それで、よんどころなく道士の服をつけたわけですけれど、それが衆人の家臣でありたいわたしの心をさとる者がいないのである。

わたしには、賊を平げる秘策をもっています。気の狂ったという小僧たちといっても治めるのは難からず。

そうはいっても、それが簡単なことで、かつそれを要求するので、陛下、このような幸いにあずかって、このうえはどうぞこれをお聴ききください。」と。

そしていう「天子は心をむなしくし、日月と共に高くす。それで、下々を照したもうて、あますところ無くことわりを遣わされなくてもよいのです。 

あるいは奏上のあまりに繁多なるがゆえにあきらかにし、決裁選択はいまだここまで及んでいることはないのです。
 

(訳注)#4

乃著道士服,眾人莫臣知。 

それで、よんどころなく道士の服をつけたわけですけれど、それが衆人の家臣でありたいわたしの心をさとる者がいないのである。

 

 

臣有平賊策,狂童不難治。 

わたしには、賊を平げる秘策をもっています。気の狂ったという小僧たちといっても治めるのは難からず。

・平賊策 賊軍を平定するための策略、戦略。元和九年閏八月、彰義節度使の呉少陽が死んだ。そのおいの呉元濟は少陽の死をかくして、そのまま少陽にかわって軍務をとり、九月に入って朝廷から呉少陽弔問の任を出したが、元濟はこれを迎えず叛乱した。ここでいう平賊という賊、次の句の狂童は、呉元済をさすものと考えてよいであろう。

 

其言簡且要,陛下幸聽之。 

そうはいっても、それが簡単なことで、かつそれを要求するので、陛下、このような幸いにあずかって、このうえはどうぞこれをお聴ききください。」と。

 

 

天空日月高,下照理不遺。 

そしていう「天子は心をむなしくし、日月と共に高くす。それで、下々を照したもうて、あますところ無くことわりを遣わされなくてもよいのです。

・下照理不通 天子の聡明は地上をてらして、一切をおさめて、とりのこされることなどはない。

 

或是章奏繁,裁擇未及斯。 

あるいは奏上のあまりに繁多なるがゆえにあきらかにし、決裁選択はいまだここまで及んでいることはないのです。

・或是章奏繁 にもかかわらず張道士の上書がとりあげられないのは、あるいは、これは、臣下や民間から天子に奏上するしょろ書類が多すぎるためではなかろうか。

・裁択 選択し裁下する。
終南山03 

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韓愈《送張道士》#3 残念ながら打つべき一尺のむちもなく、わずかばかりの権力をもつ地位がないので、国家のために羌夷の異民族どもを鞭うつこともできないのだ。

 

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『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304
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安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

送張道士 韓愈(韓退之) <188-#3>Ⅱ中唐詩805 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ3009

 

 

送張道士幷序 #1

張道士。嵩高之隠者。通古今學。有文武長材。

張道士は、濡高山に住む隠者で、古今の学問に精通し、文武の両道にすぐれた人材である。

寄跡老子法中。爲道士。以養其親。九年。

老子の法に身をゆだね、道士となり、九年間、その親族を養ってきた。

聞朝廷將治東方貢賦之不如法者。三猷書不報。

ちかごろ朝廷で、法則通りに税金などを上納しない東方の潘鎮を処分される計画がある、と聞き、三たび上書して、この問題の処理法を具陳したけれども、お取り上げにはならなかった。

長揖而去。京師士大夫多爲詩以贈。而屬愈爲序。

詩日。

そこでみきりをつけて、帰ることにした。長安の紳士たちは、詩をつくってこれに贈るものが多く、あたくし韓愈がその序文をつくることになった。その詩で次のように言う。

 

送張道士 #2

大匠無棄材,尋尺各有施。 

すぐれた大工の棟梁というものは棄てる材木などだしはし無いのだ。一尋であれ一尺であれ、それぞれに使いどころがあるものだ。

況當營都邑,杞梓用不疑。 

まして、都の街並みを造営するにあたっては、器物を作るに用いる良材といわれるオオチもアズサもよい棟梁に用いられること疑いない。

張侯嵩高來,面有熊豹姿。 

張君は嵩山からやって来たのである、そのため、熊か豹かというような面構えだ。

開口論利害,劍鋒白差差。 

そして口を開いて政策の良し悪し得失を論じると、論調が剣のキッ先が白い剣の切つ尖のように鋭いのだ。

#3

恨無一尺捶,為國笞羌夷。 

残念ながら打つべき一尺のむちもなく、わずかばかりの権力をもつ地位がないので、国家のために羌夷の異民族どもを鞭うつこともできないのだ。

詣闕三上書,臣非黃冠師。 

朝廷にもうでて三たびたてまつった上奏書にいわく

「家臣たる者で、もとより黄なる冠いただく道士の身にあらず」

臣有膽與氣,不忍死茅茨。 

「家臣たる者で、肝もすわり、やる気、向かう気は十分あり、このまま隠者の家に世話になるままで一生を終わるわけにはいかないのです。」
又不媚笑語,不能伴兒嬉。 

「そして 人の冗談に調子合わせ、こびることなどしないし、子供じみたるたわむれのお相手をすることなどするわけもないことです。」

#4

乃著道士服,眾人莫臣知。 

臣有平賊策,狂童不難治。 

其言簡且要,陛下幸聽之。 

天空日月高,下照理不遺。 

或是章奏繁,裁擇未及斯。 

 

張道士を送る #2

大匠に棄材無し,尋尺も各の施す有り。 

況んや都邑を營むに當って,杞梓【きじ】用いられんことを疑わず。 

張侯は嵩高より來り,面に熊豹【ゆうひょう】の姿有り。 

口を開いて利害を論ずれば,劍鋒 白くして差差たり。 

#3

恨むらくは一尺の捶【すき】の,國の為に羌夷【きょうい】笞【むちう】つ無し。 

闕に詣【いた】って三たび上書す,臣は黃冠の師に非ず。 

臣に膽と氣と有り,茅茨【ばくじ】に死するに忍びず。 

又た笑語に媚びず,兒嬉に伴う能わず。 

#4

乃ち道士の服を著く,眾人 臣を知る莫し。 

臣に賊を平らぐる策有り,狂童 治め難からず。 

其の言 簡にして要,陛下 幸に「之を聽け」と。 

天は空しくして日月高し,下に照して理遺【のこ】さず。 

或いは是れ章奏【しょうそう】繁くして,裁擇【さいたく】未だ斯【ここ】に及ばざるならん。 

kyoko113
 

『送張道士』 現代語訳と訳註

(本文) #3

恨無一尺捶,為國笞羌夷。 

詣闕三上書,臣非黃冠師。 

臣有膽與氣,不忍死茅茨。 

又不媚笑語,不能伴兒嬉。 

 

 

(下し文) #3

恨むらくは一尺の捶【すき】の,國の為に羌夷【きょうい】笞【むちう】つ無し。 

闕に詣【いた】って三たび上書す,臣は黃冠の師に非ず。 

臣に膽と氣と有り,茅茨【ばくじ】に死するに忍びず。 

又た笑語に媚びず,兒嬉に伴う能わず。 

 

 

(現代語訳)

残念ながら打つべき一尺のむちもなく、わずかばかりの権力をもつ地位がないので、国家のために羌夷の異民族どもを鞭うつこともできないのだ。

朝廷にもうでて三たびたてまつった上奏書にいわく

「家臣たる者で、もとより黄なる冠いただく道士の身にあらず」

「家臣たる者で、肝もすわり、やる気、向かう気は十分あり、このまま隠者の家に世話になるままで一生を終わるわけにはいかないのです。」
「そして 人の冗談に調子合わせ、こびることなどしないし、子供じみたるたわむれのお相手をすることなどするわけもないことです。」

 

 

(訳注)#3

恨無一尺捶,為國笞羌夷。 

残念ながら打つべき一尺のむちもなく、わずかばかりの権力をもつ地位がないので、国家のために羌夷の異民族どもを鞭うつこともできないのだ。

・一尺捶 一尺のムチ。すなわちわずかばかりの権力をもつ地位。

・羌夷 えびす。漢民族以外の異民族をいう。

 

詣闕三上書,臣非黃冠師。 

朝廷にもうでて三たびたてまつった上奏書にいわく

「家臣たる者で、もとより黄なる冠いただく道士の身にあらず」

・黃冠師 道士。かれらは黄衣黄冠をつけるのでこういう。

 

臣有膽與氣,不忍死茅茨。 

「家臣たる者で、肝もすわり、やる気、向かう気は十分あり、このまま隠者の家に世話になるままで一生を終わるわけにはいかないのです。」

・茅茨 カヤとイバラ。それでふいた家。すなわち隠者のそまった家。そこで死ぬに忍びない、というのは仕官して官吏として努力もし、その努力にふさわしい地位につきたい希望を切にもっている、というのである。

 

又不媚笑語,不能伴兒嬉。 

「そして 人の冗談に調子合わせ、こびることなどしないし、子供じみたるたわむれのお相手をすることなどするわけもないことです。」
4岳陽樓詩人003 

送張道士幷序 韓愈(韓退之) <188-#1>Ⅱ中唐詩803 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2999

《送張道士幷序》張道士は、濡高山に住む隠者で、古今の学問に精通し、文武の両道にすぐれた人材である。老子の法に身をゆだね、道士となり、九年間、その親族を養ってきた。

 

2013年9月17日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。 

 

送張道士幷序 韓愈(韓退之) <188-#1>Ⅱ中唐詩803 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2999

 

 

作者: 韓愈  814  元和九年 47

卷別: 卷三四五  文體: 五言古詩 

詩題: 送張道士 

作地點: 目前尚無資料 

及地點: 嵩山 (都畿道 河南府 嵩山) 別名:嵩高山、嵩、嵩丘、嵩高     

交遊人物: 張道士

 

 

詩文:

送張道士幷序 #1

張道士。嵩高之隠者。通古今學。有文武長材。

張道士は、濡高山に住む隠者で、古今の学問に精通し、文武の両道にすぐれた人材である。

寄跡老子法中。爲道士。以養其親。九年。

老子の法に身をゆだね、道士となり、九年間、その親族を養ってきた。

聞朝廷將治東方貢賦之不如法者。三猷書不報。

ちかごろ朝廷で、法則通りに税金などを上納しない東方の潘鎮を処分される計画がある、と聞き、三たび上書して、この問題の処理法を具陳したけれども、お取り上げにはならなかった。

長揖而去。京師士大夫多爲詩以贈。而屬愈爲序。

詩日。

そこでみきりをつけて、帰ることにした。長安の紳士たちは、詩をつくってこれに贈るものが多く、あたくし韓愈がその序文をつくることになった。その詩で次のように言う。

張道士を送る 幷びに序 #1

張道士は、嵩高の隠者。古今の學に通じ、文武の長材有り。

跡を老子の法中に寄せ、道士と爲り、以って其の親を養うこと、九年なり。

朝廷の將に東方の貢賦の不法の如くならざる者を治めむと聞き、三たび書を猷ぜしも報ぜられず。

長揖【ちょうゆう】して去る。

京師の士大夫、多く爲詩を以って贈り、而して愈に屬して序を爲【つく】らしむ。詩に日く。

 

送張道士 #2

大匠無棄材,尋尺各有施。 

況當營都邑,杞梓用不疑。 

張侯嵩高來,面有熊豹姿。 

開口論利害,劍鋒白差差。 

#3

恨無一尺捶,為國笞羌夷。 

詣闕三上書,臣非黃冠師。 

臣有膽與氣,不忍死茅茨。 

又不媚笑語,不能伴兒嬉。 

#4

乃著道士服,眾人莫臣知。 

臣有平賊策,狂童不難治。 

其言簡且要,陛下幸聽之。 

天空日月高,下照理不遺。 

或是章奏繁,裁擇未及斯。 

#5

寧當不俟報,歸袖風披披。 

答我事不爾,吾親屬吾思。 

昨宵夢倚門,手取連環持。 

今日有書至,又言歸何時。 

霜天熟柿栗,收拾不可遲。

#6 

嶺北梁可構,寒魚下清伊。 

既非公家用,且復還其私。 

從容進退間,無一不合宜。 

時有利不利,雖賢欲奚為。 

但當勵前操,富貴非公誰。 

mugi880 

 

『送張道士』 現代語訳と訳註

(本文)

送張道士幷序 #1

張道士。嵩高之隠者。通古今學。有文武長材。

寄跡老子法中。爲道士。以養其親。九年。

聞朝廷將治東方貢賦之不如法者。三猷書不報。

長揖而去。京師士大夫多爲詩以贈。而屬愈爲序。

 

 

(下し文)

張道士を送る 幷びに序 #1

張道士は、嵩高の隠者。古今の學に通じ、文武の長材有り。

跡を老子の法中に寄せ、道士と爲り、以って其の親を養うこと、九年なり。

朝廷の將に東方の貢賦の不法の如くならざる者を治めむと聞き、三たび書を猷ぜしも報ぜられず。

長揖【ちょうゆう】して去る。

京師の士大夫、多く爲詩を以って贈り、而して愈に屬して序を爲【つく】らしむ。詩に日く。

 

 

(現代語訳)

張道士は、濡高山に住む隠者で、古今の学問に精通し、文武の両道にすぐれた人材である。

老子の法に身をゆだね、道士となり、九年間、その親族を養ってきた。

ちかごろ朝廷で、法則通りに税金などを上納しない東方の潘鎮を処分される計画がある、と聞き、三たび上書して、この問題の処理法を具陳したけれども、お取り上げにはならなかった。

そこでみきりをつけて、帰ることにした。長安の紳士たちは、詩をつくってこれに贈るものが多く、あたくし韓愈がその序文をつくることになった。その詩で次のように言う。

 

 

(訳注)

送張道士幷序 #1

・送張道士 底本巻二十一。張遺士については、序文と詩で知られること以外にくわしいことはわからない。韓愈には別に七言「飲城南道邊古墓上,逢中丞過,贈禮部衛員外少室張道士」(城南道辺の古墓上に中丞の過るに逢う礼部衛員外・少室張道士に贈る」といぅ詩があり、白居易『白居易集』 巻十二、 感傷四』『送張山人帰嵩陽』(張山人の嵩陽に帰るを送る)「長安古来名利地、空手無金行路」という詩がある。題中にみえる張道士も同じ人物であろう。ともかく道士ではあっても、それはただ生活のためにやっているので、仕官したい気持ちをもっている人だったから、韓愈のこの詩も、さきの「誰氏子」にみえるような非難のことばは少しもない。

 

張道士、嵩高之隠者、通古今學、有文武長材。

張道士は、濡高山に住む隠者で、古今の学問に精通し、文武の両道にすぐれた人材である。

 

寄跡老子法中、爲道士、以養其親、九年。

老子の法に身をゆだね、道士となり、九年間、その親族を養ってきた。

 

聞朝廷將治東方貢賦之不如法者、三猷書不報。

ちかごろ朝廷で、法則通りに税金などを上納しない東方の潘鎮を処分される計画がある、と聞き、三たび上書して、この問題の処理法を具陳したけれども、お取り上げにはならなかった。

 

長揖而去、京師士大夫多爲詩以贈。而屬愈爲序。詩日。

そこでみきりをつけて、帰ることにした。長安の紳士たちは、詩をつくってこれに贈るものが多く、あたくし韓愈がその序文をつくることになった。その詩で次のように言う。
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奉和庫部盧四兄曹長元日朝廻 韓愈(韓退之) <187>Ⅱ中唐詩802 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2994

奉和庫部盧四兄曹長元日朝廻天子を守る衛兵は夜になって出御の近づいたことを告げる太鼓を鳴らして、羽の旗を掲げている。春の雲に変わり草木の萌える臭いが広がると夜明けを告げる鶏が元気に叫んでいる。黄金に飾られた香炉に香煙がくゆり、宮殿へつづく竜の頭に飾られた欄干の足元は暗い。宮殿に揃う者たちの佩び玉の音が響き、雉尾の扇は おごそかに高い。
 

2013年9月16日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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奉和庫部盧四兄曹長元日朝廻 韓愈(韓退之) <187>Ⅱ中唐詩802 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2994
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 126 小重山 韋荘 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-290-5-#44  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2997
 
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於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html    
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html    
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。    
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。    
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。 

 

奉和庫部盧四兄曹長元日朝廻 韓愈(韓退之) <187>Ⅱ中唐詩802 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2994

 

 

卷別: 卷三四三  文體: 七言律詩 

詩題: 奉和庫部盧四兄曹長元日朝回〔案:盧汀也。〕 

作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安

交遊人物: 盧汀 書信往來(京畿道 京兆府 長安)

 

 

詩文:

奉和庫部盧四兄曹長元日朝回

(庫部をつかさどる盧汀曹長が「元日朝回」の詩に唱和した詩を奉る。)

天仗宵嚴建羽旄,春雲送色曉雞號。 

天子を守る衛兵は夜になって出御の近づいたことを告げる太鼓を鳴らして、羽の旗を掲げている。春の雲に変わり草木の萌える臭いが広がると夜明けを告げる鶏が元気に叫んでいる。

金爐香動螭頭暗,玉珮聲來雉尾高。 

黄金に飾られた香炉に香煙がくゆり、宮殿へつづく竜の頭に飾られた欄干の足元は暗い。宮殿に揃う者たちの佩び玉の音が響き、雉尾の扇は おごそかに高い。

戎服上趨承北極,儒冠列侍映東曹。 

儀仗衛兵の指揮官は天子の前に進み出て朝廷の左右内外の平安を奏上する。朝廷の文官は列を整え、東側に居並ぶ。

太平時節難身遇,郎署何須歎二毛。 

此れだけの太平の世はありがたくいただくものである。郎中のいる役所にはどういうことか嘆くことの表れである白髪頭がそろっているという。

 

