中唐234 京山行 Ⅶ孟郊(孟東野)<17> 紀頌之の漢詩ブログ



京山行

衆蝱聚病馬、流血不得行。

後道起夜色、前山聞虎声。

此時遊子心、百尺風中旌。


京山の歌。

衆蝱病馬にあつまり、流血行くを得ず。

後道に夜色起こり、前山に虎声を聞く。

此の時 遊子の心、百尺風中の旌(はた)。


花と張0104

 現代語訳と訳註

(本文)

京山行
衆蝱聚病馬、流血不得行。

後道起夜色、前山聞虎声。

此時遊子心、百尺風中旌。


(下し文)

京山の歌。
衆蝱病馬にあつまり、流血行くを得ず。

後道に夜色起こり、前山に虎声を聞く。

此の時 遊子の心、百尺風中の旌(はた)。



(現代語訳)

病気の馬に大量の虻が集まってくる。体内の血液が回っていかなくなるようになる。

死んでいったら、夜道に狐火が出るが、生きていたら山の中に唸り声の聞える虎の餌食になる。

わたしは、こんなようには生きたくない、詩人として、隠遁するか、旅人になる心はもっている。百尺の長さのある旗が風の中ではためいているように立ち向かっていくのだ。



 (訳注)京山行

京山の歌。

○京山 都での生活、これからの生き方、決意を詠ったもの。ここでの山は生活の場所。


衆蝱聚病馬、流血不得行。             

衆蝱病馬にあつまり、流血行くを得ず。

病気の馬に大量の虻が集まってくる。体内の血液が回っていかなくなるようになる。

○蝱 アブ、ウシアブ、という意味がある。また一足一翼の伝説上の鳥の名。蝱で「人を齧む飛蟲なり」とある。双翅(そうし)目アブ科の昆虫の総称。ハエより大形で、体は黄褐色、複眼は大きい。雌には人畜から吸血するものがある。莔と通じてバイモのこともいう。



後道起夜色前山聞虎声

後道に夜色起こり、前山に虎声を聞く

死んでいったら、夜道に狐火が出るが、生きていたら山の中に唸り声の聞える虎の餌食になる。


此時遊子心、百尺風中旌。

此の時 遊子の心、百尺風中の旌(はた)。

わたしは、こんなようには生きたくない、詩人として、隠遁するか、旅人になる心はもっている。百尺の長さのある旗が風の中ではためいているように立ち向かっていくのだ。

○旌 はた。艱難辛苦に立ち向かう姿勢を旗に比喩している。『奉送郭中丞兼太樸卿充隴右節度使三十韻』「斜日當軒蓋,高風卷旆旌。」『哀江頭』「憶昔霓旌下南苑,苑中萬物生顏色。」とある。


(解説)

孟郊は毎年晩春に挫折感を味わっている。その都度、故郷の母に手紙を出したり、小旅行したり、気分を変え、決意を新たにして、翌年の受験に備えた。電大のものからは想像できない生活であろう。ある意味、屈折した青年期を過ごして、詩人「孟郊」は育成されていくのである。艱難辛苦は詩人を作り上げる必須条件なのかもしれない。


  


 京山行


衆蝱聚病馬、流血不得行。
後道起夜色、前山聞虎声。
此時遊子心、百尺風中旌。

 


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