《論佛骨表》(18) 仏がもし霊力があって、禍やたたりをなすことができるならそうなさればよい。およそわざわいがあるということでおとがめがあるならば、私のこの身にお加えなさるがよろしい。
《論佛骨表》(18)#11-2韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <901> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3489韓愈詩-227-18
(17)#11-1
乞以此骨付之有司,投諸水火,
どうかこんな骨は役人に下げ渡されることです、そしてこれを水か火に投げ捨てることです。
永絕根本,斷天下之疑,絕後代之惑。
これから先、永く仏教がひろく通ずることの根本を絶つこと、天下に欺瞞がひろがることを断絶すること、そして、後世に疑惑が伝わらぬように断つことなのです。
使天下之人,知大聖人之所作為,
天下の人々をして大聖人天子のなされる所は、世の常の人々をはるかに凌いでいるということを知らしめるのです。
出於尋常萬萬也。
天子が上に出ること万々倍の常識であることを知らしめて頂きたい。
豈不盛哉!豈不快哉!
これは何と立派なことではないか。何と心よいことではないか。
(18)#11-2
佛如有靈,能作禍祟,
仏がもし霊力があって、禍やたたりをなすことができるならそうなさればよい。
凡有殃咎,宜加臣身。
およそわざわいがあるということでおとがめがあるならば、私のこの身にお加えなさるがよろしい。
上天鑒臨,臣不怨悔。
上天の神も上からこのわたしを見下ろしておられる。私は臣下として首をはねられても怨んだり悔いたりはいたしません。
無任感激懇悃之至,謹奉表以聞。
私は感激とねんごろなまごころの至りに堪えられないので、謹んでこの上表文を奉り申し上げる、
臣某誠惶誠恐。
誠に申し訳なく誠心誠意申し上げる次第である。
『論佛骨表』 現代語訳と訳註
(本文) (18)#11-2
佛如有靈,能作禍祟,
凡有殃咎,宜加臣身。
上天鑒臨,臣不怨悔。
無任感激懇悃之至,謹奉表以聞。
臣某誠惶誠恐。
(下し文)(佛骨を論ずる表)
(18)#11-2
佛如有靈,能作禍祟,
凡有殃咎,宜加臣身。
上天鑒臨,臣不怨悔。
無任感激懇悃之至,謹奉表以聞。
臣某誠惶誠恐。
(現代語訳)
仏がもし霊力があって、禍やたたりをなすことができるならそうなさればよい。
およそわざわいがあるということでおとがめがあるならば、私のこの身にお加えなさるがよろしい。
上天の神も上からこのわたしを見下ろしておられる。私は臣下として首をはねられても怨んだり悔いたりはいたしません。
私は感激とねんごろなまごころの至りに堪えられないので、謹んでこの上表文を奉り申し上げる、
誠に申し訳なく誠心誠意申し上げる次第である。
(訳注) (18)#11-2
佛如有靈,能作禍祟,
仏がもし霊力があって、禍やたたりをなすことができるならそうなさればよい。
○有霊 霊力がある。ふしぎな力がある。
○禍祟 わぎわいとたたり。
凡有殃咎,宜加臣身。
およそわざわいがあるということでおとがめがあるならば、私のこの身にお加えなさるがよろしい。
○殃咎 とがめ。わざわい。
上天鑒臨,臣不怨悔。
上天の神も上からこのわたしを見下ろしておられる。私は臣下として首をはねられても怨んだり悔いたりはいたしません。
○鑒臨 上から照らしのぞむ。
無任感激懇悃之至,謹奉表以聞。
私は感激とねんごろなまごころの至りに堪えられないので、謹んでこの上表文を奉り申し上げる、
○懇悃 ねんごろなまこと。悃はまごころ。
○以聞 申し上げる。上表文につける常用形式語。「いぷん」と読む。
臣某誠惶誠恐。
誠に申し訳なく誠心誠意申し上げる次第である。
論佛骨表(2)#1
臣某言:伏以佛者,夷狄之一法耳,自後漢時流入中國,上古未嘗有也。
《論佛骨表》(1)元和十四年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <884> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3404韓愈詩-227-1
(3)#2
昔者黃帝在位百年,年百一十歲;
少昊在位八十年,年百歲;
顓頊在位七十九年,年九十八歲;
帝嚳在位七十年,年百五歲;
帝堯在位九十八年,年百一十八歲;
帝舜及禹,年皆百歲。此時天下太平,
百姓安樂壽考,然而中國未有佛也。
《論佛骨表》(2)元和十四年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <885> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3409韓愈詩-227-2
《論佛骨表》(3)元和十四年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <886> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3414韓愈詩-227-3
#3
其後,殷湯亦年百歲,湯孫太戊在位七十五年,武丁在位五十九年,書史不言其年壽所極,推其年數,蓋亦俱不減百歲,周文王年九十七歲,武王年九十三歲,穆王在位百年。此時佛法亦未入中國,非因事佛而致然也。
《論佛骨表》(4)元和十四年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <887> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3419韓愈詩-227-4
#4