庫部盧四兄曹長の「元日朝より回える」に和し奉る。

天仗【てんじょう】 宵嚴【しょうげん】にして羽旄【うぼう】を建つ,春雲 色を送って曉雞 號【さけ】ぶ。 

金爐【きんろ】香 動いて 螭頭【ちとう】暗く,玉珮【ぎょくはい】聲來って 雉尾【ちび】高し。 

戎服【じゅうふく】上趨【じょうすう】して北極を承け,儒冠【じゅかん】列侍して 東曹に映ず。

太平の時節 身 遇い難し,郎署【ろうしょ】何ぞ須いむ 二毛を歎ずるを。  

DCF00212 

 

『奉和庫部盧四兄曹長元日朝回』現代語訳と訳註

(本文)

奉和庫部盧四兄曹長元日朝回

天仗宵嚴建羽旄,春雲送色曉雞號。 

金爐香動螭頭暗,玉珮聲來雉尾高。 

戎服上趨承北極,儒冠列侍映東曹。 

太平時節難身遇,郎署何須歎二毛。 

 

 

詩文(含異文)

天仗宵嚴建羽旄,春雲送色曉雞號。

金爐香動螭頭暗,玉珮聲來雉尾高。

戎服上趨承北極,儒冠列侍映東曹。

太平時節難身遇【太平時節身難遇】,郎署何須歎二毛。 

 

(下し文)

庫部盧四兄曹長の「元日朝より回える」に和し奉る。

天仗【てんじょう】 宵嚴【しょうげん】にして羽旄【うぼう】を建つ,春雲 色を送って曉雞 號【さけ】ぶ。 

金爐【きんろ】香 動いて 螭頭【ちとう】暗く,玉珮【ぎょくはい】聲來って 雉尾【ちび】高し。 

戎服【じゅうふく】上趨【じょうすう】して北極を承け,儒冠【じゅかん】列侍して 東曹に映ず。

太平の時節 身 遇い難し,郎署【ろうしょ】何ぞ須いむ 二毛を歎ずるを。  

 

 

(現代語訳)

(庫部をつかさどる盧汀曹長が「元日朝回」の詩に唱和した詩を奉る。)

天子を守る衛兵は夜になって出御の近づいたことを告げる太鼓を鳴らして、羽の旗を掲げている。春の雲に変わり草木の萌える臭いが広がると夜明けを告げる鶏が元気に叫んでいる。

黄金に飾られた香炉に香煙がくゆり、宮殿へつづく竜の頭に飾られた欄干の足元は暗い。宮殿に揃う者たちの佩び玉の音が響き、雉尾の扇は おごそかに高い。

儀仗衛兵の指揮官は天子の前に進み出て朝廷の左右内外の平安を奏上する。朝廷の文官は列を整え、東側に居並ぶ。

此れだけの太平の世はありがたくいただくものである。郎中のいる役所にはどういうことか嘆くことの表れである白髪頭がそろっているという。
 

kairo10680 

 


(訳注)

奉和庫部盧四兄曹長元日朝回

(庫部をつかさどる盧汀曹長が「元日朝回」の詩に唱和した詩を奉る。)

・奉和庫都塵四兄曹長元日朝唱 底本巻九。

・庫部 戎器・幽簿・儀仗を司る官。ここは庫部員外郎の略。員外郎は課長ぐらいにあたる。

・盧四 慮汀のこと。字は雲夫、四は排行である。

・曹長 唐代には尚書丞郎をこう称した。員外部は院長とよぶ。碑愈は盧汀とはたびたび唱和していて、他の詩では院長とよんでいる。この詩を作ったときも院長とよぶべきだが、それを曹長とよんでいるのほ、あるいは盧汀が昇叙の内命をうけていたためであるかもしれない。

 

天仗 宵嚴 建羽旄 ,春雲 送色 曉雞

天子を守る衛兵は夜になって出御の近づいたことを告げる太鼓を鳴らして、羽の旗を掲げている。春の雲に変わり草木の萌える臭いが広がると夜明けを告げる鶏が元気に叫んでいる。

・天仗 天子の儀杖衛兵。

・宵餃 宵は夜。厳は天子の出御の時の近づいたことを知らす大鼓。

・羽旄 羽かざりのついた旗。

 

 

金爐 香動 螭頭 ,玉珮 聲來 雉尾

黄金に飾られた香炉に香煙がくゆり、宮殿へつづく竜の頭に飾られた欄干の足元は暗い。宮殿に揃う者たちの佩び玉の音が響き、雉尾の扇は おごそかに高い。

・螭頭 角のない竜の頭。欄干などの飾りの形をいう。

・雉尾 キジの尾でつくった大きな団扇。

 

 

戎服 上趨 承北極 ,儒冠 列侍 東曹

儀仗衛兵の指揮官は天子の前に進み出て朝廷の左右内外の平安を奏上する。朝廷の文官は列を整え、東側に居並ぶ。

・戎服 武官。ここは衛兵の指揮官である金吾将軍をさすもののようである。

・上趨承北極 天子の前に進み出て朝廷の左右内外の平安を奏上する。

・儒冠 文官。

・映東曹 東側に屏ならぶ。

 

 

太平 時節 身遇 ,郎署 何須 二毛

此れだけの太平の世はありがたくいただくものである。郎中のいる役所にはどういうことか嘆くことの表れである白髪頭がそろっているという。

・部署 郎中のいる役所。この詩を作ったとき韓愈は考功郎中だった。漢の顔駟という人は不遇で、白髪になってもまだ郎中より上の役に昇れなかったという故事をふまえ、自分を含めた中郎の者が白髪だらけである。韓愈のユーモア表現である。

・二毛 白髪。

 miyajima0033221107930

早赴街西行香,贈盧、李二中舍人 韓愈(韓退之) <186>Ⅱ中唐詩801 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2989

韓愈≪早赴街西行香長安の街はひろく国忌行香といっても東と西とでは随分違った様子である。天子のお命でとうとうあちこち遊び廻われたのである。

 

2013年9月15日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。 

 

早赴街西行香,贈盧、李二中舍人 韓愈(韓退之) <186>Ⅱ中唐詩801 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2989

 

 

作者: 韓愈  816年 元和十一年  49

卷別: 卷三四二  文體: 五言律詩 

詩題: 早赴街西行香,贈盧、李二中舍人

〔盧汀、李逢吉。〕 

作地點: 長安(京畿道 京兆府 長安)   

及地點: 天街(京畿道 京兆府 長安)     

交遊人物: 盧汀 當地交遊(京畿道 京兆府 長安) 、李逢吉 當地交遊(京畿道 京兆府 長安)

 

 

詩文:

早赴街西行香,贈盧、李二中舍人

(早朝から天命により長安の西街に赴いて盧汀、李逢吉の二人の中舍人にこの詩を贈る。)

天街東西異,祗命遂成遊。

長安の街はひろく国忌行香といっても東と西とでは随分違った様子である。天子のお命でとうとうあちこち遊び廻われたのである。

月明御溝曉,蟬吟堤樹秋。

明月は御溝にキラキラと輝きてらして、夜明けがちかづいているようだ。秋蝉が啼いていて土手の堤の樹木も秋の様相を示している。

老僧情不薄,僻寺境還幽。

天命の国忌行香であっても老僧は不愛想でない、街はずれの寺の境内にくると清々しく幽閑だった。

寂寥二三子,歸騎得相收。

やはりひっそり行香遊びでここにいた二人三人がいる。その人たちと帰りをご一緒してよかった。

 

早【あした】に街西に赴きて行香し,盧・李二中舍人に贈る

天街 東西 異る,祗た命じて遂に遊びを成す。

月明 御溝の曉,蟬吟 堤樹の秋。

老僧 情 薄からず,僻寺 境 還た幽なり。

寂寥たり 二三子,歸騎 相い收むるを得たり。

満月00 

 

『早赴街西行香,贈盧、李二中舍人』 現代語訳と訳註

(本文)

早赴街西行香,贈盧、李二中舍人

天街東西異,祗命遂成遊。

月明御溝曉,蟬吟堤樹秋。

老僧情不薄,僻寺境還幽。

寂寥二三子,歸騎得相收。

 

 

(下し文)

早【あした】に街西に赴きて行香し,盧・李二中舍人に贈る

天街 東西 異る,祗た命じて遂に遊びを成す。

月明 御溝の曉,蟬吟 堤樹の秋。

老僧 情 薄からず,僻寺 境 還た幽なり。

寂寥たり 二三子,歸騎 相い收むるを得たり。

 

 

(現代語訳)

(早朝から天命により長安の西街に赴いて盧汀、李逢吉の二人の中舍人にこの詩を贈る。)

長安の街はひろく国忌行香といっても東と西とでは随分違った様子である。天子のお命でとうとうあちこち遊び廻われたのである。

明月は御溝にキラキラと輝きてらして、夜明けがちかづいているようだ。秋蝉が啼いていて土手の堤の樹木も秋の様相を示している。

天命の国忌行香であっても老僧は不愛想でない、街はずれの寺の境内にくると清々しく幽閑だった。

やはりひっそり行香遊びでここにいた二人三人がいる。その人たちと帰りをご一緒してよかった。

 

(訳注)

早赴街西行香,贈盧、李二中舍人

(早朝から天命により長安の西街に赴いて盧汀、李逢吉の二人の中舍人にこの詩を贈る。)

・早赴街西行香贈鹿李二中舍人 民本巻七

は早朝。

・街西は長安の西街。

行香は香炉を執って仏全道場内を綴りゆくこと。唐代では単に行香といっても因忌行香のことをさすことが多いが、この詩の場合もそうであったかどうかは、はっきりしない。国忌行香とは、天子及び皇后の崩去の日、すなわち忌晨を、国家的忌晨として全国わ官民が一定の仏寺、道観にあっまって行香の儀式を行なったことである。盧、李は盧汀、李逢吉の二人。李達吉は、字は慮舟、悶西の人で、元和九年中書舎人、十一年間平章事になった。

七言律詩『奉和庫部盧四兄曹長元日朝廻』がある

 

天街東西異,祗命遂成遊。

長安の街はひろく国忌行香といっても東と西とでは随分違った様子である。天子のお命でとうとうあちこち遊び廻われたのである。

・天街 長安の街。

・祗命 命ぜられたから。この行香が国忌行香であり、皇帝の命による強制力をもつものであった。排仏家の韓恵は、行楽の場所あるいは宿舎として寺院を利用はしたが、仏教行事に自ら参加することはなかったはずで、それを参加するのだから、命によりやむなくとの意をこめてこの文字を使用したのかもしれない.

 

月明御溝曉,蟬吟堤樹秋。

明月は御溝にキラキラと輝きてらして、夜明けがちかづいているようだ。秋蝉が啼いていて土手の堤の樹木も秋の様相を示している。

・御溝 宮城の内外を流れる御掘。

 

老僧情不薄,僻寺境還幽。

天命の国忌行香であっても老僧は不愛想でない、街はずれの寺の境内にくると清々しく幽閑だった。

 

寂寥二三子,歸騎得相收。

やはりひっそり行香遊びでここにいた二人三人がいる。その人たちと帰りをご一緒してよかった。

・相収 同行というほどの意。
岳陽樓詩人0051 

病鴟 韓愈(韓退之) <185-#5>Ⅱ中唐詩800 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2984

韓愈《病鴟》#5 偶然に得る幸運などおまえにそんな幸福はないだろうから、天空の岐路ではお前がどちらか窺うことを止めることだ。


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司馬相如 《子虚賦 》(8)#4-1 文選 賦<109-#4-1>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩887 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2983
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病鴟 韓愈(韓退之) <185-#5>Ⅱ中唐詩800 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2984
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html    
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html    
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html    
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。    
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。    
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html    
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html    
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。 

 
病鴟 韓愈(韓退之

) <185-#5>Ⅱ中唐詩800 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2984

 

 

病鴟 #1

(世の中の汚れに鴟【とび】が病【わずら】う。)

屋東惡水溝,有鴟墮鳴悲。 

この家の東側には運河の水が汚れている。トンビがいるが堕ちて悲しげに鳴いている。

青泥揜兩翅,拍拍不得離。 

靑泥が両の羽にかかって付いてしまった。羽音をパタパタするけれど靑泥の水溝から離れることが出来ない。

群童叫相召,瓦礫爭先之。 

沢山の子供が騒ぎ立てていて互いを呼び合って叫んでいる。つまらない者たちがこれらのなかで我の先と争っている。

計校生平事,殺卻理亦宜。

はかり考えることは常日頃のこととしている。それによって殺されるか却って理にかなっていてまた成り行きとして良いということなのである。

#1

鴟【とび】が病【わずら】う 

屋の東 惡水溝あり,鴟有り墮ちて鳴悲す。 

青泥 兩翅に揜し,拍拍として離れること得ず。 

童群って 相い召して叫び,瓦礫として 之を先すを爭う。 

計校すは平事を生じ,殺 卻て 理も亦た宜し。

 

#2

奪攘不愧恥,飽滿盤天嬉。 

奪い取るように奪い、恥となることを愧じとしないし、張り裂けるほど満杯で飽きてしまい、おおきな天空をたのしむことを喜ぶ。

晴日占光景,高風恣追隨。 

晴れ渡り日に照らされるその光景はこの世界を占め、高い所を吹く風はただ好き勝手に追いかけてそれを又追跡している。

遂凌鸞鳳群,肯顧鴻鵠卑。 

ついに鸞鳳の群を凌駕する。あえてかえりみると鴻や鵠が卑しく見えるのである。

今者命運窮,遭逢巧丸兒。

いまにして、命運が窮まるのであるし、遭遇するのは巧みに円状に子供が集まっているのに出会うことである。

#2

攘を奪い恥を愧じず,滿を飽き天を盤【たの】しみ嬉ぶ。 

晴日 光景を占め,高風 追隨を恣【ほしいま】まにす。 

遂に鸞鳳の群を凌ぎ,肯えて鴻鵠の卑しきを顧みる。 

今者にして命運 窮め,遭すは巧みに丸兒に逢う。

 

#3

中汝要害處,汝能不得施。 

それでもおまえにはその中に要害の場所があり、それで、おまえによく施してやれないこともあるのだ。

於吾乃何有,不忍乘其危。 

我々にはそんなところはどこにあるのだろうか、その場に乗じて危険を絶え凌げられないのである。

丐汝將死命,浴以清水池。 

そうなればおまえに乞い求めることは「死ね」ということになる。そうであれば清らかな水の池で水を浴びられるであろう。

朝餐輟魚肉,暝宿防狐貍。

朝食事をとるのは魚と肉を止めることであり、暗くなって休む時はキツネやタヌキから防御することなのである。

 

#3

中【なか】ほどに汝 要害の處あり,汝 能く施しを得ず。 

吾に於て乃ち何ぞ有りや,乘して其の危を忍ばず。 

汝に丐うは將に死命せよ,以って清水の池に浴す。 

朝餐 魚肉を輟【とど】め,暝宿 狐貍を防ぐ。

 

#4

自知無以致,蒙德久猶疑。 

自ずから無意味であっても行くしかないことを認知し、天の徳行を蒙っているというのも長い間うたがい続けていた。

飽入深竹叢,飢來傍階基。 

竹林鬱蒼と茂っている奥まったところへ入っていくのも飽きてしまい、そこで飢えてきて朝廷の階の基礎に來るのである。

亮無責報心,固以聽所為。 

明らかに無意味なことは心持に酬いることに責任を持つことであり、こていてきなかんがえをもってその理由を聞くのである。

昨日有氣力,飛跳弄藩籬。

昨日までは気力をもっていた、とびあがって防備のための囲いをもてあそんでみたのである。

 

自ら知る 無し以て致り,德を蒙むるも 久しく猶お疑う。

深く竹叢を入るを飽く,飢來りて階基を傍にす。 

亮無 報心を責とし,固 以て所為【せい】を聽く。 

昨日 氣力有り,飛跳 藩籬を弄ぶ。

 

#5

今晨忽徑去,曾不報我知。 

この朝になってすぐに道にしたがって去って行く、そうすることで却って我々が知ることに報いることをしないのだ。

僥倖非汝福,天衢汝休窺。 

偶然に得る幸運などおまえにそんな幸福はないだろうから、天空の岐路ではお前がどちらか窺うことを止めることだ。

京城事彈射,豎子不易欺。 

都の城郭内では仕事は撃ちはなって射とめることだし、考えの浅い者が、容易にだますことなどできはしない。

勿諱泥坑辱,泥坑乃良規。 

もっとも、諱はどうしても抜けられない泥沼にいるようだし、その泥沼のような状態はすなわち良い「きまり」ということなのだ。

#5

今晨 忽ち徑去り,曾て我が知るに報いざる。 

僥倖 汝福非らざり,天衢 汝 窺【うかが】うを休【や】む。 

京城 事 彈射,豎子 欺き易らず。 

勿ち諱【いみな】泥坑の辱,泥坑乃ち良規なり。 

 

 

『病鴟』 現代語訳と訳註

大鷹01(本文) #5

今晨忽徑去,曾不報我知。 

僥倖非汝福,天衢汝休窺。 

京城事彈射,豎子不易欺。 

勿諱泥坑辱,泥坑乃良規。

 

 

(下し文)

今晨 忽ち徑去り,曾て我が知るに報いざる。 

僥倖 汝福非らざり,天衢 汝 窺【うかが】うを休【や】む。 

京城 事 彈射,豎子 欺き易らず。 

勿ち諱【いみな】泥坑の辱,泥坑乃ち良規なり。 

 

 

(現代語訳)

この朝になってすぐに道にしたがって去って行く、そうすることで却って我々が知ることに報いることをしないのだ。

偶然に得る幸運などおまえにそんな幸福はないだろうから、天空の岐路ではお前がどちらか窺うことを止めることだ。

都の城郭内では仕事は撃ちはなって射とめることだし、考えの浅い者が、容易にだますことなどできはしない。

もっとも、諱はどうしても抜けられない泥沼にいるようだし、その泥沼のような状態はすなわち良い「きまり」ということなのだ。

 

 

(訳注)#5

今晨忽徑去,曾不報我知。 

この朝になってすぐに道にしたがって去って行く、そうすることで却って我々が知ることに報いることをしないのだ。

 

僥倖非汝福,天衢汝休窺。 

偶然に得る幸運などおまえにそんな幸福はないだろうから、天空の岐路ではお前がどちらか窺うことを止めることだ。

・僥倖【ぎょうこう】1 思いがけない幸い。偶然に得る幸運。2 幸運を願い待つこと。

・衢/巷/岐【ちまた】とは。《「道()(また)」の意》1㋐道の分かれる所。分かれ道。岐路。㋑物事の分かれ目。「生死の―をさまよう」「命を寵辱(ちょうじょく)の―に懸け」〈露伴・二日物語〉2㋐人が大ぜい集まっている

 

京城事彈射,豎子不易欺。 

都の城郭内では仕事は撃ちはなって射とめることだし、考えの浅い者が、容易にだますことなどできはしない。

・豎子不易欺 考えの浅い者が、容易にだますことなどできはしない。「史記-項羽本紀」 「嗟]、豎子不足与謀。奪項王天下者、必沛公也。吾属今為之虜矣」(考えの浅い者とは、重大なことについて相談しても仕方がないということ。)に基づいている

 

勿諱泥坑辱,泥坑乃良規。

もっとも、諱はどうしても抜けられない泥沼にいるようだし、その泥沼のような状態はすなわち良い「きまり」ということなのだ。

泥坑1泥のたまったくぼ地,泥沼,ぬかるみ.泥沼にはまった。地面を掘って大きな泥沼ができた.2(比喩的に;どうしても抜けられない)泥沼.形而上学の泥沼に陥る.
長安付近図00 

病鴟 韓愈(韓退之) <185-#4>Ⅱ中唐詩799 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2979

韓愈《病鴟》(4) 自ずから無意味であっても行くしかないことを認知し、天の徳行を蒙っているというのも長い間うたがい続けていた。

 

2013年9月13日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    

 

病鴟 韓愈(韓退之) <185-#4>Ⅱ中唐詩799 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2979

 

 

病鴟 #1

(世の中の汚れに鴟【とび】が病【わずら】う。)

屋東惡水溝,有鴟墮鳴悲。 

この家の東側には運河の水が汚れている。トンビがいるが堕ちて悲しげに鳴いている。

青泥揜兩翅,拍拍不得離。 

靑泥が両の羽にかかって付いてしまった。羽音をパタパタするけれど靑泥の水溝から離れることが出来ない。

群童叫相召,瓦礫爭先之。 

沢山の子供が騒ぎ立てていて互いを呼び合って叫んでいる。つまらない者たちがこれらのなかで我の先と争っている。

計校生平事,殺卻理亦宜。

はかり考えることは常日頃のこととしている。それによって殺されるか却って理にかなっていてまた成り行きとして良いということなのである。

#1

鴟【とび】が病【わずら】う 

屋の東 惡水溝あり,鴟有り墮ちて鳴悲す。 

青泥 兩翅に揜し,拍拍として離れること得ず。 

童群って 相い召して叫び,瓦礫として 之を先すを爭う。 

計校すは平事を生じ,殺 卻て 理も亦た宜し。

 

#2

奪攘不愧恥,飽滿盤天嬉。 

奪い取るように奪い、恥となることを愧じとしないし、張り裂けるほど満杯で飽きてしまい、おおきな天空をたのしむことを喜ぶ。

晴日占光景,高風恣追隨。 

晴れ渡り日に照らされるその光景はこの世界を占め、高い所を吹く風はただ好き勝手に追いかけてそれを又追跡している。

遂凌鸞鳳群,肯顧鴻鵠卑。 

ついに鸞鳳の群を凌駕する。あえてかえりみると鴻や鵠が卑しく見えるのである。

今者命運窮,遭逢巧丸兒。

いまにして、命運が窮まるのであるし、遭遇するのは巧みに円状に子供が集まっているのに出会うことである。

#2

攘を奪い恥を愧じず,滿を飽き天を盤【たの】しみ嬉ぶ。 

晴日 光景を占め,高風 追隨を恣【ほしいま】まにす。 

遂に鸞鳳の群を凌ぎ,肯えて鴻鵠の卑しきを顧みる。 

今者にして命運 窮め,遭すは巧みに丸兒に逢う。

 

#3

中汝要害處,汝能不得施。 

それでもおまえにはその中に要害の場所があり、それで、おまえによく施してやれないこともあるのだ。

於吾乃何有,不忍乘其危。 

我々にはそんなところはどこにあるのだろうか、その場に乗じて危険を絶え凌げられないのである。

丐汝將死命,浴以清水池。 

そうなればおまえに乞い求めることは「死ね」ということになる。そうであれば清らかな水の池で水を浴びられるであろう。

朝餐輟魚肉,暝宿防狐貍。

朝食事をとるのは魚と肉を止めることであり、暗くなって休む時はキツネやタヌキから防御することなのである。

 

#3

中【なか】ほどに汝 要害の處あり,汝 能く施しを得ず。 

吾に於て乃ち何ぞ有りや,乘して其の危を忍ばず。 

汝に丐うは將に死命せよ,以って清水の池に浴す。 

朝餐 魚肉を輟【とど】め,暝宿 狐貍を防ぐ。

 

#4

自知無以致,蒙德久猶疑。 

自ずから無意味であっても行くしかないことを認知し、天の徳行を蒙っているというのも長い間うたがい続けていた。

飽入深竹叢,飢來傍階基。 

竹林鬱蒼と茂っている奥まったところへ入っていくのも飽きてしまい、そこで飢えてきて朝廷の階の基礎に來るのである。

亮無責報心,固以聽所為。 

明らかに無意味なことは心持に酬いることに責任を持つことであり、こていてきなかんがえをもってその理由を聞くのである。

昨日有氣力,飛跳弄藩籬。

昨日までは気力をもっていた、とびあがって防備のための囲いをもてあそんでみたのである。

 

自ら知る 無し以て致り,德を蒙むるも 久しく猶お疑う。

深く竹叢を入るを飽く,飢來りて階基を傍にす。 

亮無 報心を責とし,固 以て所為【せい】を聽く。 

昨日 氣力有り,飛跳 藩籬を弄ぶ。

 

#5

今晨忽徑去,曾不報我知。 

僥倖非汝福,天衢汝休窺。 

京城事彈射,豎子不易欺。 

勿諱泥坑辱,泥坑乃良規。 

#5

今晨 忽ち徑去り,曾て我が知るに報いざる。 

僥倖 汝福非らざり,天衢 汝 窺【うかが】うを休【や】む。 

京城 事 彈射,豎子 欺き易らず。 

勿ち諱【いみな】泥坑の辱,泥坑乃ち良規なり。 

 

 

『病鴟』 現代語訳と訳註

(本文) #4

自知無以致,蒙德久猶疑。 

飽入深竹叢,飢來傍階基。 

亮無責報心,固以聽所為。 

昨日有氣力,飛跳弄藩籬。

 

 

(下し文)

自ら知る 無し以て致り,德を蒙むるも 久しく猶お疑う。 

深く竹叢を入るを飽く,飢來りて階基を傍にす。 

亮無 報心を責とし,固 以て所為【せい】を聽く。 

昨日 氣力有り,飛跳 藩籬を弄ぶ。

 

 

(現代語訳)

自ずから無意味であっても行くしかないことを認知し、天の徳行を蒙っているというのも長い間うたがい続けていた。

竹林鬱蒼と茂っている奥まったところへ入っていくのも飽きてしまい、そこで飢えてきて朝廷の階の基礎に來るのである。

明らかに無意味なことは心持に酬いることに責任を持つことであり、こていてきなかんがえをもってその理由を聞くのである。

昨日までは気力をもっていた、とびあがって防備のための囲いをもてあそんでみたのである。

 

 

(訳注) #4

自知無以致,蒙德久猶疑。 

自ずから無意味であっても行くしかないことを認知し、天の徳行を蒙っているというのも長い間うたがい続けていた。

 

飽入深竹叢,飢來傍階基。 

竹林鬱蒼と茂っている奥まったところへ入っていくのも飽きてしまい、そこで飢えてきて朝廷の階の基礎に來るのである。

 

亮無責報心,固以聽所為。 

明らかに無意味なことは心持に酬いることに責任を持つことであり、こていてきなかんがえをもってその理由を聞くのである。

・亮 明らか、明るい、賢い、光線、助ける、

 

昨日有氣力,飛跳弄藩籬。

昨日までは気力をもっていた、とびあがって防備のための囲いをもてあそんでみたのである。

・藩籬 【はんり】① 垣根。垣。防備のための囲い。藩籬(はんり)。② 守護するもの。特に、王家を守護するもの。藩翰(はんかん)【藩屏】。③ 直轄の領地。④ 他と隔てるもの。「博愛を唱えてみだりに―を作り」⑤ 学問・芸術などの糸口。初歩的な段階。

病鴟 韓愈(韓退之) <185-#3>Ⅱ中唐詩798 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2974

韓愈《病鴟》 それでもおまえにはその中に要害の場所があり、それで、おまえによく施してやれないこともあるのだ。我々にはそんなところはどこにあるのだろうか、その場に乗じて危険を絶え凌げられないのである。

 

2013年9月12日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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司馬相如 《子虚賦 》(6)#3-1 文選 賦<109-#1-5>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩885 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2973
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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病鴟 韓愈(韓退之) <185-#3>Ⅱ中唐詩798 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2974
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html    
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304    
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安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html    
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html    
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html    
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html    
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。    
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。    
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html    
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html    
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

病鴟 韓愈(韓退之) <185-#3>Ⅱ中唐詩798 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2974

 

 

病鴟 #1

(世の中の汚れに鴟【とび】が病【わずら】う。)

屋東惡水溝,有鴟墮鳴悲。 

この家の東側には運河の水が汚れている。トンビがいるが堕ちて悲しげに鳴いている。

青泥揜兩翅,拍拍不得離。 

靑泥が両の羽にかかって付いてしまった。羽音をパタパタするけれど靑泥の水溝から離れることが出来ない。

群童叫相召,瓦礫爭先之。 

沢山の子供が騒ぎ立てていて互いを呼び合って叫んでいる。つまらない者たちがこれらのなかで我の先と争っている。

計校生平事,殺卻理亦宜。

はかり考えることは常日頃のこととしている。それによって殺されるか却って理にかなっていてまた成り行きとして良いということなのである。 

#2

ani0021奪攘不愧恥,飽滿盤天嬉。 

奪い取るように奪い、恥となることを愧じとしないし、張り裂けるほど満杯で飽きてしまい、おおきな天空をたのしむことを喜ぶ。

晴日占光景,高風恣追隨。 

晴れ渡り日に照らされるその光景はこの世界を占め、高い所を吹く風はただ好き勝手に追いかけてそれを又追跡している。

遂凌鸞鳳群,肯顧鴻鵠卑。 

ついに鸞鳳の群を凌駕する。あえてかえりみると鴻や鵠が卑しく見えるのである。

今者命運窮,遭逢巧丸兒。

いまにして、命運が窮まるのであるし、遭遇するのは巧みに円状に子供が集まっているのに出会うことである。

 

#2

攘を奪い恥を愧じず,滿を飽き天を盤【たの】しみ嬉ぶ。 

晴日 光景を占め,高風 追隨を恣【ほしいま】まにす。 

遂に鸞鳳の群を凌ぎ,肯えて鴻鵠の卑しきを顧みる。 

今者にして命運 窮め,遭すは巧みに丸兒に逢う。

 

#3

中汝要害處,汝能不得施。 

それでもおまえにはその中に要害の場所があり、それで、おまえによく施してやれないこともあるのだ。

於吾乃何有,不忍乘其危。 

我々にはそんなところはどこにあるのだろうか、その場に乗じて危険を絶え凌げられないのである。

丐汝將死命,浴以清水池。 

そうなればおまえに乞い求めることは「死ね」ということになる。そうであれば清らかな水の池で水を浴びられるであろう。

朝餐輟魚肉,暝宿防狐貍。

朝食事をとるのは魚と肉を止めることであり、暗くなって休む時はキツネやタヌキから防御することなのである。

 

#3

中【なか】ほどに汝 要害の處あり,汝 能く施しを得ず。 

吾に於て乃ち何ぞ有りや,乘して其の危を忍ばず。 

汝に丐うは將に死命せよ,以って清水の池に浴す。 

朝餐 魚肉を輟【とど】め,暝宿 狐貍を防ぐ。

 

 

『病鴟』 現代語訳と訳註

(本文) #3

中汝要害處,汝能不得施。 

於吾乃何有,不忍乘其危。 

丐汝將死命,浴以清水池。 

朝餐輟魚肉,暝宿防狐貍。

 

 

大鷹01(下し文) #3

中【なか】ほどに汝 要害の處あり,汝 能く施しを得ず。 

吾に於て乃ち何ぞ有りや,乘して其の危を忍ばず。 

汝に丐うは將に死命せよ,以って清水の池に浴す。 

朝餐 魚肉を輟【とど】め,暝宿 狐貍を防ぐ。

 

 

 

(現代語訳)

それでもおまえにはその中に要害の場所があり、それで、おまえによく施してやれないこともあるのだ。

我々にはそんなところはどこにあるのだろうか、その場に乗じて危険を絶え凌げられないのである。

そうなればおまえに乞い求めることは「死ね」ということになる。そうであれば清らかな水の池で水を浴びられるであろう。

麻食事をとるのは魚と二句を止めることであり、暗くなって休む時はキツネやタヌキから防御することなのである。

 

 

(訳注)#3

中汝要害處,汝能不得施。 

それでもおまえにはその中に要害の場所があり、それで、おまえによく施してやれないこともあるのだ。

 

於吾乃何有,不忍乘其危。 

我々にはそんなところはどこにあるのだろうか、その場に乗じて危険を絶え凌げられないのである。

 

丐汝將死命,浴以清水池。 

そうなればおまえに乞い求めることは「死ね」ということになる。そうであれば清らかな水の池で水を浴びられるであろう。

・丐 乞う、乞い求める、乞食、恵み与える、施す、免除する、

 

朝餐輟魚肉,暝宿防狐貍。

朝食事をとるのは魚と肉を止めることであり、暗くなって休む時はキツネやタヌキから防御することなのである。

・輟 やめる。とどめる。なおす。

病鴟 韓愈(韓退之) <185-#2>Ⅱ中唐詩797 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2969

《病鴟》韓愈 奪い取るように奪い、恥となることを愧じとしないし、張り裂けるほど満杯で飽きてしまい、おおきな天空をたのしむことを喜ぶ。

 

2013年9月11日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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病鴟 韓愈(韓退之) <185-#2>Ⅱ中唐詩797 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2969
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html    
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。    
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html    
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
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病鴟 韓愈(韓退之) <185-#2>Ⅱ中唐詩797 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2969

 

 

病鴟 #1

(世の中の汚れに鴟【とび】が病【わずら】う。)

屋東惡水溝,有鴟墮鳴悲。 

この家の東側には運河の水が汚れている。トンビがいるが堕ちて悲しげに鳴いている。

青泥揜兩翅,拍拍不得離。 

靑泥が両の羽にかかって付いてしまった。羽音をパタパタするけれど靑泥の水溝から離れることが出来ない。

群童叫相召,瓦礫爭先之。 

沢山の子供が騒ぎ立てていて互いを呼び合って叫んでいる。つまらない者たちがこれらのなかで我の先と争っている。

計校生平事,殺卻理亦宜。

はかり考えることは常日頃のこととしている。それによって殺されるか却って理にかなっていてまた成り行きとして良いということなのである。 

#2

ani0021奪攘不愧恥,飽滿盤天嬉。 

奪い取るように奪い、恥となることを愧じとしないし、張り裂けるほど満杯で飽きてしまい、おおきな天空をたのしむことを喜ぶ。

晴日占光景,高風恣追隨。 

晴れ渡り日に照らされるその光景はこの世界を占め、高い所を吹く風はただ好き勝手に追いかけてそれを又追跡している。

遂凌鸞鳳群,肯顧鴻鵠卑。 

ついに鸞鳳の群を凌駕する。あえてかえりみると鴻や鵠が卑しく見えるのである。

今者命運窮,遭逢巧丸兒。

いまにして、命運が窮まるのであるし、遭遇するのは巧みに円状に子供が集まっているのに出会うことである。

 

#2

攘を奪い恥を愧じず,滿を飽き天を盤【たの】しみ嬉ぶ。 

晴日 光景を占め,高風 追隨を恣【ほしいま】まにす。 

遂に鸞鳳の群を凌ぎ,肯えて鴻鵠の卑しきを顧みる。 

今者にして命運 窮め,遭すは巧みに丸兒に逢う。

 

 