漢明帝時,始有佛法,明帝在位,才十八年耳。其後亂亡相繼,運祚不長。宋、齊、梁、陳、元魏以下,事佛漸謹,年代尤促。惟梁武帝在位四十八年,前後三度舍身施佛,宗廟之祭,不用牲牢,晝日一食,止於菜果。其後竟為侯景所逼,餓死台城,國亦尋滅。事佛求福,乃更得禍。由此觀之,佛不足事,亦可知矣。
《論佛骨表》(5)元和十四年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <888> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3424韓愈詩-227-5
《論佛骨表》(6)元和十四年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <889> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3429韓愈詩-227-6ー#4-2
#5
高祖始受隋禪,則議除之。當時群臣材識不遠,不能深知先王之道、古今之宜,推闡聖明,以救斯弊,其事遂止。臣常恨焉。
《論佛骨表》(7)元和十四年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <890> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3434韓愈詩-227-7
#6
伏惟睿聖文武皇帝陛下,神聖英武,數千百年已來,未有倫比。即位之初,即不許度人為僧尼、道士,又不許創立寺觀。臣嚐以為高祖之誌,必行於陛下之手,今縱未能即行,豈可恣之轉令盛也!
《論佛骨表》(8)元和十四年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <891> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3439韓愈詩-227-8
《論佛骨表》(9) #7元和十四年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <892> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3444韓愈詩-227-9
#7
今聞陛下令群僧迎佛骨於鳳翔,禦樓以觀,舁入大內,又令諸寺遞迎供養。臣雖至愚,必知陛下不惑於佛,作此崇奉,以祈福祥也。直以年豐人樂,徇人之心,為京都士庶設詭異之觀,戲玩之具耳。安有聖明若此,而肯信此等事哉!
《論佛骨表》(10)元和十四年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <893> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3449韓愈詩-227-10
#8然百姓愚冥,易惑難曉,苟見陛下如此,將謂真心事佛。皆云:「天子大聖,猶一心敬信;百姓何人,豈合更惜身命!」焚頂燒指,百十為群,解衣散錢,自朝至暮,轉相仿效。惟恐後時,老少奔波,棄其業次。若不即加禁遏,更曆諸寺,必有斷臂臠身,以為供養者。傷風敗俗,傳笑四方,非細事也。
《論佛骨表》(11)韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <894> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3454韓愈詩-227-11
《論佛骨表》(12)#8-2韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <895> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3459韓愈詩-227-12
#9
夫佛本夷狄之人,與中國言語不通,衣服殊制,口不言先王之法言,身不服先王之法服,不知君臣之義、父子之情。假如其身至今尚在,奉其國命,來朝京師;陛下容而接之,不過宣政一見,禮賓一設,賜衣一襲,衛而出之於境,不令惑眾也。
《論佛骨表》(13)韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <896> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3464韓愈詩-227-13
《論佛骨表》(14)#9-2韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <897> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3469韓愈詩-227-14
#10
況其身死已久,枯朽之骨,凶穢之餘,豈宜令入宮禁?
孔子曰:「敬鬼神而遠之。」古之諸侯行吊於其國,尚令巫祝先以桃茢祓除不祥,然後進吊。今無故取朽穢之物,親臨觀之,巫祝不先,桃茢不用。群臣不言其非,禦史不舉其失,臣實恥之。
《論佛骨表》(15)#10-1韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <898> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3474韓愈詩-227-15
#11
乞以此骨付之有司,投諸水火,永絕根本,斷天下之疑,絕後代之惑。使天下之人,知大聖人之所作為,出於尋常萬萬也。豈不盛哉!豈不快哉!佛如有靈,能作禍祟,凡有殃咎,宜加臣身。上天鑒臨,臣不怨悔。無任感激懇悃之至,謹奉表以聞。
臣某誠惶誠恐。