『病鴟』 現代語訳と訳註

(本文) 病鴟#2

奪攘不愧恥,飽滿盤天嬉。 

晴日占光景,高風恣追隨。 

遂凌鸞鳳群,肯顧鴻鵠卑。 

今者命運窮,遭逢巧丸兒。

 

 

(下し文) #2

攘を奪い恥を愧じず,滿を飽き天を盤【たの】しみ嬉ぶ。 

晴日 光景を占め,高風 追隨を恣【ほしいま】まにす。 

遂に鸞鳳の群を凌ぎ,肯えて鴻鵠の卑しきを顧みる。 

今者にして命運 窮め,遭すは巧みに丸兒に逢う。

 

 

(現代語訳)

奪い取るように奪い、恥となることを愧じとしないし、張り裂けるほど満杯で飽きてしまい、おおきな天空をたのしむことを喜ぶ。

晴れ渡り日に照らされるその光景はこの世界を占め、高い所を吹く風はただ好き勝手に追いかけてそれを又追跡している。

ついに鸞鳳の群を凌駕する。あえてかえりみると鴻や鵠が卑しく見えるのである。

いまにして、命運が窮まるのであるし、遭遇するのは巧みに円状に子供が集まっているのに出会うことである。

 

 

(訳注) #2

奪攘不愧恥,飽滿盤天嬉。 

奪い取るように奪い、恥となることを愧じとしないし、張り裂けるほど満杯で飽きてしまい、おおきな天空をたのしむことを喜ぶ。

・攘 うばいとる。

・盤天嬉 盤:皿。物を載せる台。どぐろをまく。まがる。たのしむ。おおきな天空をたのしむことを喜ぶ。

 

晴日占光景,高風恣追隨。 

晴れ渡り日に照らされるその光景はこの世界を占め、高い所を吹く風はただ好き勝手に追いかけてそれを又追跡している。

・恣追隨 恣:ほしいままにする、好き勝手にする、好きにする、まかせる

 

遂凌鸞鳳群,肯顧鴻鵠卑。 

ついに鸞鳳の群を凌駕する。あえてかえりみると鴻や鵠が卑しく見えるのである。

・鴻鵠 はくちょう。鴻:大きなとり。鵠:1 鳥の名。ハクチョウ。2 弓の的。的の中心。

 

今者命運窮,遭逢巧丸兒。

いまにして、命運が窮まるのであるし、遭遇するのは巧みに円状に子供が集まっているのに出会うことである。終南山03

病鴟 韓愈(韓退之) <185#1>Ⅱ中唐詩796 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2964

韓愈《病鴟この家の東側には運河の水が汚れている。トンビがいるが堕ちて悲しげに鳴いている。靑泥が両の羽にかかって付いてしまった。羽音をパタパタするけれど靑泥の水溝から離れることが出来ない。

 

2013年9月10日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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司馬相如 《子虚賦 》(4)#2-1 文選 賦<109-#1-3>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩883 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2963
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
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病鴟 韓愈(韓退之) <185#1>Ⅱ中唐詩796 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2964
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Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoor 643 《玩月呈漢中王》 蜀中転々 杜甫 <548>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2965 杜甫詩1000-548-787/1500
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Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 091 歸國遙 其三 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-284-5-#38  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2967
 
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html    
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html    
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html    
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。    
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。    
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html    
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

病鴟 韓愈(韓退之) <185#1>Ⅱ中唐詩796 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2964

 

 

作者: 韓愈  816  元和十一年49

卷別: 卷三四一  文體: 五言古詩 

詩題: 病鴟 

 

 

病鴟 #1

屋東惡水溝,有鴟墮鳴悲。 

青泥揜兩翅,拍拍不得離。 

群童叫相召,瓦礫爭先之。 

計校生平事,殺卻理亦宜。

#2

奪攘不愧恥,飽滿盤天嬉。 

晴日占光景,高風恣追隨。 

遂凌鸞鳳群,肯顧鴻鵠卑。 

今者命運窮,遭逢巧丸兒。

#3

中汝要害處,汝能不得施。 

於吾乃何有,不忍乘其危。 

丐汝將死命,浴以清水池。 

朝餐輟魚肉,暝宿防狐貍。

#4

自知無以致,蒙德久猶疑。 

飽入深竹叢,飢來傍階基。 

亮無責報心,固以聽所為。 

昨日有氣力,飛跳弄藩籬。

#5

今晨忽徑去,曾不報我知。 

僥倖非汝福,天衢汝休窺。 

京城事彈射,豎子不易欺。 

勿諱泥坑辱,泥坑乃良規。 

 終南山03

 











病鴟 #1

(世の中の汚れに鴟【とび】が病【わずら】う。)

屋東惡水溝,有鴟墮鳴悲。 

この家の東側には運河の水が汚れている。トンビがいるが堕ちて悲しげに鳴いている。

青泥揜兩翅,拍拍不得離。 

靑泥が両の羽にかかって付いてしまった。羽音をパタパタするけれど靑泥の水溝から離れることが出来ない。

群童叫相召,瓦礫爭先之。 

沢山の子供が騒ぎ立てていて互いを呼び合って叫んでいる。つまらない者たちがこれらのなかで我の先と争っている。

計校生平事,殺卻理亦宜。

はかり考えることは常日頃のこととしている。それによって殺されるか却って理にかなっていてまた成り行きとして良いということなのである。 

 

『病鴟』 現代語訳と訳註

(本文) 病鴟 #1

屋東惡水溝,有鴟墮鳴悲。 

青泥揜兩翅,拍拍不得離。 

群童叫相召,瓦礫爭先之。 

計校生平事,殺卻理亦宜。

 

 

(下し文) #1

鴟【とび】が病【わずら】う 

屋の東 惡水溝あり,鴟有り墮ちて鳴悲す。 

青泥 兩翅に揜し,拍拍として離れること得ず。 

童群って 相い召して叫び,瓦礫として 之を先すを爭う。 

計校すは平事を生じ,殺 卻て 理も亦た宜し。

 

 

(現代語訳)

(世の中の汚れに鴟【とび】が病【わずら】う。)

この家の東側には運河の水が汚れている。トンビがいるが堕ちて悲しげに鳴いている。

靑泥が両の羽にかかって付いてしまった。羽音をパタパタするけれど靑泥の水溝から離れることが出来ない。

沢山の子供が騒ぎ立てていて互いを呼び合って叫んでいる。つまらない者たちがこれらのなかで我の先と争っている。

はかり考えることは常日頃のこととしている。それによって殺されるか却って理にかなっていてまた成り行きとして良いということなのである。

 

 

(訳注) #1

病鴟

(世の中の汚れに鴟【とび】が病【わずら】う。)

 

屋東惡水溝,有鴟墮鳴悲。 

この家の東側には運河の水が汚れている。トンビがいるが堕ちて悲しげに鳴いている。

・鴟 とび。タカ目タカ科の鳥。全長約60センチメートルで暗褐色。尾の形がタカの尾としては珍しく凹形。全国の低山や海岸などに生息し、動物や魚の死骸などを食べる。ピーヒョロロと鳴きながら輪を描いて滑翔(かつしよう)。トンビ。

 

青泥揜兩翅,拍拍不得離。 

靑泥が両の羽にかかって付いてしまった。羽音をパタパタするけれど靑泥の水溝から離れることが出来ない。

・揜 とる。うばう。おそう。はやいさま。

・拍拍 鳥の羽がパタパタと羽音をさせる。

 

群童叫相召,瓦礫爭先之。 

沢山の子供が騒ぎ立てていて互いを呼び合って叫んでいる。つまらない者たちがこれらのなかで我の先と争っている。

・群童 群がっている子供たち。

・瓦礫 1 かわらと小石。破壊された建造物の破片など。「―の山と化す」 2 値うちのないもの、つまらないもののたとえ。

 

計校生平事,殺卻理亦宜。

はかり考えることは常日頃のこととしている。それによって殺されるか却って理にかなっていてまた成り行きとして良いということなのである。

・計校  はかり考えること。
蛺蝶02 

遊城南十六首:遣興 韓愈(韓退之) <184>Ⅱ中唐詩795 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2959

城南十六首:遣興 韓愈人間の一生を洗い流してくれるのはただ酒だけだ。あれこれ、百の考えてみるけれどのんびり過すのが一番いいことなのだ。世間のことも 身の上もくよくよ憂いてもしかたがない。すべて、人間世界も夢の中のことと思えはいいのではないだろうか

 

2013年9月9日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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司馬相如 《子虚賦 》(3)#1-2 文選 賦<109-#1-2>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩882 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2958
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
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●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoor 642 《悲秋》 蜀中転々 杜甫 <547>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2960 杜甫詩1000-547-786/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 099清平楽 其四 韋荘 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-283-5-#37 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2962
 
 ■最近の人気の文・賦・詩・詞(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex

『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html    
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304    
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html    
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html    
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html    
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html    
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html    
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。    
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。    
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html    
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html    
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

遊城南十六首:遣興 韓愈(韓退之) <184>Ⅱ中唐詩795 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2959

 

 

卷別: 卷三四三  文體: 七言 

詩題: 遊城南十六首:遣興 

及地點:  城南 (京畿道 京兆府 長安)     

 
 

遊城南十六首:遣興

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「自分をなぐさめるための詩」)

斷送一生惟有酒,尋思百計不如閒。 

人間の一生を洗い流してくれるのはただ酒だけだ。あれこれ、百の考えてみるけれどのんびり過すのが一番いいことなのだ。

莫憂世事兼身事,須著人間比夢間。 

世間のことも 身の上もくよくよ憂いてもしかたがない。すべて、人間世界も夢の中のことと思えはいいのではないだろうか

 

(興を遣る)

一生を断迭するに 惟だ酒のみ有り、百計を尋思【じんし】するに 閑【かん】なるに如かず。

憂ふる莫れ 世事と身事とを、須らく人間を著って夢閒【むかん】に比すべし。

 

nat0010

 













『遊城南十六首:遣興』 現代語訳と訳註

(本文)

遊城南十六首:遣興

斷送一生惟有酒,尋思百計不如閒。 

莫憂世事兼身事,須著人間比夢間。 

 

 

(下し文)

(興を遣る)

一生を断迭するに 惟だ酒のみ有り、百計を尋思【じんし】するに 閑【かん】なるに如かず。

憂ふる莫れ 世事と身事とを、須らく人間を著って夢閒【むかん】に比すべし。

 

 

(現代語訳)

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「自分をなぐさめるための詩」)

人間の一生を洗い流してくれるのはただ酒だけだ。あれこれ、百の考えてみるけれどのんびり過すのが一番いいことなのだ。

世間のことも 身の上もくよくよ憂いてもしかたがない。すべて、人間世界も夢の中のことと思えはいいのではないだろうか

 

 

(訳注)

遊城南十六首:遣興

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「自分をなぐさめるための詩」)

・遣興 自分をなぐさめるための詩。

 

 

斷送 一生 惟有 ,尋思 百計 不如

人間の一生を洗い流してくれるのはただ酒だけだ。あれこれ、百の考えてみるけれどのんびり過すのが一番いいことなのだ。

・断送 すぎてゆく。葬る、送る、というほどの意。この句はたいへん有名で、朱の王安石の「酒、酒、破除万事無過、断送一生惟有」はこれをもじったものである。

 

 

莫憂 世事 兼身事 ,須著 人間 夢間

世間のことも 身の上もくよくよ憂いてもしかたがない。すべて、人間世界も夢の中のことと思えはいいのではないだろうか

aki010 

 

 

<杜甫の遣興について>

長安にあって驥子をおもって作ったものである。製作時、至徳二載。75746歳 この時遣興のシリーズの先頭である。これが20首も続くとは思っていなかったのである。758年 乾元元年罷諌官後作 ②房琯擁護の後、疎外感を持って勤務したころ「我今日夜憂,諸弟各異方。」ではじまり、③「客子念故宅,三年門巷空。」旅人であれば故郷の家を思うものである。もう三年、私の家の門や門前の小道に家族が集うことはなく、むなしく淋しいものである。④「丈夫貴壯健,慘戚非朱顏。」家族みんなが元気でなければいけないと①~④まで自分の思いを分散している家族に「派遣」するのである。

⑤~⑦については「官を辞して」秦州に来た旨を知らせる内容で、続いて⑧~⑫は杜甫が詩人として生きていくことを決意したこと、過去の詩人たちと隠棲を述べながら家族に知らせるものである。⑬~⑭は杜甫が今まで胸に抑えてきたものをこれから堂々と詩に詠っていくことの決意を示している。⑮~⑲は「官を辞し」た自分は富貴者、官僚に対して決して媚は売らないというものである。こうして、⑳で艱難辛苦の上、成都草堂に来たのだが早く会いたいものだ、と述べている。

遣興 ①756年 反乱軍拘束、長安で軟禁状態であったとき

驥子好男兒,前年學語時問知人客姓,誦得老夫詩。

世亂憐渠小,家貧仰母慈。鹿門攜不遂,雁足系難期。

天地軍麾滿,山河戰角悲。倘歸免相失,見日敢辭遲。

 

遣興 杜甫 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 151

 

 

遣興詩特集

遣興 756年 反乱軍拘束、長安で軟禁状態であったとき

驥子好男兒,前年學語時問知人客姓,誦得老夫詩。

世亂憐渠小,家貧仰母慈。鹿門攜不遂,雁足系難期。

天地軍麾滿,山河戰角悲。倘歸免相失,見日敢辭遲。

遣興 杜甫 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 151

 

遣興について

 ②③④の三首について、②第一首では「我今日夜憂、諸弟各異方(我今日夜憂ふ、諸弟各方を異にす)」と兄弟と離れていることを愁い、いずれも故郷を離れ、戦乱のために帰れぬ者の視点から、それぞれ自分の弟にたいして。③第二首では「客子念故宅、三年門巷空(客子故宅を念ひ、三年門巷空し)」と故郷の住まいを思い(故郷の故宅)。④第三首は「昔在洛陽時、親友相追単。(昔洛陽に在りし時、親友相追単す)」と洛陽における旧友達との交友を思い起こしており、内容は一定していない。親友たちとの交友の日々を思い、自らの衰えを嘆く。

 

遣興三首 758 乾元元年 房琯擁護の後、疎外感を持って勤務したころ

我今日夜憂,諸弟各異方。不知死與生,何況道路長。

避寇一分散,饑寒永相望。豈無柴門歸?欲出畏虎狼。

仰看雲中雁,禽鳥亦有行。

蓬生非無根,漂蕩隨高風。天寒落萬裡,不複歸本叢。

客子念故宅,三年門巷空。悵望但烽火,戎車滿關東。

生涯能幾何,常在羈旅中!

昔在洛陽時,親友相追攀。送客東郊道,遨遊宿南山。

煙塵阻長河,樹羽成皋間。回首載酒地,豈無一日還?

丈夫貴壯健,慘戚非朱顏。

 

⑤遣興三首 759乾元二年秋在秦州作 

下馬古戰場,四顧但茫然。風悲浮雲去,黃葉墮我前。

朽骨穴螻蟻,又為蔓草纏。故老行嘆息,今人尚開邊。

漢虜互勝負,封疆不常全。安得廉頗將,三軍同晏眠?

遣興三首 其一 <226>杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1094 杜甫特集700- 329

高秋登塞山,南望馬邑州。降虜東擊胡,壯健盡不留。

穹廬莽牢落,上有行雲愁。老弱哭道路,願聞甲兵休。

鄴中事反覆,死人積如丘。諸將已茅土,載驅誰與謀?

遣興三首 其二 <227>杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1097 杜甫特集700- 330

豐年孰雲遲,甘澤不在早。耕田秋雨足,禾黍已映道。

春苗九月交,顏色同日老。勸汝衡門士,忽悲尚枯槁。

時來展才力,先後無醜好。但訝鹿皮翁,忘機對芳草。

遣興三首 其三 <228>杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1100 杜甫特集700- 331

 

⑧1033.遣興五首 759乾元二年秋在秦州作

蟄龍三冬臥,老鶴萬裡心。昔時賢俊人,未遇猶視今。

嵇康不得死,孔明有知音。又如隴坻松,用舍在所尋。

大哉霜雪幹,久為枯林。

昔者龐德公,未曾入州府。襄陽耆舊間,處士節獨苦。

豈無濟時策?終竟畏網罟。林茂鳥有歸,水深魚知聚。

舉家隱鹿門,劉表焉得取。

陶潛避俗翁,未必能達道。觀其著詩集,頗亦恨枯槁。

達生豈是足?默識蓋不早。有子賢與愚,何其掛懷抱?

賀公雅語,在位常清狂。上疏乞骸骨,黃冠歸故

爽氣不可致,斯人今則亡。山陰一茅宇,江海日淒涼。

吾憐孟浩然,短褐即長夜。賦詩何必多,往往淩鮑謝。

清江空舊魚。春雨餘甘蔗。每望東南雲,令人幾悲吒。

 

⑬遣興二首   759乾元二年秋在秦州作

天用莫如龍,有時系扶桑。頓轡海徒湧,神人身更長。

性命苟不存,英雄徒自強。吞聲勿複道,真宰意茫茫。

地用莫如馬,無良複誰記?此日千裡鳴,追風可君意。

君看渥窪種,態與駑駘異。不雜蹄嚙間,逍遙有能事。

 

 

 

「遣興五首」(⑮ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲)について、『杜詩詳注』は「此詩梁権道編在乾元二年秦州詩内。今姑但之。(此の詩は梁権道編して乾元二年秦州の詩の内に在り。今姑く之に但る。)」と、乾元二年(七五九)秦州における作にひとまず編年している。

杜甫は、日ごろから、この富貴の者たちの言動が腹に据えかねていた。士官を目指しているときや、官僚の時には言えなかったことが、官を辞して初めて批判できるのである。この二十年の思いをぶっつけるのである。この五首それぞれの思いで、「北里・長陵・蕭京兆・元悪・富家葬」と、いきいきと述べている。このことで、作時を長安時代の作であろうと推測している説もあるが、わたしはやはり旧注の乾元二年とする。杜甫は、言えなかったことが初めて言えるようになった、官を辞して、秦州に来たからこそであり、腹に溜めていた「興」を吐き出すというもので、そう考えると全体が味わい深いものである。この「遣興」というシリーズの存在感はそこにあるというものだ。

 

其一    ⑮

朔風飄胡雁,慘澹帶砂礫。長林何蕭蕭,秋草萋更碧。

北裡富燻天,高樓夜吹笛。焉知南鄰客,九月猶絺綌。

 

其二    ⑯

長陵頭兒,出獵待明發。騂弓金爪鏑,白馬蹴微雪。

未知所馳逐,但見暮光滅。歸來懸兩狼,門有旌節。

 

其三    ⑰

漆有用而割,膏以明自煎;蘭摧白露下,桂折秋風前。

府中羅舊尹,沙道故依然。赫赫蕭京兆,今為人所憐。

 

其四    ⑱

猛虎憑其威,往往遭急縛。雷吼徒咆哮,枝撐已在

忽看皮寢處,無複睛閃爍。人有甚於斯,足以勸元惡。

 

其五    ⑲

朝逢富家葬,前後皆輝光。共指親戚大,緦麻百夫行。

送者各有死,不須羨其強。君看束縛去,亦得歸山岡。

遊城南十六首:楸樹 韓愈(韓退之) <183>Ⅱ中唐詩794 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2954

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遊城南十六首:楸樹 韓愈(韓退之
) <183>Ⅱ中唐詩794 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2954

 

 

卷別: 卷三四三  文體: 七言 

詩題: 遊城南十六首:楸樹 

寫及地點:  城南 (京畿道 京兆府 長安)     

 

詩文:

遊城南十六首:楸樹

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「キササゲの大樹」)

青幢紫蓋立童童,細雨浮煙作綵籠。 

青い旗、ほこが 紫の天蓋のように どうどうと盛んに茂って立っている。こまかな雨がふり、けぶるもやに まるで絵燈籠みたいにみえる。

不得畫師來貌取,定知難見一生中。 

画家がやって来て、写生しておいてくれなかったから、こんな光景はきっと、一生の間、見られるというものではないだろう。

 

城南に遊ぶ十六首:楸樹【しゅうじゅ】

青幢【せいどう】紫蓋【しがい】立って童童,細雨【さいう】浮煙【ふえん】綵籠【さいりゅう】を作す。 

畫師の來って貌取【ばくしゅ】するを得ずんば,定めて知る一生の中【うち】に見難【がた】きを。 

長安付近図00 

 















『遊城南十六首:楸樹』 現代語訳と訳註

(本文)

楸002

遊城南十六首:楸樹

青幢紫蓋立童童,細雨浮煙作綵籠。 

不得畫師來貌取,定知難見一生中。 

 

 

(下し文)

城南に遊ぶ十六首:楸樹【しゅうじゅ】

青幢【せいどう】紫蓋【しがい】立って童童,細雨【さいう】浮煙【ふえん】綵籠【さいりゅう】を作す。 

畫師の來って貌取【ばくしゅ】するを得ずんば,定めて知る一生の中【うち】に見難【がた】きを。 

 

 

(現代語訳)

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「キササゲの大樹」)

青い旗、ほこが 紫の天蓋のように どうどうと盛んに茂って立っている。こまかな雨がふり、けぶるもやに まるで絵燈籠みたいにみえる。

画家がやって来て、写生しておいてくれなかったから、こんな光景はきっと、一生の間、見られるというものではないだろう。

 

 

(訳注)

遊城南十六首:楸樹

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「キササゲの大樹」)

・楸 ひさぎ、また、キササゲという木である。ノウゼンカズラ科の落葉高木。中国中南部原産。葉は大形で、キリの葉に似る。夏、枝先に淡黄色の花を密につける。果実は細長く垂れ、ササゲのさやに似る。果実を食用、また利尿薬にする。花園, 庭園; . 黄蝉を意味する。

韓愈『遊城南十六首:楸樹,二首之一』

生成為大樹,一朝纏繞困長藤。

誰人與青羅帔,看吐高花萬萬層。

遊城南十六首:楸樹,二首之一 韓愈(韓退之) <173>Ⅱ中唐詩784 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2904

韓愈『遊城南十六首:楸樹,二首之二』

幸自枝條能樹立,可煩蘿蔓作交加。

傍人不解尋根本,卻道新花勝舊花。

遊城南十六首:楸樹,二首之二 韓愈(韓退之) <174>Ⅱ中唐詩785 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2909

 

 

青幢 紫蓋 童童 ,細雨 浮煙 作綵籠

青い旗、ほこが 紫の天蓋のように どうどうと盛んに茂って立っている。こまかな雨がふり、けぶるもやに まるで絵燈籠みたいにみえる。

・青幢 紫蓋 青い幕、紫のおおい。ひさぎの姿を形容していのである。『蜀志』の先主伝に「合の東南角の添上に桑樹あり。童童として小車蓋の如し」 の語がみえ、更玲の『李長吉歌詩彙解』に『西京雑記』をひいて「太液池の洲上に樹一株ありて、これを望むに童童として車蓋の如し」という。『西京雑記』にはこの一条はみえないが、別に「終南山に(中略)樹あり、直上す。百尺、枝なし。上は蘘条を結んで車蓋の如し。葉は一は靑、一は赤。これを望めば斑駁して錦繍の如し。長安にはこれを丹青樹といひ、また華蓋樹といふ」なる語がみえる。

・童童 盛んに茂るさま。

・綵籠 乗しく色どったかご。

 

 

不得 畫師 貌取、定知難見一生中。

画家がやって来て、写生しておいてくれなかったから、こんな光景はきっと、一生の間、見られるというものではないだろう。

・畫師 職業身份、畫家。

・貌取 写生する。
楸001 

遊城南十六首:嘲少年 韓愈(韓退之) <182>Ⅱ中唐詩793 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2949

韓愈《遊城南十六首:嘲少年》 春景色をギュッとつかつかんで、行楽に出て女性を携えて酒のさかなとしている。「命令じゃ、もって行け」などと人に花をやるように女をもらいうける。

 

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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。    
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 


遊城南十六首:嘲少年 韓愈(韓退之
) <182>Ⅱ中唐詩793 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2949

 

作者: 韓愈  816  元和十一年  49 

卷別: 卷三四三  文體: 五言 

詩題: 遊城南十六首:嘲少年 

寫及地點:  城南 (京畿道 京兆府 長安)     

詩文:

 

遊城南十六首:嘲少年  

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「貴公子の諸行を嘲る」)

直把春償酒,都將命乞花。 

春景色をギュッとつかつかんで、行楽に出て女性を携えて酒のさかなとしている。「命令じゃ、もって行け」などと人に花をやるように女をもらいうける。

祗知閒信馬,不覺誤隨車。 

それと思うと暇にまかせ、馬にまかせてやりたい放題、そこまでは知ってたが、うつかり、間違って誰かの車のあとについて行ったかまったく覚えていない。

(城南に遊ぶ十六首:少年を嘲る)

直【ただち】に春を把って酒を償【つぐな】い、都【すべ】て命を將って花を乞【あた】う。

祗だ知る 閑に馬に信【まか】するを、覚えず 誤って車に随ふを。

 

 

『遊城南十六首:嘲少年』 現代語訳と訳註

(本文)

直把春償酒,都將命乞花。 

祗知閒信馬,不覺誤隨車。 

 

 

(下し文)

(城南に遊ぶ十六首:少年を嘲る)

直【ただち】に春を把って酒を償【つぐな】い、都【すべ】て命を將って花を乞【あた】う。

祗だ知る 閑に馬に信【まか】するを、覚えず 誤って車に随ふを。

 

(現代語訳)

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「貴公子の諸行を嘲る」)

春景色をギュッとつかつかんで、行楽に出て女性を携えて酒のさかなとしている。「命令じゃ、もって行け」などと人に花をやるように女をもらいうける。

それと思うと暇にまかせ、馬にまかせてやりたい放題、そこまでは知ってたが、うつかり、間違って誰かの車のあとについて行ったかまったく覚えていない。

 

 

(訳注)

遊城南十六首:嘲少年 

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「貴公子の諸行を嘲る」)

・少年 貴族の子弟が酒屋において傲慢に酒を貪ったさまをうたう。(762)宝応元年、杜甫51歳の成都での作品。李白や、王維の同名の作品は楽府、音楽に合わせて歌うように詩を読むものであるが、杜甫のこの詩は七言絶句の形式の歌行である。同種の『貧孝行』がある。唐詩で「少年」といえば、王維 少年行
新豐美酒斗十千,咸陽遊侠多少年。
相逢意氣爲君飮,繋馬高樓垂柳邊。 
李白 17少年行
少年行      
五陵年少金市東、銀鞍白馬度春風。
落花踏尽遊何処、笑入胡姫酒肆中。
杜甫 少年行

馬上誰家白面郎、臨階下馬坐人牀。
不通姓氏麤豪甚、指點銀瓶索酒嘗。
 
王昌齢『少年行』
走馬遠相尋,西樓下夕陰。結交期一劍,留意贈千金。高閣歌聲遠,重門柳色深。夜闌須盡飲,莫負百年心。
いなせな若者や壮士を詠う。

杜甫『少年行』 

馬上誰家白面郎、臨階下馬坐人牀。

不通姓氏麤豪甚、指點銀瓶索酒嘗。

少年行 杜甫 蜀中転々 杜甫 <501  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2695 杜甫詩1000-501-733/1500

 

 

直把  償酒 ,都將命 乞花 

春景色をギュッとつかつかんで、行楽に出て女性を携えて酒のさかなとしている。何でもかんでも命令口調で、「もって行け」などと人に花をやるように女をもらいうける。

・「把」把。つかむ、ひきよせる。

・「春」春景色。女性。

・「償」償【つぐな】い。

・「命」命令。

・「乞」求める。

・「花」花。春景色。女性。

 

 

祗知  信馬 ,不覺 誤隨車 

それと思うと暇にまかせ、馬にまかせてやりたい放題、そこまでは知ってたが、うつかり、間違って誰かの車のあとについて行ったかまったく覚えていない。

遊城南十六首:把酒 韓愈(韓退之) <181>Ⅱ中唐詩792 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2944

遊城南十六首:把酒 韓愈 わたしはそんなやつとは違ってここに来て誰一人相手もないが、酒を片手に陶淵明の「悠然として南山をみる」と同じに終南山にむかうのだ。

 

2013年9月6日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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遊城南十六首:把酒 韓愈(韓退之) <181>Ⅱ中唐詩792 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2944

 

 

卷別: 卷三四三  文體: 五言 

詩題: 遊城南十六首:把酒 

及地點:  城南 (京畿道 京兆府 長安、韋曲) 、終南山 (京畿道 無第二級行政層級 終南山) 別名:南山、秦山     

 

 

詩文:

遊城南十六首:把酒

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「酒を片手に」)

擾擾馳名者,誰能一日閒。

ざわざわと目立って自己の名声を売って歩く者たちが居る。そんなやつをだれがのんびりした一日をもっているというのか。

我來無伴侶,把酒對南山。

わたしはそんなやつとは違ってここに来て誰一人相手もないが、酒を片手に陶淵明の「悠然として南山をみる」と同じに終南山にむかうのだ。

 

(城南に遊ぶ十六首:酒を把る)

擾擾【じょうじょう】として名を馳する者,誰か能く一日閒【しずか】なる。

我れ來って伴侶無し,酒を把って南山に對す。

 

 

『遊城南十六首:把酒』 現代語訳と訳註

(本文)

遊城南十六首:把酒

擾擾馳名者,誰能一日閒。

我來無伴侶,把酒對南山。

 

 

(下し文)

(城南に遊ぶ十六首:酒を把る)

擾擾【じょうじょう】として名を馳する者,誰か能く一日閒【しずか】なる。

我れ來って伴侶無し,酒を把って南山に對す。

 

 

(現代語訳)

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「酒を片手に」)

ざわざわと目立って自己の名声を売って歩く者たちが居る。そんなやつをだれがのんびりした一日をもっているというのか。

わたしはそんなやつとは違ってここに来て誰一人相手もないが、酒を片手に陶淵明の「悠然として南山をみる」と同じに終南山にむかうのだ。

楠樹03













 

 

(訳注)

遊城南十六首:把酒 

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「酒を片手に」)

 

擾擾馳名者,誰能一日閒。

ざわざわと目立って自己の名声を売って歩く者たちが居る。そんなやつをだれがのんびりした一日をもっているというのか。

・擾擾 【じょうじょう】擾擾とは。乱れて落ち着かないさま。ごたごたするさま。

 

我來無伴侶,把酒對南山。

わたしはそんなやつとは違ってここに来て誰一人相手もないが、酒を片手に陶淵明の「悠然として南山をみる」と同じに終南山にむかうのだ。

・南山 終南山に対する。陶淵明の『飲酒』の詩の「悠然見南山」(悠然として南山を見る)を含意しての作である。

韓愈『遊太平公主山莊』

公主當年欲占春,故將臺榭押城闉。

欲知前面花多少,直到南山不屬人。

遊太平公主山莊 韓愈(韓退之) <146>Ⅱ中唐詩724 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2604

(韓愈 唐詩)『南山詩』(全20回)#1~#20

第一部 終南山連峰の概要・四季

第二部 終南山朝夕・周辺の事項

第三部 以前左遷の際、冬に終南山を抜けた時の事

第四部 以前左遷の際、冬に終南山を抜けた時の事

南山詩 韓退之(韓愈)詩<63-#20>Ⅱ中唐詩396 紀頌之の漢詩ブログ1267

○南山詩 南山は、唐の首都長安の南にそびえる終南山。ここでは、終南山や太白山を含め、秦蹴山脈

終南山03

全体を称して南山といっているようである。806年元和元年、江陵(現湖北省)から長安に召還され、権知国子博士となったときの作。韓愈三十九歳。韓愈の詩中、最大の長篇で、一百二韻二百四句を去声「宥」韻一つで押韻するという枝巧をこらし、南山をいろいろの角度から描写しようとした。従来「賦」の文学手法を、詩に用いようとしたもので、韓愈が一番精魂込めた作品である。杜甫の長詩「北征」と、優劣が論ぜられるほど、中国詩の歴史上からも、屈指の力作とされる。長篇であるから、いくつかの#()に分けることにする。

 

終南山は、西岳の太白山376m、と中岳の嵩山1440mのあいだにあり、渭水の南、20002900mの山でなる。中国,陝西省南部,秦嶺のうち西安南方の一帯をさす。また秦嶺全体をいう場合もある。その名は西安すなわち長安の南にあたることに由来し,関中盆地では,渭河以北の北山に対し南山とも称する。標高20002900m。北側は大断層崖をなし,断層線にそって驪山(りざん)などの温泉が湧出する。渭河と漢水流域とを結ぶ交通の要所で,子午道などの〈桟道(さんどう)〉が開かれ,しばしば抗争の地ともなった。

#2

勸參留守謁大尹,言語纔及輒掩耳。水北山人得名聲,去年去作幕下士。

水南山人又繼往,鞍馬仆從塞閭裏。少室山人索價高,兩以諫官征不起。
函谷関長安地図座標001 

遊城南十六首:出城 韓愈(韓退之) <180>Ⅱ中唐詩791 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2939

遊城南十六首:出城 韓愈 しばらくのあいだ、長安城の門からでて、春の若草をふんで歩いた。遠くに見える渭水の向こうにも林の下に若草がもえる春の山を見るのである。まさに、韋曲や杜曲の友人の家々を訪ねてみるか、娼屋をひやかしてみようかということだが、ただ、こんなに暇なのも今日、朝から一日のあるだけのことなのだ。

 

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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。    
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

遊城南十六首:出城 韓愈(韓退之) <180>Ⅱ中唐詩791 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2939

 

 

卷別: 卷三四三  文體: 七言 

詩題: 遊城南十六首:出城 

寫作地點: 目前尚無資料 

寫及地點:  城南 (京畿道 京兆府 長安)     

 

 

詩文:

遊城南十六首:出城

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「長安城を出る」)

暫出城門蹋青草,遠於林下見春山。 

しばらくのあいだ、長安城の門からでて、春の若草をふんで歩いた。遠くに見える渭水の向こうにも林の下に若草がもえる春の山を見るのである。

應須韋杜家家到,祗有今朝一日閒。 

まさに、韋曲や杜曲の友人の家々を訪ねてみるか、娼屋をひやかしてみようかということだが、ただ、こんなに暇なのも今日、朝から一日のあるだけのことなのだ。 

城を出づ

暫く城門を出でて青草を蹋み、遠く林下に於て春山を見る。

應に須く韋杜の家家に到るべし、秖だ今朝一目の閑有るのみ。

 

 

『遊城南十六首:出城』 現代語訳と訳註

(本文)

遊城南十六首:出城

暫出城門蹋青草,遠於林下見春山。 

應須韋杜家家到,祗有今朝一日閒。 

 

 

(下し文)

城を出づ

暫く城門を出でて青草を蹋み、遠く林下に於て春山を見る。

應に須く韋杜の家家に到るべし、秖だ今朝一目の閑有るのみ。

 

(現代語訳)

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「長安城を出る」)

しばらくのあいだ、長安城の門からでて、春の若草をふんで歩いた。遠くに見える渭水の向こうにも林の下に若草がもえる春の山を見るのである。

まさに、韋曲や杜曲の友人の家々を訪ねてみるか、娼屋をひやかしてみようかということだが、ただ、こんなに暇なのも今日、朝から一日のあるだけのことなのだ。

 

 

(訳注)

遊城南十六首:出城

長安付近図00(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「長安城を出る」)

・游城南十六首 底本巻九。十六首が一時に作られたものではないのかもしれない。長安城南(韋曲・杜曲、潏水)に遊んで作った詩が、どれも晩春をうたったものである。

 

暫出 城門 青草 ,遠於 林下 春山

しばらくのあいだ、長安城の門からでて、春の若草をふんで歩いた。遠くに見える渭水の向こうにも林の下に若草がもえる春の山を見るのである。

・「出城門」長安城を出る。

・「蹋」歩くのに踏むことをいう。『遊城南十六首:晚雨』

廉纖晚雨不能晴,池岸草間蚯蚓鳴。

投竿跨馬蹋歸路,纔到城門打鼓聲。

・「青草」ここでは若草。近くで確認する春草と、遠くに見る若草をいう。

10risho長安城の図・「遠於林」遠くは杜陵から渭水が横たわり、杜の向こうに五陵があり、その景色を見ている。

・「下見」南斜面である遠く五陵の木々の下に見える春景色を云う。

・「春山」春景色の中の遠くに見える山。

 

 

應須 韋杜 家家 ,祗有 今朝 一日

まさに、韋曲や杜曲の友人の家々を訪ねてみるか、娼屋をひやかしてみようかということだが、ただ、こんなに暇なのも今日、朝から一日のあるだけのことなのだ。

・「韋杜」韋(姓氏)。城南の歓楽街である韋曲があり、潏水をのぼって杜曲がある。

・「家家」友人の家なのか、娼屋なのかどちらとも考えられる。

終南山03 

遊城南十六首:晚雨 韓愈(韓退之) <179>Ⅱ中唐詩790 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2934

遊城南十六首:晚雨 韓愈 細く、こまかな雨がしとしととふり続く夕方、雨は晴れようとしてくれない。だから池の岸辺の草むらにミミズさえ細雨が嬉しくて鳴きだした。竿を投げだし、それから馬にまたがり、急いで帰路を踏むのだ。やっとまにあった、城門についたとき時、閉門をつげる昏鼓のおとが打ち鳴らされた。


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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。    
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html    
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

 

遊城南十六首:晚雨 韓愈(韓退之) <179>Ⅱ中唐詩790 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2934

 

 

作者: 韓愈  816  元和十一年  49 

卷別: 卷三四三  文體: 七言 

詩題: 遊城南十六首:晚雨 

及地點:城南 (京畿道 京兆府 長安)     

 

 

詩文:

遊城南十六首:晚雨

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「晩方の雨」)

廉纖晚雨不能晴,池岸草間蚯蚓鳴。

細く、こまかな雨がしとしととふり続く夕方、雨は晴れようとしてくれない。だから池の岸辺の草むらにミミズさえ細雨が嬉しくて鳴きだした。

投竿跨馬蹋歸路,纔到城門打鼓聲。

竿を投げだし、それから馬にまたがり、急いで帰路を踏むのだ。やっとまにあった、城門についたとき時、閉門をつげる昏鼓のおとが打ち鳴らされた。 

(城南に遊ぶ十六首:晚の雨)

廉纖【れんせん】晚雨 晴るる能わず,池岸の草間に蚯蚓【きゅういん】鳴く。

竿を投じ馬に跨【またが】って歸路を蹋【ふ】む,纔【わずか】に城門に到れば鼓を打つ聲したり。

 nat0026

 













『遊城南十六首:晚雨』 現代語訳と訳註

(本文)

遊城南十六首:晚雨

廉纖晚雨不能晴,池岸草間蚯蚓鳴。

投竿跨馬蹋歸路,纔到城門打鼓聲。

 

 

(下し文)

(城南に遊ぶ十六首:晚の雨)

廉纖【れんせん】晚雨 晴るる能わず,池岸の草間に蚯蚓【きゅういん】鳴く。

竿を投じ馬に跨【またが】って歸路を蹋【ふ】む,纔【わずか】に城門に到れば鼓を打つ聲したり。

 

(現代語訳)

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「晩方の雨」)

細く、こまかな雨がしとしととふり続く夕方、雨は晴れようとしてくれない。だから池の岸辺の草むらにミミズさえ細雨が嬉しくて鳴きだした。

竿を投げだし、それから馬にまたがり、急いで帰路を踏むのだ。やっとまにあった、城門についたとき時、閉門をつげる昏鼓のおとが打ち鳴らされた。

 

 

(訳注)

遊城南十六首:晚雨

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「晩方の雨」)

・游城南十六首 底本巻九。十六首が一時に作られたものではないのかもしれない。長安城南(韋曲・潏水)に遊んで作った詩が、どれも晩春をうたったものである。

 

廉纖 晚雨 不能 ,池岸 草間 蚯蚓

細く、こまかな雨がしとしととふり続く夕方、雨は晴れようとしてくれない。だから池の岸べの草むらにミミズさえ細雨が嬉しくて鳴きだした。

・晩雨 夕がたからふり出す雨。

・廉纖 ほそく、こまかなさま。

・蚯蚓 みみず。

 

 

投竿 跨馬 歸路 ,纔到 城門 打鼓

竿を投げだし、それから馬にまたがり、急いで帰路を踏むのだ。やっとまにあった、城門についたとき時、閉門をつげる昏鼓のおとが打ち鳴らされた。

・投竿ミミズで魚釣りをしていたのをやめること。

・跨馬蹋 馬に跨がり急いで帰路を踏む。

・城門 長安城の南の門。

・打鼓声 時を知らす大鼓の音。城門は一定の時間に閉じるので、それにおくれるとまちの中に入れない。この太鼓はたぶん閉門の時をしらすそれで、『唐六典』

に「城門即は晨昏に鼓を撃つ」という昏鼓にあたる。
魚玄機55021 

遊城南十六首:題韋氏莊 韓愈(韓退之) <178>Ⅱ中唐詩789 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2929

遊城南十六首:題韋氏莊 韓愈 この別荘もひっそりと青草しげる潏水の隈の堤のほとりにある。そぞろにやわらかくかげが吹き抜ける、葉をいっぱいに広げ茂る白楡の間を風がふきぬけてくる。

 

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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

遊城南十六首:題韋氏莊 韓愈(韓退之) <178>Ⅱ中唐詩789 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2929

 

作者: 韓愈  816年 元和十一年  49 

卷別: 卷三四三  文體: 五言律詩 

詩題: 遊城南十六首:題韋氏莊 

詩序: 

寫作地點: 目前尚無資料 

寫及地點:  城南 (京畿道 京兆府 長安) 、韋氏莊 (京畿道 京兆府 長安)     

 

 

詩文:

遊城南十六首:題韋氏莊

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「韋氏一族の別荘に題す」)

昔者誰能比,今來事不同。

むかし、たれが、この家の韋氏一族とかたをならべるものがいただろうか。ちかごろでは世間の出来事も 同じでないのである。

寂寥青草曲,散漫白風。

この別荘もひっそりと青草しげる潏水の隈の堤のほとりにある。そぞろにやわらかくかげが吹き抜ける、葉をいっぱいに広げ茂る白楡の間を風がふきぬけてくる。

架倒藤全落,籬崩竹半空。

藤棚の高架は倒れて藤はすっかり落ちてしまっている。別荘の周りを囲んだ籬は崩れて竹も半ばはなくなったままになっている。

寧須惆悵立,翻覆本無窮。

でも、どうして嘆いてたたずむ必要などありはしないだろう。移り変わりというものはどんなものにもあるもので、もともと、究極の不滅ということなどありはしないものということなのだ。

 

遊城南十六首:韋氏の莊に題す

昔者【むかし】誰か能く比べし,今來【こんらい】事同じからず。

寂寥【せきしゅう】青草の曲,散漫たり 白風。

架は倒れ 藤 全く落ち,籬は崩れ 竹 半ば空し。

寧んぞ惆悵して立つを須【もち】いん,翻覆 本【もとも】と 窮り無し。

 桑畑

 















『遊城南十六首:題韋氏莊』 現代語訳と訳註

(本文)

遊城南十六首:題韋氏莊

昔者誰能比,今來事不同。

寂寥青草曲,散漫白風。

架倒藤全落,籬崩竹半空。

寧須惆悵立,翻覆本無窮。

 

 

(下し文)

遊城南十六首:韋氏の莊に題す

昔者【むかし】誰か能く比べし,今來【こんらい】事同じからず。

寂寥【せきしゅう】青草の曲,散漫たり 白風。

架は倒れ 藤 全く落ち,籬は崩れ 竹 半ば空し。

寧んぞ惆悵して立つを須【もち】いん,翻覆 本【もとも】と 窮り無し。

 

 

(現代語訳)

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「韋氏一族の別荘に題す」)

むかし、たれが、この家の韋氏一族とかたをならべるものがいただろうか。ちかごろでは世間の出来事も 同じでないのである。

この別荘もひっそりと青草しげる潏水の隈の堤のほとりにある。そぞろにやわらかくかげが吹き抜ける、葉をいっぱいに広げ茂る白楡の間を風がふきぬけてくる。

藤棚の高架は倒れて藤はすっかり落ちてしまっている。別荘の周りを囲んだ籬は崩れて竹も半ばはなくなったままになっている。

でも、どうして嘆いてたたずむ必要などありはしないだろう。移り変わりというものはどんなものにもあるもので、もともと、究極の不滅ということなどありはしないものということなのだ。

 

 

(訳注)

遊城南十六首:題韋氏莊

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「韋氏一族の別荘に題す」)

・游城南十六首 底本巻九。十六首が一時に作られたものではないのかもしれない。長安城南に遊んで作った詩が、どれも晩春をうたったものである。

・韋氏荘 唐代では韋氏は名族の一つ長安城南にその一族が住み、地を韋曲といった。『雍録』に「呂図に、韋曲は明徳門外に在り。韋后の家ここに在り。蓋し皇子陂西、いわゆる城南の韋・杜なり」といい、鄭樵の『通志』には「韋曲は樊川に在り。唐の韋安石の別業なり」という。韓愈が遊んだときには、韋氏も衰え、その別荘などもすたれたものが多かったのであろう。

 

sora001昔者誰能比,今來事不同。

むかし、たれが、この家の韋氏一族とかたをならべるものがいただろうか。ちかごろでは世間の出来事も 同じでないのである。

 

寂寥青草曲,散漫白風。

この別荘もひっそりと青草しげる潏水の隈の堤のほとりにある。そぞろにやわらかくかげが吹き抜ける、葉をいっぱいに広げ茂る白楡の間を風がふきぬけてくる。

・青草曲 青くさの生いしげった潏水の堤のほとり。

・白風 楡は西側に植えるもので夕方の風というところ。白楡旱楡他. 沙棗 (スナナツメ, グミ科 グミ属, 樹高515m 耐乾耐暑耐寒耐塩性などに優れる落葉樹。成長が比較的早く根粒菌が共生し、土壌改良の働きがあるため砂漠の緑化によく使われる。枝葉は家畜の優れた飼料となり果実はトウモロコシなどに近い

 

架倒藤全落,籬崩竹半空。

藤棚の高架は倒れて藤はすっかり落ちてしまっている。別荘の周りを囲んだ籬は崩れて竹も半ばはなくなったままになっている。

 

寧須惆悵立,翻覆本無窮。

でも、どうして嘆いてたたずむ必要などありはしないだろう。移り変わりというものはどんなものにもあるもので、もともと、究極の不滅ということなどありはしないものということなのだ。

遊城南十六首:贈張十八助教 韓愈(韓退之) <177>Ⅱ中唐詩788 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2924

遊城南十六首:贈張十八助教 韓愈 君の眼のまたすっきりと晴れてみえることがとても嬉しいとよろこんでいる。というのもその頃、手をたずさえ城南の丘陵に遊んで歩いたことがあったというのに。

 

2013年9月2日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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遊城南十六首:贈張十八助教 韓愈(韓退之) <177>Ⅱ中唐詩788 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2924
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html    
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html    
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html    
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。    
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。    
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html    
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html    
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 


遊城南十六首:贈張十八助教 韓愈(韓退之
) <177>Ⅱ中唐詩788 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2924

 

 

作者: 韓愈  816  元和十一年 49  

卷別: 卷三四三  文體: 七言 

詩題: 遊城南十六首:贈張十八助教 

及地點:城南 (京畿道 京兆府 長安)     

交遊人物: 張籍 、孟郊 詩文提及

終南山03







 

 

詩文:

遊城南十六首:贈張十八助教

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「張籍排行十八助教に贈る。」)

喜君眸子重清朗,攜手城南歷舊遊。 

君の眼のまたすっきりと晴れてみえることがとても嬉しいとよろこんでいる。というのもその頃、手をたずさえ城南の丘陵に遊んで歩いたことがあったというのに。

忽見孟生題竹處,相看淚落不能收。

ふと目にしたのは孟郊君が竹に詩をしるしたところを見たことだ。ふたりが見あうことができることになったということば涙おちるのをぬぐうことも間に合わないほど落ちるのだ。

 

城南に遊ぶ十六首:張十八助教に贈る

喜君が眸子【まなこ】重ねて清朗なるを,手を攜えて城南に舊遊を歷たり。 

忽ち見る 孟生【もうせい】の竹に題せし處を,相い看て 淚落ちて 收むるに能わず。

 

 

『遊城南十六首:贈張十八助教』 現代語訳と訳註

(本文)

遊城南十六首:贈張十八助教

喜君眸子重清朗,攜手城南歷舊遊。

忽見孟生題竹處,相看淚落不能收。

 

 

(下し文)

城南に遊ぶ十六首:張十八助教に贈る

喜君が眸子【まなこ】重ねて清朗なるを,手を攜えて城南に舊遊を歷たり。 

忽ち見る 孟生【もうせい】の竹に題せし處を,相い看て 淚落ちて 收むるに能わず。

 

 

(現代語訳)

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「張籍排行十八助教に贈る。」)

君の眼のまたすっきりと晴れてみえることがとても嬉しいとよろこんでいる。というのもその頃、手をたずさえ城南の丘陵に遊んで歩いたことがあったというのに。

ふと目にしたのは孟郊君が竹に詩をしるしたところを見たことだ。ふたりが見あうことができることになったということば涙おちるのをぬぐうことも間に合わないほど落ちるのだ。

 くちなしの花

 




(
訳注)

遊城南十六首:贈張十八助教

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「張籍排行十八助教に贈る。」)

・游城南十六首 底本巻九。十六首が一時に作られたものではないのかもしれない。長安城南に遊んで作った詩が、どれも晩春をうたったものである。

・張十八助教 張籍のこと。十八は排行。助教は国子監で博士を補佐する官、国立大学の助教授にあたる。

 

喜君眸子重清朗,攜手城南歷舊遊。 

君の眼のまたすっきりと晴れてみえることがとても嬉しいとよろこんでいる。というのもその頃、手をたずさえ城南の丘陵に遊んで歩いたことがあったというのに。

・喜君眸子重清朗 張籍は一時、眼がわるく、ほとんど見えなくなったことがある。かんめぐみ韓愈の「張籍に代って李浙東に与ふる書」 はその張籍のために、就職依宙の手紙を代輩してやったものである。

・眸子 五官顏面、眼。

・旧遊 長安城南の丘陵地を遊山して歩いたところ。急に見えなくなったものを手を引いて歩いて回ったこと。

 

忽見孟生題竹處,相看淚落不能收。

ふと目にしたのは孟郊君が竹に詩をしるしたところを見たことだ。ふたりが見あうことができることになったということば涙おちるのをぬぐうことも間に合わないほど落ちるのだ。

・孟生 孟郭。以前に選びに来たときは孟郊も元気で同行し、竹林の竹に自分の詩を書きつけたのである。ところが、元和九年八月に孟郊は死んだ。
函谷関長安地図座標001 

遊城南十六首:贈同遊 韓愈(韓退之) <176>Ⅱ中唐詩787 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2919

遊城南十六首:贈同遊 韓愈 やっと喚び起こしてくれたのは全部の窓に朝日があたり、すっかり明けてしまったときである。それなのに、もう帰ろうとせきたてるのは日がまだ西に傾きもせぬうちではないか。

 

2013年9月1日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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揚雄 《甘泉賦 》(21)#6-5 文選 賦<108-#20>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩874 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2918
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
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遊城南十六首:贈同遊 韓愈(韓退之
) <176>Ⅱ中唐詩787 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2919

 

 

作者: 韓愈  816  元和十一年  49 

卷別: 卷三四三  文體: 五言 

詩題: 遊城南十六首:贈同遊 

寫及地點:  城南 (京畿道 京兆府 長安)     

 

詩文:

遊城南十六首:贈同遊

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「贈同遊。」(同遊に贈る))

喚起窗全曙,催歸日未西。

やっと喚び起こしてくれたのは全部の窓に朝日があたり、すっかり明けてしまったときである。それなのに、もう帰ろうとせきたてるのは日がまだ西に傾きもせぬうちではないか。

無心花裡鳥,更與盡情啼。

お花畑にすみたいという心などない鳥でさえも、またほかの者のために、あれほどまでに情をつくして啼いているのではないか。

遊城南十六首:同遊に贈る

喚起されるは窗の全曙したるとき,催歸は日未だ西ならずとき。

無心の花裡の鳥さえ,更に與【ため】する 情を盡して啼くなり。

DCF00034 

 











『遊城南十六首:贈同遊』 現代語訳と訳註

(本文)

遊城南十六首:贈同遊

喚起窗全曙,催歸日未西。

無心花裡鳥,更與盡情啼。

 

 

(下し文)

遊城南十六首:同遊に贈る

喚起されるは窗の全曙したるとき,催歸は日未だ西ならずとき。

無心の花裡の鳥さえ,更に與【ため】する 情を盡して啼くなり。

 

(現代語訳)

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「贈同遊。」(同遊に贈る))

やっと喚び起こしてくれたのは全部の窓に朝日があたり、すっかり明けてしまったときである。それなのに、もう帰ろうとせきたてるのは日がまだ西に傾きもせぬうちではないか。

お花畑にすみたいという心などない鳥でさえも、またほかの者のために、あれほどまでに情をつくして啼いているのではないか。

 

 

(訳注)

遊城南十六首:贈同遊 

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「贈同遊。」(同遊に贈る))

・游城南十六首 底本巻九。十六首が一時に作られたものではないのかもしれない。長安城南に遊んで作った詩が、どれも晩春をうたったものである。

・「同遊」 遊山の同行者。行楽の同行者。

 

 

喚起 全曙 ,催歸 未西

やっと喚び起こしてくれたのは全部の窓に朝日があたり、すっかり明けてしまったときである。それなのに、もう帰ろうとせきたてるのは日がまだ西に傾きもせぬうちではないか。

・「喚起」朝遅くなって、やっと韓愈を呼びに来た。次の句の催帰とともに鳥の名だとする説もあるが、それではおかしい。

ここは言葉通りに、よびおこす、であり、催帰は、帰ろうとせきたてることである。

・「窗 全曙」朝が遅い状況を云う。当時は夜明け前に集合すのが基本である。特に男女の情事については夜が明ける前には出かけないといけないのである。

・「催歸」帰りたいと催促する。

★この起承の二句は新婚、女の言いなりの男が想定される。

 

無心 花裡 ,更與盡情

お花畑にすみたいという心などない鳥でさえも、またほかの者のために、あれほどまでに情をつくして啼いているのではないか。

・「無心」情のない付き合い。

・「花裡」女のいるところ。花畑。

・「鳥」鳥は相手を探すために啼いている。

・「与」 ために。

・「情」多情に。

・「啼」啼く、うったえる。

 ★この転結は一般的な春の行楽は美人を連れ立って、朝方から野山で宴会をし、夜には家屋内の宴会場、庭先で引き続いて宴会がひらかれるという前提でこの詩を詠むと、韓愈がその前提のもとに相手をからかっているということが理解されると思う。この詩の相手は新婚の男か、女の言いなりになる男という二者であろうが、後者の方が面白さは大きい。

百舌鳥03 

遊城南十六首:風折花枝 韓愈(韓退之) <175>Ⅱ中唐詩786 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2914

遊城南十六首:風折花枝 韓愈 春風はまた浮気心、思いが多いものであり、粋なことであろうか。私も多情な気持ちになって、故意に若葉が茂っている枝を折ってあなたに贈ってみるのです。


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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

 

遊城南十六首:風折花枝 韓愈(韓退之) <175>Ⅱ中唐詩786 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2914

 

 

作者: 韓愈  816  元和十一年  49 

卷別: 卷三四三  文體: 七言 

詩題: 遊城南十六首:風折花枝 

寫及地點:  城南 (京畿道 京兆府 長安)     

 

 

詩文:

遊城南十六首:風折花枝

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の風折花枝。)

浮豔侵天難就看,清香撲地只遙聞。

浮き立つようなあでやかさは天を侵して近づけないが、清らな香りは地をおおってはるかにっとくまでにおいはひろがっているのです。

春風也是多情思,故揀繁枝折贈君。

春風はまた浮気心、思いが多いものであり、粋なことであろうか。私も多情な気持ちになって、故意に若葉が茂っている枝を折ってあなたに贈ってみるのです。

 

(城南に遊ぶ十六首:風は花枝を折る)

浮豔【ふえん】すは天を侵し 就いて看難し,清香【せいこう】地を撲【おお】い只だ遙かに聞こゆ。

春風は也【ま】た是れ 情思【じょうし】多くし,故【ことさら】に繁枝【はんし】を揀【えら】び 折りて 君に贈る。 

 

 

 

『遊城南十六首:風折花枝』 現代語訳と訳註

(本文)

遊城南十六首:風折花枝

浮豔侵天難就看,清香撲地只遙聞。

春風也是多情思,故揀繁枝折贈君。

 

 

(下し文)

(城南に遊ぶ十六首:風は花枝を折る)

浮豔【ふえん】すは天を侵し 就いて看難し,清香【せいこう】地を撲【おお】い只だ遙かに聞こゆ。

春風は也【ま】た是れ 情思【じょうし】多くし,故【ことさら】に繁枝【はんし】を揀【えら】び 折りて 君に贈る。 

 

 

(現代語訳)

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の風折花枝。)

浮き立つようなあでやかさは天を侵して近づけないが、清らな香りは地をおおってはるかにっとくまでにおいはひろがっているのです。

春風はまた浮気心、思いが多いものであり、粋なことであろうか。私も多情な気持ちになって、故意に若葉が茂っている枝を折ってあなたに贈ってみるのです。

柳絮01 








 

(訳注)

遊城南十六首:風折花枝 

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の風折花枝。)

・游城南十六首 底本巻九。十六首が一時に作られたものではないのかもしれない。長安城南に遊んで作った詩が、どれも晩春をうたったものである。

 

 

浮豔 侵天 難就 ,清香 撲地 只遙聞

浮き立つようなあでやかさは天を侵して近づけないが、清らな香りは地をおおってはるかにっとくまでにおいはひろがっているのです。

・浮豔 ただようあでやかさ.ここでは、浮き立つようなあでやかさというほどの意であろう。

・侵天 天空、天上にいたる。ここのところは、愛する女性を、貴族かあるいはそれ以上の高い地位の人に奪われて、遠くからそれをしたっている男の恋情をうたったような気味がある。

・撲地 地をおおう。地上に満ちるというほどの意。

 

 

 

春風 也是多情 ,故揀 繁枝 折贈

春風はまた浮気心、思いが多いものであり、粋なことであろうか。私も多情な気持ちになって、故意に若葉が茂っている枝を折ってあなたに贈ってみるのです。

・情思 思いやり、というほどの意。

・繁枝 上句の多情思をうけている。

・折贈君 春風が原因で贈る気になったということ。これで女性が口説けたのだろう。

・この詩は起句に「」(女性の色気)を使い、承句に「香」(女性)「撲」(性行為の腰の運動)、転結二句「春風」(性行為)「多情」(浮気心)「繁枝」(浮気心)「折贈」(性行為)と、艶歌に使う言葉を鏤めていて、韓愈にしては珍しいもので、面白いが、良い詩ではない。
魚玄機55021 

遊城南十六首:楸樹,二首之二 韓愈(韓退之) <174>Ⅱ中唐詩785 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2909

楸樹,二首之二 韓愈 幸せなところ、じぶんの力で枝々はしっかりと伸びて樹を大きくしているのだ。蔓の蔓なんぞにからんでもらう、わずらわしいことはないのだ。

 

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安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html    
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html    
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html    
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html    
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。    
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。    
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html    
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html    
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html    
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。    
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

遊城南十六首:楸樹,二首之二 韓愈(韓退之) <174>Ⅱ中唐詩785 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2909

 

作者: 韓愈 元和十一年  816  49  

卷別: 卷三四三  文體: 七言 

詩題: 遊城南十六首:楸樹,二首之二 

寫及地點:  城南 (京畿道 京兆府 長安)     

 

 

詩文:

遊城南十六首:楸樹,二首之二

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の庭の大樹を詠う二首の二。)

幸自枝條能樹立,可煩蘿蔓作交加。

幸せなところ、じぶんの力で枝々はしっかりと伸びて樹を大きくしているのだ。蔓の蔓なんぞにからんでもらう、わずらわしいことはないのだ。

傍人不解尋根本,卻道新花勝舊花。

はたの人は 根本のところを見きわめもしないというのに、「こんどの花は前の花よりいい」などといっている。

 

(遊城南十六首:楸【キササゲ】の樹,二首の二)  

幸【もともと】自ら枝條の能く樹立せしなり,可んぞ蘿蔓【らまん】を煩わして交加【こうか】を作さんや。

傍人は根本を尋ぬるを解せずして,卻って道【い】う「新花は舊花より勝れり」と。

楠樹03 















 

『遊城南十六首:楸樹,二首之二』 現代語訳と訳註

(本文)

遊城南十六首:楸樹,二首之二

幸自枝條能樹立,可煩蘿蔓作交加。

傍人不解尋根本,卻道新花勝舊花。

 

 

(下し文)

(遊城南十六首:楸【キササゲ】の樹,二首の二)  

幸【もともと】自ら枝條の能く樹立せしなり,可んぞ蘿蔓【らまん】を煩わして交加【こうか】を作さんや。

傍人は根本を尋ぬるを解せずして,卻って道【い】う「新花は舊花より勝れり」と。

 

 

(現代語訳)

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の庭の大樹を詠う二首の二。)

幸せなところ、じぶんの力で枝々はしっかりと伸びて樹を大きくしているのだ。蔓の蔓なんぞにからんでもらう、わずらわしいことはないのだ。

はたの人は 根本のところを見きわめもしないというのに、「こんどの花は前の花よりいい」などといっている。

 

美女004



(
訳注)

遊城南十六首:楸樹,二首之二 

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の庭の大樹を詠う二首の二。)

・游城南十六首 底本巻九。十六首が一時に作られたものではないのかもしれない。長安城南に遊んで作った詩が、どれも晩春をうたったものである。

・楸 ひさぎ、また、キササゲという木である。ノウゼンカズラ科の落葉高木。中国中南部原産。葉は大形で、キリの葉に似る。夏、枝先に淡黄色の花を密につける。果実は細長く垂れ、ササゲのさやに似る。果実を食用、また利尿薬にする。花園, 庭園; . 黄蝉を意味する。

 

 

幸自 枝條 樹立 ,可煩 蘿蔓 作交加。

幸せなところ、じぶんの力で枝々はしっかりと伸びて樹を大きくしているのだ。蔓の蔓なんぞにからんでもらう、わずらわしいことはないのだ。

・蘿蔓 かずらのつる。

・交加 もつれあう。

 

 

傍人 不解 根本 ,卻道 新花 舊花

はたの人は 根本のところを見きわめもしないというのに、「こんどの花は前の花よりいい」などといっている。

・幸 盛唐ごろから使われた俗語で、もともと、とか、ちゃんと、とかいうほどの意。杜甫の「除架」に「幸結白花了」

除架 杜甫 <300> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1367 杜甫詩 700- 420

韓愈の「薦士」に「幸当択珉玉」

薦士 韓退之(韓愈)詩<62-#1>Ⅱ中唐詩367 紀頌之の漢詩ブログ1180

温庭筠の『楊柳枝』に「春來幸自長如線」などの例がみえる。

楊柳枝 (之五)

兩兩黃鸝色似色,裊枝啼露動芳音。

春來自長如線,可惜牽纏蕩子心。

楊柳枝 之五 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-61-14-# 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1860
・可 ○可待 何を待とうか。待つまでもないことだ。反語的な語気を含む。李商隠の 

錦瑟

錦瑟無端五十弦、一弦一柱思華年。

莊生曉夢迷蝴蝶、望帝春心托杜鵑。

滄海月明珠有涙、藍田日暖玉生煙。

此情待成追憶、只是當時已惘然。

錦瑟 李商隠 1 Ⅰ晩唐李商隠詩<1>漢文委員会kanbuniinkai紀頌之漢詩ブログ<64>

遊城南十六首:楸樹,二首之一 韓愈(韓退之) <173>Ⅱ中唐詩784 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2904

楸樹,二首之一 韓愈 この木は幾年もかかって大木になったのであるが、ある日気が付くとまといつかれたた藤づるにくるしむこととなる。


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遊城南十六首:楸樹,二首之一 韓愈(韓退之) <173>Ⅱ中唐詩784 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2904

 

 

作 者: 韓愈 元和十一年  816  49 

卷 別: 卷三四三  文體: 七言 

詩 題: 遊城南十六首:楸樹,二首之一 

及地點:  城南 (京畿道 京兆府 長安)     

 

 

詩文:

遊城南十六首:楸樹,二首之一  

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の庭の大樹を詠う二首の一。)

生成為大樹,一朝纏繞困長藤。

この木は幾年もかかって大木になったのであるが、ある日気が付くとまといつかれたた藤づるにくるしむこととなる。

誰人與青羅帔,看吐高花萬萬層。

誰か、あの若くて書生の様な青い上衣を脱がせてやれないものか、そうしたらその枝の高い所にまで、何万という花をつけて咲きはこるのがいやというほど見られることだろう。

 

遊城南十六首:楸【キササゲ】の樹,二首之一  

 生成して大樹と為る,一朝 纏繞【てんじょう】せられて長藤に困しむ。

誰人か與【ため】に青羅の帔をせば高花の萬萬【ばんばん】層なるを吐くを看る。

楠樹03 















 

『遊城南十六首:楸樹,二首之一』 現代語訳と訳註

(本文)

遊城南十六首:楸樹,二首之一  

生成為大樹,一朝纏繞困長藤。

誰人與青羅帔,看吐高花萬萬層。

 

 

(下し文)

遊城南十六首:楸【キササゲ】の樹,二首之一  

 生成して大樹と為る,一朝 纏繞【てんじょう】せられて長藤に困しむ。

誰人か與【ため】に青羅の帔をせば高花の萬萬【ばんばん】層なるを吐くを看る。

 

 

(現代語訳)

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の庭の大樹を詠う二首の一。)

この木は幾年もかかって大木になったのであるが、ある日気が付くとまといつかれたた藤づるにくるしむこととなる。

誰か、あの若くて書生の様な青い上衣を脱がせてやれないものか、そうしたらその枝の高い所にまで、何万という花をつけて咲きはこるのがいやというほど見られることだろう。

 

wakaba002

 

(訳注)

遊城南十六首:楸樹,二首之一

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の庭の大樹を詠う二首の一。)

・游城南十六首 底本巻九。十六首が一時に作られたものではないのかもしれない。長安城南に遊んで作った詩が、どれも晩春をうたったものである。

・楸 ひさぎ、また、キササゲという木である。ノウゼンカズラ科の落葉高木。中国中南部原産。葉は大形で、キリの葉に似る。夏、枝先に淡黄色の花を密につける。果実は細長く垂れ、ササゲのさやに似る。果実を食用、また利尿薬にする。花園, 庭園; . 黄蝉を意味する。

 

 

生成 為大樹 ,一朝 纏繞 困長藤

この木は幾年もかかって大木になったのであるが、ある日気が付くとまといつかれたた藤づるにくるむこととなる。

・「幾何年もかけて。数十年

 

 

誰人 羅帔 ,看吐 高花 萬萬

誰か、あの若くて書生の様な青い上衣を脱がせてやれないものか、そうしたらその枝の高い所にまで、何万という花をつけて咲きはこるのがいやというほど見られることだろう。

・青羅帔 青い薄絹の肩衣。書生の服装。絲帛服飾(衣冠腰帶)。

・吐 吐くように垂れる。

・高花 背丈の高い木で枝の先端に花をつけるので高い所に咲く。

遊城南十六首:落花 韓愈(韓退之) <172>Ⅱ中唐詩783 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2899

遊城南十六首:落花 韓愈おもいもかけず、それまで悶々としていたときに、あまい春風に当てられ、あやまちを犯したことから、それまで東家の女といわれていたものが「西家の女」と淫乱な女に落ちてしまった。もうもとへ帰れないのです。

 

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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。   
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html   
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 
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孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。   
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

 

遊城南十六首:落花 韓愈(韓退之) <172>Ⅱ中唐詩783 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2899

 

 

作者: 韓愈  元和十一年  816  49 

卷別: 卷三四三  文體: 七言 

詩題: 遊城南十六首:落花 

寫作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安

寫及地點:  城南 (京畿道 京兆府 長安)     

 

 

詩文:

 

遊城南十六首:落花 

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の淫乱で落ちていった女。)

已分將身著地飛,那羞踐踏損光暉。

寂しさのあまりにとった行動は、地について身をひくくしてどこにでも飛ぶことをも己の分と覚悟してはいたのである。それでもどうして、ふみにじられて綺麗な顔を踏みつけられ、汚されて、ここまで恥辱をうけるのでしょうか。

無端又被春風誤,吹落西家不得歸。

おもいもかけず、それまで悶々としていたときに、あまい春風に当てられ、あやまちを犯したことから、それまで東家の女といわれていたものが「西家の女」と淫乱な女に落ちてしまった。もうもとへ帰れないのです。

 

(遊城南十六首:落花) 

已に 身を將って地に著き 飛を分とす,那んぞ 踐踏【せんとう】光暉を損ずるも羞じあらんや。

端無くも 又 春風に被われ誤ちたり,西家に吹落して 歸るを得ず。
 

美女004 

 


『遊城南十六首:落花』 現代語訳と訳註

(本文)

遊城南十六首:落花 

已分將身著地飛,那羞踐踏損光暉。

無端又被春風誤,吹落西家不得歸。

 

 

(下し文)

(遊城南十六首:落花) 

已に 身を將って地に著き 飛を分とす,那んぞ 踐踏【せんとう】光暉を損ずるも羞じあらんや。

端無くも 又 春風に被われ誤ちたり,西家に吹落して 歸るを得ず。

 

 

(現代語訳)

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の淫乱で落ちていった女。)

寂しさのあまりにとった行動は、地について身をひくくしてどこにでも飛ぶことをも己の分と覚悟してはいたのである。それでもどうして、ふみにじられて綺麗な顔を踏みつけられ、汚されて、ここまで恥辱をうけるのでしょうか。

おもいもかけず、それまで悶々としていたときに、あまい春風に当てられ、あやまちを犯したことから、それまで東家の女といわれていたものが「西家の女」と淫乱な女に落ちてしまった。もうもとへ帰れないのです。

 

(訳注)

遊城南十六首:落花 

鬢毛01(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の淫乱で落ちていった女。)

・游城南十六首 底本巻九。十六首が一時に作られたものではないのかもしれない。長安城南に遊んで作った詩が、どれも晩春をうたったものである。儒家の厳しい目で女性を見たもので、年増になれば、憐れな女性が多かったということであろう。

・落花 語意にむつかしいところはない。美しい未亡人が長らく独り身を通して貞婦といわれていたのに、ふとしたことからつまらぬ男に迷って泥沼の生活におちこんだことを、しみじみとなげいているようなところがある。韓愈が中書舎人から太子右庶子におとされたときの感情を託したのだろう、という批評家もある。東の女は賢くて貞操がある女。西家の女は色気があって浮気者。東家の女とか東隣婦という表現で登場する。『為焦仲卿妻作』-其十一場面「東家有賢女,窈窕豔城郭。」(昔からいうように東の方の家に賢い娘がいます。そのしとやかさ、上品であでやかさは城郭の内でも評判だというのです。)ということである。

西家の女は浮気者で悲惨なことになってしまう。五行思想からいうことでもあるが、西家について、六朝末の鮑照(ほう しょう、414?(義熙10年) - 466年(泰始2年))は、中国南北朝時代、宋の詩人。字は明遠。本籍地はもと上党郡(現在の山西省長治市)、後に東海郡(現在の江蘇省漣水県、または山東省郯城県)に移る。この鮑照

「擬行路難十八首」之八

中庭五株桃,一株先作花。

陽春妖冶二三月,從風簸盪落西家。

西家思婦見悲惋,零淚沾衣撫心歎。

初送我君出時,何言淹留節回換。

床席生塵明鏡垢,纖腰瘦削髮蓬亂。

人生不得恒稱悲,惆悵徙倚至夜半。

中庭五株の桃、一株先づ花を作す。

陽春妖冶二二月、風に従ひ簸盪して西家に落つ。

西家の思婦見て悲惋し、涙を尽し衣を沾し心を撫でて欺く。

初め我が君の戸を出づるを送りし時、何ぞ冒はむ留して節廻換せむと。

床席生じ明鏡垢づき、腰痩削し髪蓬乱す。

人生恒には意に称ふことを得ず、惆悵徙倚して夜半に至る。

というのがある。『落花』の「吹落西家不得歸。」結句の吹落四家の語からみて、韓愈が鮑照「從風簸盪落西家。」を念頭においたことは明らかだが、夫を思う妻の悲しみを、道を誤った女の欺きと変えているところが妙ではあるが、儒者の単純さは否めない。まだ、この時代では、詩に別れた夫のことを思って生活しなければいけないということは確立されていない。通い婚が基本である。

 

已分 將身 著地 ,那羞 踐踏 損光暉

寂しさのあまりにとった行動は、地について身をひくくしてどこにでも飛ぶことをも己の分と覚悟してはいたのである。それでもどうして、ふみにじられて綺麗な顔を踏みつけられ、汚されて、ここまで恥辱をうけるのでしょうか。

・「分」自分の性。

・「羞」恥辱を受ける。

・「踏」踏みにじられる。

・「光暉」女の顔は生き生きしてかがやいていた事。

 

 

無端 又被春風 誤,吹落 西家 不得

おもいもかけず、それまで悶々としていたときに、あまい春風に当てられ、あやまちを犯したことから、それまで東家の女といわれていたものが「西家の女」と淫乱な女に落ちてしまった。もうもとへ帰れないのです。

・「無端」はしなくも。おもいもかけず。

・「春風」誰にでも声をかけるほどの浮気心。噂が立って誰も相手をしなくなるほどの淫乱な行動をしたという意味になる。この時代は結構自由な性の環境にあった。1200年頃から、明、清にかけ最頂、清朝末期頃が貞操に厳しいものがあった。

・「西家」東の女は賢くて貞操がある女。西家の女は色気があって浮気者。儒家は東家の女を詠うことが多いが、西家を詠うのは珍しい。
蛺蝶02 

遊城南十六首:晚春 韓愈(韓退之) <171>Ⅱ中唐詩782 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2894

遊城南十六首:晚春 韓愈 白楊の花がいっぱいで、楡の実のさやはその際うまく使っていないで気がきかない。ただ、この春の終わりに、この空いっぱいに雪のように飛ぶことを知ってるだけだ。

 

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Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2 曹丕(魏文帝) 《善哉行》 魏詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 2896 (08/27)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 天仙子 其一 ~ 其五 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-270-5-#24  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2897
 
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html   
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html   
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html   
謝靈運詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。   
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。   
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html   
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー 
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html   
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html   
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。   
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。   
李商隠詩 
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遊城南十六首:晚春 韓愈(韓退之) <171>Ⅱ中唐詩782 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2894

 

 

作者: 韓愈 

元和十一年  816  49 

卷別: 卷三四三  文體: 七言 

詩題: 遊城南十六首:晚春 

寫及地點:  城南 (京畿道 京兆府 長安)     

 

 

詩文:

遊城南十六首:晚春

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の晩春。)

草樹知春不久歸,百般紅紫鬥芳菲。

草木樹、万物というものは 春がおわるとしてもしばらく帰って来ないのを知っていて、いろんなものは紅や紫、色さまざま 美しさを あらそって見せる。

楊花莢無才思,惟解漫天作雪飛。

白楊の花がいっぱいで、楡の実のさやはその際うまく使っていないで気がきかない。ただ、この春の終わりに、この空いっぱいに雪のように飛ぶことを知ってるだけだ。 

(城南に遊ぶ十六首:晚春)

草樹は春の久しく歸らざるを知り,百般の紅紫【こうし】芳菲【ほうひ】を鬥はしむ。

楊花と莢【ゆきょう】才思無く,惟だ天に漫【はびこ】り雪と作って飛ぶを解するのみ。

柳絮01 

 







『遊城南十六首』
(3) 現代語訳と訳註

(本文) 遊城南十六首:晚春

草樹知春不久歸,百般紅紫鬥芳菲。

楊花莢無才思,惟解漫天作雪飛。

海棠花021 










 

(下し文)

 (城南に遊ぶ十六首:晚春)

草樹は春の久しく歸らざるを知り,百般の紅紫【こうし】芳菲【ほうひ】を鬥はしむ。

楊花と莢【ゆきょう】才思無く,惟だ天に漫【はびこ】り雪と作って飛ぶを解するのみ。

 

(現代語訳)

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の晩春。)

草木樹、万物というものは 春がおわるとしてもしばらく帰って来ないのを知っていて、いろんなものは紅や紫、色さまざま 美しさを あらそって見せる。

白楊の花がいっぱいで、楡の実のさやはその際うまく使っていないで気がきかない。ただ、この春の終わりに、この空いっぱいに雪のように飛ぶことを知ってるだけだ。

 

 

(訳注)

遊城南十六首:晚春  

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の晩春。)

・游城南十六首 底本巻九。十六首が一時に作られたものではないのかもしれない。長安城南に遊んで作った詩が、どれも晩春をうたったものである。

 

 

 

草樹 知春 不久 ,百般 紅紫 芳菲

草木樹、万物というものは 春がおわるとしてもしばらく帰って来ないのを知っていて、いろんなものは紅や紫、色さまざま 美しさを あらそって見せる。

・「春」万物が成長する春。

・「紅紫」花・顏色、間色、紅紫。

・「鬥」あらそって見せる。

・「芳菲」花。

 

 

楊花 無才 ,惟解 漫天 作雪飛

白楊の花がいっぱいで、楡の実のさやはその際うまく使っていないで気がきかない。ただ、この春の終わりに、この空いっぱいに雪のように飛ぶことを知ってるだけだ。

・「楊花」(木本)、白楊の花。

・「莢」の実のさや

・「漫天」天空。
杏の花002 

遊城南十六首:題于賓客莊 韓愈(韓退之) <170>Ⅱ中唐詩781 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2889

遊城南十六首:題于賓客莊 韓愈 あれだけ権威を誇った家の朱塗の正門にいまでは馬の蹄の跡もひとつもない。これではたとえ春というのに使いをよこして帰って来てもどうしてそれを知ることが出来るだろう。


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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html   
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。   
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。   
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

遊城南十六首:題于賓客莊 韓愈(韓退之) <170>Ⅱ中唐詩781 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2889
 

 

作者: 韓愈  元和十一年  816  49 

卷別: 卷三四三  文體: 七言 

詩題: 遊城南十六首:題于賓客莊 

寫及地點:  城南 (京畿道 京兆府 長安)     

于賓客莊 (京畿道 京兆府 萬年)     

 

 

詩文:

遊城南十六首:題于賓客莊  

莢車前蓋地皮,薔薇蘸水筍穿籬。

馬蹄無入朱門跡,縱使春歸可得知。

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の于賓客の莊に立ち寄ってこの詩を題す。)

の実の莢【さや】や事前草が 地面を覆っている。薔薇は水にちょこんと浸っており、竹の子は生垣から突き出ている。

あれだけ権威を誇った家の朱塗の正門にいまでは馬の蹄の跡もひとつもない。これではたとえ春というのに使いをよこして帰って来てもどうしてそれを知ることが出来るだろう。

 

(城南に遊ぶ十六首:于【う】賓客【ひんかく】の莊に題す)

【ゆきょう】車前 地皮を蓋【おお】う薔薇【しょうび】は水に蘸【ひた】り筍は籬【まがき】を穿つ。

馬蹄 朱門に入る跡無し,縱い春をして歸らしむるも知るを得可けむや。

880ろせ 






 

遊城南十六首:題于賓客莊』 現代語訳と訳註

(本文)

遊城南十六首:題于賓客莊  

莢車前蓋地皮,薔薇蘸水筍穿籬。

馬蹄無入朱門跡,縱使春歸可得知。

 

 

(下し文)

(城南に遊ぶ十六首:于【う】賓客【ひんかく】の莊に題す)

【ゆきょう】車前 地皮を蓋【おお】う薔薇【しょうび】は水に蘸【ひた】り筍は籬【まがき】を穿つ。

馬蹄 朱門に入る跡無し,縱い春をして歸らしむるも知るを得可けむや。

 

 

(現代語訳)

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の于賓客の莊に立ち寄ってこの詩を題す。)

の実の莢【さや】や事前草が 地面を覆っている。薔薇は水にちょこんと浸っており、竹の子は生垣から突き出ている。

あれだけ権威を誇った家の朱塗の正門にいまでは馬の蹄の跡もひとつもない。これではたとえ春というのに使いをよこして帰って来てもどうしてそれを知ることが出来るだろう。

くちなしの花 






 

(訳注)

遊城南十六首:題于賓客莊  

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の于賓客の莊に立ち寄ってこの詩を題す。)

・游城南十六首 底本巻九。十六首が一時に作られたものではないのかもしれない。長安城南に遊んで作った詩が、どれも晩春をうたったものである。

・于賢客 太子賓客の于顓のこと。干顓は字は允元、貞元十四年、山南東道節度使となり、憲宗が即位して中央に帰り宰相となったが、その豪奢な生活態度がわ

ざわいして元和八年、恩王の傳に貶められ、九月、太子賓客となり、十三年辞表を出したとき、宰相が太子少保にしたらと意見をのべたが、憲宗は許さなかった。その年の八月死んだ。韓愈は青年時代このひとに三度も就職依頼状を出して返事をもらえなかった。ふと歩み入った荒れはてた屋敷が、そのひとのものであり、そのひともすでに亡いことを知って、作ったのかこの詩、諷意がかすかにただようが、それのみではない複雑な感情がある。

 

莢車前蓋地皮,薔薇蘸水筍穿籬。

の実の莢【さや】や事前草が 地面を覆っている。薔薇は水にちょこんと浸っており、竹の子は生垣から突き出ている。

車前 車前草=大葉子はオオバコ科オオバコ属の多年草。オオバコの成熟種子、花期の全草を乾燥したものを、それぞれ車前子(しゃぜんし)、車前草(しゃぜんそう)といい、生薬である。

・薔薇 バラ科バラ属の種(しゅ)の総称。 バラ属の植物は、灌木、低木、または木本性のつる植物で、葉や茎に棘があるものが多い。葉は1回奇数羽状複葉。花は5枚の花びらと多数の雄蘂を持つ(ただし、園芸種では大部分が八重咲きである)。

・蘸 液体や粉末に)ちょっとつける蘸点儿墨水ちょっとインクをつける.蘸火焼き入れをする.

 

馬蹄無入朱門跡,縱使春歸可得知。

あれだけ権威を誇った家の朱塗の正門にいまでは馬の蹄の跡もひとつもない。これではたとえ春というのに使いをよこして帰って来てもどうしてそれを知ることが出来るだろう。

朱門跡 役職に在る時に正門には尋ねる人が多かった。

縱使 韓愈は度々陳情書を出している。

・春歸 最盛期の春が帰って來る。
百舌鳥03 

遊城南十六首:賽神 韓愈(韓退之) <169>Ⅱ中唐詩780 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2884

遊城南十六首 賽神 韓愈  貧しいものか、隠者であろうか白布の長い上着に首に書けた肩巾のものたちがいる。賦役のないものにとってはこんな時にはやることのない閑人となっている。


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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html   
謝靈運詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。   
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。   
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html   
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー 
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html   
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html   
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。   
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。   
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

 

遊城南十六首:賽神 韓愈(韓退之) <169>Ⅱ中唐詩780 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2884

 

 

作年: 元和十一年  816  49 

卷別: 卷三四三  文體: 七言 

詩題: 遊城南十六首:賽神 

寫及地點:  城南 (京畿道 京兆府 長安)     

 

 

詩文:

遊城南十六首:賽神

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の賽神。)

白布長衫紫領巾,差科未動是閒人。

貧しいものか、隠者であろうか白布の長い上着に首に書けた肩巾のものたちがいる。賦役のないものにとってはこんな時にはやることのない閑人となっている。

麥苗含穟桑生葚,共向田頭樂社神。

冬を越した麦苗は穂をふくみ 桑は実をもうつけている。田圃のほとりにある鎮守さまでご一緒に神楽をあげて神さまをたのしませている。

 

城南に遊ぶ 十六首:賽神【さいしん】

白布【はくふ】長衫【ちょうさん】紫の領巾,差科【さか】にも未だ動かされず是れ閒人。

麥苗【ばくびょう】は穟【すき】を含み桑は葚を生ず,共に田頭に向て社神を樂ましむ。

 花瓊

 












遊城南十六首』 現代語訳と訳註

(本文)

遊城南十六首:賽神

白布長衫紫領巾,差科未動是閒人。

麥苗含穟桑生葚,共向田頭樂社神。

 

 

(下し文)

城南に遊ぶ 十六首:賽神【さいしん】

白布【はくふ】長衫【ちょうさん】紫の領巾,差科【さか】にも未だ動かされず是れ閒人。

麥苗【ばくびょう】は穟【すき】を含み桑は葚を生ず,共に田頭に向て社神を樂ましむ。

 

 

(現代語訳)

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の賽神。)

貧しいものか、隠者であろうか白布の長い上着に首に書けた肩巾のものたちがいる。賦役のないものにとってはこんな時にはやることのない閑人となっている。

冬を越した麦苗は穂をふくみ 桑は実をもうつけている。田圃のほとりにある鎮守さまでご一緒に神楽をあげて神さまをたのしませている。

燕麦01









 

 

(訳注)

遊城南十六首:賽神

(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の賽神。)

・游城南十六首 底本巻九。十六首が一時に作られたものではないのかもしれない。長安城南に遊んで作った詩が、どれも晩春をうたったものである。

・賽神 神さまへのお礼まいりだがこれは村まつりをうたっているのである。鎮守の神様。

 

 

白布長衫紫領巾,差科未動是閒人。

貧しいものか、隠者であろうか白布の長い上着に首に書けた肩巾のものたちがいる。賦役のないものにとってはこんな時にはやることのない閑人となっている。

・白布長衫 白衣は民間人、あるいは卑賤の者のつける着物だが、長衫すなわち長い上着は卑賤のもののつけるものではない。やや隠者ぶった服装である。

紫領巾 古代に女子が首にかけ,左右に垂らして用いた一条の布。褶,比礼,肩巾とも記す。5尺から25寸の羅や紗などを,一幅または二幅に合わせてつくった。古くは男女ともに着用したもの

・差科 賦役。民間人は税金をおさめ労務に服する義務があり、そのすべてをふくめてこういった。

・未動 士太夫以上は差科の対象として使役されない。

 

 

麥苗含穟桑生葚,共向田頭樂社神。

冬を越した麦苗は穂をふくみ 桑は実をもうつけている。田圃のほとりにある鎮守さまでご一緒に神楽をあげて神さまをたのしませている。

・葚 桑の実。

・田頭 田んぼのほとり。そこにある村社をさす。

・楽社神 神楽をあげて神さまをたのしませる。
 蛺蝶02

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